JP3691956B2 - インターコネクタおよび液晶表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は絶縁層を介して積層された複数の導体層の層間接続を行う層間接続構造(インターコネクタ)に関する。また本発明は、多層配線基板、液晶表示装置等のインターコネクタに関する。
また本発明は液晶表示装置に関する。さらに本発明は複数の液晶層を積層して表示画面を構成する液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は、薄型で低消費電力であり、PC(パーソナルコンピュータ)、ワードプロセッサ、EWS等のOA用電子機器の表示装置、あるいは電卓、電子ブック、電子手帳、ΡDA等の表示装置、さらにテレビジョン受像機のモニタをはじめとして多方面で用いられている。液晶表示装置は、特に消費電力が小さいことが例えばCRT、プラズマディスプレイなどの他のディスプレイと比べて優れた特徴であり、今後は例えばノート型PC、PDA、携帯テレビ、携帯電話、携帯FAX等の携帯型情報機器への応用が期待されている。これは、携帯型情報機器はバッテリー駆動する必要があり、表示装置も低消費電力でなければならないからである。携帯機器の場合、ディスプレイの消費電力が500mW以下、できれば数mW程度と小さいことが望ましい。
【0003】
液晶表示装置のうち、ディスプレイの表示面で画像を直接観察するようにしたものを直視型という。直視型の液晶表示装置には液晶セルの背面側に蛍光ランプなどの光源を組み込む透過型と、周囲光を利用して表示を行う反射型とがある。このうち反射型液晶表示装置はバックライトを必要としないことから低消費電力化に好適である。
【0004】
液晶表示装置における表示性能の向上をもたらす手法の一つとして、液晶層を積層化させる構造が考えられている。これは、利用可能な光量が制限される反射型液晶表示装置では特に有効な手法である。この液晶層を積層化させて表示性能の向上させた例として、反射特性の異なる液晶層を2層以上重ねて相乗効果により優れた反射特性を得たものがある。
【0005】
例えば、反射型液晶表示装置の一形態として、光の利用効率の観点から、偏光板を必要としないGΗ(ゲストホスト:Guest Host)方式の表示モードを用いることが最も有望である。GHモードを用いてアクティブマトリクス駆動を行うことにより、反射率が高く、コントラストも高い、液晶表示装置を実現することが試みられている。
【0006】
GH方式でカラー表示を行う液晶表示装置としては、例えばシアン、マゼンダ、イエロー等の3原色の色素をそれぞれに含有させた3層のGΗモードの液晶セルを積層したものが知られている。このような液晶表示装置でシアン・マゼンタ・イエローの3層構造で減法混色とすれば、光利用効率を向上することができる。 しかしながら、反射型、透過型を問わず、複数の画素を積層して単位絵素を構成するタイプの液晶表示装置では、積層された複数の液晶層にそれぞれ表示信号電圧を印加することが難しく、コストが高くなってしまうという問題がある。特に、積層した液晶層の層間に配設された画素電極に基板側から表示信号を印加しようとすると、液晶表示装置の構成は複雑になり、生産性も低下するし、コストも高いものになってしまう。
【0007】
複数の液晶層を積層または分離するためにはいくつかの手法が知られている。その一つは、分離膜を介して液晶層を積層する方法である。高い比誘電率をもつ薄いフィルムを液晶層の分離膜として用いることにより、分離膜による電圧の降下を抑えることができる。このような分離膜としては、絶縁性の膜または基板を用いることもできる。
【0008】
このような場合、複数の液晶層に表示信号に対応した電界を与えるために、液晶層の層間、または分離膜、分離基板の表面に画素電極を形成し、この画素電極に電気的に接続するためのコンタクトを形成しなければならない。この基材(分離膜または分離基板)を貫くコンタクト形成の際に用いられる方法としては以下のような方法がある。
すなわち、エッチングや基板自身の光化学反応等を用いて、基板にスルーホールを形成する。そして、このスルーホール部にメッキ法や導電体の注入し、絶縁膜を貫通するようなコンタクトを形成する。さらに、絶縁膜表面の研磨を行い、画素電極を形成する。
【0009】
また、反射型カラー液晶表示装置において、従来の透過型液晶表示装置のように平地に画素分割して3原色を配置するのではなく、同一画素に積層に配置した例がある。この場合、各層をそれぞれ独立に駆動する必要がある。このため、いくつかの構造が採用されている。1つは、各層に液晶層駆動用の素子を配置したガラス基板で積層構造を構成する方法である。これは、各層のガラス基板が、液晶駆動素子形成の基板となるだけでなく、層を分離する絶縁膜としての機能も果たしていることになる。また、各液晶層に導電性を有する部分を設けて各液晶層を分離する膜または基板間を電気的に結合し、各層を独立に駆動可能なセル構造を形成する場合もある。この場合、層分離する膜または基板についても、前記と同様に絶縁膜または基板の両面に画素電極を形成し、絶縁基板を貫くコンタクトを形成を行う。そして、さらに、選択的に各液晶層を貫くようなコンタクトを、形成する必要がある。この形成方法としては、液晶層の任意の場所に導電性のプラグを立てる方法がある。このブラグはフォトプロセスにより柱を立ててその周囲をメッキ法などで、覆うことによりコンタクトを得ている。
【0010】
従来の液晶層分離型構造やその形成技術では以下のような課題がある。高比誘電率の分離膜を用いた液晶層分離構造では、分離膜における電圧降下を抑えるために膜厚を薄くする必要がある。しかし、分離膜を薄くするためにはセル組みが難しいことや分離膜の変形による液晶注入の難しさなどがある。さらに、分離膜は高い比誘電率を有することが望ましいが、例えばポリフッ化ビニリデンに代表されるような膜は、高い比誘電率であるが、その強誘電性に由来する残留分極により表示焼き付くようなが劣化見られる。
【0011】
また、分離層として、絶縁膜または基板を用い、コンタクトホールを介してその両面に形成した画素電極を電気的に結合する方法では、分離層の形成工程が多くなる。これは、例えば、スルーホールの形成、メッキ法などによるコンタクトの形成、ホール部の穴埋め、基板面の研磨、画素電極の形成といった工程が必要と考えられる。さらに、分離層が両面の画素電極形成やスルーホール形成の必要から分離層の自立に十分な厚みが必要であるため、視差をもたらすことになる。また、コンタクトホール部では、層分離のためホール部を埋める必要がある。しかし、十分に埋められていない場合には、分離が不十分であり、上下層の液晶の混合が起こる可能性もある。
【0012】
本発明では、工程を複雑化せずに、電圧降下や上下層の混合、視差の少ない分離層を提供することを目的としている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような問題を解決するためになされたものである。
本発明は、単純な構造で
本発明は絶縁層を介して積層された複数の導体層の層間接続を行うインターコネクタに関する。また本発明は、多層配線基板、液晶表示装置等のインターコネクタに関する。
また本発明は液晶表示装置に関する。さらに本発明は複数の液晶層を積層して表示画面を構成する液晶表示装置に関する。
【0014】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために、本発明のインターコネクタおよび液晶表示装置は以下のような構成を採用している。
【0015】
本発明のインターコネクタは、第1の面と第2の面とを有し、透光性を有する樹脂からなる絶縁層と、前記絶縁層の前記第1の面に配設され、透光性を有する第1の導体層と、前記絶縁層の前記第2の面に配設された第2の導体層と、前記絶縁層を貫通して前記第1の導体層と前記第2の導体層とを接続するように配設された前記樹脂の炭化物を含む導電性ピラーとを具備したことを特徴とする。
【0016】
透光性を有する導体層としては例えばITO(Indium Tin Oxide)のような透明導電性材料をあげることができる。
