JP3693174B2 - 圧電スピーカ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、音響機器等に用いられる圧電スピーカに関する。
【0002】
【従来の技術】
圧電スピーカは、圧電体を電気音響変換素子に用いた小型・低電流駆動の音響機器として知られており、小型機器の音響出力機器として使用されている。一般的に、圧電スピーカは、金属振動板に銀薄膜等による電極が形成された圧電素子を貼付した構造を有している。圧電スピーカの発音機構は、この圧電素子の両面に交流電圧をかけることで圧電素子に形状歪みを発生させ、金属振動板を振動させることにより、発生させている。
【0003】
従来の圧電スピーカは、振動板がリニアに振幅可能となるように振動板を支持することによって、周波数特性を平坦にしているものがある(例えば特許文献1参照)。一般的に、このような圧電スピーカの振動板には、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)圧電素材の熱膨張係数と近いことから、42Ni−Fe(以下、42アロイと記載する)を単一の金属素材とした金属振動板が用いられている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−16692号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、圧電スピーカの振動板は、軽量であるほど単位エネルギ当たりの音圧が向上する。したがって、バッテリの高寿命化あるいは低電圧駆動が設計時の課題となる携帯端末機器等に搭載される圧電スピーカには、振動板の軽量化が音響特性上必要な条件とされている。
【0006】
一方、圧電スピーカの振動板には適度な剛性が必要であり、上記圧電素子の厚さが50μm(ミクロンメートル)程度である場合、上記42アロイを素材とした振動板の厚みは、50〜100μm前後となる。上記振動板の厚みがこの範囲よりも薄ければ、当該振動板の剛性は低下し、圧電素子を安定して支持する、あるいは圧電素子の形状歪みを十分に振幅運動へと変換することが困難となる。さらに、上記振動板の厚みがこの範囲よりも厚ければ、当該振動板の剛性は著しく増大するため、圧電素子の形状歪みによる撓みを振動板に伝達することが困難になり、振動板の振幅が得られず、音圧の低下につながってしまう。したがって、従来の圧電スピーカの振動板において、音響特性を維持するためには適度な振動板の剛性が必要となるため、軽量化のために極端に材厚を薄くすることは出来なかった。また、従来の圧電スピーカの振動板は、圧電素材の熱膨張係数に合わせるために密度の高い単一の金属素材(42アロイ)で構成されているため、素材変更による振動板の軽量化も難しかったため、上述した軽量化による単位エネルギ当たりの音圧の向上が困難であった。
【0007】
それ故に、本発明の目的は、圧電スピーカの振動板の剛性および表面の熱膨張係数を低下させることなく振動板の軽量化することによって、音響特性が向上した圧電スピーカを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記目的を達成するために、本発明は、以下に述べるような特徴を有している。
第1の発明は、圧電素子と、その面上に圧電素子を配置することによって、圧電素子と共に圧電振動子を構成する振動板と、振動板の周囲に配置されるフレーム部と、フレーム部および振動板とを接続し、振動板がリニアに振幅可能となるように振動板を支持するダンパ部と、振動板、ダンパ部、およびフレーム部との間に形成されるエッジ部とを備え、第1の素材を用いた両表面を構成する2層の表面層と、第1の素材と異なる第2の素材を用いた2層の表面層の間にその両面がそれぞれ表面層と接合されて構成される1層のコア層とを有するサンドイッチ構造材料に所定の処理を行うことによって、振動板、ダンパ部、およびフレーム部を一体形成する。
【0009】
第1の発明によれば、軽量素材を組み合わせることで、単一の材料を用いた振動板と比較して軽量化を図ることができる。また、異なる素材によるサンドイッチ構造を形成していることから、振動板に必要な剛性を得るための設計も容易であり、必要な剛性を維持しながら軽量化することが可能である。したがって、上記軽量化された振動板を圧電スピーカに用いることによって、圧電スピーカの音圧レベルを向上させることができる。
また、サンドイッチ構造材料を2種類の素材を用いた3層で構成すれば、製造や剛性を得るための設計が容易になる。
さらに、振動板、ダンパ部、およびフレーム部をサンドイッチ構造材料で一体形成することによって、圧電スピーカを構成する部材の形成が容易になる。
【0012】
第2の発明は、第1の発明に従属する発明であって、
第1の素材が有する熱膨張係数は、圧電素子が有する熱膨張係数と近い値であり、第2の素材の密度は、第1の素材の密度より軽量である。
【0013】
