JP2002094810A - 画像処理装置、画像処理方法およびその方法を実施するためのプログラムを記憶した記憶媒体 - Google Patents
画像処理装置、画像処理方法およびその方法を実施するためのプログラムを記憶した記憶媒体Info
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Abstract
入力画像データをシーンのキーなどを保ちつつ補正する
ことができ、画像出力装置の実力に合わせて補正するこ
ともできる画像処理方法を提供する。 【解決手段】 入力された画像データを補正する画像処
理方法において、画素単位に分解された画素画像データ
を取り込み(S1)、赤、緑、青各色成分ごとに各デー
タ値の出現頻度分布を求め(S2)、求められた各色成
分の出現頻度分布に基づいて各色成分ごとの最小レベル
値および最大レベル値を求め(S3)、求められた最小
レベル値から最大レベル値までの領域を拡大した拡大デ
ータ値領域(再現領域)を求め(S4)、求められた拡
大データ値領域に亘って前記出現頻度分布を拡大するよ
うに各画素画像データを補正する(S5)構成にした。
Description
スキャナなどを画像入力装置としプリンタなどを画像出
力装置とするコンピュータシステム、および複写機など
における画像処理方法に係わり、特に、画像入力装置に
よって片寄ってしまったカラー画像の明るさを補正する
画像処理方法に関する。
ストの拡大などデジタル画像に対する様々な処理が行わ
れている。これらの処理は、一般的には、専門的な利用
者がパーソナルコンピュータなど情報処理装置を用い
て、理想的にプリントアウトできるようにモニタ(表示
装置)上で調整具合を確認しながら行なっている。モニ
タに表示された色と画像出力装置(プリンタ)により紙
に出力された色とを一致させる従来技術としては、たと
えばApple社の提供しているソフトウェアColor Syncが
ある。この従来技術では、モニタおよび画像出力装置の
それぞれの特性を表すプロファイル、つまり特性を記述
したファイルを用いることで、画像出力装置の機種を問
わずにモニタに表示された画像と同様の画質レベルでプ
リントすることができる。また、特開平10−145626号公
報に示された従来技術は、記憶色などの画像中において
人間が注目する部分の明度、彩度および色相を良好に再
現し、且つ画像全体の階調特性や色相の直線性を確保
し、高彩度部の潰れを生じさせないことを目的としてお
り、画像入力装置依存の赤・緑・青各色成分の画素画像
データ(以下、RGB画像データと称す)を画像入力装置
非依存のL*a*b* データ(L*a*b* 色空間座標で表したデ
ータ)に変換し、さらに、画像出力装置の特性に応じた
データに変換することにより、RGB画像データ中の複数
の特徴色を所定の色に一致させるとともに、出力画像の
色再現特性の線形性を維持するように変換する。なお、
前記において、入力画像データ中の特徴色とは記憶色を
意味しており、画像入力装置非依存の色空間データとし
て持っている。たとえば人間の肌色、空の青色、木々の
緑などが特徴色で、RGB画像データ中の所定範囲Aの色
は人間の肌色、所定範囲Bの色は空の色、所定範囲Cの
色は木々の緑とみなし、それぞれ記憶されている画像入
力装置非依存の所定の色空間データに変換するのであ
る。また、この変換の傾向に従って特徴色以外のRGB画
像データも変換し、これによりすべての画像入力装置依
存のRGB画像データが画像入力装置非依存の画像データ
に変換される。
が即座に行えるようになったことや、インターネットが
普及したことから、画像入力装置として、デジタルスチ
ルカメラ(以下、デジタルカメラと略す)が急速に普及
している。プリンタが一般家庭に普及した現在では、現
像が不要な点もデジタルカメラの市場が拡大している理
由である。つまり、画像を専門的に取り扱っていない利
用者の間にも撮影画像を印刷またはプリントアウトする
機会が増えているのである。このような背景を反映し、
デジタルカメラの利用者層は従来型銀塩カメラの愛好家
ではなく、ほとんどがパーソナルコンピュータなどを使
用する人々である。そのため、カメラ本来の扱いには慣
れておらず、逆光や暗い場所など特殊な撮影条件では適
切な露光調節を行えていないのが実情である。その上、
デジタルカメラのラチチュード(適正露出からアンダ、
オーバになってもその調子が崩れない許容範囲)は銀塩
カメラのそれよりも狭い。現在、ほとんどのデジタルカ
メラでは自動的に露出調整が行われるが、上記のように
