JP3689868B2 - X線検査装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば微小電子部品、小型電子部品、高密度実装基板、各種新素材などの透視画像を得るためのX線検査装置の改良に係り、さらに詳しくは、被検査対象物に対して広範囲な方向の透視画像を高倍率で得ることができるX線検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のX線検査装置としては、たとえば特開平7−260713号公報に示すように、収束電子線を透過形薄膜のターゲットに照射することで得られた微小焦点サイズのX線を試料に照射し、その透過X線画像を幾何学的に投影拡大し、X線像センサで撮像するX線検査装置が知られている。
【0003】
この公報に開示されたX線検査装置では、微小焦点のX線源から発生するX線の中心軸と、X線像センサの中心軸とをずらすことにより、X線透視画像の品質を向上させようとしている。ただし、この公報に示すX線検査装置は、枠体に対してX線発生器を回動自在に保持するものではないと共に、X線像センサを移動自在に保持するものではない。
【0004】
このようなX線検査装置では、X線像センサで検出するX線透視画像の拡大倍率は、X線源からX線センサの検出面に略垂直に下ろした仮想直線に沿って、前記X線源からX線検出面の中心までのFDD距離と、前記X線源から被検査対象物までのFOD距離との比により規定される。したがって、大きな倍率でX線の透視画像を得ようとする場合には、たとえば図3(A)に示すように、被検査対象物2をX線発生器3のX線源4aにできるだけ近づければよい。被検査対象物2が板状の対象物であり、その面に対して垂直な透視画像を得ようとする場合には、被検査対象物2をX線源に対してかなり近づけることができる。その結果、FOD距離を最小限にすることが可能になり、最大倍率の画像を得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図3(B)に示すように、被検査対象物2の表面に沿って斜めからのX線透視画像を得たい場合があり、この場合には、被検査対象物2とX線発生器3とが干渉し、図3(A)に示す状態に比べてFOD距離を小さくすることができない。したがって、この場合には、図3(A)に示す状態に比べて拡大倍率が低い画像しか得ることができない。
【0006】
被検査対象物2の表面に沿って斜めからのX線透視画像を得たい場合としては、ICワイヤボンディングの接続が良好に行われているかを確認するために、基板に対して斜めからの透視画像を見たい場合や、ダイオードの接合部分を斜め方向から見たい場合など、その要請は決して少なくはない。このような場合に、従来では、被検査対象物2とX線発生器3との干渉のために、拡大倍率が制限されていた。今後、益々微細化の傾向にあるICデバイスやその他のデバイスを斜め方向から高倍率で観察したいという要請は高まる傾向にある。
【0007】
なお、特開昭62−5335号公報には、X線発生器とX線半導体センサとを同期して首振り回動可能に保持したX線照射装置は知られている。しかしながら、このX線照射装置は、被検査対象物をX線発生器に近づけることで、X線透視画像の倍率を上げるものではない。しかも、その公報に示す装置では、X線発生器とX線半導体センサとを同期して首振り回動させるため、益々微細化の傾向にあるICデバイスやその他のデバイスを斜め方向から高倍率で観察できるものではない。
【0008】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、益々微細化の傾向にあるICデバイスやその他のデバイスなどの被検査対象物を斜め方向から高倍率で観察できるX線検査装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る第1のX線検査装置は、
X線発生面の実質的に点状のX線源から所定の広がり角度を持ってX線を発生するX線発生器と、
前記X線発生器から発生されるX線が照射される被検査対象物を保持する被検査対象物保持機構と、
前記被検査対象物に照射されたX線の透過光の画像を検出するX線検出面を持ち、前記点状のX線源から前記X線検出面に略垂直に下ろした仮想直線に沿って、前記X線源から前記X線検出面の中心までのFDD距離と、前記X線源から被検査対象物までのFOD距離との比により規定される拡大倍率で、前記被検査対象物の要部を拡大して画像を検出するX線像センサと、
