JP3693200B2 - エアゾール容器用スパウト付き肩カバー - Google Patents

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    • B65D83/00Containers or packages with special means for dispensing contents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、毛髪化粧料や洗顔、剃髪その他の化粧料或いは洗剤等をノズルから噴射する容器に係わり、更に詳しくは、エアゾール容器内の化粧料をフォームもしくはムース状に加圧噴射するノズル部を保護したり、容器の外観を美しく見せるために設けた肩カバー、特にスパウト付き肩カバーを容易に分離可能に設けた噴射容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、化粧料、殺虫剤、塗料、芳香剤等の内容物と一緒に噴射ガスを加圧して耐圧容器に充填したエアゾール容器は、容器本体の上部に突出させて設けた噴射ノズルのヘッド部分を指先で押圧することにより、内容物はその用途に応じて霧状または泡沫状もしくはフォーム状、ムース状等の状態にしてノズルから噴射されるような構造をしている。
従来の一般的なエアゾール容器の構造は、円筒状の胴部に天板を巻締めした金属缶からなる容器本体に、金属または合成樹脂性の細い管からなる噴射管もしくはステムを前記天板の中央部を貫通して設けると共に、該噴射管に連結して容器内に弁体部と吸上げ管とを設けた容器内に、化粧料その他を加圧用のガスと一緒に充填したものである。
【0003】
そして、これらの容器の噴射形式としては、噴射管に噴射ノズルを嵌合して横方向に噴射するようにしたものと、噴射管にスパウトを嵌合して縦方向に噴射するようにしたものに大別される。
しかし、このような構造をしたエアゾール容器に於いては、噴射ノズルまたはスパウトは容器の上端部に突設けしているので横方向の力を受けると、噴射管もしくはステムは細くて剛性もないので、屈曲変形したり、折損し易く、特にスパウト付きのエアゾール製品は品質を損なう恐れが大きいので、製品の梱包や輸送時、その他非使用時に内容物が不用意に噴出するのを防止する保護手段が必要である。
【0004】
そこで、これらの容器に対する保護手段としては、噴射管もしくはステムを覆って保護すると共に外観美を有する肩カバーを設けたり、更には、噴射ノズルやスパウト部分に外部からの力が作用しないように前記肩カバーの上部に保護キャップを被せる等の保護手段を設けたものが知られている。
そして、スパウト付きのエアゾール容器に於いては、噴射管やステムの保護と同時に見栄えをよくするために、図4に見るように、噴射管を覆うようにエアゾール缶1の天板部に被せた合成樹脂製の肩カバー2は、胴部のスカート部2bを容器本体1の上部に嵌合すると共に円筒状嵌合部2aを巻締め部1aに嵌合し、頂壁2dと一体に形成したスパウト6の下端開口部6aを噴射管4に嵌合せしめた形式のものが多用されている。
しかし、これらの肩カバー2には、容器本体1から分離するための手段は何ら備えておらず、いずれも容器本体1に強固に固定されたものであるから肩カバー2を容器本体1から分離することが非常に困難である。
【0005】
一般にこのような形式の容器は、使用済後あるいは不要になった時にはそのままゴミとして廃棄されているのが現状であるが、近年、環境衛生の面や資源の有効利用の面等から資源のリサイクル運動の高まりが見られ、空の容器を回収して資源として再利用することが求められるようになってきた。
このような社会的要求に答えて、廃棄される空の容器を回収して再資源化するには、廃棄物を分別して収集することが必要となるが、図4に示すような従来のスパウト付きの容器に於いては、金属製の容器本体1の巻締め鍔部1aに合成樹脂製の肩カバー2の円筒部2a縁が強固に密着嵌合されているので、本体1から肩カバー2部分を取り外そうとすると、素手では簡単に分離することはできず、金属製のレバーやペンチ、その他の適当な器具が必要となり、わずらわしいので分別することなくゴミとして捨てられているのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、エアゾール容器の噴射管を保護すると共に容器に美観を付与するために、金属製の容器本体から突出する噴射管に嵌合したスパウトを一体に形成して嵌合した合成樹脂製の肩カバーを、本体から容易に分離することができる構造にして、不要となった容器を廃棄する時に、特別な器具を用いなくとも、素手で金属と合成樹脂とに簡単に分離して分別することができるフォームまたはムース状噴射に適したエアゾール容器用の肩カバーを提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
