JP3689848B2 - 電気接続部材、及びコネクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フレキシブル配線基板(FPC)やプリント配線基板などの接続対象部材を接続する電気接続部材、及びコネクタに属する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、部品などの固定に用いられるフイルム状の電気接続部材としては、粘着テープと接着フィルムの2種類の部材が用いられている。粘着テープは剥離、再接続が容易であることから、一時的な固定用途(仮固定)でよく用いられる。接着フイルムは、接着工程により熱硬化性フィルム、UV硬化性フィルム、熱可塑性フィルムなどがあり、いずれも接着工程後の信頼性が高いものである。その他、粘着テープと接着フィルムの特性を兼ね備えたものとして熱硬化ゴム系粘着テープがある。
【0003】
さらに、微細なピッチの配線を接続する方法としては、異方導電性フィルム(ACF)やワイヤーボンディングなどによる永久接続と、電気コネクタによる脱着可能な接続が用途に応じて使用されている。
【0004】
永久接続は一般に、熱硬化性接着剤フィルムや熱可塑性接着剤フイルムなどの接着剤の硬化による接続であるため接続後の信頼性が高い。電気コネクタは、脱着可能な接続であることから、固定前の試験を行うことができる。
【0005】
さらに、従来技術としては、特開2001-210933号公報(以下、従来技術1と呼ぶ)に、導体パターンの形成方法、その導体パターンの形成方法を用いて製造される配線部材や、コネクタなどが開示されている。
【0006】
図8乃至図12は、従来技術1におけるコネクタ、及び導体パターンの形成方法を示している。コネクタは、図8乃至図10に示すように、電気接続部材111と、電気接続部材111に接続した接続対象部材131とを有している。
【0007】
電気接続部材111は、基材113と、基材113の一面に設けた粘着剤層115と、第1の方向で互いに間隔をもって粘着剤層115に配設した導体パターン117とを有している。接続対象部材131は、相手側基材133と、相手側基材133に配設されている相手側導体パターン135とを有している。
【0008】
導体パターン117と相手側導体パターン135とが接続しており、基材113と相手側基材133とは、粘着剤層115によって固定されている。
【0009】
電気接続部材111は、図11及び図12に示すように、導体パターン117に対応するように金型141の一面に突出している導電体形成部143上に導体パターン117を設ける。そして、基材113上に粘着剤層115を設けた後、導体パターン117を反転転写して粘着剤層115上に転写して形成する。
【0010】
その後、導体パターン117は、相手側導体パターン135に合わせ接続すると同時に、粘着剤層115によって基材113と相手側基材133とを粘着して固定することにより電気接続部材111を接続対象部材131に固定する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、粘着テープは剥離、再接続が容易であることから、一時的な固定用途(仮固定)でよく用いられるが、その反面、仮固定後の本固定時の長期的な信頼性が乏しいという問題を併せ持っている。
【0012】
一方、接着剤フイルムは、接着工程前の粘着性(タック性とも言う)がほとんどなく、一時的な固定を行うことができす、接着工程時に接着位置ずれ等のミスなどの接着工程ミスを犯しやすい。また失敗時のリワーク性についても、接着剤のカスが表面に残るなどの問題がある。
【0013】
また、熱硬化ゴム系粘着テープは、硬化条件が量産工程に向かず(150℃程度の環境で2〜4時間放置)、また天然ゴム系粘着剤であるために湿度やガス雰囲気に対する耐性が弱いことから、使用用途は限られたものとなっていた。
【0014】