ラチチュードが狭いため特殊な撮影条件での適切な微調
整が行われにくいのである。また、最近のデジタルカメ
ラは高画素化の傾向にあるが、高画素数を確保しようと
すると撮像素子であるCCDの1画素当たりの面積が小さ
くなり感度が悪くなるので、撮影される画像は露出不足
になりがちである。したがって、少なくともデジタルカ
メラ撮影の場合、このような露出不足の解決策として、
逆光撮影、夜景撮影、およびフラッシュ撮影などにおい
ては、画像に何らかの補正を行う必要がある。このよう
な、撮影時の不適切な露光状態を補う方法としては、画
像処理ソフトやレタッチソフトなどを用いて画像を修正
するのが一般的であり、最近では、撮影時、画像処理
時、またはプリント時に、撮影条件を推定し、適切な自
動露出調整を行う様々な技術が提案されている。その基
本的な技術にダイナミックレンジ補正がある。これはカ
メラの自動露出精度の悪さにより片寄ってしまったレベ
ルを均等にするように修正するものであり、これまで銀
塩カメラにおいては焼き付け時の露光時間を調節するな
どして行われてきた。
ータやRGB画像データの大小それぞれのデータ値の出現
頻度分布から露出が適正か否かを判断する場合が多い。
たとえば、特開平10−198802号公報に示された従来技術
では、間引きするなどしながら画素画像データについて
輝度yを求めた後、その輝度分布の両端において所定の
分布割合だけ内側に入った端部を当該輝度分布の端部と
みなすことにより、その端部間領域における輝度を変換
する。その領域内での拡大率に対応するパラメータa
と、オフセット量に対応するパラメータbとを得て、変
換前の輝度yに対して変換後輝度YをY=ay+b なる関係式
を利用して自動的に変換するのである。つまり、この従
来技術では、撮影条件を判別するための有効な分布領域
を、入力画像の輝度値の最大最小レベルから所定の積算
割合(実施の形態では積算値の0.5%)だけ内側に入っ
たデータ値を両端としている。これにより、この方法で
は、カメラのゲイン調整(露出ではなく、電気的に画像
の明るさを調節する)時に生じる白黒点のノイズなどを
取り除くことが可能である。しかし、たとえば、図7に
示したような夜景画像など極端なローキー(被写体自体
が暗いこと)画像では、前記積算割合で最大最小レベル
値を決定すると、頻度の裾野部分で再現粋に大きな圧縮
がかかるので、シーンの特徴的な明るさが変化してしま
い、夜の雰囲気が失われてしまう。また、この特開平10
−198802号公報に示された従来技術では、そのような状
況を回避するためにダイナミックレンジの拡大率に制限
を設けているが、たとえば、前記図7に示したように極
端にローキーで、且つハイライトレベルAに意味ある画
素が少数存在する場合、前記の積算割合がレベルAを超
えるとハイライトがつぶれてしまう。実際は、夜景画像
はこのタイプのものがほとんどである。
従来技術では、RGB画像データから算出した輝度値y(RG
B各色成分ごとの輝度値でなくRGB全体の輝度値である)
を用いて補正量を決定しているが、その場合、輝度値が
算出時のR,G,B の割合により変化するので、カラーフェ
アリア(被写体自体がある傾向の色をしている)画像の
場合、適切な補正量を得ることができず、処理画像のホ
ワイトバランスが原画像のそれと比べて崩れてしまう。
また、前記したように、画像出力装置により色や階調の
再現領域が異なるのは周知の事実であるので、画像処理
を行うには画像入力装置のみならず画像出力装置の特性
も考慮すべきである。つまり、画像出力装置の色や階調
の再現領域内最大にダイナミックレンジをとることでデ
ータ値の情報を十分に生かすことができる。つまり、ダ
イナミックレンジ補正を後に行う画質向上処理のための
前段階として位置付け、画像入力装置の自動露出精度の
悪さが原因で狭くなったレンジを画像出力装置に合わせ
て適切に広げればよい。また、ダイナミックレンジ補正
時に注意すべきことは、意味のある情報を失わずにシー
ン自体のキーを適切に保ち、カラーフェアリア画像の場
合には、原画のホワイトバランスを崩さないことであ
る。また、画質向上処理のための前処理であればダイナ
ミックレンジの過度な修正を行わないことが重要であ
る。なぜなら、その後に何の処理が必要なのか判定が困
難になるからである。
術においては、画像入力装置の特性により片寄ってしま
った入力画像データを補正する際、原画の持つ雰囲気、
つまりシーンのキーや、原画のホワイトバランスが損な
われがちであるというような問題や、画像出力装置の実
