JP3692579B2 - 湯水混合装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、湯と水の混合比率を調節して所望の混合湯温を得ることができる湯水混合技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の湯水混合装置は、例えば特開平6−168035号公報に開示されており、以下、図を参照して従来の湯水混合装置について説明する。図11において、101は給湯管、102は給水管で、それぞれ湯水混合弁103に湯および水を供給している。湯水混合弁103は、移動可能な可動弁体104を有し、この可動弁体104が水側弁座105と湯側弁座106との間を変位することによって湯水の混合比を調節している。また、可動弁体104は、温度に応じてばね定数が変化し混合湯の温度上昇にともない湯の割合を減少させる方向に付勢する感温コイルばね107と、この感温コイルばね107と反対方向に付勢するバイアスばね108との力の釣り合いによって変化する位置が決められる構造となっている。感温コイルばね107は、温度に応じてばね定数が変化する金属、例えばニッケルチタン合金からなる形状記憶合金(SMA)により形成されており、バイアスばね108は温度に関して一定のばね定数を有する通常のばね材料によって形成されている。すなわち、外乱等により混合湯温が変動すると感温コイルばね107の予荷重が変化し、可動弁体104が変位して混合湯温が元の温度に維持されるように機械的フィードバック制御を行っている。
【0003】
109は感温コイルばね107の予荷重を調節する予荷重調節手段で、感温コイルばね107の予荷重を調節して変更することにより、あらたに調節された感温コイルばね107の予荷重とバイアスばね108の力とが釣り合う位置へ可動弁体104を変位し、湯水の混合比が変更できるように構成されている。この予荷重調節手段109について説明すると、まず、操作部(図示せず)により設定された設定温度に対応した初期値に予荷重を設定するように初期予荷重設定手段110によって制御される。その後、湯水混合弁103の下流側に設けられた温度検出手段111により検出された混合湯の温度と設定温度とに偏差が存在する場合は、偏差の大きさに基づいてフィードバック制御を実施するか否かを制御実施判定手段112により判定し、フィードバック制御を実施すると判定されたとき、予荷重調節手段109は予荷重制御手段113により偏差を打ち消す側に制御される。すなわち、制御実施判定手段112は、混合湯の温度と設定温度との偏差が所定の範囲内にあるときには、フィードバック制御を実施すると判定し、偏差が所定の範囲外にあるときには実施しないと判定するように構成されている。
【0004】
この場合のフィードバック制御処理におけるルーチンは図12に示すように動作し、このルーチンは所定時間毎、たとえば100ms毎に実行されるようになっている。このルーチンについて説明すると、まず、設定温度TPと、温度検出手段111によって検出される混合湯の温度TCとを読み込む処理を実行し(ステップS130)、設定温度TPと混合湯の温度TCとの差を温度偏差ΔTとしてセットする(ステップS131)。このセットされた温度偏差ΔTの絶対値は、閾値TR1および閾値TR2と比較し、温度偏差ΔTの絶対値が、閾値TR1以上の時または閾値TR2以下のときにはルーチンを終了する(ステップS132、ステップS133)。なお、閾値TR1は、フィードバック制御の開始を判定する値であり、閾値TR2は設定温度TPから許容される温度範囲の最大値である。
【0005】
温度偏差ΔTの絶対値が、閾値TR1よりも小さく、閾値TR2よりも大きいときは、温度偏差ΔTに比例定数Kを乗じた予荷重調節量ΔFを算出し(ステップS134)、予荷重調節手段109により予荷重をΔFだけ増加して(ステップS135)ルーチンを終了する。
【0006】
出湯開始直後には、給湯機からの配管に停滞している水が流出するので、混合湯の温度TCは、設定温度TPよりもかなり低い値となる。このとき、感温コイルばね107は低い温度に応じてばね定数を変化させ、可動弁体104は湯の割合を増加させる方向に変位する。従って湯の割合が大きくなることにより、死水吐水は早く完了させる。給湯機からの湯が、湯水混合弁103に到達すると、混合湯温TCは急激に上昇する。この温度上昇に伴い、感温コイルばね107は俊敏にばね定数を変化させ、可動弁体104は湯の割合を減少させる方向に変位する。温度偏差ΔTが閾値TR1以下となると、フィードバック制御が開始され、感温コイルばね107による温度制御では解消できない温度偏差ΔTを解消し、混合湯の温度TCは設定温度TPに保持されるというものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の湯水混合装置にあっては、湯水混合弁103の下流側に混合湯の流量調節、切換え、止水を行う流量弁が設けられており、流量変更が行われる場合においても、同一の制御を行うため、湯水混合弁103の下流側の圧力などの影響を受け、混合湯温が変動してしまうという問題点があった。
【0008】
また、感温コイルばね107を用いた湯水混合装置において、何らかの外乱が生じ、混合湯温を検出するサンプリング時間(ルーチン実行時間)の間に温度偏差ΔTが閾値TR2以下から閾値TR1以上に急激に変動し、かつ、感温コイルばね107による温度制御により温度偏差ΔTが閾値TR1よりも小さくならなかった場合、フィードバック制御が行われず、混合湯の温度TCは設定温度TPと大きくずれたままで維持される可能性があった。特に、湯水混合装置に混合湯の流量調節、切換え、止水を行う流量弁が設置され、急激に流量変更等が行われた場合には、混合湯の温度TCが大きく変動するという問題点があった。
【0009】
さらに、何らかの外乱により温度偏差ΔTが閾値TR1より小さくかつ閾値TR2より大きい値となった場合、感温コイルばね107による温度制御が行われると同時にフィードバック制御が行われるため、行き過ぎ制御が生じ、逆にオーバーシュートやアンダーシュートが発生する可能性があった。特に、湯水混合弁103の下流側で急激に流量変更が行われ、温度偏差ΔTが閾値TR1に近い値となったときには、フィードバック制御による予荷重調節と感温コイルばね107による温度制御とがともに大きくなり、ハンチングが発生するという問題点があった。