さらに、異方導電性フィルムやワイヤーボンディングなどによる永久接続は、使用される接着剤のほとんどが硬化前に粘着性がないことから、固定を行う前の接続試験を行うことができない。また、接続ミスや接続対象部材に不具合があった場合には、接続前の段階で良品であったものを含めて接続したものを全て廃棄せざるをえないため、歩留まりなどの問題がある。
【0015】
一方、電気コネクタは、接続に必要な接点数の増加にともない、十分な接点荷重を得るために構造部が複雑かつ高精度を必要され、100μm以下のパターン形成が難しく狭ピッチや小形化には限界があるという問題がある。
【0016】
さらに、印刷やフォトリソグラフィによる加工の場合、加熱や薬品処理が必要で配線や端子に損傷を与えたり、基板自体の剛性や厚み寸法に制約があり、粘着剤や接着剤の上にはパターニングできないという問題がある。
【0017】
また、従来技術1における接続方法では、粘着を基本としており、脱着可能な接続に近い位置付けであり、基本的に粘着により接続を保持する構造であるため、接続を行う対象が限定される。さらに、粘着接続部分に負荷がかかるような接続形態では、剥離し易いという問題がある。
【0018】
さらに、従来技術1の接続方法では、粘着剤層115を相手側基板133の絶縁部分に貼り付けて接続させているが、図10に示すように、厚み寸法が大きい導体パターン117をもつ基材(例として、一般的なガラスエポキシ基板などが挙げられる)113への接続を行う場合、粘着剤層115を絶縁部分に接触させるためには、粘着剤層115を大きく変形させなければならず、粘着剤層115の厚み寸法が薄くなるにつれて、あるいは導体パターン117間の間隔(配線ピッチ)が小さくなるにつれて、経時変化により粘着剤層115が剥がれてしまうという問題がある。
【0019】
さらにまた、導体パターン117の表面が周りの絶縁部分よりも凹んでいる基材113への接続を行う場合、凹部Aの大きさが電気接続部材111の導体パターン117の厚み寸法と同等又はそれ以上になると、導体パターン117同士が接触しなかったり、接触が不安定になり振動などの外的要因により接触不良を起こしやすいという問題がある。
【0020】
さらに、金型141上の導体パターン117の凹凸を利用して粘着剤層115への導体パターン117の形成を行うことから、図13乃至図15に示すように、導体パターン117は、そのエッジ部分で機械的に切断される。この結果、切断面(破断面)付近にて導体パターン117のバリ117aが発生することがあるが、従来技術の方法では、導体パターン117のエッジ部分Eはストレート(直線)であることが多く、このため導体パターン117の間隔を越える長さ寸法Lのバリ117aによる短絡不良が発生しやすいという問題がある。
【0021】
それ故に本発明の課題は、粘着剤層の変形量を小さくすることができ、長期信頼性を向上させることが可能となる電気接続部材、及びコネクタを提供することにある。
【0022】
また、本発明の他の課題は、導電体及び相手側導電体同士を確実に接触させることができ、振動などの外的要因に対する信頼性を向上させることができる電気接続部材、及びコネクタを提供することにある。
【0023】
また、本発明の他の課題は、導電体の反転して転写するときに発生する周期を越える長さ寸法の導電体のバリを小さくすることが可能となる電気接続部材、及びコネクタを提供することにある。
【0024】
また、さらに、粘着材層側の導電体のエッジ部分に段差・周期ともに間隔の10分の1以下となる導電体を施すことによって、導電体のバリによる短絡不良を抑えることが可能となる電気接続部材、及びコネクタを提供することにある。
【0025】
さらに、本発明の他の課題は、相手導電体の厚み寸法が大きい相手側基材や導電体の表面が周りの絶縁部分よりも凹んでいる基材への安定した接続を可能となる電気接続部材、及びコネクタを提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、基材と、前記基材上に設けた粘着剤層と、第1の方向で互いに間隔をもって該粘着剤層上に配設した複数の導電体とを含む電気接続部材において、前記導電体が金属薄膜であり、前記導電体のそれぞれは、前記第1の方向で相対する側辺に複数の凹凸段差を有し、該前記凹凸段差は、前記第1の方向を交叉する第2の方向でジグザグ状の周期で連続している段差・周期パターンと成っていることを特徴とする電気接続部材が得られる。
