JP3688543B2 - 編集システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、編集システムに関し、特に、高機能な特殊効果を含む多種多様な編集と、データの転送負荷の大幅な低減とを実現した編集システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ビデオサーバを用いたノンリニア編集システムとしては、例えば図11に示すものがある。このノンリニア編集システムにおいては、複数(図では3台)のノンリニア編集機121〜123が1台のビデオサーバ124に接続されている。また、ノンニリア編集機121にはビデオカメラ125が接続されている。
【0003】
各ノンリニア編集機は、編集部と、表示部と、ビデオコーデック(ビデオデータ圧縮/伸張装置)とを備えている。ビデオサーバ124は、大容量のハードディスク装置を有し、圧縮符号化されたビデオデータ(以下、圧縮ビデオデータという)を記録および再生することができる。
【0004】
以上のように構成された編集システムにおいて編集を行う際には、ノンリニア編集機に接続したビデオカメラ(図ではビデオカメラ125)から、一旦、ビデオデータをビデオクリップの形でノンリニア編集機121に取り込み、それをビデオサーバ124へ送り、ハードディスク装置に格納する。次に、ユーザがノンリニア編集機の編集部から入力した編集コマンドをもとにEDL(Edit Decision List)を生成してビデオサーバ124へ送る。ビデオサーバ124は、受信したEDLに従って、ハードディスク装置から圧縮ビデオデータを読み出すことにより、カット編集程度で出来るコンテンツは、ノンリニア編集機で完全パッケージプログラムを制作しなくても、ビデオサーバ124から編集済のビデオデータを再生することが可能となる。
【0005】
また、複数のノンリニア編集機とビデオサーバとを100/10Base_T等で接続し、前述した操作と同様な操作により、ノンリニア編集を行う、ネットワーク対応のノンリニア編集システムも考えられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の編集システムにおいて、EDLにより可能な編集は、カット、ディゾルブ、ワイプ、キーバックグラウンド、キー、およびキーアウトに限られていたため、単純なカット編集程度しか出来なかった。
【0007】
このため、高機能な特殊効果を施すためには、ノンリニア編集機に備えられたエフェクタによりエフェクト処理を施し、エフェクト処理後のビデオデータをビデオサーバへ転送し、ハードディスク装置に格納する処理が必要となり、転送負荷が大きくなってしまうという問題があった。
【0008】
また、前述したネットワーク対応のノンリニア編集システムでは、ネットワークの帯域が、複数のノンリニア編集機を同時に動作させるには不十分であったため、共同編集作業が困難であるという問題があった。
【0009】
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、高機能な特殊効果を含む多種多様な編集が可能な編集システムを提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、データの転送負荷を大幅に低減することの可能な編集システムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の編集システムは、編集決定リストを生成する編集装置と、ビデオデータを記録および再生する映像記録装置と、ビデオデータを表示する映像表示装置と、ビデオデータにエフェクト処理を施すエフェクト装置とを備えた編集システムにおいて、前記エフェクト装置はエフェクトリストを具備しており、前記編集装置から前記エフェクトリストを用いた編集決定リストを受信したときに、前記編集決定リストに従って、エフェクト処理を行うことを特徴とする。この構成により、高機能な特殊効果を含む多種多様な編集と、データの転送負荷の大幅な低減とが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態のノンリニア編集システムでは、ビデオサーバ内のエフェクト部は、ノンリニア編集機からエフェクトリスト要求信号を受信したときに、前記エフェクトリストを前記ノンリニア編集機へ送信し、ノンリニア編集機から前記エフェクトリストを用いたEDLを受信したときに、前記EDLに従って、エフェクトを行うことにより、高機能な特殊効果を含む多種多様な編集と、データの転送負荷の大幅な低減とを実現する。