【0010】
本発明は上記問題点を解決するものであり、感温コイルばねとバイアスばねとにより可動弁体が変位する混合弁と流量変更が可能である流量弁を有した湯水混合装置において、流量弁により流量変更を行った際に制御仕様を変更することによって混合湯温の変動を抑制することを第一の課題としている。
【0011】
また、流量弁により流量変更を行った際に、行き過ぎ制御によるオーバーシュートおよびアンダーシュートを防止することができる湯水混合装置を提供することを第二の課題としている。
【0012】
また、流量弁により流量変更を行う際に生じる混合湯温変動を、流量弁の駆動速度を切り換えることによって防止できる湯水混合装置を提供することを第三の課題としている。
【0013】
また、正確な混合湯温制御を必要としない温度範囲においては、不要な制御を実施しないで操作性および応答性がよい湯水混合装置を提供することを第四の課題としている。
【0014】
また、使用者が特に不快感を感じるオーバーシュートを抑制できる湯水混合装置を提供することを第五の課題としている。
【0015】
さらに、所定の間隔以上で段階的に流量変更を行い、急激な流量変更を防止することによって、流量変更にともなう混合湯温変動がない湯水混合装置を提供することを第六の課題としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記する課題を解決するために、流量設定手段から流量弁制御手段への信号入力により混合弁制御手段かまたは流量弁制御手段かのいづれか一方の制御仕様を変更する制御変更手段を備えることとしたものである。
【0017】
そして、この制御変更手段によって、混合湯の急な湯温変動を抑制することができる作用を奏するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明の湯水混合装置においては、湯と水の混合比を調節する可動弁体と、混合湯の温度上昇にともない湯の割合を減少させる方向に可動弁体を付勢する感温体と、可動弁体を感温体が付勢する方向と反対方向に付勢するバイアスばねと、感温体またはバイアスばねの少なくとも一方の付勢力を可変し混合温度を調節する電気的付勢力調節手段と、可動弁体と感温体とバイアスばねと付勢力調節手段を有する混合弁と、混合湯の流量を調節する流量弁と、流量弁を駆動する流量弁駆動手段と、混合弁の下流側に設けられて混合湯の温度を検出する温度検出手段と、混合湯の温度設定を行う温度設定手段と、温度検出手段により検出した温度と温度設定手段により設定された設定温度との偏差が所定の範囲以上であるときに偏差を打ち消す側に電気的付勢力調節手段をフィードバック制御する混合弁制御手段と、混合湯の流量調節および出湯停止を行う流量決定手段と、流量弁駆動手段を制御する流量弁制御手段と、流量設定手段から流量弁制御手段への信号入力がある場合に急激な混合湯温変動を抑制するように少なくとも混合弁制御手段または流量弁制御手段のいづれか一方の制御仕様を変更する制御変更手段とを備えたものである。
【0019】
そして、上記発明により、流量設定手段からの流量変更の信号入力があると、急激な混合湯温の変動を抑制するように、制御変更手段が少なくとも混合弁制御手段または流量弁制御手段のいずれか一方の制御仕様を変更し、その後に、流量弁駆動手段が流量弁を駆動して流量変更を行うので、流量の変更に伴う諸条件、例えば混合弁の下流側における圧力変動の影響による混合湯温の変動を抑制することができる。
【0020】
また、請求項2に記載の発明の湯水混合装置は、湯と水の混合比を調節する可動弁体と、混合湯の温度上昇にともない湯の割合を減少させる方向に可動弁体を付勢する感温体と、可動弁体を感温体が付勢する方向と反対方向に付勢するバイアスばねと、感温体またはバイアスばねの少なくとも一方の付勢力を可変し混合温度を調節する付勢力調節手段と、可動弁体と感温体とバイアスばねと付勢力調節手段を有する混合弁と、混合湯の流量を調節する流量弁と、流量弁を駆動する流量弁駆動手段と、混合弁の下流側に設けられて混合湯の温度を検出する温度検出手段と、混合湯の温度設定を行う温度設定手段と、温度検出手段により検出した温度と温度設定手段により設定された設定温度との偏差が所定の範囲以上であるときに偏差を打ち消す側に電気的付勢力調節手段をフィードバック制御する混合弁制御手段と、混合湯の流量調節を行う流量設定手段と、流量弁駆動手段を制御する流量弁制御手段と、流量設定手段から流量弁制御手段への信号入力がある場合に混合弁制御手段によるフィードバック制御を所定の時間停止する制御変更手段とを備えたものである。
【0021】
そして、この手段により、流量設定手段からの流量変更の信号入力があると、制御変更手段から混合弁制御手段に制御変更信号が出力され、流量弁制御手段による流量弁の制御が行われると同時に混合弁制御手段が所定の時間だけフィードバック制御を停止するので、流量変更による温度変動が起こっても感温体の付勢力変化に伴う温度制御と混合弁制御手段によるフィードバック制御とが、流量変動による最大偏差に対して同時に行われないようになり、行き過ぎ制御によるオーバーシュートやアンダーシュートを防止することができる。
【0022】
この場合に、請求項3に記載の発明のように、制御変更手段は感温体の熱応答時間以上にフィードバック制御を停止させるようにすると効果的である。
【0023】
すなわち、制御変更手段から混合弁制御手段に制御変更信号が出力され、流量弁制御手段による流量弁の制御が行われると同時に、混合弁制御手段がフィードバック制御を停止する時間は感温体の熱応答時間以上としているので、流量を変更した後の感温体の温度制御と混合弁制御手段によるフィードバック制御とが重複することはなく、確実に行き過ぎ制御によるオーバーシュートやアンダーシュートを防止することができる。
【0024】