力に合わせた補正が行なわれていないという問題があ
る。本発明の目的は、このような従来技術の問題を解決
し、画像入力装置の特性により片寄ってしまった入力画
像データをシーンのキーおよび原画のホワイトバランス
を保ちつつ補正することができるし、さらに、画像出力
装置の実力に合わせて補正することもできる画像処理方
法などを提供することにある。
めに、請求項1記載の発明では、入力された画像データ
を補正する画像処理方法において、画素単位に分解され
た、入力された画素画像データについて、赤、緑、青各
色成分ごとに各データ値の出現頻度分布を求め、求めら
れた各色成分の出現頻度分布に基づいて、各色成分ごと
の最小レベル値および最大レベル値を求め、求められた
最小レベル値から最大レベル値までの領域を拡大した拡
大データ値領域を求め、求められた拡大データ値領域に
亘って前記出現頻度分布を拡大するように各画素画像デ
ータを補正する方法にした。また、請求項2記載の発明
では、請求項1記載の発明において、赤、緑、青各色成
分の出現頻度分布の最小レベル値および最大レベル値
は、全画素数に対するそのデータ値の画素数の割合が所
定の割合以上の出現頻度であるデータ値である方法にし
た。また、請求項3記載の発明では、請求項1または請
求項2記載の発明において、拡大データ値領域または所
定の割合を画像入力装置に応じて変える方法にした。ま
た、請求項4記載の発明では、請求項1、請求項2、ま
たは3記載の発明において、補正後の理想最小レベル値
Q、および理想最大レベル値Pを画像出力装置に応じて決
定する方法にした。また、請求項5記載の発明では、請
求項4記載の発明において、補正前の各色成分の画素画
像データのデータ値をIN 、補正後の対応する画素画像
データのデータ値をOUT、拡大率をα、切片をβ、前記
最小レベル値をmin、最大レベル値をmaxとしたとき、 OUT = α×IN +β 但し、α = (P−Q)/(max−min), β=(Q×max−P×mi
n)/(max−min) とする方法にした。
記載の発明において、拡大率αに画像入力装置に応じた
上限値を設ける方法にした。また、請求項7記載の発明
では、請求項6記載の発明において、拡大率αを上限値
に設定した場合、補正後の最小レベル値min'および最大
レベル値max'が、 (min−min'):(min−Q)=(max'−max ):(P−max) の関係を保つように最小レベル値および最大レベル値を
補正する方法にした。また、請求項8記載の発明では、
入力された画素画像データを補正することができる画像
処理装置において、画素単位に分解された画素画像デー
タを入力する画像入力装置と、前記画像入力装置により
入力された画素画像データについて、赤、緑、青各色成
分ごとに各データ値の出現頻度分布を求める頻度分布算
出手段と、前記頻度分布算出手段により求められた出現
頻度分布に基づいて各色成分ごとの最小レベル値および
最大レベル値を画像入力装置に応じて求めるレベル値決
定手段と、前記レベル値決定手段により求められた最小
レベル値から最大レベル値までの領域を拡大した拡大デ
ータ値領域を画像出力装置に応じて求める領域算出手段
と、前記領域算出手段により求められた拡大データ値領
域に亘って前記出現頻度分布を拡大するように各画素画
像データを補正する補正手段とを備えた。また、請求項
9記載の発明は、プログラムを記録した記憶媒体に関す
るものであり、請求項1乃至7の何れか1項に記載の画
像処理方法を用いて画像処理を行うようにプログラミン
グしたプログラムを記憶したことを特徴とする。
求項8記載の発明では、画素単位に分解された、入力さ
れた画素画像データについて、赤、緑、青各色成分ごと
に各データ値の出現頻度分布が求められ、求められた各
色成分の出現頻度分布に基づいて、各色成分ごとの最小
レベル値および最大レベル値が求められ、求められた最
小レベル値から最大レベル値までの領域を拡大した拡大
データ値領域が求められ、求められた拡大データ値領域
に亘って前記出現頻度分布を拡大するように各画素画像
データが補正される。請求項2記載の発明では、請求項
1記載の発明において、赤、緑、青各色成分の出現頻度
分布の最小レベル値および最大レベル値の出現頻度は、
全画素数に対するそのデータ値の画素数の割合が所定の
割合以上となる。請求項3記載の発明では、請求項1ま
たは請求項2記載の発明において、拡大データ値領域ま
たは所定の割合が画像入力装置に応じて変わる。請求項
4記載の発明では、請求項1、請求項2、または3記載