前記X線発生器のX線源から所定の広がり角度を持って発生するX線の中心軸と前記仮想直線との角度が変化するように、前記X線発生器を回動自在に保持する枠体とを有し、
前記被検査対象物保持機構は、前記枠体に保持されたX線発生器の回動角度に応じた任意の保持角度で前記検査対象物を保持する回動保持機構と、前記FOD距離を変化させることができるように前記被検査対象物を移動させる移動機構と有する。
【0010】
前記枠体には、前記点状のX線源を回動中心として、前記X線発生器を回動自在に保持する回動機構が具備してあることが好ましい。
【0011】
また、本発明の第2の観点に係るX線検査装置は、
X線発生面の実質的に点状のX線源から所定の広がり角度を持ってX線を発生するX線発生器と、
前記X線発生器から発生されるX線が照射される被検査対象物を保持する被検査対象物保持機構と、
前記被検査対象物に照射されたX線の透過光の画像を検出するX線検出面を持ち、前記点状のX線源から前記X線検出面に略垂直に下ろした仮想直線に沿って、前記X線源から前記X線検出面の中心までのFDD距離と、前記X線源から被検査対象物までのFOD距離との比により規定される拡大倍率で、前記被検査対象物の要部を拡大して画像を検出するX線像センサと、
前記X線発生器のX線源から所定の広がり角度を持って発生するX線の中心軸と前記仮想直線との角度が変化するように、前記X線像センサを移動自在に保持してある枠体と、
前記X線像センサを前記X線源を中心とする円周方向に移動自在に保持するX線像センサ保持機構とを有する。
【0012】
本発明の第1の観点および第2の観点に係るX線検査装置において、前記FOD距離を変化させることができるように前記被検査対象物を移動させる移動機構を前記被検査対象物保持機構が有することが好ましい。
【0013】
【作用】
本発明の第1のX線検査装置では、X線発生器のX線源から所定の広がり角度を持って発生するX線の中心軸と、X線源からX線検出面に略垂直に下ろした仮想直線との角度が変化するように、X線発生器を枠体に対して回動自在に保持している。このため、被検査対象物を斜め方向から高倍率で観察したい場合には、X線発生器を枠体に対して回動させ、発生するX線の中心軸と、X線源からX線検出面に略垂直に下ろした仮想直線との角度を大きく取る。そして、X線源が存在するX線発生面に対して略平行に被検査対象物を可能な限り近づける。その状態で、X線源からX線を被検査対象物に照射し、その透過X線の内でX線検出面の中心へ向かう成分をX線像センサが検出する。その結果、最小のFOD距離を保ちながら、X線像センサが、被検査対象物を斜め方向から透過したX線成分の画像を検出する。したがって、被検査対象物を斜め方向から高倍率で観察することが可能になる。
【0014】
高倍率を維持しながら、被検査対象物を斜め方向からX線透視するための斜め方向角度を変えるには、X線発生器の枠体に対する回動角度を変化させればよい。もちろん、その回動角度に合わせて、最小のFOD距離を保ちながら、被検査対象物の保持角度も変化させる必要がある。また、X線透視するための斜め方向角度を変えないで、倍率のみを変化させるには、X線発生器の回動角度および被検査対象物の保持角度を変えないで、被検査対象物保持機構を用いてX線源から被検査対象物までのFOD距離を変化させればよい。
【0015】
本発明の第1のX線検査装置において、前記点状のX線源を回動中心としてX線発生器を回動自在に保持する回動機構を枠体に具備させることで、X線発生器を回動させても、点状のX線源の位置がずれないことになる。その結果、被検査対象物を大きく移動させることなく、あらゆる角度から被検査対象物を高倍率で観察することが可能になる。たとえば半導体を実装したプリント基板などの被検査対象物の接合部の透視像を、高拡大倍率で、しかもあらゆる角度から撮影することが可能になる。ちなみに、点状のX線源以外の場所を回動中心としてX線発生器を回動させると、点状のX線源の位置が上下左右にずれて、場合によっては、被検査対象物がX線像センサの検出エリアから外れるおそれがある。本発明のX線検査装置は、このような不都合を有さない。
【0016】