【0014】
図1は本発明の第1の実施の形態のノンリニア編集システムの構成を示す図である。このノンリニア編集システムにおいては、第1〜第3のノンリニア編集機1〜3が1台のビデオサーバ4に接続されている。また、第3のノンニリア編集機3にはビデオカメラ5が接続されている。ここで、接続されている機器間のビデオデータの伝送は例えばSDI(Serial Digital Interface)を介して行われ、制御信号の伝送は例えばRS−422Cを介して行われる。
【0015】
第1〜第3のノンリニア編集機1〜3は、編集部11と、表示部12と、ビデオコーデック13とを備えている(便宜上、第1のノンリニア編集機1のみ内部構成を図示)。ビデオサーバ4は、映像記録部21と、エフェクト部22と、ビデオコーデック23とを備えている。
【0016】
映像記録部21は、大容量のハードディスク装置を有し、圧縮ビデオデータを記録および再生することができる。ここで、ビデオデータの圧縮方式としては、MPEG2やDV等、任意の方式でよい。エフェクト部22は、ノンリニア編集機の映像記録部21から読み出された圧縮ビデオデータをビデオコーデック23により伸張して内部に取り込む。そして、エフェクト処理を施した後、ビデオコーデック23により圧縮して映像記録部21に記録する。ビデオデータの記録および再生は、エフェクト部22と映像記録部21との間でやりとりする制御信号に従って行われる。
【0017】
エフェクト部22で行うことの可能なエフェクトの種類は、エフェクトリスト24として格納されている。エフェクト部22は、編集部11からエフェクトリスト要求信号を受信した時に、エフェクトリストを編集部11へ送信する。編集部11はエフェクトリストを表示し、ユーザの操作に従って拡張EDL(詳細は後述)を生成してエフェクト部22へ送信する。エフェクト部22は、受信した拡張EDLに従ってエフェクト処理を実行する。なお、エフェクトリストを表示部12で表示するように構成してもよい。
【0018】
表示部12は、映像記録部21から送信され、ビデオコーデック13で伸張されたビデオデータを表示する。また、ビデオカメラ5から出力され、ビデオコーデック13で伸張されたビデオデータを表示する。編集部11は、ビデオカメラ5から出力され、ビデオコーデック13で伸張されたビデオデータを一旦ビデオクリップの形で取り込む。このビデオクリップは、編集部11から読み出され、ビデオコーデック13で圧縮されてビデオサーバ4内の映像記録部21に格納される。
【0019】
図2にエフェクトリストおよび拡張EDLの構成の一例を示す。ここで、(a)はエフェクトリストであり、(b)は拡張EDLである。(a)に示すように、エフェクトリストは4バイトのエフェクト番号と、150バイトのビットマップデータで構成されている。エフェクト番号に数字のみを用いた場合には10000種類のエフェクトを表すことができる。そして、そのエフェクトを視覚的に識別するための、水平方向40ドット、垂直方向30ドットのビットマップデータを付加する。また、(b)に示すように、拡張EDLは、イベント番号、リール番号、チャンネル、編集タイプ、編集パラメータ、再生IN点、再生OUT点、録画IN点、および録画OUT点から構成されている。編集タイプは、前述したエフェクトリストにおけるエフェクト番号に相当する。
【0020】
以上のように構成された編集システムの動作を図3を参照して説明する。
【0021】
まず、ビデオサーバ5内の映像記録部21に圧縮ビデオデータを記録する(ステップA1)。この圧縮ビデオデータは、例えばビデオカメラ5からノンリニア編集機内の編集部11に一旦取り込まれた後、転送されたものである。
【0022】
次に、編集部11は、ビデオサーバ4のエフェクト部22に対し、エフェクトリスト要求信号を送信する(ステップA2)。エフェクト部22は、エフェクトリスト要求信号を受信すると、エフェクト番号およびビットマップデータからなるエフェクトリスト24を読み出し、編集部11へ送信する(ステップA3)。