第2の発明によれば、振動板の表面の素材が有する熱膨張係数を圧電素子の熱膨張係数と近い値で構成しながら、振動板を軽量化することができる。したがって、熱による表面層と圧電素子面との接合面のはがれやクラック等の材料破壊を防止することができる。つまり、コア層の素材を表面層の素材より軽量のものを用いることによって、圧電素子との熱膨張係数を維持しながら、振動板の軽量化を図ることができる。
【0014】
第3の発明は、第2の発明に従属する発明であって、
表面層の厚さは、コア層の厚さより薄い。
【0015】
第3の発明によれば、密度が軽量なコア層の割合が多いため、さらに振動板の軽量化効果を図ることができる。
【0016】
第4の発明は、第2の発明に従属する発明であって、
第1および第2の素材は、それぞれ金属および高分子樹脂の薄板の一方を選択して構成される。
【0017】
第4の発明によれば、振動板を構成する素材の選択の自由度が高くなる。
【0018】
第5の発明は、第4の発明に従属する発明であって、
第1の素材は、42アロイを素材とした金属の薄板であり、第2の素材は、42アロイとは異なった金属および高分子樹脂の薄板の一方を選択して構成される。
【0019】
第5の発明によれば、圧電素子が一般的なチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)で構成されている場合、表面層および圧電素子の熱膨張係数が近くなる。この構成によれば、熱による表面層と圧電素子面との接合面のはがれやクラック等の材料破壊を防止することができる。また、コア層の素材を42アロイより軽量のものを用いることによって、PZTの圧電素子との熱膨張係数を維持しながら、振動板の軽量化を図ることができる。
【0020】
第6の発明は、第5の発明に従属する発明であって、
第2の素材は、アルミニウムを素材とした金属の薄板である。
【0021】
第6の発明によれば、表面層を42アロイで構成し、コア層をアルミニウムで構成することによって、容易にPZTの圧電素子との熱膨張係数を維持しながら、振動板の軽量化を図ることができる。
【0024】
第7の発明は、第1の発明に従属する発明であって、
エッジ部は、振動板、ダンパ部、およびフレーム部との間に形成される空隙に第1および第2の素材とは異なった材料を装填することによって形成されることを特徴とする。
【0025】
第7の発明によれば、圧電スピーカの周波数特性を平坦にするためのエッジ部を、適切に形成することができる。
【0026】
第8の発明は、第1の発明に従属する発明であって、
エッジ部は、振動板、ダンパ部、およびフレーム部との間に形成される領域における第1の素材のみをエッチング処理することによって形成されることを特徴とする。
【0027】
第8の発明によれば、圧電スピーカの周波数特性を平坦にするためのエッジ部を、エッチング処理のみで容易に形成することができる。
【0028】
第9の発明は、第1の発明に従属する発明であって、
圧電素子に駆動電圧を印加する一方の電極がフレーム部に設けられることを特徴とする。
【0029】
第9の発明によれば、フレーム部を一方の電極にした場合、ダンパ部を介して振動板まで導電されるため、振動板を電極にしなくても圧電素子の駆動が可能であり、振動板に直接接続される配線処理が不要となり、振動板の振動特性が安定する。
【0030】
第10の発明は、第1の発明に従属する発明であって、
サンドイッチ構造材料を構成する素材の少なくとも一部には、絶縁性を有する素材が含まれており、フレーム部は、サンドイッチ構造材料を構成する複数の層の少なくとも一部を所定の形状にエッチング処理することによって、回路部が形成されることを特徴とする。
【0031】
第10の発明によれば、圧電スピーカのフレーム部と回路部とを一体形成することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
図1を参照して、本発明の一実施形態に係る圧電スピーカについて説明する。なお、図1は、当該圧電スピーカの概略的な構造の一例を示す平面図である。
【0033】
図1において、圧電スピーカ1は、フレーム部2、振動板3、ダンパ部4a〜4d、圧電素子5、およびエッジ部6a〜6dを有している。フレーム部2、振動板3、およびダンパ部4a〜4dは、後述する平板状のサンドイッチ構造材料をエッチングあるいはプレス成形等によって打ち抜くことによって一体的に形成される。そして、略矩形状で形成される振動板3は、略U字形に折り返した腕形状に架け渡された複数のダンパ部4a〜4dを介して略矩形状のフレーム部2に接続されている。ダンパ部4a〜4dは、それらの形状から蝶ダンパと呼ばれる。また、フレーム部2は、圧電スピーカ1の固定部材(図示せず)に固定されている。以下、ダンパ部4a〜4dを総称して説明する場合は、ダンパ部4と記載する。
【0034】
