JP3690479B2 - 光ファイバ樹脂塗布装置および光ファイバ樹脂塗布方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバに液状の樹脂を塗布する光ファイバ樹脂塗布方法に関するものである。本発明が適用される光ファイバとしては、被覆を備えていない単心光ファイバ、または、1層ないし複数層の内層被覆を備える単心または複数心の光ファイバ等であり、複数心の光ファイバの場合は、内層被覆した光ファイバを複数本並行に並べて被覆樹脂により一括被覆を施して、テープ状光ファイバ心線を製造する場合にも適用される。樹脂塗布後の光ファイバは、紫外線ランプや赤外炉など、それぞれの樹脂に応じた硬化手段を通過して樹脂が硬化され被覆となる。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバを保護するための樹脂被覆は、液状の被覆樹脂をポイントとダイスに挟まれた空間に加圧供給して光ファイバの表面に塗布することが普通である。樹脂中に気泡が混入されて、塗布した被覆中に気泡が混入されると、種々の問題を引き起こす。
【0003】
気泡の問題は、塗布する液状の樹脂中に気泡が混入された場合の問題と、塗布工程中において、光ファイバが樹脂に進入する際に、空気を巻き込んで気泡が混入されるという問題がある。硬化型樹脂は、使用温度における粘度が500〜8000cpsと粘度が高く、混入した気泡が表面に浮き上がるまでに時間を要することから、混入された気泡を簡単に除去できないという問題がある。
【0004】
被覆層中に気泡が混入された場合の影響について説明する。未被覆の光ファイバに樹脂を塗布する場合、すなわち、線引きしたガラスファイバである光ファイバに気泡の混入した樹脂で被覆を施すと、気泡の部分と樹脂が充填されている部分とでは、被覆層の硬さと樹脂の硬化にともなう硬化収縮力が異なるために、光ファイバに微細な曲げを加える力が発生し、伝送損失増大の要因となる。同時に、この気泡部に樹脂中を拡散してきた水蒸気や樹脂中の未硬化成分が集合して液滴となると、ガラスファイバの強度劣化に大きく影響する水分などが常に近傍に存在することになり光ファイバの強度劣化の面から問題を生じる。
【0005】
被覆した光ファイバに樹脂を塗布する場合、すなわち、1層または複数層の内層被覆をした光ファイバに気泡の混入した樹脂で被覆を施すと、上記と同様に被覆中の気泡の存在は、内層被覆された光ファイバが周囲から受ける力が不均一となる現象を生じ、特に、周囲の温度が変化した場合には、その影響が大きく、光ファイバの伝送損失の増加を招きやすい。また気泡内に液体が溜まり液滴となると、低温でこの液体が凝結して固体となって固くなったり、高温で膨張したりして光ファイバに局所的な側圧を加えることになって、伝送特性を悪化させることが知られている。
【0006】
樹脂中に気泡が混入する原因は、大別して2つある。その1は、光ファイバによる気泡の引込みである。樹脂塗布装置への光ファイバの進入の際、光ファイバがその表面の外気を引張って進行するため、空気が巻き込まれて気泡が混入されることがある。
【0007】
その2は、樹脂供給配管、樹脂塗布装置内部空間(樹脂溜り)に残留した気泡の混入である。樹脂配管に当初入っている空気(外気)は、樹脂をダイスに至るまでの時間流しただけでは除去しきれず、配管壁面に付着しているものや、接続部に付着して残留し、製品製造中に樹脂溜りに流れ込むことがある。また、樹脂溜り内に当初から存在する空気が残留する場合もある。さらに、特開平11−116285号公報に記載されているように、光ファイバを一旦停止した後、樹脂塗布を再開する場合、停止中に未硬化の樹脂が滴下するのを防ぐため、樹脂供給部を減圧として樹脂溜りの樹脂を吸入する方法を採用することがある。この方法を採用すると、減圧した際に、樹脂溜り中に気泡が進入し、これが残留気泡の原因となることがある。一旦樹脂溜りに残留した気泡は、以降の樹脂溜り内の樹脂の循環(光ファイバの進行により樹脂が下向きに引張られるが、この際その近傍ダイス壁付近では逆方向の樹脂の流れが生じ、樹脂溜りの中で樹脂が上下に循環する流れが発生する。)によって、突発的に被覆樹脂中に混入して被覆内に入り込んでしまう。それにより、上述した被覆層中に混入された気泡の問題を生じる。
