JP3688888B2 - 冷凍生地、これを焼成して得られるパン及びそのための油脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規冷凍生地、これを焼成して得られるパン及びそれ等に使用可能な油脂組成物、より詳しくは冷凍保存、解凍後焼成したときに生地ダレがなく、ボリュームも出て食感を向上させる冷凍生地、これを焼成して得られるパン及びその冷凍生地の製造時に冷凍生地中に配合することができる油脂組成物、特に食用油脂中トランスグルタミナーゼ(以下、「TGase」と略すことがある。)を、必要により更に乳化剤を含有する油脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
冷凍生地を用いる製パン法では冷凍生地製造と焼成品製造と、工程を2分化できる。そのメリットとしては郊外に大きな冷凍生地工場を建設し、都市近郊に幾つかの焼成工場を持つことで、生産の集中が可能となり、より効率的となる。また、近年人気のある焼き立てパンの大量供給も可能となる。
【0003】
冷凍生地の生産量は増加する傾向である一方、従来の冷凍を行わない製パン工程では起こらない冷凍障害が生じる。
パン生地の冷凍障害とは冷凍時及び冷凍中に氷結晶が生地中で生成されて成長して大きくなる際にグルテンの膜を突き破り破壊することが原因と考えられている。冷凍障害を防止するためには、水の使用量を減らしたり、L−アスコルビン酸等の食品酸化剤、レシチン、シュガーエステル、ジアセチル酒石酸モノグリセライド(以下、「DATEM」と略す。)等の乳化剤を使用することが知られている。また、その他、グルテンを生地中に添加することでグルテン生地を強化する方法が利用されている。
【0004】
また、冷凍生地の冷凍時の品質劣化を改善するために小麦粉に対し、DATEMを0.2〜0.5重量%と20〜100ppmのL−アスコルビン酸を添加する方法が提案されている(特公平 6-22431号公報参照。)。
【0005】
この方法では、数週間の冷凍保存期間が経過しても冷凍耐性の効果は高いと報告されているが、冷凍耐性の効果を充分に発揮させるためには、多量にDATEMを加えなければならず、その場合、特有の酢酸に似た臭いを有し、パンの風味等に悪影響を及ぼすため、この方法は好ましくない。
【0006】
上記品質の改善のために、TGaseを製パンに利用する方法が下記の通り幾つか提案されている:
(1) 製造段階で穀類粉末を主原料とし、TGaseをタンパク質1g当たり、0.1〜50ユニット(U)添加することにより、弾力があり、かつしなやかできめが細かい優れた品質を有するパン類を製造する(特開平 4-360641号参照。)。
【0007】
(2) 主原料である小麦粉に、水、イースト及び小麦タンパク質1g当たり、0.1〜20UのTGaseを添加、混合して発酵させた後、焼成、粉砕して得たパン粉並びに当該パン粉を用いて油ちょう食品を製造することにより、かりっとしたクリスピー感に富み、その食感を油ちょう後もより長時間維持できる(特開平 8-56597公報参照。)。
【0008】
(3) 小麦粉生地に対してTGaseを添加、作用させた後に加熱処理を行うことにより多層化または多孔化構造を有する焼成品を製造すると、最終製品に好ましい食感を付与するとともに、製造工程での生地ダレを防止できる(特開平 7-250609号公報参照。)。
【0009】
(4) イースト発酵させた焼成品を作る際、生地改良剤の一つとしてTGaseを加え、穀粉、水、イースト及びその他の通常の製パン添加剤を混合することで、伸張性を向上させることができる(米国第5,279,839号特許参照。)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記TGaseを添加する従来法では、適正な水の添加量等の調整が非常に困難であり、製パン時のボリューム(焼成後の体積)、焼成されたパンの食感(弾力が強く、歯切れが悪い等)及び老化等の品質に問題があり、これ等課題を更に改善する必要がある。
【0011】
本発明の目的は、TGaseを添加する従来法を、特にその冷凍耐性を改良して、焼成してパンを製造したときに、製パン時のボリューム、焼成されたパンの食感及び老化等の品質を改善する、優れた冷凍生地の提供にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究を進める中で、従来のTGase添加法について検討を加えたところ、何れもTGaseの添加が小麦粉や生地改良剤側に限定されること、その結果、粉側への添加ではミキシング中にTGaseがグルテンに作用して、生地を強め過ぎて、製パン時のボリュームは出ず、食感では弾力が強く歯切れが悪くなるものと考えられた。
添加量や水分量を調整することで多少改善できるが、実際の製パンでは製造するパンの種類の違いや使用する小麦の状態により加水量等が異なるため、適正な水の添加量の調整が非常に困難となることも見出した。
【0013】