金属製の容器本体の上部に緊密に嵌合した合成樹脂製の肩カバーを、該カバーのスカート部の一端部に切欠き部を設けて硬貨等の端部を挿入してこじ開け可能にすると同時に、前記カバーの頂壁に突出して設けたスパウトの外側の周面に、一端が接続部で肩カバーの本体に一体に接続されると共に、周縁が複数の切断可能な連結片で接続された環状の分離スリットを設けて、肩カバーの頂壁部にスパウトの上下動スリットと分離スリットとの間に引っ張り可能なリング片を形成して、肩カバーを容器本体から簡単に分離することができるようにする。
【0008】
【発明の実施の形態】
エアゾール缶1の上端部分に係合する円筒状スカート部2bに肩部2cを連接して形成する肩カバーの胴部の内端面に、中央部にスパウト部6を上下動可能に突出して設けた頂壁2dを連続して形成すると共に、該頂壁の裏面には缶天板の巻締めした鍔部1aに嵌合する円筒部2aを形成した肩カバー2に於いて、前記円筒状スカート部2bの周縁の一部に切欠き部2mを形成すると共に、頂壁2d面には、肩部2cの内周面に一部の接続部2jを残して分離スリット2gを設けると共に、該スリットの複数箇所に切断可能な連結片2hを設けて連結された肩カバー2は、合成樹脂を用いて射出成形により成形される。
【0009】
上記のような構造をした肩カバー2は、化粧料等を充填したエアゾール缶本体1の上端部に噴射管4を囲むよう被せられて、前記スパウト6の下端開口部6aに噴射管4の先端を押圧可能に嵌合すると共に、前記円筒部2a下端の嵌合部を前記巻締め鍔部1aに嵌合せしめて密接に固定してエアゾール容器を構成して、該容器は肩カバー2の頂壁2d部に設けたスパウト6の押圧部6bを指先で押圧することにより、該押圧部は円周状のスリット6d内に陥没して、前記噴射管4をスパウト6の下端開口部6aにより押し下げて、容器内の化粧料をフォーム状またはムース状となして噴出させる。
そして、不用となったエアゾール缶を廃棄する際には、スカート部2bに設けられた切欠き部2mに硬貨の端部を挿入してこじ開けて、肩カバー2を容器本体1から分離した後、両者を分別して廃棄する。
【0010】
以下に、本願発明について、最適な一つの実施例に基づいて図1乃至図3を参照しつつ説明する。
本発明のスパウト付き肩カバーは、図2に示すように、エアゾール缶の本体1の上部胴周面に嵌合する円筒状スカート部2bと該スカート部に連続して形成されたキャップ3を嵌合する肩部2cとからなる肩カバー胴部の頂壁2dの裏面に、缶本体の巻締め部1aに嵌合、固定可能な円筒部2aを一体に設けて肩カバー本体部を形成して、前記頂壁2dの中央部上面に押圧部6bと噴射筒6cとからなるスパウト部6を突出して形成すると共に、スパウトの押圧部6bの外周部に連設する頂壁に揺動可能な接続部6jを残して円周状の押圧用スリット6dを設けて、上下動可能に形成し、更に、押圧部6bの裏面には噴射管4に嵌合する円筒状の開口部6aを設けてスパウト付きの肩カバーを構成して、図3に見るように、前記肩部2cとスカート部2bとの間には、肩部2cを介して前記スパウト部6の接続部6jに連なる接続部2jを残して円周状の分離スリット2gを形成すると共に、該分離スリット部の複数個所に切断可能な連結片2hを設けて、肩カバーの胴部と頂壁部とを容易に切断可能に連結した肩カバー2に於いて、前記円筒状スカート部2bの下端の一部に缶本体1と肩カバーとを容易に分離するための切欠き部2mを形成してスパウト付きの肩カバーを構成する。
【0011】
このような構成を有する本発明のスパウト付き肩カバー2は、図からも明らかなように、前記肩部に設けた分離スリット2g部分の連結片2hが切断されると、前記頂壁2dに設けたは押圧用スリット6dと分離スリット2gとの間に環状のリング片が形成されるようになっていて、該リング片は前記接続部2jを介してスカート部2bに連結されていて、通常の引っ張り強度には耐え得る構造をしており、周知の射出成形装置を用いて合成樹脂を射出成形することにより容易に形成することが可能である。