圧電スピーカ1の駆動源である円形状の圧電素子5は、例えば、アクリル系接着剤を用いて上記矩形状の振動板3に接合されている。圧電素子5は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)圧電素材等で構成される。そして、圧電素子5の所定の部位と、振動板3またはフレーム部2とを電極として、圧電スピーカ駆動装置(図示せず)から所定の交流電圧が当該電極に与えられる。この交流電圧が圧電素子5に与えられることによって、圧電素子5に形状歪みを発生させ、振動板3を当該歪みに応じて振動させることによって、音声や音楽等の音を発する圧電スピーカ1が得られる。ここで、フレーム部2を一方の上記電極にした場合、複数のダンパ部4を介して振動板3まで導電されるため、振動板3を当該一方の電極にしなくても圧電素子5の駆動が可能であり、振動板3に直接接続される配線処理が不要となるため、振動板3の振動特性が安定する。
【0035】
エッジ部6a〜6dは、振動板3の四方にスリット状に形成されるフレーム部2との間の上記平板状のサンドイッチ構造材料の空隙に、適度な柔軟性を有する高分子等の樹脂を装填することによって構成される。以下、エッジ部6a〜6dを総称して説明する場合は、エッジ部6と記載する。例えば、エッジ部6は、フレーム部2、振動板3、およびダンパ部4a〜4dが形成された平板状のサンドイッチ構造材料に、硬化後柔軟性(ゴム弾性)を有する高分子樹脂の溶液を塗布することによって形成される。そして、硬化した高分子樹脂は、振動板3とフレーム部2との空隙に保持される。なお、エッジ部6を形成する方法としては、液状の高分子樹脂の表面張力による毛細管現象を利用して、その高分子樹脂を上記空隙に保持する方法を使用してもかまわない。また、エッジ部6は、フレーム部2、振動板3、およびダンパ部4a〜4dが形成され、圧電素子5が配置された平板状のサンドイッチ構造材料の両面に、弾力性を有したシートを貼付することによって形成されてもかまわない。上記シートは、ゴムの薄膜フィルムや弾性を有する織布または不織布にゴム弾性を有する樹脂を含浸またはコートして目止めを行ったものが用いられる。上記薄膜フィルムとしては、例えば、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)等のゴム、または、それらの変成体の材料からなるゴム系高分子樹脂フィルムを使用することができる。織布または不織布の素材としては、例えば、ポリウレタン繊維を使用することができる。また、後述するコア材をゴム系高分子樹脂および表面材を金属として作成されたサンドイッチ構造材料の表面材のみをエッチングしてエッジ部6を形成してもかまわない。この場合、エッチング処理のみでエッジ部6を形成することができる。
【0036】
振動板3は、上述したダンパ部4による支持、圧電素子5と異なった形状で形成されること、および空隙からの空気漏れを防止するエッジ部6の構成によって、低い周波数帯域の音を再生し音圧差の大きいピークディップが音響特性に現れることを防止するためのリニアな振幅が可能となる。なお、この振動板3がリニアな振幅特性を得るメカニズムは、既に公知であるため、本実施形態においてはこれ以上の説明を省略する。
【0037】
次に、図2および図3を参照して、フレーム部2、振動板3、およびダンパ部4を形成するサンドイッチ構造材料について説明する。なお、図2は圧電スピーカ1の図1に示す線A−Aの断面図であり、図3は当該サンドイッチ構造材料を構成するそれぞれの層を分解して示す斜視図である。
【0038】
図2および図3において、上述したように、フレーム部2、振動板3、およびダンパ部4は、平板状のサンドイッチ構造材料(以下、振動板材料とも記載する)をエッチングまたは打ち抜き加工することによって、それぞれの形状が形成されている。図2および図3に示すように、上記平板状の振動板材料は、コア材8を中間層として、その両面側を表面材7でサンドイッチすることによって複合化した3層構造となっている。このような、平板状部材は、クラッド材とも呼ばれる。例えば、上記振動板材料の厚さを50μm(ミクロンメートル)で形成する場合、それぞれの表面材7として厚さ10μmの42アロイ(42Ni−Fe)と、コア材8として軽量金属である厚さ30μmのアルミニウムとを、それぞれ接合して複合化することによって、合計厚さ50μmで3層の振動板材料が形成される。この振動板材料は、異種材料によって表面材7−コア材8−表面材7を形成しているが、それぞれの界面に接着材等が介在して互いを接合するよりも、ファンデルワールス力などによって接合することによって接合材料の影響が極めて小さい状態であることが好ましい。例えば、表面材7−コア材8−表面材7を、互いに真空中でイオンエッチングを用いて圧接圧延することによって、それぞれの界面を接合することができる。
【0039】
次に、上述した振動板材料の剛性について説明する。通常、物理特性が均等な単一素材の曲げ剛性は、素材の弾性率と慣性モーメントとの積で求められる。下記式(1)は、これを基本として、2種類の素材を用いた場合の曲げ剛性を計算する式である。