【0023】
次に、編集部11は、ユーザの操作に従って、拡張EDLを生成し、エフェクト部22へ送信する(ステップA4)。
【0024】
次に、エフェクト部22は、受信した拡張EDLに従って、編集を実行する(ステップA5)。すなわち、映像記録部21に格納されている圧縮ビデオデータをビデオコーデック23を介して受け取り、編集タイプに記述されているエフェクト処理を施した後、ビデオコーデック23により圧縮ビデオデータとし、映像記録部21に記録する。
【0025】
編集結果を事前に確認する際には、画素数を低減したプレビュー用圧縮ビデオデータを映像記録部21から読み出し、ノンリニア編集機のビデオコーデック13により伸張して表示部12に表示する。
【0026】
このように、本発明の第1の実施の形態によれば、拡張EDLに従ってエフェクト処理を行うので、高機能な特殊効果を含む多種多様な編集を行うことが出来る。また、ノンリニア編集機から送信された拡張EDLに従ってビデオサーバ内で特殊効果を含む編集を行うので、データの転送負荷の大幅な低減が可能となる。
【0027】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態のノンリニア編集システムは、第1の実施の形態のノンリニア編集システムをネットワーク対応に構成したものである。
【0028】
図4は第2の実施の形態のノンリニア編集システムの構成を示す図である。このノンリニア編集システムにおいては、第1〜第3のノンリニア編集機31〜33と、1台のビデオサーバ34と、1台のネットワークカメラ35とがネットワーク36を介して接続されている。ネットワーク36は、例えばイーサネットであり、各機器は100/10BASE_Tによりネットワーク36に接続されている。
【0029】
第1〜第3のノンリニア編集機31〜33は、編集部41と、表示部42と、ビデオデコーダ43と、ネットワークインタフェース部44とを備えている(便宜上、第1のノンリニア編集機31のみ内部構成を図示)。ビデオサーバ34は、映像記録部51と、エフェクト部52と、ビデオコーデック53と、ネットワークインタフェース部55とを備えている。また、内部構造は図示されていないが、ネットワークカメラ35は、カメラ部と、ビデオエンコーダと、ネットワークインタフェース部とを備えている。
【0030】
第1〜第3のノンリニア編集機31〜33内のネットワークインタフェース部44は、圧縮ビデオデータ、あるいはその他のデータ(拡張EDL等)をネットワーク36に送信、あるいはネットワーク36から受信する際に必要な処理を実行する。ビデオサーバ内のネットワークインタフェース部55、およびネットワークカメラ35内のネットワークインタフェース部も同様である。
【0031】
ビデオサーバ34内の映像記録部51は、大容量のハードディスク装置を有し、圧縮ビデオデータを記録および再生することができる。エフェクト部52は、映像記録部51から読み出された圧縮ビデオデータをビデオコーデック53により伸張して内部に取り込む。そして、エフェクト処理を施した後、ビデオコーデック53により圧縮符号化して映像記録部51に記録する。ビデオデータの記録および再生は、エフェクト部52と映像記録部51との間でやりとりする制御信号に従って行われる。
【0032】
エフェクト部52で行うことの可能なエフェクトの種類は、エフェクトリスト54として格納されている。エフェクト部52は、ネットワークインタフェース部44、ネットワーク36、およびネットワークインタフェース部55を介してノンリニア編集機の編集部41からエフェクトリスト要求信号を受信した時に、ネットワークインタフェース部55、ネットワーク36、およびネットワークインタフェース部44を介してエフェクトリスト54を編集部41へ送信する。編集部41はエフェクトリストを表示し、ユーザの操作に従って拡張EDLを生成してエフェクトリスト要求信号と同じ経路でエフェクト部52へ送信する。エフェクト部52は、受信した拡張EDLに従ってエフェクト処理を実行する。
【0033】
ノンリニア編集機内の表示部42は、映像記録部51から送信され、ネットワークインタフェース部55、ネットワーク36、ネットワークインタフェース部44を経てビデオコデコーダ43で伸張されたビデオデータを表示する。