【0027】
また、本発明によれば、電気接続部材と、該電気接続部材に接続した接続対象部材とを有し、前記電気接続部材は、基材と、該基材の一面に設けた粘着剤層と、第1の方向で互いに間隔をもって前記粘着剤層に配設した導電体とを有し、前記接続対象部材は、相手側基材と、該相手側基材に設けられている相手側導電体とを有し、前記導電体と前記相手側導電体とが接続しており、前記基材と前記相手側基材とが前記粘着剤層によって固定されているコネクタにおいて、前記導電体が金属薄膜であり、前記導電体のそれぞれは、前記第1の方向で相対する側辺に複数の凹凸段差を有し、該凹凸段差は、前記第1の方向を交叉する第2の方向でジグザグ状の周期で連続している段差・周期パターンと成っていることを特徴とするコネクタが得られる。
【0028】
また、本発明によれば、導電体と、導電体を第1の方向で互いに間隔をもたせて配設する基材とを含み、前記導電体に対応するよう金型の一面に突出している導電体形成部と、該導電体形成部上に前記導電体を設け、前記基材上に粘着剤層を配設した後、前記導電体を粘着剤層上に転写させて形成する電気接続部材の導電体形成方法において、前記導電体形成部には、前記第1の方向で相対する側辺に複数の凹凸段差をもち、かつ前記第1の方向を交叉する第2の方向でジグザグ状の周期で連続している段差・周期パターンを形成し、前記金型の前記一面上に前記導電体を設け、前記導電体形成部上の前記導電体を粘着剤層に転写して形成する電気接続部材の導電体形成方法が得られる。
【0029】
さらに、本発明によれば、電気接続部材と、該電気接続部材に接続した接続対象部材とを有し、前記電気接続部材は、前記接続対象部材の相手側基材に設けられている相手側導電体に接続する導電体を第1の方向で互いに間隔をもたせて配設した基材とを含み、前記導電体に対応するよう金型の一面に突出している導電体形成部を設け、該導電体形成部上に前記導電体を設け、前記基材上に粘着剤層を配設した後、前記導電体を粘着剤層上に転写させて形成し、前記粘着剤層と前記相手側基材とを粘着して固定するコネクタの製造方法において、前記導電体形成部には、前記第1の方向で相対する側辺に複数の凹凸段差をもち、かつ前記第1の方向を交叉する第2の方向で前記凹凸段差がジグザグ状の周期で連続している段差・周期パターンを形成し、前記金型の前記一面上に前記導電体を設け、前記導電体形成部上に設けた前記導電体を粘着剤層上に転写し、さらに前記導電体と前記相手側導電体とを合わせ接続し、同時に前記粘着剤層と前記相手側基材とを粘着して固定することを特徴とするコネクタの製造方法が得られる。
【0030】
【作用】
金型に導電体を形成し、基材に設けた粘着剤層へ反転転写して粘着剤上に導電体を設け、導電体に段差・周期パターンを形成することによって、導電体を反転して転写時に発生する導電体のバリを小さくすることを可能とする。これとともに、相手側基材の相手側導電体上に粘着させることで、導電体の厚み寸法が大きい基材や導電体が周りの絶縁部分よりも凹んでいる基材への安定した接続を可能とする。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明に係る電気接続部材の一実施の形態例を説明する。図1及び図2は、実施の形態例における電気接続部材を有するコネクタを示している。
【0032】
図1及び図2を参照して、コネクタは、電気接続部材11と、この電気接続部材11に接続する接続対象部材31とを有している。電気接続部材11は、絶縁フイルムのような基材13と、この基材13上に設けられている粘着剤層(もしくは接着剤層)15と、粘着剤層15上に配設されている複数の導電体17とを有している。導電体17は、金属薄膜によって作られている帯状の導体パターンであり、導電体17の一部が電極としての役目を果たす。
【0033】