そこで、本発明者等は、特にTGaseのグルテンを強くするという良い点が活かされ、冷凍耐性が向上するような方法を鋭意検討したところ、冷凍生地にTGase含有油脂組成物を配合使用した場合、極めて大きな効果が得られることを見出し、これ等の発見に基づき本発明を完成するに到った。
【0014】
即ち、本発明は、食用油脂中にトランスグルタミナーゼを含有する油脂組成物を配合使用した冷凍生地、当該冷凍生地を焼成して得られたパン及びそれに使用可能なTGaseを含有する冷凍生地用油脂組成物である。TGaseの他に、乳化剤、特にレシチンを併用して、含有する油脂組成物を配合するのが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
TGaseは、ペプチド中のグルタミン残基のγ−カルボキシアミド基と各種1級アミンとの間のアシル転移反応及びグルタミン残基のγ−カルボキシアミド基とリジン残基のε−アミノ基をアシル受容体とするタンパク質分子間及び分子内のε−(γ−Glu)−Lys架橋の形成を触媒する酵素であるが、このTGaseが、近年、水産練り製品及び畜肉練り製品によく利用されている(特公平6−55116号、特許第2705024号、特許第2630829号、特開平9−299065号、特開平2−186961号及び特開平4−158765号公報等参照。)。また、TGaseを含有する水産練り製品用酵素製剤や畜肉練り製品用酵素製剤も市販されている(特開平6−113793号、特開平6−284867号及び特開平8−80176号公報等参照。)。
【0016】
上記触媒作用を有するTGaseには、周知のようにカルシウム非依存性のものとカルシウム依存性のものとがある。前者の例としては、微生物由来のもの(例えば、特開昭64−27471号公報参照。)を挙げることができる。後者の例としては、モルモット肝臓由来のもの(例えば、特公平1−50382号公報参照。)、魚由来のもの(例えば、関信夫等、「日本水産学会誌」、56巻1号125頁、1990年参照。)等を挙げることができる。本発明のTGaseには、何れのTGaseでも使用することができ、起源及び製法に制限されることはない。
従って、遺伝子組み換えにより製造されるもの(例えば、特開平1−300889号、同5−199883号及び同6−225775号公報参照。)も用いることができる。
【0017】
機能性及び経済性の点から好ましいのは、カルシウム非依存性のもので、特に上述の微生物由来のTGase(例えば、前記特開昭64−27471号公報参照。)が好ましい。
【0018】
尚、本発明で使用するTGaseの活性単位は、次のように測定され、かつ定義される。即ち、温度37℃、pH6.0のトリス緩衝液中、ベンジルオキシカルボニル-L-グルタミルグリシン及びヒドロキシルアミンを基質とする反応系でTGaseを作用せしめ、生成したヒドロキサム酸をトリクロロ酢酸存在下で鉄錯体を形成させた後、525nmにおける吸光度を測定し、ヒドロキサム酸量を検量線により求め、1分間に1μモルのヒドロキサム酸を生成せしめた酵素をTGaseの活性単位、1ユニット(1U)とする(特開昭64−27471号公報参照。この記載内容は本件明細書の一部として本件明細書中に組み込まれる。)。
【0019】
また、好ましくはTGaseと乳化剤を組み合わせることで、大幅に効果が向上する。乳化剤の中でも、特にレシチンを添加、併用した場合に効果が優れている。勿論、その他の乳化剤でも併用効果が得られる。その場合、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、モノグリセリド及びジグリセリドを使用することができる。
【0020】
レシチンはリン脂質の総称であるが、本発明で使用するレシチンとしては、粗レシチン、精製レシチン、粉末レシチン、酵素分解レシチン、リゾレシチン等の何れのリン脂質も使用することができる。
【0021】
本発明に使用する油脂組成物は、食用油脂にTGaseを含有する組成物であればよく、食用油脂としては、特に制限がなく、大豆油、綿実油、菜種油、パーム油、ヤシ油、落花生油、コーン油、魚油、牛脂、豚脂、乳脂といった動植物油及びそれ等の硬化油、エステル交換油、分別油等が挙げられ、これ等を単独もしくは、2種以上組み合わせて使用することができる。
【0022】
TGaseの含有量については食用油脂100gに対して、例えばTGase 0.5〜1000ユニット(U)程度、好ましくは50〜500U程度,更に好ましくは100〜300U程度を含有する。また、原料粉末タンパク質1g当たり0.1〜500U程度、好ましくは0.1〜100U程度であるが、この使用量は原料粉末の種類や最終製品であるパンの種類等に依存し、使用量が少な過ぎるTGaseの作用が充分に発揮されず、多過ぎると反応が促進し過ぎて凝集が起こるので、何れも好ましくない。
【0023】
本発明においては、TGaseと共に乳化剤特にレシチンを併用するのが好ましいが、乳化剤の含有量については、使用する食用油脂100gに対して、乳化剤0.1〜10g程度、より好ましくは0.5〜5g程度が添加、使用される。
