JP3692250B2 - カードキー式錠前装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カード式錠前装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のカード式錠前装置は、例えばバネ力によって押し上げ付勢される長、短2種類のロックピンをピン孔に内装させた錠前と、前記各ロックピンと対応するよう組み合せ穿設された多数のパンチ孔を備えたカードキーとからなるものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した従来のカードキー式錠前装置は、所定位置にピン孔が穿設してあるカードキーしか使用できないため、当該カードキーを破損したり紛失した場合、施解錠できなくなるという問題及び錠前の構造が複雑なため、故障を生じ易く、コストがアップするという問題があった。
【0004】
【目的】
本発明は、上記従来技術の有するこのような問題点に鑑みなされたもので、専用のカードのみならず、クレジットカードや定期券カード等の一般のカード類を使用することができると共に、簡易構造で、故障が少なく、低コストの錠前を装着したカードキー式錠前装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係るカードキー式錠前装置は、前部にカードキー差込口形成用の切欠きを設けたケーシングと、このケーシングの切欠きに対向する裏面に略コ字型のカードキー収納部を形成すると共に、該収納部の一側に先端に長孔を穿設した錠係止板用のスライド溝を形成し、表面には作動板の収納凹部を形成してなるベースプレートと、上記ケーシング内においてベースプレート上面へ重合され、前方上面にシリンダー錠が取付けられると共に、そのラッチ下面に突設された係合ピン用の弧状のガイド孔が穿設されている錠取付プレートと、上記シリンダー錠の施錠操作にて後方へ回動自在にバネにて前方へ回動付勢されつつ支持され、上記シリンダー錠の係合ピン及び上記ベースプレートのスライド溝先端の長孔との対向部位に開口部が形成されている作動板と、先端上方に上記シリンダー錠の係合ピンを係止するピンストッパが突設され、後端にカードキー用の係止片が上記カードキー収納部側へ折設され、上記ピンストッパが上記ベースプレートの長孔前端から作動板の開口部上方に突出するようにバネにてスライド溝内を前方へ付勢されつつ嵌挿されている錠係止板と、上記カードキー収納部後方の嵌合凹部に脱着自在に嵌合される脚と平面略半球状の係合体とからなるガイドピースとを具備したもので、後端縁に上記ガイドピースの係合体に係合可能な凹部を有する専用カードキーを上記カードキー差込口から差込んで当該カードキーの後端縁にて錠係止板後端の係止片を押圧しつつ係合凹部をガイドピースの係合体に係合することにより先端のピンストッパを後退させ、シリンダー錠の係合ピンを回動可能に構成する一方、クレジットカード、定期券カード等のような後端に凹部のついていないカードキーを使用するときは、上記ガイドピースをベースプレート後部のフレームに設けられた嵌合凹部から外しておき、このカードキーをカードキー差込口から差込んで当該カードキーの後端縁にて錠係止板の係止片を押圧することにより先端のピンストッパを後退させ、シリンダー錠の係合ピンを回動可能に構成したことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るカードキー式錠前装置の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明に係るカードキー式錠前装置の実施形態の断面図を示し、図2は専用カードキーの一部と作動板付のベースプレートの平面図を示し、図3はベースプレートの背面図を示し、図4はケーシング内にベースプレートを嵌合した状態の一部断面の背面図を示し、図5はケーシング内にベースプレート及び錠取付プレートを嵌合した状態の平面図を示し、図6は同上の正面図を示し、図7は使用例の一部断面した側面図を示し、図8はガイドピースの取付状態を説明する斜視図を示し、図9及び図10は専用カードキーの動作説明図を各示し、図11及び図12は通常カードキーの動作説明図を各示す。
【0007】
本発明のカードキー式錠前装置は、ケーシング1と、ベースプレート2と、錠取付プレート3と、作動板4と、錠係止板5及びガイドピース15とを主要構成部材としている。
【0008】
