JP3693536B2 - 作業車の作動規制装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、作業車の作動規制装置に関し、さらに詳細には、車両が走行可能な状態にある場合には車体に設けられた作業装置の作動を規制する作業車の作動規制装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
高所作業車は、道路走行用の車輪を有した車体と、車体を安定支持するジャッキと、車体上に旋回且つ起伏動自在に設けられた伸縮ブームとを有して構成されているものがある。この高所作業車で作業を行なう場合には作業現場に車両を移動させた後にジャッキを接地させて車体を安定支持させる。そして、車両が移動しないように運転キャビン内のシフトレバーをニュートラルの状態にして車輪へのエンジン駆動力の伝達を遮断し、又はパーキングブレーキを作動させて車輪を制動させる。
【0003】
ところで、伸縮ブームの先端には作業者が搭乗可能な作業台が取り付けられているものがあるが、この作業台の安定を確保する等のために高所作業車にはインターロック制御装置を有しているものがある。車両が作業現場に到着した後にシフトレバーの位置がニュートラル以外の位置(例えば、1速、2速)にあり、又はパーキングブレーキが非作動の状態にある場合には、インターロック制御装置が伸縮ブームやジャッキの作動を制御するコントローラへの電力供給を遮断し伸縮ブームやジャッキの作動を停止させ、作業台の安定を確保することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、インターロック制御装置が故障するとシフトレバーの位置がニュートラル以外にある場合等と同様に伸縮ブームの操作が不能になり伸縮ブーム等の作動が全て停止する。このため、作業台に搭乗した作業者が伸縮ブームを操作しているときに(作業者が作業を行なっているときに)インターロック制御装置が故障すると伸縮ブームの操作が全く不可能になり、作業台に搭乗した作業者が地面に降りられなくなる、という問題が生じる。
【0005】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、作業台に搭乗した作業者が伸縮ブームを操作しているときにインターロック制御装置が故障しても、伸縮ブームの操作のみを可能として作業台に搭乗した作業者を地面に降ろすことができる作業車の作動規制装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明の作業車の作動規制装置は、車輪を有して走行可能な車体と、車体に設けられ所定の作業が可能な作業装置(例えば、実施形態における伸縮ブーム17)と、車輪(例えば、実施形態における後輪31)を駆動させ及び作業装置を作動させる駆動力を供給するエンジンと、エンジンの駆動力を車輪に伝達させる動力伝達手段(例えば、実施形態におけるトランスミッションTM、プロペラシャフト33)と、エンジンの駆動力が車輪に伝達されている状態であるか否かを検出する伝達検出手段(例えば、実施形態におけるニュートラル検出センサ41)と、車輪の回転を制動する車輪制動手段(例えば、実施形態におけるパーキングブレーキPB)と、作業装置の作動を操作する作業装置操作手段(例えば、実施形態におけるブーム操作装置25)と、動力伝達手段によるエンジンの駆動力の伝達が可能な状態であるか否かを判定する動力伝達判定手段と、車輪制動手段が作動しているか否かを判定する車輪制動判定手段(例えば、実施形態における制動判定回路61)とを有して構成され、伝達検出手段によりエンジンの駆動力が車輪に伝達されている状態であることが検出され、伝達検出手段による検出に基づいて動力伝達判定手段により車輪にエンジンの駆動力が伝達可能な状態であると判定されている場合、又は車輪制動判定手段により車輪が制動されていないと判定されている場合に、作業装置操作手段の作動を規制する作業車の作動規制装置において、車体を持ち上げ支持する車体支持手段(例えば、実施形態におけるアウトリガジャッキ7)と、車体支持手段により車体を持ち上げ支持され、車輪が地面から地切りしているか否かを判定する車輪地切り判定手段(例えば、実施形態における地切り判定回路69)と、車輪地切り判定手段により車輪が地面から地切りしていると判定されている場合には動力伝達判定手段及び車輪制動判定手段の判定結果に係わらず作業装置操作手段の作動規制を解除する作動規制解除手段(例えば、実施形態における規制解除回路65)とを有する。
【0007】
