JP3693604B2 - カメラ、カメラシステム、制御方法、プログラム及び記録媒体 - Google Patents

カメラ、カメラシステム、制御方法、プログラム及び記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はカメラに係り、特に、物体の所定部位を特定可能なカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カメラのピント合わせには、一般に光学式のオートフォーカスが用いられている。光学式オートフォーカスでは、例えば、発光素子から赤外光を発光して被写体に反射させ受光素子で反射光を検出してカメラと被写体との距離を測距している。光学式オートフォーカスは、比較的外乱に対して強く野外での使用に耐えるものであるが、カメラを被写体に向かせるために人の介在が必須であり、無人化することは難しい。
【0003】
この問題を解決するために、特開平9−289609号公報には、被写体が発する音声方向にカメラを向ける技術が開示されている。この技術によれば、音声方向に自動的にカメラを向けることができるので、音声を発出する人物等を撮影することができるものの、音声を発出しない物体にはカメラを向けることが困難であったり、野外のような騒音のあるところでの使用は難しい、という課題がある。
【0004】
ところで、近年、人の顔の画像情報を元に本人であるか否かを自動的に認証する認証システムの開発や物体の特定部位を自動的に認識する認識システム等の開発が進められている。このようなシステムでは、画像情報が多すぎると認証・認識に時間が掛かる反面、画像情報が少なすぎると誤認証・誤認識を招くので、一般に、広い領域を撮影可能な広角カメラを用いて人物や物体を含む画像を得て、顔や物体の特定部位を中央にして背景を少なくするトリミング処理を行った後、人物の認証処理や物体の認識処理が行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記認証システムや認識システムでは、画像を取り込んだ後に人の顔や物体の部位を特定する複雑な画像処理を行っているので、画像処理の処理時間が長くなると共に、顔や特定部位へのトリミング処理を行うために高解像度の画像が必要となるので、画素数の大きな撮像素子が必要となりコスト高となる、という問題がある。
【0006】
本発明は上記事案に鑑み、物体の部位を正確に特定した画像情報を送出し画像処理時間を短縮することができるカメラを提供することを課題とする。
【0009】
課題を解決するための手段
上記課題を解決するために、本発明の第の態様は、発信素子から送出した信号を物体に反射させ受信素子で反射信号を検出する検出手段と、前記物体を撮影する撮影手段と、前記検出手段及び前記撮影手段を略垂直方向に駆動するチルト駆動が可能であって、前記検出手段の検出方向及び前記撮影手段の撮影方向を変更する方向変更手段と、前記検出手段からの反射信号に基づいて前記物体の存在を検出し、前記方向変更手段に前記検出手段の検出方向を少なくとも1回前記物体の存在を検出した方向とは異なる方向に変更させ前記検出手段が検出した複数の反射信号に基づいて前記物体の所定部位を特定し、前記撮影手段が該特定された物体の所定部位に向くように前記方向変更手段を制御する制御手段と、を備え、前記撮影手段により撮影される物体の対象は予め定められており、前記制御手段は、前記方向変更手段に前記対象が存在しない上側から前記対象が存在する下側方向へのチルト駆動又はその逆方向へのチルト駆動をさせ、前記検出手段の反射信号の変化に基づいて前記対象の高さ方向の少なくとも一方の輪郭を特定し、該特定された一方の輪郭の位置を基準として前記対象に応じて予め定められた垂直方向の位置を前記物体の所定部位のうち高さ方向の部位として特定することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の第の態様は、発信素子から送出した信号を物体に反射させ受信素子で反射信号を検出する検出手段と、前記物体を撮影する撮影手段と、前