また導電性ピラーとは、例えば絶縁層にレーザー光などのエネルギービームを照射することにより生じる前記絶縁層の炭化物のような熱分解生成物を含むものとする。その形状としては例えば柱状であるが、第1の導体層と第2の導体層との間に連続していればこれに限ることはない。
第1の導体層を透光性を有する導電性材料により構成することにより、第1の導体層側からエネルギービームなどを照射することにより、第1の導体層と第2の導体層とを接続することができる。
さらにこのようなインターコネクタを多層化することもできる。この場合、第2の導体層もエネルギービームを透過するような透光性を有する導電性材料により構成するようにすればよい。
【0017】
また、前記第2の導体層の前記導電性ピラーと対向する領域には導電性材料からなる第1のリフレクタを配設するようにしてもよい。
このリフレクタは第2の導体層自体を例えばアルミニウム、銀などの比較的反射率の高い金属等により構成するようにしてもよいし、また前記第2の導体層の前記絶縁層側に、前記第2の導体層とは別に例えばアルミニウム、銀などの比較的反射率の高い金属等からなる反射部材を配設するようにしてもよい。
このような構成を採用することにより層間接続の信頼性を向上することができる。例えば第1の導体層側から絶縁層にエネルギービームを照射して絶縁層を炭化あるいは灰化させる場合、絶縁層の一部が炭化あるいは灰化して導電性を示しはじめるとともに透過率が低減する。本発明のインターコネクタでは、第2の導体層の導電性ピラーと対向する領域に導電性材料からなる第1のリフレクタを配設することにより、第1の導電層側から入射したエネルギービームを第1のリフレクタにより入射側へ反射させることができる。したがって導電性ピラーの第2の導体層側も十分に炭化、灰化されるので、接続抵抗を十分に低くすることができる。 さらに、この第1のリフレクタによれば導電性ピラーの長さ(形成深度)を調節することができる。例えばn層の絶縁層を積層しておき、第n−1層と第n層との間に第1のリフレクタを配設しておけば、第1の導体層から第n−1の導体層までを接続する導電性ピラーを形成することができる。さらに第1のリフレクタを異なる導体層に配設することにより、第1の導体層から任意の導体層への層間接続を行うことができる。このような層間接続は導体層と絶縁層とを積層した後に一括して形成することができるため、層間接続の生産性を向上することができる。
【0018】
また多層構造におけるエネルギービーム照射による電気的結合状態の形成において、エネルギービーム入射方向から最も遠い部位から選択的に電気的結合状態を形成するために、波長吸収域の異なる材料を組み合わせて用いるようにしてもよい。
【0019】
また、前記第1の導体層上には、前記導電性ピラーと対向する領域に開口部を有する第2のリフレクタを配設するようにしてもよい。
この第2のリフレクタはレーザー光などのエネルギービームの絞りとして機能させることができ、導電性ピラーの配設精度を向上し、層間接続の信頼性を向上することができる。また導電性ピラーの配設密度も向上することができる。さらに積層数が多いときには、エネルギービームは樹脂層、導体層等により徐々に散乱されるが、このようなスリットを形成することにより、導電性ピラーの積層数によらず、高精度に導電性ピラーを形成することができる。
【0020】
また本発明のインターコネクタは、第1の面と第2の面とを有し、透光性を有する樹脂からなる第1の絶縁層と、第1の面と第2の面とを有し、前記第1の面を前記第1の絶縁層の前記第1の面と対向して積層され、前記樹脂からなる第2の絶縁層と、前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層を貫通して配設された前記樹脂の炭化物を含む導電性ピラーと、前記第2の絶縁層の前記第2の面に前記導電性ピラーと対向するように配設された第1のリフレクタとを具備することを特徴とする。
上述のように、この第1のリフレクタによれば導電性ピラーの長さ(形成深度)を調節することができ、第1の導体層から任意の導体層への層間接続を行うことができる。
【0021】
また前記第1の導体層の前記第1の面または前記第2の面の前記導電性ピラーと対向する領域に開口部を有するように配設された第2のリフレクタを具備するようにすればよい。
前述のように第2のリフレクタを採用することにより、導電性ピラーの配設精度を向上し、層間接続の信頼性を向上することができる。また導電性ピラーの配設密度も向上することができる。特に、複数の絶縁層にわたって導電性ピラーにより層間接続を形成する場合には、このようなスリットにより導電性ピラーの積層数によらず、高精度に導電性ピラーを形成することができる。
【0022】
また本発明のインターコネクタは、第1の面と第2の面とを有し、透光性を有する導電性材料からなる電極と、前記電極の前記第1の面に配設され、透光性を有する樹脂からなる第1の絶縁層と、前記電極の前記第2の面に配設され、透光性を有する樹脂からなる第2の絶縁層と、前記第1の絶縁層を貫通して前記電極と接続した前記樹脂の炭化物を含む第1の導電性ピラーと、前記第1の導電性ピラーと前記電極を介して対向するように配設され、前記第2の絶縁層を貫通して前記電極と接続した前記樹脂の炭化物を含む第2の導電性ピラーとを具備したことを特徴とする。
【0023】
第1の導電性ピラーと第2の導電性ピラーとの間に例えばITOなどの透光性を有する導電性材料からなる電極を配設しておくことにより、例えばレーザー光などのエネルギービームを照射することにより第1の絶縁層と第2の絶縁層とを貫通する層間接続を容易に形成することができる。
この電極と接続して第1の絶縁層と第2の絶縁層との間に配線層を形成しておけば、外層側から内層への層間接続を、積層後に形成することができる。
【0024】
このように本発明のインターコネクタは、導電層により挟持された絶縁性基板または絶縁性膜において、この基板または膜の一部にエネルギービームを照射することにより、基板または膜の一部の炭化等の変質を行い、電気的に接合の取れた状態にするものである。本発明では、分離膜または基板に透光性を有する有機材料を用い、この分離膜、基板等の一部領域に局所的に導電性を付与するために、有機材料にの任意の場所に高エネルギービームを照射することにより、炭化に代表されるような変質作用、熱分解作用を用いている。
【0025】
このような本発明のインターコネクタは、例えば多層配線基板や、半導体装置、あるいは液晶表示装置などのように、積層された複数の配線層、導体層の層間接続に適用することができる。
【0026】
本発明の液晶表示装置は、第1の面に第1の導体層が配設された第1の基材と、第1の面に第2の導体層が配設された第2の基材と、前記第1の基材の前記第1の面と前記第2の基材の前記第1の面との間に挟持され、透光性を有する絶縁性樹脂からなる柱状のスペーサーと、前記スペーサにより保持された前記第1の基材と前記第2の基材との間隙に配設された液晶層と、前記スペーサを貫通して前記第1の導体層と前記第2の導体層とを接続するように配設された前記絶縁性樹脂の炭化物を含む導電性ピラーとを具備したことを特徴とする。
また本発明の液晶表示装置は、透光性を有する絶縁性材料からなり、表示信号を印加する手段を有する基板と、前記基板上に積層された複数の液晶層と、前記複数の液晶層の層間に配設された画素電極と、前記複数の液晶層の少なくとも1層を貫通して配設され、透光性を有する絶縁性樹脂と、前記絶縁性樹脂を貫通して前記印加手段と前記画素電極とを接続するように配設された前記絶縁性樹脂の炭化物を含む導電性ピラーとを有する層間接続手段とを具備したことを特徴とする。
【0027】
すなわち本発明の液晶表示装置は、液晶層を挟持する2枚の基材の間の層間接続を、例えば基材の間隙を保持するために配設された柱状のスペーサーに、前述したような導電性ピラーを形成して行ったものである。またアレイ基板から中間層の画素電極、駆動回路、あるいは対向電極への電気的接続を前述のような導電性ピラーにより行ったものである。導電性ピラーはスペーサの側面に露出しないように形成することが好ましい。柱状のスペーサの構成材料としては、例えばレジスト等の感光性樹脂のポリマーを用いることができる。そして、複数の液晶層を積層した構造を有する液晶表示装置においても、特定の層にエネルギービームの反射層となる第1のリフレクタを配設することにより、一括に高エネルギービームを照射してコンタクトを形成することができる。