の発明において、補正後の理想最小レベル値Q、および
理想最大レベル値Pが画像出力装置に応じて決定され
る。請求項5記載の発明では、請求項4記載の発明にお
いて、補正前の各色成分の画素画像データのデータ値を
IN 、拡大率をα、切片をβ、前記最小レベル値をmin、
最大レベル値をmaxとしたとき、補正後の対応する画素
画像データのデータ値OUTは、 OUT = α×IN +β 但し、α = (P−Q)/(max−min), β=(Q×max−P×mi
n)/(max−min) なる計算式から算出される。請求項6記載の発明では、
請求項5記載の発明において、拡大率αは画像入力装置
に応じた上限値を超えない。請求項7記載の発明では、
請求項6記載の発明において、拡大率αを上限値に設定
した場合、補正後の最小レベル値min'および最大レベル
値max'が、 (min−min'):(min−Q)=(max'−max ):(P−max) の関係を保つように最小レベル値および最大レベル値が
補正される。請求項9記載の発明に係る記録媒体に記録
されているプログラムをコンピュータにインストール
し、あるいは直接そのプログラムをロードして、コンピ
ュータにそのプログラムを実行させることにより、請求
項1乃至7の何れか1項に記載の画像処理方法を実施で
きる。
形態を詳細に説明する。図1は本発明の各実施の形態の
画像処理装置を示す構成ブロック図である。図示したよ
うに、この実施の形態の画像処理装置は、装置全体を制
御するとともに各種処理を行なう処理部1、多階調・カ
ラーの画像入力装置2、その画像入力装置2を制御して
画像入力処理を行う画像入力インタフェース部3、多階
調・カラーの画像出力装置4、その画像出力装置4を制
御して画像出力処理を行なう画像出力インタフェース部
5、多階調・カラー画像を表示する表示装置(モニタ)
6、その表示装置6を制御して画像表示処理を行なう表
示インタフェース部7、キーボードやマウスなどから成
る操作部8、ハードディスク装置などから成り各種デー
タやプログラムを記憶しておく外部記憶装置9などを備
えている。なお、前記画像入力装置2としては、デジタ
ルスチルカメラ、スキャナ、ビデオカメラ、フォトCDな
ど記憶媒体に納められている画像データを読み取る読み
取り装置、ネットワークを介して画像データを受信する
通信制御装置などが可能である。但し、ここでは、デジ
タルスチルカメラ(以下、デジタルカメラと略す)を用
いた場合で説明する。また、本発明は代表的にはプリン
タコントローラなどに組み込まれる画像処理プログラム
として実現されるが、この実施の形態では、デジタルカ
メラで撮影した画像をパーソナルコンピュータ上で扱う
場合について説明する。
作フローである。以下、図2などに従って、この実施の
形態の動作を説明する。まず、たとえば専用ケーブル、
フロッピー(登録商標)、またはフォトCDなどを用い
て、画像入力装置2により、撮影した画像をこの画像処
理装置に取り込み、処理部1がRGB画像データを取得す
る(S1)。このRGB画像データは各色成分ごと且つ画
素ごとの階調データ値(信号データ値,以下、データ値
と称す)から構成されていて、そのデータ値はたとえば
8ビットの値、つまり、0から255までの間に収まって
いる。そこで、処理部1は、各データ値の画素画像デー
タがそれぞれ何回出現するかを各色成分ごとに数え、R,
G,B出現頻度分布(各色成分の出現頻度分布)を得る
(図3および図5参照)(S2)。なお、分布は全画素
について求めてもよいが、特性の傾向を判断することが
目的であるので、必ずしも全画素についての分布を求め
る必要はない。つまり、間引き処理などを行い適度にサ
ンプリングされた画素について求めてもよい。R,G,B成
分のそれぞれのデータ値についてそのデータ値ごとに出
現回数を数え、出現頻度分布:Ii(u)(i=r,g,b) を求め
るのである。この計数は、処理部1内のRAMに画像デ
ータを取り込んでからそれぞれの色成分ごとに順に行な
ってもよいし、画像入力装置2からRAMに格納する際
に、各色成分について同時に行っても構わない。こうし
て、処理部1は、当該画像入力装置を用いた場合で、R,
G,B各成分について、出現頻度分布の最小レベル値min、
最大レベル値maxを求める(S3)。さらに、後述する
ようにして、処理部1は、R,G,B各頻度分布の理想的な
再現領域(補正された出現分布領域)を画像出力装置4
に応じて求め(S4)、その再現領域に亘って出現頻度
分布が拡大されるように各RGB画像データの色調を補正
する(S5)。