本発明の第2のX線検査装置では、X線発生器のX線源から所定の広がり角度を持って発生するX線の中心軸と、X線源からX線検出面に略垂直に下ろした仮想直線との角度が変化するように、X線像センサを枠体に対して移動自在に保持している。このため、被検査対象物を斜め方向から高倍率で観察したい場合には、X線像センサを枠体に対して移動させ、X線源から発生するX線の中心軸と、X線源からX線検出面に略垂直に下ろした仮想直線との角度を大きく取る。そして、X線源が存在するX線発生面に対して略平行に被検査対象物を可能な限り近づける。その状態で、X線源からX線を被検査対象物に照射し、その透過X線の内でX線検出面の中心へ向かう成分をX線像センサが検出する。その結果、最小のFOD距離を保ちながら、X線像センサが、被検査対象物を斜め方向から透過したX線成分の画像を検出する。したがって、被検査対象物を斜め方向から高倍率で観察することが可能になる。
【0017】
高倍率を維持しながら、被検査対象物を斜め方向からX線透視するための斜め方向角度を変えるには、X線像センサの枠体に対する移動位置を変化させればよい。X線発生器および被検査対象物の相対位置は変化させる必要がない。また、X線透視するための斜め方向角度を変えないで、倍率のみを変化させるには、X線像センサの位置を変えないで、被検査対象物保持機構を用いてX線源から被検査対象物までのFOD距離を変化させればよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は本発明の1実施形態に係るX線検査装置の原理図、図2は同実施形態に係るX線検査装置の概略構成図、図3(A)〜(C)はX線源と被検査対象との関係を示す概略図、図4はX線発生器の回動角度を変化させる機構の一例を示す側面図、図5は本発明の他の実施形態に係るX線検査装置のX線発生器とX線像センサとの関係を示す概略図、図6は図5に示すX線像センサの移動機構を示す概略図、図7は図6に示す移動機構に用いるレールの要部断面図である。
【0019】
第1実施形態
図1および2に示すように、本発明の第1実施形態に係るX線検査装置10は、X線発生器3と、被検査対象物2を保持する被検査対象物保持機構30と、被検査対象物2の要部を拡大して画像を検出するX線像センサ15と、これらX線発生器3、保持機構30およびX線像センサ15が具備してある枠体20とを有する。
【0020】
X線発生器3は、図1に示すように、電子線を発生するカソード6と、電子線を加速するアノード8と、電子線を集束させるコンデンサレンズ12と、電子線をターゲット4上に焦点を結ばせる対物レンズ13と、集束された電子線が照射されてX線を発生するターゲット4とを有する。
【0021】
ターゲット4は、たとえばタングステン膜と、タングステン膜を保持するベリリウム膜とで構成してあり、タングステン膜に対して、集束された電子線が照射されることにより、その焦点位置に対応するX線発生面4bの実質的に点状のX線源4aから所定の広がり角度θを持ってX線を発生する。X線発生器3における電子線の通路は密閉され、図示省略してある真空ポンプなどで真空に保たれている。所定の広がり角度θは、特に限定されないが、本実施形態に係る装置10では、通常の装置よりも広いことが好ましく、たとえば45度〜150度、好ましくは100度〜140度程度が好ましい。
【0022】
ターゲット4のX線源4aから所定の広がり角度θを持って出射されたX線は、被検査対象物2を照射し、その拡大透視画像がX線像センサ15の画像増幅器14のX線検出面14aへと入射する。画像増幅器14は、被検査対象物2を透過して拡大されたX線透視画像の輝度を増幅し、より高輝度の画像を再生するための装置である。画像増幅器14により増幅された高輝度の透視画像は、CCDカメラや撮像管などの撮像装置16で撮像し、モニタ18に表示される。撮像装置16で撮像された透視画像データは、モニタ18に表示されるのみでなく、プリンタなどに出力することも可能であり、さらに、半導体メモリ、ハードディスク、光磁気記憶装置などの記憶手段に記憶される。さらにまた、専用回線または公衆回線を通して、透視画像データを他の装置へ送信することもできる。
【0023】
なお、画像増幅器14のX線検出面14aにて検出される被検査対象物2の透視画像の拡大率Mは、X線源4aからX線検出面14aの中心までのFDD距離と、X線源4aから被検査対象物2までのFOD距離との比により規定される。すなわち、拡大率M=FDD/FODである。
【0024】
図2に示す被検査対象物保持機構30は、X線源4aから被検査対象物2までのFOD距離を変えて、拡大率Mを変化させるための装置であり、被検査対象物2を保持するグリップ32を有する。グリップ32は、移動体34に対して矢印A方向に回動自在に且つグリップ32の軸芯回りに矢印B方向に回転自在に保持してある。
【0025】