【0008】
特開昭59−97554号公報に記載された樹脂コーティング用アプリケータでは、光ファイバを通過させる樹脂容器内に中空張出部を設けることにより、気泡の混入を防ぐ構造を採用している。しかし、この構造では、樹脂容器出口から中空張出部の間に充填されている樹脂中の気泡を除去することはできない。また、樹脂容器出口から中空張出部の間に充填されている樹脂中に気泡が混入した際、中空張出部が邪魔になり脱泡の妨げになる場合がある。
【0009】
特開昭60−60951号公報に記載された光ファイバの被覆方法は、光ファイバを通過させる樹脂容器内に一定の圧力を掛けるとともに、樹脂容器上部より常に真空ポンプにて排気をすることで、気泡の混入を防ぐ方法である。この方法では、常に真空ポンプの動作が必要であり、また、真空ポンプの減圧作用によって、テープ状光ファイバの配列が乱れる可能性がある。
【0010】
特開平5−203850号公報に記載された光ファイバテープ心線の製造装置では、光ファイバを樹脂容器内に通過させ、ダイスニップル出口を減圧雰囲気にすることによって、気泡の混入を防ぐ方法を採用している。しかし、塗布された樹脂から気泡を取り除くと形状が悪化するという問題がある。また、樹脂の粘度により脱泡できない場合がある。
【0011】
これら公報に記載された技術は、基本的に光ファイバの牽引する外気の巻き込みを防ぐ方法であり、樹脂配管などから侵入する気泡を除くことは考慮されていない。
【0012】
特開平6−107440号公報に記載された線状体の樹脂被覆装置では、光ファイバ被覆部に、ファイバ走行方向線と同軸的に複数のダイスおよびニップルを連続配置して、複数の樹脂塗布部を設けることで気泡の混入を防ぐことを提案している。また、特開平7−277776号公報に記載された光ファイバコーティングヘッドでは、光ファイバを樹脂圧力の高い樹脂供給室を通過させることで気泡の混入を防ぎながら塗布し、その後ほぼ従来通りの樹脂圧力をもつ樹脂溜まり室を通すことによって樹脂の減圧を行ない、かつ気泡の混入を防ぐようにしている。しかし、いずれも樹脂塗布装置が複雑であり、気泡のない樹脂を樹脂塗布装置に充填する際、装置内の複雑化により装置内の空気を除去するのに大量の樹脂を使用しなければならない。
【0013】
いずれにしても、樹脂配管から侵入する気泡が残留する理由は、樹脂塗布装置の光ファイバの出口が小さく、全ての気泡を含む樹脂を短時間で流し出すことが難しい点にある。また、ポイント側からの樹脂の流出が起きると、光ファイバが入口側で粘性をもつ樹脂液と接して引張られ、中心軸がずれたり、振動してポイントと接触して強度低下し、断線するなどの問題が生じる。これを避けようとすると光ファイバを走行させて、これに樹脂を牽引させ光ファイバの被覆として樹脂を流出させる必要があるが、このような作業を行ったとしても長い作業時間を気泡除去に要し、そのために多量の光ファイバを走行させねばならず、光ファイバの歩留りが低下する。さらに、この多量の光ファイバが気泡を含んだ樹脂で被覆されて屑光ファイバとなるため、再生することはできず、樹脂の歩留りも低下し、光ファイバの製造コストが上がってしまう問題があった。
【0014】
このように、先行技術では、効果的に残留気泡を除くことはできず、さらに、樹脂が塗布される光ファイバの走行速度の加減速時において、気泡の巻き込みを防止できる技術は開発されていないといえる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、樹脂塗布装置の内部空間(樹脂溜り)や配管に残留した気泡を効果的に取り除くことができ、さらには、樹脂が塗布される光ファイバの走行速度の加減速時において、気泡の巻き込みを防止できる光ファイバ樹脂塗布方法を提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、ポイントとダイスに挟まれた空間に液状の樹脂を加圧供給して光ファイバの表面に塗布する光ファイバ樹脂塗布装置を用いた光ファイバ樹脂塗布方法であって、前記光ファイバ樹脂塗布装置は、前記ポイントと前記ダイスに挟まれた空間から樹脂を外部へ流出させる樹脂排出孔と、該樹脂排出孔に接続された樹脂排出配管を有し、該樹脂排出配管は、前記樹脂排出孔付近で前記樹脂排出孔からより高い位置に向かって前記樹脂排出配管中を樹脂が流れる上昇部が設けられているとともに、前記樹脂排出配管の前記上昇部より先に開閉弁が設けられており、前記開閉弁を開いた状態で樹脂を前記ポイントと前記ダイスに挟まれた前記空間に供給して該空間に樹脂を満たし、かつ、前記樹脂排出配管の先端から樹脂を排出した後、前記開閉弁を閉止して、樹脂塗布による製品の製造を開始する光ファイバ樹脂塗布方法において、前記上昇部の一部に気泡を残した状態で前記開閉弁を閉止することを特徴とするものである。