【0040】
【数1】
ここで、
Wf=ρftfb
r=tc/tf
であり、
[EI]f:全体の剛性
Ec:コア材の弾性率
Es:表面材の弾性率
ρc:コア材の密度
ρs:表面材の密度
ρf:全体の密度
tc:コア材の厚さ
ts:表面材の厚さ
tf:全体の厚さ
b:シミュレートする試料の幅
Wf:単位長さ当たりの重量(線密度)
r:コア材と表面材との厚さの比
である。
【0041】
上記式(1)は、全体が3層構造で、コア材と表面材とを異なった素材で構成し、互いの接合面に接着面等の他の素材で構成される層が無い状態で接合されている全体の曲げ剛性を求めるものである。この式(1)を用いて、全体の剛性を計算する場合、2つの表面材は、表裏ともに同じ厚さである必要がある。ただし、コア材と表面材とは、必ずしも同じ厚さである必要はない。例えば、従来の圧電スピーカに用いられている厚さ50μmの42アロイ素材と同様な剛性を有するサンドイッチ構造の振動板材料を設計するためには、上記式(1)により、表面材7に厚さ10μmの42アロイ、コア材8として厚さ30μmのアルミニウムで構成される合計厚さ50μmの振動板材料を用いれば、ほぼ、同等の剛性を有する素材を得ることが出来ることが分かる。
【0042】
次に、図4を参照して、上記振動板材料のコア材8の厚みを変化させることによる、全体の曲げ剛性増加率について説明する。なお、図4は、曲げ剛性増加率(%:パーセント)とコア材8の厚み(cm:センチメートル)との関係を上記式(1)にシミュレートすることによって得られるグラフである。
【0043】
図4において、グラフの縦軸で示される曲げ剛性増加率(%)は、上述した従来の圧電スピーカに用いられている厚さ50μmの42アロイ素材を基準にその増加率を示している。また、グラフの横軸で示されるコア厚み(cm)は、コア材8として用いられるアルミニウムの厚さを示し、いずれの場合も、その両面側に接合される表面材7は、厚さ10μmを一定とした42アロイで構成されている。図4で示されるように、曲げ剛性増加率が0%(つまり、従来の圧電スピーカに用いられている厚さ50μmの42アロイ素材と同じ曲げ剛性)のとき、コア厚みは0.003cmとなる。したがって、本発明の振動板材料は、表面材7に厚さ10μmの42アロイが用いられ、コア材8に厚さ30μmのアルミニウムが用いられた、合計厚さ50μmで構成されるときに、全体が厚さ50μmの42アロイで構成される素材の曲げ剛性に近づけることが可能であることが分かる。
【0044】
次に、図5を参照して、上述した曲げ剛性増加率に対する全体の重量減少率について説明する。なお、図5は、曲げ剛性増加率(%)と重量減少率(%)との関係を上記式(1)にシミュレートすることによって得られるグラフである。
【0045】
図5において、グラフの縦軸および横軸で示される曲げ剛性増加率(%)および重量減少率(%)は、上述した従来の圧電スピーカに用いられている厚さ50μmの42アロイ素材を基準にその増加率および減少率を示している。また、いずれの場合も、表面材7は、厚さ10μmを一定とした42アロイで構成され、アルミニウムを用いたコア材8の厚さを変化させることによって、全体の曲げ剛性および重量を変化させたものである。図5に示すように、曲げ剛性増加率が0%(つまり、従来の圧電スピーカに用いられている厚さ50μmの42アロイ素材と同じ曲げ剛性)のとき、重量減少率が約40%となる。一方、本発明の振動板材料は、上述したように曲げ剛性増加率0%のときコア材8の厚さが30μmである。したがって、表面材7に厚さ10μmの42アロイが用いられ、コア材8に厚さ30μmのアルミニウムが用いられた、合計厚さ50μmで構成される振動板は、全体が厚さ50μmの42アロイで構成される振動板の曲げ剛性と同じ曲げ剛性を有しながら、従来と比較して60%の重量となることが分かる。つまり、本発明の振動板材料は、従来の振動板材料と同じ厚さで構成して同等の曲げ剛性および表面の熱膨張係数を維持しながら、全体の軽量化が可能である。
【0046】
次に、図6を参照して、上記サンドイッチ構造を有する振動板材料を用いた圧電スピーカ1の音響特性について説明する。なお、図6は、圧電スピーカ1と従来の42アロイを単一素材として振動板を構成する圧電スピーカとの音響特性を比較したグラフである。
【0047】
図6において、グラフの横軸は圧電スピーカから発生する音の周波数(Hz:ヘルツ)を示しており、縦軸はその音圧(dB:デシベル)を示している。このグラフで示される従来の圧電スピーカの音響特性は、振動板が厚さ50μmの42アロイ素材で構成された圧電スピーカによるものである。一方、本発明の圧電スピーカ1の音響特性は、振動板3の表面材7がそれぞれ厚さ10μmの42アロイおよびコア材8が厚さ30μm厚さのアルミニウムで構成された圧電スピーカ1によるものである。図6に示すように、本発明の圧電スピーカ1の音響特性は、従来の音響特性と比較して音圧が向上(平均約4dB向上)していることがわかる。