【0034】
ネットワークカメラ35で生成された圧縮ビデオデータは、ネットワーク36とネットワークインタフェース部55とを経て映像記録部51に格納される。
【0035】
以上のように構成された編集システムの動作は、圧縮ビデオデータ、および編集用の制御データ(エフェクトリスト要求信号、拡張EDL等)がネットワーク36を介して送受信される点、およびネットワークカメラ35から出力される圧縮ビデオデータがノンリニア編集機に一旦取り込まれることなく、直接ビデオサーバ34に取り込まれる点を除けば、前述した第1の実施の形態と同じであるため、その動作説明は省略する。
【0036】
以上のように、本発明の第2の実施の形態によれば、高機能な特殊効果を含む多種多様な編集と、データの転送負荷の大幅な低減とが可能なネットワーク対応のノンリニア編集システムが実現できる。この結果、ネットワークの帯域が、複数のノンリニア編集機を同時に動作させるには不十分であっても、共同編集作業が可能となる。
【0037】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態のノンリニア編集システムは、ビデオサーバからノンリニア編集機に非同期通信ネットワークを介してフレーム同期をかけることにより、編集作業のフレーム精度を向上させ、かつ、規定時間毎のビデオデータの帯域保証機能を具備する交換装置を設けることにより、ノンリニア編集時のビデオデータの帯域保証および遅延保証を実現する。
【0038】
図5は本発明の第3の実施の形態のノンリニア編集システムの構成を示す図である。このノンリニア編集システムにおいては、第1〜第3のノンリニア編集機61〜63と、ネットワークカメラ64と、ビデオサーバ65とが交換装置66を介して接続されている。第1〜第3のノンリニア編集機21〜23、ネットワークカメラ64、およびビデオサーバ65は、それぞれ交換装置26の物理的に異なるポートに接続されており、交換装置66は、それぞれのポートに接続されている機器のアドレスを知っている。また、第1〜第3のノンリニア編集機61〜63、ネットワークカメラ64、およびビデオサーバ65は、自分および他の機器のアドレスを知っている。
【0039】
第1〜第3のノンリニア編集機61〜63は、編集部26と、ネットワークインタフェース部72と、サービス要求部73と、同期受信部74とを備えている(便宜上、第1のノンリニア編集機61のみ内部構成を図示)。同様に、ネットワークカメラ64も、被写体を撮影して映像信号を生成し、それをデジタル化し、圧縮する手段の他にサービス要求部および同期受信部を備えている。ビデオサーバ65は、ビデオサービス部81と、ネットワークインタフェース部82と、サービス管理部83と、同期送信部84とを備えている。交換装置66は、例えばイーサネットのハブであり、第1〜第3のノンリニア編集機61〜63のネットワークインタフェース部72、ネットワークカメラ64のネットワークインタフェース部、およびビデオサーバ65のネットワークインタフェース部82との間は100/10Base_Tにより接続されている。
【0040】
第1のノンリニア編集機61内の編集部71は、図4における表示部41、編集部42、およびビデオコーデック43に相当する手段を備えている。サービス要求部73は、交換装置66を介してビデオサーバ65から圧縮ビデオデータを受信する際、および圧縮ビデオデータをビデオサーバ65へ送信する際に、サービス設定要求を生成し、ネットワークインタフェース部72へ送る。このサービス設定要求には、ノンリニア編集機のアドレスと、データ伝送帯域情報とが含まれている。また、サービス設定要求が受理された後、コネクション設定要求を生成し、ネットワークインタフェース部72へ送る。ネットワークインタフェース部72は、受け取ったサービス設定要求およびコネクション設定要求を交換装置66へ送出する。また、ネットワークインタフェース部66は、交換装置66から圧縮ビデオデータを受信し、編集部71へ送る。さらに、交換装置66から受信した同期パケット(詳細は後述)を同期受信部74ヘ送る。同期受信部74は受け取った同期パケットにロックしたフレームパルスを生成して編集部71へ送る。編集部71は、受け取ったフレームパルスのタイミングで編集作業を行う。第2,第3のノンリニア編集機62,63およびネットワークカメラ64についても同様である。また、サービス設定要求と同期に関してはネットワークカメラ64も同様である。
