JP3690470B2 - 画像処理装置および画像形成装置、画像処理方法 - Google Patents
画像処理装置および画像形成装置、画像処理方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像入力装置から入力された画像信号の色合いを調整する画像処理装置および画像処理方法と、その画像処理装置を搭載した画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CCDなどの撮影素子を用いたデジタルスチルカメラ(DSC)など、各種の画像入力装置において画像を取得すると、撮影素子やカラーフィルタの経年変化や、被写体に対する照明光源の変化などによって取得された画像の色の“見え”が変化してしまう。このような画像の色の“見え”を、前述のような変化に関わらず、一定にすることが望まれる。そのためには、撮影素子から出力される映像信号を構成する複数の色成分のレベルが、各色成分間でバランスが取られていることが必要である。このような各色成分間のバランスをとるため、色バランス調整処理が行われている。特に、色バランス調整処理の中でも、ホワイトバランス調整については、種々の処理が行われている。
【0003】
例えば特開平10−136389号公報や特開平10−136390号公報では、撮影素子の出力(色差信号)の平均値に基づいてホワイトバランス調整を行っている。さらに、高彩度単一被写体の占有面積に影響されない処理も導入されている。しかし、これらの文献に記載されている方法では、測光センサへの入射光強度とCCD入射光強度が異なる場合、ホワイトバランスが不適切になるという問題がある。また、任意の照明光源固定モードで撮影した場合、その照明光源以外の照明光源で撮影してしまった場合などでは、取得した画像に対して最適なホワイトバランス調整を行うことができない。さらに、ハードウェアで処理するため、当然のことながら、このようなハードウェアを実装していない機種ではホワイトバランス調整ができない。
【0004】
現在販売されているDSCには、ホワイトバランス調整を自動的に行うオートホワイトバランス(AWB)が実装されているものが多い。しかし、AWBの方式や撮影条件によっては十分な効果を得られない場合がある。また、撮影毎にDSCに搭載されるモニタにおいてホワイトバランスの具合の確認を行う撮影者は少なく、画像出力装置において確認される機会が多い。さらに、このAWBもDSC内に搭載されている機能であるから、AWBを搭載していないDSCでは、ホワイトバランス調整ができない。実際、AWBを搭載していないDSCも広く普及している。
【0005】
DSCなどの画像入力装置で取得された画像は、通常、画像処理装置へ入力される。その後、画像出力装置に出力される。画像入力装置で画像を取得するとき(撮影シーン)と、画像出力装置で画像を確認するとき(観察シーン)とでは、被写体や出力画像に対する照明光源の違いがある。そのため、撮影シーンを忠実に再現しても、観察シーンにおける色の“見え”が異なるという現象が発生する。単純な測色的色補正では、このような現象に対応して、所望の色再現を行うことはできない。そこで、観察シーンにおける照明光源を考慮した色変換が必要となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、画像入力装置によらず画像の取得時の状況に応じた色バランス調整を行うことができ、さらに出力される画像の“見え”に応じた色バランス調整を行うことができる画像処理装置および画像処理方法、画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、画像入力装置から入力された画像信号から、撮影シーンにおける照明光源の色度を推定し、推定した照明光源の色度が光源色度データ保持手段に保持されているか否かを確認することで色バランス調整が可能か否かを判定し、色バランス調整が可能であると判定した場合に、推定された照明光源の色度に基づいて画像信号に対して色バランス調整を行うとともに、各画像出力装置に応じた色バランス調整を行って画像出力装置に出力し、いずれの画像出力装置において出力された画像も“見え”を同じにすることを特徴とするものである。これによって画像入力装置によらず、画像取得時の状況に応じて自動的に色バランス調整を行うことができ、また、どの画像出力装置においても同じ“見え”とすることができる。