JP3691714B2 - リチウム二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、正極活物質として一般式LiNi1-x Cox O2 (0.1<x<0.6)で表されるリチウム含有ニッケル・コバルト複合酸化物を用いた正極と、天然黒鉛とコークスとの混合物又は天然黒鉛とハードカーボンとの混合物からなる負極活物質を結着剤により結着させた負極とを備えたリチウム二次電池に係り、特に、高エネルギー密度のリチウム二次電池が得られるようにした点に特徴を有するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、高出力,高エネルギー密度の新型電池として、リチウムの酸化,還元を利用したリチウム二次電池が利用されるようになった。
【0003】
ここで、このようなリチウム二次電池においては、その負極における負極活物質として、金属リチウム、リチウム合金、リチウムイオンの吸蔵,放出を行う黒鉛,コークス,有機焼成体等の炭素材料が一般に使用されていた。
【0004】
そして、近年においては、上記のようなリチウム二次電池における充放電サイクル特性を向上させるため、特開平8−264181号公報に示されるように、負極活物質に天然黒鉛とコークスとの混合物を用いるようにしたものや、特開平9−259884号公報に示されるように、負極活物質に天然黒鉛とコークスとの混合物を用いると共に、正極活物質にリチウム含有ニッケル・コバルト複合酸化物を用いるようにしたものが提案されている。
【0005】
ここで、上記のように負極活物質に天然黒鉛とコークスとの混合物を用いて負極を作製するにあたっては、上記のような負極活物質を結着剤によって結着させるようにしていた。
【0006】
しかし、上記のような負極活物質を結着剤によって結着させるにあたり、従来においては、負極活物質を十分に結着させるために、多くの量の結着剤が使用されており、負極における負極活物質の割合が少なくなって、リチウム二次電池におけるエネルギー密度が低下するという問題があり、このようなリチウム二次電池においてエネルギー密度を高めることが要望されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、負極において、天然黒鉛とコークスとの混合物や天然黒鉛とハードカーボンとの混合物からなる負極活物質を結着剤により結着させるようにしたリチウム二次電池における上記のような問題を解決することを課題とするものであり、上記の負極活物質が少ない量の結着剤によって十分に結着されて、高エネルギー密度のリチウム二次電池が得られるようにすることを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明におけるリチウム二次電池においては、上記のような課題を解決するため、正極活物質として一般式LiNi1-x Cox O2 (0.1<x<0.6)で表されるリチウム含有ニッケル・コバルト複合酸化物を用いた正極と、天然黒鉛とコークスとの混合物又は天然黒鉛とハードカーボンとの混合物からなる負極活物質を結着剤により結着させた負極とを備えたリチウム二次電池において、上記の負極における結着剤として重量平均分子量が50万以上のポリフッ化ビニリデンを用い、上記の負極活物質に用いる天然黒鉛の平均粒径が18μm以上の場合には、この結着剤の量を負極活物質と結着剤との総重量に対して3〜7重量%の範囲にし、また負極活物質に用いる天然黒鉛の平均粒径が18μm未満の場合には、この結着剤の量を負極活物質と結着剤との総重量に対して5〜7重量%の範囲にしたのである。
【0009】
そして、この発明におけるリチウム二次電池のように、負極における結着剤に重量平均分子量が50万以上のポリフッ化ビニリデンを用いると、上記のように結着剤の量を負極活物質と結着剤との総重量に対して3〜7重量%或いは5〜7重量%という少ない量で、天然黒鉛とコークスとの混合物又は天然黒鉛とハードカーボンとの混合物からなる負極活物質が十分に結着されるようになり、負極における負極活物質の割合が多くなって、高エネルギー密度のリチウム二次電池が得られるようになる。但し、結着剤として使用するポリフッ化ビニリデンの重量平均分子量が80万を越えると、その粘性が高くなり過ぎて、上記の負極活物質が適切に分散された均一な負極を得ることが困難になるため、重量平均分子量が80万以下のポリフッ化ビニリデンを用いることが好ましい。