【0017】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光ファイバ樹脂塗布方法において、前記樹脂排出配管から排出される樹脂を樹脂の供給側に戻すことを特徴とするものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
まず、図6の断面図によって本発明の前提条件となる光ファイバ樹脂塗布装置の全体構成を説明する。図6は、要部を断面図で示した構成図である。図中、1は樹脂加圧塗布ヘッド、2,3はハウジング、4はポイント、5はダイス、6は樹脂供給孔、7は樹脂排出孔、8は樹脂供給配管、9は供給バルブ、10は樹脂供給部、11は樹脂排出配管、12は排出バルブ、13は光ファイバ、14は紫外線照射装置、15は樹脂である。
【0023】
樹脂加圧塗布ヘッド1は、ハウジング2,3と、その内部に位置決めされて収納されたポイント4とダイス5により構成されている。ハウジング1と2とは、螺合されて一体化されている。ポイント4とダイス5との間に樹脂溜まりが形成され、ハウジング2に、樹脂溜まりに樹脂を供給する樹脂供給孔6と、樹脂溜まりに供給された樹脂を排出するための樹脂排出孔7が設けられている。樹脂供給孔6には、樹脂供給配管8が接続され、供給バルブ9を介して、樹脂供給部10から加圧された液状の樹脂が供給される。樹脂供給部10は、図示しない制御装置により、制御されて、加圧樹脂を供給することができる。樹脂排出孔7には、樹脂排出配管11が接続され、所定の位置に排出バルブ12が設けられている。
【0024】
光ファイバ13(1本または複数本)に被覆となる樹脂、例えば、紫外線硬化型樹脂を塗布する場合等には、樹脂加圧塗布ヘッド1のポイント4とダイス5の間の樹脂溜まりに、気泡のない樹脂を樹脂供給部10から加圧供給し、樹脂加圧塗布ヘッドを通過する光ファイバ13に樹脂を塗布し、塗布された光ファイバ13は、樹脂加圧塗布ヘッド1の次に配置された紫外線照射装置14において紫外線照射を受けて、樹脂が硬化し、被覆ファイバとして形成される。塗布を停止する際は、ダイス5から樹脂が垂れるのを阻止するために、供給バルブ9を閉じて、排出バルブ12を開け、樹脂吸引を行なう。
【0025】
ここで問題となるのは、気泡のない樹脂を樹脂加圧塗布ヘッド1に如何にして注入し、気泡混入のない被覆ファイバを形成するかである。従来は、気泡のない樹脂を樹脂加圧塗布ヘッド1に注入し、かつ、樹脂排出配管11も気泡のない樹脂で十分満たされるまで、ヘッド内の残留空気を排除し、樹脂をオーバーフローし続けていた。気泡のない樹脂で十分満たされたところで、排出バルブ12を締めることによって、気泡の混入を阻止する。このオーバーフローの作業により排出される排樹脂量は、例えば約500mlと多かった。また、もう1つの問題として、オーバーフローさせても、完全には気泡が抜けず、樹脂排出配管11内に気泡が残ってしまうことが挙げられる。
【0026】
樹脂排出配管に気泡が残った場合の問題点を図7により説明する。図7は、図6の要部を図示したものである。図中、図6と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。16は気泡である。図7(A)は気泡13が樹脂排出配管11内に残留した状態を模式的に示している。樹脂15の圧力は、塗布する光ファイバ13の線速を、低線速から高線速に増速するとき、線速の変化と比例して樹脂圧力も増圧させ、また、減速するときは、同様に線速の変化と比例して樹脂圧力も減圧させる。図7(B)は、線速を増速するときであり、樹脂15の圧力は、図7(A)のときよりも加圧される。樹脂排出配管11内に残留した気泡16は、樹脂の加圧により、圧縮されて体積が小さくなる。図7(C)は、線速を減速するときであり、樹脂15の圧力は、図7(A)のときよりも減圧される。樹脂排出配管11内に残留した気泡16は、樹脂の減圧により、体積が増加されて、気泡16の一部が樹脂加圧塗布ヘッド1側に逆流し、結果として樹脂内に気泡が混入してしまうという問題があった。