複数の導電体17は、導電体17のそれぞれが幅方向(第1の方向)で互いに間隔をもって基材13上で粘着剤層15に粘着されて配設されている。幅方向を交叉する導電体17の長手方向(第2の方向)に平行な一対の側辺は、平面から見ると幅方向で凹凸形状の矩形形状を呈する凹部17a及び凸部17bが幅方向で凹凸段差(凹部17a及び凸部17b間の段差)をもち、かつ幅方向を交叉する長手方向でジグザグ状の周期dwで連続して形成されている段差・周期パターンと成っている。
【0034】
接続対象部材31は、相手側基材33と、この相手側基材33の一面に設けられている相手側導電体35とを有している。なお、相手側基材33は、基材13と同じ材質である金属薄膜であってもよい。導電体17の一部は、接続対象部材31の一面に設けられている相手側導電体35の一部に重ね合わされて接続されている。基材13の一面上に設けられている粘着剤層15は、相手側基材33の一面に固定されている。導電体17及び相手側導電体35の幅寸法は、同じ幅寸法もしくは、相手側基材33の幅寸法よりも導電体17の幅寸法が少し小さい幅寸法に設定されている。
【0035】
基材13及び相手側基材33の材料としては、例えばポリイミドなどのフレキシブルなフイルムやガラスエポキシ樹脂などのリジットなフイルムのいずれも用いることができる。粘着剤層15は、シリコン系、アクリル系、ゴム系など各種粘着剤を用いることができる。
【0036】
以下に、電気接続部材11の導電体形成方法を図3及び図4をも参照して説明する。図3及び図4を参照して、電気接続部材の導電体形成方法では、金型41を用意する。金型41は、平板形状の金型本体42と、金型本体42の一面から突出し上面を平面とした導電体形成部43とを有する。
【0037】
導電体形成部43の上面は、基材13に形成する導電体17と対応した形状となっている。即ち、導電体形成部43には、導電体17の凹部17a及び凸部17bに対応するように平面から見ると矩形形状を呈する導電体形成用凹部43a及び導電体形成用凸部43bが交互に幅方向で凹凸段差(導電体形成用凹部43a及び導電体形成用凸部43b間の段差)をもって、しかも長手方向でジグザグ状の周期dwで連続して形成されている段差・周期パターンとなっている。なお、この実施の形態例における導電体形成部43は、図1及び図3に図示したように、導電体形成部43の幅方向の中心間が幅方向において所定の間隔(ピッチ)dPで金型本体42上に互いに平行に複数が配列されている。
【0038】
金型41の一面全体には、金型41に対し付着力(密着力)の弱い金属膜を蒸着やスパッタによって成膜して下地層を形成する。下地層上には、下地層とともに金属薄膜である導電体(導体パターン)17を形成するための主導体層を所要の厚さ成膜する。成膜は蒸着やスパッタによって行われ、これにより下地層と主導体層との2層構造よりなる導電体17(図4を参照)が金型41上に構成される。
【0039】
なお、下地層の構成材料には密着性の悪い金や錫などが用いられ、また主導体層の構成材料にはニッケルや銅が用いられる。金型41の構成材料にはガラス、シリコン、ステンレスあるいはフッ素樹脂といった各種材料を用いることができる。
【0040】
次に、基材13の一面側を金型41側にし、その粘着剤層15を導電体形成用凹部43a及び導電体形成用凸部43b上の導電体17に密着させる。そして、基材13を引き上げて金型43から剥がす。このとき、粘着剤層15に粘着されている導電体形成用凹部43a及び導電体形成用凸部43b上の導電体17は、金型43との界面で金型43から剥離する。
【0041】
このように導電体形成部43の導電体17は、粘着剤層15上に粘着されて転写され、図1及び図2に示したように、粘着剤層15上に導電体17が形成されてなる電気接続部材11が完成する。
【0042】
次に、電気接続部材11は、接続対象部材31の相手側導電体35と電気接続部材11の導電体17とを一対一に合わせ接続させ、相手側基材33の一面に粘着剤層15を粘着して相互に固定することによってコネクタとする。
【0043】