【0041】
ビデオサーバ65内のビデオサービス部81は、図4のビデオサーバ34における映像記録部51、エフェクト部52、およびビデオコーデック53に相当する手段の他にフレームパルスを生成し、同期送信部84へ出力する手段を備えている。同期送信部84は、ビデオサービス部81から受け取ったフレームパルスの立ち上がりのタイミングで同期パケットを生成し、ネットワークインタフェース部82へ送信する。サービス管理部83には、サービス管理テーブル91と、送信残量レジスタ92とが設けられている。サービス管理テーブル91は、ノンリニア編集機のサービス要求部73およびネットワークカメラ64のサービス要求部で生成されたサービス設定要求(詳細は後述)を登録する。送信残量レジスタ92は、規定時間内に送信可能なデータの残量を保持している。サービス管理部83は、サービス設定要求を受け取ると、送信残量レジスタ92を参照して、サービス設定要求の受理が可能か否かを判断し、可能の場合、交換装置66に対し、コネクション設定要求を行う。そして、コネクション設定要求が受理されると、サービス設定要求の受理通知を生成する。サービス設定要求の受理が不可能な場合、およびコネクション設定要求が拒否された場合は、サービス設定要求の受理通知を生成する。ネットワークインタフェース部82は、同期送信部81から受け取った同期パケットを交換装置66へ送信する。また、ビデオサービス部81から受け取った圧縮ビデオデータを交換装置66へ送信する。さらに、交換装置66から受信した圧縮ビデオデータをビデオサービス部81へ送る。そして、交換装置66から受信したサービス設定要求をサービス管理部83へ送る。また、サービス管理部83が生成したコネクション設定要求、サービス設定要求受理または拒否の通知を交換装置66へ送信する。
【0042】
図6は交換装置66の内部構成を示すブロック図である。交換装置66は、管理部101、コネクション設定部102、交換制御部103、バッファメモリ部104、第1〜第4の受信ポート105〜108、および第1〜第4の送信ポート109〜112を備えている。各送信ポート109〜112は、送信先アドレスレジスタ113、コネクション管理テーブル114、送信残量レジスタ115、および非優先送信残量レジスタ116を備えている(便宜上、第1の送信ポート109のみ内部構造を図示)。
【0043】
交換装置66内の構成要素は、内部バスにより相互に接続されている。また、各受信ポート105〜108と各送信ポート109〜112は、バッファメモリ部104を介して、受信ポート側から送信ポート側へデータパケットの転送が可能である。さらに、交換制御部103は、バッファメモリ104の動作を制御することができる。そして、一つの受信ポートと一つの送信ポートが一つの機器(ノンリニア編集機、ネットワークカメラ、ビデオサーバ)に接続される。
【0044】
交換装置66は、初期化、コネクション設定、データ交換、コネクション解放等の動作を行う。以下、図7〜図10を用いて順に説明する。
【0045】
A.初期化時の動作(図7)
1.管理部61は規定時間、総受信バッファ量、および最大非優先送信量を設定し、保持する(ステップB1)。規定時間とは、優先パケット、すなわち圧縮ビデオデータパケットと、非優先パケット、すなわちビデオデータパケット以外のパケットの伝送量を一定時間ごとのパケットデータの総和で管理するにあたり、監視する時間間隔である。ここで、規定時間は例えば1〜数フレームとすることが好適である。総受信バッファ量とは、バッファメモリ部104に格納できるパケットサイズの上限値である。最大非優先送信量とは、上記規定時間内に交換する非優先パケットの上限値である。
【0046】
2.各送信ポート109〜112の送信先アドレスレジスタ113に接続先の機器のアドレスを設定する(ステップB2)。すなわち、各送信ポート109〜112に接続されている機器が第1〜第2のノンリニア編集機61〜63、ネットワークカメラ64、またはビデオサーバ65のいずれであるかを調べ、それを設定する。
【0047】