【0027】
図1は、本発明の光ファイバ樹脂塗布装置の第1の実施の形態を説明するためのもので要部を断面図で示した構成図である。図中、図6と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。11aは上昇部である。
【0028】
この実施の形態では、図6で説明した光ファイバ樹脂塗布装置において、樹脂排出配管11に、鉛直に立ち上がる上昇部11aを設けたものである。樹脂加圧塗布ヘッド1の樹脂排出口7の直後に、樹脂排出口7をを基準とした水平面よりも上方へ高くした上昇部11aを設けることにより、樹脂加圧塗布ヘッド1から樹脂によって押し出された気泡が、樹脂排出配管11の上昇部11aにより上方へ逃げていく。この作用によって、樹脂加圧塗布ヘッド1内、また、樹脂が充填されている配管内の気泡を取り除くことができ、必要以上の樹脂のオーバーフローを実施しなくてもよい。そのため、オーバーフロー量が、例えば約50ml以下にまで低減することができた。
【0029】
この光ファイバ樹脂塗布装置で、樹脂加圧塗布ヘッド1内や、配管内に樹脂が供給されていない状態、すなわち、樹脂加圧塗布ヘッド1を組み立てた状態等において、塗布を開始するに先だって、樹脂加圧塗布ヘッド1や配管内に残留している気泡を排出する。樹脂加圧塗布ヘッド1に光ファイバ13を通して、排出バルブ12を開いた状態で、供給バルブ9を開き、光ファイバ13を走行させながら、樹脂15をポイント4とダイス5に挟まれた空間に供給して、この空間に樹脂15を満たし、さらに、樹脂排出配管11の先端から樹脂を排出しながら樹脂とともに、気泡を排出する。気泡が排出された後、排出バルブ12を閉止して、樹脂塗布による製品の製造を開始する。
【0030】
図2は、第1の実施の形態における光ファイバ樹脂塗布方法の別の例を説明するためのもので、樹脂排出配管の近傍のみを図示した構成図である。他の部分は、図1と同様であり、図中、図1と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。
【0031】
この光ファイバ樹脂塗布装置を用いた光ファイバ樹脂塗布方法の別の例でも、塗布を開始するに先だって、樹脂加圧塗布ヘッド1や配管内に残留する気泡を排出する。樹脂加圧塗布ヘッド1に光ファイバ13を通して、排出バルブ12を開いた状態で、供給バルブ9を開き、光ファイバ13を走行させながら、樹脂15をポイント4とダイス5に挟まれた空間に供給して、この空間に樹脂15を満たし、さらに、樹脂排出配管11の先端から樹脂を排出しながら樹脂とともに、気泡を排出することについては、第1の実施の形態で説明したと同様である。そして、気泡が排出された後、排出バルブ12を閉止するが、その際、排出バルブ12で閉止された樹脂排出配管11の上部に気泡16を残すようにする。
【0032】
気泡16を樹脂排出配管11に導入する方法としては、樹脂排出配管11の開放端側から吸引圧をかけて、光ファイバを走行させて、排出バルブ12の内側に気泡16が入った状態で排出バルブ12を閉じればよい。また、樹脂排出配管11の開放端側にかける吸引圧を大きくすれば、気泡を導入するときに、供給バルブを開いたままとしておいてもよい。気泡16の導入後に、樹脂塗布による製品の製造を開始する。特に、未被覆の光ファイバヘの樹脂塗布の場合では、原料となるガラス母材の外径によって製造速度が変動することがあるが、このような場合には樹脂溜り内の圧力が製造速度に応じて変動する(通過する光ファイバに塗布される樹脂の単位時間あたり量が変動するため速度上昇時は減圧され、速度下降時は加圧される。)。気泡は圧力により容易にその体積を変えることから樹脂排出配管の逆流しない位置に気泡を残すと、全体に樹脂が詰まっている場合と異なり、気泡の膨張または収縮により樹脂溜りの内部圧力の変化を吸収し安定した外径の被覆を得ることが出来る利点がある。
【0033】