記検出手段及び前記撮影手段を略水平方向に駆動するパン駆動及び略垂直方向に駆動するチルト駆動が可能であって、前記検出手段の検出方向及び前記撮影手段の撮影方向を変更する方向変更手段と、前記検出手段からの反射信号に基づいて前記物体の存在を検出し、前記方向変更手段に前記検出手段の検出方向を少なくとも1回前記物体の存在を検出した方向とは異なる方向に変更させ前記検出手段が検出した複数の反射信号に基づいて前記物体の所定部位を特定し、前記撮影手段が該特定された物体の所定部位に向くように前記方向変更手段を制御する制御手段と、を備え、前記撮影手段により撮影される物体の対象は予め定められており、前記制御手段は、前記方向変更手段のパン駆動による前記検出手段の反射信号の変化に基づいて前記物体の幅方向の両輪郭を特定し、前記反射信号が検出された2点の中点を前記物体の所定部位のうち幅方向の部位として特定し、前記方向変更手段に前記対象が存在しない上側から前記対象が存在する下側方向へのチルト駆動又はその逆方向へのチルト駆動をさせ、前記検出手段の反射信号の変化に基づいて前記対象の高さ方向の少なくとも一方の輪郭を特定し、該特定された一方の輪郭の位置を基準として前記対象に応じて予め定められた垂直方向の位置を前記物体の所定部位のうち高さ方向の部位として特定することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明を人物認証用カメラに適用した実施の形態について説明する。
【0013】
図1に示すように、図示しない壁面には人が出入可能なドア3が具設されている。ドア3の近傍(左側)には、ドア3の前に立った人物2の顔(物体の特定部位)を撮影するカメラ1が配置されている。カメラ1の上側には、人物2にカメラ1の方向に顔を向けるよう指示するステッカ5が壁面に貼付されている。また、ドア3の前の床面にはカメラ1が人物2の顔を撮影可能な認証エリア4が矩形状に画成されている。認証エリア4の床面には、認証エリア4内にいる人物2を検出可能な圧力スイッチが埋設されている。カメラ1で撮影された人物2の顔の画像情報は、接続手段としての図示しないインターフェースを介してパーソナルコンピュータ等の図示しないホスト部へ送出される。ホスト部では、人物2の顔の特徴量等のデータを抽出するために送出された人物2の顔の画像情報についての処理がなされ、ホスト部のデータベースに蓄積された人物2の特徴量と一致する場合にドア3が開錠される。
【0014】
図2に示すように、カメラ1は、箱状のカメラ本体11を支持する断面L字状の雲台19を備えている。カメラ本体11は、人物2の顔を撮影するための撮影レンズ12と、撮影レンズ12の焦点位置に配置され画像情報をフレーム転送又はインターライン転送によりビデオ出力するCCD等の撮像素子13とを有している。カメラ本体11の撮像素子13の奥側(撮影レンズ12の反対側)には、図示しないホスト部との接続を確保するためのコネクタ部が配置されている。カメラ本体11の上側には、発光窓15及び受光窓16が形成された測距ユニット14が配置されている。測距ユニット14には、発光窓15の奥側に赤外光を発光する発光素子と、受光窓16の奥側に人物2に反射した反射光を受光する受光素子とが配設されている。
【0015】
雲台19の上には、カメラ本体11を略水平方向にパン駆動させるステッピングモータ(以下、パンモータという。)17が配置されている。また、雲台19の側面には、カメラ本体11を略垂直方向にチルト駆動させるステッピングモータ(以下、チルトモータという。)18が配置されている。従って、カメラ本体11及び測距ユニット14は、パンモータ17及びチルトモータ18の駆動により一体に水平及び垂直方向に移動可能な構成とされている。
【0016】