【0012】
上記のように射出成形された肩カバー2は、化粧料等を充填したエアゾール缶1の先端部に噴射管4を囲むよう被せられて、前記円筒部2a下端の嵌合部を前記巻締め鍔部1aに嵌合せしめて固定されると共に、前記スパウト6部の円筒状の下端開口部6a内に噴射管4の先端部が噴射可能に嵌合せしめられる。
次いで、上記エアゾール缶1には、肩カバー2の肩部2cに保護キャップ3を被せてスパウト部6に不用意な外力が加わるのを防いでエアゾール缶入りの化粧料製品となした後、該製品は包装してから梱包箱に入れて出荷される。
【0013】
上記のような構造をした化粧料入りのエアゾール缶は、使用に当たってはキャップ3を外してからスパウト6の押圧部6bを指先で押すと、噴射管4に嵌合したスパウト6の開口部6aが噴射管を押し下げて化粧料が噴射する。
このようにして使用されたエアゾール缶は不用になると廃棄されることになるが、本発明の肩カバーを用いたエアゾール缶は、廃棄するに際して、前記スカート部に設けられた切り欠き部2mに、硬貨等の端部を差し込んでこじ上げると、肩カバーのスカート部の切欠き側は梃子の作用により持ち上げられて容器本体面から離れる。
この時、肩カバー本体部の円筒部2a下端は容器本体の巻締め鍔部1aに嵌合固定されていて頂壁2dは移動できないので、こじ上げられるスカート部2bの上昇につれて分離スリット2g部分の連結片2hが切断されて、変形して頂壁とスカート部との間に間隙が生ずる。
従って、環状のスカート部2bを指先で持って引き上げることにより、肩カバーはエアゾール缶の本体から簡単に分離することができて、合成樹脂部分と金属部分とに分別して廃棄することができる。
【0014】
また、硬貨等の硬質のこじ開け部材がない場合には、保護キャップを外してからスパウト部6の噴射筒6cを押し倒して、肩カバー本体部を親指で強く押圧したり、その他の方法により前記分離スリット部2gに設けられた連結片2hは簡単に切断できるので、合成樹脂でできた変形可能な肩カバーは、前記スパウト6の押圧用スリット6dと分離スリット2gとの間の頂壁部に形成される環状の指掛け可能なリング片またはスカート部に指先を掛けて上方へ引上げることによっても、肩カバーをエアゾール缶の本体から分離することが可能である。
従って、肩カバーのスカート部に切り欠き部を形成すると共に、頂壁部に環状のリング片を形成した本発明のスパウト付き肩カバーを用いたエアゾール缶は、不用になって廃棄する際には、缶本体の金属部分と肩カバーの合成樹脂部分とを簡単に分別して廃棄することができる。
【0015】
尚、スパウトを一体に形成した合成樹脂製の肩カバーの頂壁部に形成した押圧スリット部分に、切断可能な連結片を設けたものを用いたエアゾール容器としては、実公平6−3824号公報に記載するようなものがあるが、この肩カバーは図5に示すように、肩カバー2の頂壁2d部にスパウト6部を突出して形成すると共に、該スパウトの押圧部6bを陥没せしめるための押圧スリット6dを形成して、該スリットに切断可能な連結片6hが設けられたものであるが、前記スリット6d及び連結片6hは、本発明の肩カバーのように環状のリング片を形成して肩カバーの容器からの分離を目的としたものではなくて、廃棄時にスパウトの押圧部が噴射管を押し下げたままの状態に保持して、容器内に残存する加圧ガスを排出して、容器の爆裂を防止するためのものである。
【0016】
即ち、不用となった容器を廃棄する際に、前記押圧部6bを大きく下方へ押し下げると、前記連結片6hが切断されて押圧部6bはスリット内に陥没して肩カバーに設けられた係合突起部6kに係合して、噴射管が押し下げられた状態に保たれてガスが排出されるようにしたものであり、肩カバーの頂壁部には環状の指掛け可能なリング片を形成したり、また、肩カバーのスカート部に切欠き部を形成したりするものでもないので、本発明のように容器本体と肩カバーとを簡単に分離することはできず、本発明とは目的も、その構造も異にしたものである。
【0017】
【発明の効果】