【0010】
また、重量平均分子量が50万以上のポリフッ化ビニリデンを用いて上記の負極活物質を結着させる場合、この負極活物質における天然黒鉛の平均粒径が大きくなる程、その比表面積が小さくなり、負極活物質相互を少ない量の結着剤によって結着できるようになる。
【0011】
このため、この発明におけるリチウム二次電池においては、負極活物質における天然黒鉛の平均粒径が18μm以上の場合、上記の結着剤の量を負極活物質と結着剤との総重量に対して3〜7重量%の範囲にし、また負極活物質に用いる天然黒鉛の平均粒径が18μm未満の場合、この結着剤の量を負極活物質と結着剤との総重量に対して5〜7重量%の範囲にしたのである。但し、負極活物質における天然黒鉛の平均粒径が40μmを越えると、負極活物質が適切に分散された均一な負極を得ることが困難になるため、平均粒径が40μm以下の天然黒鉛を用いることが好ましい。なお、結着剤の量を負極活物質と結着剤との総重量に対して7重量%以下にしているのは、結着剤の量がこれ以上になると、負極中における負極活物質の割合が少なくなって、リチウム二次電池におけるエネルギー密度が低下するためである。
【0012】
また、この発明におけるリチウム二次電池において、その負極活物質に天然黒鉛とコークスとの混合物又は天然黒鉛とハードカーボンとの混合物を用いるようにしたのは、このような負極活物質を用いると前記のように充放電サイクル特性に優れたリチウム二次電池が得られるためである。
【0013】
ここで、天然黒鉛とコークスとの混合物又は天然黒鉛とハードカーボンとの混合物からなる負極活物質を用いるにあたり、この負極活物質中における天然黒鉛の割合が多くなると、リチウム二次電池のエネルギー密度が高くなるが、天然黒鉛の割合が多くなり過ぎると、放電末期に副反応が生じて充放電サイクル特性が低下するため、負極活物質中における天然黒鉛の量を60〜80重量%の範囲にすることが好ましい。
【0014】
また、上記のような負極活物質を用いたリチウム二次電池において、そのエネルギー密度や充放電サイクル特性をさらに向上させるためには、上記の天然黒鉛として、格子面(002)における面間隔d002 が3.35〜3.37Å,c軸方向の結晶子の大きさLcが400Å以上のものを、またコークスとしては、d002 が3.40〜3.70Å,Lcが10〜150Åのものを、またハードカーボンとしては、d002 が3.70〜3.90Å,Lcが30Å以下のものを用いることが好ましい。
【0015】
また、上記のような負極を使用した場合、放電末期における負極の電位変化が緩やかになるため、この発明におけるリチウム二次電池においては、正極における正極活物質として一般式LiNi1-x Cox O2 (0.1<x<0.6)で表されるリチウム含有ニッケル・コバルト複合酸化物を用いるようにした。すなわち、このような正極活物質を使用すると、上記のような負極を使用した場合においても高い放電容量及び高い放電電位が得られるようになる。そして、このようなリチウム含有ニッケル・コバルト複合酸化物としては、LiNi0.7 Co0.3 O2 等を用いることができる。
【0016】
また、この発明におけるリチウム二次電池においては、従来のリチウム二次電池と同様に非水電解質が使用され、このような非水電解質としては、有機溶媒に溶質を溶解させた非水電解液、ポリマーに溶質を含有させたポリマー電解質、ポリマー電解質に有機溶媒を含有させたゲル状のポリマー電解質等を用いることができる。
【0017】
そして、上記の有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、シクロペンタノン、スルホラン、ジメチルスルホラン、3−メチル−1,3−オキサゾリジン−2−オン、γ−ブチロラクトン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、ブチルメチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、ブチルエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、酢酸メチル、酢酸エチル等を1種又は2種以上組み合わせたものを使用することができる。