移動体34は、Y軸移動基板36の上にX軸方向に沿って移動自在に装着してある。Y軸移動基板36は、Z軸移動基板38の上にY軸方向に沿って移動自在に装着してある。Z軸移動基板38は、枠体20に対してZ軸方向に移動自在に装着してある。したがって、グリップ32により把持された被検査対象物2は、保持機構30により、矢印A方向の回動と、矢印B方向の回転と、X,Y,Z軸方向の移動とが許容されるようになっている。なお、X軸,Y軸,Z軸は、相互に垂直な空間座標軸であり、Z軸が高さ方向に相当する。
【0026】
図2に示すように、X線発生器3は、回動軸22により枠体20の上部位置で、枠体20に対して回動自在に保持してある。X線発生器3を、枠体20に対して所定の回動角度(傾斜角度)θの位置で固定するために、本実施形態では、図4に示す傾斜角度調節装置40が、枠体20の上部に配置してある。図4に示す装置40の取付片42は、図2に示すX線発生器3に対して、ボルトおよびナットなどを用いて固定される。取付片42には、雌ネジが形成してあるブッシュ44が固定してある。
【0027】
ブッシュ44は、第1ロッド46の外周に形成してある雄ネジ部に対して螺合し、第1ロッド46が軸芯回りに回転することで、軸芯方向Cに沿って移動可能になっている。第1ロッド46の基端は、ユニバーサル継ぎ手48を介して、第2ロッド50の先端に、軸芯回りの回転力が伝達可能で且つロッド46および50間の軸芯角度θを変化可能に連結してある。第2ロッド50は、枠体20の上部に固定してあるロッド支持ブロック52のロッド支持ベアリングで支えられている。第2ロッド50は、単に、2個のロッド支持ベアリングで水平に支持されているだけで、ハンドル54を回転させることにより、ユニバーサル継ぎ手を回転させる役目をする。ロッド50は軸芯方向(水平方向)には全く移動しない。 ハンドル54を回転させることで、取付片42が固定された図2に示すX線発生器3は、回動軸22を中心として、任意の回動角度θの位置で停止可能になっている。
【0028】
本実施形態に係るX線検査装置10を用いて被検査対象2の拡大透視画像を得る場合には、次のようにして行う。
図3(A)に示すように、被検査対象物2が板状の対象物であり、その面に対して垂直な透視画像を得ようとする場合には、被検査対象物2をX線源に対してかなり近づけることができる。その結果、FOD距離を最小限にすることが可能になり、最大倍率の画像を得ることができる。
【0029】
ところが、従来の装置では、図3(B)に示すように、被検査対象物2の表面に沿って斜めからのX線透視画像を得る場合には、被検査対象物2とX線発生器3とが干渉し、図3(A)に示す状態に比べてFOD距離を小さくすることができない。したがって、この場合には、図3(A)に示す状態に比べて拡大倍率が低い画像しか得ることができない。
【0030】
被検査対象物2の表面に沿って斜めからのX線透視画像を得たい場合としては、ICワイヤボンディングの接続が良好に行われているかを確認するために、基板に対して斜めからの透視画像を見たい場合や、ダイオードの接合部分を斜め方向から見たい場合など、その要請は決して少なくはない。このような場合に、従来では、被検査対象物2とX線発生器3との干渉のために、拡大倍率が制限されていた。今後、益々微細化の傾向にあるICデバイスやその他のデバイスを斜め方向から高倍率で観察したいという要請は高まる傾向にある。
【0031】
本実施形態に係る装置10では、図3(C)に示すように、被検査対象物2を斜め方向から高倍率で観察したい場合には、図3(C)に示すように、X線発生器3を枠体20に対して回動させ、発生するX線の中心軸Lと、X線源4aからX線検出面に略垂直に下ろした仮想直線Vとの角度θ ’を大きく取る。そして、図2に示す保持機構30を用いて、X線源4aが存在するX線発生面4bに対して略平行に被検査対象物2を可能な限り近づける。その状態で、X線源4aからX線を被検査対象物2に照射し、その透過X線の内でX線検出面の中心へ向かう成分(V方向)を、図2に示すX線像センサ15が検出する。その結果、最小のFOD距離を保ちながら、X線像センサ15が、被検査対象物2を斜め方向から透過したX線成分の画像を検出する。したがって、被検査対象物2を斜め方向から高倍率で観察することが可能になる。
【0032】
