JP3692133B2 - ウェハー外縁の常圧プラズマ処理装置及びエッチング等の処理方法 - Google Patents

ウェハー外縁の常圧プラズマ処理装置及びエッチング等の処理方法 Download PDF

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Description

この発明は、略常圧下において半導体ウェハーの外縁をプラズマ処理(エッチング、洗浄等)する装置および方法に関する。
スピンコーターは、半導体ウェハーに絶縁膜やフォトレジスト膜などの薄膜を成膜する装置であり、ウェハーを回転させるとともに上面(表側面)の中心部に原料液を滴下し、遠心力で全周方向に展ばしていく。これにより、ウェハーの上面の主部分(外縁を除くそれより内側の部分)は勿論、上面の外縁部や外端面にまで被膜が及ぶ。このウェハー外縁の膜を残しておくと、その後、そこを把持する工程等でパーティクル発生の原因となる。しかも、このウェハー外縁では、液流の抵抗によって上記主部分より厚膜になり、膜の表面研磨の際に支障を来たすだけでなく、剥離によりコンタミネーションを惹き起こしやすい。
一方、PE−CVDやLP−CVDによる成膜の場合には、ウェハー外縁が厚膜化することは少ないが、搬送工程等でウェハー外縁に触れた時、クラックが入り、コンタミネーションを起こすことがある。
現在の先端LSIデバイスの分野では、高速化のため、Cu/low−kが主流になっている。これは、金属配線として電子移動度の高い銅を用い、層間絶縁膜としてSiO2(誘電率4)より誘電率の低い低誘電体膜を用いたものである。しかし、低誘電体膜は、SiO2より機械的強度が弱く、CMP(Chemical Mechanical Polishing)等の物理的研磨工程において、ウェハー外縁の被膜がコンタミネーションの発生原因になりやすいと言われている。
このようなコンタミネーションは、配線ショート等の不良の原因となり、歩留まり低下を招く。半導体の小型化が進むにつれて、配線が微細化し、コンタミネーションの影響を受け易くなっているため、その発生を一層厳しく抑制する必要がある。
そこで、特許文献1、2に記載のものは、ウェハー上面への成膜工程の次に、ウェハー外縁にエッチング液を滴下して外縁の不要な膜を除去する所謂ウェットエッチングを行なっている。
これに対し、特許文献3、4には、プラズマを用いた所謂ドライエッチングが提案されている。
特許文献3に記載の装置では、一対の円盤状チャッキング手段によってウェハーを表裏両側から挟持する。これにより、ウェハーの表裏両面の主部分を覆う一方、外縁を露出させる。各チャッキング手段の周縁にはOリングが設けられており、このOリングが、ウェハーの両面の主部分と外縁の境に押し当てられる。これによって、プラズマガスがウェハーの主部分に入って来ないようにシールがなされている。そして、露出したウェハー外縁を、環状の閉鎖空間の内部に臨ませる。この閉鎖空間にプラズマ化した処理ガスを供給することにより、ウェハー外縁の膜を除去する。使用済みのガスは、閉鎖空間の一箇所に連なる排気路により排出される。
特許文献4に記載の装置は、環状のプラズマ吹出し口を有している。この環状吹出し口の下方にウェハーの外縁を沿わせるように配置する。環状吹出し口からのプラズマは、ウェハーの上面の外縁部に当たり、外端面に沿って下降し、裏側に回り込む。この裏側から吸引排気される。また、別途、キャリアガスをウェハーの上面の中央部に吹き付け、放射状に拡散させることにより、ウェハー外縁に吹き付けられたプラズマが内側(すなわちウェハーの主部分)に流れ込むのを阻止している。
特開平3−268419号公報(第1頁、図1) 特開平11−274147号公報(第1頁、図1) 特開平5−82478号公報(第1頁、図1) 特開平8−279494(第1頁、図1、図10)
特許文献1、2に記載のウェットエッチングによるウェハー外縁の膜除去方法では、外縁だけでなく主部分の膜までもがエッチング液の水分で脆くなったり、廃液の処理のために膨大なコストを要したりするという問題がある。また、物理的研磨時の応力分散のためには、膜の外端面をスロープ形状にするのが望ましいが、ウェットエッチングでは、シャープなエッジ形状になってしまい、スロープ形状にするのは困難である。
特許文献3のプラズマエッチング装置によれば、一対のチャッキング手段のOリングで挟み付けられた部分のチップがダメージを受けるおそれがあるだけでなく、その部分の膜が割れて微細な塵になってコンタミネーションの原因となるおそれがある。また、ウェハーの径方向の外側に、環状の閉鎖空間形成用のハウジングを必要とするため、大型になってしまい、従来のスピンコーターのウェットエッチング機構に替えて組み込むのが困難である。
特許文献4のプラズマエッチング装置によれば、ウェハー外縁でプラズマとキャリアガスの合流が起き、流れを制御するのが容易でなく、外縁の膜除去精度を確保するのが難しい。キャリアガスを止めると、プラズマがウェハーの主部分に侵入するおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ウェハー外縁に対しプラズマエッチングをはじめとするプラズマ処理を行なう際、コンタミネーション等の発生を防止するとともに、ウェハーの外縁より内側の処理対象外の部分(主部分)までもが処理されてしまうのを確実に防止することを目的とする。
上記問題点を解決するため、本発明は、略常圧の環境下において処理ガスを一対の電極どうし間のプラズマ化空間に通すとともに該空間に連なる吹出し孔から吹出し、ウェハーの外縁をプラズマ処理する装置であって、上記吹出し孔は、ウェハーと交差すべき孔軸を有するとともに、吹出し流がウェハーの外縁より内側の主部分(処理対象外の部分)に直接吹き付けられない程度に小径ないしは幅細になっており、この吹出し孔の直近には、上記吹出し流とはほぼ逆方向の吸込み流を形成する吸込み孔が設けられていることを特徴とする。