【0024】
食用油脂の形態としては特に制限は無く、例えば本発明で使用する上記添加成分を油脂中に分散させたショートニングの形態、油脂中に水分を分散させたW/O型乳化物または水相中に油脂を分散させたO/W型乳化物の形態でもよい。更に、O/W/O型の二重乳化物の形態でもよい。
【0025】
本発明の油脂組成物の使用量については、冷凍生地全成分100重量部(小麦粉100重量部)に対して0.5〜20重量部程度、より好ましくは1〜10重量部程度使用すればよい。
【0026】
本発明による冷凍生地を製造し、パンを製造するには、特に困難はなく、従来法、例えば中種法やストレート法に基づいて製造することができる。
本発明で使用する油脂組成物は、冷凍生地を製造するための配合成分として使用すればよい。従来から食用油脂を配合する段階でその食用油脂に代えて本発明の油脂組成物を使用すればよい。また、従来TGaseを添加する方法において、そのTGaseを添加する際に、これに代えて本発明の油脂組成物を添加使用することもできる。
【0027】
本発明に関わる部分以外では小麦粉、イースト及び水等従来からパンを製造するために使用される原料を使用して、パンを製造することができるがその製造方法は特に制限は無く、前述の通り、ストレート法や中種法等使用することができる。
例えば、中種法を使用する場合には次の方法によればよい。
まず、小麦粉、イースト及び水をミキサーで混ぜ合わせる。次に、これを20〜40℃で30分〜10時間程度第1次発酵を行い、中種を調製する。この中種に残りの小麦粉、水、食塩、本発明の油脂組成物及びその他の副原料を添加混練りし、パン生地を調製する。
【0028】
特に、TGaseとしてカルシウム依存性のTGaseを使用する場合には、当該TGaseに加えて塩化カルシウム、硫酸化カルシウム等のカルシウムをTGase1Uに対して1〜100mM程度、好ましくは1〜20mM程度添加することが必要である。
【0029】
次いで、パン生地を適当量に分割して、必要により20〜40℃程度で所定の時間放置後、焼き型に型詰めする。この後、再度発酵を行う。この再発酵工程の温度は約15〜約45℃程度である。この温度範囲はグルテンネットワーク形成と本発明に使用するTGaseの反応を十分に行うことを考慮して定められる。発酵が終了すると、凍結されて冷凍生地として保存される。これを焼成してパンを製造するには、冷凍生地を焼成してパンを製造する慣用的な方法を採用することができる。
【0030】
次に、ストレート法を使用する場合には以下の方法によればよい。
使用する原料及び本発明のTGaseを含有する油脂組成物を全て混合する。混合後、約20〜約40℃で一定時間放置(この放置を「フロアータイム」と称する。)する。この段階で幾分発酵が行われる。次に、分割後ベンチタイムを取り、次いで成型後凍結する。
尚、分割とは所定の大きさに分けることであり、また、ベンチタイムとは分割した生地を休めるために生地を通常室温で放置する工程のことで、この工程中にイーストの活動により、発酵ガスが生じ、生地の伸展性がよくなる。
解凍後、いわゆるホイロと呼ばれる発酵工程に付する。ホイロの条件は20〜45℃で20分〜4時間程度である。その後、焼成を行う。
【0031】
尚、原料穀類粉末及びイースト、イーストフード、食塩、砂糖、食用油脂の他にTGaseの作用を妨げない範囲で脱脂粉乳、卵、多糖類、果実、コーヒー抽出液成分、香辛料、調味料、香料、アスコルビン酸、膨張剤、(炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム他)、漂白剤(過硫酸アンモニウム、臭素酸カリウム等)、品質改良剤(ステアロイル乳酸カルシウム、L−システイン塩酸塩等)、カルボキシメチルセルロースナトリウム等の他の添加剤を使用することもできる。
【0032】
このように本発明の冷凍生地を使用して製造されるパンは、従来TGase添加法の問題とされていた製パン時のボリューム、食感及び老化等の品質が著しく改良されたパンであり、本発明が優れたことが示される。
【0033】
更に好ましい場合として、TGaseと乳化剤、特にレシチンとを併用すると、従来の添加法で添加したものに比べ、明らかにミキシング後の生地の伸展性も良好で、焼成後も弾力があり、しなやかできめが細かく良好であった。更に、生地を冷凍保存後、解凍を行っても生地ダレは見られず、焼成後もボリュームが出て形も優れていた。パンの食感も冷凍前とほとんど変化は見られず、老化の進行も遅らせることが分かった。
【0034】
【作用】
食用油脂側にTGaseが入ることでグルテンとの接触を遅くする他、油脂組成物の添加の時期はミキシングの途中である場合、反応がゆっくりと進むため、TGaseの欠点であった生地を強め過ぎることなく冷凍耐性効果が発現するものと考えられる。更に好ましい場合として、TGaseと乳化剤、特にレシチンとを併用すると、レシチンはタンパク質及び澱粉と結合する他、両親媒性の性質から、親水性のドウや水と油脂との混合を可能とし、生地を柔らかくすると共に、油脂の分散性を向上させることから、TGaseとの併用で相乗効果も見られた。
