JP3689724B2 - 除草剤検出のための光合成反応中心タンパク質固定化チップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、チップ基板にヒスチジンタグ付き光合成反応中心タンパク質を固定化した表面プラズモン共鳴測定用チップ、該測定用チップの製造方法及び該測定用チップを用いるトリアジン系除草剤の測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
これまで、検体中の微量物質を測定するために様々な方法が開発されてきた。なかでも、エンザイムイムノアッセイやラジオイムノアッセイなどの免疫反応を利用した測定法は、臨床検査等に広範囲に利用されている。しかしながら、これらの測定法は、目的物質を容易且つ高感度に測定できる反面、酵素、放射性物質、蛍光物質、発光物質、金属等で標識された物質を必要とするなどの煩雑さがあった。そこで、標識物質を必要としないアッセイ法として、目的物質に結合した抗体をレーザ光線の散乱により測定するレーザーイムノアッセイや寒天ゲル内で沈降線を形成させて測定するゲル内沈降反応測定法などが開発されているが、これらの方法では、エンザイムイムノアッセイやラジオイムノアッセイなどに比べ、高感度な測定は困難であった。
【0003】
最近、標識物質を必要とすることなく、目的物質を高感度に検出することのできる表面プラズモン共鳴(SPR:surface plasmon resonance)を利用した測定装置が開発された[Jonsson, U. (1991) BioTechniques 11,620-627]。この測定装置は、物質を感知するセンサー部分に、目的物質と特異的に結合するリガンド(分子識別素子)が固定化された測定用チップが装着されている。測定用チップは一般的に、図1に示すような構造を有している。すなわち、ガラス基板1上に成膜された金属膜2の上に、多孔性材料3が形成されており、この多孔性材料3の表面に、目的物質と結合する酵素、抗体などのリガンド4が担持又は固定されている。ここで、使用するリガンドを測定対象物質に合わせて置き換えることによって、種々の表面プラズモン共鳴測定用チップを製造することが可能である。
【0004】
現在までに、ヘモグロビンA1を測定するための表面プラズモン共鳴測定用チップ[特開平11-211728]、心筋梗塞マーカーを測定するための表面プラズモン共鳴測定用チップ[特開平11-211725]などが開発されている。また、トリアジン系除草剤を測定することができる表面プラズモン共鳴測定用チップについては、該除草剤の一つであるアトラジン測定用として抗アトラジン抗体を分子識別素子として固定化したものが報告されていが、アトラジンは、分子量が215.5ダルトンと小さく、通常より共鳴シグナルが小さいため、直接測定することは困難とされている [特開平10-267834]。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、トリアジン系除草剤を直接測定することができる表面プラズモン共鳴測定用チップ、該チップの製造方法及び該チップを用いたトリアジン系除草剤の測定方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、表面プラズモン共鳴測定装置によるアトラジンの測定において、測定用チップとして、チップ基板にヒスチジンタグ付き光合成反応中心タンパク質を固定化したものを用いることによって、アトラジンを高感度に測定することに成功し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、チップ基板にヒスチジンタグ付き光合成反応中心タンパク質を固定化してなることを特徴とする表面プラズモン共鳴測定用チップである。ここで、ヒスチジンタグは、光合成反応中心タンパク質のHサブユニットに結合したものであり得る。
【0008】
さらに、本発明は、チップ基板にヒスチジンタグ付き光合成反応中心タンパク質を固定化することを特徴とする表面プラズモン共鳴測定用チップの製造方法である。
さらに、本発明は、チップ基板にヒスチジンタグ付き光合成反応中心タンパク質を固定化してなる表面プラズモン共鳴測定用チップを用いる、トリアジン系除草剤(例えばアトラジン)の測定方法である。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の表面プラズモン共鳴測定用チップ(測定用チップともいう)は、チップ基板にヒスチジンタグ付き光合成反応中心タンパク質が固定化されているものであって、表面プラズモン共鳴測定装置(SPR測定装置ともいう)に装着して、トリアジン系除草剤の測定に用いることができるチップをいう。