【0048】
このように、本発明の圧電スピーカによれば、圧電素子を貼付する振動板に、異種素材を用いてサンドイッチ構造としたクラッド材を使用することで、従来の振動板の剛性および熱膨張係数を維持しながら軽量化を図ることができる。したがって、従来と比較して、振動板の剛性を維持しながら圧電スピーカの音圧レベルを向上させることができる。
【0049】
なお、上述した本発明の圧電スピーカの形状および厚さは、一例であり、他の形状および厚さを取っても、本発明における振動板材料の効果は変わらない。以下、図7および図8を参照して、本発明を適用した圧電スピーカの他の形状例および他の厚さについて説明する。なお、図7は圧電スピーカ10の概略的な構造の他の例を示す平面図であり、図8は図7の圧電スピーカ10から圧電素子14を外した振動板材料の平面図である。
【0050】
図7および図8において、圧電スピーカ10は、アウターフレーム部11と、インナーフレーム部12と、振動板13a〜13dと、圧電素子14と、ダンパ部15a〜15dおよび16a〜16hと、エッジ部17a〜17dおよび18a〜18hとを有している。アウターフレーム部11と、インナーフレーム部12と、振動板13a〜13dと、ダンパ部15a〜15dおよび16a〜16hと、エッジ部17a〜17dおよび18a〜18hとは、上述した平板状のサンドイッチ構造のクラッド材をエッチングあるいはプレス成形等によって打ち抜くことによって一体的に形成される。略矩形状で形成される振動板13aは、略U字形に折り返した腕形状に架け渡された複数のダンパ部16aおよび16bを介して田の字形状のインナーフレーム部12に接続されている。同様に、振動板13bは、複数のダンパ部16cおよび16dを介してインナーフレーム部12に接続されており、振動板13cは、複数のダンパ部16eおよび16fを介してインナーフレーム部12に接続されており、振動板13dは、複数のダンパ部16gおよび16hを介してインナーフレーム部12に接続されている。インナーフレーム部12は、複数のダンパ部15a〜15dを介してアウターフレーム部11に接続されている。また、アウターフレーム部11は、圧電スピーカ10の固定部材(図示せず)に固定されている。
【0051】
圧電スピーカ10の駆動源である圧電素子14は、例えば、アクリル系接着剤を用いて上記振動板13a〜13d全てと接合されている。圧電素子14は、PZT圧電素材等で構成され、上述したダンパ部16a〜16hを避けるように略X字形状で振動板13a〜13dに振動を伝達するように配置される。
【0052】
エッジ部18aおよび18bは、振動板13aの四方にスリット状に形成されるインナーフレーム部12との間の上記平板状のサンドイッチ構造材料の空隙に、適度な柔軟性を有する高分子等の樹脂を装填することによって形成される。同様に、エッジ部18cおよび18dは、振動板13bおよびインナーフレーム部12の間の空隙に、エッジ部18eおよび18fは、振動板13cおよびインナーフレーム部12の間の空隙に、エッジ部18gおよび18hは、振動板13dおよびインナーフレーム部12の間の空隙に、それぞれ上記樹脂を装填することによって形成される。また、エッジ部17a〜17dは、インナーフレーム部12の四方にスリット状に形成されるアウターフレーム部11との間の上記平板状のサンドイッチ構造材料の空隙に、適度な柔軟性を有する高分子等の樹脂を装填することによって形成される。なお、エッジ部17a〜17dおよび18a〜18hの形成方法については、上述したエッジ部6の形成方法と同様であるため、ここでの詳細な説明を省略する。
【0053】
このような形状の圧電スピーカ10に用いられる振動板材料についても、上述したサンドイッチ構造のクラッド材が用いることができる。例えば、上記振動板材料の厚さを100μmで形成する場合、それぞれの表面材として厚さ20μmの42アロイと、コア材として軽量金属である厚さ60μmのアルミニウムとを、それぞれ接合して複合化することによって、合計厚さ100μmで3層の振動板材料が形成される。
【0054】
次に、上述した振動板材料の剛性について説明する。この振動板材料についても、上述した2種類の素材を用いた場合の曲げ剛性を計算する式(1)によって求められる。例えば、従来の圧電スピーカに用いられている厚さ100μmの42アロイ素材と同様な剛性を有するサンドイッチ構造の振動板材料を設計するためには、上記式(1)により、表面材に厚さ20μmの42アロイ、コア材として厚さ60μmのアルミニウムで構成される合計厚さ100μmの振動板材料を用いれば、ほぼ、同等の剛性を有する素材を得ることが出来ることが分かる。
【0055】
次に、図9を参照して、上記振動板材料のコア材の厚みを変化させることによる、全体の曲げ剛性増加率について説明する。なお、図9は、曲げ剛性増加率(%)とコア材の厚み(cm)との関係を上記式(1)にシミュレートすることによって得られるグラフである。