また、出力する画像信号の所望の観察条件下での色の“見え”に一致させるように、入力された前記画像信号に対して色バランス調整を行うことも特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の画像処理装置の実施の一形態を示すブロック図である。図中、1は画像入力装置、2は画像処理装置、3は色バランス調整処理部、4は光源色度データ保持部、5は画像出力装置である。画像入力装置1は、例えばDSCなどの画像を取得する装置である。この画像入力装置1は、ホワイトバランス調整機能を有していてもいなくてもよい。画像入力装置1で画像を取得する際には、任意の照明光源のもとでよく、その照明光源を指定する必要はない。画像入力装置1で取得された画像は、画像処理装置2に画像信号として渡される。
【0009】
画像処理装置2は、画像入力装置1から受け取った画像信号に対して、各種の画像処理を施すことが可能である。画像処理後の画像信号は、画像出力装置5へ渡される。
【0010】
画像処理装置2は、色バランス調整処理部3および光源色度データ保持部4を有している。色バランス調整処理部3は、画像入力装置1から受け取った画像信号から、画像入力装置1で画像を取得した際(撮影シーン)の照明光源の色度を推定する。そして、推定した撮影シーンの照明光源の色度のデータが、光源色度データ保持部4に保持されているか否かを確認する。これによって推定した撮影シーンの照明光源の色度が妥当か否かを判断する。推定した撮影シーンの照明光源の色度が光源色度データ保持部4に保持されていれば、推定した撮影シーンの照明光源の色度に基づいて、画像信号に対して色バランス調整を行う。さらに、画像出力装置5において出力する画像を観察する際(観察シーン)の条件に合わせて、その観察条件下での色の“見え”に一致させるように色バランス調整を行う。光源色度データ保持部4は、各種の照明光源について、その照明光源下において取得された画像において特徴的な色度データを保持している。
【0011】
画像出力装置5は、プリンタやモニタなど、画像を利用者に対して提示可能な各種の出力機器を含んでいる。画像出力装置5は、画像処理装置2から渡された画像信号に従って画像を形成し、利用者に提示する。画像処理装置2の色バランス調整処理部3で各画像出力装置5に応じた色バランスが調整されているので、いずれの画像出力装置5において出力された画像も、“見え”は同じになる。
【0012】
図2は、本発明の実施の一形態における色バランス調整処理部の動作の一例を示す具体的なフローチャートである。S31において、画像入力装置1で取得した画像を画像信号として受け取る。ここでは、画像入力装置1から8bitのRGB色空間の画像信号が渡されるものとする。画像入力装置1で取得した画像の画素数をm×n画素とし、任意の位置を(i,j)で表すと、8bitRGB色空間の画像の任意の画素データは
【数1】
で表される。
【0013】
次に撮影シーンにおける照明光源の色度を推定する。推定のための色空間を、三刺激値で表されるXYZ色空間とする。それは、XYZ色空間の画像信号であると、照明光源による色の変化のような、微妙な色変化をとらえやすいことによる。まず、8bitRGB色空間からXYZ色空間への変換を行う。なお、(1)式で表される画素は、XYZ色空間において
【数2】
と表す。
【0014】
色空間の変換のため、まずS32において、8bitRGB色空間の値(0〜255)を0〜1の値に正規化する。この正規化したRGB色空間をsRGB色空間とする。この正規化処理は、
【数3】
と表すことができる。次にS33において、S32で正規化したsRGB色空間からXYZ色空間への変換を行う。この変換処理は、規格に基づいて行うことができる。R'sRGB,G'sRGB,B'sRGB>0.03928のとき、
【数4】
また、R'sRGB,G'sRGB,B'sRGB≦0.03928のとき、
【数5】
とすると、
【数6】
として、XYZ色空間の三刺激値を求めることができる。
【0015】
撮影シーンにおける照明光源の色度を推定するため、S34において全画素の平均値(Xave ,Yave ,Zave )を算出する。全画素数をN=m×nとすれば、平均値(Xave ,Yave ,Zave )は
【数7】