【0028】
このような構成を採用することにより本発明の液晶表示装置では液晶層を介して対向する基材に配設された複数層の導体層の層間接続を行うことができる。特に、例えば3層GH型液晶表示装置のように、複数の液晶層を積層して表示画面を構成するタイプの液晶表示装置に本発明を適用することにより、従来困難であった液晶層間の画素電極、駆動回路等への電気的接続を容易に、しかも高い生産性で行うことができる。
【0029】
また本発明の液晶表示装置は、ソース・ドレインを介して表示信号電圧を供給する薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタのソース・ドレインと接続した第1の電極とが形成されたアレイ基板と、前記アレイ基板上に配設された透光性を有する樹脂からなる層間絶縁層と、前記層間絶縁層上に配設され、開口部を有する画素電極と、前記画素電極の開口部に対応する領域に配設され、前記画素電極と前記第1の電極とを接続する、前記樹脂の炭化物を含む導電性ピラーとを具備するようにしてもよい。
このように本発明のインターコネクタは、アレイ基板の単位画素ごとに配設された薄膜トランジスタなどの表示信号電圧の印加手段と、この印加手段の上側に配設された反射電極などの画素電極との接続に適用するようにしてもよい。
【0030】
本発明の液晶表示装置において、導体層は例えば画素電極、対向電極、あるいはこれらの電極に表示信号に対応した電圧を供給する回路等である。これら画素電極、対向電極に印加された表示信号に対応した電圧により形成される電界により液晶層を応答させ、その配向状態、相転移状態などを制御して液晶層への入射光を変調することにより表示が行われる。
【0031】
本発明の液晶表示装置では、前述したような本発明のインターコネクタにより、例えばアレイ基板に配設された印加手段から、複数の液晶層に挟まれた画素電極に表示信号電圧を供給することができる。なお本発明は液晶層が単層の場合にも適用することができ、この場合液晶層を挟持する一方の基板にのみドライバ、画素選択回路等を配設し、インターコネクタにより液晶層の両側に表示信号等を供給することができる。
【0032】
このような表示信号電圧の印加手段としては、例えば表示信号を信号線に供給する信号線ドライバと、信号線に印加される表示信号を選択して前記画素電極に印加する選択手段とを用いるようにしてもよい。このような構成により、液晶表示装置では単位絵素が積層された複数の画素電極で構成されている場合でも、各層の画素電極に独立したタイミングで表示信号を供給することができる。また、画素電極に印加する信号はアナログ電圧であるが、各絵素まではディジタル信号として伝送し、このディジタルな表示信号をサンプリングし、D/A変換して画素電極に供給するようにしてもよい。
【0033】
選択手段としては、例えば薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transister)、MIM(Metal Insulater Metal)などの非線形スイッチング素子と、このスイッチング素子の駆動手段を用いるようにすればよい。選択手段は画素電極の数に応じて複数備えるようにすればよく、例えば3層の液晶層を積層する場合には3個の選択手段を備えるようにすればよい。
【0034】
信号線および信号線ドライバは液晶層の積層数に応じて複数系統備えるようにしてもよい。またアドレス線(走査線)およびアドレス線ドライバ(走査線ドライバ)も、信号線ドライバと対応して複数系統備えるようにしてもよいし、アドレス線を複数系統のスイッチング素子で共用するようにしてもよい。
例えば本発明の液晶表示装置を、積層された3層の液晶層と、これらの液晶層を挟持して表示信号を印加する第1の電極、第2の電極、第3の電極、第4の電極により単位絵素が構成することもできる。第1の画素電極と第1の信号線とに間に第1のTFTのソース・ドレインを介挿し、アドレス線(走査線)ドライバからアドレス線を介して第1のTFTのゲート電極に走査信号を印加する。このようにすれば、走査信号により第1のTFTがオン状態になったときに、第1の信号線に供給されている第1の表示信号を選択的に画素電極に供給することができる。同様に、例えば、第2の画素電極と第2の信号線とに間に第2のTFTのソース・ドレインを介挿し、アドレス線(走査線)ドライバからアドレス線を介して第2のTFTのゲート電極に走査信号を印加するようにすれば、第2のTFTがオン状態になっているときに第2の信号線に供給されている第2の表示信号を選択的に画素電極に供給することができる。第3の電極についても同様な構成により第3の表示信号を供給することができる。本発明の液晶表示装置では、第1の電極、第2の電極が基板上に配設されておらず液晶層に挟まれている場合でも、これらの電極に、例えば第1の基板から本発明のインターコネクタを介してに各電極に表示信号を印加することができる。またこのインターコネクタは構成がシンプルであり、その高さを例えば第1のリフレクタにより調節することにより積層する液晶層の数によらず一度に形成することができるため、液晶表示装置の生産性を大幅に向上することができる。
【0035】
このような構成により本発明の液晶表示装置によれば、積層された各層の画素電極に独立して、高い信頼性で表示信号を供給することができる。
【0036】
本発明の液晶表示装置では、積層された複数の液晶層と、これらの液晶層に表示信号を印加する第1の電極、第2の電極、第3の電極、第4の電極により単位絵素が構成される。このような構成は、画素を並列配置して単位絵素を構成する場合にくらべ、光の利用効率が約3倍に向上できる。このため、表示の明るさ、コントラストを向上することができる。
【0037】
本発明の液晶表示装置では、例えば3層の液晶層を重ねて表示画面を構成する場合、例えばC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の各液晶セルの各画素を積層して、減法混色の3原色の画素により単位絵素を構成するようにしてもよい。例えばC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)等の減法混色の3原色のGH層を積層して用いる場合、単位絵素は積層したCMYの3個の画素から構成される。そして、この単位絵素を構成する各画素には、それぞれ薄膜トランジスタなどにより独立して表示信号が印加される。
また本発明の液晶表示装置を選択反射モードの液晶層を採用して構成すれば、RGBの光を各液晶層で反射させ、最下部の画素電極(例えば第3の画素電極)あるいは第1の基板で光吸収を行うことで、前述同様カラー表示を行うことができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下に本発明についてさらに詳細に説明する。
【0039】
(実施形態1)
図1は本発明のインターコネクタを有する基板の構造を概略的に示す図である。 この基板は、透光性を有する絶縁性樹脂層からなる基板11と、この基板の第1の面、第2の面に配設された、透光性を有する導電性材料からなる導体層21、導体層22と、導体層21と導体層とを接続する導電性ピラー31とを備えている。
ここでは基板11はアクリル樹脂を用いて構成している。本発明では基板の構成材料はアクリル樹脂に限定されずC(炭素)を含む材料ならば層間接続を行うことができる。また導体層21、22は透光性を有する導電性膜として酸化インジウム錫(ITO)をスパッタ法等により成膜、パターニングして配設している。導電性ピラー31は、主として基板11の構成材料であるアクリル樹脂の炭化物を含む熱分解生成物により構成されている。
【0040】
ここでこのような層間接続の形成方法について説明する。
図2、図3は本発明のインターコネクタの形成方法の例を説明するための図である。
まずアクリル樹脂などの透光性を有する樹脂からなる基板11の一方の面に透明導電膜のひとつである酸化インジウム錫(ITO)の成膜、パターニングを行い導体層21を形成した。同様に基板11のもう一方の面についても酸化インジウム錫の成膜、パターニングを行い導体層22を形成した(図2)。
【0041】