この作業車の作動規制装置によれば、車輪地切り判定手段により車輪が地面から地切りしていると判定されている場合には動力伝達判定手段及び車輪制動判定手段の判定結果に係わらず作動規制解除手段が作業装置操作手段の作動規制を解除する。車輪が地面から地切りしている場合には車輪に駆動力が伝達されている状態であったり、車輪が制動されていない状態であっても車両が走行する虞がないので、この場合には作業装置操作手段の作動規制を解除する。このため、作業全体の作業効率の低下を防止することができる。
【0008】
ここで、前述した作業車の作動規制装置において、作業装置が車体に格納されたか否かを検出する格納検出手段(例えば、実施形態における格納検出センサ)を車体に設け、車輪地切り判定手段により車輪が地面から地切りしていると判定され且つ格納検出手段が作業装置の非格納を検出している状態のときに、作動規制解除手段が作業装置操作手段の作動規制を解除するようにしてもよい。
【0009】
車輪が地切りされた状態で格納検出手段が作業装置の非格納状態を検出している場合(作業装置が使用されている場合)に作業装置操作手段の作動規制を解除することで、作業装置の作動が途中で停止することを防止し作業装置に搭乗した作業者を必ず地面に降ろすことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図1及び図2に基づいて説明する。本実施の形態は車体上に起伏且つ旋回動自在な伸縮ブームを有した高所作業車の態様を示す。最初に、本発明の作動規制装置を搭載した高所作業車を説明する。高所作業車1は、図1に示すように、車体3の前部に運転キャビン5を有し、この運転キャビン5よりも後側の車体前後の左右両側部に車体3を持ち上げ支持するアウトリガジャッキ7を有している。アウトリガジャッキ7にはジャッキシリンダ9が内蔵され、このジャッキシリンダ9が伸縮作動するとアウトリガジャッキ7が接地又は車体3に格納されるように構成されている。車体後端にはアウトリガジャッキ7の作動を操作するジャッキ操作装置11が取り付けられており、ジャッキ操作装置11の操作レバー11aを手動操作するとジャッキシリンダ9の伸縮作動を操作することができる。車体後部には上方へ突出し旋回動自在な旋回台13が設けられ、旋回台13の下方の車体3内には旋回台13を旋回動させる旋回モータ15が設けられている。
【0011】
旋回台13の上部には入れ子式に構成された伸縮ブーム17の基部が上下方向に揺動自在に枢結され、伸縮ブーム17の側壁下部と旋回台13の底部間には起伏シリンダ19が枢結されている。この起伏シリンダ19が伸縮動すると伸縮ブーム17が起伏作動するように構成されている。伸縮ブーム17の内部には伸縮シリンダ21が内蔵されており、伸縮シリンダ21の伸縮作動により伸縮ブーム17が伸縮動するように構成されている。
【0012】
伸縮ブーム17の先端には上下方向に揺動自在に枢結された作業台23が設けられ、作業台23の底部と伸縮ブーム17の先端部間には図示しないレベリングシリンダが枢結されている。レベリングシリンダの伸縮作動により作業台23を上下方向に揺動させ、伸縮ブーム17の起伏角に係わらず作業台23を常に水平状態に保持している。作業台23上と旋回台13の側部には伸縮ブーム17の作動を操作するブーム操作装置25が設けられており、ブーム操作装置25の操作レバー25aを手動操作すると、旋回モータ15・起伏シリンダ19・伸縮シリンダ21(以下、これらをまとめて「アクチュエータ15,19,21」と記す。)が伸縮作動して伸縮ブーム17が旋回・起伏・伸縮動するように構成されている。運転キャビン5よりも車両後方側の車体前部には上方へ突出し、全縮状態の伸縮ブーム17の先端部を載置させて伸縮ブーム17を格納するブーム受け27が設けられている。
【0013】
運転キャビン5の下方には車体3の左右方向に配置された一対の前輪29が回転自在に設けられ、車体後部の車体左右方向には一対の後輪31が設けられている。運転キャビン5の下部の車体3にはエンジンEが設けられており、このエンジンEにはエンジン駆動力を後輪31に伝達させるトランスミッション(TM)が接続され、トランスミッションTMには回転自在なプロペラシャフト33が連接され、このプロペラシャフト33を介してエンジンEの駆動力が後輪31に伝達されるように構成されている。また、エンジンEにはエンジン駆動力を取り出すパワーテイクオフ機構(PTO機構)が接続されており、このPTO機構には油圧ポンプPが接続されている。油圧ポンプPはエンジンEから駆動力を得て回転駆動し図示しない油圧回路に作動油を吐出させて、アクチュエータ15,17,19とジャッキシリンダ9を伸縮動させる。
【0014】