本発明の装置によれば、処理ガスがウェハーの主部分すなわち処理対象外の部分に流れるのを防止でき、この処理対象外部分を保護することができる。よって、処理対象外部分を覆う必要がなく、さらには、処理対象外部分と処理対象部分との境にOリングなどを押し付けてシールする必要がない。また、吹出し孔軸がウェハーと交差しているので、電極および吹出し孔や吸込み孔の構成部材をウェハーの径方向の外側に大きく突出させて配置する必要が無く、小型化を図ることができる。さらに、吸込み孔を吹出し孔の直近に設け、吹出し流とはほぼ逆方向の吸込み流を形成することにより、処理ガス流を容易に制御でき、ウェハーの外縁のみを処理するように処理範囲(処理幅)を確実に制御でき、ウェハーの外縁より内側の処理対象外の部分(主部分)までもが処理されてしまうのを確実に防止することができる。
ここで、上記吹出し孔が、スポット状(すなわち小径)をなし、上記吸込み孔が、このスポット状吹出し孔を囲む環状をなしていてもよい。
これによって、処理範囲を確実に制御できる。
上記吹出し孔が、ウェハーの外縁に沿うべく弧状に延びており、上記吸込み孔が、上記弧状吹出し孔の外側の縁に沿う弧状の外側吸込み孔部と、上記弧状吹出し孔の内側の縁に沿う弧状の内側吸込み孔部の少なくとも一方を有していてもよい。
これによって、ウェハー外縁を周方向の広い範囲にわたって一度にプラズマ処理することができ、処理効率を高めることができる。この場合、上記一対の電極は、互いに曲率の異なる断面弧状に構成するとよい。
上記吹出し孔が、ウェハーの外縁の全周に沿うべく環状をなしており、上記吸込み孔が、上記環状吹出し孔の外側の縁に沿う環状の外側吸込み孔部と、上記環状吹出し孔の内側の縁に沿う環状の内側吸込み孔部の少なくとも一方を有していてもよい。
これによって、ウェハー外縁の全周を一度にプラズマ処理することができ、処理効率を一層高めることができる。この場合、上記一対の電極は、二重環状に構成するとよい。
上記一対の電極が収容されるとともに上記吹出し孔と吸込み孔が形成されたノズルヘッドをウェハーの外縁に沿って相対回転させる回転手段を、更に備えるのが望ましい。
これによって、ウェハーの外縁に沿ってプラズマ処理を行なうことができる。勿論、ノズルヘッドを回転させてもよく、ウェハーを回転させてもよい。
片面が上記吹出し孔の周面を構成するとともに反対面が上記吸込み孔の周面を構成する隔壁によって吹き出し孔と吸込み孔が隔てられており、この隔壁が、先端(ウェハーの側)に向かうにしたがって薄肉になっていることが望ましい。
これによって、吸込み孔を吹出し孔に確実に近づけて配置することができ、処理ガス流の制御を確実に行なうことができる。
上記隔壁の先端が、ナイフエッジ状をなし、上記吹出し孔の周面の先端縁と上記吸込み孔の周面の先端縁どうしが、略くっ付いていることが望ましい。
これによって、吹出し孔と吸込み孔を一層確実に近づけて配置することができ、処理ガス流を一層確実に制御できる。
上記吹出し孔が、ウェハーより径方向外側に若干はみ出すようになっていることが望ましい。
これによって、ウェハーの表側面の外縁部だけでなく、外端面をもプラズマ処理することができる。
ウェハーをその中心軸まわりに所定の回転速度で回転させる回転手段を備えるのが望ましい。
これによって、処理効率を一層高めることができる。
ウェハーの外縁周辺にウェハーから離れる向きに所定の勢いの気流を形成する気流形成手段を備えることにしてもよい。
これによって、処理効率を一層高めることができる。上記所定の勢いは、上記吹出し孔からの吹出し流のウェハー外縁への到達を十分許容し、且つプラズマ処理に伴う副生成物等を十分飛散させ得る程度が好ましい。
上記気流形成手段が、ウェハーをその中心軸まわりに回転させる回転手段であることが望ましい。
これによって、ウェハーの外縁周辺にウェハーから離れる向きの気流を確実に形成することができる。
上記回転手段が、ウェハーの裏面にのみ当接して支持するウェハー支持部と、このウェハー支持部を回転させる回転駆動部とを有していることが望ましい。
これによって、ウェハーの表側面(被処理面)に触れることなく、ウェハーを回転させることができる。
ウェハーの処理幅を設定する処理幅設定手段と、上記吸込みの吹出しに対する流量比を上記設定処理幅に応じて調節する流量比調節手段とを備えるのが望ましい。
これによって、所望の処理幅を確実に得ることができる。
上記吹出し孔とウェハーの間隔すなわちワーキングディスタンスを調節するワーキングディスタンス調節手段を設けるのが望ましい。
これによって、処理幅等を調節することができる。
また、本発明は、略常圧の環境下において処理ガスを一対の電極間のプラズマ化空間に通して吹出し、ウェハーの外縁をプラズマ処理する方法であって、上記処理ガスの吹出し流を、ウェハーとの交差方向に沿わせウェハー外縁に当てるとともに外縁より内側の処理対象外の部分には直接吹き付けられない程度に細くし(小径状と幅細状を含む)、同時に、上記吹出し流の直近に、吹出し流とはほぼ逆向きの吸込み流を形成することを特徴とする。
これによって、上記装置に係る発明と同様の効果を得ることができる。
ここで、上記吹出しと併行して、ウェハーをその中心軸まわりに回転させ、この回転速度を所望の処理レートに応じて調節することが望ましい。
これによって、処理効率を確実に高めることができる。
上記吹出しに対する吸込みの流量比を、所望の処理幅に応じて調節することが望ましい。
上記処理ガスの吹出し孔とウェハーの間隔すなわちワーキングディスタンスを、所望の処理幅に応じて調節することが望ましい。