【0018】
また、上記の溶質としては、例えば、LiPF6 、LiBF4 、LiSiF6 、LiCF3 SO3 、LiAsF6 、LiN(CF3 SO2 )2 、LiCF3 (CF2 )3 SO3 等の等のリチウム化合物を使用することができる。
【0019】
また、上記のポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレングリコールジアクリレート架橋体等を用いることができる。
【0020】
【実施例】
以下、この発明に係るリチウム二次電池について実施例を挙げて具体的に説明すると共に、この実施例に係るリチウム二次電池においては、少ない量の結着剤により負極活物質が十分に結着されて、高エネルギー密度のリチウム二次電池が得られることを比較例をあげて明らかにする。なお、この発明に係るリチウム二次電池は下記の実施例に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
【0021】
(実施例A1)
実施例A1においては、下記のようにして作製した正極と負極と非水電解液とを用いて、直径が14.2mm,高さが50.0mmになった図1に示すような円筒型のリチウム二次電池を作製した。
【0022】
[正極の作製]
正極を作製するにあたっては、正極活物質にリチウム含有ニッケル・コバルト複合酸化物であるLiNi0.7 Co0.3 O2 の粉末を用い、このLiNi0.7 Co0.3 O2 粉末と、導電剤である炭素粉末と、結着剤である重量平均分子量が30万のポリフッ化ビニリデンとを90:5:5の重量比で混合し、この混合物にN−メチル−2−ピロリドンを加えてスラリー化させ、このスラリーを正極集電体であるアルミニウム箔の両面にドクターブレード法により塗布した後、これを圧延し、幅40mmに切断して正極を作製した。
【0023】
[負極の作製]
負極を作製するにあたっては、負極活物質として、平均粒径が18μmの天然黒鉛(d002 =3.356Å、Lc>1000Å)の粉末と、平均粒径が18μmのコークス(d002 =3.44Å、Lc=32Å)の粉末とを4:1の重量比で混合させたものを用い、また結着剤として、重量平均分子量が50万のポリフッ化ビニリデンを用いた。
【0024】
そして、上記の負極活物質と結着剤とを、下記の表1に示すように97:3の重量比(結着剤量=3重量%)で混合し、この混合物にN−メチル−2−ピロリドンを加えてスラリー化させ、このスラリーを負極集電体である銅箔の両面にドクターブレード法により塗布した後、これを圧延し、幅42mmに切断して負極を作製した。
【0025】
[非水電解液の作製]
非水電解液を作製するにあたっては、溶媒としてエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを1:1の体積比で混合させた混合溶媒を用い、この混合溶媒に溶質としてヘキサフルオロリン酸リチウムLiPF6 を1mol/lの濃度になるように溶解させて非水電解液を作製した。
【0026】
[電池の作製]
電池を作製するにあたっては、図1に示すように、上記のようにして作製した正極1と負極2との間に、セパレータ3としてリチウムイオン透過性のポリエチレン製の微多孔膜を介在させ、これらをスパイラル状に巻いて電池缶4内に収容させた後、この電池缶4内に上記のようにして作製した非水電解液を注液して封口し、正極1を正極リード5を介して正極外部端子6に接続させると共に負極2を負極リード7を介して電池缶4に接続させ、正極外部端子6と電池缶4とを絶縁パッキン8により電気的に分離させた。
【0027】
(実施例A2,A3)
実施例A2,A3においては、負極を作製するにあたり、上記の実施例A1のものと同じ負極活物質及び結着剤を使用し、この負極活物質と結着剤とを混合させるにあたって、下記の表1に示すように、実施例A2では負極活物質と結着剤との重量比を95:5(結着剤量=5重量%)に、実施例A3では負極活物質と結着剤との重量比を93:7(結着剤量=7重量%)にし、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
【0028】
(比較例a1,a2)
