JP3693094B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術の分野】
本発明は、加圧手段が設けられた圧力発生室のインクをノズル開口からインク滴として吐出させて印刷するインクジェット記録装置、より詳細には温度特性の補正技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録装置は、外部からインクの供給を受けるリザ-バと、ノズル開口に連通する圧力発生室を圧電振動子や発熱素子により加圧してインク滴を吐出させる関係上、印字品質を左右するインク滴のサイズや飛行速度がインクの流体特性に大きく依存している。
インクの流体特性のうちでも粘性は、環境温度に大きく左右されるため、通常、記録ヘッドの近傍に温度センサを配置し、環境温度により駆動信号を制御することが行われている。これによれば、図6の符号Aに示したように環境の温度変化率が低い場合には、記録ヘッドの温度も図6の符号Bに示したようにほぼ環境温度に追従して変化するため、温度の高低によるインク粘度の低高に対応して駆動信号のレベルや、印加時間を調整でき、環境温度に関わり無く、印字品質を維持することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、記録ヘッドのインク流路の熱時定数と、温度センサの熱時定数とが相違するため、冬季や夏季のように、暖房やクーラーが使用されて図6の符号Cに示したように印刷動作中に環境の温度が急激に変動した場合には、記録ヘッドの温度は図の符号Dに示したように環境の温度に追従し切れず、インク流路と温度センサとの温度が乖離して両者間に大きな温度差が生じ、インクの流体特性とはかけ離れた駆動信号が印加されてしまい、印字品質が大幅に低下するという問題がある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは環境の急激な温度変化に関わり無く、印字品質を維持することができるインクジェット記録装置を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解消するために本発明においては、共通のインク室とノズル開口とに連通し、かつ加圧手段により加圧される圧力発生室を備え、駆動信号に一致して前記ノズル開口からインク滴を吐出する記録ヘッドと、環境温度を検出する温度センサと、外部からの印刷データに対応し、かつ前記温度センサにより検出された環境温度に適した駆動信号を発生する駆動信号発生手段とを備えたインクジェット記録装置において、
前記温度センサからの信号により温度変化率の絶対値を算出する温度変化率演算手段と、前記温度変化率演算手段の温度変化率の絶対値により読み出し可能で、かつ前記温度変化率の絶対値が小さい程、前記記録ヘッドの温度が環境温度に対応できるとして前記駆動信号発生手段から出力された駆動信号に近いものを出力するための補正率を、また前記温度変化率の絶対値が大きい程、熱応答遅れにより前記記録ヘッドの温度が環境温度に対応しにくいとして前記駆動手段から出力された駆動信号を大きく補正して前記環境温度の変化に対する前記記録ヘッドの熱応答遅れを見込んで出力するための補正率を格納した補正率記憶手段と、前記環境温度の履歴を格納する履歴記憶手段と、前記補正率記憶手段から読み出された前記温度変化率に対応する補正率と前記履歴記憶手段の環境温度の履歴とにより補正信号を生成して出力する補正手段とを備え、
前記駆動信号発生手段が前記補正信号に基づいて前記駆動信号の電圧、または電圧の変化率の少なくともいずれか一方を変化させてから出力する。
【0005】
【作用】
環境温度が急激に変化した場合には、環境温度の変化率と温度履歴とを考慮して駆動信号を修正し、記録ヘッドの実温度に即した駆動信号により記録ヘッドを駆動する。
【0006】
【発明の実施の形態】
そこで以下に本発明の詳細を図示した実施例に基づいて説明する。
図1は、本発明が適用されるインクジェット記録ヘッドの一実施例を、1つの圧力発生室近傍の構造で示すものであって、図中符号1は、ノズル開口2を有するノズルプレート、3は、圧力発生室4、インクリザーバ5、及び圧力発生室4とインクリザーバ5とを接続するインク供給口6を形成する流路形成板、7は後述する圧電振動子9の変位を受ける弾性板で、これらノズルプレート1、流路形成基板3、及び弾性板7は、液密に積層されて流路ユニット8を形成している。
【0007】
流路ユニット8は、圧電振動子9の軸方向の変位を受けて圧力発生室4のインクを加圧してノズル開口2からインク滴として吐出させたり、またインク供給口6を介してリザーバ5のインクを圧力発生室4に吸引させる。
【0008】
図2は、上述した記録ヘッド10を駆動する駆動装置の一実施例を示すものであって、記録ヘッド10の近傍に、環境温度の変化に追従して温度信号を出力する温度センサ11、たとえばサーミスタが配置されている。
駆動信号発生回路12は、温度センサ11からの温度信号に基づいて環境温度に対応した最適な駆動信号を出力するように構成されていて、これからの駆動信号は、印刷信号によりオンオフ制御されるスイッチング素子Sを介して記録ヘッド10の各圧電振動子9に選択的に印加される。
【0009】
加圧力は、図3(イ)に示したように周知のように圧電振動子に印加する電圧V1、V2、V3、また図3(ロ)に示したように変化率α1、α2、α3のいずれか一方を調整したり、また電圧と変化率とを同時に調整することにより自由に制御することができる。
【0010】
補正回路13は、温度センサ11からの信号により環境温度の変化率を算出する温度変化率演算回路14と、温度変化率と補正率との関係を格納した補正率記憶手段15とからの信号を受け、温度変化率に対応した補正率を駆動信号発生回路12に出力する。