さらに、本発明は、略常圧の環境下においてエッチング用処理ガスを一対の電極間のプラズマ化空間に通して吹出し、ウェハーの外縁をプラズマエッチングする方法であって、上記処理ガスの吹出し流を、ウェハーとの交差方向に沿わせウェハー外縁に当てるとともに外縁より内側のエッチング対象外の部分には直接吹き付けられない程度に細くし、同時に、上記吹出し流の直近に、吹出し流とはほぼ逆向きの吸込み流を形成することを特徴とする。勿論、当該エッチング工程に先立ち、ウェハーへの成膜工程を実行する。この成膜は、プラズマ法で行なってもよく、低圧法で行なってもよく、常圧CVD法で行なってもよい。
本発明に係るプラズマエッチング方法によれば、プラズマ化(活性化、イオン化、ラジカル化を含む。)されたエッチング用処理ガスがウェハーの主部分すなわちエッチング対象外の部分に流れるのを防止でき、エッチング対象外部分がエッチングされてしまうのを防止することができる。よって、エッチング対象外部分を覆う必要がなく、さらには、エッチング対象外部分とエッチング対象部分との境にOリングなどを押し付けてシールする必要がない。この結果、押し付け部分から微細な塵等が生じるのを防止でき、コンタミネーションを確実に防止でき、歩留まりを向上させることができる。また、吹出し孔軸がウェハーと交差しているので、電極および吹出し孔や吸込み孔の構成部材をウェハーの径方向の外側に大きく突出させて配置する必要が無く、小型化を図ることができる。したがって、フォトレジストにおいては、従来のスピンコーターにウェットエッチング機構と置き換えるようにして簡単に組み込むことができる。さらに、吸込み孔を吹出し孔の直近に設け、吹出し流とはほぼ逆方向の吸込み流を形成することにより、処理ガス流を容易に制御でき、ウェハーの外縁のみをエッチング処理するようにエッチングの範囲(エッチング幅)を確実に制御でき、ウェハーの主部分までもがエッチングされてしまうのを確実に防止することができる。
上記吹出しと併行して、ウェハーをその中心軸まわりに回転させ、この回転速度を所望のエッチングレートに応じて調節することが望ましい。
これによって、エッチング効率を確実に高めることができる。
上記吹出しに対する吸込みの流量比を、所望のエッチング幅またはエッチングプロファイル(エッチング後の主部分の膜の周端面の傾斜角度等の形状)に応じて調節することが望ましい。または、上記処理ガスの吹出し孔とウェハーの間隔すなわちワーキングディスタンスを、所望のエッチング幅またはエッチングプロファイルに応じて調節することが望ましい。傾斜角度をなだらかにすれば、機械的強度の弱い低誘電体膜等であっても、表面研磨等を施す際のコンタミネーションを確実に防止することができる。
ウェハーの裏面にのみ当接するウェハー支持部によってウェハーを支持し、このウェハー支持部を回転させ、ひいてはウェハーをその中心軸まわりに回転させながら、上記吹出しを行なうことが望ましい。これによって、ウェハーの表側面に触るのを回避でき、コンタミネーション等を確実に防止できるとともに、処理効率を高めることができる。
本発明によれば、処理ガスや副生成物がウェハーの主部分すなわち処理対象外の部分に流れるのを防止でき、この処理対象外部分を保護することができる。よって、処理対象外部分を覆う必要がなく、さらには、処理対象外部分と処理対象部分との境にOリングなどを押し付けてシールする必要がない。さらに、処理ガス流を容易に制御でき、処理範囲を確実に制御することができる。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態を示したものである。第1実施形態では、常圧プラズマエッチング装置M1によって半導体ウェハー90の外縁(処理対象部分)のプラズマエッチングを行っている。
はじめに、ウェハー90について説明する。図1および図3に示すように、ウェハー90は、シリコンなどの半導体によって円形状に形成され、その上面すなわち表側面にフォトレジストなどの膜92がスピンコーティングにて成膜されている。成膜工程では、膜92が、ウェハー90上面の主部分(外縁を除くその内側の部分)だけでなく、ウェハー90の外縁すなわち上面の外縁部および外端面にまで及んでいる。このウェハー90外縁の処理対象膜(図3において仮想線)を、符号「92b」で表し、それ以外の上面の主部分の処理対象外の膜(図3において実線)を、符号「92a」で表すことにする。
常圧プラズマエッチング装置M1について説明する。
図1に示すように、常圧プラズマエッチング装置M1は、ノズルヘッド1と、このノズルヘッド1に接続された処理ガス源2および電圧印加装置3と、ロータリーステージ4(回転手段、気流形成手段、ウェハー支持手段)とを備えている。ロータリーステージ4は、円盤形状をなすステージ本体4c(ウェハー支持部)と、このステージ本体4cを中心軸4aの周りに回転させる回転駆動部4bとを有している。ステージ本体4c上に、処理対象のウェハー90が中心を一致させて水平に載せられるようになっている。詳細な図示は省略するが、ステージ本体4cには、ウェハー90の下面すなわち裏面を真空吸着するウェハー固定手段が設けられている。
ノズルヘッド1は、上記ウェハー90の外縁の上方に位置するようにして、架台(図示せず)に取り付けられている。図2に示すように、ノズルヘッド1は、軸線を上下に向けたボディ10と、このボディ10内に装填された絶縁ホルダ20とを備えている。ボディ10は、導電金属製の3つのボディ構成部材11,12,13を上下に連ねた三段筒形状をなしている。下段のボディ構成部材13の内周に筒状のアース電極40が装着されている。アース電極40は、ボディ10および上記架台を介してアースされている。アース電極40の内周面には、固体誘電体層41が被膜されている。