高倍率を維持しながら、被検査対象物2を斜め方向からX線透視するための斜め方向角度を変えるには、X線発生器3の枠体20に対する回動角度θを変化させればよい。もちろん、その回動角度θに合わせて、最小のFOD距離を保ちながら、被検査対象物2の保持角度θ''も変化させる必要がある。また、X線透視するための斜め方向角度θ’を変えないで、倍率のみを変化させるには、X線発生器3の回動角度θおよび被検査対象物の保持角度θ''を変えないで、図2に示す被検査対象物保持機構30を用いてX線源から被検査対象物2までのFOD距離を変化させればよい。なお、X線発生面4bと被検査対象物2とが平行であれば、θ=θ’=θ''である。
【0033】
第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態に係るX線検査装置10aについて、図5〜7を参照にして説明する。
図5および6に示すように、本実施形態に係るX線検査装置10aは、前記第1実施形態の検査装置10と異なり、X線発生器3を枠体20に対して固定し、逆に、X線像センサ15を、X線源4aを中心とする円周方向に所定角度θの範囲で枠体20に対して移動自在に装着してある。その他の構成は、前記第1実施形態の場合と同様なので、重複する説明は一部省略する。
【0034】
X線像センサ15を枠体20に対して移動自在に構成するために、図5および6に示すように、枠体20の内部には保持板60が配置してあり、その保持板60の表面に図7に示すガイドレール82が固定してある。ガイドレール82は、図5および6に示すX線像センサ15の移動軌跡に沿って円弧曲線状に配置してある。ガイドレール82には、曲線移動体(軸受)80がレール82の長手方向に沿って移動自在に保持してある。レール82は、その円弧曲線の中心が、図5に示すように、点状のX線源4aに略一致するように設計してある。
【0035】
この曲線移動体80が、図6に示すように、X線像センサ15の側部に固定してある。その結果、X線像センサ15は、図5に示すように、X線源4aの直下位置から、所定角度θの範囲で枠体20に対して移動自在となっている。所定角度θは特に限定されないが、好ましくは30〜80度、さらに好ましくは50〜70度の範囲である。
【0036】
この所定角度θの範囲内の任意の位置で、X線像センサ15を停止させるために、本実施形態では、図6に示すように、曲線移動体80の両側にある取付位置62および64にて、駆動用チェーン66の両端が各々固定してある。このチェーン66の途中には、アイドラー72、74および76が配置してあり、アイドラー74のチェーンテンショナでチェーン66に所定の張力を持たせてある。そして、モータなどを用いて駆動用ギア70を時計回りまたは反時計回りに回転させることで、曲線移動体80をガイドレール82に沿って移動させることができる。また、駆動用ギア70の回転を停止させることで、曲線移動体80をガイドレール82の長手方向に沿った任意の位置で停止させることが可能になっている。曲線移動体80は、X線像センサ15に固定してあるので、曲線移動体80と共に、X線像センサ15もガイドレール82に沿って移動し、任意の位置で停止する。
【0037】
本実施形態のX線検査装置10aでは、X線発生器3のX線源4aから所定の広がり角度を持って発生するX線の中心軸Lと、X線源4aからX線検査装置15のX線検出面14aに略垂直に下ろした仮想直線Vとの角度θが変化するように、X線像センサ15を枠体20に対して移動自在に保持している。このため、被検査対象物2(図3(A)参照)を斜め方向から高倍率で観察したい場合には、図5および6に示すように、X線像センサ15を枠体20に対して移動させ、X線源4aから発生するX線の中心軸Lと、X線源4aからX線検出面14aに略垂直に下ろした仮想直線Vとの角度θを大きく取る。そして、図3(A)に示すように、X線源4aが存在するX線発生面4bに対して略平行に被検査対象物2を可能な限り近づける。その状態で、X線源4aからX線を被検査対象物2に照射し、その透過X線の内でX線検出面4bの中心へ向かう成分をX線像センサ15が検出する。その結果、最小のFOD距離を保ちながら、X線像センサ15が、被検査対象物2を斜め方向から透過したX線成分の画像を検出する。したがって、被検査対象物2を斜め方向から高倍率で観察することが可能になる。
【0038】
高倍率を維持しながら、被検査対象物2を斜め方向からX線透視するための斜め方向角度を変えるには、X線像センサ15の枠体20に対する移動角度θを変化させればよい。X線発生器3および被検査対象物2の相対位置は変化させる必要がない。また、X線透視するための斜め方向角度を変えないで、倍率のみを変化させるには、X線像センサ15の移動角度θを変えないで、図2に示す被検査対象物保持機構30を用いて、図3(A)に示すX線源4aから被検査対象物2までのFOD距離を変化させればよい。