【0035】
【実施例】
次に、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明する。
(実施例1)
ストレート法に基づき、下記の通りロールパンを製造した。
表1に示す含有比率を有する食用油脂及び表2に示す添加物を有する油脂組成物(試料番号1-8)を使用し、これを溶解、撹拌した後、ボテーターにて窒素を入れ急冷捏和してショートニング状の油脂組成物を製造した。尚、大豆硬化油として融点は36℃の油脂を使用した。また、試料番号9はTGaseを油脂に加え、攪拌して油脂組成物とするのではなく、従来通りTGaseと油脂を別々に添加した。
各種の油脂組成物(試料番号1-8、及び試料番号9)を使用し表3に示す配合組成及びその後に示す冷凍生地の製造条件に基づきロールパン成型用冷凍生地を製造した。
得られた冷凍生地について2週間保存後、後に示す解凍及び焼成条件に基づいて、解凍、焼成を行いロールパンを製造した。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
冷凍生地の製造条件と解凍及び焼成条件を下記に示した。
[冷凍生地の製造条件]
ミキシング:低速3分、その後中高速5分、油脂組成物添加後低速2分、その後中高速6分
こねあげ温度(ミキシング終了後の温度):22℃、
フロアータイム:15分、
分割:80gずつに分ける。
ベンチタイム:20分
成型:ロール型、モルダーにて成型。
凍結:−35℃で30分
(凍結後、−20℃の冷凍庫にて保存)
【0040】
[解凍及び焼成条件]
解凍:20℃、湿度70%で90分
ホイロ:38℃、湿度80%で55分
焼成:上火180℃、下火195℃で14分
【0041】
次に、得られた9種類のロールパンについて評価を行った。評価方法は下記に示す。併せて、体積測定(ボリューム測定)も行った。評価結果を表4に示す。
【0042】
[評価方法]
パネル数、10人(男5人、女5人)にて官能検査を行った。
(1)体積測定:3次元イメージ計測器 SELNAC-VM150((株) アステックス社製;レーザー光)使用。
各サンプル10個ずつ測定し、その平均値を体積とし、比容積(cc/g)で表示。
(2)官能検査
形状:外観による観察。
◎:腰高で焼き色良好;○:腰高ではあるがやや焼きムラ有り;
△:生地ダレの発生;及び×:生地ダレが顕著に発生。
内相:パンを切断したときの断面の観察。
◎:膜が非常に薄い;○:膜がやや薄い;△:所々に厚い膜部分発生;
及び×:膜が非常に厚く、ゴム状。
食感
○:ソフトで歯切れが良く、口溶けが非常に良好;
△:歯切れがやや悪いが、口溶けは良好;及び
×:歯切れ悪く、口の中でネチャつき発生。
風味
◎:極めて良好 ○:良好 △:悪い ×:非常に悪い。
【0043】
【表4】
【0044】
表4の結果から明らかなように、試料番号1−6(本発明品)、特に試料番号2及び3は試料番号7(比較例)と比べて、明らかに冷凍生地の耐性が向上した。また、試料番号4,5及び6の本発明の製品に見られるようにレシチンを添加することで、本発明の効果は更に向上して、生地を長期保存しても損傷が少なく、生地を製造した当日に焼成したものと同等のボリューム、外観、風味及び食感を維持する効果が見られた。従来法による試料番号9に比べて本発明法が優れていることも明らかである。
【0045】
【発明の効果】
本発明の冷凍生地、詳しくは食用油脂中トランスグルタミナーゼを含有する油脂組成物を配合する冷凍生地は、これを焼成したときに得られるパンの食感及び老化等の品質を著しく改善することができる。
Claims (5)
- トランスグルタミナーゼ含有油脂組成物を配合する冷凍生地。
- 油脂組成物が、更に乳化剤を含有する請求項1記載の冷凍生地。
- 請求項1記載の冷凍生地を焼成して得られたことを特徴とするパン。
- 食用油脂中トランスグルタミナーゼを含有することを特徴とする冷凍生地用油脂組成物。
- 更に、乳化剤を含有する請求項4記載の冷凍生地用油脂組成物。
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JP10222998A JP3688888B2 (ja) | 1998-03-30 | 1998-03-30 | 冷凍生地、これを焼成して得られるパン及びそのための油脂組成物 |
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JPH11276056A JPH11276056A (ja) | 1999-10-12 |
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- 1998-03-30 JP JP10222998A patent/JP3688888B2/ja not_active Expired - Lifetime
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