で算出できる。さらにS35において、この平均値(Xave ,Yave ,Zave )をYave =1となるように正規化し、
【数8】
により、推定された撮影シーンの照明光源の色度(XorgW,YorgW,ZorgW)を得る。これが撮影シーンにおける錐体順応色度(眼のホワイトポイント)となる。
【0016】
ところで、(7)式のように平均を求めて照明光源の色度を推定すると、撮影シーンにおける画像中に色度分布がある一定の広がりを持たない場合、つまり似たような色が画像中に広い面積で存在する場合、その広い面積の色に平均がシフトしてしまう。そのため、このような場合には(8)式で推定された照明光源の色度は現実と異なる可能性が高い。例えば青空が広がった画像から照明光源の色度を推定すると、青空の青色によって平均値は青色にシフトし、予測した照明光源の色度は青空の影響を受けてしまう。
【0017】
そこで、推定した照明光源の色度に応じて色バランス調整を行ってもよいか否かを判断するため、S36において光源色度データ保持部4に保持させておいた一般的な光源における色度データと比較し、推定した照明光源の色度がこれらの色度データに含まれるか否かを判定する。すなわち、光源色度データ保持部4に保持されている一般的な光源の色度データの集合をIとするとき、
【数9】
を満たすか否かを判定する。推定した照明光源の色度が、光源色度データ保持部4に保持されている色度データに含まれない場合、すなわち(9)式を満たさない場合には、推定した照明光源の色度は、入力された画像信号に対して不適切であったと判断し、以降の処理を行わない。
【0018】
推定した照明光源の色度が、光源色度データ保持部4に保持されている色度データに含まれていれば、S37において、推定した照明光源の色度(XorgW,YorgW,ZorgW)を撮影シーンにおける白色点とし、色バランス調整を行う。それとともに、観察シーンにおける色バランス調整処理を行う。
【0019】
観察シーンにおける色バランス調整処理を行うためには、画像出力装置5における“見え”、例えば白色点の色度を予め与えておく必要がある。予め与えられた色度に対して、画像の色バランスを合わせるように調整処理を行う。このような“見え”の処理は、視覚特性を反映しやすいL* a* b* 均等色空間において考えるとよい。撮影シーンにおける照明光源を考慮した色バランス調整後のL* a* b* 均等色空間の色度を(L* org(i,j) ,a* org(i,j) ,b* org(i,j) )とすれば、この色度は、
【数10】
により得られる。得られた色度は、撮影シーンにおける照明光源に対応した色バランス調整処理を行った場合の各画素のL* a* b* 均等色空間における色度である。
【0020】
一方、観察シーンにおける参照白色点の色度を(XrepW,YrepW,ZrepW)とする。この場合も、観察シーンにおける参照白色点のL* a* b* 均等色空間における色度をL* rep(i,j) ,a* rep(i,j) ,b* rep(i,j) )とすれば、この色度は、
【数11】
により得られる。
【0021】
撮影シーンにおける照明光源の色度で色バランス調整処理を行った画像信号の色と、観察シーンにおける画像の色の“見え”を一致させることは、L* a* b* 均等色空間において
【数12】
が成り立つことである。ここでは仮に、輝度成分を一定にして処理を行うものとすれば、
【数13】
である。
【0022】
いま、定数Q(i,j) およびQ'(i,j)を
【数14】
【数15】
と置くと、(10)式、(11)式よりa* に関しては
【数16】
が成り立つ。これを解くと、
【数17】
【数18】
となる。b* についても同様に解くと、
【数19】
となる。(13)式、(18)式、(19)式をまとめると、
【数20】
となる。
【0023】
この(20)式は、撮影シーンにおいて推定した照明光源の色度(XorgW,YorgW,ZorgW)と、観察シーンにおける参照白色点の色度(XrepW,YrepW,ZrepW)とを考慮し、L* a* b* 均等色空間において“見え”を一致させた変換式である。すなわち、この式に基づいて色変換を行うことにより、撮影シーンにおける照明光源の影響と、観察シーンにおける観察条件による色変化をともに考慮した色バランス調整処理を行うことができる。このようにして、どのような環境下で取得された画像でも、また、どのような観察条件下でも、同じ“見え”を観察者に対して提供することができる。