図3に示すように、カメラ1にはパンモータ17及びチルトモータ18の駆動を制御する制御ユニット20が接続されている。制御ユニット20は、CPU、RAM、ROM及びインターフェースを内蔵したマイコン21、マイコン21からのH(ハイ)レベル信号により発光素子27を発光させるドライバ25、受光素子26で受光した赤外反射光によるアナログ信号を増幅するアンプ24、増幅されたアナログ信号を正規化してデジタル信号に変換するA/Dコンバータ22、パンモータ17を正逆転の双方向に駆動するドライバ28、チルトモータ18を正逆転の双方向に駆動するドライバ29を有している。マイコン21は、A/Dコンバータ22に接続されており、A/Dコンバータ22はアンプ24に接続されている。アンプ24は、受光素子26に接続されている。また、マイコン21はドライバ25に接続されており、ドライバ25は発光素子27に接続されている。更に、マイコン21は、ドライバ28、29に接続されており、ドライバ28はパンモータ17に、ドライバ29はチルトモータ18にそれぞれ接続されている。なお、マイコン21は上述した圧力スイッチ31にも接続されている。
【0017】
次に、本実施形態のカメラ1の動作について説明する。なお、マイコン21は既にROMに記述されたプログラムや後述する設定値等のデータのRAMへの展開を行う初期処理を終了しており、カメラ本体11を人物2の顔に向かせるための部位特定ルーチンが実行可能な状態にあるものとする。
【0018】
図4に示すように、この部位特定ルーチンでは、まずステップ102において、圧力スイッチ31がオンとなるまで待機する。圧力スイッチ31がオンとなると、次のステップ104において、ドライバ28、29にパンモータ17及びチルトモータ18を駆動させ、カメラ1(カメラ本体11及び測距ユニット14)が初期方向Oに位置するように(初期位置に位置するように)移動させ、パンモータ17及びチルトモータ18の駆動を停止させる。初期方向Oは、水平方向では、図5(A)に示すように、明らかに人物2が存在しない方向に設定されており、垂直方向では、図5(B)に示すように、明らかに人物2が存在する方向に設定されている。次のステップ106では、ドライバ25にHレベル信号を送出して発光素子27を点灯させる。これにより受光素子26は人物2で反射した赤外反射光を受光できる状態となる。
【0019】
次にステップ108では、ドライバ28にパンモータ17を駆動させる。これにより、カメラ1は垂直方向を初期方向のままとして、初期方向Oから水平方向に終端方向O’まで移動することになる(図5(A)、図6も参照)。終端方向O’は、認証エリア4を挟んだ初期方向Oの反対側で明らかに人物2が存在しない方向に設定されている。次のステップ110では、受光素子26で受光した信号に変化があるか否かを判断し、肯定判断のときは、ステップ112において、ドライバ28にパンモータ17の駆動を開始させた時刻からの経過時刻を取得してRAMに記憶し、否定判断のときは、ステップ114に進む。このような経過時刻は、マイコン21内の内部時計により算出することができる。ステップ114では、カメラ1が終端方向O’に到達したか(向いたか)否かの判断を、ドライバ28にパンモータ17の駆動を開始させた時刻から予め設定された所定時刻が経過したか否かにより判定する。否定判定のときは、ステップ108に戻りパンモータ17の駆動を続行させ、肯定判定のときは、パンモータ17の駆動を停止させステップ116に進む。
【0020】
図5(A)及び図6に示すように、パンモータ17の駆動によりカメラ1が初期方向Oから終端方向O’まで移動するときには、カメラ1の向きは人物2の水平方向を横切ることになるので、人物2の幅方向の輪郭を構成する点A及び点Bで受光素子26が受光した信号に変化がみられる。従って、ステップ112では、点Aでのドライバ28にパンモータ17の駆動を開始させた時刻からの経過時刻t及び点Bでのドライバ28にパンモータ17の駆動を開始させた時刻から経過時刻tを取得してRAMに記憶することになる。
【0021】
ステップ116では、RAMに記憶した経過時刻t及び経過時刻tを読み出して、点Aと点Bとの中点Cの水平方向上の位置を演算し、パンモータ17を終端方向O’から逆転させて中点Cへカメラ1を向ける(戻す)ための時間を演算する。ドライバ28がパンモータ17に単位時間当たり送出するパルス数は予め設定されており、パンモータ17の駆動時間はパルス数と比例関係にあるので、終端方向O’から中点Cまでカメラ1を向けるまでのパンモータ17の駆動時間を演算することができる。