3.各送信ポートのコネクション管理テーブル114を初期化する。また、送信残量レジスタ115に、その送信ポートの総送信可能量から最大非優先送信量を減じた値を設定し、非優先送信残量レジスタ116に最大非優先送信量を設定する。つまり、送信残量レジスタ115には規定時間内に送信可能な優先パケットの量が設定される(ステップB3)。なお、総送信可能量は、各送信ポートが規定時間当たりに送信可能なデータの総量を示す。
【0048】
B.コネクション設定時の動作(図8)
1.コネクション設定部102が優先パケットのためのコネクションに対するコネクション設定要求を受信する。そして、相手先アドレスと受信元アドレスと要求帯域を取得する(ステップC1)。
【0049】
2.要求帯域に規定時間を乗算して、規定時間内の送信量を算出する(ステップC2)。
【0050】
3.相手先アドレスより、各送信ポートの送信先アドレスレジスタ113を検索し、送信ポートを確定する(ステップC3)。
【0051】
4.当該送信ポートの送信残量レジスタ115の値が、前記送信量分残存しているか否かを判別する(ステップC4)。
【0052】
5.残存していなければ(ステップC4でNO)、コネクション設定要求を拒絶する(ステップC6)。
【0053】
6.残存していれば(ステップC4でYES)、当該送信ポートの送信残量レジスタ115から、当該送信量を減算し、当該送信ポートのコネクション管理テーブル74に、当該受信元アドレスと、当該送信量を登録する(ステップC5)。
【0054】
C.運用時
1.規定時間経過毎に、各送信ポートの非優先送信残量レジスタ116に、最大非優先送信量を設定する。
【0055】
D.データ交換時(図9)
1.受信ポートよりパケットを受信し、一旦、バッファメモリ部104に格納する。受信パケットから、送信先アドレスと受信元アドレスとパケットサイズを取得する(ステップD1)。
【0056】
2.取得したパケットサイズが、総受信バッファ量を越えている場合(ステップD2でYES)には、当該パケットを廃棄する(ステップD3)。
【0057】
3.取得したパケットサイズが、総受信バッファ量を越えていない場合(ステップD2でNO)には、交換制御部103が、相手先アドレスより、各送信ポートの送信先アドレスレジスタ113を検索し、送信ポートを確定する(ステップD4)。
【0058】
4.当該送信ポートのコネクション管理テーブル114を検索(ステップD5)し、当該パケットの優先/非優先を識別する(ステップD6。登録されていれば、優先パケットである)。
【0059】
5.優先パケットの場合(ステップD6でYES)、当該送信ポートより送信する(ステップD7)。
【0060】
6.非優先パケットの場合(ステップD6でNO)、当該送信ポートの非優先送信残量レジスタ116の値がパケットサイズより大きいか否かを判別する(ステップD8)。
【0061】
7.パケットサイズより小さい場合(ステップD8でNO)には、当該非優先パケットを廃棄する(ステップD9)。
【0062】
8.パケットサイズより大きい場合(ステップD8でYES)は、当該非優先送信残量レジスタ116の値を当該パケットサイズ分減じ、送信ポートから送信する(ステップD10)。
【0063】
E.コネクション解放時(図10)
1.コネクション設定部102が、解放するコネクションに対するコネクション解放要求を受信する。そして、相手先アドレスと受信元アドレスと要求帯域を取得する(ステップE1)。
【0064】
2.コネクション設定部102は、取得した相手先アドレスより、各送信ポートの送信先アドレスレジスタ113を検索し、送信ポートを確定する(ステップE2)。
【0065】
3.受信元アドレスより、当該送信ポートのコネクション管理テーブルを検索し(ステップE3)、当該コネクションの登録を確認する(ステップE4)。
【0066】
4.登録がなければ(ステップE4でNO)、当該コネクション解放要求を拒絶する(ステップE6)。
【0067】
5.登録があれば(ステップE4でYES)、当該送信量を、当該送信ポートの送信残量に加算するとともに、当該登録を抹消する(ステップE5)。
【0068】
