JP3687806B2 - 精密ろ過膜カートリッジフィルター - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は液体の精密ろ過に使用される精密ろ過カートリッジフィルターに関する。更に詳しくは、本発明は特に信頼性の高いカートリッジ型精密ろ過フィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】
精密ろ過膜によるろ過に際してろ過流量を大きくすると同時に取扱を容易にするために、様々なろ過モジュールやろ過要素が製造販売されている。代表的なろ過要素の一つは、ろ過膜をプリーツ加工して一定の容量のカートリッジ中に収めたカートリッジ型フィルターである。この場合、屈曲強度の小さなろ過膜を使用した場合には、プリーツ加工時に破損を生じ精密ろ過膜としての機能を失する。かかる不都合を改善するために、従来のろ過膜を補強し、併せてろ過膜面同士の接触を防止するスペーサーの役割をさせるために、ろ過膜の両面を不織布によってまたは、ポリマーで形成されたネットによってはさみ(例えば、特開昭60−58208号)、得られたサンドイッチ型の精密ろ過膜をプリーツ加工することが行われている。
特開平6−277466号には、プリーツカートリッジフィルター膜のシール部のみにポリビニルアルコールを付着塗布する方法が開示されている。しかしこの方法ではろ過中にフィルターからポリビニルアルコールが徐々に溶出し、ろ液を汚染するほか、膜シール部のポリビニルアルコール量が減少していき、ついには未塗布と同じ状態に戻ってしまう。
特表昭59−501251号にはエンドプレートとのシール部のみ、膜孔を消失させる方法が提案されている。孔を消失させる方法はいくつか提案されている。膜端部の孔をローラーで押しつぶしたりヒートシーラーで潰す方法では、潰された膜が元の膜の1/3以下の厚さに薄くなり、耐久性が著しく損なわれて実用的でない。孔が潰れて薄くなった所に補強フイルムをラミネートする方法も提案されているが、フイルムラミネートは安全のために膜が薄くなったところだけでなく一部孔が残った膜厚の厚いところにも行わなければならない。そのため膜に連続的にラミネート処理を施したあと巻き取ろうとしても膜の一部に厚い場所があるため長い膜を巻き取ることができない。またフイルムでラミネートされた膜をプリーツ加工するのは非常に困難である。特表昭59−501251号は更に両端だけが無孔性で中央部は微孔性の一体型シートを製膜する方法を提案しているが、無孔性部と微孔性部とでは製膜過程での膜の収縮率も収縮力も大きく異なるため、平らな実用に耐える膜の製膜は非常に難しい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
また、このような精密ろ過カートリッジフィルターでは、ろ過の信頼性を増すために「完全性試験」を行い、フィルターにピンホールや破れ等の欠陥がないことを確認している。このカートリッジフィルターの完全性測定はいずれの方法も、精密ろ過膜の孔を液体で満たし気体圧力をかけて、気体の透過する量や透過を始める圧力を測定している。従って膜の孔の一部に液体で満たされていない部分が存在すると、そこから低い圧力で多くの気体が透過してしまい、正しい測定ができなくなる。カートリッジフィルターでは一定容積の中に多くの膜を折り込んだり積層しているため、膜を濡らす時に気泡が邪魔をして液体に濡れない場所を生じることがある。特に液体として使用されることの多い水は表面張力が大きいため気泡が抜けにくい。このためJIS K 3832「精密ろ過膜エレメント及びモジュールのバブルポイント試験方法」では、ハウジングの一次側のエアーを排出しながら約30から100kPaのろ過差圧をかけて液体をろ過しながら濡らす方法が提示されている。しかしながらこのような条件で液体をろ過してもかならずしも完璧には濡らすことはできない。液体で濡れにくい場所は膜を他の部材で液密にシールしているところである。プリーツ型カートリッジフィルターにおいては、プリーツされた膜を円筒状に丸めたその合わせめをシールし、更にその円筒の両端をエンドプレートと呼ばれる板にシールする。このような膜のシール際付近を完全に濡らすことは難しい。このため拡散流量が本来の値よりも大きくなったり、バブルポイント値が本来の値よりも小さくなったりして変動が大きい。このため濡れ不良とフィルターのピンホールや破れ等の欠陥との区別ができず、良品を不良とみなしたり、不良品を良品と間違えたりしやすい。内部に最小孔径層を有する精密ろ過膜を使ったカートリッジフィルターの場合は特に膜とエンドプレートとのシール部が濡れにくい。
