JP3693481B2 - 半導体集積回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、出力回路と同じ電源により動作する内部回路を有する半導体集積回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6は従来の半導体集積回路の一回路構成を示している。同図において、内部回路10及び出力回路20は共通の電源から供給される電源電圧VDDで動作する。出力回路20は、CMOSインバータ回路であって、PチャネルのMOS型FET21とNチャネルのMOS型FET22(以下、MOS型FETを単に「トランジスタ」と呼ぶ)とで構成されており、入力側INにPチャネルのトランジスタ21とNチャネルのトランジスタ22とのゲート同士が接続されており、また、Pチャネルのトランジスタ21のソースは電源電圧VDDに接続される端子Dに接続されており、また、Nチャネルのトランジスタ22のソースはグランドGNDに接続される端子Gに接続されており、また、Pチャネルのトランジスタ21とNチャネルのトランジスタ22とのドレイン同士が接続されており、この接続点に出力端子OUTが接続されている。
【0003】
以上の構成により、入力側INの電位がローレベルとなった場合、Pチャネルのトランジスタ21がON、Nチャネルのトランジスタ22がOFFとなり、出力端子OUTの電位はハイレベル(電源電圧VDD)となる。一方、入力側INの電位がハイレベルとなった場合、Pチャネルのトランジスタ21がOFF、Nチャネルのトランジスタ22がONとなり、出力端子OUTの電位はローレベル(グランドレベル)となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、上記従来の半導体集積回路において、図6に示すように、出力端子OUTに容量性の負荷100が接続された場合について考えてみる。出力回路20の入力側INの電位がハイレベルからローレベルに切り換わった際には、電源電圧VDDからPチャネルのトランジスタ21を介して負荷容量CKを充電する電流が流れる。一方、出力回路20の入力側INの電位がローレベルからハイレベルに切り換わった際には、Nチャネルのトランジスタ22を介してグランドGNDに負荷容量CKを放電する電流が流れる。
【0005】
そして、図6に示すように、電源電圧VDDから内部回路10と出力回路20への分岐点Aまでの電源ライン、及び、内部回路10と出力回路20との合流点BからグランドGNDまでの電源ラインには、それぞれ抵抗RD、RGが小さな値ながらも必ず寄生する。
【0006】
以上の内容から、出力回路20の入力側INの電位が切り換わる際には、抵抗RD、RGに電流が流れ、内部回路10の動作電圧が変動してしまい、内部回路10の動作が不安定になることがあるという問題があった。
【0007】
尚、出力端子OUTに多くの容量性の負荷が並列に接続されるなどして、出力端子OUTに接続される負荷容量の値が大きくなるほど、また、Pチャネルのトランジスタ21またはNチャネルのトランジスタ22の電流能力が高くなるほど、負荷容量を充放電する電流が大きくなり、この問題は顕著なものとなる。また、多くの出力回路が同時に変化する場合も同様である。
【0008】
そこで、本発明は、出力回路と同一の電源で動作する内部回路の動作をより安定させることができる半導体集積回路を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の半導体集積回路では、電源電圧に接続される第1のピンと、グランドに接続される第2のピンと、前記第1、第2のピンにそれぞれ接続された第1、第2のパッドと、前記第1、第2のパッドに接続された内部回路と、前記第1、第2のパッドにそれぞれ接続された第3、第4のパッドと、前記第3、第4のパッドにそれぞれ接続された第3、第4のピンと、前記第3、第4のピンにそれぞれ接続された第5、第6のパッドと、前記第5、第6のパッドに接続された出力回路と、前記第3、第4のピンに接続されたことにより、前記出力回路と並列に接続されたコンデンサとを備え、前記第1のパッドと前記第3のパッドとの間、および前記第2のパッドと前記第4のパッドの間は配線をジグザグに引き回しているものである。
【0010】
以上の構成において、新たに設けた端子に容量素子を接続すれば、容量性の負荷が接続された場合、負荷容量を充放電する電流は上記容量素子からも供給されるようになり、電源端子側から供給される充放電電流が減少する。これにより、出力回路が動作したときの電源電圧の変動による内部回路への影響が低減される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。多くの出力回路が同期して動作することにより、瞬間的に大電流が流れることが多いクロックジェネレータの場合について説明する。図1は本発明の半導体集積回路の一実施形態であるクロックジェネレータのブロック図である。位相比較器3、ローパスフィルタ4、及び、電圧制御発振器5によりPLL(位相同期ループ)が形成されている。水晶発振器1からのクロックが分周期2により1/N倍に分周されて位相比較器3に入力される。また、電圧制御発振器5の出力は分周期6により1/M倍に分周されて位相比較器3に入力されるとともに、電圧制御発振器5の出力は分周期7により1/Pに分周されて、バッファ(出力回路)8に入力される。以上の構成により、水晶発振器1の発振周波数をfXとすると、クロックジェネレータの出力周波数fOUTは、fOUT=fX×M/N×1/Pとなる。
【0012】
そして、図2に示すように、バッファ8は従来技術として挙げた半導体集積回路における出力回路20と同一の構成であるが、それらの端子間に所定の素子を接続することによって、電源に対してバッファ8と所定の素子とが直に並列に接続される端子PD、PGを設けている。尚、本実施形態のクロックジェネレータでは、水晶発振器1、位相比較器3、ローパスフィルタ4、及び、電圧制御発振器5が出力回路であるバッファ8と同一の電源により動作する内部回路10に相当する。
【0013】