運転キャビン5内には上下方向に揺動自在であり後輪31の回転を制動させるパーキングブレーキ(PB)が設けられており、このパーキングブレーキPBを上方へ引き上げると後輪31の回転を制動し、下方へ降ろすと後輪31の制動を解放するように構成されている。また、運転キャビン5内にはトランスミッションTMに接続されエンジンEの駆動力を段階的に取り出すシフトレバー35が設けられている。このシフトレバー35は複数のポジションに移動可能であり、エンジンEと後輪31間の駆動力の伝達を遮断するニュートラルポジション(N)を有している。
【0015】
次に、作動規制装置を説明する。作動規制装置40は、図2に示すように、ブーム操作装置25とジャッキ操作装置11とニュートラル検出センサ(N検出センサ)41とパーキングブレーキ作動検出センサ(PB作動検出センサ)43と伸長量センサ45とコントローラ47と作動制御弁49とアクチュエータ15,19,21とジャッキシリンダ9と警報ブザー51とを有して構成されている。ブーム操作装置25及びジャッキ操作装置11は前述したのでその説明を省略する。N検出センサ41は図1に示すシフトレバー35がニュートラルポジション(N)にあるか否かを検出する。PB作動検出センサ43は図1に示すパーキングブレーキPBが引き上げられて後輪31を制動している状態を検出する。伸長量センサ45は各アウトリガジャッキ7毎に設けられ、ジャッキシリンダ9の伸長量を検出する。
【0016】
コントローラ47は始動判定回路53と作動可能判定回路55と作動制御回路57と動力伝達判定回路59と制動判定回路61と規制判定確認回路63と規制解除回路65とブーム操作規制回路67と地切り判定回路69とを有して構成されている。始動判定回路53はブーム操作装置25の操作レバー25aが操作されたか否かを判定し、その判定結果と操作内容に応じた操作信号を出力する。動力伝達判定回路59はN検出センサ41により検出された検出値がニュートラルポジション(N)にあるか否かを判定する。制動判定回路61はPB作動検出センサ43により検出された検出値が後輪31を制動している状態にあるか否かを判定する。規制判定確認回路63は制動判定回路61により後輪31が制動されている旨の判定及び動力伝達判定回路59によりエンジンEの駆動力が後輪31に伝達可能な状態でない旨の判定(以下、これらの判定をまとめて「非規制判定」と記す。)がされているか否かを確認する。
【0017】
作動可能判定回路55はコントローラ47に設けられ電気的に接続された電源スイッチ71が接続されて電源73から電力供給がされているか否かを判定する。作動制御回路57はブーム操作装置25とジャッキ操作装置11の操作信号に基づいてアクチュエータ15,19,21やジャッキシリンダ9の作動を制御する作動制御弁49の作動をコントロールし、また、規制判定確認回路63が非規制判定を確認していない状態で、始動判定回路53によるブーム操作装置25の操作がされた旨の判定を受け取ったとき又は作動可能判定回路55によるコントローラ47への電力供給がされた旨の判定を受け取ったときに警報ブザー51を作動させる。
【0018】
地切り判定回路69は4つの伸長量センサ45により検出された各伸長値が所定値を越えている場合に前輪29と後輪31(以下、これらをまとめて「車輪29,31」と記す。)が地面から地切りしていると判定する。尚、所定値は車輪29,31が地面から完全に離反している状態や、車輪29,31が地面に接触しているが後輪31を回転させても車両が走行しない状態、となる伸長量のいずれにすることができる。
【0019】
ブーム操作規制回路67は、規制判定確認回路63が非規制判定を確認していない場合に、アクチュエータ15,19,21に接続された作動制御弁49の作動を規制して伸縮ブーム17の作動を停止させる。規制解除回路65は地切り判定回路69により車輪29,31が地面から地切りしている旨の判定がされている場合には動力伝達判定回路59及び制動判定回路61の判定結果に係わらずブーム操作規制回路67による作動規制を解除する。尚、コントローラ47には作動制御弁49と警報ブザー51が電気的に接続されている。
【0020】
次に、本発明の作動規制装置40の作用を説明する。最初に、図1に示す車体3に伸縮ブーム17とアウトリガジャッキ7を格納した状態で、車両を作業現場まで移動させた後に、運転キャビン5に搭乗している図示しない運転者がシフトレバー35をニュートラルポジションに移動させ、パーキングブレーキPBを上方へ引上げる。そして、運転キャビン5に同乗している作業者が運転キャビン5に設けられた図示しないPTO切替スイッチを操作してPTO機構を作動させ、エンジンEの駆動力を取り出して油圧ポンプPを回転駆動させる。