【0022】
次にステップ118において、パンモータ17をカメラ1が中点Cを向くまで逆転させ、カメラ1が中点Cを向いた時点でパンモータ17を停止させる。従って、図6に示すように、カメラ1は、水平方向に、パンモータ17の正転駆動により、初期方向Oから点A及び点Bを通過して終端方向O’までを向き、終端方向O’で一旦停止した後、パンモータ17の逆転駆動により、中点Cを向くこととなる。
【0023】
次のステップ120では、ドライバ29にチルトモータ18をカメラ1が上側方向を向くように駆動させる。図5(B)及び図6に示すように、カメラ1は中点Cから図示しない垂直方向の終端まで移動することになる。垂直方向の終端は、身長がおよそ2.5mを超える人は存在しないことやカメラ1の垂直(高さ)方向の設置位置を考慮して設定することができる。
【0024】
次のステップ122では、受光素子26で受光した信号に変化があるか否かを判断し、肯定判断のときは、ステップ124において、ドライバ29にチルトモータ18の駆動を開始させた時刻からの経過時刻を取得してRAMに記憶し、否定判断のときは、ステップ126に進む。ステップ126では、カメラ1が垂直方向の終端に到達したかを、ドライバ29にチルトモータ18の駆動を開始させた時刻から所定時刻が経過したか否かにより判定する。否定判定のときは、ステップ120に戻りチルトモータ18の駆動を続行させ、肯定判定のときは、チルトモータ18の駆動を停止させステップ128に進む。
【0025】
図5(B)及び図6に示すように、チルトモータ18の駆動によりカメラ1が中心点Cから図示しない垂直方向の終端まで向くときには、人物2の垂直(高さ)方向の輪郭(端部)を構成する点Dで受光素子26で受光した信号に変化がみられる。従って、ステップ124では、点Dでのドライバ29にチルトモータ18の駆動を開始させた時刻からの経過時刻tを取得してRAMに記憶することになる。
【0026】
次のステップ128では、人物2の点Dからの位置として予め設定された垂直方向の設定値(図6の点Dから点Eまでの距離をチルトモータ18が駆動する時間)を読み出す。点Dから点Eまでの距離は、本実施形態のように人物2の顔の位置を特定する場合には、例えば10cm程度に設定することができる。ステップ130では、RAMに記憶した経過時刻tを読み出して、図示しない垂直方向の終端から点Dの設定値(10cm)分だけ下のターゲットポイントEにチルトモータ18を逆転させカメラCを向ける(戻す)ための時間を演算する。水平方向の場合と同様に、ドライバ29がチルトモータ18に単位時間当たり送出するパルス数は予め設定されており、チルトモータ18の駆動時間はパルス数と比例関係にあるので、図示しない垂直方向の終端からターゲットポイントEまでカメラ1を向ける時間を演算することができる。
【0027】
次にステップ132において、チルトモータ18をカメラ1がターゲットポイントEを向くまで逆転させ、カメラ1がターゲットポイントEを向いた時点でチルトモータ18を停止させ、部位特定ルーチンを終了する。従って、図6に示すように、カメラ1は、垂直方向に、チルトモータ18の正転駆動により、中点Cから点Dを通過して図示しない垂直方向の終端までを向き、垂直方向の終端で一旦停止した後、チルトモータ18の逆転駆動により、ターゲットポイントEを向くこととなる。
【0028】
従って、部位特定ルーチン終了後、カメラ1は人物2の顔の方向(点E)を向くので、図示しないホスト部はカメラ1で撮影された人物2の顔を中心とした画像情報を取り込むことができる。
【0029】
本実施形態のカメラによれば、人物2の顔の方向が特定され、カメラ本体11で人物2の顔を撮影することができるので、ホスト部では、従来技術のように人物2の顔の部分を背景等から切り出すトリミング処理が不要なため画像処理の時間を短縮することができると共に、トリミング処理に伴って発生する撮像素子13の高解像度化が不要なため画素数が少ない低コストのカメラを使用することができる。換言すれば、本実施形態のカメラを使用することにより、画像を取り込んだ後人物2の顔を中心とするトリミング処理が必要なく画像を取り込む時点でトリミング処理後の画像を得ることができるので、ホスト部での処理時間の短縮化やカメラの低コスト化を図ることができる。
