JP3692394B2 - 装置ケースおよび移動通信端末 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも表示画面用の表示窓および操作キー用孔部のどちらか一方を有する装置ケースに関するものであり、さらに、該装置ケースを備える携帯電話機・携帯無線機・情報端末機器・携帯パソコンなどの移動通信端末に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5には従来の装置ケースを示すが、これは移動通信端末の一例である携帯電話機のフロントケースである。装置ケース10は前面に、表示画面用の表示窓11と操作キー(操作ボタン)用の孔部(12、13、14)を有している。ここで、中央のやや大きめの孔部13は、多方向操作キーを貫通させる孔部であり、この周囲には複数の機能キー用の孔部12が配置されている。
装置パネル20はここでは1体もののパネル部材として形成されていて、表示窓11と操作キー孔部(12、13)とを一面に覆うようにして敷設されている。装置パネル20は、両面テープ等の粘着剤または接着剤を介在させることにより、装置ケース10に密着して付設されるよう設定される。
【0003】
装置パネル20は、表示画面(LCD等)がよく見える透明なフロントグラス部20d、大径の孔部20b、機能キー用の孔部20c、レシーバ(受話器)用の貫通孔部20aなどを備えている。
図6は、装置パネル20が装置ケース10の定位置に取り付けられた様子を、装置長手方向の断面で示す説明図である。装置ケースの中央に位置する大径の孔部20bには操作キーつまみ41用のつまみ軸40が貫通しており、ここには通常、多方向操作キーが配設される。
【0004】
さて、この装置の組み立てが完成した時点では、装置パネル20は装置ケース10にしっかり密着されて取り付けられ、簡単には外れないようになっている。製品として市場に出ているこれらの装置では、装置パネル20は外れることはないし、使用者らが外すということも一般的にはありえない。よって、装置パネル20は、普通のやり方では取り外せないような構造を有して、装置ケース10に取り付けられていた。
【0005】
ところが、装置パネル20を装置ケース10から取り外す必要が生じる場合がある。これは、製造現場において装置ケース10の組み立て作業が終了したあとに、装置の内部を今一度点検または検査したいときや、パネル等の部品交換や点検したいときなどに起こる。さらに、既に使われている装置にあっては、使用者らの依頼による検査、点検、部品交換などの際にも、装置パネル20を装置ケース10から取り外されなければならない。
【0006】
こうしたことを想定して、装置メーカー側としては、図7で示すような特殊な専用工具50を準備して保有している。使用にあたっては、この工具の先端のフック状引っかけ部50aを、装置のレシーバ(受話器)用の貫通孔部20aに引っ掛けて、装置パネル20を装置ケース10から強制的に分離させるという方法をとっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の装置においては、次のような解決すべき問題点がある。・特殊な専用工具が必要となるので、装置パネルを取り外す作業を行なう作業者または作業する場所には、この特殊な専用工具を必ず備えていなければ作業ができない。
・特殊な専用工具はこの工具を製作すること自体が、専門技術を必要とするので、量産するのは難しく、必要な分だけ配分するとしても、かなり多数の工具を保有していなければならない。
・特殊な専用工具を備えているのは、装置メーカーだけになってしまう、装置の点検修理などのため使用者が販売店や代理店に装置を持ち込んでも、装置を開けて内部が見ることができない。よって、それが簡単なことで開ければすぐ終わるような作業であっても、その場所では作業ができない。
・パネルの取り外しのための取り外し部が特に装置に設けられていないので、装置レシーバ(受話器)用の貫通孔部20aに引っ掛けるというやり方をとっているが、貫通孔部周囲を破損させたり変形させたりする虞がある。
【0008】
本発明は、上述のような従来装置の問題点に鑑みなされたもので、特殊な専用工具がなくとも装置パネルの取り外しができ、装置パネルの取り付け作業性を向上させた装置ケースおよびこれを備えた移動通信端末を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、本発明による装置ケースおよび電子装置は次のような手段を用いる。なお、付した符号は図面のそれに一致する。