この基板11の導体層21が形成された面にAlからなる金属膜41を約500nm成膜した。ここで、金属膜41にAlを用いたのは、金属膜41の除去の際に酸化インジウム錫との選択性に優れた材料であることからである。したがって金属膜41の構成材料はAlに限定されるものではなく、例えばMoやTaなど他の金属でもよい。膜厚を500nmとしたのは、Alをスパッタ法で成膜すると十分なカバーレッジが得にくいため、導体層21の端面などで段切れを起こさないようひ比較的厚く形成したためである。
【0042】
このAl面にフォトエッチングプロセスを用いて、層間接続を行う部分に開口部42を形成した。
【0043】
そして、Alからなる金属膜31上から、波長約308nmのXeClエキシマレーザーをスキャンさせながら照射した(図3)。このエネルギービームの照射により、金属膜41に覆われている部分は光を反射するが、開口部42では照射光が導体層21と基板11に入射し、導電性ピラー31が形成される。
照射するエネルギービームの波長の選択は、アクリル樹脂からなる基板11に吸収のある波長を選択した。また約308nm波長は酸化インジウム錫からなる導体層21、22でも若干のはあるもののその影響は軽微である。したがって照射するエネルギービームの波長は、導電性ピラー31の原材料となる基板11の構成材料の吸収波長に応じて選択するようにすればよく、380nmのエキシマであるXeClレーザーに限定されのものではない。またエキシマに限定されるものではない。
本発明では効果に導電性ピラーを形成するためには、透明導電膜では吸収が少なく、用いられる基板においても吸収が大きすぎることがない波長を選択することが好適である。これは吸収が大きい場合、基板11の表面近傍で照射エネルギーの大部分が熱エネルギーに変換されることになるため、基板11を貫いて変質か行われないためである。
【0044】
導体層21、22として酸化インジウム錫を用いた場合には、レーザー光の照射により若干のアブレーションと思われる現象は見られたが、エネルギー吸収による導体層の発熱は、発熱量が小さい場合には酸化インジウム錫の結晶化として吸収され、発熱量が大きい場合には超急冷プロセスによるアモルファス化として吸収される。このため、酸化インジウム錫からなる導体層21、22には結晶構造の変化は見られるものの透光性を有する導体層としての機能を保持することができる。また導体層21、22と導電性ピラー31との界面には例えばIn−C系合金、あるいはSn−C系合金等が形成されていてもよい。したがって例えばこの導体層を液晶表示装置の画素電極などにも用いることができる。
酸化インジウム錫からなる導体層21を通過した光エネルギーは、基板11により吸収される。基板11にアクリル樹脂を用いた場合には、吸収された光エネルギーは熱エネルギーに変換されてアクリル樹脂の熱分解反応をもたらした。アクリル樹脂は有機材料のため、熱エネルギーにより黒色に変質して導電性を示すようになった。これは炭化により樹脂の一部がグラファイト化したものと考えられる。
【0045】
このようにして導電性ピラー31を形成した後、金属膜41を除去した。
【0046】
この後、基板11の両面に形成した導体層21、22間のコンタクト特性を評価したところ良好な導電性を示した。
【0047】
(実施形態2)
この上述の実施形態では、導体層22も透光性を有する導電性材料を用いて構成した例を説明したが、導体層22の光照射側に導電性材料からなるリフレクタを配設するようにしてもよい。
【0048】
図4は本発明のインターコネクタを有する基板の構造の別の例を概略的に示す図である。また図5は本発明のインターコネクタの形成方法の例を説明するための図である。
この基板は、導体層22の導電性ピラー31に対向する領域に導電性を有するリフレクタ51を備えている。このようなリフレクタ51を備えることにより、エネルギービーム照射の際のマスクとなる金属膜41を形成しなくとも導電性ピラー31を基板11の所望の位置に選択的に形成することができる。また上述のような基板11を複数層積層してさらに多層の導体層を有する基板を形成する場合にも、リフレクタ51により導電性ピラー31を任意の層まで形成することができる。
【0049】
図5は図4に例示した基板11にエネルギービームを照射して導電性ピラー31を形成する様子を説明するための図である。
このように導体層21を透過して基板11に入射した光は導体層22を通じて基板外へ透過してしまうが、リフレクタ51を配設した領域ではリフレクタ51により反射されるためにエネルギービームの光束は約2倍になる。このためリフレクタ51により反射されたエネルギービームの光路は、基板11を構成する樹脂が変質、熱分解してグラファイト化し、導電性ピラー31が形成される。なおこの例ではエネルギービームの入射側に金属膜41を配設しない例を説明したが、リフレクタ51と金属膜41とを組み合わせて導電性ピラー31を形成するようにしてもよい。
【0050】
このように、金属膜でマスクを行う面と反対側の面にもリフレクタを形成することにより、光利用効率を高めることができる。さらに、基板による光吸収の基板膜厚依存性を抑えることができる。
【0051】
(比較例1)
比較のため、従来の方法により層間接続を形成した。
図6、図7、図8、図9は従来の方法により形成したインターコネクタを有する基板の構造の例を概略的に示す図である。
【0052】
図6の例では、基板11に光感光性のあるガラス基板を用い、フォトプロセスによる光化学反応を用いてスルーホール91を形成した。このスルーホール91にメッキ法を用いて、このスルーホール内壁にメタライズ層92を形成した。そしてスルーホールの穴埋めはレジスト材料をスルーホールを介して吸引し、熱処理を施して硬化させ、レジスト層93を形成して行った。さらに、基板表面の研磨を行った後、スパッタ法などにより導体層21、22を基板11の両面に配設した。
【0053】
ところが、従来構造のインターコネクタでは以下に示すような接続不良が多発した。
まず図7に例示したような研磨工程の際に見られるスルーホールエッジ部でのメッキ剥がれ、図8のようなメタライジング工程の際に見られるメタライズ層92のメッキ不良、図9のようなレジスト吸引の際に見られる穴埋め不良などである。
【0054】
これに対して図1乃至図5で説明したような本発明のインターコネクタでは、このような不良は認められなかった。さらに本発明のインターコネクタでは、スルーホールの形成、メタライズ層の形成、レジストによるスルーホールの封止、表面研磨等の工程が不要となり、従来のインターコネクタよりもはるかに生産性を向上することができた。
【0055】
(実施形態2)
次に本発明のインターコネクタを液晶表示装置に適用した例について説明する。まず本発明を好適に適用することができる例として、複数の液晶層を積層して表示画面を構成するタイプの液晶表示装置について説明する。
図10は本発明の液晶表示装置の構成の例を概略的に示す図であり、図11は、図10に例示した本発明の液晶表示装置の断面構造を概略的に示す図である。両図においては、単位画素の構成を示している。
アレイ基板100上には、複数のΤFT2a、2b、2cが形成されている。アレイ基板100上には、絶縁膜を介してアルミニウム等からなる反射電極3が配置されている。この反射電極3は画素電極を構成している。さらに、反射画素電極3上に液晶層1a、1b、1cが順次積層されている。例えば、イエロー、マジェンダ、シアンのGH液晶層を順次積層するようにしてもよい。積層順序は順番は必要に応じて定めるようにすればよい。また、液晶層1a、1b、1cの間にはITOなどからなる透明な画素電極4、5が配設されている。
さらに、液晶層1c上には、透明な対向電極6を有する対向基板(図示せず)が配置されている。なお、対向電極6は各液晶層ごとに配設するようにしてもよい。
【0056】
ΤFΤ2aと画素電極3、TFT2bと画素電極4、TFT2cと画素電極5とは電気的に接続されている。すなわち、各TFTのゲート電極には、図示しない走査線駆動回路から走査線GDi 、GM i、GUi を介して走査信号が印加される。また各TFTのドレイン電極には図示しない信号線駆動回路から信号線S(SDi 、SMi 、SUi )を介して表示信号が印加される。