また、請求項4に記載の発明の湯水混合装置は、湯と水の混合比を調節する可動弁体と、混合湯の温度上昇にともない湯の割合を減少させる方向に可動弁体を付勢する感温体と、可動弁体を感温体が付勢する方向と反対方向に付勢するバイアスばねと、感温体またはバイアスばねの少なくとも一方の付勢力を可変し混合温度を調節する付勢力調節手段と、可動弁体と感温体とバイアスばねと付勢力調節手段を有する混合弁と、混合湯の流量を調節する流量弁と、流量弁を駆動する流量弁駆動手段と、混合弁の下流側に設けられて混合湯の温度を検出する温度検出手段と、混合湯の温度設定を行う温度設定手段と、温度検出手段により検出した温度と温度設定手段により設定された設定温度との偏差が所定の範囲以上であるときに偏差を打ち消す側に付勢力調節手段をフィードバック制御する混合弁制御手段と、混合湯の流量調節を行う流量設定手段と、流量弁駆動手段を制御する流量弁制御手段と、流量弁制御手段に設けられた流量弁駆動手段の駆動速度を低速で制御する低速駆動部と、流量設定手段から流量弁制御手段への信号入力があった場合に低速駆動部による制御を開始する制御変更手段とを備えたものである。
【0025】
そして、流量設定手段からの流量変更の信号入力があると、制御変更手段から流量制御手段に制御変更信号が出力されるので、流量制御手段における低速駆動部は流量弁の開閉が選択され場合の流量弁駆動速度よりも低速で流量弁を駆動する。従って、流量の変更中に混合弁制御手段によりフィードバック制御が行われ、流量の変更による混合湯温の変動を多段階に分割した形となって温度偏差が抑制されるので、行き過ぎ制御を防止することができるとともに、混合湯温変動を抑制でき、加えて、混合湯温変動とは無関係の流量弁の開閉は迅速に行うことができる。
【0026】
また、請求項5に記載の発明の湯水混合装置は、制御変更手段に温度設定手段で設定された設定温度が所定の範囲内であることを判定する設定温度判定手段を設け、制御変更手段は設定温度が所定の範囲内であれば変更信号を出力するようにしたものである。
【0027】
そして、設定温度判定手段によって設定温度が所定範囲内にあると判断した場合にのみ、制御変更手段が制御変更信号を出力するので、正確な温度制御を必要とする温度範囲外での流量変更に伴う不要な制御の切換えを抑制でき、操作性や応答性を向上できるものである。
【0028】
また、請求書項6に記載の発明の湯水混合装置は、流量変更時の状態および流量変更直後の混合湯温を記憶する記憶手段と、流量設定手段により流量を変更する場合に、流量設定手段からの入力と流量変更時の状態と同一条件の記憶手段に記憶されている混合湯温が設定温度より高いときには制御変更手段を停止する判定手段とを設けたものである。
【0029】
そして、記憶手段が流量設定手段から入力された信号(変更流量)に応じて、流量変更時の状態とその流量変更後の混合湯温を記憶するとともに、判定手段が流量設定手段からの流量変更の入力があると流量変更信号と流量変更時の状態が同一条件である記憶手段に記憶されている混合湯温を記憶手段から入力し、入力した混合湯温が設定温度よりも高い場合には、流量を変更する時に制御変更手段を停止するので、流量変更にともない混合湯温が設定温度よりも高い場合は、直ちに混合弁制御手段によりフィードバック制御を行い、設定温度よりも高い混合湯温の出湯時間を最小限にすることができる。
【0030】
さらに、請求項7に記載の発明の湯水混合装置は、湯と水の混合比を調節する可動弁体と、混合湯の温度上昇にともない湯の割合を減少させる方向に可動弁体を付勢する感温体と、可動弁体を感温体が付勢する方向と反対方向に付勢するバイアスばねと、感温体またはバイアスばねの少なくとも一方の付勢力を可変し混合温度を調節する付勢力調整手段と、可動弁体と感温体とバイアスばねと電気的付勢力調節手段を有する混合弁と、混合湯の流量を調節する流量弁と、流量弁を駆動する流量弁駆動手段と、混合弁の下流側に設けられ混合湯の温度を検出する温度検出手段と、混合湯の温度設定を行う温度設定手段と、温度検出手段により検出した温度と温度設定手段により設定された設定温度との偏差が所定の範囲以上であるときに偏差を打ち消す側に付勢力調節手段をフィードバック制御する混合弁制御手段と、混合湯の流量調節を段階的に設定する流量設定手段と、流量設定手段による設定に応じて流量弁駆動手段を制御する流量弁制御手段と、流量設定手段から流量弁制御手段への入力信号を所定の間隔以上とする入力規制手段とを備えたものである。
【0031】
そして、流量設定手段による混合湯の流量設定を段階的に行うとともに、連続して流量変更が行われた場合には入力規制手段によって流量設定手段から流量弁制御手段への信号が所定の間隔以上で入力されるので、急激な流量変更が行われることはなく、流量変更に伴う混合湯温のオーバーシュート、アンダーシュート、あるいは温度オフセット、すなわち設定温度に対する混合湯温のずれを防止することができる。
【0032】
以下本発明の実施例について図1から図10にもとづいて説明する。
(実施例1)
図1は湯水混合装置の構成図を示し、図1において、湯水を供給する給湯管1は混合弁2に連通し、この混合弁2には、給湯管1と、給水管3とから湯と水がそれぞれ供給される。また混合弁2は、ハウジング4に設けられた湯入口5および水入口6から湯水が供給され、可動弁体7の可動によって湯側弁座8および水側弁座9との隙間の距離が反比例的に変わり、湯水の混合比が調節される構成となっている。この可動弁体7は、湯と水が周囲から内側に流入するように筒状形で、バイアスばね10によって、図1における右側方向に付勢されているとともに、混合流路11に設けた温度に応じてばね定数が変化する感温体である感温コイルばね12によって図1における左側方向に付勢されている。感温コイルばね12は、温度に応じてばね定数が変化することから、同じ拘束長さであれば付勢力が変化することになり、可動弁体7、バイアスばね10と感温コイルばね12との付勢力が釣り合う位置へ押されて移動し、変位する。また、バイアスばね10の付勢力および感温コイルばね12の付勢力を電気的に加減調節する付勢力調節手段13を回転することにより、付勢力調節軸14および雄ねじ軸15が回転し、雌ねじを有する可動ばね受け16が進退する構成となっている。
【0033】
また、混合弁2の流出口17は、流量弁18の入口19と連通し、この流量弁18は、球状弁体20を弁軸21を介して流量弁駆動手段22で回転することにより、シャワー23またはカラン24の切り換えおよび各々の流量調節ができるように構成されている。なお、バイアスばね10と可動ばね受け16との間に設けたリング状のシート部材25は、バイアスばね10および可動ばね受け16相互のすべりを良くし、バイアスばね10の不自然なねじれが防止し、また、感温コイルばね12の当接部に設けられたリング状のシート部材26は、同様に感温コイルばね12の不要なねじれ作用を防止し、湯水混合による良好な温度調節性能の確保のために有効に作用している。