上記ケーシング1は図1、図4、図5、図6及び図7に示したように、硬質プラスチックを素材として、前面板1a、後面板1b、左右の側面板1c、1c及び底面板1dにより上面に開口部1eを設けた正方形状に形成してある。そして、前面板1aには、後述するシリンダー錠のラッチ及びカードキーが出入りできるように半欠の切欠き1fと後述するカードキーの差込口を形成するための完欠の切欠き1gとを連設してある。底面板1dには、その周縁にベースプレート2、錠取付プレート3及び扉板6の取付用ねじ孔部1h…を突設すると共に、上記切欠き1g後方にカードキーの差込みとその保持のため前端を薄く後端に向って漸次厚くなるようにテーパ1iに形成してある。
【0009】
上記ベースプレート2は図1、図2、図3及び図4に示したように、硬質プラスチック材を素材として、その下面前部において上記ケーシング1前面板1aの切欠き1g及び底面板1dのテーパ1iと対応するようにテーパ2aを形成したカードキー係止板2bを突設し、その後方及び左右両側に略コ字形状のフレーム2c、2d、2eを突設することによりカードキー収納部2fを、上記フレーム2dに沿って錠係止板5のスライド溝2gが各形成してある。このスライド溝2gは、前方底壁が抜けて長孔2hとなっており、その後方両側にはスプリング7の収納凹部2lが形成してある。上記したフレーム2cと2dとの対向側は各々切欠かれており、スライド溝2gと連通するように錠係止板5後端の可動凹所2jが形成してある。また、上記フレーム2cの略中央部上端には、後述するガイドピース用の、内方より外方へ拡がったテーパ状の嵌合凹部2kが形成してある。
【0010】
一方、上記ベースプレート2は、その上面前方に作動板4の収納凹部2lが形成してある。この収納凹部2l上方の前後方向に上記した長孔2hが位置しており、該長孔2hに隣接して平面L字型のガイド突起2mが突設してある。また、この収納凹部2lの上部後方にバネ掛け2nが突設してあり、且つ前方の略中央に作動板4のカードキーストッパ出入用の孔2oが穿設してある。
図中2pはベースプレート2の収納凹部2lの後方に開設された窓穴、2qはこの窓穴2pの上面周縁に形成された透明な遮蔽板8の嵌合凹部、2r…はベースプレート2の周縁に上記したケーシング1の取付用ねじ孔部1h…と対応して穿設されたねじ孔を各々示す。
【0011】
上記錠取付プレート3は図1及び図5に示したように、金属板よりなり、前方上面の略中央部に、下面に係合ピン9を突設したラッチ10を有するシリンダー錠11を垂直に植設してある。また、上記錠取付プレート3の前方には、シリンダー錠11のキー操作によってラッチ10が90度回動するように係合ピン9挿通用の弧状のガイド孔3aが、後方には上記ベースプレート2の窓穴2pと対応する位置に窓穴3bが各開設してある。
図中3c…はベースプレート2のねじ孔2r…と対応して穿設されたねじ孔を示す。
【0012】
上記作動板4は図1及び図2に示したように、金属板よりなり、上方及びその下部前方寄りに大小の開口部4a、4bを各穿設させてあり、大きい開口部4aの上方には、シリンダー錠11におけるラッチ10の係合ピン9が係合する係合凹部4cを備えたガイド片4dを横方向へ連設してあり、一方、小さい開口部4bには、その前端縁を下側へ直角に折曲することでベースプレート2の孔2oに出入りするカードストッパ4eを突設してある。また、作動板4の上部後端には、ベースプレート2のバネ掛け2nに対向するようにバネ掛け4fを上方に直角に折曲することで突設してある。この作動板4のバネ掛け4fとベースプレート2のバネ掛け2n間にバネ12を掛け止めすることにより、作動板4は、ベースプレート2上面の収納凹部2lにおいて上記シリンダー錠11の施錠操作により後方へ回動自在に上記バネ12にて前方へ回動付勢されつつ保持させてある。
【0013】
上記錠係止板5は図2、図3及び図4に示したように、金属板よりなり、先端上方に、シリンダー錠11におけるラッチ10の係合ピン9を係止するピンストッパ5aが、後端にカードキー用の係止片5bが上記カードキー収納部2f側へ略直角に折曲することにより各形成してある。また、この錠係止板5の略中央部には、長手方向へスプリング7挿入用の長孔5cを穿設してある。
【0014】