テップS4,S5について詳細に説明する。まず、出現
分布領域(ダイナミックレンジ)補正後の理想最小レベ
ル値Qおよび理想最大レベル値Pを、画像出力装置4の特
性により設定する。たとえば、画像出力装置4が、図3
に示した、低レベル0〜10と、高レベル245〜255領域の
階調が出せないプリンタの場合、階調再現領域は10から
245となるので、Q=10,P=245 とする。なお、全階調再現
可能な表示装置(モニタ)の場合は、Q=0,P=255 であ
る。また、このときは、最小レベル値minをQに、最大レ
ベル値maxをPに拡大するように画像データの色調を変え
るので(図3参照)、補正前のデータ値をIN、拡大率を
α、切片をβとすると、補正後のデータ値OUTは次のよ
うに表される。 OUT=α×IN+β … (1) 但し、 α= (P−Q)/(max−min), β= (Q×max−P×min)/(max−min) …(2) ここで、画像出力装置4の階調再現領域はたとえば、IC
C(International Color Consortium) の定めたモニタ、
プリンタ間の変換特性であるICCプロファイルを用いて
調べることが可能である。なお、ICCプロファイルは Ap
ple社のColor Sync、マイクロソフト社のICM(Image Col
or Management) エンジン上などで動作する。図4にICC
を用いて出力装置の階調再現領域を調べる方法を示す。
説明のために、モニタを入力装置、プリンタを出力装置
とすると、Color Syncでは、入力装置(モニタ)に依存
する色空間の画像信号(RGB)Aを装置に依存しない色空
間(L1* a1* b1*)Bに変換し、さらに、装置に依存しな
い色空間を出力装置(プリンタ)に依存する色空間(CMY
K)Cに変換する。したがって、出力装置(プリンタ)に
依存する色空間(CMYK)Cを再び装置に依存しない色空間
(L2* a2*b2* )Dに変換することも可能である。ここ
で、前者(L1* a1* b1*) はモニタ、後者(L2* a2* b2* )
は出力対象プリンタの階調再現領域であり、両者を比
較することで出力対象プリンタの階調再現領域を確認す
ることができる。また、ICCプロファイルには出力対象
プリンタのガマット特性(出力プリンタの色再現範囲を
定義したもの)を表すタグがついており、それを調べる
ことでも、階調再現領域を確認することができる。この
ように、理想最小レベル値(補正された最小レベル値)
および理想最大レベル値(補正された最大レベル値)の
決定方法は画像出力装置に依存しており、前記の他にも
種々の方法が考えられる。また、前記においては、画像
入力装置2としてデジタルカメラを用いた場合で説明し
たが、デジタルカメラに制限されるものではない。いず
れにせよ、この実施の形態によれば、画像のR,G,B出現
頻度分布のダイナミックレンジが画像入出力装置に対し
て適切な再現領域に拡大されるように画像データが補正
され、それにより、適切な出力画像を得ることができ
る。
色成分の出現頻度分布の最小レベル値および最大レベル
値を、全画素数に対するそのデータ値の画素数の割合が
所定の割合以上の出現頻度であるデータ値とする。な
お、所定の割合は画像入力装置2に応じて決定する。た
とえば、デジタルカメラ画像は高低端レベルにノイズが
のりやすいので、図5に示したように、撮影時の露出が
不安定なデジタルカメラ画像の場合は、0.03%とし、デ
ータ値B以上且つデータ値C未満のデータを使用する。ま
た、本スキャンの前にキャリブレートを行うスキャナの
場合は安定した露光が得られるので、0.01%に定める。
そして、たとえば出現頻度分布作成と同時に全画素数に
対する頻度割合を算出し、そのなかの所定割合以上の頻
度に対応するデータ値(階調レベル)のうちの最小値、
最大値をそれぞれ最小レベル値、最大レベル値とする。
但し、算出方法には種々の方法が考えられるので、前記
の算出方法に制限されるものではない。また、前記所定
の割合は画像入力装置2に依存する。また、CCDのS/N特
性が同じであるデジタルカメラでも、その後に行われる
カメラ内部での画像処理により前記高低端レベルのノイ
ズ特性は異なるので、デジタルカメラの機種に応じて前
記所定の割合を変えてもよい。いずれにせよ、R,G,B出
現頻度分布の最小レベル値および最大レベル値を全画素
数に対する所定割合以上の条件で定義し、且つ前記所定
の割合は画像入力装置2により決定するものとする。こ
うして、この実施の形態によれば、ノイズに影響されな