【0030】
なお、本実施形態では、測距ユニット14とカメラ本体11とを一体としドライバ28、29によりパンモータ17、チルトモータ18でパンチルト駆動させる例を示したが、測距ユニット14とカメラ本体11とは別個に駆動させるようにしてもよい。このようにすれば、測距ユニット14のみパンチルト駆動させて人物2の顔の方向を特定でき、重量のあるカメラ本体11の駆動時間を抑えることができるので、低電力消費タイプのカメラとすることができる。
【0031】
また、本実施形態では、人物の顔を特定する例を示したが、本発明はこれに限ることなく、物の部位を特定するためにも適用できることは論を待たない。更に、本実施形態では、パンモータ17及びチルトモータ18で水平及び垂直方向に測距ユニット14及びカメラ本体11を駆動させる例を示したが、認識する物体の対象に応じて方向を設定するようにすれば、物体の部位の端部をより正確に特定することができる。また、物体の対象の形状に応じて縦長及び横長を選択可能に構成するようにしてもよい。従って、「前記撮影手段により撮影される物体の対象は予め定められており、該対象の形状について縦長及び横長の一方を選択する選択手段を更に備えたことを特徴とする請求項7に記載のカメラ。」やこの請求項を受けて「前記選択手段により選択された対象が縦長のときに、前記制御手段は、前記方向変更手段のパン駆動による前記検出手段の反射信号の変化に基づいて前記物体の幅方向の両輪郭を特定し、前記反射信号の変化が検出された2点の中点を前記物体のうち幅方向の中心部位とし、前記方向変更手段のチルト駆動による前記検出手段の反射信号の変化に基づいて前記物体の高さ方向の少なくとも一方の輪郭を特定し、該特定された一方の端部の位置を基準として前記対象に応じて予め定められた垂直方向の位置を前記物体の所定部位のうち高さ方向の中心部位とし、前記選択手段により選択された対象が横長のときに、前記検出方向変更手段のチルト駆動による前記検出手段の反射信号の変化に基づいて前記物体の高さ方向の両輪郭を特定し、前記反射信号の変化が検出された2点の中点を前記物体の所定部位のうち高さ方向の中心部位とし、前記方向変更手段のパン駆動による前記検出手段の反射信号の変化に基づいて前記物体の幅方向の少なくとも一方の輪郭を特定し、該特定された一方の端部の位置を基準として前記対象に応じて予め定められた水平方向の位置を前記物体の所定部位のうち幅方向の中心部位とすることを特徴とするカメラ。」も特許請求の範囲に含めることができる。
【0032】
更に、本実施形態では、測距ユニット14が赤外線を発光、受光する例を示したが、物体がカメラの近接位置にある場合には超音波を発信、受信するようにしてもよく、逆に物体がカメラから離れている場合には赤外線の他、レーザ光を発光、受光するようにしてもよい。また、本実施形態では受光素子27を1個とした例を示したが、受光素子を複数個(例えば、2個)有するようにすれば、カメラ1と人物2までの距離を測距することが可能となるので、人物2がカメラ1から多少離れていてもカメラ1の焦点を人物2に正確に合わせることができ、より鮮明な画像情報を得ることができる。逆に、本実施形態のように認証エリア4を画定しておけば、撮影レンズ12に固定焦点のものを用いることができる。
【0033】
また、本実施形態では、カメラ1側に制御ユニット20を設けた例を示したが、このような制御ユニット20は上述した図示しないホスト部(パーソナルコンピュータ)側でもソフトウエアにより同様の機能を果たさせることができるので、ホスト部側に設けるようにしてもよい。この場合にはホスト部側とカメラ側を接続するインターフェースを追加すればよい。更に、図4に示した部位特定ルーチンはプログラムとして、フロッピーディスク、MO、ZIP等種々の記録媒体に記録することができる。
