JP3689249B2 - テンショナ装置の油路構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カム軸駆動チェーン用テンショナ装置へ油圧を供給するための油路の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
チェーン/スプロケット機構を介してクランク軸の回転をカム軸に伝達するエンジンに於いて、チェーンの張力を一定に保つために、油圧で押し出されるプランジャを用いたテンショナ装置を設けたものが知られている(実用新案登録公報第2503434号参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、このようなテンショナ装置は、チェーンの緩みに応じてプランジャに推力を加える油圧を供給するための油路の形成と、その油路にスラッジなどが侵入することを防ぐためのオイルフィルタの設置とを必要とする。そのため、エンジンの製造コスト低減が阻害されることとなっていた。
【0004】
本発明は、このような従来技術の問題点を解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、製造コストの増大を招かずに済むように改良されたテンショナ装置の油路構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような目的を果たすために、本発明に於いては、カム軸駆動チェーン用テンショナ装置(実施の形態中のプランジャ装置17)と油圧制御弁21とを互いに近接配置し、テンショナ装置へ油圧を供給する油路31を、油圧制御弁のインレットポート28に設けたオイルフィルタ27の下流側から分岐させるものとした。
【0006】
このようにすれば、油路の構成を簡略化し得るので、油路形成のための加工工数を低減できる上、オイルフィルタを共用することによる部品点数の削減が可能となる。しかも油圧制御弁のインレットポートにオイルフィルタを設けたので、油圧制御弁並びにテンショナ装置への異物の侵入を確実に防止し得る。さらにテンショナ装置への油圧供給油路を最短化し得るので、テンショナ装置の応答性も向上する。
【0007】
特に、油圧制御弁をテンショナ装置の上方に設け、テンショナ装置に上方からオイルが流入するようにすれば、エンジン停止時にテンショナ装置への油路からオイルの抜け出ることが抑制されるので、油路にエアが入ることを防止し得る。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図面を参照して本発明の構成を詳細に説明する。
【0009】
図1は、本発明が適用された直列多気筒エンジンのクランクプーリ側を一部切除して示す立面図である。このエンジンEは、複数のシリンダを直列に列設してなるシリンダブロック1と、シリンダブロック1の下面に接合されたベアリングキャップブロック2と、ベアリングキャップブロック2の下面に接合されたオイルパン3と、シリンダブロック1の上面に接合されたシリンダヘッド4とを備えている。そしてシリンダヘッド4の上方には、2本のカム軸5を枢支したカムホルダ6が設けられ、これらのカム軸5は、シリンダヘッド4の上面に接合されたヘッドカバー7で覆われている。
【0010】
2本のカム軸5の軸端には、それぞれカムギア8が嵌着されている。そしてこれらのカムギア8は、シリンダヘッド4のクランクプーリ側端面に枢着された共通のアイドルギア9に噛合している。またアイドルギア9には、カム軸用ドリブンスプロケット10が一体結合されている。
【0011】
シリンダブロック1とベアリングキャップブロック2との接合面には、公知のエンジンと同様に、メインベアリングによってクランク軸11が支持されている。
【0012】
クランク軸11には、カム軸用ドライブスプロケット12と、オイルポンプ用ドライブスプロケット13とが嵌着されている。これらのドライブスプロケット12・13は、それぞれ別々のサイレントチェーン14・15を介してカム軸用ドリブンスプロケット10とオイルポンプ用ドリブンスプロケット16とに連結されている。これにより、カム軸用ドリブンスプロケット10と一体のアイドルギア9を介してカムギア8と一体のカム軸5がクランク軸11で駆動されると同時に、図示されていないオイルポンプが駆動されるようになっている。
【0013】
カム軸用のドリブンスプロケット10とドライブスプロケット12との間に巻き掛けられたサイレントチェーン14には、油圧プランジャ装置17の推力で押し付けられるテンショナシュー18が図に於ける左方に、振れ止め用のガイドシュー19が図1に於ける右方に、それぞれ付設されている。これらにより、カム軸駆動用サイレントチェーン14の張力が常時一定となるように自動調節され、しかも過度に振れることのないようにされている。
【0014】
シリンダヘッド4のクランクプーリ側の端部には、アイドルギア9、カム軸用ドリブンスプロケット10、及びサイレントチェーン14のスプロケットに巻き掛けられた部分を受容するスプロケットケーシング部20が一体形成されている。そしてスプロケットケーシング部20の図に於ける左側面に、図示されていない弁作動状態可変装置への油圧を断続制御するための油圧制御弁21が、油圧プランジャ装置17と共に取り付けられている。
【0015】
なお、油圧作動する弁作動状態可変装置は、既に市販車に搭載された公知の技術(実公平6−10104号公報参照)なので、ここではその詳細説明は省略する。
【0016】
図2に示すように、上記油圧プランジャ装置17と油圧制御弁21とは、共にシリンダヘッド4の端部、つまりスプロケットケーシング部20の同一側面側に、油圧制御弁21を上方にして互いに近接配置されている。なお、ここでテンショナ装置17と油圧制御弁21とは、少なくとも両者間に他の部品を配置できない程度に近づけて配置することが望ましく、最大でも、両者間に例えば両者と略同程度の大きさの部材が入らない程度の間隔にすることが好ましい。