【0010】
1.ヒスチジンタグ付き光合成反応中心タンパク質の調製
本発明の表面プラズモン共鳴測定用チップ用のリガンドとして用いることができるヒスチジンタグ付き光合成反応中心タンパク質(ヒスチジンタグRCタンパク質ともいう)は、以下のようにして調製することができる。ここで、ヒスチジンタグ付き光合成反応中心タンパク質とは、光合成反応中心タンパク質(RCタンパク質ともいう)を構成する少なくとも1つのサブユニットにヒスチジンタグが結合したものをいう。
【0011】
(1)ロドバクター・スフェロイデス染色体DNAの調製
本発明において用いることができる光合成反応中心タンパク質の供給源としては、トリアジン系除草剤と相互作用し得る光合成反応中心タンパク質を供給し得るものであれば特に限定されず、例えばロドバクターに属する細菌(紅色光合成細菌ロドバクター・スフェロイデス(Rhodobacter sphaeroides)など)が挙げられる。この細菌は、ASY培地やYCC培地を用いて、50〜100時間液体培養することにより増殖させることができる。なお、本発明において用いることができるロドバクター・スフェロイデスは、ATCC(American Type Culture Collection)やDSM(Deutsche Sammlung von Microorganismen und Zellkulturen GmbH)などの微生物保存機関に保存されており、その入手は容易である。
【0012】
細菌からの染色体DNAの調製は、通常行われる手法により行うことができる。例えば、培養によって得られた菌体を、TEバッファーなどの適当な緩衝液に懸濁し、次いで、界面活性剤(例えばSDS、CTAB)などによる化学的処理法によって細胞を破壊し、核酸を抽出する。次いで、リボヌクレアーゼ処理などによってRNAを分解後、アルコール沈殿させることにより、染色体DNAを調製することができる。
【0013】
(2)ヒスチジンタグRCタンパク質発現ベクターの構築
ヒスチジンタグRCタンパク質発現ベクターは、以下のようにして構築することができる。すなわち、例えば、ロドバクター・スフェロイデス由来のRCタンパク質発現ベクターを構築する場合、まず、該タンパク質を構成するH、L、Mの3個のサブユニット(図2)のいずれかをコードするDNAを、上記(1)において得られた染色体DNAを鋳型として、塩基配列データベース(例えばGenBankなど)から取り寄せた前記サブユニットをコードするDNAの塩基配列に基づいて設計したオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR:plymerase chain reaction)によって増幅する。ここで、PCRに用いることができるプライマーとしては、HサブユニットDNAを増幅する場合、センスプライマーについては5'-atggttggtgtgactgcttt-3'(配列番号9)、アンチセンスプライマーについては5'-tcaggcgtattcggccagca-3' (配列番号10)を、LサブユニットDNAを増幅する場合、センスプライマーについては5'-atggcactgctcagcttcga-3' (配列番号11)、アンチセンスプライマーについては5'-tcagccattgatgcctcccg-3' (配列番号12)、MサブユニットDNAを増幅する場合、センスプライマーについては5'-atggctgagtatcagaacat-3'(配列番号13)、アンチセンスプライマーについては5'-tcagttcagcggcgccatgc-3'(配列番号14)を用いることができる。但し、本発明においてはこれらのプライマーに限定されるものではない。合成は、DNA合成機(例えばABI社製モデル391)によって行うことができる。
【0014】
PCRによって増幅された断片が目的のDNA断片であることの確認は、得られた断片をpBlueScriptSK(+)(STRATAGENE社製)等の適当なベクターにサブクローニング後、塩基配列を決定することによって行うことができる。塩基配列の決定は、マクサム-ギルバートの化学修飾法、ジデオキシヌクレオチド鎖終結法などの公知の方法により行うことができるが、通常は自動塩基配列決定機(例えばPERKIN-ELMER社製373A DNAシークエンサー等)を用いて行うことができる。
【0015】