比較例a1,a2においては、負極を作製するにあたって、上記の実施例A1のものと同じ負極活物質及び結着剤を使用し、この負極活物質と結着剤とを混合させるにあたって、下記の表1に示すように、比較例a1では負極活物質と結着剤との重量比を98:2(結着剤量=2重量%)に、比較例a2では負極活物質と結着剤との重量比を90:10(結着剤量=10重量%)にし、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、各リチウム二次電池を作製するようにした。
【0029】
ここで、比較例a1のものにおいては、上記の負極活物質が結着剤によって十分に結着されずに負極集電体から剥離してしまい、リチウム二次電池を作製することができなかった。
【0030】
(比較例a3〜a7)
比較例a3〜a7においては、負極を作製するにあたり、上記の実施例A1のものと同じ負極活物質を使用する一方、結着剤としては重量平均分子量が40万のポリフッ化ビニリデンを用いるようにした。
【0031】
そして、上記の負極活物質と結着剤とを混合させるにあたって、下記の表1に示すように、比較例a3では負極活物質と結着剤との重量比を98:2(結着剤量=2重量%)に、比較例a4では負極活物質と結着剤との重量比を97:3(結着剤量=3重量%)に、比較例a5では負極活物質と結着剤との重量比を95:5(結着剤量=5重量%)に、比較例a6では負極活物質と結着剤との重量比を93:7(結着剤量=7重量%)に、比較例a7では負極活物質と結着剤との重量比を90:10(結着剤量=10重量%)にし、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして各リチウム二次電池を作製するようにした。
【0032】
ここで、比較例a3〜a6のものにおいては、上記の負極活物質が結着剤によって十分に結着されずに負極集電体から剥離してしまい、リチウム二次電池を作製することができなかった。
【0033】
次に、上記のようにして作製した各リチウム二次電池について、室温25℃の雰囲気中において、それぞれ75mAの定電流で電池電圧4.2Vまで充電を行った後、75mAの定電流で電池電圧2.7Vまで放電を行い、各リチウム二次電池における放電容量(mAh)を求め、その結果を下記の表1に合わせて示した。
【0034】
【表1】
【0035】
この結果、平均粒径が18μmの天然黒鉛の粉末と、平均粒径が18μmのコークスの粉末とを4:1の重量比で混合させた負極活物質を結着剤により結着させて負極を作製するにあたり、結着剤に重量平均分子量が50万のポリフッ化ビニリデンを用い、この結着剤の量を負極活物質と結着剤との総重量に対して3〜7重量%の範囲にした実施例A1〜A3のリチウム二次電池においては、負極活物質が結着剤により十分に結着されて負極集電体から剥離するのが防止されると共に、高い放電容量が得られた。
【0036】
これに対して、重量平均分子量が50万のポリフッ化ビニリデンを用いても、この結着剤の量を負極活物質と結着剤との総重量に対して2重量%にした比較例a1のものや、重量平均分子量が40万のポリフッ化ビニリデンを用い、この結着剤の量を負極活物質と結着剤との総重量に対して2〜7重量%の範囲にした比較例a3〜a6のものにおいては、負極活物質が結着剤によって十分に結着されずに負極集電体から剥離してしまい、リチウム二次電池を作製することができなかった。
【0037】
また、重量平均分子量が50万のポリフッ化ビニリデンや重量平均分子量が40万のポリフッ化ビニリデン用い、結着剤の量を負極活物質と結着剤との総重量に対して10重量%にした比較例a2,a7のものにおいては、負極活物質が結着剤により十分に結着されて負極集電体から剥離するのが防止されたが、負極中における負極活物質の量が少なくなって、放電容量が低下した。
【0038】
(実施例B1,B2)
実施例B1,B2においては、負極を作製するにあたり、負極活物質として、平均粒径が8μmの天然黒鉛の粉末と、平均粒径が18μmのコークスの粉末とを4:1の重量比で混合させたものを用い、結着剤としては、上記の実施例A1と同じ重量平均分子量が50万のポリフッ化ビニリデンを用いるようにした。
【0039】