一方、30から100kPaのろ過差圧を膜の一次側と二次側の間にかけるためには多量の水を透過させねばならない。このために大容量のポンプを準備したり、製薬工業においては高価な蒸留水を多量に消費しコスト高になったりするという問題もあった。
【0004】
従って、本発明の目的は、水に濡れやすく、容易にかつ正確に上記した完全性試験を行うことが可能な精密ろ過カートリッジフィルターを提供することにある。
本発明の他の目的は、ろ過流量、補足性能及びカートリッジフィルターの耐久性を損なうことなく完全性試験を行うことができる、より信頼度の高い精密ろ過カートリッジフィルターを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、プリーツ型カートリッジフィルターのシール部付近のみの膜孔に予め親水性高分子樹脂を埋めておくことで解決することができた。
即ち、本発明は、平均孔径0.05〜10μmの精密ろ過膜シートをひだ折り加工し、円筒状に丸めたそのシートの合わせ目を液密にシールし、さらにその円筒の両端をもエンドプレートで液密にシールしてできるプリーツ型カートリッジフィルターにおいて、円筒状プリーツ膜の両端部の孔に親水性有機高分子を埋めて通液性を喪失させておくことを特徴とする精密ろ過膜カートリッジフィルターである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の精密ろ過膜カートリッジフィルターの構成をその製法と共に詳細に説明する。
図1は一般的なプリーツ型精密ろ過膜カートリッジフィルターの全体構造を示す展開図である。精密ろ過膜3は2枚の通液性シート2、4によってサンドイッチされた状態でひだ折りされ、集液口を多数有するコアー5の廻りに巻き付けられている。その外側には外周ガード1があり、精密ろ過膜を保護している。円筒の両端にはエンドプレート6a、6bにより、精密ろ過膜がシールされている。エンドプレートはガスケット7を介してフィルターハウジング(図示なし)のシール部と接する。ろ過された液体はコアーの集液口から集められ、出口8から排出される。図2はエンドプレートに膜がシールされている様子を模式的に表した図である。図中12、14は通液性シートの断面を、13は精密ろ過膜の断面を、17はエンドプレートの断面をそれぞれ示している。精密ろ過膜のハッチング部は、親水性有機高分子で埋められた端部を示している。なお、後記する、親水性有機高分子を端部埋める方法によっては、通液性シート12、14の端部も親水性有機高分子で埋められることもある。
【0007】
本発明で使用することのできる精密ろ過膜には、膜素材や孔構造などの制限は特にはない。精密ろ過膜の製法は大きく分けて溶液法と熱溶融法とがあるが、ここでは溶液法による一般的な製法を示す。溶液法ではポリ弗化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニルの如きビニルポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、脂肪族ポリアミド、セルローズエステル類等の公知の高分子を単独または混合して原料とすることができる。精密ろ過膜の製造は、上記ポリマーを▲1▼良溶媒、▲2▼良溶媒と非溶媒の混合溶媒又は▲3▼ポリマーに対する溶解性の程度が異なる複数種の溶媒の混合したものに溶解して製膜原液を作製し、これを支持体上に、又は直接凝固液中に流延し、洗浄乾燥して行う。この場合に、ポリマーを溶解する溶媒の一例としては、ジクロロメタン、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、スルホラン等を挙げることができる。
上記溶媒に添加する非溶媒の例としては、水、セロソルブ類、メタノール、エタノール、イソプロパノールの如きアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンの如きケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサンの如きエーテル類、グリセリン、エチレングリコールの如きポリオール類等が挙げられる。非溶媒の良溶媒に対する割合は、混合液が均一状態を保てる範囲ならばいかなる範囲でも良いが、5〜50重量%が好ましい。