(1)表示窓11および操作キー孔(12、13、14等)を有する装置ケース10であって、
表示窓11に覆設される第1パネル体21および操作キー孔(12、13等)を合わせて付設される第2パネル体22を有し、
第1パネル体21の取り外しに用いられるパネル取外し部30が、表示窓11の外枠位置11Aに形成され、
第1パネル体21と第2パネル体22とは、それぞれの合わせ端部 ( 21A , 22A ) を近接して連設されるように配置され、
第1パネル体21のパネル取外し部30は、合わせ端部 ( 21A , 22A ) の位置において、第2パネル体22の付設によって隠されて配設される装置ケースとした。
(2)この装置ケースにおいて、第2パネル体22のパネル取外し部31は、操作キー孔(12、13等)に引っ掛け凹部31aを設けて形成される。
(3)この装置ケースにおいて、第1パネル体21の取り外しは、第2パネル体22を取り外した後に行う。
(4)この装置ケースにおいて、第1パネル体21は合わせ端部21Aに位置決め部21Bを設けて構成される。
(5)この装置ケースにおいて、第1パネル体21の位置決め部21Bは、第2パネル22の付設により後ろ側に隠れて配設されるように構成される。
(6)装置筐体に所定の構成部材を内設して構成される移動通信端末において、前記装置筐体を( 1 )乃至( 5 )のいずれかの装置ケースを備えて形成して構成される移動通信端末とした。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明による装置ケースおよび移動通信端末の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明による装置ケースの一例として携帯電話機の装置ケースの外観斜視図を示す。また、図2は本発明による装置ケース要部の断面による説明図であり、(1)(2)のいずれも装置の長手方向の断面によるものである。さらに、図3は本発明による装置ケースのケース体の取り付け状況を示す説明図である。
【0011】
この装置ケース10は、その前面にLCD(液晶画面)のための表示窓11及び操作キー部のための貫通孔部(12、13、14)を多数備える。これらの貫通孔部には操作キーが配設される。これらの操作キーは、電話番号や各種機能を実行するための選択キー(ボタン)により構成されているが、装置中央付近にある大径の貫通孔部13には、多方向操作キーの操作つまみ41とつまみ軸40が配置されている。
【0012】
図5示す従来の装置ケースとの大きな違いは、従来は1枚ものであった装置パネルを、表示窓11に覆設される第1パネル体21と、操作キー孔部(12、13)側を合わせて付設される第2パネル体22とのニ体に分離したこと、および、パネルの取り外しに用いられるパネル取外し部(30または31)とを備えていることである。パネルは分離されて取り扱いやすくなり、またパネルの取り外しも容易になった。
第1パネル体21は表示窓11を蓋するように覆って冠設され、周囲は両面テープ等の粘着剤で装置ケースに定着される。また、第2パネル体22は、操作キー孔部(12、13)の配置された装置ケース10の前面部分を覆うパネルであり、操作キー孔部に合わせてそのまま貫通するような構造を保っている。この第2パネル体22は装置の化粧パネルのような役目を果たし、装置ケース面に添設または貼設されるようにして敷設されている。
【0013】
さて、この装置ケースにおいて、第1パネル体21は合わせ端部21Aを有し、第2パネル体(22)は合わせ端部22Aを有し、それぞれの合わせ端部はその形状や色彩等において調和する構成となっており、合わせ端部で互いに係合するように近接して並列に配置される。装置ケースに配設された第1パネル体21と第2パネル体22は1枚の調和したパネル体のように見えるのがよく、装置ケースと色彩デザインともに統一がとれるように形成されるのが好ましい。
【0014】
このような装置ケース10において、パネル取外し部31は、操作キー孔部13または12に形成される。図2(1)に見られるパネル取外し部31は、装置ケース10側の操作キー孔部13の内側に、工具の細い先端が通れる窪み状の引っ掛け凹部31aを設けることで、パネル取り外し構造を形成したものである。そして図2(3)は、操作キー孔部13にパネル取外し部31として引っ掛け凹部31aを設けた構造を示す上面図である。