【0017】
油圧プランジャ装置17は、シリンダブロック1にその下端が枢着されたテンショナシュー18の上端に推力を加えるプランジャ22と、プランジャ22を摺合させた状態でシリンダヘッド4に設けられた嵌合孔23に嵌着され且つボルトBでシリンダヘッド4に固定されたプランジャボディ24とからなっている。これら油圧プランジャ装置17とテンショナシュー18とにより、カム軸駆動用サイレントチェーン14の張力を一定に保つためのテンショナ装置が構成されている。
【0018】
油圧制御弁21は、ソレノイド弁25の作動に応じて上下移動するスプール弁26により、内部の油路間の連通状態が切り替わるようになっている。この制御弁21のシリンダヘッド4に対する接合面には、図3並びに図4に示すように、適宜なメッシュの金網からなるオイルフィルタ27が設けられたインレットポート28と、3つのアウトレットポート29a・29b・29cとが開口している。そしてインレットポート28と、これに隣接するアウトレットポートの1つ29aとの間は、ドリル加工で形成された傾斜通路30を介して常時連通している。
【0019】
ここでオイルフィルタ27は、ゴムパッキングPを介してシリンダヘッド4と油圧制御弁21との合わせ面に挟設されており、組み付けが極めて簡単に行えるようになっている。またオイルフィルタ27のメッシュ部は、インレットポート28の内方へ突入した形状とされており、これによってメッシュ部の面積確保と油圧制御弁21の小型化との両立が図られている。
【0020】
シリンダヘッド4の側面に於ける油圧制御弁21の取付面の上記アウトレットポートの1つ29aと対向する位置からプランジャボディの嵌合孔23へ向けて、斜め下向きにドリル加工の油路31が形成されている。
【0021】
プランジャボディ24には、上記斜め下向きの油路31に連なり、プランジャ22に油圧を作用させるための油路32が形成されている。
【0022】
シリンダヘッド4に内設されたオイル供給路33からオイルフィルタ27を経てインレットポート28に流入したオイルの一部は、油圧制御弁21の作動状態の如何に係わらず、インレットポート28から分岐した傾斜通路30を介してアウトレットポートの1つ29aに流入する。そして該アウトレットポート29aから、斜め下向きの油路31を介してプランジャボディ内の油路32に流入し、プランジャ22に油圧を作用させる。ここでオイルフィルタ27は油圧制御弁21のインレットポート28に設けられているので、油圧制御弁21並びに油圧プランジャ装置17への異物の侵入を確実に防止し得る。しかも油圧プランジャ装置17への油圧供給油路を最短化し得るので、油圧プランジャ装置17の応答性をも向上し得る。
【0023】
上述の如く、油圧制御弁21を上方へ配置し、油圧プランジャ装置17へのオイルの供給を上方から行うものとすることにより、油路構造を複雑化することなく油路31からオイルが完全に下りてしまうことが避けられるので、油圧プランジャ装置17へのエア吸引が避けられる。
【0024】
油圧プランジャ装置17並びに油圧制御弁21は、図5に示すように、排気マニホールド35に近接配置されているが、排気マニホールドカバー36の前方への延出部分36aが遮熱板として作用するので、部品点数を増加せずにプランジャ装置17並びに油圧制御弁21への熱影響を緩和することができる。また本実施例に於いては、シリンダヘッド4の1番気筒側の端部に一体形成したスプロケットケーシング部20の同一側面上にプランジャ装置17並びに油圧制御弁21を取り付けるものとしたので、エンジンを大型化せずに取付スペースを確保し、かつ保守整備性を高めることができる。
【0025】
【発明の効果】
このように本発明の請求項1によれば、テンショナ装置への油圧供給油路を、オイルフィルタが設けられた油圧制御弁のインレットポートから分岐させるものとしたので、油路の構成が単純化されて油路形成のための加工工数を低減し得る上、オイルフィルタを共用することによる部品点数の削減が可能となる。しかも油圧制御弁のインレットポートにオイルフィルタを設けたので、油圧制御弁並びにテンショナ装置への異物の侵入を確実に防止し得る。さらにテンショナ装置への油圧供給油路を最短化し得るので、テンショナ装置の応答性も向上する。また請求項2によれば、エンジン停止時にテンショナ装置への油路からオイルの抜けることが抑制されるので、油路にエアが入ることを防止し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された直列多気筒エンジンのクランクプーリ側を一部切除して示す立面図
【図2】本発明の要部を示す縦断面図
【図3】油圧制御弁のシリンダヘッドに対する接合面の端面図
【図4】図3に於けるIV−IV線に沿う部分的断面図
【図5】本発明が適用された直列多気筒エンジンの排気側の概略側面図
【符号の説明】
17 プランジャ装置
21 油圧制御弁
27 オイルフィルタ
28 インレットポート
31 テンショナ装置への油路
Claims (2)
- 潤滑油の圧力で作動するカム軸駆動チェーン用テンショナ装置と、潤滑油の圧力で作動する機器への油圧を制御するための油圧制御弁とを互いに近接配置し、
前記テンショナ装置へ油圧を供給する油路を、前記油圧制御弁のインレットポートに設けたオイルフィルタの下流側から分岐させたことを特徴とするテンショナ装置の油路構造。 - 前記油圧制御弁を前記テンショナ装置の上方に設け、前記テンショナ装置に上方からオイルが流入するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のテンショナ装置の油路構造。
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