JP3693074B2 - 吸気圧力検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等のエンジンの電子制御式燃料噴射装置において、吸入空気圧力を検出するための吸気圧力検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車等のエンジンの電子制御式燃料噴射装置において、吸入空気圧力およびエンジン回転数等に基づいてコントロールモジュールが吸入空気量を算出し、基本噴射時間および噴射量等を決定するようにした、いわゆる、スピードデンシティ方式の制御装置がある。スピードデンシティ方式の電子制御式燃料噴射装置では、吸入空気圧力を検出するために、吸気管に吸気圧力検出装置が設けられている。
【0003】
従来の吸気圧力検出装置の一例について図6を用いて説明する。図6に示すように、吸気圧力検出装置1は、インテークマニホールドのサージタンク2に連結されたスロットルボディ3に圧力センサ4が一体的に取付けられている。スロットルボディ3には、サージタンク2に連通するスロットル通路5内にスロットルバルブ6が設けられている。また、スロットルボディ3には、スロットルバルブ6をバイパスしてスロットル通路5をサージタンク2に連通させるエアバイパス通路7およびこれを開閉するエアバルブ8が設けられている。
【0004】
圧力センサ4は、スロットルボディ3の側壁の外側に一体的に取付けられており、スロットルボディ3の側壁に穿設された圧力導入路9を介してスロットル通路5のスロットルバルブ6の下流側の吸入空気を導入することによってサージタンク2内の圧力を検出するようになっている。
【0005】
上記従来の吸気圧力検出装置1では、圧力センサ4をスロットルボディ3に一体的に取付けた構造によって、部品点数の減少、省スペースおよび組付作業性の向上を図っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の圧力センサ4をスロットルボディ3に一体的に取付けるようにした吸気圧力検出装置1では次のような問題がある。スロットルボディ3の側壁に設けられた圧力導入路9によって、サージタンク2の入口付近の吸入空気を圧力センサ4に導入しているので、エアバルブ8が開いてエアバイパス通路7から流入する吸入空気によってサージタンク2内の圧力が上昇した場合、その圧力の変動が圧力導入路9に伝達されにくく、圧力センサ4による検出圧力とサージタンク2内の実際の吸入空気圧力との間に誤差が生じることになる。
【0007】
スロットルボディ3のスロットルバルブ6の下流側およびサージタンク2内の吸入空気圧力を図7示す。図7に示すように、エアバルブ8が閉じた状態では、サージタンク2内の圧力は、スロットルボディ6側の圧力P1とほぼ同圧(▲1▼参照)であり、エアバルブ8が開いた状態では、エアバイパス通路7から流入する吸入空気によってサージタンク2内の圧力がP1からP2に上昇する(▲2▼参照)。ところが、圧力導入路9は、スロットルボディ3のサージタンク2の入口付近(点A参照)の吸入空気を圧力センサ4に導入するので、圧力センサ4による検出圧力はP1となり、エアバルブ8が開いている場合には、サージタンク2内の吸入空気圧力P2を正確に検出するととができない。
【0008】
また、圧力導入路9がスロットルバルブ6の近くに開口されているため、スロットルバルブ6付近の吸入空気の流れの影響を受けて圧力センサ4に安定した吸入空気圧力を導入しにくく、正確な圧力検出が困難であるという問題がある。
【0009】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、圧力センサをスロットルボディに一体的に取付けた吸気圧力検出装置において、インテークマニホールドのサージタンク内の吸入空気圧力を直接検出できるようにすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するために、インテークマニホールドのサージタンクに、スロットルボディおよび該スロットルボディのスロットルバルブをバイパスするエアバイパス通路を連結し、前記スロットルボディに圧力センサを一体的に取付けた吸気圧力検出装置において、前記圧力センサの圧力導入路は、前記エアバイパス通路とは別に前記スロットルボディおよび前記サージタンクの側壁に穿設され、これらの結合面を横切って前記サージタンクの内部まで延ばされて、該サージタンクの内部にのみ開口していることを特徴とする。