以上のように構成されたノンリニア編集システムにおいて、ビデオサーバ65内のビデオサービス部81は、その動作中は常にフレームパルスを生成して同期送信部84へ送出し続ける。そして、同期送信部84はフレームパルスのタイミングに同期した同期パケットを生成し、ネットワークインタフェース82を介して交換装置66へ送信する。交換装置66は、受信した同期パケットを第1〜第3のノンリニア編集機61〜63、およびネットワークカメラ64へ送る。第1〜第3のノンリニア編集機61〜63、およびネットワークカメラ64では、同期パケットはそれぞれのネットワークインタフェース部72等から同期受信部74等へ送られ、ここでフレームパルスが生成される。そして、生成されたフレームパルスは編集部71等へ送られる。したがって、第1〜第3のノンリニア編集機61〜63、およびネットワークカメラ64は、ビデオサーバ65で生成されたフレームパルスのタイミングで各種処理を実行することができる。
【0069】
また、この編集システムにおいて、交換装置66を介してビデオデータを伝送する場合、例えばハードディスク装置に格納された圧縮ビデオデータを再生し、画素数を低減したプレビュー用圧縮ビデオデータを第1のノンリニア編集機61の表示部で表示する場合には、サービス要求部73は、サービス設定要求を生成し、ネットワークインタフェース部72へ送る。このサービス設定要求は、交換装置66とビデオサーバ65内のネットワークインタフェース部82を介して、ビデオサーバ65内のサービス管理部83へ送られる。前述したように、サービス設定要求には、第1のノンリニア編集機61のアドレスと、データ伝送帯域情報とが含まれている。サービス管理部83は、受け取ったサービス設定要求に含まれている帯域情報から要求帯域を識別する。そして、その要求帯域に前述した規定時間を乗算することにより、データ送信量を算出する。さらに、送信残量レジスタ92を参照して、前記算出されたデータ送信量が送信残量レジスタ92の送信残量以下であった場合には、交換装置66に対してコネクション設定要求を送出する。そして、コネクション設定要求が受理された場合には、サービス管理部83は、送信残量レジスタ92の値から前記データ送信量を減算する。次に、サービス管理テーブル91に当該サービス設定要求を登録し、サービス設定要求を受理したことを交換装置66を介して第1のノンリニア編集機61に返す。
【0070】
前記算出されたデータ送信量が送信残量レジスタ92内の送信残量を越えていた場合には、サービス管理部83は、サービス設定要求を拒絶し、その旨を交換装置66を介して第1のノンリニア編集機61に返す。また、コネクション設定要求が拒絶された場合にも、サービス設定要求を拒絶し、その旨を交換装置66を介して第1のノンリニア編集機61に返す。
【0071】
第1のノンリニア編集機61は、サービス設定要求を受理したことを通知されると、交換装置66に対して、ビデオサーバ65までのコネクション設定要求を送信する。そして、コネクション設定要求が受理されると、第1のノンリニア編集機61の編集部71と、ビデオサーバ65のビデオサービス部81との間で、帯域と遅延時間を保証した圧縮ビデオデータの送受信が可能となる。第2,第3のノンリニア編集機62,63、およびネットワークカメラ64を使用する場合も同様である。
【0072】
なお、以上の実施の形態では、ノンリニア編集機が表示部を備えるものとしたが、表示部を独立したモニタ装置としてもよい。また、ビデオサーバがエフェクト部を備えるものとしたが、エフェクト部を独立したエフェクト装置としてもよい。さらに、第1の実施の形態では、ノンリニア編集機とビデオサーバとの間のビデオデータの伝送は圧縮ビデオデータであるが、非圧縮ビデオデータを伝送するようにシステムを構成してもよい。また、第3の実施の形態は、フレーム同期、ならびに帯域保証および遅延保証の双方が可能な編集システムであったが、フレーム同期のみが可能な編集システム、または帯域保証および遅延保証のみが可能な編集システムを構成してもよい。そして、本発明はハードディスクを用いたノンリニア編集シテテムだけでなく、ビデオテープを用いた編集システムにも適用することが可能である。
【0073】
【発明の効果】
以上のように本発明は、エフェクト装置にエフェクトリストを設け、編集装置から前記エフェクトリストを用いた編集決定リストを受信したときに、前記編集決定リストに従って、エフェクト処理を行うことにより、高機能な特殊効果を含む多種多様な編集と、データの転送負荷の大幅な低減とが可能になるという優れた効果を有する編集システムを提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のノンリニア編集システムの構成を示す図、