なお、本発明において用いたロドバクター・スフェロイデス由来の光合成反応中心タンパク質について、配列番号1にHサブユニットをコードする遺伝子の塩基配列を、配列番号2にHサブユニットのアミノ酸配列を、配列番号5にLサブユニットをコードする遺伝子の塩基配列を、配列番号6にLサブユニットのアミノ酸配列を、配列番号7にMサブユニットをコードする遺伝子の塩基配列を、配列番号8にMサブユニットのアミノ酸配列を示した。
【0016】
次いで、RCタンパク質をコードするDNAを適当なベクターに連結する。ここで用いることができるベクターとしては、使用する宿主に応じて、該宿主中で複製可能な様々なプラスミドDNAを用いることができる。例えば、ロドバクター・スフェロイデス宿主用にはpRK415 [Keen, N.T., S. Tamaki, D. Kobayashi, and D. Trollinger. (1988) Gene 70,191-197]や、これにプロモーターを付加したpCHB500HP[Benning, C. and C. R. Somerville (1992) J. Bacteriology 174, 2352-2360]など、大腸菌宿主用にはpBR322、pBR325、pUC18、pUC19、pUC118、pUC119など、枯草菌宿主用にはpUB110、pTP5など、酵母宿主用にはYEp13、YEp24、YCp50、YIp30などが挙げられる。RCタンパク質をコードするDNAの挿入に当っては、その遺伝子が転写・翻訳されるようにベクターに組み込むことが必要である。そこで、ベクターには、プロモーター、ターミネーターなどの他、所望により、エンハンサー、ポリA付加シグナル、選択マーカー、SD配列などを連結することができる。
【0017】
次に、RCタンパク質にヒスチジンタグが結合したものをコードするように前記RCタンパク質をコードするDNAを改変する。ここで、ヒスチジンタグとは、ヒスチジンが2〜10個、好ましくは6〜7個の結合したペプチドをいう。改変は、コドンCACをいくつか導入した挿入変異遺伝子を合成し、これを鋳型としてPCRプライマーを用いて増幅する。遺伝子改変に用いる領域はPCR増幅に適した長さを持ち、組み換えに適した制限酵素サイトを末端に有し、構造遺伝子C末端を含む遺伝子領域を選択する。こうして人工的に組み換えヒスチジンコドンを有した遺伝子を部分的に合成する。
【0018】
例えば、RCタンパク質のHサブユニットのC末端に6個のヒスチジンが結合したものをコードするDNAは、以下のようにして調製することができる。まず、HサブユニットのC末端にヒスチジンタグが付加されるように改変した塩基配列を有し且つ互いにアニーリングし得る相補的領域を3'末端側に有する、HサブユニットのC末端コード領域を含む約100塩基のセンス鎖側及びアンチセンス鎖側のDNA鎖を化学合成する。なお、本発明において化学合成したセンス鎖側のDNA鎖の塩基配列を配列番号15に、アンチセンス鎖側のDNA鎖を配列番号16に示した。次いで、センス鎖側及びアンチセンス鎖側のDNA鎖をアニーリング後、互いの一本鎖部分を鋳型として、3'側を延長合成する。さらに、得られた二本鎖DNAを鋳型、各鎖の5'末端側の配列をプライマーとしてPCRを行うことによって、C末端にヒスチジンタグが付加されたC末端側領域をコードするDNA断片を得ることができる。ここで、用いることができるセンスプライマーを配列番号17に、アンチセンスプライマーを配列番号18に示した。次いで、得られたDNA断片を、ネイティブなHサブユニットをコードするDNAのC末端領域コード部分と置換することによって、ヒスチジンタグが導入されたHサブユニットをコードするDNAを含む構造遺伝子が得られる。これを適当な発現ベクターに導入することでヒスチジンタグを付けたHサブユニット発現プラスミドは構築される。なお、本発明において構築したヒスチジンタグ付きHサブユニットをコードするDNAの塩基配列を配列番号3に、アミノ酸配列を配列番号4に示した。
【0019】
(3)形質転換体の作製
本発明において用いるヒスチジンタグRCタンパク質発現用の形質転換体は、上記(1)において得られた発現ベクターを、該タンパク質が発現し得るように宿主中に導入することにより得ることができる。ここで、宿主としては、光合成反応中心を発現できるものであれば特に限定されるものではないが、完全なRC複合体を形成するためには同種の光合成細菌を用いることが好ましい。
【0020】