図3は、本発明の光ファイバ樹脂塗布装置の第2の実施の形態を説明するためのもので、樹脂排出配管の近傍のみを図示した構成図である。他の部分は、図1と同様であり、図中、図1と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。
【0034】
この実施の形態では、樹脂排出配管11を、樹脂排出孔7の付近で、樹脂排出孔より高い位置に向けて斜めにして上昇部11aを形成した。この実施の形態においても、樹脂加圧塗布ヘッド1や配管内に残留する気泡を排出する方法は、第1の実施の形態で説明したと同様である。図では、図2で説明したと同様に、気泡16が樹脂排出配管11内に導入されているが、図1で説明したように、必ずしも、気泡16を導入しなくてもよい。
【0035】
図4は、本発明の光ファイバ樹脂塗布装置の第3の実施の形態を説明するためのもので、樹脂排出配管の近傍のみを図示した構成図である。他の部分は、図1と同様であり、図中、図1と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。
【0036】
この実施の形態では、樹脂排出配管11を、樹脂排出孔7の付近で、逆U字状に立ち上げるようにして上昇部11aを設けた。排出バルブ12は、その後方に設けた。この実施の形態においても、樹脂加圧塗布ヘッド1や配管内に残留する気泡を排出する方法は、第1の実施の形態で説明したと同様である。なお、この実施の形態では、気泡の排出の際に、排出された気泡が樹脂排出配管11の逆U字状の頂部に溜まるから、気泡16を樹脂排出配管11の残留させることができる。もちろん、図2で説明した方法によって、気泡16を導入することも可能である。
【0037】
図5は、本発明の光ファイバ樹脂塗布装置の第4の実施の形態を説明するための構成図である。図中、図1と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。17は切替バルブ、18は補助排出配管、19は補助タンクである。
【0038】
この実施の形態では、樹脂排出配管11の後方の排出バルブ12の後方に切替バルブ17を設けて、補助排出配管18を接続するとともに、その先を樹脂供給部10側に配置した補助タンク19に接続した。補助タンク19で脱泡して、供給用の樹脂として戻すようにした。
【0039】
このように構成したことにより、気泡を排出する作業を行なう間のオーバーフロー樹脂の回収を行なうことができる。すなわち、樹脂の種類を変更する際や、樹脂加圧塗布ヘッドを交換する際など、新たに樹脂を供給する際に、樹脂加圧塗布ヘッド1や配管内に残留する気泡を排出することは、すでに説明したとおりであるが、樹脂加圧塗布ヘッドの樹脂排出配管11から出てきた樹脂を、戻すことにより、廃樹脂の量が大幅に削減できる効果もあり、連続再利用ができるという利点がある。
【0040】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、下記の効果がある。
▲1▼光ファイバ樹脂塗布装置に、ダイスの光ファイバ出口よりも十分多量の樹脂を排出できる樹脂排出配管を設けることにより、樹脂供給系に存在する気泡を、光ファイバを走行させながら脱泡のための塗布を行なうことなく、排出することができる。これによって、配管、継手、樹脂溜まりなどに残留する気泡を除くことができる。また、樹脂とともに気泡を排出することで容易に早く気泡を除くことができる。この結果、光ファイバの歩留まりを下げることなく、樹脂中の気泡を除去することができる。
▲2▼この際、樹脂排出配管を樹脂排出孔から高い位置に向くように取り付けることにより、樹脂より軽い気泡は、樹脂排出配管の樹脂排出孔よりも高い位置に速やかに移動し逆流することがない。一般に利用される樹脂の場合は、粘度が500〜8000cpsであり、このような樹脂を用いて気泡を数分程度で除くことが可能であるためには、この高さを30mm以上とするとよい。
▲3▼さらに、樹脂排出配管から流出した樹脂は、排出樹脂容器に溜めることにより、再生して使用することができ、高価な樹脂の歩留りを向上することができる。