【0034】
使用者が実際に操作を行う操作部27には、混合湯温を設定する温度設定手段28、流量弁18の開閉すなわち混合湯が流れるシャワー23またはカラン24を選択する開閉選択手段29および混合湯の流量変更を設定する流量設定手段30が設けられている。混合弁制御手段31は温度設定手段28により設定された設定温度TPと温度検出手段32によって検出された混合湯温の偏差を算出し、ついで偏差に応じた付勢力調節手段13の駆動量を決定した後、偏差を打ち消す側に付勢力調節手段13を駆動し、電気的フィードバック制御を行っている。流量弁駆動手段22を制御する流量弁制御手段33は、開閉選択手段29および流量設定手段30からの入力に応じて流量弁駆動手段22の駆動量を算出して流量弁駆動手段22を駆動している。
【0035】
開閉選択手段29により、シャワー23またはカラン24が選択されると、その信号は直ちに流量弁制御手段33に入力され、流量設定手段30からの信号は判定手段34および制御変更手段35を介して入力されるようになっている。この判定手段34は、流量設定手段30からの信号が入力されると、その時の流量設定の変更量と湯水混合装置の状態(設定温度TP、開成流出路)を操作部27から入力し(流量設定手段30が流量変更信号と同時に出力すればより無駄時間は低減できる)、前回の使用時に同様の流量設定変更量と湯水混合装置の状態に応じて記憶されている流量変更直後の記憶混合湯温TCを記憶手段36から入力する。
【0036】
ここで、記憶手段36は、流量変更に際して流量変更量と湯水混合装置の状態に対応して流量変更直後の混合湯温を記憶混合湯温TCとして記憶・更新し、温度検出手段32および操作部27からそのデータを入力している。判定手段34は記憶手段36から入力した記憶混合湯温TCが設定温度TPよりも高い場合に制御変更手段35を停止し、記憶混合湯温TCが設定温度TPよりも低い場合には制御変更手段35を停止しないように動作する。制御変更手段35は、流量設定手段30からの信号を入力すると同時に混合弁制御手段31を停止するとともに、流量弁制御手段33に流量変更信号を出力する。
【0037】
従って、流量弁制御手段33により流量弁駆動手段32が駆動され、流量変更が行われている間は、混合弁制御手段31による電気フィードバック制御は行われなく、また、制御変更手段35は流量変更が終了すると同時に混合弁制御手段31を始動するようになっている。
【0038】
つぎに、その動作について説明する。使用者が温度設定手段28および流量設定手段30により温度および流量の設定を行った後、開閉選択手段29により流量弁18の開成を選択すると、まず可動弁体7が設定温度TPに応じた位置となるようにバイアスばね10の付勢力が付勢力調節手段13によって調節される。そして、流量設定手段30によって設定された流量に応じて流量弁制御手段33は流量弁駆動手段22を駆動し、流量弁18が開成される。この流量弁18が開成されると、給湯管1および給水管3から混合弁2の湯入口5および水入口6へ流入した湯および水は、可動弁体7と湯側弁座8および可動弁体7と水側弁座9との隙間距離に応じて可動弁体7の周囲から内側に流入し、混合流路11で混合された混合湯が感温コイルばね12に接触しながら遭遇する。
【0039】
このとき、可動弁体7の座位は、混合湯温に対応した感温コイルばね12の付勢力と、設定温度TPに対応したバイアスばね10の付勢力との機械的な釣り合いによって位置決めされる。つまり、付勢力調節手段13によって設定された希望温度に見合うバイアスばね10の付勢力に対して実際の混合湯温が低い場合は、感温コイルばね12の付勢力の方が小さくなり、湯側弁座8と可動弁体7との隙間距離が拡がり、水側弁座9と可動弁体7との隙間距離が狭まる方向に可動弁体7は移動する。
【0040】
逆に、付勢力調節手段13によって設定された設定温度TPに見合うバイアスばね10の付勢力に対して実際の湯水湯温が高い場合は、感温コイルばね12の付勢力の方が大きくなり、湯側弁座8と可動弁体7との隙間距離が狭り、水側弁座9と可動弁体7との隙間距離が拡がる方向に可動弁体7は移動する。
【0041】
このように、感温コイルばね12の作用によって、付勢力調節手段13で設定された希望温度に常に保持されるように、自動的に機械的フィードバック制御が機能し、可動弁体7が作動し、きめ細やかな温度調節ができる。
【0042】
また、機械的フィードバック制御だけであると、感温コイルバネ12およびバイアスばね10のヒステリシス等による温度オフセット(設定温度TPに対する混合湯温のずれ)が生じてしまうため、制御部37によって電気的フィードバック制御を行っている。電気的フィードバック制御は、温度検出手段32によって検出された混合湯温と温度設定手段28により設定された設定温度TPとの偏差が、所定の偏差以上となったときに混合弁制御手段31によって行われる。混合弁制御手段31は前記の偏差が所定の偏差以上となると、偏差の絶対値に応じて偏差を打ち消す側に付勢力調節手段13を駆動し、混合湯温が設定温度TPから所定の温度範囲内に維持されるように動作する。この電気的フィードバック制御は、混合弁制御手段31が設定温度TPに基づいて可動弁体7を初期位置に設定した後、開閉選択手段29により流量弁18が開成され、温度検出手段32で検出した混合湯温が設定温度付近になると動作を開始する。また、開閉選択手段29により流量弁18が閉止されると電気的フィードバック制御は停止し、可動弁体7は全開の使用時の位置を保持するようになっている。
【0043】