【0011】
補正率記憶手段15は、表1に示したように、温度変化率が大きい程、値が小さな補正率を格納させて構成されている。
【0012】
この実施例において、温度変化が小さい場合には、温度変化補正回路13から補正率1の信号が出力するから、駆動信号発生回路12は、温度センサ11により検出された環境温度に最適な駆動信号を出力し、印刷信号に対応してスイッチング素子Sを介して圧電振動子9、9、9、‥‥にこの駆動信号が印加される。
【0013】
これにより、環境温度、つまり記録ヘッド10のインクの温度に最適な加圧力で圧力発生室4が加圧され、環境温度によるインクの流体特性等に左右されることなく、高い品質での印刷が実行される。
【0014】
一方、冬季において印刷中に暖房器具が使用されたり、また夏季においてクーラーが使用されて、環境温度が急激に変化すると、温度変化率演算回路14により温度変化率が算出され、この温度変化率に対応した補正率、つまり温度変化率が高い場合には低い補正値が、また温度変化率が小さい場合には1に近い補正値が補正率記憶手段15から読み出され、この補正率が駆動信号発生回路12に出力される。
【0015】
これにより、駆動信号発生回路12は、温度センサ11により検出された現在よりも時間ΔT以前の温度に対応した駆動信号を、つまり記録ヘッド10の熱応答遅れを見込んだ駆動信号を出力することになる。したがって、たとえ記録ヘッド10が温度センサ11に比較して熱容量が大きく、環境温度に対する追従性が低くとも、記録ヘッド10のインクの温度に適した駆動信号が印加されることになる。
【0016】
図4は、本発明の他の実施例を示すものであって、この実施例においては温度変化の履歴を格納する履歴記憶手段16を備え、記録ヘッド10の温度が過去の温度変化の影響を受ける範囲内の温度変化を格納するように構成されている。
【0017】
この実施例によれば、現在の温度変化率だけでなく、記録ヘッド10が過去に受けた温度の履歴をも考慮して駆動信号を調整することができ、例えば直前の使用環境における温度の影響を残して現在の環境温度に完全に平衡していない状態で、印刷が再開された場合にも記録ヘッド10の実温度に則した駆動信号を供給することが可能となる。
【0018】
図5は本発明の他の実施例を示すものであって、この実施例においては温度センサ11からの信号を、記録ヘッド10の温度時定数に一致した時定数回路17を経由させて駆動信号発生回路12に出力するように構成されている。
【0019】
この実施例によれば、温度センサ11からの温度信号は、時定数回路17により記録ヘッドと同等の時定数で駆動信号発生回路12に出力されるから、環境温度の変化速度に関わりなく、記録ヘッド10の温度に一致した最適な駆動信号を出力することができる。
【0020】
なお、上述の実施例においては加圧手段として圧電振動子を使用した記録ヘッドについて説明したが、圧力発生室に加熱手段を収容して、インクを気化させて吐出圧を発生させるいわゆるバブル型記録ヘッドに適用しても同様の作用を奏する。
【0021】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、環境温度の急激な変化だけでなく、直前の使用環境をも考慮して記録ヘッドの温度に対応した駆動信号を発生させることができて、インクの流体特性に一致した加圧力によりインクを加圧して高い印字品質で印刷を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録装置に使用するインクジェット記録ヘッドの一実施例を示す断面図である。
【図2】本発明のインクジェット記録装置の一実施例を示すブロック図である。
【図3】図(イ)、(ロ)は、それぞれ駆動信号の一実施例を示す図である。
【図4】本発明のインクジェット記録装置の一実施例を示すブロック図である。
【図5】本発明のインクジェット記録装置の一実施例を示すブロック図である。
【図6】環境の温度変化に対するインクジェット記録ヘッドの温度の追従性を示す線図である。
【符号の説明】
10 インクジェット記録ヘッド
11 温度センサ
Claims (1)
- 共通のインク室とノズル開口とに連通し、かつ加圧手段により加圧される圧力発生室を備え、駆動信号に一致して前記ノズル開口からインク滴を吐出する記録ヘッドと、環境温度を検出する温度センサと、外部からの印刷データに対応し、かつ前記温度センサにより検出された環境温度に適した駆動信号を発生する駆動信号発生手段とを備えたインクジェット記録装置において、
前記温度センサからの信号により温度変化率の絶対値を算出する温度変化率演算手段と、前記温度変化率演算手段の温度変化率の絶対値により読み出し可能で、かつ前記温度変化率の絶対値が小さい程、前記記録ヘッドの温度が環境温度に対応できるとして前記駆動信号発生手段から出力された駆動信号に近いものを出力するための補正率を、また前記温度変化率の絶対値が大きい程、熱応答遅れにより前記記録ヘッドの温度が環境温度に対応しにくいとして前記駆動手段から出力された駆動信号を大きく補正して前記環境温度の変化に対する前記記録ヘッドの熱応答遅れを見込んで出力するための補正率を格納した補正率記憶手段と、前記環境温度の履歴を格納する履歴記憶手段と、前記補正率記憶手段から読み出された前記温度変化率に対応する補正率と前記履歴記憶手段の環境温度の履歴とにより補正信号を生成して出力する補正手段とを備え、
前記駆動信号発生手段が前記補正信号に基づいて前記駆動信号の電圧、または電圧の変化率の少なくともいずれか一方を変化させてから出力するインクジェット記録装置。
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