絶縁ホルダ20は、絶縁樹脂製の3つのホルダ構成部材21,22,23を上下に連ねた筒形状をなしている。下段のホルダ構成部材23に、有底筒状のホット電極30が装着されている。ホット電極30は、アース電極40内に挿入されている。ホット電極30の外面には、固体誘電体層31が被膜されている。ホット電極30の内部には、導電金属製のパイプ32の下端部が挿入されている。導電パイプ32は、中間部で導電リング33を介してホット電極30と導通するとともに、上端部が、ホルダ20の上方へ突出し、上記電圧印加装置3に接続されている。
処理ガス源2からのエッチング用処理ガスは、ノズルヘッド1のボディ構成部材11やホルダ構成部材22,23などに形成された処理ガス供給路1bを経て、電極30,40どうし間のプラズマ化空間1aに導入されるようになっている。なお、エッチング用処理ガスとしては、例えば、フッ素系化合物(CF,C,CHF等)、酸素、窒素、不活性ガス(Ar,He等)等の単体またはこれらの混合ガスが用いられる。
一方、電圧印加装置3からの電圧が、導電パイプ32および導電リング33を経て、ホット電極30に印加される。これにより、プラズマ化空間1aに電界が形成され、処理ガスがプラズマ化されるようになっている。
プラズマ化空間1aの下端部は、ボディ構成部材13の下端部に設けられたノズル部50の吹出し孔52aに連なっている。ノズル部50は、導電金属製のアウターノズルピース51と、その上面の凹部に収容された絶縁樹脂製のインナーノズルピース52とを有している。インナーノズルピース52の中央に、小径スポット状の上記吹出し孔52aが、孔軸L(図3)を垂直に向けるようにして形成されている。この吹出し孔52aの下端開口(先端開口)から上記プラズマ化された処理ガスが真下に吹出されるようになっている。すなわち、処理ガスの吹出し方向が、水平をなすウェハー90の表側面に対して直交(交差)している。
図3に最も良く示されているように、吹出し孔52aは、ウェハー90の外縁の真上に近接して配されるようになっている。吹出し孔52aの直径は、極めて小さく、エッチングしようとする膜92bの幅すなわち処理幅と同程度しかない。(吹出し孔52aは、ウェハー外縁の処理対象幅と同程度に小径(幅細)である。)
図2、図3、図4に示すように、2つのノズルピース51,52の間には、吹出し孔52aを囲む環状の吸込み孔50aが形成されている。インナーノズルピース52の下面中央には、これら孔52a,50aの隔壁として、環状凸部52bが設けられている。環状凸部52bの内周面(片面)が、吹出し孔52aの先端部分の外周面を画成し、外周面(反対面)が、吸込み孔50aの先端部分の内周面を画成している。環状凸部52bは、先端(下端)に向かうにしたがって薄肉になっている。詳述すると、環状凸部52bにおける吹出し孔52aを画成する内周面は、吹出し孔52aの軸線に沿って一様断面のストレート状になる一方、吸込み孔50aを画成する外周面は、下方へ向かうにしたがって縮径して吹出し孔52aに近づくテーパ状になっている。これらストレートな面とテーパ面とが交差することにより、環状凸部52bの下端(先端)がナイフエッジ状になっている。これによって、ノズル部50の下端面すなわちノズルヘッド1の先端面において、吸込み孔50aの先端開口の内周縁と吹出し孔52aの先端開口の外周縁とがくっついている。
図2に示すように、吸込み孔50aは、ノズルヘッド1のボディ構成部材13、ホルダ構成部材23,22、およびボディ構成部材11に順次形成された吸込み路1cを介して、排気ポンプ5(排気手段)に連なっている。
なお、図1に示すように、パイプ32の上端開口には、冷却水供給部6が接続されている。この供給部からの冷却水が、パイプ32を通った後、ホット電極30の内周とパイプ32の外周との間を通ることにより、ホット電極30を冷却する。その後、冷却水は、ホルダ構成部材23およびボディ構成部材13に形成された連通水路(図示せず)を経て、アース電極40の外周とボディ13との間の空間1dを回ることにより、アース電極40を冷却する。その後、冷却水は、ボディ構成部材13、ホルダ構成部材23,22、およびボディ構成部材11に順次通された排水通路(図示せず)を経て、排出されるようになっている。
上記のように構成された常圧プラズマエッチング装置M1によるウェハー外縁のエッチング方法を説明する。
被膜工程により膜92を形成した後のウェハー90をロータリーステージ4上にセットする。そして、ロータリーステージ4ひいてはウェハー90を所定の回転速度で回転させる。回転速度の大きさの設定方法については、後述する。
そして、処理ガス源2からの処理ガスを、ノズルヘッド1のプラズマ化空間1aに導くとともに、電圧印加装置3により電界を印可してプラズマ化し、吹出し孔52aから吹出す。これによって、図3に示すように、ウェハー90上面の外縁部にプラズマが吹き付けられ、この外縁部の膜92bをエッチングして除去することができる。また、吹出し孔52aが僅かにウェハー90の径方向外側にはみ出していることによって、ウェハー90の外端面にもプラズマが当たり、この外端面の膜92bをもエッチングして除去することができる。
しかも、吹出し孔52aからの吹出し流は、極めて細いため、ウェハー90の外縁(上面の外縁部および外端面)にしか当たらないようにすることができる。すなわち、ウェハー90上面の外縁部より内側の主部分すなわち処理対象外の部分の膜92aには、直接当たることがないようにすることができ、処理対象外の膜92aを保護することができる。