以上、述べたように本発明は、スパウト付き肩カバーのスカート端部に切欠き部を設けて、該切欠き部に硬貨の端部を挿入してこじる上げることによりスカート部を容器本体から分離できるようにすると共に、頂壁部に分離スリットと押圧用スリットとの間に環状の指掛け可能なリング片が形成されるようにしたので、肩カバーを分離するするための特別な器具がなくても、肩カバーをエアゾール缶本体から簡単に外すことがでるので、廃棄物の分別収集が容易となり、資源の回収に適した製品である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の肩カバーを示す平面図である。
【図2】図1に示す本発明のX−X断面図である。
【図3】本発明の肩カバーを示す斜視図である。
【図4】公知のスパウト付き肩カバーを示す断面図である。
【図5】本発明の先行技術を示した断面図である。
【符号の説明】
1 エアゾール容器の本体
1a 巻締め鍔部
2 肩カバー
2a 嵌合円筒部
2b スカート部
2c 肩部
2d 頂壁
2g 分離スリット
2h 切断可能な連結片
2j 接続部
2m 切欠き
3 保護キャップ
4 噴射管
5 噴射ヘッド
6 スパウト部
6b 押圧部
6d スリット
6h 切断可能な連結片
6j 接続部

Claims (8)

  1. エアゾール缶の本体の上部に嵌合可能な円筒状スカート部と、該スカート部の上端に保護キャップを嵌合する肩部を連接して形成してなる肩カバー胴部の上端部に、上面には上下動可能な押圧部と噴射筒とからなるスパウト部を突設すると共に、裏面には缶本体の巻締め部に嵌合する円筒部が垂設された頂壁を連接して構成されるエアゾール容器の肩カバーであって、前記円筒部の下端部を巻締め部に係合すると共に、前記頂壁部と肩カバー胴部とは一部の接続部を残して分離可能に形成されてなることを特徴とするエアゾール容器用スパウト付き肩カバー。
  2. エアゾール缶の本体の上部に嵌合可能な円筒状スカート部と、該スカート部の上端に保護キャップを嵌合する肩部を連接して形成してなる肩カバー胴部の上端部に、上面には上下動可能な押圧部と噴射筒とからなるスパウト部を突設すると共に、裏面には缶本体の巻締め部に嵌合する円筒部が垂設された頂壁を連接して構成されるエアゾール容器の肩カバーであって、前記円筒部の下端部を巻締め部に係合、固定し、前記肩カバー胴部の肩部とスカート部との連設面に一部の接続部を残して円周状の分離スリットを設けて、前記頂壁部と円筒状スカート部とを分離可能に形成してなることを特徴とするエアゾール容器用スパウト付き肩カバー。
  3. エアゾール缶の本体の上部に嵌合可能な円筒状スカート部と、該スカート部の上端に保護キャップを嵌合する肩部を連接して形成してなる肩カバー胴部の上端部に、上面には上下動可能な押圧部と噴射筒とからなるスパウト部を突設すると共に、裏面には缶本体の巻締め部に嵌合する円筒部が垂設された頂壁を連接して構成されるエアゾール容器の肩カバーであって、前記円筒部の下端部を巻締め部に係合、固定し、前記肩カバー胴部の肩部とスカート部との連設面に一部の接続部を残して円周状の分離スリットを設けると共に、前記円筒状スカート部の下端周縁部の一部に凹状の切り欠き部を設けてこじ上げ可能に形成してなることを特徴とするエアゾール容器用スパウト付き肩カバー。
  4. 前記分離スリットには、複数個所に切断可能な連結片が設けられて、スカート部と頂壁部とが切断可能に連結されてなることを特徴とする請求項2乃至3に記載するエアゾール容器用スパウト付き肩カバー。
  5. 前記肩カバー胴部の上端の頂壁部には、前記スパウトの噴射筒側の一部に接続部を残してスパウト部の周縁部を囲むように円周状の押圧用スリットを形成して、押圧部を上下に揺動可能にしてなることを特徴とする請求項1乃至4に記載するエアゾール容器用スパウト付き肩カバー。
  6. 前記肩カバー胴部の上端の頂壁部には、前記スパウト部の周縁部に形成した円周状の押圧用スリットと肩カバー胴部に形成した分離用スリットとにより環状の指掛け可能なリング片が形成可能に構成されてなることを特徴とする請求項2乃至5に記載するエアゾール容器用スパウト付き肩カバー。
  7. 前記頂壁部に形成したスパウト部の接続部は、肩部を介して前記肩カバー胴部に形成した接続部に一体に接続されてなることを特徴とする請求項2乃至6に記載するエアゾール容器用スパウト付き肩カバー。
  8. 前記肩カバーは、熱可塑性合成樹脂の射出成形により一体に成形されてなることを特徴とする請求項1乃至7に記載するエアゾール容器用スパウト付き肩カバー。
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