【0024】
上述のようにして色バランス調整処理が施された画像信号は、XYZ色空間における色度である。もし、出力する画像信号の色空間として、他の色空間の方が都合がよければ、その色空間への変換処理を行えばよい。例えば画像出力装置5がXYZ色空間以外の色空間の画像信号を要求している場合には、その画像出力装置5が要求する色空間への変換処理を行えばよい。
【0025】
ここでは一例として、他のアプリケーションに対して入力が可能なように、再び8bitRGB色空間の画像信号に変換する例を示す。この変換処理は、上述の(3)〜(6)式で示した変換過程の逆変換を行えばよい。まず、XYZ色空間からsRGB色空間への変換は、
【数21】
によって変換後、R'sRGB,G'sRGB,B'sRGB>0.03928のとき、
【数22】
R'sRGB,G'sRGB,B'sRGB≦0.03928のとき、
【数23】
として変換できる。最後に
【数24】
により、0〜1の正規化された値を0〜255の値に戻し、8bitRGB色空間の画像信号を得ることができる。もちろん、他の色空間への変換も可能である。
【0026】
なお、観察シーンが特定されない場合には、撮影シーンにおける照明光源の影響を除去するための色バランス調整処理のみを行ってもよい。この場合、例えば上述の(10)式によって、撮影シーンにおいて推定した照明光源の色度に応じた色バランス調整処理を行い、L* a* b* 均等色空間における処理後の画像信号を得ることができる。その後、出力画像信号として所望される色空間への変換処理を行えばよい。もちろん、L* a* b* 均等色空間のまま画像信号を出力してもよい。
【0027】
図3は、本発明の画像形成装置の実施の一形態を示すブロック図である。図中、11は画像入力装置、12はコンピュータ、13は画像形成装置、14は色バランス調整処理部、15は光源色度データ保持部、16は画像形成部である。この実施の形態では、色バランス調整処理部14および光源色度データ保持部15を画像形成装置13内に設けた例を示している。なお、色バランス調整処理部14および光源色度データ保持部15は、上述の色バランス調整処理部3および光源色度データ保持部4と同じものである。
【0028】
画像入力装置11は、例えばDSCなどの画像を取得する装置である。この画像入力装置11は、ホワイトバランス調整機能を有していてもいなくてもよい。画像入力装置11で画像を取得する際には、任意の照明光源のもとでよく、その照明光源を指定する必要はない。画像入力装置11で取得された画像は、一旦、コンピュータ12に取り込まれた後、コンピュータ12から画像形成装置13に渡される。このときのコンピュータ12は、1台に限らず、複数台のコンピュータがネットワークで接続されたコンピュータシステムであってよい。あるいは、画像入力装置1から直接、画像形成装置13に入力されてもよい。
【0029】
画像形成装置13に入力された画像信号は、上述の画像処理装置の実施の一形態の場合と同様にして、色バランス調整処理部14において光源色度データ保持部15を用いながら、撮影シーンにおける照明光源の影響と、観察シーンにおける観察条件による色変化とを考慮した色バランス調整処理を行う。色バランス調整処理が施された画像信号は、他の各種の画像処理が施された後、画像形成部16において被記録媒体に画像として形成される。
【0030】
被記録媒体上に形成された画像は、画像入力装置11における照明光源の影響が排除されており、また、被記録媒体上の画像の“見え”を考慮して色バランスを調整しているので、どのような環境下で取得された画像でも、同じ“見え”を観察者に対して提供することができる。
【0031】
図4は、本発明の画像処理装置または画像形成装置を適用可能なシステムの一例を示す構成図である。図中、21はDSC、22は被写体、23は照明光源、24はインタフェースカード、25はクライアントコンピュータ、26はネットワーク、27はプリンタサーバ、28はプリンタ、29は印刷物である。
【0032】
このシステムでは、クライアントコンピュータ25の通信ポートに画像入力装置の一つであるDSC21が接続されている。DSC21は、照明光源23によって照明された被写体22を撮影し、取得した画像信号をクライアントコンピュータ25に入力する。あるいは、例えばクライアントコンピュータ25がラップトップ型のコンピュータなどの場合には、PCMCIAなどのインタフェースカード24を介して入力してもよい。もちろん、他の方法で入力してもよい。また、画像入力装置はDSC21に限られるものではない。