【0056】
図9において、グラフの縦軸で示される曲げ剛性増加率(%)は、上述した従来の圧電スピーカに用いられている厚さ100μmの42アロイ素材を基準にその増加率を示している。また、グラフの横軸で示されるコア厚み(cm)は、コア材として用いられるアルミニウムの厚さを示し、いずれの場合も、その両面側に接合される表面材は、厚さ20μmを一定とした42アロイで構成されている。図9で示されるように、曲げ剛性増加率が0%(つまり、従来の圧電スピーカに用いられている厚さ100μmの42アロイ素材と同じ曲げ剛性)のとき、コア厚みは約0.006cmとなる。したがって、本発明の振動板材料は、表面材に厚さ20μmの42アロイが用いられ、コア材に厚さ60μmのアルミニウムが用いられた、合計厚さ100μmで構成されるときに、全体が厚さ100μmの42アロイで構成される素材の曲げ剛性に近づけることが可能であることが分かる。
【0057】
次に、図10を参照して、上述した曲げ剛性増加率に対する全体の重量減少率について説明する。なお、図10は、曲げ剛性増加率(%)と重量減少率(%)との関係を上記式(1)にシミュレートすることによって得られるグラフである。
【0058】
図10において、グラフの縦軸および横軸で示される曲げ剛性増加率(%)および重量減少率(%)は、上述した従来の圧電スピーカに用いられている厚さ100μmの42アロイ素材を基準にその増加率および減少率を示している。また、いずれの場合も、表面材は、厚さ20μmを一定とした42アロイで構成され、アルミニウムを用いたコア材の厚さを変化させることによって、全体の曲げ剛性および重量を変化させたものである。図10に示すように、曲げ剛性増加率が0%(つまり、従来の圧電スピーカに用いられている厚さ100μmの42アロイ素材と同じ曲げ剛性)のとき、重量減少率が約40%となる。一方、本発明の振動板材料は、上述したように曲げ剛性増加率0%のときコア材の厚さが60μmである。したがって、表面材に厚さ20μmの42アロイが用いられ、コア材に厚さ60μmのアルミニウムが用いられた、合計厚さ100μmで構成される振動板は、全体が厚さ100μmの42アロイで構成される振動板の曲げ剛性と同じ曲げ剛性を有しながら、従来と比較して約60%の重量となることが分かる。つまり、本発明の振動板材料は、全体の厚さを100μmで構成しても、従来の振動板材料と同じ厚さで構成して同等の曲げ剛性および表面の熱膨張係数を維持しながら、全体の軽量化が可能である。
【0059】
次に、図11を参照して、上記サンドイッチ構造を有する振動板材料を用いた圧電スピーカ10の音響特性について説明する。なお、図11は、圧電スピーカ10と従来の42アロイを単一素材として振動板を構成する圧電スピーカとの音響特性を比較したグラフである。
【0060】
図11において、グラフの横軸は圧電スピーカから発生する音の周波数(Hz)を示しており、縦軸はその音圧(dB)を示している。このグラフで示される従来の圧電スピーカの音響特性は、振動板が厚さ100μmの42アロイ素材で構成された圧電スピーカによるものである。一方、本発明の圧電スピーカ10の音響特性は、振動板13の表面材がそれぞれ厚さ20μmの42アロイおよびコア材が厚さ60μm厚さのアルミニウムで構成された圧電スピーカ10によるものである。図11に示すように、本発明の圧電スピーカ10の音響特性は、従来の音響特性と比較して音圧が向上(平均約4dB向上)していることがわかる。
【0061】
なお、上述の説明では、コア材をアルミニウムで構成したが、コア材はアルミニウムでなくてもかまわない。例えば、コア材として、内部損失の優れたマンガン−銅合金、軽量性に優れたマグネシウムあるいはチタン等の金属フィルムで構成してもよい。また、コア材として、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアミド、あるいはポリイミド等のプラスチック素材、または、スチレンブタジエン系ゴム、ブタジエン系ゴム、ブチル系ゴム、エチレンプロピレン系ゴム、あるいはそれらの変成体等のゴム高分子樹脂やエラストマー等の高分子樹脂フィルムを用いてもよい。
【0062】
また、上述の説明では、表面材を42アロイで構成したが、一般的に圧電スピーカに用いられるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)で構成される圧電素子の熱膨張係数と近いからである。この構成によれば、熱による表面材の表面と圧電素子面との接合面のはがれやクラック等の材料破壊を防止することが出来る。つまり、本発明の表面材には、圧電素子と近い熱膨張係数を有する金属材料を用いればよく、PZTと異なる熱膨張係数を有する圧電素子の場合、その熱膨張係数に近い特性を有する金属材料を本発明の振動板の表面材に用いればよい。なお、このような効果を期待しない場合、圧電素子の熱膨張係数と無関係な別の金属材料を振動板の表面材に用いてもかまわない。この場合、上記表面材として導電性を有する樹脂で構成してもかまわない。
