JP3690905B2 - 軌道走行用車輪駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧モータで軌道走行用車輪を駆動させることにより鉄道用レール上を走行可能な軌道走行車両に関し、さらには左右の鉄道用レールを絶縁して走行可能な軌道走行用車輪駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉄道用レールに沿って配設されたトロリ線、各種設備等の保守、点検等を行うための軌道走行用車両としては、作業現場へのアクセスが容易な軌陸作業車が用いられる。軌陸作業車は、道路走行用車輪(タイヤ)に加えて鉄道用レール上を走行するための軌道走行用車輪(鉄輪)を有し、車体上には、各種作業を行うための作業装置、例えば高所作業装置等が備えられる。
【0003】
ところで、鉄道網においては、鉄輪及び車軸を介して左右のレールが短絡されることを利用して、所定区間内における電車の存在が検知され信号機が自動的に制御される自動信号回路が設けられている。軌陸作業車も鉄輪及び車軸を有しているため、この自動信号回路によって軌陸作業車が電車車両とみなされた場合、鉄道車両の運行に混乱を招く恐れがある。このため、軌陸作業車には、レール上に鉄輪が接触している状態において左右のレールが短絡されないように、電気絶縁するように構成している。
【0004】
このような電気絶縁の方式としては、特開平8−276714号公報に開示されているように、車輪支持軸と鉄輪との間に絶縁材を配設することにより左右の鉄輪を導通させないようにする構成があるが、このような構成以外にも、特開平9−175129号公報に開示されているような構成が知られている。この構成は、車体の左右に配設されている支持フレームと、この支持フレームに支持されて鉄輪を保持する鉄輪保持フレームとの間に絶縁材を配設することにより左右の鉄輪を導通させないようにするものである。
【0005】
このような構成によって左右の鉄輪が絶縁される軌陸作業車は、鉄輪が従動輪である場合に適している。すなわち、鉄輪を駆動させて軌道上の走行を行う軌道作業車においては、前記のように車体の左右に独立して配設されている支持フレームと、鉄輪を保持する鉄輪保持フレームとの間に絶縁材を配設した上で、各鉄輪保持フレームに鉄輪駆動用の油圧モータを取り付けて構成される。
【0006】
そして、車体上に油圧モータの駆動制御を行う油圧制御装置を設け、この油圧制御装置と左右の各油圧モータとを送油ホースで繋ぐことにより、各油圧モータの駆動制御を行うこととしている。ここで、送油ホースには、電気絶縁性を有しているものと有していないものとがあり、上記のような構成の軌陸作業車において、電気絶縁性を有する送油ホースを用いることができれば、両油圧モータ間を絶縁させることができるため、油圧モータと鉄輪とが導通していても左右の鉄輪同士を絶縁させることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、軌陸作業車において所定の走行性能(走行速度、駆動トルク)を得るためには走行用のモータへの供給油圧を高圧化する必要があるが、高圧用の送油ホースには金属線による補強がなされているため電気絶縁性が無く、送油ホースを介して左右の鉄輪同士が導通してしまうという問題がある。そこで、供給油圧を高圧化せずに減速装置を用いて駆動トルクを上げることが考えられるが、減速装置を用いても充分な駆動トルクを得ることができず、また、走行速度も遅いという問題がある。
【0008】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、油圧モータによって軌道走行用車輪を駆動させて軌道上を走行するときに左右のレールを短絡することのない軌道走行用車輪駆動装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の軌道走行用車輪駆動装置は、軌道走行用車輪保持フレームと、第1絶縁部材と、油圧モータと、送油手段と、第2絶縁部材とから構成されている。軌道走行用車輪保持フレームは、軌道走行用車輪を回転自在に保持して車体に取り付けられ、第1絶縁部材は、車体と軌道走行用車輪保持フレームとの間に配設されて車体に対して軌道走行用車輪保持フレームを電気絶縁する。油圧モータは、軌道走行用車輪保持フレームに配設され、金属線により補強された送油ホース送油パイプ等の送油手段により導かれる作動油によって軌道走行用車輪を回転駆動させ、第2絶縁部材は、油圧モータと送油手段との間に配設されて油圧モータに対して送油手段を電気絶縁する。