このような装置で作業者は、操作つまみ用のつまみ軸40を避けながら、第2パネル体22の孔部13Aを挿通して操作キー孔部13に工具51を挿入すると、定位置に引っ掛け凹部31aを設けているので、ここを工具51の先端を通すことにより、作業者は第2パネル体22をうまく引っ掛けることができる。そして、第2パネル体22を装置ケース10から容易に分離させることができる。工具51自体は特殊なものは必要なく、先端が引っ掛かかる構造の工具であればどんなものでも使用できる。
【0015】
図2(1)では第2パネル体22を取り外す様子を示したが、図2(2)においては第2パネル体22は既に取り外されており、この状態から今度は第1パネル体21を取り外す様子を示す。図2(2)に見られるように、パネル取外し部30は、合わせ端部(21Aまたは22A)位置に形成されている。これは、合わせ端部の面を含む位置において装置ケース10に凹部を設けて、この凹部をパネル取外し部30として構成したものである。
工具52は、マイナスドライバー、先のやや尖った棒状工具、細長のへら状工具などのありふれたものが使用される。第2パネル体22は既に取り去られているので、パネル取外し部30は作業者がはっきりと認識でき、工具51をここにあてがって、てこのようにして用い、第1パネル体21を引っ掛けて装置ケース10から剥がすようにして持ち上げて取り外す。
【0016】
図2では、第1パネル体21と第2パネル体22が備えられた装置において、第2パネル体22を先に取り外す様子を示したが、これに限らず、パネル取外し部30の位置が前もってわかっていれば、第2パネル体22は外さなくとも、第1パネル体21だけを取り外すこともできる。すなわち、第1パネル体21を装置ケース10に配置する設計をするとき、パネル外枠位置では少量のクリアランス(隙間)を設けてあるので、そこから先端が細い工具を挿入して、パネル取外し部30にあてがうことによって第1パネル体21を装置ケース10から取り外すことができる。
【0017】
図3は本発明による装置ケース10のパネル体(21、22)の取り付け状況を示す説明図である。図3(1)は第1パネル体21を取り付けた状態であり、この取り付けにあたっては、装置に予め設けられた取り付け位置線10aを基準にして配置されて位置決めがなされて、さらに両面テープ等の粘着剤で定着されて取り付けられる。
ところで、図4はパネル体の別の例を示す図であるが、ここでの第1パネル体21の合わせ端部21Aは、波形のような曲線をなしている。合わせ端部21Aは取り付け位置線10aに合わせて取り付けるが、端部21Aはが曲線のために位置合わせがやり難く、取り付けが傾きやすいものである。
【0018】
そこで、図3(1)に示すように、第1パネル体21は合わせ端部21Aに位置決め部21Bを設けて構成した。この位置決め部21Bは、合わせ端部21Aからパネル面に沿って突起させた横長の小片であり、直線部分21B’を有していて、ここで位置決めがなされる。この位置決め部21Bは直線部分21B’において装置ケース10に設けた取り付け位置線10aと当接または係合するようにするとよいが、また、第2パネル体22の合わせ端部22Aとも当接または係合するようにしてもよい。こうして、第1パネル体21の位置は、装置ケース10との間で位置決めがなされるし、また第2パネル体22との間でも位置決めなされるので、これらの両方を用いてもよいし、いずれか一方でもよい。
【0019】
さらに、第2パネル体22を取り付ける際には、位置決め部21Bは第2パネル体22が重なることで、上から隠れてしまい見えなくなるような構造にするとよく、色彩やデザインが調和して好ましい電子装置が形成される。この位置決め部21Bを隠すためには、装置の構造上は、位置決め部21Bを収納するため収納凹部(図示せず)を設けるのがよいが、それは装置ケース10の表面または第2パネル体22の裏面のいずれに配設してもよい。
【0020】
図3(2)は、第1パネル体21に続いて、第2パネル体22を取り付けて、パネルの取り付けが終了した図である。第1パネル体21の合わせ端部21Aと第2パネル体22の合わせ端部22Aとは、きちんと直線的に合わせられ、美観的にも統一がとられ揃えられて配置させられる。この装置ケース10においては、第1パネル体21の位置決め部21Bは、第2パネル22が重ねられて付設されることによって影に隠れてしまう。よって、この位置決め部21Bは外側から見えないので、外観上邪魔になることはないように構成されている。