そして、上記の負極活物質と結着剤とを混合させるにあたって、下記の表2に示すように、実施例B1では負極活物質と結着剤との重量比を95:5(結着剤量=5重量%)に、実施例B2では負極活物質と結着剤との重量比を93:7(結着剤量=7重量%)にし、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして各リチウム二次電池を作製するようにした。
【0040】
(比較例b1〜b3)
比較例b1〜b3においては、負極を作製するにあたり、上記の実施例B1,B2の場合と同様に、負極活物質として、平均粒径が8μmの天然黒鉛の粉末と、平均粒径が18μmのコークスの粉末とを4:1の重量比で混合させたものを用いると共に、結着剤として、上記の実施例A1と同じ重量平均分子量が50万のポリフッ化ビニリデンを用いるようにした。
【0041】
そして、上記の負極活物質と結着剤とを混合させるにあたって、下記の表2に示すように、比較例b1では負極活物質と結着剤との重量比を98:2(結着剤量=2重量%)に、比較例b2では負極活物質と結着剤との重量比を97:3(結着剤量=3重量%)に、比較例b3では負極活物質と結着剤との重量比を90:10(結着剤量=10重量%)にし、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして各リチウム二次電池を作製するようにした。
【0042】
ここで、比較例b1,b2のものにおいては、上記の負極活物質が結着剤によって十分に結着されずに負極集電体から剥離してしまい、リチウム二次電池を作製することができなかった。
【0043】
(比較例b4〜b8)
比較例b4〜b8においては、負極を作製するにあたり、負極活物質として、上記の実施例B1,B2の場合と同様に、平均粒径が8μmの天然黒鉛の粉末と、平均粒径が18μmのコークスの粉末とを4:1の重量比で混合させたものを用いる一方、結着剤としては、上記の比較例a3〜a7の場合と同じ、重量平均分子量が40万のポリフッ化ビニリデンを用いるようにした。
【0044】
そして、上記の負極活物質と結着剤とを混合させるにあたって、下記の表2に示すように、比較例b4では負極活物質と結着剤との重量比を98:2(結着剤量=2重量%)に、比較例b5では負極活物質と結着剤との重量比を97:3(結着剤量=3重量%)に、比較例b6では負極活物質と結着剤との重量比を95:5(結着剤量=5重量%)に、比較例b7では負極活物質と結着剤との重量比を93:7(結着剤量=7重量%)に、比較例b8では負極活物質と結着剤との重量比を90:10(結着剤量=10重量%)にし、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして各リチウム二次電池を作製するようにした。
【0045】
ここで、比較例b4〜b7のものにおいては、上記の負極活物質が結着剤によって十分に結着されずに負極集電体から剥離してしまい、リチウム二次電池を作製することができなかった。
【0046】
次に、上記のようにして作製した各リチウム二次電池についても、室温25℃の雰囲気中において、それぞれ75mAの定電流で電池電圧4.2Vまで充電を行った後、75mAの定電流で電池電圧2.7Vまで放電を行い、各リチウム二次電池における放電容量(mAh)を求め、その結果を下記の表2に合わせて示した。
【0047】
【表2】
【0048】
この結果、平均粒径が8μmの天然黒鉛の粉末と、平均粒径が18μmのコークスの粉末とを4:1の重量比で混合させた負極活物質を結着剤により結着させて負極を作製するにあたり、結着剤に重量平均分子量が50万のポリフッ化ビニリデンを用い、この結着剤の量を負極活物質と結着剤との総重量に対して5〜7重量%の範囲にした実施例B1,B2のリチウム二次電池においては、負極活物質が結着剤により十分に結着されて負極集電体から剥離するのが防止されると共に、高い放電容量が得られた。
【0049】
これに対して、重量平均分子量が50万のポリフッ化ビニリデンを用いても、この結着剤の量を負極活物質と結着剤との総重量に対して2重量%や3重量%にした比較例b1,b2のものや、重量平均分子量が40万のポリフッ化ビニリデンを用い、この結着剤の量を負極活物質と結着剤との総重量に対して2〜7重量%の範囲にした比較例b4〜b7のものにおいては、負極活物質が結着剤によって十分に結着されずに負極集電体から剥離してしまい、リチウム二次電池を作製することができなかった。