ロドバクター・スフェロイデスを宿主として用いる場合には、該微生物はRCタンパク質をコードする遺伝子を元来、有しているため、ヒスチジンタグが連結されるように改変したサブユニットコード遺伝子を含む発現ベクターのみを宿主に導入するだけで、ヒスチジンタグ付きサブユニットを含むRCタンパク質を、該宿主細胞中に発現させることができる。ここで、野生型のロドバクター・スフェロイデスを宿主として用いた場合には、ヒスチジンタグ付きサブユニットを含むRCタンパク質とヒスチジンタグが付加していない元々のタイプのRCタンパク質の2種類のRCタンパク質が同一宿主中に発現されるため、目的のヒスチジンタグ付きサブユニットを含むRCタンパク質の発現効率が低かったり、精製工程が繁雑になり得る。そこで、ヒスチジンタグを付加しようとするサブユニットを欠損したロドバクター・スフェロイデスを宿主として用いることによって、目的のヒスチジンタグ付き光合成反応中心タンパク質のみを宿主細胞中に発現させることができる。例えば、Hサブユニットにヒスチジンタグが結合したRCタンパク質を発現させる場合には、Hサブユニット欠損株PUHA1を用いることができる。該欠損株は、Sockettらの手法 [文献名:Sockett, R. E., Donohue, T. J., Varga, A. R., and Kaplan, S. (1989) J. Bacteriology 171, 436-446] に従って、ATCCに寄託されているロドバクター・スフェロイデスから構築することもできるし、Sockettらから入手することもできる。
光合成細菌への発現ベクターの導入方法としては、細菌にDNAを導入する方法であれば特に限定されるものではない。例えば、カルシウムイオンを用いる方法、エレクトロポレーション法等が挙げられる。
【0021】
(4)ヒスチジンタグRCタンパク質の生産及び精製
ヒスチジンタグRCタンパク質は、RCタンパク質を構成するいずれかのサブユニットにヒスチジンタグが結合しているものをいう。該タンパク質は、前記2において得られた形質転換体の培養物から、以下のようにして生産・精製することができる。
【0022】
形質転換体の培養において、その形質転換体が誘導性のプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換されたものである場合には、必要に応じてインデューサーを培地に添加してもよい。例えば、Lacプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換された微生物を培養するときにはイソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド(IPTG)等を、trpプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養するときにはインドールアクリル酸(IAA)等を培地に添加してもよい。
【0023】
培養後、菌体内に生産されたタンパク質は菌体を破砕することにより抽出することができる。菌体の破砕は、超音波、フレンチプレス、ガラスビーズを使用するホモジナイザーなどを用いることができる。その後、ヒスチジンタグを付与したRCはNi-NTAを担持したゲルマトリックスを用いることで容易に分離できる。また、タンパク質の単離精製に用いられる一般的な生化学的方法、例えば硫酸アンモニウム沈殿、ゲルクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等を単独で又は適宜組み合わせて用いることにより、前記培養物中から本発明に用いるタンパク質を単離精製することができる。
【0024】
2.表面プラズモン共鳴測定用チップの製造
本発明の一例による測定チップの断面概略図を図3に示す。本発明の測定用チップは、表面にニトリロトリ酢酸を有するチップ基板5と、ニトリロトリ酢酸にニッケルイオン6を介して、ヒスチジンタグ7によって配位結合した光合成反応中心タンパク質8を有する。本発明の表面プラズモン共鳴測定用チップは、以下のようにして製造することができる。
【0025】
(1) ニトリロトリ酢酸を有するチップ基板