【0021】
【発明の効果】
このように本発明によれば、次のような優れた効果を発揮する。
・装置のパネル体を2つに分離して第1パネル体(表示窓側)と第2パネル体(操作キー側、化粧パネル)としたうえ、パネル取外し部を設けたので、作業にあたって装置そのものを分解することなく、第1パネル体(表示窓側)と第2パネル体(操作キー側、化粧パネル)のいずれか一方の交換や点検が容易にできるようになる。
・パネル取外し部31は、操作キー孔13の内側に形成されるので、装置の外観に損傷や変形を与えることなく、パネル体の取り外しができる。
・第1パネル体と第2パネル体とは、それぞれの合わせ端部に近接して連設されるように配置されるので、取り付け作業における効率が向上し、美観的にも優れた製品ができる。
・第1パネル体は合わせ端部に位置決め部を設けて構成されるので、組み立て作業においてパネル体が傾いて取り付けられることがなくなる。
・第1パネル体の位置決め部は、第2パネルの付設によりその影に隠れて配設されるので、位置決め部は通常外からは見えず、美観的に優れた装置が構成できる。
・装置筐体に所定の構成部材を内設して構成される移動通信端末において、装置筐体を本発明による装置ケースを備えて形成して構成したので、パネル体の交換が容易にでき、デザイン的にも優れる移動通信端末を市場に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による装置ケースの一例として、携帯電話機の装置ケースを外観斜視で示した図である。
【図2】本発明による装置ケース要部の断面による説明図であり、(1)は第2パネル体を取り外す様子を示し、(2)は、(1)に続いて第1パネル体を取り外す様子を示し、(3)はパネル取外し部の構造を示す。
【図3】本発明による装置ケースのパネル体の取り付け状況を示す説明図である。(1)は第1パネル体を取り付けた様子を示し、(2)は、(1)に続いて第2パネル体を取りつけた様子を示す。
【図4】本発明による装置ケースであり、波形形状の合わせ端部を有するパネル体を取り付ける様子を示す説明図である。
【図5】従来の装置ケースの一例として、携帯電話機の装置ケースを外観斜視で示した図である。
【図6】従来の装置ケース要部の断面による説明図である。
【図7】従来の取り外し用の特殊専用工具の一例を示す外観図である。
【符号の説明】
11 表示窓
11A 表示窓の外枠位置
12、13、14 操作キー孔部
10 装置ケース
21 第1パネル体
22 第2パネル体
30、31 パネル取外し部
21A、22A 合わせ端部
21B 位置決め部
Claims (6)
- 表示窓および操作キー孔を有する装置ケースであって、
前記表示窓に覆設される第1パネル体および前記操作キー孔を合わせて付設される第2パネル体を有し、
前記第1パネル体の取り外しに用いられるパネル取外し部が、前記表示窓の外枠位置に形成され、
前記第1パネル体と前記第2パネル体とは、それぞれの合わせ端部を近接して連設されるように配置され、
前記第1パネル体のパネル取外し部は、前記合わせ端部の位置において、前記第2パネル体の付設によって隠されて配設されることを特徴とする装置ケース。 - 請求項1記載の装置ケースにおいて、
前記第2パネル体の前記パネル取外し部は、前記操作キー孔に引っ掛け凹部を設けて形成されることを特徴とする装置ケース。 - 請求項2記載の装置ケースにおいて、
前記第1パネル体の取り外しは、前記第2パネル体を取り外した後に行うことを特徴とする装置ケース。 - 請求項1乃至3いずれかに記載の装置ケースにおいて、
前記第1パネル体は合わせ端部に位置決め部を設けて構成されることを特徴とする装置ケース。 - 請求項4に記載の装置ケースにおいて、
前記第1パネル体の前記位置決め部は、前記第2パネルの付設により、隠れて配設されて構成されることを特徴とする装置ケース。 - 装置筐体に所定の構成部材を内設して構成される移動通信端末において、
前記装置筐体を請求項1乃至5のいずれかに記載の装置ケースを備えて形成して構成されることを特徴とする移動通信端末。
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