い出現分布領域を求めることができ、したがって、適切
な画像データ補正を行うことができる。
説明する。画像独自のキー(特徴)を保つため、この実
施の形態の画像処理装置では、画像入力装置ごとに前記
拡大率αに上限値Uを持たせる。これにより、たとえば
極端なローキー画像(暗い画像)の場合、プリンタ(画
像出力装置)の階調再現領域がQ=10,P=245 であるとす
ると、αは大きくなる可能性があり、ローキー画像の持
つ雰囲気が壊れてしまう。発明者の実験では、画像入力
装置2が露出調整の良好なデジタルカメラの場合、U=1.
5〜1.7 程度が望ましい。また、この上限値Uはデジタル
カメラのメーカや機種に応じて変えてもよい。デジタル
カメラの絵づくりには各メーカ間で特徴があり、たとえ
ば同じ被写体を撮影しても、A社のカメラで撮影した画
像Aは色調が派手で、B社の画像Bは地味な場合がある。
そのようなとき、色調が元々派手な画像Aにダイナミッ
クレンジを大きく広げるような補正を行うと、彩度が大
きくなり、自然な画像でなくなる。それ故に、画像A,B
にはそれぞれに適当な値を定めるのが望ましいのであ
る。また、画像入力装置2がスキャナの場合、もともと
露出が適正にとられている原稿を読み込む場合が多く、
また、露光が安定しているので、U=1.3 程度が望まし
い。もちろん、原稿の露出状態が悪い場合はこの限りで
はない。こうして、この実施の形態によれば、ローキー
画像の持つ雰囲気が壊れてしまうというような問題を解
決することができる。図6は本発明の第4の実施の形態
を示す動作フロー図である。以下、図6に従って、この
実施の形態の動作を説明する。図6に示したように、こ
の実施の形態では、まず、処理部1が前記拡大率αが上
限値Uを超えているか否かを判定する(S11)。そし
て、超えているならば(S11でYes)、αをUに固定し、
補正された最小レベル値min'および最大レベル値max'を
新たに算出する(S12)。なぜならば、補正式が(1) に
示したように線形の場合、切片βにより最小レベル値お
よび最大レベル値が異なるからである。そこで、処理部
1は、画像出力装置4に応じて定めた理想最小レベル値
Qおよび理想最大レベル値Pに対して次式を満たすような
補正された最小レベル値min’および最大レベル値max’
を算出する。 (min−min’):(min−Q) = (max'−max):(P−max) … (3) したがって、 min’= (min×P−max×Q−U×(max−min)×(min−Q))/((P−Q)−(max−min )) … (4) max’= (min×P−max×Q+U×(max−min)×(P−max ))/((P−Q)−(max−min )) … (5) また、α=Uとして、切片βを次式から求める(S13)。 β= ((1−U)×(min×P−max×Q))/((P−Q)−(max−min)) … (6) さらに、(1)式により、補正された画像データ値OUTを求
める(S14)。こうして、この実施の形態によれば、画
像入力装置2の特性により片寄ってしまった入力画像デ
ータをシーンのキーを保ちつつ画像出力装置4の実力に
合わせて補正することができる。
レベル値決定手段、領域算出手段、および補正手段のそ
れぞれを、プログラムおよび各種データを記憶するメモ
リとそのプログラムに従って動作するCPUとを有した
処理部1により実現する構成が可能で、そのような構成
では、画像入力装置2が画素単位に分解された画素画像
データを入力し、頻度分布算出手段が前記画像入力装置
2により入力された画素画像データについて、赤、緑、
青各色成分ごとに各データ値の出現頻度分布を求め、レ
ベル値決定手段が前記頻度分布算出手段により求められ
た出現頻度分布に基づいて各色成分ごとの最小レベル値
および最大レベル値を画像入力装置2に応じて求め、領
域算出手段が前記レベル値決定手段により求められた最
小レベル値から最大レベル値までの領域を拡大した拡大
データ値領域を画像出力装置4に応じて求め、補正手段
が前記領域算出手段により算出された拡大データ値領域
に亘って前記出現頻度分布を拡大するように各画素画像
データを補正する。また、第1乃至第4の実施の形態に
おいて説明した画像処理方法をコンピュータを用いて実
施できるようにプログラミングしたプログラムをたとえ
ばCD−ROMやFDなどの着脱可能な記憶媒体に記憶
させ、その記憶媒体をこれまで本発明によった画像処理
を行えなかったパーソナルコンピュータなど情報処理装
置に装着することにより、その情報処理装置においても