【0034】
更に、本実施形態では、図6に示したように、ターゲットポイントEにカメラ1を向けるために、初期方向(位置)Oを、水平方向で明らかに人物2が存在しない方向とし、垂直方向で明らかに人物2が存在する方向とした例を示したが、図7及び図8に示すように、本実施形態と異なる初期方向(位置)Oを設定してターゲットポイントを特定するようにしてもよい。すなわち、図7に示す場合では、人物が明らかに存在しない上方をカメラ1の初期方向Oとし、垂直下方にチルト駆動させ、信号が変化した点Aを人物の上端とし、予め設定された垂直方向の設定値を読み出して点Bまでカメラ1をチルト駆動させ、点Bで左右いずれかに水平方向にパン駆動させて信号が変化した点C(又は点D)を人物2の幅方向の一方の輪郭とし、パン方向を逆にして信号が変化した点D(又は点C)を人物2の幅方向の他方の輪郭とし、点Cと点Dの中点Eをターゲットポイントとしたものである。また、図8に示す場合では、人物が明らかに存在するカメラ1より下方の位置を初期方向Oとし、垂直上方にチルト駆動させ、信号が変化した点Aを人物の上端とし、予め設定された垂直方向の設定値を読み出して点Bまでカメラ1を下方にチルト駆動させ、点Bで左右いずれかに水平方向にパン駆動させて信号が変化した点C(又は点D)を人物2の幅方向の一方の輪郭とし、パン方向を逆にして信号が変化した点D(又は点C)を人物2の幅方向の他方の輪郭とし、点Cと点Dの中点Eをターゲットポイントとしたものである。
【0035】
更にまた、本実施形態では、ドライバ28、29がパンモータ17、チルトモータ18に単位時間当たり送出するパルス数が予め設定されており、パンモータ17、チルトモータの駆動時間がパルス数と比例関係にあることを利用して、これら2つのパルスモータの駆動を開始させた時刻からの経過時刻により中点Cの演算等を行う例を示したが、パルスモータに送出したパルス数を直接数えるようにすれば、中点C等の位置精度をより高めることができる。
【0036】
そして、本実施形態では、外乱等による受光素子26の信号変化については言及しなかったが、信号の変化が発生してから所定時間以下で元の信号値に戻ったときはエラーとみなすようにすれば、一層カメラ1の人物1の顔の特定精度を高めることができる
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の第1の態様によれば、制御手段が、方向変更手段に対象が存在しない上側から対象が存在する下側方向へのチルト駆動又はその逆方向へのチルト駆動をさせ、検出手段の反射信号の変化に基づいて対象の高さ方向の少なくとも一方の輪郭を特定し、該特定された一方の輪郭の位置を基準として対象に応じて予め定められた垂直方向の位置を物体の所定部位のうち高さ方向の部位として特定するので、また、第2の態様によれば、制御手段が、方向変更手段のパン駆動による検出手段の反射信号の変化に基づいて物体の幅方向の両輪郭を特定し、反射信号が検出された2点の中点を物体の所定部位のうち幅方向の部位として特定し、方向変更手段に対象が存在しない上側から対象が存在する下側方向へのチルト駆動又はその逆方向へのチルト駆動をさせ、検出手段の反射信号の変化に基づいて対象の高さ方向の少なくとも一方の輪郭を特定し、該特定された一方の輪郭の位置を基準として対象に応じて予め定められた垂直方向の位置を物体の所定部位のうち高さ方向の部位として特定するので、広角撮影をする必要がないため物体の所定部位を切り出すための処理時間を短くすることができ、当該切り出しに伴って必要とされる撮影手段の高解像度化を必要とせず撮影手段のコストを低減させることができると共に、方向変更手段により検出方向及び撮影方向の双方をパン駆動ないしチルト駆動可能にしたので、駆動部の共通化によるコストの低減を図ることができる、という効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用可能な実施形態のカメラの配設位置を模式的に示す外観斜視図である。
【図2】実施形態のカメラの概略構成を示す外観斜視図である。