【0039】
本実施形態に係る検査装置10aでは、高倍率を維持しながら、被検査対象物2を斜め方向からX線透視するための斜め方向角度を変えるには、X線像センサ15の枠体20に対する移動角度θを変化させればよく、X線発生器3および被検査対象物2の位置は変化させる必要がないので、さらに便利である。
【0040】
第3実施形態
図8(A)、図9および図10に示す第3実施形態に係るX線検査装置10bは、図1〜図4に示す第1実施形態に係るX線検査装置10の変形例であり、以下に示す事項以外は全て共通しており、ここでは、その相違点のみについて説明する。
【0041】
図8(A)、図9および図10に示すように、この検査装置10bでは、枠体20の上部に円形の開口部21を有し、この開口部21に、X線発生器3の下端部が入り込んでいる。開口部21の大きさは、X線発生器3の後述する回動移動の邪魔にならない程度の大きさである。
【0042】
開口部21の周囲には、一対の平行な保持板91が枠体20から上方に立つように固定してある。一対の保持板91の各内面には、それぞれ円弧状レール92が固定してある。円弧状レール92の長手方向長さは、特に限定されないが、円弧の中心角度(2×θ)が、好ましくは60〜120度、特に好ましくは90度付近となる長さである。また、この円弧状レール92の円弧中心は、X線発生器3における点状のX線源4aと一致するように設計してある。
【0043】
一方、X線発生器3の両側には、上述した円弧状レール92に係合し、このレール92に沿って円弧状に移動可能な一対の軸受90が固定してある。軸受90が円弧状レール92に沿って2×θの範囲で移動することにより、X線発生器3は、X線源4aを回動中心として、2×θの範囲で回動自在になっている。なお、X線発生器3を所定の回動位置で停止させるために、図示省略してあるストッパ部材が枠体20または保持板91に具備してある。本実施形態では、これらの円弧状レール92および軸受90が、本発明の回動機構に対応する。
【0044】
本実施形態に係るX線検査装置10bでは、円弧状レール92および軸受90により、点状のX線源4aを回動中心としてX線発生器3を回動自在に保持してある。このため、X線発生器3を回動させても、点状のX線源4aの位置がずれない。その結果、被検査対象物を大きく移動させることなく、あらゆる角度から被検査対象物を高倍率で観察することが可能になる。たとえば半導体を実装したプリント基板などの被検査対象物の接合部の透視像を、高拡大倍率で、しかも、あらゆる角度から撮影することが可能になる。ちなみに、図2に示す実施形態では、点状のX線源4a以外の場所にある回動軸22を回動中心としてX線発生器3を回動させているので、実際には、点状のX線源4aの位置が上下左右に多少ずれる。そのため、X線発生器3の回動角度を大きくしたい場合などには、被検査対象物2を移動しないと、被検査対象物2がX線像センサ15の検出エリアから外れるおそれがある。本実施形態のX線検査装置10bでは、図8(A)に示すように、X線発生器3の回動角度を大きくしても、点状のX線源4aの位置がずれない。
【0045】
第4実施形態
図8(B)に示す第4実施形態に係るX線検査装置10cは、図8(A)、図9および図10に示す第3実施形態に係るX線検査装置10bの変形例であり、以下に示す事項以外は全て共通しており、ここでは、その相違点のみについて説明する。
【0046】
図8(B)に示すように、本誌実施形態に係るX線検査装置10cは、枠体20に固定してある各保持板91aの内面に形成してある円弧状レール92aの長さを、図8(A)に示す円弧状レール92の約半分にしている。その結果、X線発生器3の回動角度範囲は、図8(A)に示すX線検査装置10bの約半分となり、X線発生器3は片側半分の角度範囲θのみで回動する。また、X線発生器3の回動角度範囲が小さくなることから、枠体20に形成する開口部21aの大きさも小さくできる。
【0047】
本実施形態に係るX線検査装置10cでは、X線発生器3の回動角度範囲が、図8(A)に示すX線検査装置10bの約半分となる以外は、X線検査装置10bと同様な作用効果を奏する。
【0048】
その他の実施形態
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
【0049】