本発明によった画像処理を行うことができる。
うな効果を奏する。請求項1および請求項8記載の発明
では、画素単位に分解された、入力された画素画像デー
タについて、赤、緑、青各色成分ごとに各データ値の出
現頻度分布が求められ、求められた各色成分の出現頻度
分布に基づいて、各色成分ごとの最小レベル値および最
大レベル値が求められ、求められた最小レベル値から最
大レベル値までの領域を拡大した拡大データ値領域が求
められ、求められた拡大データ値領域に亘って前記出現
頻度分布を拡大するように各画素画像データが補正され
るので、画像入力装置の特性により片寄ってしまった入
力画像データを補正することができる。また、請求項2
記載の発明では、請求項1記載の発明において、赤、
緑、青各色成分の出現頻度分布の最小レベル値および最
大レベル値の出現頻度は、全画素数に対するそのデータ
値の画素数の割合が所定の割合以上となるので、ノイズ
の影響を受けにくくなり、補正精度が向上する。また、
請求項3記載の発明では、請求項1または請求項2記載
の発明において、拡大データ値領域または所定の割合が
画像入力装置に応じて変わるので、画像入力装置が変わ
っても適切な補正ができる。また、請求項4記載の発明
では、請求項1、請求項2、または3記載の発明におい
て、補正後の理想最小レベル値Q、および理想最大レベ
ル値Pが画像出力装置に応じて決定されるので、画像入
力装置の特性により片寄ってしまった入力画像データを
画像出力装置の実力に合わせて補正することができる。
また、請求項5記載の発明では、請求項4記載の発明に
おいて、補正前の各色成分の画素画像データのデータ値
をIN 、拡大率をα、切片をβ、前記最小レベル値をmi
n、最大レベル値をmaxとしたとき、補正後の対応する画
素画像データのデータ値OUTは、 OUT = α×IN +β 但し、α = (P−Q)/(max−min), β=(Q×max−P×mi
n)/(max−min) なる計算式から算出されるので、請求項4記載の発明の
効果に加えて、各画素画像データの補正精度を上げるこ
とができる。また、請求項6記載の発明では、請求項5
記載の発明において、拡大率αは画像入力装置に応じた
上限値を超えないので、画像入力装置の特性により片寄
ってしまった入力画像データをシーンのキーおよび原画
のホワイトバランスを保ちつつ補正することができる
し、さらに、画像出力装置の実力に合わせて補正するこ
ともできる。また、請求項7記載の発明では、請求項6
記載の発明において、拡大率αを上限値に設定した場
合、補正後の最小レベル値min'および最大レベル値max'
が、 (min−min'):(min−Q)=(max'−max ):(P−max) の関係を保つように最小レベル値および最大レベル値が
補正されるので、拡大率に上限値を設定して請求項6記
載の発明の効果を得られるようにした場合にも、各画素
画像データについて精度の高いデータ補正を行うことが
できる。また、請求項9記載の発明では、請求項1乃至
7の何れか1項に記載の画像処理方法を実施するための
プログラムがたとえば着脱可能な記憶媒体に記憶される
ので、その記憶媒体をこれまで請求項1乃至請求項7記
載の発明の方法によった画像処理を行えなかったパーソ
ナルコンピュータなど汎用の情報処理装置に装着するこ
とにより、その情報処理装置においても請求項1乃至7
の何れか1項に記載の発明の効果を得ることができる。
成ブロック図である。
の動作フロー図である。
の説明図である。
法の説明図である。
の説明図である。
の動作フロー図である。
説明図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 入力された画像データを補正する画像処
理方法において、画素単位に分解された、入力された画
素画像データについて、赤、緑、青各色成分ごとに各デ
ータ値の出現頻度分布を求め、求められた各色成分の出
現頻度分布に基づいて、各色成分ごとの最小レベル値お
よび最大レベル値を求め、求められた最小レベル値から
最大レベル値までの領域を拡大した拡大データ値領域を
求め、求められた拡大データ値領域に亘って前記出現頻
度分布を拡大するように各画素画像データを補正するこ
とを特徴とする画像処理方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の画像処理方法において、
赤、緑、青各色成分の出現頻度分布の最小レベル値およ
び最大レベル値は、全画素数に対するそのデータ値の画