【0050】
また、重量平均分子量が50万のポリフッ化ビニリデンや重量平均分子量が40万のポリフッ化ビニリデンを用い、結着剤の量を負極活物質と結着剤との総重量に対して10重量%にした比較例b3,b8のものにおいては、負極活物質が結着剤により十分に結着されて負極集電体から剥離するのが防止されたが、負極中における負極活物質の量が少なくなって、放電容量が低下した。
【0051】
(比較例c1〜c4)
比較例c1〜c4においては、正極を作製するにあたり、正極活物質にLiCoO2 粉末を用い、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして正極を作製した。
【0052】
また、負極を作製するにあたっては、上記の実施例A1の場合と同様に、平均粒径が18μmの天然黒鉛の粉末と、平均粒径が18μmのコークスの粉末とを4:1の重量比で混合させた負極活物質と、重量平均分子量が50万のポリフッ化ビニリデンからなる結着剤を用いるようにした。
【0053】
そして、上記の負極活物質と結着剤とを混合させるにあたっては、下記の表3に示すように、比較例c1では負極活物質と結着剤との重量比を97:3(結着剤量=3重量%)に、比較例c2では負極活物質と結着剤との重量比を95:5(結着剤量=5重量%)に、比較例c3では負極活物質と結着剤との重量比を93:7(結着剤量=7重量%)に、比較例c4では負極活物質と結着剤との重量比を90:10(結着剤量=10重量%)にし、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして各リチウム二次電池を作製した。なお、負極活物質と結着剤との重量比を98:2にした場合には、前記の比較例a1の場合と同様に、負極活物質が結着剤によって十分に結着されずに負極集電体から剥離してしまい、リチウム二次電池を作製することができなかった。
【0054】
(比較例d1〜d4)
比較例d1〜d4においては、正極を作製するにあたり、正極活物質にLiNiO2 粉末を用い、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして正極を作製した。
【0055】
また、負極を作製するにあたっては、上記の実施例A1の場合と同様に、平均粒径が18μmの天然黒鉛の粉末と、平均粒径が18μmのコークスの粉末とを4:1の重量比で混合させた負極活物質と、重量平均分子量が50万のポリフッ化ビニリデンからなる結着剤を用いるようにした。
【0056】
そして、上記の負極活物質と結着剤とを混合させるにあたっては、下記の表3に示すように、比較例d1では負極活物質と結着剤との重量比を97:3(結着剤量=3重量%)に、比較例d2では負極活物質と結着剤との重量比を95:5(結着剤量=5重量%)に、比較例d3では負極活物質と結着剤との重量比を93:7(結着剤量=7重量%)に、比較例d4では負極活物質と結着剤との重量比を90:10(結着剤量=10重量%)にし、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして各リチウム二次電池を作製した。なお、負極活物質と結着剤との重量比を98:2にした場合には、前記の比較例a1の場合と同様に、負極活物質が結着剤によって十分に結着されずに負極集電体から剥離してしまい、リチウム二次電池を作製することができなかった。
【0057】
次に、上記のようにして作製した比較例c1〜c4及び比較例d1〜d4の各リチウム二次電池についても、室温25℃の雰囲気中において、それぞれ75mAの定電流で電池電圧4.2Vまで充電を行った後、75mAの定電流で電池電圧2.7Vまで放電を行い、各リチウム二次電池における放電容量(mAh)を求め、その結果を、正極活物質にLiNi0.7 Co0.3 O2 を用いた上記の実施例A1〜A3及び比較例a2のものと合わせて下記の表3に合わせて示した。
【0058】
【表3】
【0059】
この結果、上記の負極活物質を結着させる結着剤の量が同じものについて比較すると、正極活物質にLiNi0.7 Co0.3 O2 を用いた実施例A1〜A3及び比較例a2のリチウム二次電池は、正極活物質にLiCoO2 やLiNiO2 を用いた比較例c1〜c4及び比較例d1〜d4のリチウム二次電池に比べて放電容量が高くなっていた。