【0008】
又、多孔構造を制御するものとして膨潤剤と称される無機電解質、有機電解質、高分子等を加えることもできる。
本発明で使用できる膨潤剤としては、ポリエチレングリコールやポリビニルピロリドンの如き親水性高分子、食塩、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硫酸ナトリウム、塩化亜鉛、臭化マグネシウム等の無機酸の金属塩、酢酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、酪酸カリウム等の有機酸塩類、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド等の高分子電解質、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルメチルタウリン酸ナトリウム等のイオン系界面活性剤等が用いられる。これらの電解質は単独でポリマー溶液に加えてもある程度の効果を示すものもあるが、これら電解質を水溶液として添加する場合には、特に顕著な効果を示すことがある。電解質水溶液の添加量は添加によって溶液の均一性が失われることがない限り特に制限はないが、通常溶媒に対して0.5容量%から10容量%である。また電解質水溶液の濃度についても特に制限はなく、濃度の大きい方が効果は大きいが、通常用いられる濃度としては1重量%から60重量%である。製膜原液としてのポリマー濃度は5から35重量%、好ましくは10から30重量%である。35重量%を越える時は得られる微孔性膜の透水性が実用的な意味を持たない程小さくなり、5重量%よりも小さい時は充分な分離能力を持った精密ろ過膜は得られない。
【0009】
上記のようにして調整した製膜原液を支持体の上に流延し、流延直後あるいは一定時間をおいて凝固液中に支持体ごとポリマー溶液膜を浸漬する。凝固液としては水が最も一般的に用いられるが、ポリマーを溶解しない有機溶媒を用いても良く、またこれら非溶媒を2種以上混合して用いてもよい。
支持体としては、通常精密ろ過膜を製造する場合に支持体として使用できるものの中から任意に選択することができるが、特に不織布を使用した場合には支持体を剥がす必要がないので好ましい。本発明で使用できる不織布はポリプロピレン、ポリエステル等からなる一般的なものであり、材質の制限を受けるものではない。
凝固浴中でポリマーが析出した流延膜はこの後水洗、温水洗浄、溶剤洗浄等を行い、乾燥する。
【0010】
この様にして製膜された精密ろ過膜13は通常公知の方法でひだ折り加工される。通液性シート12、14としては不織布、紙およびまたはネット等が用いられる(図2参照)。ひだ折り加工されたろ材は両端部を揃えるためにカッターナイフ等で両端部の不揃い部分を切り落とし、円筒状に丸めてその合わせ目のひだ部を、ヒートシールあるいは接着剤を用いて液密にシールする。
エンドシール工程はエンドプレート材質によって方法がいくつかあるが、いずれも従来知られた公知技術によって行われる。エンドプレートに熱硬化性のエポキシ樹脂を使用する時は、ポッティング型中に調合したエポキシ樹脂接着剤の液体を流し込み、予備硬化させて接着剤の粘度が適度に高くなってから、円筒状ろ材の片端面をこのエポキシ接着剤中に挿入する。その後加熱して完全に硬化させる。エンドプレートの材質がポリプロピレンやポリエステルの如き熱可塑性樹脂の時は、熱溶融した樹脂を型に流し込んだ直後に円筒状ろ材の片端面を樹脂の中に挿入する方法が行われる。一方、既に成型されたエンドプレートのシール面のみを熱板に接触させたり赤外線ヒーターを照射したりしてプレート表面だけを溶融し、円筒状ろ材の片端面をプレートの溶融面に押しつけて溶着する方法も行われる。
【0011】
本発明の特徴である膜端部の孔に親水性高分子材料を埋める処理はプリーツ加工の直前に行う方法と、プリーツ加工を終えて円筒状に丸めた合わせ目をヒートシールした後に行う方法とがある。後者の場合は適度な粘度に調整された処理液中に円筒膜の端部を浸した後、余分な液を拭い、加熱乾燥する。次いで円筒の反対側を同様に処理する。その後熱水で洗浄を行い未反応の架橋剤他の熱水に溶解する成分を除去する。一方プリーツ加工前に該処理を行う場合は、グラビアコーターやバーコーター等の公知の方法で処理液を膜の両端部のみに同時に塗布し高温ゾーンを通過させ、次いで熱水洗浄ゾーンを通過し、最後に乾燥処理を行って後巻き取る。円筒状プリーツ膜を丸めた合わせ目付近の孔にも親水性高分子材料を埋めると、より高い効果が得られることがある。