本発明の測定用チップを製造するためには、表面にニトリロトリ酢酸を有するチップ基板が必要である。表面にニトリロトリ酢酸を有するチップ基板としては、NTAセンサーチップ(ビアコア社)等の市販のものを用いることができる。また、表面にニトリロトリ酢酸を有するチップ基板は必要に応じて自分で作製することもできる。例えば、まず、透明基板上に金属膜を形成する。ここで、用いることができる透明基板の素材としては、ガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートなどの、偏光に対して異方性を示さずかつ加工性の優れたレーザー光透過製ものが好ましく、また、透明基板の厚さとしては、0.1〜20mm程度が好ましい。また、金属膜の形成に用いる金属の種類としては、表面プラズモン共鳴が生じ得るようなもの、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、白金等が挙げられる。金属膜2の膜厚は、100〜2000Åであるのが好ましく、特に200〜600Åであるのが好ましい。さらに、透明基板への付着性を考慮して、透明基板と金属膜との間にクロム等からなる介在層を設けてもよい。クロム等からなる介在層を設ける場合、その介在層の厚さは、5〜50Åであるのが好ましい。金属膜の形成は常法によって行えばよく、例えば、スパッタ法、蒸着法、イオンプレーティング法、電気めっき法、無電解めっき法等によって行うことができる。次いで、金属膜表面にニトリロトリ酢酸層を形成させる。ニトリロトリ酢酸層は、チオール基を有するニトリロトリ酢酸分子を用いるセルフアッセンブル法や、金属膜表面にニトリロトリ酢酸と反応し得る化学物質層を形成させた後、化学結合法によってニトリロトリ酢酸を固定化する方法方法等によって形成することが可能である。
【0026】
(2) チップ基板上へのヒスチジンタグRCタンパク質の固定化
表面にニトリロトリ酢酸を有するチップ基板上へ、ヒスチジンタグRCタンパク質を固定化する。該タンパク質の固定化方法は常法によって行えばよく、例えば、チップ基板を装着する表面プラズモン共鳴測定装置がフローセル型のものである場合、まず、該装置に測定用チップを装着して一定流量のニッケルイオン溶液を所定時間流し、ニッケルイオンをニトリロトリ酢酸に固定する。次いで同様に、ヒスチジンタグ付き光合成反応中心タンパク質を流すことによって、ニッケルイオンを介する形で、ヒスチジンタグ付き光合成反応中心タンパク質を基板上に固定化し、本発明の測定用チップを得ることができる。
【0027】
3.本発明の表面プラズモン共鳴測定用チップを用いるトリアジン系除草剤の測定
上記2において作製された表面プラズモン共鳴測定用チップを装着した市販のSPR測定装置(例えば、ビアコア社製BIACORE X)を用いることによって、トリアジン系除草剤を測定することができる。該装置を用いる測定手順の概要を以下に示す。まず、本発明の測定用チップをSPR測定装置に装着する。装着後の様子を図5に示した。すなわち、測定チップ13は、透明基板が上になるように設置する。次いで、夾雑物質15及び測定対象物質16とを含む試料液を流路17を通して流す。次いで光源9からは、測定用チップ13の透明基板に向かって単色光が照射され(入射光11)、測定用チップ13に設けられた金属膜で反射したその反射光12が、検出器10に入光する。検出器10では、反射光12の強度を検出することができる。
【0028】
光が測定用チップ13の透明基板と外との界面で全反射するときに、その界面にエバネッセント波といわれる表面波が生じ、一方、金属膜にも表面プラズモンといわれる表面波が生じる。この2つの表面波の波数が一致すると共鳴が起こり、光のエネルギーの一部が表面プラズモンを励起するために使用され、反射光の強度が低下する。ここで、表面プラズモンの波数は、金属膜表面のごく近くにある媒質の屈折率の影響を受けるため、測定対象物質と測定用チップ上に固定化されたリガンドとの相互作用により媒質の屈折率が変化すると、表面プラズモン共鳴が生じる入射角θが変化する。従って、反射光強度曲線の谷のずれによって、測定対象物質の濃度の変化を検知することができる。入射角θの変化量は共鳴シグナルといわれ、10-4°の変化を1RUとして表す。
【0029】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕ヒスチジンタグRCタンパク質の調製
(1)ヒスチジンタグRCタンパク質発現ベクターの構築
ヒスチジンタグRCタンパク質を発現させるためのベクターを以下のようにして構築した。まず、Hサブユニット遺伝子を含むプラスミドpRHBL404[Sockett, R. E., Donohue, T. J., Varga, A. R., and Kaplan, S. (1989) J. Bacteriology 171, 436-446]より、制限酵素PstI、BamHIを用いてpuhA構造遺伝子を含む遺伝子断片をpUC19へサブクローニングした。これをpUR716とした。
