JP3688398B2 - 照明ユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、透過型または半透過型の液晶表示装置に使用される照明ユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ノート型パーソナルコンピュータやワードプロセッサなどの表示装置において、軽量,薄型,低消費電力という特徴を生かして液晶表示装置が多く用いられるようになった。また、これらの液晶表示装置には、明るい表示画面を実現するために、内蔵した照明ユニットにより表示素子の背面から照明光をあてるという構成をとっているものが多い。この照明ユニットには、導光板を表示素子の裏面に配置し、その導光板の端面に蛍光管等の線光源を配置するエッジライト方式と、光源を表示素子の裏面に配置する直下型方式に大きく分類される。この両者を比較すると、直下型方式は、比較的高輝度を得られるが、薄型化には適さず、エッジライト方式は、薄さと発光面の輝度均一性に優れるが、高輝度化の点で不利であるということが言える。ノート型パーソナルコンピュータやワードプロセッサなどに使用される液晶表示装置の照明ユニットの方式としては、薄さを優先してエッジライト方式を採用することが多い。
【0003】
エッジライト方式を採用した従来の照明ユニットの断面構成を図3に示す。
この従来の照明ユニットは、光を伝達する平板状の透明な導光板1の側面に沿って少なくとも1つ以上の光源2が配置され、光源2から発せられる光を導光板1の側面に集めて導光板1中へ導くリフレクタ3が配置されている。導光板1の背面には拡散反射層6がドットパターン状に印刷されており、ドットパターンの面積を光源2からの距離に応じて変化させることにより、導光板1の前面から出る照明光aの均整化を図っている。導光板1の背面側には白色の拡散反射面を成す反射板4が配置されており、導光板1の背面から外へ出る光を再度導光板1の中へ戻し、前面から出る照明光aを増大させるという役割をもたせている。また、導光板1の前面側にはドットパターンのむらを隠し均整度を高めるための拡散板7が配置されている。さらに、その前面側には拡散板7から出てくる光を導光板1面の法線方向に集光させるプリズムシート8が配置されている。プリズムシート8は、プリズム状の溝を多数並べた形状をシート上に形成したもので、集光度を高めて輝度を高くするために2枚重ねて使用されることも多い。
【0004】
一方、図4は、図3の構成よりも光源2の光利用効率を高めることのできる他の従来の照明ユニットであり、図4(a)にその断面構成を示し、図4(b)にその照明ユニットの輝度分布を示す。
この他の従来の照明ユニットは、光を伝達する平板状の透明な導光板1の側面に沿って少なくとも1つ以上の光源2が配置され、光源2から発せられる光を導光板1の側面に集めて導光板1中へ導くリフレクタ3が配置されており、導光板1の背面側には導光板1から背面側へ出た光を全反射するように反射面が鏡面で形成された反射板9が配置されている。導光板1の背面には、図3のように光を拡散反射するためのドットパターン印刷や、凹凸状の成形は施されていない。導光板1の前面側には、入射光面が光源2の軸方向と平行に多数の溝を成すプリズム状に形成されたプリズムシート10が配置されている。
【0005】
光源2から出た光は、導光板1内に入った後、導光板1と外界の空気との屈折率の差により、導光板1の中を多重反射を繰り返しながら進むとともに、一部は導光板1の前面および背面から出ていく。反射板9は、図3の構成の反射板4と異なり、反射面を銀蒸着等の方法により鏡面に形成しているため、反射板9の反射面や反射板9と導光板1の背面との間での光の損失を低く抑えることができる。さらに、導光板1の背面に、図3のようなドットパターンの拡散反射層6が印刷されていないため、ドットパターンを通過あるいは反射する際における光の損失もない。このように、図4に示す構成によれば、光源2から出た光が最終的に照明光と出射されるまでに生ずる光損失を、図3に示す構成のものと比べて、低く抑えることが可能となり、光源2の光利用効率の高い面光源用照明ユニットを実現できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記図4の構成では、図3の構成に比べて、光利用効率を高め、高輝度を実現することができるが、均一な面光源を得るという点では図3の構成より劣る。