【0010】
このように構成された軌道走行用車輪駆動装置によれば、第一絶縁部材によって車体と軌道走行用車輪保持フレームとが電気絶縁されているため、車体を介して左右の軌道走行用車輪同士が導通することがない。また、第二絶縁部材によって油圧モータと送油手段とが電気絶縁されているため、送油手段が導電性を有するものであっても、送油手段を介して左右の軌道走行用車輪同士が導通することがない。
【0011】
なお、上記の軌道走行用車輪駆動装置においては、軌道走行用車輪保持フレームを車体に上下揺動自在に枢結するとともに、第1絶縁部材を車体と軌道走行用車輪保持フレームとの枢結部に配設し、さらには昇降シリンダと、第3絶縁部材とを有した構成とすることが好ましい。そして、昇降シリンダの基端部を車体に枢結するとともに先端部を軌道走行用車輪保持フレームへ枢結する。また、第3絶縁部材を昇降シリンダの先端部と軌道走行用車輪保持フレームとの枢結部に配設して昇降シリンダに対して軌道走行用車輪保持フレームを電気絶縁する。
【0012】
このように構成された軌道走行用車輪駆動装置によれば、昇降シリンダの伸縮作動によって軌道走行用車輪保持フレームを車体に対して上下方向へ揺動させることができる。このため、車体に軌道走行用車輪に加えて道路走行用の車輪を設け、道路走行用の車輪によって道路上を走行するときは軌道走行用車輪保持フレームを車体に対して上方向へ揺動させ、軌道走行用の車輪によって軌道上を走行するときは軌道走行用車輪保持フレームを車体に対して下方向へ揺動させるような構成とすることにより、軌道のみならず道路上も走行可能な軌陸車の軌道走行用車輪駆動装置とすることができる。
【0013】
さらに、上記の軌道走行用車輪駆動装置においては、第2絶縁部材を電気絶縁性を有するセラミックによって形成することが好ましい。これにより、第2絶縁部材を、充分な強度を有するとともに温度変化にも対応可能な構成とすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。まず、本発明に係る軌道走行用車輪駆動装置を備えた軌陸作業車について図2を参照して説明する。この軌陸作業車30は、道路上を走行するトラックをベースとして構成されているため、車体31の前後左右には各々タイヤ32が配設されている。
【0015】
また、車体31の下部中央には、軌陸作業車30自体を持ち上げるためのセンタジャッキ38が設けられ、車体31の前後左右には作業時に車体31を安定支持するためのアウトリガジャッキ装置20が設けられている。車体31の荷台前部上には、車体31に対して旋回自在に旋回台33が設けられ、この旋回台33の上部に、起伏、伸縮作動が自在なブーム34が枢着されている。そして、このブーム34の先端には作業台35が配設されている。
【0016】
車体31の前後のタイヤ32の後方には、各々鉄輪(軌道走行用車輪)16が、絶縁鉄輪張出機構10に旋回自在に保持されて張出(下降)および格納(上昇)自在に下方へ向けて配設されている。これら鉄輪16は、鉄道用レールRのピッチと、左右方向に同ピッチを有して配設されている。
【0017】
絶縁鉄輪張出機構10は、図1および図3にも示すように、車体31に固設された支持フレーム13と、鉄輪16と、この鉄輪16を回転自在に保持した鉄輪保持フレーム(軌道走行用車輪保持フレーム)12と、伸縮作動が自在な昇降シリンダ11とから構成される。
【0018】
支持フレーム13は、車体31側方視において、2枚の板部材からなる左右側壁部13aと、これら左右側壁部13a内上部と中央下部とに配設された、角パイプからなるステイ13c、13dおよび13eとから溶接されて一体に形成され、支持フレーム13の左右側壁部13aは、鉄輪保持フレーム12を受容可能な間隔を有して平行に維持される。
【0019】