【0021】
そして、作業者がジャッキ操作装置11の操作レバー11aを手動操作してアウトリガジャッキ7を張り出しその先端部を接地させて車体3を持ち上げ支持させる。このとき、前輪29と後輪31は地面から地切りされた状態になる。このため、誤って図示しないPTO切替スイッチが切り替えられてエンジンEの駆動力がトランスミッション(TM)及びプロペラシャフト33を介して後輪31に伝達されて後輪31が回転駆動しても車両が走行移動することはない。
【0022】
そして、作業者は車体3を介して作業台23内に搭乗し、図2に示すコントローラ47の電源スイッチ71を投入しコントローラ47に電力を供給した後に、ブーム操作装置25の操作レバー25aを手動操作する。ブーム操作装置25が操作されるとその操作信号に応じて作動制御回路57がアクチュエータ15,19,21の作動制御弁49の作動を制御してアクチュエータ15,19,21が作動する。その結果、作業台23が所望の位置に移動する。
【0023】
次に、シフトレバー35がニュートラルポジションNにあり、パーキングブレーキPBによる後輪31の制動を誤って忘れた状態で、作業台23に搭乗した作業者がブーム操作装置25を操作した場合について説明する。この場合には、図2に示すPB作動検出センサ43により検出された検出値が後輪31を制動していない旨の判定を制動判定回路61が行ない、動力伝達判定回路59がN検出センサ41により検出された検出値がニュートラルポジション(N)にある旨の判定をする。これらの判定結果に基づいて規制判定確認回路63が非規制判定でないと判定し、この判定結果に基づいてブーム操作規制回路67が作動する。しかしながら、伸長量センサ45の伸長値に基づいて地切り判定回路69が所定値を越えている旨の判定し、この結果に基づいて規制解除回路65が作動するので、ブーム操作規制回路67による作動規制が解除され、作業台23に搭乗している作業者がブーム操作装置25を操作してもその操作が規制されることはなく、作業台23を所望の位置に移動させることができる。また、作業中に動力伝達判定回路59、制動判定回路61、規制判定確認回路63が故障してブーム操作規制回路67が作動状態になっても地切り判定回路69が正常である場合には、ブーム操作規制回路67の作動規制を規制解除回路65が解除することができ、作業台23に搭乗した作業者がブーム操作装置を操作して地上に降りることができる。
【0024】
尚、規制判定確認回路63による非規制判定は▲1▼シフトレバー35がニュートラルポジション(N)であり且つパーキングブレーキPBが引かれていない状態の他に、▲2▼シフトレバー35がN以外であり且つパーキングブレーキPBが引かれた状態や、▲3▼シフトレバー35がN以外であり且つパーキングブレーキPBが引かれていない状態も含まれるが、▲2▼及び▲3▼の状態における規制判定確認回路63の作動は▲1▼と同様であり、これらの場合のブーム操作規制回路67や規制解除回路65の作動内容は▲1▼に準じるのでその説明を省略する。
【0025】
次に、警報ブザー51が作動する作用を説明する。規制判定確認回路63が非規制判定をしている状態で、始動判定回路53によりブーム操作装置25が操作されて伸縮ブーム17を始動させる旨の始動判定がされた場合、又は作動可能判定回路55によりコントローラ47に電力が供給されている状態である旨の判定がされている場合に作動制御回路57がこれらの判定信号を受け取ると、作動制御回路55が警報ブザー51を作動させて警報ブザー51が音を発生する。このため、作業者が音を認識することで車両の状態を確認し、車両が走行できない状態(シフトレバーをニュートラルポジション(N)にしたり、パーキングブレーキを引く)にすることができる。
【0026】
尚、前述した実施の形態における作動規制装置40に伸縮ブーム17が車体3に格納されたか否かを検出する格納検出センサを設け、規制解除回路65は、地切り判定回路69による車輪29,31の地切り判定信号と格納検出センサによる伸縮ブーム17の非格納信号とを受け取っている場合に作動してブーム操作規制回路67の作動規制を解除するように構成することができる。この場合、格納検出センサの格納信号は規制解除回路65に直接入力させる。このように構成すると、車輪29,31が地切りされた状態で伸縮ブーム17が使用されている場合には、ブーム操作装置25の作動が規制されないので、作業の途中で伸縮ブーム17の作動が停止することはなく、作業台23に搭乗した作業者を必ず地面に降ろすことができる。
【0027】