次いで、Bgl II、BamHIで挟まれる173bpの領域のDNA合成を行った。終始コドンの前に6残基のヒスチジンコドンCACを含ませるようにDNAをデザインした。まず、以下の配列を有する鋳型長鎖DNAとPCR用短鎖DNAを化学合成した。
【0030】
【0031】
長鎖プライマー1、短鎖プライマー1はセンス鎖から長鎖プライマー2、短鎖プライマー2はアンチセンス鎖から設計した。これらを混合し、PCRにより、Bgl IIからBamHIまでの2本鎖DNA断片を完全化した。PCRは以下の条件で行った。
【0032】
(反応条件)
95℃、3分
95℃、1分(*)
50℃、2分
72℃、4分(**)
*から**までを30サイクル
72℃、15分
【0033】
完全化した2本鎖DNA断片はBgl II、BamHIで末端を切断し、同じくBgl II、BamHIにて切断し、ネイティブ遺伝子を除去したpUR716に接続した。これによって、C末端にヒスチジン6残基を有するHサブユニット遺伝子が構築できた。この組み換えHサブユニット構造遺伝子はHindIII、BamHIにて切断することによって分離され、同じくHindIII、BamHIによって切断した発現ベクターpCHB500HP[Benning, C. and C. R. Somerville (1992) J. Bacteriology 174, 2352-2360]のプロモーター下流へと接続した。ベクターpCHB500HPは大阪大学理学部の佐伯和彦講師より譲り受けたものである。これによって組み換えHサブユニット構造遺伝子発現プラスミドpCHT919(図6)が完成した。
【0034】
(2) ヒスチジンタグRCタンパク質生産株の構築
上記(1)において構築したヒスチジンタグRCタンパク質発現プラスミドは、Sockettらの方法[文献名:Sockett, R. E., Donohue, T. J., Varga, A. R., and Kaplan, S. (1989) J. Bacteriology 171, 436-446]によって構築したHサブユニット欠損株ロドバクター・スフェロイデスPUHA1に、エレクトロポレーション法によって遺伝子導入した。次いで、カナマイシン、テトラサイクリンを添加したASY培地で増殖可能なHサブユニットのC末端にヒスチジンタグを持つRCタンパク質を発現する株を得た。
【0035】
(3) ヒスチジンタグRCタンパク質の生産及び精製
上記(3)において得られた株をASY培地を用い、30℃、嫌気、光照射条件下で72時間培養した。得られた菌体を10,000×gで集菌し、バッファー1(10 mM Tris(pH 8.0)、100mM NaCl)に懸濁して再び集菌し、バッファー1に再懸濁した。菌体をDNアーゼ、マグネシウム存在下でフレンチプレスにて破砕し、10,000×g、30分の遠心により未破砕菌体を分離した。RCを含む光合成膜(クロマトホア膜)の上清は吸光度(850 nm)が50以下になるように希釈した。濃度0.5 % LDAO、終濃度5 mMイミダゾール、バッファー2(10 mM Tris(pH 8.0)、0.1 % LDAO(N,N-dimethyl-dodecylamineN-oxide))にて平衡化したNi-NTAレジン(Ni-NTAを高密度に表面に担持させてあるセファロースCL-6B(Quiagen社製))を上清に加え、暗所、4℃にて30分間、撹拌処理した。処理後の懸濁液はカラムに充填し、バッファー2にて溶出液の吸光度が認められなくなるまで、洗浄した。次いで、ヒスチジンタグRCタンパク質をバッファー3(10 mM Tris(pH 8.0)、0.1 % LDAO、40 mMイミダゾール)にて溶出させることにより得た。
【0036】
〔実施例2〕分子識別素子のチップへの固定化
実施例1において調製した光合成反応中心タンパク質の固定化用チップとして、表面にニトリロトリ酢酸(NTA)を有する9mm×9mm、厚さ50nmの金層とその上に100nmのニトリロトリ酢酸(NTA)を結合したデキストラン層を持つNTAセンサーチップ(ビアコア社製)を用いた。まず、NTAセンサーチップを、表面プラズモン共鳴(SPR)測定装置BIACORE X(ビアコア社製)のカートリッジブロック上に装着した。この測定装置の測定セルに,500μM NiCl2、50mMNaCl、0.2%(w/v)Triton X-100を含む50mMリン酸緩衝液(pH 8.0)を流速20μl/分で2分間を3回ローディングすることによりチップ表面のニトリロトリ酢酸ニッケルイオンを配位させた。次いで、0.3μMヒスチジンタグ光合成反応中心タンパク質溶液を流速10μl/分で3分間ローディングし、図4のような結合によってチップ表面に固定化した。ここで、固定されていない余分なヒスチジンタグ光合成反応中心タンパク質は、50mM NaCl、0.2%(w/v)Triton X-100を含む50mMリン酸緩衝液(pH 8.0)を流速20μl/分で測定セルに流し込むことにより洗い流した。このようにして、測定用チップを作製した。