たとえば、X線発生器3の具体的構造は、上記実施形態に限定されず、種々のタイプのX線発生器を用いることができる。また、X線発生器3を回動自在に保持する機構と、X線像センサ15を移動自在に保持する機構は、上記実施形態に限定されず、種々に改変することができる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明に係るX線検査装置によれば、益々微細化の傾向にあるICデバイスやその他のデバイスなどの被検査対象物を斜め方向から高倍率で、極めて容易に観察することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の1実施形態に係るX線検査装置の原理図である。
【図2】 図2は同実施形態に係るX線検査装置の概略構成図である。
【図3】 図3(A)〜(C)はX線源と被検査対象との関係を示す概略図である。
【図4】 図4はX線発生器の回動角度を変化させる機構の一例を示す側面図である。
【図5】 図5は本発明の他の実施形態に係るX線検査装置のX線発生器とX線像センサとの関係を示す概略図である。
【図6】 図6は図5に示すX線像センサの移動機構を示す概略図である。
【図7】 図7は図6に示す移動機構に用いるレールの要部断面図である。
【図8】 図8(A)および(B)は本発明の他の実施形態に係るX線検査装置の要部概略構成図である。
【図9】 図9は図8(A)に示すX線検査装置の要部側面図である。
【図10】 図10は図8(A)に示すX線検査装置の要部平面図である。
【符号の説明】
2… 被検査対象物
3… X線発生器
4… ターゲット
4a… X線源
4b… X線発生面
10,10a,10b,10c… X線検査装置
14… 画像増幅器
15… X線像センサ
16… 撮像装置
20… 枠体
21,21a… 開口部
22… 回動軸
30… 被検査対象物保持機構
32… グリップ
40… 傾斜角度調節装置
66… チェーン
70… 駆動用ギア
90… 軸受
91… 保持板
92… 円弧状レール

Claims (4)

  1. X線発生面の実質的に点状のX線源から所定の広がり角度を持ってX線を発生するX線発生器と、
    前記X線発生器から発生されるX線が照射される被検査対象物を保持する被検査対象物保持機構と、
    前記被検査対象物に照射されたX線の透過光の画像を検出するX線検出面を持ち、前記点状のX線源から前記X線検出面に略垂直に下ろした仮想直線に沿って、前記X線源から前記X線検出面の中心までのFDD距離と、前記X線源から被検査対象物までのFOD距離との比により規定される拡大倍率で、前記被検査対象物の要部を拡大して画像を検出するX線像センサと、
    前記X線発生器のX線源から所定の広がり角度を持って発生するX線の中心軸と前記仮想直線との角度が変化するように、前記X線発生器を回動自在に保持する枠体とを有し、
    前記被検査対象物保持機構は、前記枠体に保持されたX線発生器の回動角度に応じた任意の保持角度で前記検査対象物を保持する回動保持機構と、前記FOD距離を変化させることができるように前記被検査対象物を移動させる移動機構と有するX線検査装置。
  2. 前記枠体には、前記点状のX線源を回動中心として、前記X線発生器を回動自在に保持する回動機構が具備してある請求項1に記載のX線検査装置。
  3. X線発生面の実質的に点状のX線源から所定の広がり角度を持ってX線を発生するX線発生器と、
    前記X線発生器から発生されるX線が照射される被検査対象物を保持する被検査対象物保持機構と、
    前記被検査対象物に照射されたX線の透過光の画像を検出するX線検出面を持ち、前記点状のX線源から前記X線検出面に略垂直に下ろした仮想直線に沿って、前記X線源から前記X線検出面の中心までのFDD距離と、前記X線源から被検査対象物までのFOD距離との比により規定される拡大倍率で、前記被検査対象物の要部を拡大して画像を検出するX線像センサと、
    前記X線発生器のX線源から所定の広がり角度を持って発生するX線の中心軸と前記仮想直線との角度が変化するように、前記X線像センサを移動自在に保持してある枠体と、
    前記X線像センサを前記X線源を中心とする円周方向に移動自在に保持するX線像センサ保持機構とを有するX線検査装置。
  4. 前記FOD距離を変化させることができるように前記被検査対象物を移動させる移動機構を前記被検査対象物保持機構が有する請求項3に記載のX線検査装置。
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