【図3】実施形態のカメラの制御ユニットの概略構成を示すブロック図である。
【図4】実施形態のカメラの制御ユニットのマイコンが実行する部位特定ルーチンのフローチャートである。
【図5】実施形態のカメラのパンチルト方向を模式的に示す説明図であり、(A)は平面図、(B)は側面図である。
【図6】実施形態のカメラが人物の顔に対して向く方向動作を模式的に示す説明図である。
【図7】実施形態のカメラが人物の顔に対して向く他の方向動作を模式的に示す説明図である。
【図8】実施形態のカメラが人物の顔に対して向く別の方向動作を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
1 カメラ
2 人物(物体)
11 カメラ本体(撮影手段)
14 測距ユニット(検出手段)
17 パンモータ(向変更手段の一部)
18 チルトモータ(方向制御変更手段の一
20 制御ユニット(御手段)
26 発光素子
27 受光素子

Claims (2)

  1. 発信素子から送出した信号を物体に反射させ受信素子で反射信号を検出する検出手段と、
    前記物体を撮影する撮影手段と、
    前記検出手段及び前記撮影手段を略垂直方向に駆動するチルト駆動が可能であって、前記検出手段の検出方向及び前記撮影手段の撮影方向を変更する方向変更手段と、
    前記検出手段からの反射信号に基づいて前記物体の存在を検出し、前記方向変更手段に前記検出手段の検出方向を少なくとも1回前記物体の存在を検出した方向とは異なる方向に変更させ前記検出手段が検出した複数の反射信号に基づいて前記物体の所定部位を特定し、前記撮影手段が該特定された物体の所定部位に向くように前記方向変更手段を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記撮影手段により撮影される物体の対象は予め定められており、前記制御手段は、前記方向変更手段に前記対象が存在しない上側から前記対象が存在する下側方向へのチルト駆動又はその逆方向へのチルト駆動をさせ、前記検出手段の反射信号の変化に基づいて前記対象の高さ方向の少なくとも一方の輪郭を特定し、該特定された一方の輪郭の位置を基準として前記対象に応じて予め定められた垂直方向の位置を前記物体の所定部位のうち高さ方向の部位として特定することを特徴とするカメラ。
  2. 発信素子から送出した信号を物体に反射させ受信素子で反射信号を検出する検出手段と、
    前記物体を撮影する撮影手段と、
    前記検出手段及び前記撮影手段を略水平方向に駆動するパン駆動及び略垂直方向に駆動するチルト駆動が可能であって、前記検出手段の検出方向及び前記撮影手段の撮影方向を変更する方向変更手段と、
    前記検出手段からの反射信号に基づいて前記物体の存在を検出し、前記方向変更手段に前記検出手段の検出方向を少なくとも1回前記物体の存在を検出した方向とは異なる方向に変更させ前記検出手段が検出した複数の反射信号に基づいて前記物体の所定部位を特定し、前記撮影手段が該特定された物体の所定部位に向くように前記方向変更手段を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記撮影手段により撮影される物体の対象は予め定められており、前記制御手段は、前記方向変更手段のパン駆動による前記検出手段の反射信号の変化に基づいて前記物体の幅方向の両輪郭を特定し、前記反射信号が検出された2点の中点を前記物体の所定部位のうち幅方向の部位として特定し、前記方向変更手段に前記対象が存在しない上側から前記対象が存在する下側方向へのチルト駆動又はその逆方向へのチルト駆動をさせ、前記検出手段の反射信号の変化に基づいて前記対象の高さ方向の少なくとも一方の輪郭を特定し、該特定された一方の輪郭の位置を基準として前記対象に応じて予め定められた垂直方向の位置を前記物体の所定部位のうち高さ方向の部位として特定することを特徴とするカメラ。
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