【0011】
このように構成したことにより、スロットルバルブおよびエアバイパス通路を通過してサージタンク内に流入した吸入空気の圧力が圧力導入路から圧力センサに導入されるので、サージタンク内の吸入空気圧力を直接検出することができる。また、圧力導入路がサージタンクの内部まで延ばされているので、スロットルバルブ付近の吸気の流れの影響を受けることなく、正確な吸入空気圧力を検出することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、図6に示すものと同様の部分には同一の番号を付して説明する。
【0013】
図1に示すように、本実施形態の吸気圧力検出装置10は、インテークマニホールド11(図2および図3参照)のサージタンク2に連結されたスロットルボディ3に圧力センサ4が一体的に取付けられている。
【0014】
スロットルボディ3には、サージタンク2に連通するスロットル通路5内にスロットルバルブ6が設けられており、アクセルペダル(図示せず)に連動してスロットルバルブ6が開閉してエンジンの吸入空気量を調整するようになっている。なお、スロットルボディ3には、スロットルバルブ6を常時バイパスするアイドル通路(図示せず)が設けられており、スロットルバルブ6が全閉のとき、アイドル通路によってアイドリング回転に必要な吸入空気をサージタンク2へ供給するようになっている。
【0015】
また、スロットルボディ3には、スロットルバルブ6をバイパスしてスロットル通路5をサージタンク2に連通させるエアバイパス通路7およびこれを開閉するエアバルブ8が設けられている。そして、低温時にエアバルブ8を開き、エアバイパス通路7によってスロットルバルブ6をバイパスさせてサージタンク2に送り込む吸入空気量を増加させることにより、エンジン回転を上げて暖機させるようになっている。暖機後は、エアバルブ8を閉じて、通常のアイドル回転とし、スロットルバルブ6の開度に応じて吸入空気量を調整する。
【0016】
スロットルボディ3の側壁の外側には、圧力センサ4が一体的に取付けられている。圧力センサ4は、圧力の変化を電圧(電気抵抗)の変化に変換して吸入空気圧力を検出するようになっている。スロットルボディ3の側壁には、通路12が穿設されている。通路12は、一端が圧力センサ4の圧力検出部に接続され、他端がスロットルボディ3のサージタンク2との結合面13に開口されている。
【0017】
インテークマニホールド11は、図2ないし図5に示すように、サージタンク2に、各気筒の吸気ポート(図示せず)に接続される複数(図示のものでは4つ)の吸気管14が接続されており、サージタンク2には、スロットボディ3との結合面15に、スロットルボディ3のスロットル通路5およびエアバイパス通路7とそれぞれ連通する開口部16,17が設けられている。
【0018】
また、サージタンク2の側壁は、スロットルボディ3の通路12の開口部に対向するように内側に膨出されて膨出部18が形成されており、膨出部18には、通路19が穿設されている。通路19は、一端が結合面15に開口されてスロットルボディ3側の通路12に連通され、他端側がサージタンク2の内部まで延ばされて開口されている。そして、サージタンク2にスロットルボディ3を結合させたとき、通路12,19が互いに連通して圧力センサ4の圧力検出部から結合面13,15を横切ってサージタンク2の内部まで延びる圧力導入路を形成するようになっている。なお、図中、20は冷却水通路、21はサーモスタットハウジング、22はEGR通路である。
【0019】
以上のように構成した本実施形態の作用について次に説明する。
【0020】
吸入空気は、スロットル通路5およびエアバイパス通路7を通ってサージタンク2内へ流入する。そして、低温時には、エアバルブ8を開いてエアバイパス通路7によってスロットルバルブ6をバイパスさせてサージタンク2に送り込む吸入空気量を増加させ、エンジン回転を上げて暖機を行う。暖機後は、エアバルブ8を閉じて、スロットルバルブ6の開度に応じて吸入空量を調整する。
【0021】
このとき、サージタンク2内の吸入空気圧力を通路19,12(圧力導入路)を介して圧力センサ4の圧力検出部に導入して、サージタンク2内の吸入空気圧力を直接検出し、この検出値およびエンジン回転数に基づいてコントロールモジュール(図示せず)によって吸入空気量を算出して燃料噴射制御を行う。
【0022】