【0063】
また、上述の説明では、振動板材料を2層の42アロイの表面材および1層のアルミニウムのコア材で合計3層のクラッド材を構成したが、振動板材料は3層以上で構成しても本発明を実現できることは言うまでもない。例えば、導電性の42アロイの表面材およびアルミニウムのコア材の間に、それぞれ上述した高分子樹脂フィルムの絶縁層を形成し、合計5層の振動板材料を構成することによって、振動板材料に回路部を一体形成することができる。以下、図12を参照して、振動板材料に回路部を一体形成した一例を説明する。なお、図12(a)は上述した圧電スピーカ10に一体形成された回路部20を示す平面図であり、図12(b)は圧電スピーカ10に一体形成された回路部20を示す図12(a)の線B−Bの断面図であり、図12(c)は圧電スピーカ10に一体形成された回路部20を示す図12(a)の線C−Cの断面詳細図である。
【0064】
図12(b)において、圧電スピーカ10の振動板材料は、導電性を有する2層の42アロイの表面材7および1層のアルミニウムのコア材8に対して、それぞれの間に2層の絶縁材9が形成される。この絶縁材9は、絶縁性を有する材料で形成され、例えば、上述したプラスチック素材、ゴム高分子樹脂、あるいは高分子樹脂フィルム等で絶縁性を有する素材が用いられる。そして、圧電スピーカ10の振動板材料を上述した圧接圧延等を用いて形成するとき、図12(a)の右側面部に示すような回路部20を形成するための凸部を付加する。つまり、回路部20の基板は、圧電スピーカ10の振動板材料と一体的に形成され、振動板材料と同様の5層のクラッド材で構成される。
【0065】
次に、振動板材料と一体的に形成された回路部20の基板に所定のエッチング処理を施すことによって、パターンが形成される。例えば、図12(a)に示すように、42アロイの表面材7で形成される表面材パターン7aおよび7b以外の部分に対して、42アロイを除去するエッチングを行うことによって、42アロイの表面材パターン7aおよび7bと絶縁材部9aが形成される。さらに、アルミニウムのコア材8で形成されるコア材パターン8aを形成する部分に対して、上記絶縁材を除去するエッチングを行うことによって、アルミニウムのコア材パターン8aが形成されることによって、複数のパターンを有する回路部20が形成される。そして、回路部20に形成されたパターンの上(例えば、表面材パターン7aおよび7bの間や、表面材パターン7bおよびコア材パターン8aの間)に、所定の電気的物性を有する抵抗器、コイル、あるいはコンデンサ等を実装することで、任意にハイパスフィルターやローパスフィルター等を構成することができる。
【0066】
さらに、図12(b)に示すように、圧電素子14の一方の面は、導電性の42アロイの表面材7と接合している。そして、図12(c)に示すように、圧電素子14の他方の面(図12(a)紙面の表面側)と導電性のコア材8とを導線19で接続する。例えば、導線19を配置する振動板材料の部位に、所定のエッチング処理を行うことによって表面材7および絶縁材9を除去したホールを形成する。そして、銀ペースト等で構成される導線19が、上記ホールを貫通するようにコア材8および圧電素子14の他方の面を接続する。これらによって、圧電素子14のそれぞれの面は、表面材7およびコア材8と接続される。また、図12(a)に示すように、表面材パターン7aは、圧電スピーカ10のアウターフレーム部と接続しており、表面材パターン7bと互いに絶縁されている。そして、表面材パターン7bは、上述した表面材パターン7bおよびコア材パターン8aの間に所定の部品が実装されることによって、コア材パターン8aと所定の部品を介して接続される。つまり、表面材パターン7aおよび7bは、それぞれ圧電スピーカ10の各ダンパ部を介して圧電素子14の一方および他方の面と接続される。したがって、表面材パターン7aおよび7bは、圧電スピーカ10に入力される音声信号のそれぞれの入力端子(+および−側)として用いることができる。この場合、回路部20の構成によって、圧電スピーカ10の音響特性を調整することが可能であり、また、圧電素子14への配線を振動板材料で構成できるため、銅線等を圧電スピーカ10の振動板等の上に設置する必要がなく、振動板上の質量バランスの偏りが改善されることから圧電スピーカ10の音響特性を向上することができる。
【0067】
このように、回路部20は、マスクパターン等により別のプリント基板を用いることなく、振動板材料を用いて、同一部材上に部品回路を一体形成することができる。また、回路部20の各パターンを形成するためのエッチングは、上述したエッジ部やダンパ部を形成するためのエッチングと同時に行うことが可能である。
【0068】