図4の構成では、導光板1の前面側に、プリズムシート10をプリズム面が背面となるように配置し、プリズムの形状やプリズム角を適宜設定することにより、面内で均一な輝度を得るようにしているが、反射板9は全反射、プリズムシート10は入射光を所定の角度で効率よく前面側に出射するという機能を持つ関係上、図4(b)に示すように、導光板1の側面に配置した光源2の近傍で他の部分よりも突出して輝度が高くなり、照明ユニットの有効発光領域内にも突出して輝度の高い領域Lが現れてしまう。さらには光源2からの光の一部がプリズムシート10,導光板1および反射板9で多重反射し、それを弱めるものがないために、突出して輝度の高い領域Mが、一定の間隔をあけて何本も現れてしまい、均一な面光源に成り得ないという問題があった。この問題は、光源2を有効発光領域から十分離すことにより解決できるが、そうすれば照明ユニットとして有効発光面積に比べてかなり大きなサイズに構成することが必要となり、照明ユニットを含む液晶表示装置を考えた場合にも全体のサイズが大きくなってしまう。これはコンパクトさが求められている液晶表示装置においては大きな問題となる。
【0007】
この発明の目的は、コンパクト性を損なうこと無く、高輝度で均一な面光源を実現できる照明ユニットを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の照明ユニットは、平板状の導光板の側面に光源を配置し、一面に鏡面を形成した反射板を導光板の背面側に鏡面を導光板と対向させて配置し、一面にプリズム面を形成したプリズムシートを導光板の前面側にプリズム面を導光板と対向させて配置した照明ユニットであって、プリズムシートは、プリズム面を形成した一面の光源に近い領域を平坦面としたことを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、プリズムシートのプリズム面を形成した一面における光源に近い領域を平坦面としたことにより、光源を照明光の有効発光領域から遠ざけずにコンパクト性を損なうことなく、導光板から出てプリズムシートの光源側近傍に入射した光は平坦面により集光効果を弱められるため、照明光の光源に近い領域で輝度が突出して高くなるのを抑制し、輝度むらを抑えた均一な面光源を実現できる。また、反射板を鏡面としているため、光損失を低減した高輝度で均一な面光源となる。
【0010】
請求項2記載の照明ユニットは、平板状の導光板の側面に光源を配置し、一面に鏡面を形成した反射板を導光板の背面側に鏡面を導光板と対向させて配置し、一面にプリズム面を形成したプリズムシートを導光板の前面側にプリズム面を導光板と対向させて配置した照明ユニットであって、プリズムシートは、プリズム面を形成した一面の光源に近い領域を平坦面とするとともに、反射板は、鏡面を形成した一面の光源に近い領域を光拡散反射面としたことを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、プリズムシートは、プリズム面を形成した一面の光源に近い領域を平坦面とするとともに、反射板の鏡面を形成した一面における光源に近い領域を光拡散反射面としたことにより、請求項1の特徴点を有し、かつ、光源を照明光の有効発光領域から遠ざけずにコンパクト性を損なうことなく、反射板の光源側近傍では光拡散反射面により光が拡散反射されるため、照明光の光源に近い領域で輝度が突出して高くなるのを抑制し、輝度むらを抑えた均一な面光源を実現できる。また、反射板の光拡散反射面とした光源側近傍以外の領域を鏡面としているため、光損失を低減した高輝度で均一な面光源となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1(a)はこの発明の実施の形態の照明ユニットの断面構成を示し、図1(b)はその照明ユニットの輝度分布を示す図である。また、図2は図1(a)の部分拡大図である。図1,図2において、1は導光板、2は光源、3はリフレクタ、4は反射板、5はプリズムシートである。
【0015】
図1(a)に示すこの実施の形態の照明ユニットは、図4の従来例においてプリズムシート10と反射板9との構成が異なり、他の導光板1,光源2およびリフレクタ3は図4と同様である。この実施の形態で用いるプリズムシート5は、プリズム面cを形成した一面の光源2に近い一定領域を平坦面gまたは光拡散反射面としており、また、反射板4は、鏡面jを形成した一面の光源2に近い一定領域を光拡散反射面hとしている。
【0016】
以下、詳しく説明するが、まず、図4と同様の構成部分について説明する。