本発明では、予め金型41における導電体形成用凹部43a及び導電体形成用凸部43bの上面と側面との交叉線であるエッジ部分にも導電体17を施し、その後、図4に示すように、金型41への導電体17の成膜及び粘着剤層15への転写を行う。この時の効果は、導電体17における導電体形成用凹部43a及び導電体形成用凸部43b間の幅方向における段差d1の大きさ及び周期dwによって異なってくる。
【0044】
金型41における導電体形成部43における段差・周期パターンの形状については、図1及び図2に示した矩形の他、図5に示す三角形、図6に示す波形など様々な形状が考えられる。また、金型41への導電体形成用凹部43a及び導電体形成用凸部43bの形成する方法に関しては、金型41の導電体形成部43を形成する際に同時に形成することができるエッチングを用いるのがもっとも簡便な方法である。また、導電体形成部43は、切削などによって導電体形成部43を形成した後、導電体形成用凹部43a及び導電体形成用凸部43bを施すことによってもできる。
【0045】
ここで、段差d1≦間隔(ピッチ)dp/10のときは、バリ発生防止効果があり、ピッチdp/10≦段差d1≦間隔(ピッチ)dp/4のときには、接続安定性の向上効果がある。
【0046】
段差・周期ともに間隔(ピッチ)dpの10分の1以下であるときには、段差・周期ともに間隔(ピッチ)dpと比較してかなり小さく、段差d1の導電体形成用凹部43aでの粘着による接続保持効果はほとんど期待できない。その代わり、発生する導電体17のバリの長さ寸法も間隔(ピッチ)dpと比較してかなり小さいため、導電体17のバリによる短絡不良を抑えることが可能となる。
【0047】
段差・周期パターンの段差・周期の少なくとも一方がピッチdpの、10分の1乃至4分の1程度であるときは、段差d1の導電体形成用凹部43aの面積が、間隔(ピッチ)dpが10分の1のときと比較して、間隔(ピッチ)dpに対して、無視できない大きさになっている。
【0048】
このため、導電体形成用凹部43aにある粘着剤層15を相手側基板33の相手側導電部35の一面に貼り付ける接続形態をとるようにする。これによって、相手側導電部35の厚み寸法が大きい基材13への接続においても、相手側導電部35の一面にのみ粘着させればよいため、粘着剤層15の変形量を少なくする。
【0049】
また、相手側導電部35の一面が周りの絶縁部分よりも凹んでいる基材13への接続においても、相手側導電部35の一面に直接、粘着剤層15を貼り付ける構造となる。したがって、導電部17及び相手側導電部35同士が確実に接触する。
【0050】
なお、段差・周期パターンの段差・周期の少なくとも一方が間隔(ピッチ)dpの、10分の1乃至4分の1程度である場合においても、「凹凸段差・周期<間隔(ピッチ)dp」の関係が成立していれば、段差・周期ともに間隔(ピッチ)d p の10分の1以下である場合の導電体17のバリによる短絡防止効果が期待できる。
【0051】
しかし、「段差・周期のどちらか一方<導電体17の間隔(ピッチ)dp」となっている場合、導電体17の間隔(ピッチ)dpを越える長さ寸法の導電体17のバリが発生する可能性が残ってしまう。この場合、図7(a)及び図7(b)に示すように、間隔(ピッチ)dpの10分の1を越える(段差あるいは周期)部分に、段差・周期よりも間隔(ピッチ)dpの10分の1以下の間隔(ピッチ)となる第2の段差・周期パターンを導電体17に施すことで、導電体17のバリによる短絡を防止するとともに、相手側導電体35への粘着による接続の安定性の向上を図る。
【0052】
このときの条件としては、間隔(ピッチ)dp/10≦段差d11≦間隔(ピッチ)dp/4、かつ段差d12≦間隔(ピッチ)dp/10とする。段差・周期パターン(導電体形成用凹部43a,導電体形成用凸部43b)の段差・周期の少なくとも一方には、導電体17の第1の方向における中心間の間隔(ピッチ)dpに対して10分の1以上4分の1以下として、その段差・周期パターン(導電体形成用凹部43a,導電体形成用凸部43b)の中に段差・周期ともに導電体17のピッチdpに対して10分の1以下となる第2の段差・周期パターンを形成する。
【0053】
なお、粘着剤層15の種類を選定することによって、繰り返し使用(取り付け・取り外し)も可能であり、あるいは永久接続とすることも可能である。