なお、圧電スピーカに回路部を一体形成する場合、表面材に42アロイおよびコア材にアルミニウムを用いて説明したが、それぞれの素材は、導電性に優れていれば、他の金属や金属合金、または導電性を示す樹脂を用いてもかまわない。また、回路上に実装する部品は、アンプやオペアンプ等圧電スピーカの動作を電子的に制御するLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)等を用いてもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る圧電スピーカ1の概略的な構造の一例を示す平面図である。
【図2】図1の圧電スピーカ1で示す線A−Aの断面図である。
【図3】図1の圧電スピーカ1のサンドイッチ構造材料を構成するそれぞれの層を分解して示す斜視図である。
【図4】図1の圧電スピーカ1で用いられる振動板材料の曲げ剛性増加率とコア材8の厚みとの関係を示すグラフである。
【図5】図1の圧電スピーカ1で用いられる振動板材料の曲げ剛性増加率と重量減少率との関係を示すグラフである。
【図6】図1の圧電スピーカ1と従来の42アロイを単一素材として振動板を構成する圧電スピーカとの音響特性を比較したグラフである。
【図7】本発明の一実施形態に係る圧電スピーカの概略的な構造の他の例を示す平面図である。
【図8】図7の圧電スピーカ10から圧電素子14を外した振動板材料の平面図である。
【図9】図7の圧電スピーカ10で用いられる振動板材料の曲げ剛性増加率とコア材の厚みとの関係を示すグラフである。
【図10】図7の圧電スピーカ10で用いられる振動板材料の曲げ剛性増加率と重量減少率との関係を示すグラフである。
【図11】図7の圧電スピーカ10と従来の42アロイを単一素材として振動板を構成する圧電スピーカとの音響特性を比較したグラフである。
【図12】図8の圧電スピーカ10に一体形成された回路部20を示す平面図および断面図である。
【符号の説明】
1、10…圧電スピーカ
2…フレーム部
3、13…振動板
4、15、16…ダンパ部
5、14…圧電素子
6、17、18…エッジ部
7…表面材
8…コア材
9…絶縁材
11…アウターフレーム部
12…インナーフレーム部
19…導線
20…回路部
Claims (10)
- 圧電素子と、
その面上に前記圧電素子を配置することによって、前記圧電素子と共に圧電振動子を構成する振動板と、
前記振動板の周囲に配置されるフレーム部と、
前記フレーム部および前記振動板とを接続し、前記振動板がリニアに振幅可能となるように前記振動板を支持するダンパ部と、
前記振動板、前記ダンパ部、および前記フレーム部との間に形成されるエッジ部とを備え、
第1の素材を用いた両表面を構成する2層の表面層と、前記第1の素材と異なる第2の素材を用いた前記2層の表面層の間にその両面がそれぞれ前記表面層と接合されて構成される1層のコア層とを有するサンドイッチ構造材料に所定の処理を行うことによって、前記振動板、前記ダンパ部、および前記フレーム部を一体形成することを特徴とする、圧電スピーカ。 - 前記第1の素材が有する熱膨張係数は、前記圧電素子が有する熱膨張係数と近い値であり、
前記第2の素材の密度は、前記第1の素材の密度より軽量である、請求項1に記載の圧電スピーカ。 - 前記表面層の厚さは、前記コア層の厚さより薄い、請求項2に記載の圧電スピーカ。
- 前記第1および第2の素材は、それぞれ金属および高分子樹脂の薄板の一方を選択して構成される、請求項2に記載の圧電スピーカ。
- 前記第1の素材は、42アロイを素材とした金属の薄板であり、
前記第2の素材は、42アロイとは異なった金属および高分子樹脂の薄板の一方を選択して構成される、請求項4に記載の圧電スピーカ。 - 前記第2の素材は、アルミニウムを素材とした金属の薄板である、請求項5に記載の圧電スピーカ。
- 前記エッジ部は、前記振動板、前記ダンパ部、および前記フレーム部との間に形成される空隙に前記第1および第2の素材とは異なった材料を装填することによって形成されることを特徴とする、請求項1に記載の圧電スピーカ。
- 前記エッジ部は、前記振動板、前記ダンパ部、および前記フレーム部との間に形成される領域における前記第1の素材のみをエッチング処理することによって形成されることを特徴とする、請求項1に記載の圧電スピーカ。
- 前記圧電素子に駆動電圧を印加する一方の電極が前記フレーム部に設けられることを特徴とする、請求項1に記載の圧電スピーカ。
- 前記サンドイッチ構造材料を構成する素材の少なくとも一部には、絶縁性を有する素材が含まれており、
前記フレーム部は、前記サンドイッチ構造材料を構成する複数の層の少なくとも一部を所定の形状にエッチング処理することによって、回路部が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の圧電スピーカ。
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