素数の割合が所定の割合以上の出現頻度であるデータ値
であることを特徴とする画像処理方法。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の画像処理
方法において、拡大データ値領域または所定の割合を画
像入力装置に応じて変えることを特徴とする画像処理方
法。 - 【請求項4】 請求項1乃至3の何れか1項に記載の画
像処理方法において、補正後の理想最小レベル値Q、お
よび理想最大レベル値Pを画像出力装置に応じて決定す
ることを特徴とする画像処理方法。 - 【請求項5】 請求項4記載の画像処理方法において、
補正前の各色成分の画素画像データのデータ値をIN 、
補正後の対応する画素画像データのデータ値をOUT、拡
大率をα、切片をβ、前記最小レベル値をmin、最大レ
ベル値をmaxとしたとき、 OUT = α×IN +β 但し、α = (P−Q)/(max−min), β=(Q×max−P×mi
n)/(max−min) とすることを特徴とする画像処理方法。 - 【請求項6】 請求項5記載の画像処理方法において、
拡大率αに画像入力装置に応じた上限値を設けることを
特徴とする画像処理方法。 - 【請求項7】 請求項6記載の画像処理方法において、
拡大率αを上限値に設定した場合、補正後の最小レベル
値min'および最大レベル値max'が、 (min−min'):(min−Q)=(max'−max ):(P−max) の関係を保つように最小レベル値および最大レベル値を
補正することを特徴とする画像処理方法。 - 【請求項8】 入力された画素画像データを補正するこ
とができる画像処理装置において、画素単位に分解され
た画素画像データを入力する画像入力装置と、前記画像
入力装置により入力された画素画像データについて、
赤、緑、青各色成分ごとに各データ値の出現頻度分布を
求める頻度分布算出手段と、前記頻度分布算出手段によ
り求められた出現頻度分布に基づいて各色成分ごとの最
小レベル値および最大レベル値を画像入力装置に応じて
求めるレベル値決定手段と、前記レベル値決定手段によ
り求められた最小レベル値から最大レベル値までの領域
を拡大した拡大データ値領域を画像出力装置に応じて求
める領域算出手段と、前記領域算出手段により求められ
た拡大データ値領域に亘って前記出現頻度分布を拡大す
るように各画素画像データを補正する補正手段とを備え
たことを特徴とする画像処理装置。 - 【請求項9】 プログラムを記憶した記憶媒体におい
て、請求項1乃至7の何れか1項に記載の画像処理方法
を実施するためのプログラムを記録したことを特徴とす
るコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000275539A JP2002094810A (ja) | 2000-09-11 | 2000-09-11 | 画像処理装置、画像処理方法およびその方法を実施するためのプログラムを記憶した記憶媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000275539A JP2002094810A (ja) | 2000-09-11 | 2000-09-11 | 画像処理装置、画像処理方法およびその方法を実施するためのプログラムを記憶した記憶媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002094810A true JP2002094810A (ja) | 2002-03-29 |
Family
ID=18761144
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000275539A Pending JP2002094810A (ja) | 2000-09-11 | 2000-09-11 | 画像処理装置、画像処理方法およびその方法を実施するためのプログラムを記憶した記憶媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2002094810A (ja) |
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2000
- 2000-09-11 JP JP2000275539A patent/JP2002094810A/ja active Pending
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