図中13はケーシング1の切欠き1gとベースプレート2のカードキー係止板2b間に形成されたカードキーの差入口、14はシリンダー錠11のラッチ10が嵌入する凹部14aを内面に設けたケース体、15は上記ベースプレート2後方のフレーム2cの嵌合凹部2kに脱着自在に嵌合するガイドピースを各示す。このガイドピース15は、上記嵌合凹部2kに対する嵌合用のテーパ脚15aとカードキー用の半球体状の係合体15bとより構成されている。このテーパ脚15aをベースプレート2のフレーム2cの嵌合凹部2kに嵌合することによりガイドピース15の前方への抜けが阻止される。
16はそのカードキーであり、後端中央に上記ガイドピース15の係合体15bが適合する係合凹部16aを有する専用カードキー16′と、当該係合凹部16aを有しない一般カードキー16″(クレジットカード、定期券カード等)との2種類のカードキーを使用する。
【0015】
本錠前装置の無施錠時には、作動板4はベースプレート2の収納凹部2l内においてスプリング12により回動付勢されて先端側が所要角度立ち上がっているため、図1に示したように、開口部4bのカードキーストッパ4eはベースプレート2の孔2oの上面側に位置していてカードキー差込口13から退去している。また、このとき、図2及び図3に示したように、シリンダー錠11のラッチ10の係合ピン9は作動板4の開口部4aに設けられたガイド片4dの係合凹部4cに弾圧状態で係合されている。さらに、このとき、図2の1点鎖線、図3と図4の2点鎖線及び図9に示したように、錠係止板5はスプリング7により付勢されてスライド溝2gの前端側へ移行し、先端のピンストッパ5aがベースプレート2の長孔2hの先端から上方へ貫通突出していてシリンダー錠11の上記係合ピン9を係止しているため、キー操作によるシリンダー錠11のラッチ10の回動を阻止している。つまり、カードキー16を挿着していないときは施錠操作は行われないようになっている。
【0016】
このような状態において、カードキー16をカードキー差込口13から差し込んでケーシング1の底部1d上のベースプレート2の凹部2f内へ収納するが、このとき、図2の2点鎖線、図3と図4の実線に示したようにカードキー16の後端縁が錠係止板5後端の係止片5bに当接して当該錠係止板5をベースプレート2のスライド溝2g内をスプリング7のバネ力に抗して後退させるため、先端のピンストッパ5aも長孔2h内を後退し、シリンダー錠11の係合ピン9に対する係止を解除する。そこで、シリンダー錠11の錠孔に差し込んだキー(図示しない)を回動させると、図4、図5及び図7に示したように、ラッチ10の係合ピン9が錠取付プレート3のガイド孔3aに沿って移動するのに伴い、作動板4のガイド片4dの凹部4cを摺動して当該作動板4を押圧回動させつつラッチ10を約90度回動してケーシング1から突出しケース体14の凹部14a内へ嵌入する。これによって扉板6はケース体14へ閉成状態に施錠ロックされる。なお、上記カードキー16がケーシング1上のベースプレート2の凹部2f内に収納されると、当該カードキー16先端がカードキー係止板2bに当接係止されるため、スプリング7のバネ力による押し出しは阻止される。
【0017】
ところで、カードキー16として専用カードキー16′を使用するときは、図2、図3、図4及び図9に示し、且つ上記に説明したように、ベースプレート2後部のフレーム2cの嵌合凹部2kへガイドピース15を嵌合しておく。これにより、専用カードキー16′がケーシング1の底板1d上においてベースプレート2の凹部2f内へ収納されたとき、図10に示したように当該カードキー16′後端縁に設けられた凹部16aが上記ガイドピース15の半球状の係合体15b内へ係合するため、錠係止板5はシリンダー錠11が施錠可能な状態まで後退する。
【0018】
カードキー16として一般のカードキー(クレジットカード、定期券カード等)16″を使用するときは、図11に示したように、ベースプレート2後部のフレーム2cの嵌合凹部2kに嵌合したガイドピース15を外しておく。これにより、カードキー16″がケーシング1の底板1d上においてベースプレート2の凹部2f内へ収納されたとき、図12に示したように、当該カードキー16″後端縁がフレーム2c内側へ当接するため、前記と同じように錠係止板5はシリンダー錠11が施錠可能な状態まで後退する。
【0019】
而して、シリンダー錠11が施錠ロックした状態のとき、ラッチ10の係合ピン9は作動板4を下側へ押圧保持していてそのカードキーストッパ4eがベースプレート2の孔2oを挿通してカードキー差込口13内へ突出しているため、内部のカードキー16の取り出し及び新たなカードキー16の差し込みはいずれも阻止される。