鉄輪保持フレーム12は、車体31側方視において、2枚の板部材からなる左右側壁部12aと、丸パイプからなる軸受部12bと、2枚の板材からなるレバー部12cとから構成されている。軸受部12bは、左右側壁部12aを平行に維持し鉄輪16が受容可能な空間を得るために左右側壁部12a内上部に配設されている。レバー部12cは、軸受部12bから車体31の後方へ延び、昇降シリンダ11の先端部を受容可能な空間を有して平行に配置されている。鉄輪保持フレーム12の下端部には、鉄輪16が取り付けられた車輪支持軸15が回転自在に保持される。
【0020】
昇降シリンダ11は、伸縮作動自在な油圧シリンダであって、基端部が支持フレーム13の前側上端部に設けられた貫通孔へ基端枢支ピン14によって枢結され、先端部が鉄輪保持フレーム12のレバー部12c先端部分に設けられた貫通孔へ先端枢支ピン26によって枢結される。
【0021】
このように配設された昇降シリンダ11が伸縮作動されるとき、鉄輪保持フレーム12は、支持フレーム13へ鉄輪保持フレーム12を枢結するフレーム枢支ピン21を支点として揺動される。この鉄輪保持フレーム12の揺動により、鉄輪保持フレーム12へ車輪支持軸15によって回動自在に保持された鉄輪16はレールR上へ張り出されたりレールR上方へ格納されたりする。
【0022】
支持フレーム13と鉄輪保持フレーム12との枢結部、および昇降シリンダ11の先端部と鉄輪保持フレーム12との枢結部には、絶縁部材が配設されている。鉄輪保持フレーム12上端部に位置する軸受部12b内には、請求の範囲に記載の第1絶縁部材として、電気絶縁性を有するセラミック等の絶縁性材料から形成された円筒形状のブッシュ23、スペーサ24および鍔付ブッシュ22が配設されている。
【0023】
スペーサ24は、ブッシュ23を左右側壁部12a近くに位置させるものである。このため、スペーサ24は、所定の長さを有して形成され、鉄輪保持フレーム12の軸受部12b内中央に配設される。さらに、ブッシュ23の左右外側には、各々、比較的に短い長さを有する鍔付ブッシュ22が配設される。この鍔付ブッシュ22は、外側に鍔部を有し、この鍔部によって鉄輪保持フレーム12の左右側壁部12aの外面と、支持フレーム13の左右側壁部13aの内面とが接触して導通することを阻止する。
【0024】
フレーム枢支ピン21は、円柱状のスピンドル部21aと、外形がU字状の板材からなるプレート部21bとから一体に形成されている。スピンドル部21aの一端に外形を小さくした段差が設けられてボスが形成され、このボスへ、プレート部21bに設けられた貫通孔が嵌挿されて、スピンドル部21aとプレート部21bとが溶接されている。さらに、フレーム枢支ピン21のスピンドル部21aの他端にはネジが切られている。
【0025】
このネジ部を先頭に車体31の外側方向から、フレーム枢支ピン21は、支持フレーム13の左右側壁部13a内へ入れられた鉄輪保持フレーム12の軸受部12b内へ、ブッシュ23、スペーサ24及び鍔付ブッシュ22と、支持フレーム13の下端部に設けられた貫通孔とを通して嵌挿される。このとき、フレーム枢支ピン21のプレート部21bを支持フレーム13の側壁部13a車体外方面上に設けられたストッパ13fへ当接させて、フレーム枢支ピン21の他端に設けられたネジ部へナットを締め付ける。
【0026】
このように取り付けられることにより、フレーム枢支ピン21は支持フレーム13に対して固定される。昇降シリンダ11が伸縮作動するとき、この固定されたフレーム枢支ピン21の周りを鉄輪保持フレーム12の軸受部12bが旋回することになる。
【0027】
また、昇降シリンダ11先端部の軸受部内孔には、請求の範囲に記載の第3絶縁部材として、前記と同様のセラミック等の絶縁性材料から形成された鍔付ブッシュ27及びブッシュ28が配設されている。中央にはブッシュ28が嵌挿され、このブッシュ28の両側に各々鍔付ブッシュ27が填め込まれる。これらブッシュ27及び28内へ、先端枢支ピン26が鉄輪保持フレーム12のレバー部12c先端部分に設けられた貫通孔を通して嵌挿される。鍔付ブッシュ27の鍔部によって鉄輪保持フレーム12のレバー部12c内面と、昇降シリンダ11の先端部側面とが接触して導通することが阻止される。
【0028】