用いる親水性高分子材料としては、ポリビニルアルコール、ビニルアルコールとエチレンとの共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリアクリル酸アミド等のビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルローズ、ヒドロキシプロピルセルローズ等のセルローズ誘導体、キチン、キトサン、アルギン酸の如き高分子糖類、ゼラチン等が挙げられるが、特にここに挙げた材料に制限されるものではない。水溶性の親水性高分子を使用する時は、実際のろ過に当たって埋設した親水性高分子がろ液中に溶出するのを防止するため、親水性高分子鎖間を化学的に架橋して水に対して不溶化する必要がある。架橋剤は用いる親水性高分子の種類によって当業者であれば容易に分かるが、イソシアネート基、グリシジル基あるいはアルデヒド基等を2個以上有する化合物が用いられることが多い。メラミンやキレート形成金属化合物が用いられることもある。酸触媒を添加すると効果的である場合もある。親水性高分子の中でも特に効果が高かったポリビニルアルコールとゼラチンの具体例を実施例1及び2にそれぞれ示す。
【0012】
最初から高分子状態である材料の他に、ビニルアルコール、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ビニルピロリドン、アクリルアミド、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、アクリル酸、ビニルスルホン酸、パラスチレンスルホン酸等の親水性ビニルモノマーを利用する方法もある。これらモノマー単独あるいは混合物に多官能のビニルモノマー及び重合開始剤を加えた溶液を膜両端部に塗布あるいは膜を浸漬することにより膜孔に吸わせて、60度から180 度の熱を加えて重合反応と乾燥を同時に起こすことにより、膜孔中に親水性高分子を形成することができる。親水性単官能モノマー、多官能モノマー及び重合開始剤の組み合わせとそれぞれの材料の比率は、当業者であれば簡単な実験で容易にわかる。特に好ましい材料であったヒドロキシメタクリレートの実施例とポリエチレングリコールジアクリレートの実施例を実施例3及び4にそれぞれ示す。膜にモノマーを塗布して重合した後、未反応モノマーを除去するために、膜は熱水で洗浄する。
【0013】
膜の孔を埋めて通液性をなくすに必要な親水性高分子の埋設量は膜単位面積当たり最低1mg/cm2が必要である。好ましくは2mg/cm2以上あればほぼ確実に目的を達成することができる。必要以上に多量の親水性高分子を膜孔に埋設すると、膜が硬く脆くなったり、エンドプレートとのシール性が悪化したりしやすくなり、不都合を生じることがあるので注意が必要である。膜の両表面の孔は埋設しないで残し、膜内部の孔にだけ親水性高分子材料を埋設すると、ほとんどのエンドプレート素材に対して液密なシールが得られる。表面の孔まで親水性高分子材料を埋設した時は、該親水性高分子材料と接着性のよい材料をエンドプレート材料として選定する必要がある。
親水性高分子材料の埋設処理幅は、膜の端から2mm以上あれば十分である。処理幅を必要以上にとると、ろ過に対して有効な膜面積を減少させるので不都合である。
【0014】
【実施例】
以下に参考例と実施例を挙げて本発明を詳しく説明するが、本発明はこの実施例の内容に限定されるものではない。
参考例
ポリスルホンを素材とする精密ろ過膜の製膜例を示す。ポリスルホン(アモコ社製 P−3500)15部、N−メチル−2−ピロリドン70部、ポリビニルピロリドン15部、塩化リチウム2部、水1.3部を均一に溶解して製膜原液を作成する。これを製品厚さが180μmになるように流延し、温度25℃、相対湿度50%、風速1.0m/秒の空気を8秒間流延した液膜表面に当て、直ちに25℃の水を満たした凝固浴中へ浸漬し微孔性膜を得た。この膜の水によるバブルポイントは150kPaであった。
実施例 1
ポリビニルアルコール(クラレ製 PVA220)10部、2規定硫酸1部を水89部に溶解し塗布液とする。