しかし、流量弁18の開成中に流量設定手段30により流量変更が選択され、流量変更が行われた場合、電気的フィードバック制御が上記と同様に行われると、湯水混合装置の動作を示す図2の点線のように行き過ぎ制御が行われてしまう可能性がある。このことは、以下に説明するように混合弁2が作動することによって発生する。すなわち流量変更に際して流量弁18の弁開度が変更され、混合弁2の下流側に圧力変動が生じるため、湯水混合比率が流量変更前と異なった値となって混合湯温が変動し、混合湯温が変動すると温度偏差ΔTに応じて感温コイルばね12のばね定数が変化した状態で、機械的フィードバック制御が行われる。このとき、電気的フィードバック制御を行うと混合弁制御手段21も温度偏差ΔTに応じて付勢力調節手段13を駆動するため、温度偏差ΔTに対して二重の制御が行われ、行き過ぎ制御ΔTOが生じるのである。その結果、使用者はΔT+ΔTOの温度差を体感することになりまたこの行き過ぎ制御は特に急激な流量変更の際に起こりやすい。
【0044】
つぎに、流量変更時におけるフローチャートを示す図3を参照して流量変更の作用を説明する。なお、このときの混合湯温変動は、図2の実際で示すようになる。まず、流量設定手段30から流量変更が入力されると、判定手段34に記憶手段36から同一条件での前回使用時における流量変更後の記憶混合湯温TCを入力し(ステップS101)、入力した記憶混合湯温TCと設定温度TPとの高低を判定する(ステップS102)。記憶混合湯温TCが設定温度TPよりも低い場合、判定手段34は制御変更手段35へ信号を出力しないので、制御変更手段35は、流量変更信号を受けるとただちに混合弁制御手段31の電気的フィードバック制御を停止し(ステップS103)、流量弁制御手段33により流量弁18を駆動して流量変更を行う(ステップS104)。流量変更が行われると、記憶手段36は温度検出手段32から混合湯温を入力して前回のデータを更新し、常に最新のデータを記憶するようになっている(ステップ105)。制御変更手段35は、流量弁制御手段33により流量変更が開始してから所定の待ち時間を経過した後(ステップS106)、混合弁側御手段31による電気的フィードバック制御を再開する(ステップS107)。
【0045】
ここで電気的フィードバック制御の待ち時間は感温コイルバネ12がほぼ混合湯温と同じ温度となり、そのばね定数が十分に変化するまでの熱応答時間t1としているので、機械的フィードバック制御と電気的フィードバック制御の重複がなく、行き過ぎ制御を防止することができる。なお、電気的フィードバック制御の待ち時間を感温コイルバネ12の熱応答時間t1よりも短くしても、機械的フィードバック制御がある程度実行された後(t2)であれば、行き過ぎ制御を抑制することが可能である。
【0046】
記憶手段36によって記憶された記憶混合湯温TCが設定温度TPよりも高い場合、判定手段34は制御変更手段35へ停止信号出力し、制御変更手段35による電気的フィードバック制御の停止は行われない状態となる。そして、流量変更は、電気的フィードバック制御が実行されながら流量弁制御手段33によって実行される(ステップS108)、使用者に特に不快感を与える設定温度TPよりも高い混合湯温の出湯時間を最小限にすることができる。流量変更が行われると、記憶手段36はステップS105と同様に温度検出手段32から混合湯温を入力し、前回のデータを更新・記憶するようになっている(ステップS109)。
【0047】
なお、水温を検出する水温検出手段または湯温を検出する湯温検出手段の少なくとも一つを設け、また水の混合弁上流側の圧力を検出する水側圧力検出手段または湯の混合弁上流側の圧力を検出する湯側圧力検出手段の少なくとも一つを設け、この検出結果を、流量変更時の状態の因子に加えることで、各条件に応じた流量変更直後の混合湯温変化をより正確に判定することが可能となる。
【0048】
以上述べたように本実施例によれば、流量設定手段30から流量変更の入力がされた場合、混合弁制御手段31による電気的フィードバック制御を停止するので、流量変更時の行き過ぎ制御を抑制することができる。
【0049】
また、電気的フィードバック制御の待ち時間を感温コイルばね12の熱応答時間t1と等しくしているので、感温コイルばね12による機械的フィードバック制御と混合弁制御手段31による電気的フィードバック制御の重複がなく、行き過ぎ制御は全く生じないという効果がある。
【0050】
さらに、記憶手段36に記憶されている前回の同一条件での流量変更後の記憶混合湯温TCが設定温度TPより高い場合には、制御変更手段35を停止しているので、使用者が不快と感じる混合湯温が設定温度TPよりも高い側の出湯時間を延長することがない。
【0051】
なお、記憶手段36および判定手段34を設けないで、流量変更の際に電気的フィードバック制御の停止を行えば、行き過ぎ制御を生じることがないので、使用者は不快な温度差を体感することがなく、また、使用者の好みに応じて記憶手段36および判定手段34の使用を選択できる制御選択手段を設けてもよい。
【0052】
(実施例2)
図4は湯水混合装置の構成図を示し、実施例1との相違点についてのみ説明する。図4において、流量弁駆動手段22を制御する流量弁制御手段38は、開閉選択手段29および流量設定手段30からの入力に応じて流量弁駆動手段22の駆動量を算出し、流量弁駆動手段22を駆動している。開閉選択手段29により、シャワー23またはカラン24が選択されると、その信号は直ちに流量弁制御手段38に入力されるように構成してあるが、流量設定手段30からの信号は、設定温度判定手段39及び制御変更手段40を介して入力されるようになっている。
【0053】
設定温度判定手段39は流量設定手段30からの信号が入力されると、温度設定手段28により設定されているその時の設定温度TPを操作部27から入力し、設定温度TPが35〜45℃の範囲にあるかを判定する。設定温度判定手段29は、設定温度TPが35〜45℃の範囲内であると判定すれば制御変更手段40を停止させ、設定温度TPが35〜40℃の範囲内であると判定すれば制御変更手段40を停止させない。制御変更手段40は、流量設定手段30からの信号が入力すると、流量弁駆動手段22を開閉選択手段29が選択したときよりも低速で流量弁制御手段38に設けられている低速駆動部41を駆動する。従って、流量弁制御手段38は流量弁駆動手段22を低速で駆動して流量変更を行う。この実施例では、流量変更が行われている間も、混合弁制御手段31による電気的フィードバック制御は行われ、また、制御変更手段40は流量変更が終了すると同時に低速駆動部41をオフとするものである。
【0054】