また、前述した実施の形態における作動規制装置40のブーム操作装置25に、操作したときにブーム操作規制回路67による作動規制の解除を許容する規制解除許容操作スイッチを設けることができる。この場合、規制解除許容操作スイッチを設ける位置は、作業者がブーム操作装置25の操作レバー25aを手動操作しながら規制解除許容操作スイッチを手動操作できる位置、例えば、操作レバー25a近傍とすることができる。規制解除許容操作スイッチの操作信号は直接、規制解除回路65に送られ、規制解除回路65がたとえ地切り判定回路69による地切りされている旨の判定信号を受け取っていている状態であっても規制解除許容操作スイッチの許容信号を受け取らなければ、規制解除回路65を作動させない。即ち、ブーム操作規制回路67の作動規制の解除を許容しない。このため、作動規制解除の条件をより厳しくすることで作業の安全をより向上させることができる。
【0028】
【発明の効果】
本発明による作業車の作動規制装置によれば、車輪地切り判定手段により車輪が地面から地切していると判定されている場合には動力伝達判定手段及び車輪制動判定手段の判定結果に係わらず作動規制解除手段が作業装置操作手段の作動規制を解除することで、車輪が地切りされていれば車輪に駆動力が伝達されている状態であったり車輪が制動されていない状態であっても車両が走行する虞はないので、この場合には作業装置操作手段の作動規制を解除することで作業全体の作業効率の低下を防止することができる。
【0029】
また、車輪が地切りされた状態で格納検出手段が作業装置の非格納状態を検出しているときに作業装置操作手段の作動規制を解除する場合には、作業装置を使用している途中で作業装置が停止することはなく、また、作業装置に搭乗した作業者を必ず地面に降ろすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における作動規制装置を搭載した高所作業車の正面図を示す。
【図2】 本発明の一実施の形態における作動規制装置のブロック図を示す。
【符号の説明】
1 高所作業車(作業車)
3 車体
7 アウトリガジャッキ(車体支持手段)
17 伸縮ブーム(作業装置)
25 ブーム操作装置(作業装置操作手段)
31 後輪(車輪)
33 プロペラシャフト(動力伝達手段)
40 作動規制装置
59 動力伝達判定回路(動力伝達判定手段)
61 制動判定回路(車輪制動判定手段)
65 規制解除回路(作動規制解除手段)
69 地切り判定回路(車輪地切り判定手段)
E エンジン
TM トランスミッション(動力伝達手段)
PB パーキングブレーキ(車輪制動手段)

Claims (2)

  1. 車輪を有して走行可能な車体と、前記車体に設けられ所定の作業が可能な作業装置と、前記車輪を駆動させ及び前記作業装置を作動させる駆動力を供給するエンジンと、前記エンジンの駆動力を前記車輪に伝達させる動力伝達手段と、前記エンジンの駆動力が前記車輪に伝達されている状態であるか否かを検出する伝達検出手段と、前記車輪の回転を制動する車輪制動手段と、前記作業装置の作動を操作する作業装置操作手段と、前記動力伝達手段による前記エンジンの駆動力の伝達が可能な状態であるか否かを判定する動力伝達判定手段と、前記車輪制動手段が作動しているか否かを判定する車輪制動判定手段とを有して構成され、前記伝達検出手段により前記エンジンの駆動力が前記車輪に伝達されている状態であることが検出され、前記伝達検出手段による検出に基づいて前記動力伝達判定手段により前記車輪に前記エンジンの駆動力が伝達可能な状態であると判定されている場合、又は前記車輪制動判定手段により前記車輪が制動されていないと判定されている場合に、前記作業装置操作手段の作動を規制する作業車の作動規制装置において、
    前記車体を持ち上げ支持する車体支持手段と、
    前記車体支持手段により前記車体を持ち上げ支持され、前記車輪が前記地面から地切りしているか否かを判定する車輪地切り判定手段と、
    前記車輪地切り判定手段により前記車輪が前記地面から地切りしていると判定されている場合には前記動力伝達判定手段及び前記車輪制動判定手段の判定結果に係わらず前記作業装置操作手段の作動規制を解除する作動規制解除手段とを有することを特徴とする作業車の作動規制装置。
  2. 前記作業装置が前記車体に格納されたか否かを検出する格納検出手段を前記車体に有し、前記車輪地切り判定手段により前記車輪が前記地面から地切りしていると判定され且つ前記格納検出手段が前記作業装置の非格納を検出している状態のときに、前記作動規制解除手段が前記作業装置操作手段の作動規制を解除することを特徴とする請求項1記載の作業車の作動規制装置。
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