【0060】
なお、上記の比較例c1〜c4及び比較例d1〜d4においては、平均粒径が18μmの天然黒鉛粉末を用いたが、平均粒径が8μmの天然黒鉛粉末を用いた場合も同様に、正極活物質にLiNi0.7 Co0.3 O2 を用いたリチウム二次電池の方が、正極活物質にLiCoO2 やLiNiO2 を用いたリチウム二次電池に比べて放電容量が高くなっていた。
【0061】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明におけるリチウム二次電池においては、正極活物質に一般式LiNi1-x Cox O2 (0.1<x<0.6)で表されるリチウム含有ニッケル・コバルト複合酸化物を用いると共に、天然黒鉛とコークスとの混合物又は天然黒鉛とハードカーボンとの混合物からなる負極活物質を結着剤により結着させるにあたり、結着剤として重量平均分子量が50万以上のポリフッ化ビニリデンを用いるようにしたため、負極活物質に用いる天然黒鉛の平均粒径が18μm以上の場合にはこの結着剤の量を負極活物質と結着剤との総重量に対して3〜7重量%に、また負極活物質に用いる天然黒鉛の平均粒径が18μm未満の場合にはこの結着剤の量を負極活物質と結着剤との総重量に対して5〜7重量%にしても、負極活物質が十分に結着されるようになった。
【0062】
この結果、この発明におけるリチウム二次電池においては、負極における負極活物質の割合が多くなり、また上記の正極活物質と組み合わせることによって、エネルギー密度の高いリチウム二次電池が得られるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例及び比較例において作製したリチウム二次電池の内部構造を示した断面説明図である。
【符号の説明】
1 正極
2 負極
Claims (6)
- 正極活物質として一般式LiNi1-x Cox O2 (0.1<x<0.6)で表されるリチウム含有ニッケル・コバルト複合酸化物を用いた正極と、天然黒鉛とコークスとの混合物又は天然黒鉛とハードカーボンとの混合物からなる負極活物質を結着剤により結着させた負極とを備えたリチウム二次電池において、上記の負極における結着剤として重量平均分子量が50万以上のポリフッ化ビニリデンを用い、上記の負極活物質に用いる天然黒鉛の平均粒径が18μm以上であって、上記の結着剤の量を負極活物質と結着剤との総重量に対して3〜7重量%の範囲にしたことを特徴とするリチウム二次電池。
- 請求項1に記載したリチウム二次電池において、上記の負極活物質に用いる天然黒鉛の平均粒径が40μm以下であることを特徴とするリチウム二次電池。
- 正極活物質として一般式LiNi1-x Cox O2 (0.1<x<0.6)で表されるリチウム含有ニッケル・コバルト複合酸化物を用いた正極と、天然黒鉛とコークスとの混合物又は天然黒鉛とハードカーボンとの混合物からなる負極活物質を結着剤により結着させた負極とを備えるリチウム二次電池において、上記の負極における結着剤として重量平均分子量が50万以上のポリフッ化ビニリデンを用い、上記の負極活物質に用いる天然黒鉛の平均粒径が18μm未満であって、上記の結着剤の量を負極活物質と結着剤との総重量に対して5〜7重量%の範囲にしたことを特徴とするリチウム二次電池。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載したリチウム二次電池において、上記の負極における結着剤として重量平均分子量が80万以下のポリフッ化ビニリデンを用いたことを特徴とするリチウム二次電池。
- 請求項1〜4の何れか1項に記載したリチウム二次電池において、上記の正極活物質がLiNi0.7 Co0.3 O2 であることを特徴とするリチウム二次電池。
- 請求項1〜5の何れか1項に記載したリチウム二次電池において、上記の天然黒鉛とコークスとの混合物又は天然黒鉛とハードカーボンとの混合物からなる負極活物質中における天然黒鉛の量が60〜80重量%の範囲になっていることを特徴とするリチウム二次電池。
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