尚、先端枢支ピン26は、円柱状のスピンドルで、一端部に軸方向へ垂直に溝が設けられている。この溝内にキープレート29が嵌挿され、このキープレート29が鉄輪保持フレーム12のレバー部12c車体内方面上にボルト止めされることによって、先端枢支ピン26は鉄輪保持フレーム12のレバー部12cに固定されている。
【0029】
上記のように、支持フレーム13と鉄輪保持フレーム12との枢結部に配設された鍔付ブッシュ22、ブッシュ23及びスペーサ24によって鉄輪保持フレーム12が車体31に対して電気絶縁される。また、昇降シリンダ11の先端部と鉄輪保持フレーム12のレバー部12cとの枢結部に配設された鍔付ブッシュ27とブッシュ28とによって、基端部が支持フレーム13上端部分に枢結された昇降シリンダ11に対して鉄輪保持フレーム12が電気絶縁されている。このように枢結部に配設された絶縁部材によって、鉄輪16を回転自在に保持した鉄輪保持フレーム12は車体31に対して電気絶縁されている。
【0030】
尚、上記の実施形態においては、鉄輪保持フレーム12の上部二カ所の枢結部に、フレーム枢支ピン21及び基端枢支ピン26を受容する絶縁部材として、鍔付ブッシュ22、ブッシュ23、スペーサ24、鍔付ブッシュ27及びブッシュ28が、鉄輪保持フレーム12の軸受部12b内と、昇降シリンダ11の基端部軸受部内とに配設されたが、これに代えて、絶縁鉄輪張出機構10の外側に位置する支持フレームの貫通孔内と、鉄輪保持フレーム12のレバー部12c先端に設けられた貫通孔内とに絶縁部材としてのブッシュを配設しても良い。また、これらブッシュ等を全て省き、各枢支ピンを絶縁性材料、例えばセラミック等から形成して絶縁を施しても良い。
【0031】
このように構成された絶縁鉄輪張出機構10は、車体31の前後左右に配設されるが、前側(前タイヤの後方)の左右の絶縁鉄輪張出機構10にはさらに油圧モータMが設けられ、鉄輪16を駆動するように構成されている。以下、図4から図6を加えて絶縁鉄輪張出機構10において鉄輪16を駆動するように構成された軌道走行用車輪駆動装置1について説明する。
【0032】
軌道走行用車輪駆動装置1においては、鉄輪保持フレーム12の左右壁部12aのいずれか一方(車体31の外方)の壁部の外側に油圧モータMが取り付けられている。この油圧モータMは、その回転軸(図示せず)が車輪支持軸15に固着されており、油圧モータMの回転駆動を行うことにより車輪支持軸15を回転させて鉄輪16の回転駆動を行うことができるようになっている。
【0033】
油圧モータMは、車体31に配設された油圧ポンプ、制御バルブ(共に図示せず)等からなる油圧制御装置によって給排制御される作動油によって駆動される。油圧モータMへの作動油の給排制御は送油ホース(送油手段)Sによりなされるが、送油ホースSの油圧モータMへの接続は、送油ホース接続装置50を介してなされる。
【0034】
送油ホース接続装置50は、油圧モータMに取り付けられるモータ取付部材51と、送油ホースSが接続されるホース接続部材52と、モータ取付部材51とホース接続部材52との間に配設されるモータ側絶縁部材53と、ホース接続部材52の外側に配設されて固定用ボルト55の頭部とホース接続部材52との間に配設される外側絶縁部材54とを有している。
【0035】
モータ取付部材51は矩形の板状に形成され、油圧モータMに形成された取付用雌ネジMaに対応して6つの貫通孔51aが形成されるとともに、中央部には油圧モータMに形成された送排油孔Mbに繋がる貫通孔51bが形成されている。モータ側絶縁部材53もモータ取付部材51と同様に矩形の板状に形成され、貫通孔51aに対応して貫通孔53aが形成されるとともに、中央部には貫通孔51bに繋がる貫通孔53bが形成されている。
【0036】
なお、モータ取付部材51は金属材料によって形成され、モータ側絶縁部材53は電気絶縁性を有するセラミック等の絶縁材料によって形成されている。また、モータ側絶縁部材53におけるモータ取付部材51側の取付面には、Oリング溝53cが形成され、このOリング溝には油圧モータMへ給排される作動油の漏れを防止するためのOリング58が配設されている。
【0037】