更に、処理ガスの吹出しと同時に、排気ポンプ5を駆動する。これによって、吹出し流を囲むようにしてその直近に、上向きの吸込み流が形成される。これによって、処理ガスやエッチングにより生じた副生成物の流れを容易に制御でき、ウェハー90の主部分への流れ込みを一層確実に防止でき、処理対象外の膜92aを一層確実に保護することができる。よって、膜92aを覆ったり、膜92aと膜92bとの境にOリングなどを押し付けてシールしたりする必要がない。この結果、膜92aが割れて微細な塵が生じるおそれを無くすことができ、コンタミネーションの発生を確実に防止することができる。ひいては、歩留まりを向上させることができる。
そして、エッチング後の処理ガスや副生成物は、吸込み孔50aに吸込まれ、吸込み路1cを経て、排気ポンプ5から排出される。排気ポンプ5の出力、ひいては処理ガスの吹出しと吸込みの流量比を操作することによって、エッチング幅(処理幅)は勿論、エッチングプロファイル、すなわち処理対象膜92bをエッチングした後の膜92aの周端面の傾斜角度などを調節することができる。
上記処理ガスの吹出しと併行してウェハー90が回転されることによって、ウェハー90の外縁が全周にわたってエッチングされる。
図5の実験結果(後記実施例1)から明らかなように、ウェハー90の回転速度に対してエッチングレート(処理レート)は、上に凸の放物線状の曲線を描く。そこで、エッチングレートが略最大になるように、ロータリーステージ4の回転速度を設定する。これによって、エッチングの処理効率を高めることができる。ところで、回転によってウェハー90の外縁の周辺には、ウェハー90のほぼ接線方向に沿ってウェハー90から離れる向きに気流が形成される。この気流によって、ウェハー外縁のエッチング箇所から副生成物を外側に飛散させることができる。この気流の勢いが大きければ大きいほど、副生成物をより速やかに飛散させることができる。しかし、気流の勢いがあまり大きいと、吹出し孔52aからの処理ガスの吹出し流がウェハー90に届きにくくなる。回転速度によってエッチングレートが変化するのは、このような理由によるものと考えられる。したがって、吹出し流のウェハー90への到達を十分に許容するとともに、副生成物を十分飛散させ得る程度に、ロータリーステージ4の回転速度ひいては気流の勢いを設定することにより、処理効率を十分に高くすることができる。
なお、上記気流によって飛散した副生成物は、別途設けた排気機構によって吸引し、除去することができる。
常圧プラズマエッチング装置M1においては、ノズルヘッド1をウェハー90の外縁部の上方に近接配置すればよく、ウェハーの径方向の外側に大きく突出するような装置構成にはならず、小型化を図ることができる。したがって、従来のスピンコーターにウェットエッチング機構と置き換えるようにして簡単に組み込むことができる。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において、既述の実施形態と同様の構成に関しては、図面に同一符号を付して説明を簡略化する。
図6および図7は、本発明の第2実施形態を示したものである。第2実施形態に係る常圧プラズマエッチング装置M2のノズルヘッド1Aは、円形状のウェハー90の外縁に沿うように平面視円環形状をなしている。このノズルヘッド1Aの内部に、二重円環構造の電極30A,40Aが収容されている。
詳述すると、装置M2のホット電極30Aとアース電極40Aは、互いに大きさの異なる円環形状をなし、同心円上に配置されている。この実施形態では、ホット電極30Aが内側に配され、アース電極40Aが外側に配されているが、その逆でもよい。これら電極30A,40Aの互いに近接して対向する周面の直径は、ウェハー90の直径と大略同じになっている。これら電極30A,40Aの対向周面間が、幅細円環形状のプラズマ化空間1aとなっている。装置M2のノズルヘッド1Aには、処理ガス源2からのエッチング用処理ガスをプラズマ化空間1aの周方向に均一化させて空間1aの上端開口へ導入するガス均一導入部(図9の符号19参照)が設けられている。
なお、図6において、電極30,40の幅寸法(外周と内周の半径差)は、ウェハー90の大きさに対して誇張して図示してある。
電極30A,40Aの下方のノズル部50には、二重環状をなす一対のノズルピース52A,52Bが設けられている。これらノズルピース52A,52Bの間に、幅細円環形状の吹出し孔52aが形成されている。吹出し孔52aは、プラズマ化空間1aと全周にわたって連なっている。この吹出し孔52aが、ウェハー90の真上に近接して、ウェハー90の外縁の全周に沿うように配置されている。吹出し孔52aの幅(径方向外側の縁と内側の縁との半径差)は、ウェハー90外縁の処理対象膜92bの幅より若干大きい程度になっている。更に詳細に説明すると、吹出し孔52aの外側の縁は、ウェハー90の外縁より若干径方向外側に位置し、吹出し孔52aの内側の縁は、処理対象の膜92bと処理対象外の膜92aとの境の付近に位置するようになっている。
ノズルピース52A,52Bは、二重環状をなす一対のノズルピース51A,51Bによって内外から囲まれている。内側のノズルピース52Aとノズルピース51Aとによって、内側吸込み孔部50aINが形成されている。吸込み孔部50aINは、吹出し孔52aの内側の縁に沿う円環形状をなしている。吸込み孔50aINは、先端に向かうにしたがって吹出し孔52aに近づくように径方向外側に傾けられている。外側のノズルピース52Bとノズルピース51Bとによって、外側吸込み孔部50aOUTが形成されている。吸込み孔部50aOUTは、吹出し孔52aの外側の縁に沿う円環形状をなしている。吸込み孔50aOUTは、先端に向かうにしたがって吹出し孔52aに近づくように径方向内側に傾けられている。吸込み孔部50aOUT,50aINの各々から吸込み路1cが延び、互いに合流して排気ポンプ5に連なっている。