【0020】
【発明の効果】
本発明は、以上詳述したように構成されているので、クレジットカードや定期券カード等の一般のカードキー、専用のカードキーいずれをも簡単に使い分けることができると共に、一般のカードキーはもとより、専用カードキーでも後端縁を切り欠くだけでよいから、カードキー、錠前装置ともに簡易構成で、故障が少なく、且つ低コストにて製造できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカード式錠前装置の実施形態を示す断面図である。
【図2】専用カードキーの一部と作動板付のベースプレートを示す平面図である。
【図3】同上ベースプレートを示す背面図である。
【図4】同上ケーシング内にベースプレートを嵌合した状態を示す一部断面の背面図を示す。
【図5】同上ケーシング内にベースプレート及び錠取付プレートを嵌合した状態を示す平面図である。
【図6】同上の正面図である。
【図7】本発明の使用例を示す一部断面した側面図である。
【図8】本発明のガイドピースの取付状態を説明する斜視図である。
【図9】本発明の専用カードキーの動作前を示す説明図である。
【図10】同上専用カードキーの動作後を示す説明図である。
【図11】本発明の一般カードキーの動作前を示す説明図である。
【図12】同上の動作後の説明図である。
【符号の説明】
1 ケーシング
2 ベースプレート
2f カードキー収納部
2g スライド溝
2h 長孔
3 錠取付プレート
4 作動板
4c 係合凹部
4d ガイド片
4e カードキーストッパ
5 錠係止板
5a ピンストッパ
5b 係止片
7 スプリング
9 係合ピン
10 ラッチ
11 シリンダー錠
12 バネ
15 ガイドピース
15a 脚
15b 係合体
16 カードキー
Claims (1)
- 前部にカードキー差込口形成用の切欠きを設けたケーシングと、
このケーシングの切欠きに対向する裏面に略コ字型のカードキー収納部を形成すると共に、該収納部の一側に先端に長孔を穿設した錠係止板用のスライド溝を形成し、表面には作動板の収納凹部を形成してなるベースプレートと、
上記ケーシング内においてベースプレート上面へ重合され、前方上面にシリンダー錠が取付けられると共に、そのラッチ下面に突設された係合ピン用の弧状のガイド孔が穿設されている錠取付プレートと、
上記シリンダー錠の施錠操作にて後方へ回動自在にバネにて前方へ回動付勢されつつ支持され、上記シリンダー錠の係合ピン及び上記ベースプレートのスライド溝先端の長孔との対向部位に開口部が形成されている作動板と、
先端上方に上記シリンダー錠の係合ピンを係止するピンストッパが突設され、後端にカードキー用の係止片が上記カードキー収納部側へ折設され、上記ピンストッパが上記ベースプレートの長孔前端から作動板の開口部上方に突出するようにバネにてスライド溝内を前方へ付勢されつつ嵌挿されている錠係止板と、
上記カードキー収納部後方の嵌合凹部に脱着自在に嵌合される脚と平面略半球状の係合体とからなるガイドピースとを具備したもので、後端縁に上記ガイドピースの係合体に係合可能な凹部を有する専用カードキーを上記カードキー差込口から差込んで当該カードキーの後端縁にて錠係止板後端の係止片を押圧しつつ係合凹部をガイドピースの係合体に係合することにより先端のピンストッパを後退させ、シリンダー錠の係合ピンを回動可能に構成する一方、
クレジットカード、定期券カード等のような後端に凹部のついていないカードキーを使用するときは、上記ガイドピースをベースプレート後部のフレームに設けられた嵌合凹部から外しておき、このカードキーをカードキー差込口から差込んで当該カードキーの後端縁にて錠係止板の係止片を押圧することにより先端のピンストッパを後退させ、シリンダー錠の係合ピンを回動可能に構成したことを特徴とするカードキー式錠前装置。
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Family Applications (1)
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JP00658399A Expired - Lifetime JP3692250B2 (ja) | 1999-01-13 | 1999-01-13 | カードキー式錠前装置 |
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