ホース接続部材52は、金属材料によって矩形のブロック状に形成され、上面から後面(モータ側絶縁部材53側の面)にL字状に貫通する2個の送排油孔52bが形成されている。また、前面から後面を貫通して貫通孔53aに対応する貫通孔52aが形成されているが、この貫通孔52aは他の貫通孔53a等よりも大きな内径で形成されている。そして、この貫通孔52a内には、セラミックやナイロン等の絶縁材料で形成された円筒形状のブッシュ56が配設されている。
【0038】
ブッシュ56は、その全長がホース接続部材52の厚さよりも短く形成され、ブッシュ56の両端には防水シール57が配設されている。なお、貫通孔52aの前後端部には、この防水シール57を配設するための面取りが施されている。そして、ブッシュ56の貫通孔56aの内径は各貫通孔51b,53bの内径と同じく、固定用ボルト55の挿入が可能な寸法で形成されている。
【0039】
このように、ブッシュ56および防水シール57が配設されたホース接続部材52の外側(前面)には、防水シール57を覆う外径および固定用ボルト55の挿入が可能な内径で円筒状に形成された外側絶縁部材54が、各固定用ボルト55に対応して取り付けられている。なお、この外側絶縁部材54も絶縁材料であるセラミックにより形成されている。
【0040】
このように構成された各部材は、ホース接続部材52が外側絶縁部材54とモータ側絶縁部材53とで挟持されるようにして、モータ取付部材51を介して固定用ボルト55によって油圧モータMに取り付けられる。なお、外側絶縁部材54と固定用ボルト55の頭部との間には平板状に形成されたワッシャ59aや、断面形状がコの字状に形成されて、油圧モータMやホース接続部材52を外力から保護することができるガード部材(図示せず)の取付が可能なワッシャ59bが配設されている。
【0041】
このように取り付けることにより、ホース接続部材52の送排油孔52bと油圧モータMの送排油孔Mbとが連通することとなるため、ホース接続部材52の送排油孔52bに送油ホースSを繋げば、油圧モータMへの作動油の給排を行うことができる。
【0042】
ここで、ホース接続部材52と油圧モータMとの間にはモータ側絶縁部材53が配設されているため、ホース接続部材52と油圧モータMとが直接導通することがない。また、固定用ボルト55とホース接続部材52との間には外側絶縁部材54およびブッシュ56が配設されているため、固定用ボルト55を介してのホース接続部材52と油圧モータMとの導通を防止することもできる。
【0043】
従って、上記の軌道走行用車輪駆動装置1においては、モータ側絶縁部材53、外側絶縁部材54およびブッシュ56が請求の範囲に記載の第2絶縁部材を構成するが、第2絶縁部材は上記のような構成に限られるものではなく、油圧モータMと送油ホースSとを電気絶縁することができれば良い。従って、ホース接続部材52を電気絶縁性を有するセラミックによって形成したり、ホース接続部材52と送油ホースSとの接続部に絶縁部材を配設するように構成してもよい。
【0044】
なお、貫通孔52aの両端部には各々防水シール57が配設されているため、貫通孔52aの両端部からの水の侵入を防止することができ、この部分に侵入した水による固定用ボルト55とホース接続部材52との導通を防止することができる。
【0045】
従って、上記のように構成された軌陸作業車30においては、昇降シリンダ11の伸縮作動によって、鉄輪16が鉄輪保持フレーム12と共に車体31に対して上下方向へ揺動され左右レールRに当接されても、左右レールRが導通されることは無い。このため、軌陸作業車30は、鉄道網自動信号回路に感知されること無くレールR上に鉄輪16を張り出し、油圧モータMを駆動して鉄輪16を駆動することによりレールR上を走行することができる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の軌道走行用車輪駆動装置は、車体と軌道走行用車輪保持フレームとの間に第1絶縁部材を配設することにより車体と軌道走行用車輪保持フレームとを電気絶縁し、油圧モータと送油ホースとの間に第2絶縁部材を配設することにより油圧モータと送油ホース等の送油手段とを電気絶縁している。
【0047】
このため、車体を介して左右の軌道走行用車輪同士が導通することがなく、また、送油手段が導電性を有するものであっても、送油手段を介して左右の軌道走行用車輪同士が導通することがない。従って、鉄道用レール上を走行するときに左右の鉄道用レールを短絡させてしまうことがない。