図1(a)に示すように、光を伝達する平板状の透明な導光板1の側面に沿って少なくとも1つ以上の光源2を配置し、光源2から発せられる光を導光板1の側面に集めて導光板1中へ導くリフレクタ3を配置している。導光板1は、透光性が良く、屈折率が1.5程度と空気に比べて大きい、透明なアクリル材料で形成している。導光板1の光出射面である前面およびその反対面である背面は、できる限り平滑な面にしている。したがって、リフレクタ3で導光板1中で導かれ、空気と導光板1との屈折率の差により臨界角以下の角度で導光板1の境界面に進行した光は、矢印bで示すように、全反射を繰り返し導光板1内を進行していく。
【0017】
導光板1の背面側には鏡面jを形成した反射板4を配置しており、導光板1の背面から外へ出る光を再度導光板1の中へ戻し、前面から出る照明光aを増大させるという役割をもたせている。
また、導光板1の前面側にはプリズムシート5を配置している。プリズムシート5は、屈折率1.5前後の材質からなる透明なシート材であり、その導光板1側となる背面には光源2の軸方向と平行にプリズム状の溝を設けることによりプリズム面cを形成している。
【0018】
導光板1は、光源2から遠くなるにしたがって板厚が薄くなるくさび形の平板とすることにより、一旦導光板1内に入った光を効率よく導光板1の前面から出すとともに、導光板1自体の軽量化も図っている。導光板1の前面から出ていく出射光は、導光板1のサイズや形状および光源2の置かれる位置によって決まる一定の出射角方向に集光される。これは、例えば、図2に示すように、光源2が配置されているのと反対の方向へ、導光板1の表面に対して70〜85°の角度をもって集光される。導光板1の前面から出射された光を、プリズムシート5の背面のプリズム面cで屈折,反射させてプリズムシート5の前面に対し法線方向へ出ていくように、プリズム頂角fを設定している。このようにすることにより、光源2から出た光を効率よく照明光aとすることができる。
【0019】
光源2は、照明ユニット全体がコンパクトになるように、有効発光領域にできるだけ近い位置、例えば、有効発光領域から2.5〜5mm程度(=d;図1)離れた位置に設置している。
以上の説明は図4と同様の構成であり、以下、この発明の実施の形態における特徴点およびその効果について詳しく説明する。
【0020】
プリズムシート5の背面は、光源2側の側面から有効発光領域までの間の光源2の近傍領域を平坦面gとし、それ以外の領域をのこぎり状の溝をなすプリズム面cとしている。このように平坦面gとした光源2の近傍領域においてはプリズムによる集光効果がなく、図4のように光源2と有効発光領域が近接することにより生じる光源2近傍での輝度むらを低く抑えることができる。また、プリズムシート5の背面の光源2の近傍領域を、平坦面gとする代わりに、細かな凹凸状加工を施したり、白色材料で形成したりして、反射光を拡散光とする光拡散反射面とすることにより、導光板1を出てプリズムシート5の背面の光源2の近傍領域に到達した大部分の光が反射され、かつその反射光が拡散光となることにより、照明光aのうち光源2近傍での輝度むらをさらに低く抑えることができる。
【0021】
反射板4は、図4の反射板9のように全面を高反射アルミや銀蒸着等の手段により鏡面すなわち完全反射面とするのではなく、反射板4の光源2側のエッジから有効発光領域までの間の光源2の近傍領域を白色化等による光拡散反射面hとし、それ以外の領域を鏡面(完全反射面)jとしている。このように、光源2の近傍の面を光拡散反射面hとすることにより、図4のように光源2と有効発光領域が近接することにより生じる光源2近傍での輝度むらを低く抑えることができる。
【0022】
このように反射板4を構成し、プリズムシート5の背面の光源2の近傍領域を平坦面gとした場合の輝度分布を図1(b)に示す。この図1(b)に示すように、有効発光領域における輝度むらを低く抑えたほぼ均一な面光源を、光源2を有効発光領域に近接配置してコンパクト性を損なうことなく、実現することができる。また、この実施の形態によれば、従来例の図4の構成の利点、すなわち、光損失を抑えた高輝度の面光源を実現することができるのは、図3の構成のように導光板1の背面に拡散反射層6が無く、反射板4の光源2の近傍の光拡散反射面h以外の領域を鏡面(完全反射面)jとしていることから明らかである。
【0023】
なお、反射板4の光拡散反射面およびプリズムシート5の光拡散反射面は、できるだけ簡単な構成で実施するという観点からは、白色化や粗面化によって形成する方法が望ましい。また、プリズムシート5や反射板4自体に直接、光拡散反射面を形成せずに、光拡散反射面をもつシートを追加したり、光拡散反射面を有するリフレクタを使って代用してもよい。
【0024】