【0037】
〔実施例3〕本発明の測定用チップを用いたトリアジン系除草剤の測定
実施例2において製造した測定用チップを用いて、トリアジン系除草剤の1つであるアトラジンの測定した。光合成反応中心タンパク質を固定した測定チップを装着した測定セルに、0.01、0.1 、1、10、又は100 ng/ml に希釈したアトラジンを流速5μl/分で10分間流しながら光強度を測定し、共鳴シグナル(RU)を求めた。この結果を図7に示した。
図7に示すように、試料濃度を共鳴シグナルとの間には、正比例に類似した右肩上がりの関係が見られた。これにより、本発明の測定用チップを用いるこちによりアトラジン量を測定することできることがわかった。
【0038】
【発明の効果】
本発明の測定用チップを用いることにより、トリアジン系除草剤を高感度で測定することができる。
【配列表】
【0039】
【配列表フリーテキスト】
配列番号3:オリゴヒスチジンでタグ付けされたHサブユニットをコードする遺伝子
配列番号4:オリゴヒスチジンでタグ付けされたHサブユニット
配列番号9:合成DNA
配列番号10:合成DNA
配列番号11:合成DNA
配列番号12:合成DNA
配列番号13:合成DNA
配列番号14:合成DNA
配列番号15:合成DNA
配列番号16:合成DNA
配列番号17:合成DNA
配列番号18:合成DNA
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な表面プラズモン共鳴測定用チップの概略図である。
【図2】ネイティブな光合成反応中心タンパク質のロドバクター・スフェロイデスの細胞膜表面上での存在状態を示した図である。
【図3】本発明のヒスチジンタグ付き光合成反応中心タンパク質を固定化した表面プラズモン共鳴測定用チップである。
【図4】ヒスチジンタグ付き光合成反応中心タンパク質のチップ基板への結合メカニズムを示した図である。
【図5】本発明の測定用チップを装着した表面プラズモン共鳴測定装置の概念図である。
【図6】ヒスチジンタグ付き光合成反応中心タンパク質発現ベクターの構造を示した図である。
【図7】本発明の測定用チップを装着したSPR装置を用いてアトラジンを測定した場合の結果を示した図である。
【符号の説明】
1・・・ガラス基板
2・・・金属膜
3・・・多孔性材料
4・・・リガンド
5・・・NTAセンサーチップ
6・・・ニッケルイオン
7・・・ヒスチジンタグ
8・・・光合成反応中心タンパク質
9・・・光源
10・・検出器
11・・入射光
12・・反射光
13・・測定用チップ
14・・リガンド
15・・夾雑物質
16・・測定対象物質
17・・流路
Claims (5)
- チップ基板に、光合成反応中心タンパク質が固定化されている表面プラズモン共鳴測定用チップであって、光合成反応中心タンパク質にヒスチジンタグを結合せしめたタンパク質を作成し、基板表面に形成されたニトリロトリ酢酸層に、上記ヒスチジンタグを、ニッケルイオンを介して配位結合させることにより、光合成反応中心タンパク質が固定化されている、表面プラズモン共鳴測定用チップ。
- ヒスチジンタグが、光合成反応中心タンパク質のHサブユニットに結合してなるものである請求項1記載の表面プラズモン共鳴測定用チップ。
- チップ基板に、光合成反応中心タンパク質が固定化されている表面プラズモン共鳴測定用チップの製造方法であって、光合成反応中心タンパク質にヒスチジンタグを結合せしめたタンパク質を作成し、チップ基板表面に形成されたニトリロトリ酢酸層に、上記ヒスチジンタグを、ニッケルイオンを介して配位結合させることにより、光合成反応中心タンパク質のチップ基板への固定化を行う、表面プラズモン共鳴測定用チップの製造方法。
- 請求項1または2に記載の表面プラズモン共鳴測定用チップを用いる、トリアジン系除草剤の測定方法。
- トリアジン系除草剤がアトラジンである請求項4記載の測定方法。
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