内側のノズルピース52Aは、吹出し孔52aと内側の吸込み孔部50aINを仕切る隔壁になっている。ノズルピース52Aの外周面(吹出し孔52aの内周面を画成する面)は、垂直をなす一方、ノズルピース52Aの内周面(吸込み孔部50aINの外周面を画成する面)は、下方に向かうにしたがって拡径するテーパ状になっている。これによって、ノズルピース52Aの下端(先端)が、ナイフエッジ状に尖っている。吹出し孔52aの先端開口の内周縁と吸込み孔50aINの先端開口の外周縁とがくっついている。
同様に、外側のノズルピース52Bは、吹出し孔52aと外側の吸込み孔部50aOUTを仕切る隔壁になっている。ノズルピース52Bの内周面(吹出し孔52aの外周面を画成する面)は、垂直をなす一方、ノズルピース52Bの外周面(吸込み孔部50aOUTの内周面を画成する面)は、下方に向かうにしたがって縮径するテーパ状になっている。これによって、ノズルピース52Bの下端(先端)が、ナイフエッジ状に尖り、吹出し孔52aの先端開口の外周縁と吸込み孔50aOUTの先端開口の内周縁とがくっついている。
なお、図6、図7において、円環状の電極30A,40Aやノズルピース51A,51B,52A,52Bの幅寸法(外側の周面と内側の周面の半径差)は、ウェハー90の大きさに対して誇張して図示してある。ノズルヘッド1は、ウェハー90の径方向外側に僅かしか突出しておらず、装置構成が大型化しているわけではない。
第2実施形態に係る装置M2によれば、円環形状の空間1aでプラズマ化された処理ガスを、円環形状の吹出し孔52aからウェハー90の外縁の全周に一様に吹き付けることができ、外縁の膜92bを全周にわたって一度にエッチングすることができ、処理の一層の効率化を図ることができる。
なお、第2実施形態においても、ロータリーステージ4によってウェハー90を所定速度で回転させ、外縁の周辺に所定勢いの気流を発生させるのが望ましい。これによって、エッチングレートを最大にすることができ、処理効率を一層向上させることができる。円環状のアウターノズルピース51の中央穴部51bに上から空気や不活性ガスを送り、これを、アウターノズルピース51の下面とウェハー90との間に通すことにより、ウェハー90の外縁周辺にウェハー90から径方向外側に離れる向きの所定勢いの気流が形成されるようにしてもよい。
図8は、本発明の第3実施形態を示したものである。この実施形態に係る常圧プラズマエッチング装置M3のノズルヘッド1Bは、前記第2実施形態の円環形状のノズルヘッド1Aを周方向に一部だけ取り出し、平面視円弧形状にしたものである。すなわち、ノズルヘッド1Bの電極30B,40B、吹出し孔52a、吸込み孔部50aOUT,50aINは、ロータリーステージ4の中心軸4aを中心とする平面視円弧形状になっている。吸込み孔50aは、上記吸込み孔部50aOUT,50aINに加えて、これら孔部50aOUT,50aINの周方向に沿う両端を連ねる一対の端孔部50aENDを有している。
勿論、装置M3においては、ロータリーステージ4によってウェハー90を回転させることにより、ウェハー90の外縁全周をエッチングする。
図9は、本発明の第4実施形態を示したものである。この実施形態に係る常圧プラズマエッチング装置M4は、第2実施形態と同様の円環形状のノズルヘッド1Aを備えている。処理ガス源2からの処理ガスは、マスフローコントローラ(以下、「MFC」という)2mによって流量調節されたうえで、ノズルヘッド1Aのガス均一導入部19へ供給される。このガス導入部19で周方向に均一化されて、同軸二重円環状の電極30A,40A間の環状プラズマ空間1aに導入される。そして、電圧印加装置3による電界印加によってプラズマ化され、環状の吹出し孔52aの全周から均一に吹出され、ウェハー90の外縁の全周に一様に吹き付けられる。これによって、ウェハー90外縁の全周をプラズマエッチングできる。
同時に、ロータリーステージ4のステージ本体4cが所定速度で回転され、エッチングレートが高められる。
なお、ロータリーステージ本体4cの周辺には、ウェハー90の外縁部分を全周にわたって加熱する環状の第1加熱手段61が設けられている。これによって、エッチングレートを一層高めることができる。更に、ロータリーステージ本体4cの内部には、ウェハー90の中央部分を加熱する第2加熱手段62が内蔵されている。これによって、ウェハー90を全体的に加熱でき、温度差による反りを防止できるとともに、ウェハー90の外縁部分から中央部分への熱の逃げを防止できる。
処理ガスの吹出しと同時に、処理済みガスが、吹出し孔52aの外周及び内周に沿う吸込み孔50aOUT,50aINから吸込まれ、排気管5Aを介し、排気ポンプ5から排気される。この排気量ひいては吸込み孔50aOUT,50aINから吸込み流量は、排気管5aに設けられた流量制御弁5Vによって調節できる。
流量制御弁5Vは、コントローラ(制御手段)70によって制御される。詳細な図示は省略するが、コントローラ70には、作業者がウェハーの所望のエッチング幅(処理幅)を設定入力するためのエッチング幅設定手段(処理幅設定手段)や、ウェハーのエッチング幅と、処理ガスの吹出しと吸込みの流量比との関係(図10参照)を示すテーブルや、流量制御弁5Vの駆動回路等が格納されている。制御手段70は、エッチング幅の設定入力値と上記テーブルとMFC2mによる吹出し流量とに基づいて、所要の吸込み流量を求め、この所要吸込み流量になるように流量制御弁5Vを制御する。これによって、所望のエッチング幅を得ることができる。
なお、処理ガスの吹出し流量を一定とすると、吸込み流量が増大するにしたがって、エッチング幅が小さくなる。