【図2】本発明の第1の実施の形態のノンリニア編集システムにおける拡張EDLの構成例を示す図、
【図3】本発明の第1の実施の形態のノンリニア編集システムの動作を示すフロー図、
【図4】本発明の第2の実施の形態のノンリニア編集システムの構成を示す図、
【図5】本発明の第3の実施の形態のノンリニア編集システムの構成を示す図、
【図6】図5における交換装置の内部構成を示すブロック図、
【図7】図6の交換装置の初期化時の動作を示すフロー図、
【図8】図6の交換装置のコネクション設定時の動作を示すフロー図、
【図9】図6の交換装置のデータ交換時の動作を示すフロー図、
【図10】図6の交換装置のコネクション解放時の動作を示すフロー図、
【図11】従来のノンリニア編集システムの構成を示す図である。
【符号の説明】
1、2、3、31、32、33、61、62 ノンリニア編集機
4、34、65 ビデオサーバ
11、41 編集部
12、42 表示部
21、51 映像記録部
22、52 エフェクト部
24、54 エフェクトリスト
Claims (7)
- 編集決定リストを生成する複数の編集装置と、ビデオデータを記録および再生する映像記録装置と、前記ビデオデータを表示する映像表示装置と、前記ビデオデータにエフェクト処理を施すエフェクト装置とを備えた編集システムにおいて、
前記エフェクト装置は、エフェクトリストと、前記エフェクトリストを前記編集装置に送信する手段とを有し、前記編集装置は、受信した前記エフェクトリストから前記編集決定リストを生成する手段と、前記エフェクト装置に送信する手段とを有し、前記エフェクト装置はさらに、受信した前記編集決定リストに基づき前記映像記録装置から読み出した前記ビデオデータにエフェクト処理を行う手段を有することを特徴とする編集システム。 - 編集決定リストを生成する複数の編集装置と、ビデオデータを記録および再生する映像記録装置と、前記ビデオデータを表示する映像表示装置と、前記ビデオデータにエフェクト処理を施すエフェクト装置とを備えた編集システムにおいて、
前記エフェクト装置は、エフェクトリストと、前記編集装置から前記エフェクトリストの送信要求を受けたときに前記エフェクトリストを前記編集装置に送信する手段とを有し、前記編集装置は、受信した前記エフェクトリストから前記編集決定リストを生成する手段と、前記エフェクト装置に送信する手段とを有し、前記エフェクト装置はさらに、受信した前記編集決定リストに基づき前記映像記録装置から読み出した前記ビデオデータにエフェクト処理を行う手段を有することを特徴とする編集システム。 - 前記エフェクトリストは、文字データおよびそれに対応するビットマップデータからなることを特徴とする請求項1または2記載の編集システム。
- 画素数を低減したプレビュー用ビデオデータを前記映像記録装置から前記映像表示装置へ送信する手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の編集システム。
- 前記複数の編集装置と、前記映像表示装置とが、一つのノンリニア編集機に内蔵されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の編集システム。
- 前記各装置の間が空間的に離れて設置された複数の装置間がネットワークで接続されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の編集システム。
- 前記複数の編集装置と、前記ノンリニア編集機と、前記エフェクト装置とが、前記ネットワークで接続された編集システムにおいて、
ビデオデータの帯域保証および遅延保証を行うデータ変換装置を前記ネットワーク上に設けるとともに、ビデオデータの高域保証および遅延保証を伴うサービス設定要求を前記ネットワークに送信する手段を前記ノンリニア編集機に備え、前記ネットワークから前記サービス設定要求を受信して管理する手段を前記ビデオサーバに備えたことを特徴とする請求項6に記載の編集システム。
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