つぎに流量変更時におけるフローチャートを示す図5を参照して実施例1との相違する点についてのみ説明する。なお、このときの混合湯温変動は図6に示したようになる。
【0055】
まず、流量設定手段30から流量変更が入力されると、設定温度判定手段39は操作部27から設定温度TPを入力し、設定温度TPが35〜45℃の範囲内であるかどうかを判定する(ステップS201)。設定温度TPが35〜45℃の範囲内であると判定した場合、設定温度判定手段39は制御変更手段40への信号を出力しない。制御変更手段40は、流量変更信号を受けると流量弁制御手段38の低速駆動部41をオンとし(ステップS202)、流量弁制御手段38は、開閉選択手段29の選択による流量弁18の開閉時の駆動速度よりも低速で流量弁駆動手段22により流量弁18を駆動する(ステップS203)。従って、図6に示すように流量弁18を駆動して流量変更をしている間に混合制御手段31によるフィードバック制御が行われることになる。すなわち、流量は段階的に変更し、その都度電気的フィードバック制御を行うような状態となる。この場合、流量の変更量が小さいと条件変化が小さく、また、その混合湯温の変動も小さくなるうえ、混合湯温の変動を電気的フィードバック制御で補正しているため、ほとんど混合湯温の変動は生じない。そして流量を変更した後、制御変更手段40は低速駆動部41をオフとする。(ステップS204)。
【0056】
設定温度判定手段39が設定温度TPが35〜45℃の範囲外であると判断した場合、設定温度判定手段39は制御変更手段40へ停止信号を出力し、流量の変更は流量弁18の開閉時の駆動速度で行われ(ステップS205)、流量の変更時においては多少の混合湯温変動が生じるが、流量の変更は迅速に行うことができる。
【0057】
なお、温度範囲35〜45℃は、シャワーなどで人体に直接使用される温度であり、微妙な温度調節が必要とされるが、それ以外の温度範囲では、温度変動を防止するよりも流量変更を迅速に行うことができる方が使用者の利用実態に即しており、また、この設定温度範囲は使用条件によりかなりばらつきがあるため、使用者が温度範囲を設定できる温度範囲設定手段や温度範囲による限定を行わないようにできる温度範囲制御停止スイッチを設けると効果的である。
【0058】
以上述べたように本実施例によれば、流量設定手段30から流量変更の入力が行われた場合、制御変更手段40によって流量弁制御手段38の低速駆動部41をオンとし、流量変更中に電気的フィードバック制御を行っているので、多段階に流量変更すると同様となって、混合湯温の変動を防止できる。また、急激に流量の変更を行わないので、使用者がシャワー使用時等に不快感を覚えることがない。
【0059】
また、設定温度判定手段39により流量変更による温度範囲を限定しているので、混合湯が人体に直接出湯されない場合は、流量弁18の開閉時と同様、迅速に流量変更を行うことができ、操作性のよい湯水混合装置を提供することができる。
【0060】
(実施例3)
図7は湯水混合装置の構成図を示し、すでに説明した実施例1および2との相違点についてのみ説明する。なお、図8は操作部の正面図を示している。
【0061】
図7および図8において、操作部42の温度設定手段43には、設定温度TPを上下する温度上昇ボタン44と温度下降ボタン45とが設けられている。温度設定手段43によって設定された設定温度TPは設定温度表示部46に表示される。流量設定手段47により、多段階に予め設定されている流量設定を流量増加ボタン48および流量減少ボタン49によって選択できるようになっており、流量設定手段47によって流量が変更されると、その流量設定値が流量表示部50に表示されるようになっている。ここで、流量設定手段47には流量増加ボタン48および流量減少ボタン49しかないため、一段階ごとにしか変更できないようになっている。開閉選択手段51には、シャワー側出湯ボタン52、カラン側出湯ボタン53および出湯停止選択ボタン54が設けられている。
【0062】
流量弁制御手段55は、流量弁駆動手段56を制御し、開閉選択手段51および流量設定手段47からの入力に応じて流量弁駆動手段56の駆動量を算出して流量弁駆動手段56を駆動している。開閉選択手段51が選択されると、その信号は直ちに流量弁制御手段55に入力され、流量設定手段47からの信号は、設定温度判定手段57および入力規制手段58を介して入力されるようになっている。
【0063】
設定温度判定手段57は、流量設定手段47からの信号が入力されるとその時の設定温度TPを操作部42から入力し、設定温度TPが32〜42℃の範囲にあるかを判定する。設定温度判定手段57は設定温度TPが32〜42℃の範囲外であると判断すれば入力規制手段58を停止し、設定温度TPが32〜42℃の範囲内であると判断すれば入力規制手段58を停止しない。入力規制手段58は、流量設定手段47からの信号を入力すると流量弁制御手段55に信号を出力するが、流量設定手段47からの信号が所定の間隔以下で連続して入力された場合、流量弁制御手段55への信号を所定の間隔に規制する。すなわち、流量弁18は流量弁制御手段55によって所定の間隔をおいて一段階ごとに変更され、流量変更が行われている間、混合弁制御手段31によるフィードバック制御は行われている。
【0064】
つぎに、流量変更時におけるフローチャートを示す図9を参照して実施例1および2との相違する点についてのみ説明する。なお、このときの混合湯温変動、流量設定手段47から入力規制手段58への信号、および入力規制手段58から流量弁制御手段55への信号は横軸を時間軸とすると図10に示したようになる。
【0065】