コントローラ70は、流量制御弁5Vと併せてMFC2mをも制御することにより、吹出しと吸込みの流量比を調節するようになっていてもよい。コントローラ70とMFC2mと流量制御弁5Vとは、互いに協働して「流量比調節手段」を構成している。
本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の形態を採用可能である。
例えば、吹出し孔52aの孔軸は、ウェハー90の表側面と直交する向きに対して多少傾いていてもよい。
ウェハー90の下側(裏側)にも同様のノズルヘッド1を配置し、ウェハー90の下面(裏面)の外縁部を洗浄したり、下面まで及んだ膜をエッチングしたりすることにしてもよい。
ウェハーへの成膜は、スピンコーティング法に限らず、常圧CVD法やプラズマ法等の他の成膜法を用いて行なうことにしてもよい。
第2〜第3実施形態の装置M2〜M3では、内側吸込み孔部50aINと外側吸込み孔部50aOUTのうち何れか一方のみから吸込みを行なうことにしてもよい。2つの孔部50aIN,50aOUTからの吸込み流量が互いに異なっていてもよく、別個に調節されるようになっていてもよい。或いは、これら孔部50aIN,50aOUTのうち何れか1つだけが形成されていてもよい。
第4実施形態の装置M4において、更に、ワーキングディスタンス調節手段を設けることにしてもよい。このワーキングディスタンス調節手段は、ロータリーステージ4(またはノズルヘッド1)を上下動させることにより両者を接近離間させ、ひいてはワーキングディスタンスWD(すなわち吹出し口52aとウェハー90との間隔)を調節する。これによって、処理幅や処理後の膜92aの周縁部のスロープの形状(すなわちエッチングプロファイル)が所望になるように調節することができる。
図1に示す第1実施形態の装置M1と同様の装置を用い、以下の条件の下で、回転数に対するエッチングレートの実験を行なった。
シリコンウェハーの直径及び厚さ:200mmφ、0.725mmt
膜の成分:無機系Low−k膜
処理ガス:CFが260sccm、HOが5.0sccm
吹出しと吸込みの流量比:2.0
印加電圧:10kV、20kHz
ワーキングディスタンス:0.5mm
結果を図5に示す。エッチングレートは、上に凸の放物線状になった。エッチングレートが最大になる有限の回転数が存在することが判明した。回転数を調節することによりエッチングレートを制御できることが判明した。
図9に示す第4実施形態の装置M4と同様の装置を用いた。但し、内側吸込み孔部50aINは塞ぎ、外側吸込み孔部50aOUTのみで吸込みを行なった。そして、以下の条件の下で、処理幅と、吹出しと吸込みの流量比との関係を測定した。
膜の成分:SiO
膜厚:2500オングストローム
処理ガス:CF
吹出しの流量:4リットル/分
処理時間:30秒
回転数:250rpm
ワーキングディスタンス:1.0mm
結果を図10に示す。吹出しに対する吸込みの流量比が大きくなるにしたがって、エッチング幅が小さくなることが確認された。
図9に示す第4実施形態の装置M4と同様の装置を用い、以下の条件の下でエッチングを行ない、ウェハーの任意の位置(図11(a)の横軸の目盛り「1」)から径方向外側に向けて膜厚を測定した。
膜の成分:SiO
成膜厚さ:2500オングストローム
処理ガス:CF
吹出しの流量:4リットル/分
処理時間:30秒
回転数:250rpm
ワーキングディスタンス:1.0mm
外側吸込み孔部50aOUTの吸込み量:5リットル/分
内側吸込み孔部50aINの吸込み量:5リットル/分
結果を図11(a)に示す。エッチング処理幅aは、a=0.46mmであった。エッチング後の膜92aの周端のスロープ幅bは、b=3.1mmであった。また、ウェハーの外端面の全周にわたってノッチ部分も含め膜をすべて除去することができた。
また、内側吸込み孔部50aINを塞いでその吸込み量をゼロとし、他の条件は上記実施例3と同じにしてエッチングを行ない、ウェハーの任意の位置(図11(b)の横軸の目盛り「1」)から径方向外側に向けて膜厚を測定した。
結果を図11(b)に示す。処理幅aは、a=1.01mmであった。スロープ幅bは、b=1.5mmであった。
実施例3および4から、内外の吸込み孔部50aIN,aOUTの吸込み流量を調節することによって、エッチング幅やスロープ幅ひいてはエッチングプロファイルを制御できることが判明した。
図9に示す第4実施形態の装置M4と同様の装置を用い、以下の条件の下で、ワーキングディスタンス(WD)を変えてエッチングを行ない、ウェハーの任意の位置(図12の横軸の目盛り「0」)から径方向外側に向けて膜厚を測定した。
膜の成分:SiO
成膜厚さ:2500オングストローム
処理ガス:CF
吹出しの流量:4リットル/分
処理時間:30秒
回転数:250rpm
外側吸込み孔部50aOUTの吸込み量:5リットル/分
内側吸込み孔部50aINの吸込み量:5リットル/分
結果を図12に示す。ワーキングディスタンスを変えることにより、エッチング幅やスロープ幅ひいてはエッチングプロファイルを調節できることが判明した。
図9に示す第4実施形態の装置M4と同様の装置を用い、以下の条件の下で、回転数を変えてエッチングを行ない、エッチング深さ(処理深さ)を測定した。
膜の成分:SiO
膜厚:2500オングストローム
処理ガス:CF
吹出しの流量:4リットル/分
処理時間:20秒
ワーキングディスタンス:1.0mm
外側吸込み孔部50aOUTの吸込み量:5リットル/分
内側吸込み孔部50aINの吸込み量:5リットル/分
結果を図13に示す。実施例1と同様に、回転数を変えることにより、エッチングレートを調節できることが判明した。
〔比較例〕