走査信号によりTFTがオン状態になったとき、表示信号が選択され、ソース電極と接続した各画素電極に印加される。そして各画素電極により形成される電界に液晶層1a、1b、1cが応答し、その配向状態、相変化状態を制御することにより液晶層に入射する光の強度を変調するのである。このような光の変調素子である画素を2次元的に配置し、光を2次元的に変調することにより画像の表示を行うことができる。
【0057】
図12、図13は図10、図11に例示した本発明の液晶表示装置を概略的に示す等価回路図の例である。
【0058】
信号線SDi (SD1、SD2、SD3)と接続されたΤFTは反射画素電極3を制御するΤFTであり、信号線SMi (SM1、SM2、SM3)と接続されたΤFΤは透明画素電極4を制御するTFΤであり、SUi (SU1、SU2、SU3)と接続されたTFTは透明画素電極5を制御するTFTである。すなわち図12では平面的に示しているが、実際は積層構造となっている。また、図12のCa、Cb、Ccはそれぞれ、液晶層1a、1b、1cより形成される液晶容量を示しており、Vcom は対向電極6への印加電圧を示し、SD1〜SD3及びSM1〜SM3及びSU1〜SU3は信号線を示し、GDi 、GMi 、GUi は各層の画素に対応したスイッチング素子に独立して走査信号を供給することができる走査線を示している。
なお図13では、1絵素を構成する3層の画素に選択的に表示信号を供給することができるように、各層ごとに独立に3本の走査線GDi 、GMi 、GUi を備え、また対向電極(6a、6b、6c)についても各層ごとに備えた構成を示した。
【0059】
(実施形態3)
図14は本発明の液晶表示装置の断面構造を概略的に示す図である。
この液晶表示装置は複数の液晶層を積層して単位絵素を構成するタイプの液晶層であり、例えば実施形態2に例示したタイプの液晶表示装置に対応している。図では簡単のため液晶層2層分しか示していないが、3層以上の液晶層を積層するようにしてもよい。
【0060】
この液晶表示装置は、例えば無アルカリガラス等の絶縁性基板上に2a、2b、2cなどの薄膜トランジスタアレイを配設したアレイ基板100と、アクリル系樹脂などからなる樹脂基板11a、11bとの間に液晶層1a、1bが挟持されたものである。
アレイ基板100と樹脂基板11aとの間隙は柱状のスペーサー33aにより保持されており、樹脂基板11aと樹脂基板11bとの間隙は柱状のスペーサー33bにより保持されている。このスペーサーは例えばアクリル系樹脂などの透光性を有する絶縁性樹脂からなる構成されている。
【0061】
アレイ基板100の液晶層1a挟持面には薄膜トランジスタ2aと接続された画素電極3が配設されており、さらに画素電極3とは絶縁されて、アレイ基板100上には導体層21が配設されている。
またアクリル系樹脂からなる分離基板11aの両面には導体層22、対向電極6a、画素電極4が配設されている。これら導体層21、22、対向電極6a、画素電極4は例えばITOなどの透明導電性物質により構成されている。なお6bは対向電極として機能する導体層である。
【0062】
そして、薄膜トランジスタ2bと画素電極4との間の接続は、本発明のインターコネクタにより行われている。
すなわち、導体層21と導体層22との間は、スペーサー33aを貫通して配設された導電性ピラー31により層間接続されている。また導体層22と画素電極4との間は、分離基板11aを貫通して配設された導電性ピラー31により層間接続されている。そしてこの導電性ピラー31は、前述のようにスペーサー33aの構成樹脂、あるいは分離基板11aの構成樹脂の炭化物から構成されている。
この導電性ピラー31は、アレイ基板100の液晶層1a挟持面とは反対側の面に配設された開口部42を有する金属膜41を介してエネルギービームを照射することにより形成した。
このとき、導体層4の光入射側に予め導電性を有するリフレクタ51を配設しておくことにより、光入射側からみて遠い側となる分離基板11aにも効率的に導電性ピラー31を形成することができる。またスペーサー33b等のリフレクタの背面側をビーム照射から保護することもできる。
このような構成を採用することにより、本発明の液晶表示装置では液晶層、基板などの絶縁層を介して積層された複数の導体層の層間接続を容易に行うことができる。
【0063】
なお、この図では図示を省略しているが、例えば対向電極6a、6b等への層間接続も本発明のインターコネクタを用いて行うことができる。また本発明によればこのような複数の導体層への層間接続を一括して同時に行うことができる。したがって液晶表示装置の生産性を向上することができる。
【0064】
(実施形態4)
実施形態3では、アレイ基板に配設された薄膜トランジスタと、複数の液晶層の層間の画素電極との間の接続に本発明のインターコネクタを適用した例について説明したが、このインターコネクタを薄膜トランジスタとアレイ基板上に配設された画素電極との間の層間接続に適用するようにしてもよい。なおここでは透過型液晶表示装置のアレイ基板の例について説明する。
【0065】
図15はアレイ基板100の断面構造の例を概略的に示す図であり、図16はアレイ基板100の平面構成を概略的に示す図である。
このアレイ基板として例えば無アルカリガラスなどの絶縁性基板11a上に透明な画素電極とこの画素電極に表示信号を供給するための逆スタガ型構造の薄膜トランジスタアレイを配設したものである。この実施形態では画素電極に表示信号を供給するための非線形スイッチング素子として逆スタガ構造の薄膜トランジスタを採用したが、用いる薄膜トランジスタは逆スタガ構造に限ることなく、スタガ構造、コプラナ構造など他の構造を採用するようにしてもよい。さらに薄膜トランジスタに限ることなく例えばMIMなどの他の非線形スイッチング素子を採用するようにしてもよい。
【0066】
この薄膜トランジスタ2aは、絶縁性基板11a上に配設されたゲート電極61gと、ゲート電極を覆うように配設されたゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜上に配設された例えばa−Siなどからなる半導体膜と、半導体膜と例えばn+ a−Siなどからなるコンタクト層61cを介して接合したソース電極61s、ドレイン電極61dとを具備している。なお61eはストッパー層である。
またここでは簡単のため薄膜トランジスタ2aのみを図示しているが、例えば3層GH型液晶表示装置のように、単位絵素を3層の画素により構成する場合には、薄膜トランジスタ2b、2cも同様の構成とするようにしればよい。また本発明を反射型液晶表示装置に適用する場合には、画素電極3をAlなどの金属からなる反射画素電極として形成するようにすればよい。
【0067】
一方、ゲート電極61gと同層には、補助容量Csの下部電極63が配設されている。この下部電極63はゲート絶縁膜62を介して対向配置された上部電極64との間に補助容量Csを形成している。また、上部電極64には薄膜トランジスタのソース電極が接続されている。
【0068】
これら薄膜トランジスタ形成部、補助容量形成部はパッシベーション膜65、透光性を有する樹脂からなる層間絶縁膜66により覆われている。パッシベーション膜65は上部電極64の少なくとも一部と対向する位置に開口部65aを有している。
【0069】
そして上部電極64と画素電極3との間の接続は、層間絶縁膜を貫通して配設された導電性ピラー31により行われている。前述のようにこの導電性ピラー31は、層間絶縁膜の炭化物により構成されている。
【0070】
このように本発明のインターコネクタによれば、絶縁層を介して対向した複数の導体層の層間接続を簡単な構成で行うことができる。
【0071】
(実施形態5)
ここでこのようなアレイ基板の形成方法の例について説明する。
【0072】
図17、図18は本発明の液晶表示装置のアレイ基板を製造する方法の例を説明するための図である。ここではまず、透過型液晶表示装置のアレイ基板の製造例について説明する。
まず絶縁性基板11a上にアンダーコートとなるシリコン酸化膜を200nm成膜した(図示省略)。そして、MoとTaの合金からなるゲート電極61g、ゲート線GD及び蓄積容量線63を膜厚200nmで成膜後,フォトエッチングプロセスを用いてパターニングした。この上にシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜62を形成した。さらに、アモルファスシリコンからなる半導体層61i、ソース電極61sまたはドレイン電極61dとドレインまたはソースを分離するためのストッパー層61e、n+ コンタクト層61cとを形成した。