まず、流量設定手段47から流量の変更が入力されると、設定温度判定手段57は操作部42から設定温度TPを入力し、設定温度TPが32〜42℃の範囲内であるかどうかを判定する(ステップS301)。設定温度TPが32〜42℃の範囲内であると判定した場合、設定温度判定手段57は入力規制手段58へ信号を出力しないので、入力規制手段58は作動状態となっている。入力規制手段58が流量の変更信号を受けると流量弁制御手段55に信号が出力され、流量弁制御手段55は、流量弁駆動手段56を一段階の流量変更に対応する駆動量だけ駆動させる。流量変更の段階の駆動量は、使用者が流量が変更されたことを判別できるとともに流量変更による混合湯温の変動が所定の範囲内であるように設定されている。また、流量設定手段47より連続して所定の間隔t3以下例えばt4の入力があった場合には入力規制手段58により流量弁制御手段55への信号間隔を規制し(ステップS302)、その間隔をt3としている。そして、流量弁制御手段55によって流量弁駆動手段56が駆動されて流量の変更が行われる(ステップS303)。本実施例では、所定の間隔t3は、流量変更に伴う温度変動に対しての感温コイルばね12の熱応答時間としているので、連続した流量変更が行われてもその温度変動が重なることがない。従って、混合湯温は図10の実線で示したようになり、流量変更が所定の間隔t3以下で行われたとき(点線で示す)のような温度変動の重複を防止できる。
【0066】
設定温度TPが32〜42℃の範囲であると判定した場合、設定温度判定手段57は入力規制手段58へ停止信号を出力して入力規制手段58が停止する。所定の間隔t3以下で流量変更手段47から流量変更の入力が行われても、流量変更は入力した間隔で行われるので、流量変更時において多少の混合湯温変動が生じるが、流量変更は迅速に行うことができる。従って、温度範囲32〜42℃はシャワーなどで人体に直接使用される温度であり、微妙な温度調節が必要とされるが、それ以外の温度範囲では温度変動を防止よりも流量変更を迅速に行うことができる。
【0067】
なお、設定温度判定手段57を設けず、入力規制手段58は流量設定手段47に設け、すべての流量設定の入力に対して入力規制を行えば、流量の変更時に混合湯温の変動が生じることのない湯水混合装置を提供できる。
【0068】
以上述べたように本実施例によれば、流量の変更を段階的に行うとともに入力規制手段58によって流量弁制御手段53への信号が所定の間隔以下とならないようにしているので、連続した流量変更の入力が行われた場合でも混合湯温の変動が重複することなく、安定した混合湯温出湯が実現できる。
【0069】
また、流量を変更する一段階の駆動量は、流量の変更による混合湯温の変動が所定の範囲内であるように設定され、混合湯温の変動が小さいので、感温コイルばね12による機械的フィードバック制御と電気的フィードバック制御が重複してもほとんど行き過ぎ制御が生じない。
【0070】
さらに、誤操作により流量の変更が連続して入力された場合でも、段階的に所定の間隔t3を保って流量の変更が行われるので、急激な流量変動による不快感を感じることがない。
【0071】
なお、以上説明した実施例における付勢力調節手段13および流量弁駆動手段22、56をステッピングモータとすれば駆動量の制御が行いやすく、より正確な温度制御および流量制御が可能となり、また、感温コイルばね12を形状記憶合金で形成すれば熱伝達時間が短くて機械的フィードバック制御の応答性がよくなる。
【0072】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明の湯水混合装置によれば、流量設定手段からの流量変更の信号入力があると、少なくとも混合弁制御手段または流量弁制御手段のいずれか一方の制御仕様を変更する制御変更手段を設けているので、流量変更に伴う混合湯温の変動を制御することができる。
【0073】
また、流量設定手段からの流量変更の信号入力があると、混合弁制御手段に制御変更信号を出力する制御変更手段を設け、流量弁制御手段による流量弁の制御が行われると同時に混合弁制御手段が所定の時間フィードバック制御を停止するようにしているので、流量変更による温度変動が起こっても感温体の付勢力変化に伴う温度制御と混合弁制御手段によるフィードバック制御とが流量変動による最大偏差に対して同時に行われないようになっており、行き過ぎ制御によるオーバーシュートやアンダーシュートを防止することができる。
【0074】
また、制御変更手段から混合弁制御手段に制御変更信号が出力され、流量弁制御手段による流量弁の制御が行われると同時に混合弁制御手段がフィードバック制御を停止する時間を感温体の熱応答時間以上としているので、流量変更後の感温体による温度制御と混合弁制御手段によるフィードバック制御とが重複することがなく、確実に行き過ぎ制御によるオーバーシュートやアンダーシュートを防止することができる。
【0075】
また、制御変更手段から流量制御手段に制御変更信号が出力された場合に、流量弁の開閉時よりも流量弁を駆動する温度を低速とする低速駆動制御部を流量制御手段に設けているので、流量変更中に混合弁制御手段によりフィードバック制御が行われる。すなわち、流量の変更による混合湯温の変動を多段階に分割した形となって、温度偏差が抑制されるので、行き過ぎ制御を防止することができるとともに、混合湯温変動を制御でき、加えて、混合湯温変動とは無関係の流量弁の開閉は迅速に行うことができる。
【0076】
また、設定温度判定手段によって設定温度が所定範囲内にあると判断した場合にのみ、制御変更手段が制御変更信号を出力するので、正確な温度制御を必要とする温度範囲外での流量変更に伴う不要な制御の切換えが抑制でき、操作性や応答性を向上できるものである。
【0077】
また、記憶手段が流量変更時の状態とその流量変更後の混合湯温を記憶するとともに、判定手段が流量設定手段からの入力があると記憶手段に記憶されている同一状態での混合湯温を入力し、入力した混合湯温が設定温度よりも高い場合には制御変更手段を停止するので、流量の変更にともなって混合湯温が設定温度よりも高い場合は、直ちに混合弁制御手段によりフィードバック制御を行う。従って、使用者が不快と感じる設定温度よりも高い混合湯温の出湯を防止できる。
【0078】
さらに、流量設定手段による混合湯の流量設定を段階的に行うとともに、連続して流量変更が行われた場合には入力規制手段によって流量設定手段から流量弁制御手段への信号が所定の間隔以上で入力されるので、急激な流量の変更が行われることなく流量変更に伴う混合湯温の変動が防止できる。加えて、誤操作により流量変更が連続して入力された場合でも、段階的に所定の間隔を保って流量の変更が行われるので、急激な流量変動による不快感を感じることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における湯水混合装置の構成図
【図2】同湯水混合装置の動作説明図
【図3】同湯水混合装置の流量変更時におけるフローチャート