図9に示す第4実施形態の装置M4と同様の装置を用いた。但し、排気ポンプ5を停止し、吸込み孔50aIN,50aOUTからの吸引排気を行なわないこととした。そして、以下の条件の下でエッチングを行なった。
膜の成分:SiO
膜厚:2500オングストローム
処理ガス:CF
吹出しの流量:4リットル/分
処理時間:30秒
回転数:250rpm
その結果、ウェハーの主部分にまでエッチング範囲が広がってしまった。エッチング幅の再現性を得ることができなかった。
本発明の第1実施形態に係る常圧プラズマエッチング装置の概略構成図である。 上記常圧プラズマエッチング装置のノズルヘッドの縦断面図である。 上記ノズルヘッドの下端(先端)のノズル部と処置対象のウェハー外縁を拡大して示す断面図である。 上記ノズル部の底面図である。 実施例1におけるウェハーの回転速度とエッチングレートとの関係の実験結果を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係る常圧プラズマエッチング装置のノズルヘッドの底面図である。 図6のVII−VII線に沿うノズルヘッドの断面を含む第2実施形態に係る常圧プラズマエッチング装置の概略構成を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る常圧プラズマエッチング装置のノズルヘッドの底面図である。 本発明の第4実施形態に係る常圧プラズマエッチング装置の概略構成図である。 実施例2におけるエッチング処理幅と流量比の対応関係の測定結果のグラフである。 実施例3におけるウェハーの径方向位置に対する膜厚の測定結果のグラフである。 実施例4におけるウェハーの径方向位置に対する膜厚の測定結果のグラフである。 実施例5におけるウェハーの径方向位置に対する膜厚の測定結果のグラフである。 実施例6における回転数とエッチング深さの対応関係の測定結果のグラフである。
符号の説明
M1,M2,M3,M4 常圧プラズマエッチング装置(常圧プラズマ処理装置)
1,1A,1B ノズルヘッド
1a プラズマ化空間(電極間空間)
2 処理ガス源
2m MFC(流量比調節手段の構成要素)
4 ロータリーステージ(回転手段、気流形成手段)
4b 回転駆動部
4c ステージ本体(ウェハー支持部)
5 排気ポンプ
5V 流量制御弁(流量比調節手段の構成要素)
30,30A,30B ホット電極
40,40A,40B アース電極
52A,52B ノズルピース(隔壁)
50a 吸込み孔
50aIN 内側吸込み孔部
50aOUT 外側吸込み孔部
52a 吹出し孔
52b 環状凸部(隔壁)
70 コントローラ(流量比調節手段の構成要素)
90 ウェハー
92 膜
92a ウェハーの主部分の処理対象外の膜
92b ウェハー外縁の処理対象の膜
L 吹出し孔の孔軸

Claims (4)

  1. 略常圧の環境下において処理ガスを一対の電極どうし間のプラズマ化空間に通すとともに該空間に連なる吹出し孔から吹出し、ウェハーの外縁をプラズマ処理する装置であって、
    上記吹出し孔は、ウェハーと交差すべき孔軸を有するとともに、吹出し流がウェハーの外縁より内側の処理対象外の部分に直接吹き付けられない程度に小径ないしは幅細になっており、
    この吹出し孔の直近には、上記吹出し流とはほぼ逆方向の吸込み流を形成する吸込み孔が設けられており、
    ウェハーの外縁周辺にウェハーから離れる向きに所定の勢いの気流を形成するようにウェハーをその中心軸まわりに回転させる回転手段を備えたことを特徴とするウェハー外縁の常圧プラズマ処理装置
  2. 略常圧の環境下において処理ガスを一対の電極どうし間のプラズマ化空間に通すとともに該空間に連なる吹出し孔から吹出し、ウェハーの外縁をプラズマ処理する装置であって、
    上記吹出し孔は、ウェハーと交差すべき孔軸を有するとともに、吹出し流がウェハーの外縁より内側の処理対象外の部分に直接吹き付けられない程度に小径ないしは幅細になっており、
    この吹出し孔の直近には、上記吹出し流とはほぼ逆方向の吸込み流を形成する吸込み孔が設けられており、
    ウェハーの処理幅を設定する処理幅設定手段と、
    上記処理幅と、処理ガスの吹出しと吸込みの流量比との関係を示すテーブルと、
    上記流量比を上記設定処理幅と上記テーブルに基づいて調節する流量比調節手段とを備えたことを特徴とするウェハー外縁の常圧プラズマ処理装置。
  3. 略常圧の環境下において処理ガスを一対の電極間のプラズマ化空間に通して吹き出し、ウェハーの外縁をプラズマ処理する方法であって、
    上記処理ガスの吹出し流を、ウェハーとの交差方向に沿わせウェハー外縁に当てるとともに外縁より内側の処理対象外の部分には直接吹き付けられない程度に細くし、同時に、上記吹出し流の直近に、吹出し流とはほぼ逆向きの吸込み流を形成し、
    上記吹出しと併行して、ウェハーの外周周辺にウェハーから離れる向きに所定の勢いの気流を形成するようにウェハーをその中心軸まわりに回転させることを特徴とするウェハー外縁の常圧プラズマ処理方法。
  4. 略常圧の環境下において処理ガスを一対の電極間のプラズマ化空間に通して吹き出し、ウェハーの外縁をプラズマ処理する方法であって、
    上記処理ガスの吹出し流を、ウェハーとの交差方向に沿わせウェハー外縁に当てるとともに外縁より内側の処理対象外の部分には直接吹き付けられない程度に細くし、同時に、上記吹出し流の直近に、吹出し流とはほぼ逆向きの吸込み流を形成し、
    上記処理ガスの吹出しと吸込みの流量比を、ウェハーの処理幅と、当該処理幅と前記流量比との関係を示すテーブルとに基づいて調節することを特徴とするウェハー外縁の常圧プラズマ処理方法。
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