参考例のポリスルホン精密ろ過膜の両端幅5mmづつに上記塗布液を約140ml/m2塗布し、100℃で10分間加熱し、次いで80℃熱水で5分間洗浄した後乾燥する。この膜3mをプリーツ型カートリッジに組み立てて水濡れ性を測定した時、空気の透過量は8ml/分以下で、良好な水濡れ性であった。
カートリッジフィルターの水濡れ性測定は、乾燥したカートリッジフィルターに冷水を毎分4リットルの流量で10分間通水した後、ゲージ圧力100kPaの空気圧力をかけて空気の透過量を測定することで行った。
【0015】
実施例 2
ゼラチン20部、エチレンジグリシジルエーテル(ナガセ化成工業製 デナコールEX−810)10部、水70部からなる均一溶液を調製し塗布液とする。参考例の膜3mをポリプロピレン不織布2枚の間にはさんでプリーツ加工し、円筒形に丸めて膜の合わせ目をヒートシールし、できた円筒の両端を交互に3mmの深さの塗布液中に浸漬し、その後90℃40分間加熱する。80℃熱水で30分間洗浄した後乾燥し、円筒の両端をポリプロピレン製のエンドプレートに溶着し、カートリッジフィルターを完成する。このカートリッジフィルターの水濡れ性は、空気の透過量が8ml/分以下で、良好であった。
実施例 3
ヒドロキシエチルメタクリレート25部、ポリエチレングリコールジアクリレート(新中村化学工業製 NKエステルA600)10部、重合開始剤V−50を1部、エチレングリコール24部及び水24部よりなる均一溶液を調製し、塗布液とした。参考例の膜3mをポリプロピレン不織布2枚の間にはさんでプリーツ加工し、円筒形に丸めて膜の合わせ目をヒートシールし、できた円筒の両端を交互に3mmの深さの塗布液中に浸漬し、その後90℃30分間加熱する。80℃熱水で30分間洗浄した後乾燥し、円筒の両端をポリプロピレン製のエンドプレートに溶着し、カートリッジフィルターを完成する。このカートリッジフィルターの水濡れ性は、空気の透過量が8ml/分以下で、良好であった。
【0016】
実施例 4
ポリエチレングリコールジアクリレート(新中村化学工業製 NKエステルA600)35部、重合開始剤V−50を1部、エチレングリコール24部及び水24部よりなる均一溶液を調製し、塗布液とした。参考例の膜3mをポリプロピレン不織布2枚の間にはさんでプリーツ加工し、円筒形に丸めて膜の合わせ目をヒートシールし、できた円筒の両端を交互に3mmの深さの塗布液中に浸漬し、その後90℃30分間加熱する。80℃熱水で30分間洗浄した後乾燥し、円筒の両端をポリプロピレン製のエンドプレートに溶着し、カートリッジフィルターを完成する。このカートリッジフィルターの水濡れ性は、空気の透過量が8ml/分以下で、良好であった。
【発明の効果】
本発明の実施により、精密ろ過膜カートリッジフィルターを極めて容易に水に濡らすことができる。その結果フィルターの完全性を容易に且つ高精度に測定でき、従ってより信頼性の高いろ過を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的なプリーツ型カートリッジフィルターの構造を示す部分展開図である。
【図2】本発明の実施態様におけるエンドシール部付近の構造の概略図である。
【符号の説明】
1 外周ガード
2 通液性シート
3 ろ過膜
4 通液性シート
5 コア
6a エンドプレート
6b エンドプレート
7 ガスケット
8 出口
12 通液性シート
13 ろ過膜
14 通液性シート
17 エンドプレート

Claims (3)

  1. 平均孔径0.05〜10μmの精密ろ過膜シートをひだ折り加工し、円筒状に丸めたそのシートの合わせ目を液密にシールし、さらにその円筒の両端をもエンドプレートで液密にシールしてできるプリーツ型カートリッジフィルターにおいて、円筒状プリーツ膜の両端部の孔に親水性有機高分子を埋めて通気性を喪失させておくことを特徴とする精密ろ過膜カートリッジフィルター。
  2. 膜厚さ方向内部に最小孔径層を有する異方性構造の精密ろ過膜を用いることを特徴とする請求項1の精密ろ過膜カートリッジフィルター。
  3. 膜内部の孔だけが高分子で埋められ、膜の表裏両表面には空孔が残っていることを特徴とする請求項1の精密ろ過膜カートリッジフィルター。
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