スロットル通路5(スロットルバルブ6)およびエアバイパス通路7を通過してサージタンク2内に流入した吸入空気の圧力が通路19,12(圧力導入路)から圧力センサ4に導入されるので、サージタンク2内の吸入空気圧力を直接検出することができ、エアバイパス通路7によるバイパス空気量にかかわらず、サージタンク2内の吸入空気圧力を正確に検出することができる。
【0023】
ここで、図7に示すように、エアバルブ8が閉じた状態では、サージタンク2内の圧力は、スロットルボディ6側の圧力P1とほぼ同圧((1)参照)であり、エアバルブ8が開いた状態では、エアバイパス通路7から流入する吸入空気によってサージタンク2内の圧力がP1からP2に上昇する((2)参照)が、通路19,12(圧力導入路)は、サージタンク2内(点B参照)の吸入空気圧力を圧力センサ4へ直接導入するので、圧力センサ4による検出圧力はP2となり、エアバルブ8の開閉にかかわらず、サージタンク2内の吸入空気圧力を正確に検出することができる。
【0024】
また、通路19がサージタンク2の内部まで延ばされているので、スロットルバルブ6付近の吸入空気の流れの影響を受けることなく、正確な吸入空気圧力を検出することができる。
【0025】
このようにして、サージタンク2内の吸入空気圧力を正確に検出することができるので、コントロールモジュールによって適切な燃料噴射制御を行うことができ、エンジンの出力、燃費および排気ガス浄化性能を向上させることができる。
【0026】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の吸気圧力検出装置は、圧力センサの圧力導入路をスロットルボディおよびサージタンクの側壁に穿設し、これらの結合面を横切ってサージタンクの内部まで延ばしたので、スロットルバルブおよびエアバイパス通路を通過してサージタンク内に流入した吸入空気の圧力が圧力導入路から圧力センサに導入されるので、サージタンク内の吸入空気圧力を直接検出することができ、エアバイパス通路によるバイパス空気量にかかわらず、正確な吸入空気圧力を得ることができる。また、圧力導入路がサージタンクの内部まで延ばされているので、スロットルバルブ付近の吸気の流れの影響を受けることなく、正確な吸入空気圧力を検出することができる。このようにして、サージタンク内の吸入空気圧力を正確に検出することができるので、適切な燃料噴射制御を行うことができ、エンジンの出力、燃費および排気ガス浄化性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る吸気圧力検出装置の構成を示す概略図である。
【図2】図1の装置のインテークマニホールドの側面図である。
【図3】図2のインテークマニホールドの平面図である。
【図4】図2のA−A線による横断面図である。
【図5】図2のインテークマニホールドのサージタンクのB矢視図である。
【図6】従来の吸気圧力検出装置の構成を示す概略図である。
【図7】スロットルボディのスロットルバルブの下流側およびサージタンク内の吸入空気圧力を示す図である。
【符号の説明】
2 サージタンク
3 スロットルボディ
4 圧力センサ
6 スロットルバルブ
7 エアバイパス通路
10 吸気圧力検出装置
11 インテークマニホールド
12 通路(圧力導入路)
13,15 結合面
19 通路(圧力導入路)
Claims (1)
- インテークマニホールドのサージタンクに、スロットルボディおよび該スロットルボディのスロットルバルブをバイパスするエアバイパス通路を連結し、前記スロットルボディに圧力センサを一体的に取付けた吸気圧力検出装置において、
前記圧力センサの圧力導入路は、前記エアバイパス通路とは別に前記スロットルボディおよび前記サージタンクの側壁に穿設され、これらの結合面を横切って前記サージタンクの内部まで延ばされて、該サージタンクの内部にのみ開口していることを特徴とする吸気圧力検出装置。
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Applications Claiming Priority (1)
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JP09763496A Expired - Fee Related JP3693074B2 (ja) | 1996-03-27 | 1996-03-27 | 吸気圧力検出装置 |
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