さて、図2に示すように、端子PDと端子PGとの間にコンデンサCを接続するとともに、出力端子OUTに容量性の負荷100が接続された場合について考えてみる。尚、コンデンサCは外付けであって、負荷容量CKは負荷内に寄生したものであるとして、コンデンサCの容量値は負荷容量CKの値よりも十分大きくなっており、また、コンデンサCは電源電圧VDDにより予め充電されているものとする。
【0014】
バッファ8の入力側INがハイレベルからローレベルになると、負荷容量CKを充電する充電電流が流れるが、この充電電流は端子PD側からコンデンサCに蓄積された電荷が放電することによっても供給され、端子D側から供給する電流が減少する。また、バッファ8の入力側INがローレベルからハイレベルになると、負荷容量CKを放電する放電電流が流れるが、この放電電流は端子PGを介してコンデンサCを充電する電流として流れ、端子G側に流れ込む電流が減少する。
【0015】
以上のように、負荷容量を充放電する電流が端子PD及びPGを介してコンデンサCによって吸収され、端子D及びGを介して電源から供給される電流が減少するので、内部回路10の動作電圧の変動が抑制される。したがって、容量性の負荷100が接続された際における内部回路10の動作はより安定したものとなり、本実施形態のクロックジェネレータによれば、安定したクロックを得ることができる。
【0016】
そして、図3に示すように、バッファ8と電源との間、すなわち、バッファ8とコンデンサCとの接続点SD、SGと点A、Bとのそれぞれの間に意図的にインダクタンスLを設けるようにしてもよい。このようにすれば、インダクタンスは高周波成分に対しては高い抵抗値を示すことから、負荷容量CKを充放電する電流の高周波成分についてはより確実にコンデンサCによって吸収され、内部回路の動作はより一層安定する。
【0017】
次に、図4にICチップの構造及びICチップをパッケージに封止するときの構造を示す。同図において、dは電源電圧VDDに接続されるピンDに導通するパッドであり、gはグランドGNDに接続されるピンGに導通するパッドであり、また、pd、pgはそれらのピン間にコンデンサCが接続されるピンPD、PGにそれぞれ導通するとともに、バッファ8に電源を供給するパッドである。そして、パッドdとパッドpdとの間、及び、パッドgとパッドpgとの間は、例えばアルミ配線を細くするとともに、ジグザグに引き回すなどして距離をかせぐことによって、インダクタンスを大きくしている。
【0018】
ここで、パッドとピンとをワイヤボンディングで導通させる場合、通常1つのピンに2本のワイヤを張ることができるので、図5に示すような構造にしてもよい。同図において、pd1、pg1はパッドd、gに配線間のインダクタンスが大きくなるようにそれぞれ接続されたパッドであり、また、pd2、pg2はバッファ8に電源を供給するパッドであり、パッドpd1とパッドpd2とをピンPDに、パッドpg1とパッドpg2とをピンPGに、それぞれワイヤボンディングしている。
【0019】
このようにすれば、パッドとピンとを導通させるワイヤにもインダクタンスが存在することを考えると、図4に示したパッドとピンとの関係でワイヤボンディングするよりも、バッファ8と電源との間のインダクタンスに対して、バッファ8とコンデンサCとの間のインダクタンスをより小さくすることができ、さらに効果的である。
【0020】
また、ピンPDとピンPGとの間にコンデンサCが外付けされるわけであるが、この外付けの配線に寄生するインダクタンスが大きくなってしまうと、電源とバッファ8との間に設けたインダクタンスが無駄になってしまうので、コンデンサCとの配線長ができるだけ小さくなる(バッファ8とコンデンサCとの間のインダクタンスが小さくなる)ように、ピンPDとピンPGとを配置することが望ましい。従って、コンデンサCをパッケージ内に封止して、パッドとコンデンサCとを直接ワイヤボンディングするようにしても構わない。
【0021】
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、出力回路と同一の電源により動作する内部回路を有するものであれば、様々な機能の半導体集積回路に適用され得る。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の半導体集積回路によれば、出力回路に瞬間的に大電流が流れた場合における内部回路の動作電圧の変動が抑制されるので、出力回路と同一の電源により動作する内部回路の動作をより安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態であるクロックジェネレータのブロック図である。
【図2】 バッファ周辺の構成を示す図である。
【図3】 バッファ周辺の構成を示す図である。
【図4】 本発明の半導体集積回路のチップ上面図である。
【図5】 本発明の半導体集積回路のチップ上面図である。
【図6】 従来の半導体集積回路の一回路構成を示す図である。
【符号の説明】
1 水晶発振器
2 分周期(1/N倍)
3 位相比較器
4 ローパスフィルタ
5 電圧制御発振器
6 分周期(1/M倍)
7 分周期(1/P倍)
8 バッファ
10 内部回路
20 出力回路
21 PチャネルのMOS型FET
22 NチャネルのMOS型FET
100 容量性の負荷
C コンデンサ
K 負荷容量
D、RG 寄生抵抗
L インダクタンス

Claims (1)

  1. 電源電圧に接続される第1のピンと、
    グランドに接続される第2のピンと、
    前記第1、第2のピンにそれぞれ接続された第1、第2のパッドと、
    前記第1、第2のパッドに接続された内部回路と、
    前記第1、第2のパッドにそれぞれ接続された第3、第4のパッドと、
    前記第3、第4のパッドにそれぞれ接続された第3、第4のピンと、
    前記第3、第4のピンにそれぞれ接続された第5、第6のパッドと、
    前記第5、第6のパッドに接続された出力回路と、
    前記第3、第4のピンに接続されたことにより、前記出力回路と並列に接続されたコンデンサと
    を備え、
    前記第1のパッドと前記第3のパッドとの間、および前記第2のパッドと前記第4のパッドの間は配線をジグザグに引き回していることを特徴とする半導体集積回路。
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