そしてこの例では、ソース電極61sまたはドレイン電極61dの形成には、AlとMo積層膜を用いた。これはAlが光反射特性に優れているため、AlまたはAlが画素電極形成方向に対して最表面にくるように積層することが望ましいからである。つぎに画素電極3とドレイン電極61dまたはソース電極61sとの層間絶縁膜66をアクリル樹脂材料を用いて、膜厚5μmで形成した。
層間絶縁膜66としては、高絶縁性、低比誘電率、平坦化作用などを考慮して重要である。従来例では、これに加えてスルーホール形成のために、光感光性が必要であったが、本発明では、これが必要でなくなるために層間絶縁膜の構成材料の選択を広げることができる。
【0073】
次にこの層間絶縁膜66上に酸化インジウム錫を約300nm成膜後、フォトエッチングプロセスを用いて、画素電極3を形成した。本発明では、酸化インジウム錫膜の膜厚は厚い方が望ましい。これは層間絶縁膜66の電気的コンタクト形成の際に、酸化インジウム膜自身がアブレ一ションされるとともに、層間絶縁膜66変質の際のアブレーション防止の役割を兼ねるためである。このようにして形成したアレイ基板100の画素電極3上に、Alからなる金属膜41を膜厚400nmで成膜して開口部42を有するようにパターニングした。Al膜の膜厚は厚い方が望ましい。これは本発明では、金属膜41が導電性ピラー31形成の際の光反射層となるためであり、膜厚が薄いと画素電極3の周辺部で段切れを起こした場合などに層間絶縁膜に悪影響を与えるのを防止するためである。
【0074】
この金属膜41に配設した開口部42は、画素電極3とソース・ドレインと接続した上部電極64とが重なった領域の内部に形成されている。これは、エネルギービームを照射して導電性ピラーを形成する際に、蓄積容量の上部電極64の表面での光の反射を利用して光利用効率を高めるためである。
【0075】
このような開口部はフォトエッチングプロセスを用いて形成した。このとき、開口部の形状は1辺が約10μmの略正方形形状となるようにした。これは、層間絶縁膜66の変質の際に開口部での光の回折等の影響を低減するために、アスペクト比を大きくとるほうが好ましいためである。
【0076】
このようにして金属膜41を形成したアレイ基板100へ、金属膜41上からエネルギービームを照射して導電性ピラー31を形成した。この例では波長が308nmのXeClエキシマレーザーを面内にスキャンさせて用いた。308nmの波長は、酸化インジウム錫薄膜部においても吸収されるが、入射光の30%程度は透過し、層間絶縁膜部に到達する。このとき、表面から入射光のうちAlで覆われている部分は、Al表面で反射されてAl面以下に変化は見られないが、スルーホールとなる開口部では、光が画素電極3の背面にも到達する。このうち画素電極3では光が入射する部分では酸化インジウム錫の膜厚か減少するとともに、結晶化に起因すると思われる構造変化が断面観察(SEMなど)から観測された。また、光入射する部分の層間絶縁膜部分では、光入射により熱分解を起こし、灰化(炭化)と思われる変質が確認された。そして、薄膜トランジスタのソース・ドレイン電極と画素電極3との間のコンタクト特性を評価したところ、未照射のときには絶縁状態であったものが、導電性ピラーの形成後は電気的に結合した状態となった。ここで、光源にXeClのエキシマレーザーを用いる場合、入射光のエネルギー密度は約300mJ/cm2 以下程度に設定することが望ましい。これは300mJ/cm2 以上の高エネルギー密度を照射すると酸化インジウム錫膜のアブーレーションが激しくなり、膜剥がれが顕著になるためである。また、コンタクト特性の向上のためには、照射回数を増やすことが有効であった。これは同一部分に繰り返しエネルギービームを照射することで、層間絶縁膜の変質が進み、導電性が向上するためと考えられる。
【0077】
また、本発明では層間絶縁膜66の変質の際にAlの反射層を形成したが、金属膜41の材質はAlに限られるものではなく、光の反射または吸収特性に優れているものであればよい。また、この実施形態ではビーム照射の際に、画素電極上にスルーホールを形成したAl薄膜を利用したが、フォトプロセスと同様にマスクを介してビーム照射を行ってもよい。
【0078】
(実施形態6)
つぎに本発明を反射型画素上置き構造のアレイ基板に適用した例を説明する。
反射型液晶表示装置の場合には上述した実施形態で説明した透過型液晶表示装置と比較して、画素電極として反射特性に優れたAlなどの金属または合金材料を用いること、層間絶縁膜に光透過特性が必ずしも必要ないこと、ドレイン電極またはソース電極が大きく取れることなどの特徴が挙げられる。
これらの特徴から本発明のインターコネクタを光照射により自己整合的に形成することもできる。
【0079】
図19はアレイ基板100の断面構造の別の例を概略的に示す図であり、図20はアレイ基板100の平面構成の例を概略的に示す図である。
この例では、まず絶縁性基板11aの薄膜トランジスタなどの非線形スイッチング素子を形成する面と反対側の面にエネルギービーム照射の際のマスクとなる金属膜41を形成した。これはに、Alの薄膜を500nm成膜し、フォトエッチングプロセスを用いて各画素電極とドレイン電極またはソース電極とのコンタクトとなる導電性ピラー31を形成する領域に直径が約12μmの開口部42を形成することにより作製した。
【0080】
次に光導入面と反対側の面にアクティブ素子として前述同様の逆スタガ型の薄膜トランジスタを形成した。この実施形態ではアクティブ素子に図19に示されるような構造を採用したが、本発明これに限定されるものではなく、他のアクティブ素子にも利用できる。
【0081】
まず絶縁性基板11a上にアンダーコートとなるシリコン酸化膜を200nm成膜した(図示省略)。そして、MoとTaの合金からなるゲート電極61g、ゲート線GD及び蓄積容量線63を膜厚200nmで成膜後,フォトエッチングプロセスを用いてパターニングした。この上にシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜62を形成した。さらに、アモルファスシリコンからなる半導体層61i、ソース電極61sまたはドレイン電極61dとドレインまたはソースを分離するためのストッパー層61e、n+ コンタクト層61cとを形成した。ソース電極またはドレイン電極には、Mo膜を用いた。
この時ソース電極またはドレイン電極は酸化インジウム錫による島状のコンタクト電極64bを覆うように形成し、コンタクト電極64bの中心部から直径約8μmの開口部65aを形成した(図20)。
【0082】
つぎに画素電極3とドレイン電極またはソース電極との層間絶縁膜66を半透明の黄色顔料の含まれるのアクリル樹脂材料を用いて、膜厚5μmで形成した。この実施形態では、アクリル樹脂に黄色の顔料が分散した材料を用いて層間絶縁膜66を形成したが、本発明では、着色は黄色に限定されるものではなく、可視光域では後述するコンタクト形成の際に照射する光の波長に合わせて吸収するものであればよい。また、可視光域以外でも、基板11aでの吸収が少なく、コンタクト電極64bを形成する材料に対して透過性があるものであればよい。また、実施形態5と同様に、層間絶縁膜66としては、高絶縁性、低比誘電率、平坦化作用などの特性により選択が可能であり、従来の光感光性が必要ではない。
【0083】
次にこの層間絶縁膜上にAlを約200nm成膜後、フォトエッチングプロセスを用いてパターニングし、画素電極(反射電極)3を形成した。このとき、この画素電極3は反射型液晶表示装置としての反射部となるとともに、層間絶縁膜66と接する面は、画素電極3と薄膜トランジスタのソース・ドレイン電極と接続したコンタクト電極形成の際のリフレクタの役目を果たすことになる。
【0084】
このようにして形成したアレイ基板100へ、金属膜41形成面の表面側からエネルギービームの照射を行った。
【0085】