【0033】
クライアントコンピュータ25に入力された画像信号は、必要に応じて各種のアプリケーションによる画像処理が施される。利用者が入力された画像を表示させる指示を行えば、クライアントコンピュータ25のモニタに画像を表示させることができる。また、利用者から印刷の指示がなされると、画像信号をネットワーク26を介してプリンタサーバ27に送る。
【0034】
プリンタサーバ27は、多くのクライアントコンピュータからネットワーク26を介して送られてくる印刷指示および印刷するデータを受け取り、プリンタ28に被記録媒体への画像の形成を指示する。クライアントコンピュータ25から画像の形成が指示されると、送られてきた画像信号をプリンタ28に転送する。プリンタ28は、転送されてきた画像信号に基づいて被記録媒体上に画像を形成し、印刷物29が得られる。
【0035】
このようなシステムにおいて、DSC21で被写体22を撮影する際に、DSC21内部のCCDに到達する光は、同じ被写体22を撮影しても、それを照明する照明光源23が異なると被写体の測色値が異なる。そのため、照明光源23の変化に応じて、取得した画像の色バランス調整が必要となる。また、取得した画像をモニタに表示させる場合と、プリンタ28から印刷物29として画像を形成する場合とでは、画像の“見え”が異なる。どのような照明光源のもとで取得された画像でも、いずれの画像出力装置で同じ“見え”の画像として利用者に提供するためには、撮影シーンにおける照明光源23の影響および各画像出力装置における“見え”を考慮した色バランス調整が必要となる。
【0036】
例えば、図1に示した本発明の画像処理装置をクライアントコンピュータ25に組み込むことができる。これによって、DSC21で取得された画像の照明光源23の影響を排除するとともに、画像出力装置として付属のモニタに表示させるのか、あるいはプリンタ28によって印刷するのかに応じた“見え”の違いを排除するように、色バランス調整を行うことができる。これによって、どのような照明光源23のもとで取得された画像であっても、その照明光源23の影響を排除した画像をモニタに表示させたり、あるいは印刷物29として得ることができる。このとき、モニタに表示された画像も、印刷物29も、同じ“見え”となる。
【0037】
あるいは、プリンタサーバ27に図1に示した本発明の画像処理装置を組み込むこともできる。この場合、ネットワーク26で接続されている多数のクライアントコンピュータから送られてくる、印刷すべき画像に対して、上述のような色バランス調整処理を行うことができる。印刷すべき画像を送信するクライアントコンピュータ25側では、例えばプリンタが複数台備えられているシステムでも、どのようなプリンタに印刷されるかを意識することなく印刷の依頼をプリンタサーバ27に行うことができる。印刷物29の“見え”は、プリンタサーバ27において保証される。
【0038】
さらに、プリンタ28として図3に示した本発明の画像形成装置を適用することも可能である。これによって、クライアントコンピュータ25やプリンタサーバ27に負担をかけることなく、画像形成時に色バランス調整を行って印刷物29を出力することができる。
【0039】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、画像入力装置で取得された画像信号を画像出力装置により出力する過程において、画像入力装置の違いによらず画像取得時の照明光源の違いを考慮して適切な色バランス調整を行うので、画像取得時に照明光源が異なっていても良好な色再現を実現することができる。さらに、画像出力時の“見え”を考慮した色バランス調整を行うことによって、いろいろな観察条件下でも同じ“見え”を観察者に与えることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像処理装置の実施の一形態を示すブロック図である。
【図2】 本発明の実施の一形態における色バランス調整処理部の動作の一例を示す具体的なフローチャートである。
【図3】 本発明の画像形成装置の実施の一形態を示すブロック図である。