▲4▼光ファイバの樹脂塗布の際には、樹脂溜りが減圧状態となることがある。これは、例えば、光ファイバの塗布を一時的に中断するときにダイスの光ファイバ出口からの樹脂の滴下を防ぐため樹脂供給配管を減圧にする場合、あるいは、光ファイバの製造速度を変化させていく際に、樹脂の供給量が光ファイバの牽引して流出する樹脂量を下回る場合などである。樹脂溜り内が減圧となると、樹脂排出配管から流出した気泡が、圧力低下により膨らんで樹脂溜りに逆流してくる場合があり、これを避けるために樹脂排出配管は樹脂排出孔からより高い位置に樹脂が流れるように設け、この上昇部によって気泡を浮かせて上方に集め逆流を防いでいる。
▲5▼排出バルブは、樹脂排出配管の上昇部の直後に付けてもよいし、上昇部に接続した配管の先に付けてもよいが、これを設けることにより、製品製造中の樹脂の不要な排出を防ぐとともに、樹脂溜りが減圧となったときの樹脂排出配管の先端からの外気の侵入を防ぐ効果がある。
▲6▼さらに、樹脂排出配管の上昇部の最上部に気泡が残っている状態で樹脂の塗布を行なうことには、以下の利点がある。未被覆の光ファイバヘの樹脂塗布の場合では、原料となるガラス母材の外径によって製造速度が変動することがあるが、このような場合には、樹脂溜り内の圧力が製造速度に応じて変動する(通過する光ファイバに塗布される樹脂の単位時間あたり量が変動するため速度上昇時は減圧、速度下降時は加圧)。気泡は圧力により容易にその体積を変えることから樹脂排出配管の逆流しない位置に気泡を残すと、全体に樹脂が詰まっている場合と異なり、気泡の膨張または収縮により樹脂溜りの内部圧力の変化を吸収し安定した被覆を得ることができる。このため、樹脂溜りの一部、特に、管路の上昇部でその位置が樹脂排出孔より30mm以上、上の領域に気泡を残すことが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバ樹脂塗布装置の第1の実施の形態を説明するためのもので要部を断面図で示した構成図である。
【図2】第1の実施の形態における光ファイバ樹脂塗布方法の別の例を説明するためのもので、樹脂排出配管の近傍のみを図示した構成図である。
【図3】本発明の光ファイバ樹脂塗布装置の第2の実施の形態を説明するためのもので、樹脂排出配管の近傍のみを図示した構成図である。
【図4】本発明の光ファイバ樹脂塗布装置の第3の実施の形態を説明するためのもので、樹脂排出配管の近傍のみを図示した構成図である。
【図5】本発明の光ファイバ樹脂塗布装置の第4の実施の形態を説明するための構成図である。
【図6】本発明の前提条件となる光ファイバ樹脂塗布装置の要部を断面図で示した構成図である。
【図7】図6の光ファイバ樹脂塗布装置の動作の説明図である。
【符号の説明】
1…樹脂加圧塗布ヘッド、2,3…ハウジング、4…ポイント、5…ダイス、6…樹脂供給孔、7…樹脂排出孔、8…樹脂供給配管、9…供給バルブ、10…樹脂供給部、11…樹脂排出配管、11a…上昇部、12…排出バルブ、13…光ファイバ、14…紫外線照射装置、15…樹脂、16…気泡、17…切替バルブ、18…補助排出配管、19…補助タンク
Claims (2)
- ポイントとダイスに挟まれた空間に液状の樹脂を加圧供給して光ファイバの表面に塗布する光ファイバ樹脂塗布装置を用いた光ファイバ樹脂塗布方法であって、前記光ファイバ樹脂塗布装置は、前記ポイントと前記ダイスに挟まれた空間から樹脂を外部へ流出させる樹脂排出孔と、該樹脂排出孔に接続された樹脂排出配管を有し、該樹脂排出配管は、前記樹脂排出孔付近で前記樹脂排出孔からより高い位置に向かって前記樹脂排出配管中を樹脂が流れる上昇部が設けられているとともに、前記樹脂排出配管の前記上昇部より先に開閉弁が設けられており、前記開閉弁を開いた状態で樹脂を前記ポイントと前記ダイスに挟まれた前記空間に供給して該空間に樹脂を満たし、かつ、前記樹脂排出配管の先端から樹脂を排出した後、前記開閉弁を閉止して、樹脂塗布による製品の製造を開始する光ファイバ樹脂塗布方法において、前記上昇部の一部に気泡を残した状態で前記開閉弁を閉止することを特徴とする光ファイバ樹脂塗布方法。
- 前記樹脂排出配管から排出される樹脂を樹脂の供給側に戻すことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ樹脂塗布方法。
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