【0054】
また、基材11の厚さ寸法は、フィルム自身の弾性(剛性)・接続対象部材31・硬化時の接着強度などにより決定されるが、おおむね数10μm〜数100μm程度が望ましい。
【0055】
【発明の効果】
以上、実施の形態例によって説明したように、本発明によれば、段差・周期パターンをもった金型上に導電体を形成し、粘着剤層に金型の導電体を反転転写して粘着剤層上に導電体を形成することによって、導電体の厚み寸法が大きい基材への接続においても、導電体の一面にて相手側導電体と粘着させることができるため、粘着剤層材の変形量を小さくすることができ、長期信頼性を向上させることが可能となる。
【0056】
また、導電体の一面が周りの絶縁部分よりも凹んでいる基材への接続においても、導電体の一面に直接、粘着剤層を貼り付ける構造となるため、導電体及び相手側導電体同士を確実に接触させることができ、振動などの外的要因に対する信頼性を向上させることが可能となる。
【0057】
さらに、粘着材層側の導電体のエッジ部分に段差・周期ともに間隔の10分の1以下となる導電体を施すことによって、導電体の反転転写時に発生する周期を越える長さ寸法の導電体のバリを小さくすることが可能となる。
【0058】
また、段差・周期パターンの周期を導電体の間隔よりも小さくすることで、バリによる短絡不良を抑えることが可能となる。
【0059】
段差・周期パターンの段差・周期の少なくとも一方を導電体の間隔の、10分の1乃至4分の1程度とし、段差を相手側基板の相手側導電体の一面に粘着させることで、相手導電体の厚み寸法が大きい相手側基材や導電体の表面が周りの絶縁部分よりも凹んでいる基材への安定した接続が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電気接続部材を用いたコネクタの一実施の形態例を示す平面図である。
【図2】図1に示したコネクタの斜視図である。
【図3】図1に示した電気接続部材の形成に用いる金型を示す斜視図である。
【図4】図3に示した金型に導電体を形成した状態を示す斜視図である。
【図5】図1に示したコネクタにおける電気接続部材における導電体の他の例を示す平面図である。
【図6】図1に示したコネクタにおける電気接続部材のおける導電体の、さらに他の例を示す平面図である。
【図7】(a)又は(b)は、図1に示した導電体の他の例の一部を拡大して示した平面図である。
【図8】従来技術におけるコネクタを示す平面図である。
【図9】図8に示したコネクタ斜視図である。
【図10】図8に示したコネクタの接続部の断面図である。
【図11】図8に示した電気接続部材における導体パターンの形成に用いる金型を示す斜視図である。
【図12】図11に示した金型に導電体を設けた状態を示す斜視図である。
【図13】図8に示した電気接続部材における導体パターンのバリを説明するための一部を拡大して示した正面図である。
【図14】図13に示した電気接続部材における導体パターンのバリの状態を示した平面図である。
【図15】図13に示した電気接続部材における導体パターンのバリの状態を示した平面図である。
【符号の説明】
11,111 電気接続部材
13,113 基材
15,115 粘着剤層
17 導電体
17a 凹部
17b 凸部
31、131 接続対象部材
33、133 相手側基材
35 相手側導電体
41 金型
42 金型本体
43 導電体形成部
43a 導電体形成用凹部
43b 導電体形成用凸部
117 導体パターン
135 相手側導体パターン
dP 間隔(ピッチ)
d1 段差
dw 周期
Claims (8)
- 基材と、前記基材上に設けた粘着剤層と、第1の方向で互いに間隔をもって該粘着剤層上に配設した複数の導電体とを含む電気接続部材において、前記導電体が金属薄膜であり、前記導電体のそれぞれは、前記第1の方向で相対する側辺に複数の凹凸段差を有し、該前記凹凸段差は、前記第1の方向を交叉する第2の方向でジグザグ状の周期で連続している段差・周期パターンと成っていることを特徴とする電気接続部材。