図21は、アレイ基板100へエネルギービームを照射する様子を説明するための図である。この例ではCO2 レーザーをAlからなる金属膜41による光導入路を形成した面から照射した。CO2 レーザーは波長か420nmの光照射となる。このため、光はAlで覆われた部分はAlの表面で光が反射するが、開口部42ではガラスからなる絶縁性基板11aに入射する。この絶縁性基板11a表面での反射及び絶縁性基板11aで、エネルギービームの吸収は若干あるものの、開口部42を通過した光の大部分は絶縁性基板11aの背面側へ透過していく。このエネルギービームはコンタクト電極64bに達するが、ここでもコンタクト電極64bが例えばITOなどの透明導電膜材料であるため、大部分の光が透過する。
したがって照射したエネルギービームのうち、ソース電極またはドレイン電極上に形成された開口部65aへと達した光は層間絶縁膜66へ入射することになる。層間絶縁膜66は有色顔料により入射光を吸収するので、光入射により熱分解を起こして、炭化(灰化)と思われる変質を起こした。ここで層間絶緑膜66の顔料の分散状態を調整して半透明な透過特性にしたのは、なるべく層間絶縁膜66全体で吸収を行うようにするためである。本構造では画素電極3の絶縁性基板11a側の表面でCO2 レーザー光はほぼ全反射し、光の往路復路とともに吸収を行うことになる。したがって、層間絶縁膜66を貫通してコンタクト電極64bと画素電極3を接続する導電性ピラー31が形成される。
【0086】
本工程の後、薄膜トランジスタのソース・ドレイン電極と画素電極間でのコンタクト特性を評価したところ、未照射のときには絶緑状態であったものが、電気的に結合した状態となることが確認された。
【0087】
また、本発明でほ層間絶緑膜66にエネルギービームを照射しる際にAlからなる金属膜41を形成したが、この金属膜41の材質はAlに限るものではなく、照射する光の反射または吸収特性に優れているものであればよい。またこの例では、ビーム照射の際にアクティブ素子を形成した面と異なる基板面に開口部42を形成した金属膜41を利用したが、フォトプロセスと同様にマスクを介してビーム照射を行うようにしてもよい。特にこの実施形態の場合には、開口部65aの周囲のソース電極61sがさらにマスク的な役割を果たしているため、特に有効である。
【0088】
(実施形態7)
前述したような3層の液晶層を積層して表示画面を構成するタイプの反射型液晶表示装置の層間接続の例について説明する。
【0089】
図22は本発明の液晶表示装置の断面構造の例を概略的に示す図である。
【0090】
アレイ基板100の基材となるガラス等の絶縁性基板11aのアクティブ素子を形成する面と異なる面にAlからなる金属膜41を膜厚約500nmで成膜する。また単位絵素を構成する第2層及び第3層の液晶層1b、1cを駆動するためのコンタクトとなる導電性ピラー31を形成する位置に直径約12μmの開口部42をフォトエッチングプロセスを用いて形成した。
【0091】
一方、絶縁性基板11aの金属膜41形成面と反対側の面に、各画素電極3、4、5を独立に駆動するためのアクティブ素子として逆スタガ型の薄膜トランジスタ2a、2b、2cを前述同様に形成した。すなわち、まず絶縁性基板11a上にアンダーコートとなるシリコン酸化膜を200nm成膜した。そして、MoとTaの合金からなるゲート電極61g、ゲート線G及び蓄積容量線を、膜厚200nmで成膜後フォトエッチングプロセスを用いて形成した。この上にシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜62を形成した。
【0092】
次に、光照射時の光路となると同時にドレインまたはソース電極とのコンタクト部となるコンタクト電極を形成した。これは酸化インジウム錫を膜厚約300nmで成膜して、裏面のAl薄膜の開口部42の中心が一致し、直径が約20μmとなるようにフォトエッチングプロセスで成形した。
さらに、アモルファスシリコンからなる半導体層61i、ソース電極61sまたはドレイン電極61dとドレインまたはソース電極を分離するためのストッパー層61e、n+ 半導体層、信号線及びドレインまたはソース電極61s、ソース電極61sまたはドレイン電極61dと形成した。ソース電極61s、ドレイン電極61dには、Mo膜を用いた。
この時ソース電極またはドレイン電極は酸化インジウム錫によるコンタクト電極を覆うように形成し、コンタクト電極の中心部から直径約8μmの開口部42を形成した。この実施形態では、酸化インジウム錫のコンタクト電極を形成後、ソース電極またはドレイン電極の形成を行ったが、ソース電極またはドレイン電極を形成後、そのソース電極またはドレイン電極にあけた開口部42の中心と一致するように酸化インジウム錫のコンタクト電極を形成してもよい。つぎに画素電極とドレインまたはソース電極との層間絶縁膜66を半透明の黄色顔料の言まれるのアクリル樹脂材料を用いて、膜厚5μmで形成した。
この実施形態では、アクリル樹脂に黄色の顔料が分散した材料を用いて層間絶縁膜66を形成したが、本発明では、着色は黄色に限定されるものではなく、可視光域では後述するコンタクト形成の際に照射する光の波長に合わせて吸収するものであればよい。また、可視光域以外でも、基板での吸収か少なく、コンタクト電極を形成する材料に対しある程度の透過性があるものであればよい。また前述の実施形態と同様に、層間絶縁膜66としては、高絶縁性、低比誘電率、平坦化作用などの特性により選択が可能であり、従来の光感光性が必要ではない。
【0093】
次にこの層間絶縁膜66上にAlを約200nm成膜後、フォトエッチングプロセスを用いて画素電極3を形成した。このとき、この画素電極3は反射型液晶表示装置としての反射部となるとともに、層間絶縁膜66と接する面は、画素電極とソース電極またはドレイン電極とのコンタクト形成の際のリフレクタの役目を果たすことになる。
【0094】
このようにアレイ基板100と、各画素電極、対向電極を形成した基板11a、11b、11cを形成した後、液晶層1a、1b、1cを挟持しるように組み立てた。
【0095】
そして前述のようにエネルギービームを照射することにより、基板11a、11bおよびスペーサー33aを貫通した導電性ピラーを形成した。
図23はエネルギービームを照射して導電性ピラーを形成する様子を説明するための図である。本発明のインターコネクタによれば、アレイ基板100から画素電極4への層間接続と、画素電極5への層間接続とを同時に一括形成することができる。したがって液晶表示装置の生産性を大きく向上することができる。
【0096】
(実施形態8)
本発明は液晶表示装置に限ることなく、例えば多層配線基板等の配線基板における層間接続にも適用することができる。
ここでポリイミドフィルムを絶縁層201として構成したフレキシブルな配線基板にCO2 レーザーを用いてインターコネクタを形成した例について説明する。 図24は導電性ピラーを形成する際の配線基板とマスクとの関係を示す図である。
配線基板200は、ポリイミドフィルムからなる絶縁層201の両面に配設された例えばアルミニウム、銅、ニッケルなどからなる配線層が形成され、さらに電子部品202、203が実装されている。また配線層の一部として中央に貫通孔を有する電極205、206も配設されている。また配線2013は電極205、206と同時に形成したものである。
【0097】
アルミニウムなどのCO2 レーザーの波長の対して反射特性の優れた材料によりマスク208を形成したガラス基板207上に、スペーサー209を介して上述の配線基板を配置した。
ここで配線基板201の上部電極は、電極2011のように別途設けるようにしてもよいし、リード線2012のように電子部品の一部を用いるようにしてもよい。電極2011、リード線2012はそれぞれ電極205、206が形成する孔を十分に包含するように配設することが好ましい。
【0098】
ここでスペーサー209は電子部品202等を保護するとともに、配線基板201の表面に形成した凹部2010と一致させることにより位置合わせに用いることができる。
【0099】
次に、実際のインターコネクタの形成方法について説明する。
図25はインターコネクタ形成部へのレーザー照射の様子を説明するための図である。