なお、反射板4やプリズムシート5の光拡散反射面の代わりに、黒色化等の手段により光吸収面を形成しても輝度の均一化という点では効果があるが、全体としての輝度の効率は明らかに悪くなってしまうので、好ましくない。
また、上記実施の形態では、従来例の図4におけるプリズムシート10と反射板9に代えて、プリズムシート5と反射板4を用いることにより、非常に優れた効果を得ることができるが、いずれか一方を用い、他方は図4の従来と同じ構成としても、ある程度優れた効果を得ることができる。
【0025】
【発明の効果】
請求項1記載の照明ユニットは、プリズムシートのプリズム面を形成した一面(導光板側の面)における光源に近い領域を平坦面としたことにより、光源を照明光の有効発光領域から遠ざけずにコンパクト性を損なうことなく、導光板から出てプリズムシートの光源側近傍に入射した光は平坦面により集光効果を弱められるため、照明光の光源に近い領域で輝度が突出して高くなるのを抑制し、輝度むらを抑えた均一な面光源を実現できる。また、反射板を鏡面としているため、光損失を低減した高輝度で均一な面光源となる。
【0026】
請求項2記載の照明ユニットは、プリズムシートは、プリズム面を形成した一面の光源に近い領域を平坦面とするとともに、反射板の鏡面を形成した一面(導光板側の面)における光源に近い領域を光拡散反射面としたことにより、請求項1の特徴点を有し、かつ、光源を照明光の有効発光領域から遠ざけずにコンパクト性を損なうことなく、反射板の光源側近傍では光拡散反射面により光が拡散反射されるため、照明光の光源に近い領域で輝度が突出して高くなるのを抑制し、輝度むらを抑えた均一な面光源を実現できる。また、反射板の光拡散反射面とした光源側近傍以外の領域を鏡面としているため、光損失を低減した高輝度で均一な面光源となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態の照明ユニットの断面構成および輝度分布を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態の照明ユニットの断面構成の部分拡大図である。
【図3】従来の照明ユニットの断面構成を示す図である。
【図4】他の従来の照明ユニットの断面構成および輝度分布を示す図である。
【符号の説明】
1 導光板
2 光源
3 リフレクタ
4 反射板
5 プリズムシート
c プリズム面
g 平坦面
h 光拡散反射面
j 鏡面
Claims (2)
- 平板状の導光板の側面に光源を配置し、一面に鏡面を形成した反射板を前記導光板の背面側に前記鏡面を前記導光板と対向させて配置し、一面にプリズム面を形成したプリズムシートを前記導光板の前面側に前記プリズム面を前記導光板と対向させて配置した照明ユニットであって、
前記プリズムシートは、前記プリズム面を形成した一面の前記光源に近い領域を平坦面としたことを特徴とする照明ユニット。 - 平板状の導光板の側面に光源を配置し、一面に鏡面を形成した反射板を前記導光板の背面側に前記鏡面を前記導光板と対向させて配置し、一面にプリズム面を形成したプリズムシートを前記導光板の前面側に前記プリズム面を前記導光板と対向させて配置した照明ユニットであって、
前記プリズムシートは、前記プリズム面を形成した一面の前記光源に近い領域を平坦面とするとともに、前記反射板は、前記鏡面を形成した一面の前記光源に近い領域を光拡散反射面としたことを特徴とする照明ユニット。
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Publications (2)
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JPH1031424A JPH1031424A (ja) | 1998-02-03 |
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Cited By (1)
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KR102481786B1 (ko) * | 2015-12-31 | 2022-12-26 | 엘지디스플레이 주식회사 | 백라이트 유닛 및 이를 구비한 액정표시장치 |
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- 1996-07-15 JP JP18436696A patent/JP3688398B2/ja not_active Expired - Fee Related
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