【図4】 本発明の画像処理装置または画像形成装置を適用可能なシステムの一例を示す構成図である。
【符号の説明】
1…画像入力装置、2…画像処理装置、3…色バランス調整処理部、4…光源色度データ保持部、5…画像出力装置、11…画像入力装置、12…コンピュータ、13…画像形成装置、14…色バランス調整処理部、15…光源色度データ保持部、16…画像形成部、21…DSC、22…被写体、23…照明光源、24…インタフェースカード、25…クライアントコンピュータ、26…ネットワーク、27…プリンタサーバ、28…プリンタ、29…印刷物。
Claims (5)
- 画像入力装置から入力された画像信号に対して色バランス調整を行う色バランス調整処理手段と、光源色度データを保持する光源色度データ保持手段を有する画像処理装置において、前記色バランス調整処理手段は、前記画像信号の画像取得時における照明光源の色度を該画像信号から推定し、推定した前記照明光源の色度が前記光源色度データ保持手段に保持されているか否かを確認することで色バランス調整が可能か否かを判定し、色バランス調整が可能であると判定した場合に、推定された前記照明光源の色度に基づいて前記画像信号に対して色バランス調整を行うとともに各画像出力装置に応じた色バランス調整を行って画像出力装置に出力し、いずれの画像出力装置において出力された画像も“見え”を同じにすることを特徴とする画像処理装置。
- 前記色バランス調整処理手段は、出力する画像信号の所望の観察条件下での色の“見え”に一致させるように入力された前記画像信号に対して色バランス調整を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 画像入力装置から入力された画像信号に対して色バランス調整を行う色バランス調整処理手段と、光源色度データを保持する光源色度データ保持手段を有する画像処理装置と、該画像処理装置から出力される画像信号に基づいて画像を形成する画像形成手段を有し、前記色バランス調整処理手段は、前記画像信号の画像取得時における照明光源の色度を該画像信号から推定し、推定した前記照明光源の色度が前記光源色度データ保持手段に保持されているか否かを確認することで色バランス調整が可能か否かを判定し、色バランス調整が可能であると判定した場合に、推定された前記照明光源の色度に基づいて前記画像信号に対して色バランス調整を行うとともに各画像出力装置に応じた色バランス調整を行っていずれの画像出力装置において出力された画像も“見え”を同じにすることを特徴とする画像形成装置。
- 画像入力装置から入力された画像信号に対して色バランス調整を行う色バランス調整処理手段と、光源色度データを保持する光源色度データ保持手段を有する画像処理装置と、該画像処理装置から出力される画像信号に基づいて画像を形成する画像形成手段を有し、前記色バランス調整処理手段は、前記画像信号の画像取得時における照明光源の色度を該画像信号から推定し、推定した前記照明光源の色度が前記光源色度データ保持手段に保持されているか否かを確認することで色バランス調整が可能か否かを判定し、色バランス調整が可能であると判定した場合に、推定された前記照明光源の色度に基づいて、出力する画像信号の所望の観察条件下での色の“見え”に一致させるように、入力された前記画像信号に対して色バランス調整を行うとともに各画像出力装置に応じた色バランス調整を行っていずれの画像出力装置において出力された画像も“見え”を同じにすることを特徴とする画像形成装置。
- 画像入力装置から入力された画像信号に対して色バランス調整処理手段で色バランス調整を行う画像処理方法において、光源色度データ保持手段が光源色度データを保持しており、画像入力装置から入力された画像信号から照明光源の色度を推定し、推定した前記照明光源の色度が前記光源色度データ保持手段に保持されているか否かを確認することで色バランス調整が可能か否かを判定し、色バランス調整が可能であると判定した場合に、推定された前記照明光源の色度に基づいて前記画像信号に対して色バランス調整を行うとともに各画像出力装置に応じた色バランス調整を行って画像出力装置に出力し、いずれの画像出力装置において出力された画像も“見え”を同じにすることを特徴とする画像処理方法。
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