マスク208を配設した側からレーザー光を照射する。このときレーザーの照射の方法は面内全域にわたる一括照射でもよいし、スキャンして照射するようにしてもよい。マスク208の開口部を通過したレーザー光は電極205に到達し、電極205の孔を通じてポリイミドからなる絶縁層へと入射する。このとき、マスク208と電極205との間にはスペーサー209により保持された間隙が存在する。このためレーザー光の回折等によりマスク208の開口部の大きさよりも広がった光が電極205に到達することになる。この例では電極205に配設した開口部は照射光に対するスリットの役割をも果たす。
【0100】
ポリイミド層に入射した光も、電極205の孔の大きさよりも広がりながら電極2011に達する。ここで、CO2 レーザーにて照射する照射エネルギーはポリイミド層がアブレーションを起こす程度でも構わない。
【0101】
図26はレーザー光の照射後の配線基板の断面構造の例を示す図である。
電極205の背面側直下のポリイミド層にはレーザー照射によるアブレーションの結果空間が形成されている。しかし、電極205の孔の周囲はアブレーション時に発生する熱や回折した光の吸収等による熱の発生により燃焼反応を起こして導電性ピラー31を構成する。この導電性ピラー31は、配線基板の絶縁層であるポリイミド層が炭化(灰化)したものである。この導電性ピラー31によりポリイミド層の両面に配設された配線層の層間接続を行うことができる。
なおこの例では波長10.6μmのCO2 レーザーを用いたが照射する光はこの波長に限ることはない。
【0102】
従来のインターコネクタでは、配線基板の絶縁層にスルーホールを穿設した後、メッキや半田付けにより層間接続を形成していた。本発明によれば従来の例と比較して工程数が削減でき、また電子部品の実装後でも層間接続を形成することができる。さらに前述の実施例で説明したようなリフレクタ51を用いることにより3層以上の配線層を有する多層配線基板においても、任意の配線層までの層間接続を一括して同時に形成することができる。
【0103】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のインターコネクタによれば、絶縁性の基板や膜を介して対向した導体層間の電気的な接続を、簡単な構成で、かつ高い生産性で行うことができる。また、多層構造の場合では、任意の導体層までの層間接続を一括的に、しかもに選択的に形成することができる。
【0104】
また本発明の液晶表示装置によれば、薄膜トランジスタ等の表示信号供給回路と画素電極との層間接続を容易に、しかも高い生産性で行うことができる。また特に、従来困難だった複数の液晶層を積層したタイプの液晶表示装置の中間層の画素電極への層間接続を簡単に行うことができる。このように本発明のインターコネクタを備えることにより液晶表示装置の生産性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインターコネクタを有する基板の構造を概略的に示す図。
【図2】本発明のインターコネクタの形成方法の例を説明するための図。
【図3】本発明のインターコネクタの形成方法の例を説明するための図。
【図4】本発明のインターコネクタを有する基板の構造の別の例を概略的に示す図。
【図5】本発明のインターコネクタの形成方法の例を説明するための図。
【図6】従来の方法により形成したインターコネクタを有する基板の構造の例を概略的に示す図。
【図7】従来の方法により形成したインターコネクタを有する基板の構造の例を概略的に示す図。
【図8】従来の方法により形成したインターコネクタを有する基板の構造の例を概略的に示す図。
【図9】従来の方法により形成したインターコネクタを有する基板の構造の例を概略的に示す図。
【図10】本発明の液晶表示装置の構成の例を概略的に示す図。
【図11】図10に例示した本発明の液晶表示装置の断面構造を概略的に示す図。
【図12】本発明の液晶表示装置を概略的に示す等価回路図の例。
【図13】本発明の液晶表示装置を概略的に示す等価回路図の例。
【図14】本発明の液晶表示装置の断面構造を概略的に示す図。
【図15】本発明の液晶表示装置のアレイ基板の断面構造の例を概略的に示す図。
【図16】本発明の液晶表示装置のアレイ基板の平面構成の例を概略的に示す図。
【図17】本発明の液晶表示装置のアレイ基板を製造する方法の例を説明するための図。
【図18】本発明の液晶表示装置のアレイ基板を製造する方法の例を説明するための図。
【図19】本発明の液晶表示装置のアレイ基板の断面構造の別の例を概略的に示す図。
【図20】本発明の液晶表示装置のアレイ基板の平面構成の例を概略的に示す図。
【図21】アレイ基板へエネルギービームを照射する様子を説明するための図。
【図22】本発明の液晶表示装置の断面構造の例を概略的に示す図。
【図23】エネルギービームを照射して導電性ピラーを形成する様子を説明するための図。
【図24】導電性ピラーを形成する際の配線基板とマスクとの関係を示す図。
【図25】インターコネクタ形成部へのレーザー照射の様子を説明するための図。
【図26】レーザー光の照射後の配線基板の断面構造の例を示す図。
【符号の説明】
1a、1b、1c………液晶層
2a、2b、2c………薄膜トランジスタ(TFT)
3…………………………画素電極(反射電極)
3a、3b、3c………画素電極(透明電極)
4、5……………………透明画素電極
6、6a、6b、6c…対向電極
11………………………基板
21、22………………導体層
31………………………導電性ピラー
33a、33b…………スペーサー
41………………………金属膜
42………………………開口部
51………………………リフレクタ
201……………………絶縁層
202、203…………電子部品
205、206…………電極
208……………………マスク
209……………………スペーサー
207……………………ガラス基板
2011、2012……電極
Claims (5)
- 第1の面と第2の面とを有し、透光性を有する樹脂からなる絶縁層と、
前記絶縁層の前記第1の面に配設され、透光性を有する第1の導体層と、
前記絶縁層の前記第2の面に配設された第2の導体層と、
前記絶縁層を貫通して前記第1の導体層と前記第2の導体層とを接続するように配設された前記樹脂の炭化物を含む導電性ピラーと、
前記第2の導体層の前記導電性ピラーと対向する領域に配設された導電性材料からなるリフレクタとを具備したことを特徴とするインターコネクタ。 - 第1の面と第2の面とを有し、透光性を有する樹脂からなる絶縁層と、
前記絶縁層の前記第1の面に配設され、透光性を有する第1の導体層と、
前記絶縁層の前記第2の面に配設された第2の導体層と、
前記絶縁層を貫通して前記第1の導体層と前記第2の導体層とを接続するように配設された前記樹脂の炭化物を含む導電性ピラーと、
前記第1の導体層上に配設され、前記導電性ピラーと対向する領域に開口部を有するリフレクタとを具備したことを特徴とするインターコネクタ。 - 第1の面と第2の面とを有し、透光性を有する樹脂からなる第1の絶縁層と、
第1の面と第2の面とを有し、前記第1の面を前記第1の絶縁層の前記第1の面と対向して積層され、前記樹脂からなる第2の絶縁層と、
前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層を貫通して配設された前記樹脂の炭化物を含む導電性ピラーと、
前記第2の絶縁層の前記第2の面に前記導電性ピラーと対向するように配設された第1のリフレクタとを具備したことを特徴とするインターコネクタ。 - 前記第1の導体層の前記第1の面または前記第2の面の前記導電性ピラーと対向する領域に開口部を有するように配設された第2のリフレクタを具備したことを特徴とする請求項3に記載のインターコネクタ。
- 第1の面に第1の導体層が配設された第1の基材と、
第1の面に第2の導体層が配設された第2の基材と、
前記第1の基材の前記第1の面と前記第2の基材の前記第1の面との間に挟持され、透光性を有する絶縁性樹脂からなる柱状のスペーサーと、
前記スペーサにより保持された前記第1の基材と前記第2の基材との間隙に配設された液晶層と、
前記スペーサを貫通して前記第1の導体層と前記第2の導体層とを接続するように配設された前記絶縁性樹脂の炭化物を含む導電性ピラーと
前記第2の導体層の前記導電性ピラーと対向する領域に配設された導電性材料からなるリフレクタとを具備したことを特徴とする液晶表示装置。
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