【図4】本発明の実施例2における湯水混合装置の構成図
【図5】同湯水混合装置の流量変更時におけるフローチャート
【図6】同湯水混合装置の動作説明図
【図7】本発明の実施例3における湯水混合装置の構成図
【図8】同湯水混合装置における操作部の正面図
【図9】同湯水混合装置の流量変更時におけるフローチャート
【図10】同湯水混合装置の動作説明図
【図11】従来の湯水混合装置の概略図
【図12】同湯水混合装置のフィードバック制御フローチャート
【符号の説明】
2 混合弁
7 可動弁体
11 バイアスばね
12 感温コイルばね
13 付勢力調節手段
18 流量弁
22、56 流量弁駆動手段
28、43 湯温度設定手段
30、47 流量設定手段
31 混合弁制御手段
32 温度検出手段
33、38、55 流量弁制御手段
34 判定手段
35、40 制御変更手段
36 記憶手段
39、57 設定温度判定手段
41 低速駆動部
58 入力規制手段

Claims (7)

  1. 湯と水の混合比を調節する可動弁体と、混合湯の温度上昇にともない湯の割合を減少させる方向に前記可動弁体を付勢する感温体と、前記可動弁体を前記感温体が付勢する方向と反対方向に付勢するバイアスばねと、前記感温体または前記バイアスばねの少なくとも一方の付勢力を調節する付勢力調節手段と、前記の可動弁体と感温体とバイアスばねと付勢力調節手段を有する混合弁と、混合湯の流量を調節する流量弁と、この流量弁を駆動する流量弁駆動手段と、前記混合弁の下流側に設けて混合湯の温度を検出する温度検出手段と、混合湯の温度設定を行う温度設定手段と、前記温度検出手段により検出した温度と前記温度設定手段により設定された設定温度との偏差が所定の範囲以上であるときに偏差を打ち消す側に前記付勢力調節手段をフィードバック制御する混合弁制御手段と、混合湯の流量調節および出湯停止を行う流量設定手段と、前記流量弁駆動手段を制御する液量弁制御手段と、前記流量設定手段から前記流量弁制御手段への信号入力により少なくとも混合弁制御手段または流量弁制御手段のいづれか一方の制御仕様を変更する制御変更手段とを備える湯水混合装置。
  2. 湯と水の混合比を調節する可動弁体と、混合湯の温度上昇にともない湯の割合を減少させる方向に前記可動弁体を付勢する感温体と、前記可動弁体を前記感温体が付勢する方向と反対方向に付勢するバイアスばねと、前記感温体または前記バイアスばねの少なくとも一方の付勢力を調節する付勢力調節手段と、前記の可動弁体と感温体とバイアスばねと付勢力調節手段を有する混合弁と、混合湯の流量を調節する流量弁と、この流量弁を駆動する流量弁駆動手段と、前記混合弁の下流側に設けて混合湯の温度を検出する温度検出手段と、混合湯の温度設定を行う温度設定手段と、前記温度検出手段により検出した温度と前記温度設定手段により設定された設定温度との偏差が所定の範囲以上であるときに偏差を打ち消す側に前記付勢力調節手段をフィードバック制御する混合弁制御手段と、混合湯の流量調節を行う流量設定手段と、前記流量弁駆動手段を制御する流量弁制御手段と、前記流量設定手段から前記流量弁制御手段への信号入力により前記混合弁制御手段によるフィードバック制御を所定の時間停止する制御変更手段とを備える湯水混合装置。
  3. 制御変更手段は感温体の熱応答時間以上にフィードバック制御を停止する請求項2記載の湯水混合装置。
  4. 湯と水の混合比を調節する可動弁体と、混合湯の温度上昇にともない湯の割合を減少させる方向に前記可動弁体を付勢する感温体と、前記可動弁体を前記感温体が付勢する方向と反対方向に付勢するバイアスばねと、前記感温体または前記バイアスばねの少なくとも一方の付勢力を調節する付勢力調節手段と、前記の可動弁体と感温体とバイアスばねと付勢力調節手段を有する混合弁と、混合湯の流量を調節する流量弁と、この流量弁を駆動する流量弁駆動手段と、前記混合弁の下流側に設けて混合湯の温度を検出する温度検出手段と、混合湯の温度設定を行う温度設定手段と、前記温度検出手段により検出した温度と前記温度設定手段により設定された設定温度との偏差が所定の範囲以上であるときに偏差を打ち消す側に前記付勢力調節手段をフィードバック制御する混合弁制御手段と、混合湯の流量調節を行う流量設定手段と、前記流量弁駆動手段を制御する流量弁制御手段と、この流量弁制御手段に設けて前記流量弁駆動手段の駆動速度を低速で制御する低速駆動部と、前記流量設定手段から前記流量弁制御手段への信号入力により低速駆動部による制御を開始する制御変更手段とを備える湯水混合装置。
  5. 制御変更手段は、温度設定手段で設定された設定温度が所定の範囲内であることを判定する設定温度判定手段を有し、所定範囲の設定温度で変更信号を出力する請求項1ないし4のいずれかに記載の湯水混合装置。
  6. 流量変更時の状態および流量変更直後の混合湯温を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶されている混合湯温が設定温度より高いときに制御変更手段を停止する判定手段を有する請求項1ないし5のいずれかに記載の湯水混合装置。
  7. 湯と水の混合比を調節する可動弁体と、混合湯の温度上昇にともない湯の割合を減少させる方向に前記可動弁体を付勢する感温体と、前記可動弁体を前記感温体が付勢する方向と反対方向に付勢するバイアスばねと、前記感温体または前記バイアスばねの少なくとも一方の付勢力を調節する付勢力調節手段と、前記の可動弁体と感温体とバイアスばねと付勢力調節手段を有する混合弁と、混合湯の流量を調節する流量弁と、この流量弁を駆動する流量弁駆動手段と、前記混合弁の下流側に設けて混合湯の温度を検出する温度検出手段と、混合湯の温度設定を行う温度設定手段と、前記温度検出手段により検出した温度と前記温度設定手段により設定された設定温度との偏差が所定の範囲以上であるときに偏差を打ち消す側に前記付勢力調節手段をフィードバック制御する混合弁制御手段と、混合湯の流量調節を段階的に設定する流量設定手段と、前記流量弁駆動手段を制御する流量弁制御手段と、前記流量設定手段から前記流量弁制御手段への入力信号を所定の間隔以上とする入力規制手段とを備える湯水混合装置。
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