- 請求項1記載の電気接続部材において、前記段差・周期パターンは、前記側辺の少なくとも一方が隣り合う前記導電体の前記第1の方向における中心間の間隔に対して10分の1以下、もしくは10分の1以上4分の1以下と成っていることを特徴とする電気接続部材。
- 請求項1記載の電気接続部材において、前記段差・周期パターンは、前記側辺の少なくとも一方が隣り合う前記導電体の前記第1の方向における中心間の間隔に対して10分の1以上4分の1以下となっており、さらに前記段差・周期パターン中に第2の段差・周期パターンが形成されており、前記第2の段差・周期パターンが前記導電体の前記第1の方向における中心間の間隔に対して10分の1以下と成っていることを特徴とする電気接続部材。
- 電気接続部材と、該電気接続部材に接続した接続対象部材とを有し、前記電気接続部材は、基材と、該基材の一面に設けた粘着剤層と、第1の方向で互いに間隔をもって前記粘着剤層に配設した導電体とを有し、前記接続対象部材は、相手側基材と、該相手側基材に設けられている相手側導電体とを有し、前記導電体と前記相手側導電体とが接続しており、前記基材と前記相手側基材とが前記粘着剤層によって固定されているコネクタにおいて、前記導電体が金属薄膜であり、前記導電体のそれぞれは、前記第1の方向で相対する側辺に複数の凹凸段差を有し、該凹凸段差は、前記第1の方向を交叉する第2の方向でジグザグ状の周期で連続している段差・周期パターンと成っていることを特徴とするコネクタ。
- 導電体と、導電体を第1の方向で互いに間隔をもたせて配設する基材とを含み、前記導電体に対応するよう金型の一面に突出している導電体形成部と、該導電体形成部上に前記導電体を設け、前記基材上に粘着剤層を配設した後、前記導電体を粘着剤層上に転写させて形成する電気接続部材の導電体形成方法において、前記導電体形成部には、前記第1の方向で相対する側辺に複数の凹凸段差をもち、かつ前記第1の方向を交叉する第2の方向でジグザグ状の周期で連続している段差・周期パターンを形成し、前記金型の前記一面上に前記導電体を設け、前記導電体形成部上の前記導電体を粘着剤層に転写して形成する電気接続部材の導電体形成方法。
- 請求項5記載の電気接続部材の導電体形成方法において、前記段差・周期パターンは、少なくとも一方が隣り合う前記導電体の前記第1の方向における中心間の間隔に対して10分の1以下、もしくは10分の1以上4分の1以下と成っていることを特徴とする電気接続部材の導電体形成方法。
- 請求項5記載の電気接続部材の導電体形成方法において、前記段差・周期パターンは、前記側辺の少なくとも一方が隣り合う前記導電体の前記第1の方向における中心間の間隔に対して10分の1以上4分の1以下とし、さらに前記段差・周期パターン中に第2の段差・周期パターンを形成し、前記第2の段差・周期パターンを前記導電体の前記第1の方向における中心間の間隔に対して10分の1以下となるように形成することを特徴とする電気接続部材の導電体形成方法。
- 電気接続部材と、該電気接続部材に接続した接続対象部材とを有し、前記電気接続部材は、前記接続対象部材の相手側基材に設けられている相手側導電体に接続する導電体を第1の方向で互いに間隔をもたせて配設した基材とを含み、前記導電体に対応するよう金型の一面に突出している導電体形成部を設け、該導電体形成部上に前記導電体を設け、前記基材上に粘着剤層を配設した後、前記導電体を粘着剤層上に転写させて形成し、前記粘着剤層と前記相手側基材とを粘着して固定するコネクタの製造方法において、前記導電体形成部には、前記第1の方向で相対する側辺に複数の凹凸段差をもち、かつ前記第1の方向を交叉する第2の方向で前記凹凸段差がジグザグ状の周期で連続している段差・周期パターンを形成し、前記金型の前記一面上に前記導電体を設け、前記導電体形成部上に設けた前記導電体を粘着剤層上に転写し、さらに前記導電体と前記相手側導電体とを合わせ接続し、同時に前記粘着剤層と前記相手側基材とを粘着して固定することを特徴とするコネクタの製造方法。
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