【0048】
また、車体と軌道走行用車輪保持フレームとの間に絶縁部材を配設することにより車体と軌道走行用車輪保持フレームとを電気絶縁させて軌道走行用車輪を従動輪として構成した軌道走行用車両においては、軌道走行用車輪保持フレームに油圧モータを取り付け、この油圧モータと送油手段との間に第2絶縁部材を追加すれば、軌道走行用車輪を駆動輪として構成した場合にも左右の軌道走行用車輪同士を絶縁することができる。
【0049】
なお、上記の軌道走行用車輪駆動装置においては、軌道走行用車輪保持フレームを車体に上下揺動自在に枢結するとともに、第1絶縁部材を車体と軌道走行用車輪保持フレームとの枢結部に配設し、第3絶縁部材により昇降シリンダに対して軌道走行用車輪保持フレームを電気絶縁するように構成することが好ましい。これにより、昇降シリンダの伸縮作動によって軌道走行用車輪保持フレームを車体に対して上下方向へ揺動させることができるため、軌道のみならず道路上も走行可能な軌陸車の軌道走行用車輪駆動装置とすることができる。
【0050】
さらに、上記の軌道走行用車輪駆動装置においては、第2絶縁部材を電気絶縁性を有するセラミックによって形成することが好ましい。これにより、第2絶縁部材を、充分な強度を有するとともに温度変化にも対応させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る軌道走行用車輪駆動装置を示した部分断面図である。
【図2】上記軌道走行用車輪駆動装置を設けた軌陸作業車の側面図である。
【図3】上記軌道走行用車輪駆動装置の側面図である。
【図4】上記軌道走行用車輪駆動装置における送油ホース接続装置の断面図であり、図6におけるIV−IV断面図である。
【図5】上記軌道走行用車輪駆動装置における送油ホース接続装置の上面図である。
【図6】上記軌道走行用車輪駆動装置における送油ホース接続装置の断面図であり、図5におけるVI−VI断面図である。
【符号の説明】
1 軌道走行用車輪駆動装置
10 絶縁鉄輪張出機構
12 鉄輪保持フレーム
16 鉄輪
30 軌陸作業車
50 送油ホース接続装置
52 ホース接続部材
53 モータ側絶縁部材
54 外側絶縁部材
M 油圧モータ
S 送油ホース

Claims (3)

  1. 車体と、
    軌道走行用車輪と、
    この軌道走行用車輪を回転自在に保持して前記車体に取り付けられる軌道走行用車輪保持フレームと、
    前記車体と前記軌道走行用車輪保持フレームとの間に配設されて前記車体に対して前記軌道走行用車輪保持フレームを電気絶縁する第1絶縁部材と、
    前記軌道走行用車輪保持フレームに配設されて前記軌道走行用車輪を回転駆動させる油圧モータと、
    金属線により補強された送油ホース若しくは送油パイプからなり前記車体に配設された油圧ポンプから供給される作動油を前記油圧モータに導く送油手段と、
    前記油圧モータと前記送油手段との間に配設されて前記油圧モータに対して前記送油手段を電気絶縁する第2絶縁部材とからなることを特徴とする軌道走行用車輪駆動装置。
  2. 前記軌道走行用車輪保持フレームが前記車体へ上下揺動自在に枢結され、
    前記第1絶縁部材が前記車体と前記軌道走行用車輪保持フレームとの枢結部に配設され、
    基端部が前記車体に枢結され先端部が前記軌道走行用車輪保持フレームへ枢結された昇降シリンダと、
    前記昇降シリンダの先端部と前記軌道走行用車輪保持フレームとの枢結部に配設されて前記昇降シリンダに対して前記軌道走行用車輪保持フレームを電気絶縁する第3絶縁部材とを有し、
    前記昇降シリンダの伸縮作動によって前記軌道走行用車輪保持フレームが前記車体に対して上下方向へ揺動可能であることを特徴とする請求項1に記載の軌道走行用車輪駆動装置。
  3. 前記第2絶縁部材が、電気絶縁性を有するセラミックによって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の軌道走行用車輪駆動装置。
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