JPH1066840A - 精密ろ過膜カートリツジフイルター - Google Patents

精密ろ過膜カートリツジフイルター

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Publication number
JPH1066840A
JPH1066840A JP22419996A JP22419996A JPH1066840A JP H1066840 A JPH1066840 A JP H1066840A JP 22419996 A JP22419996 A JP 22419996A JP 22419996 A JP22419996 A JP 22419996A JP H1066840 A JPH1066840 A JP H1066840A
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JP
Japan
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membrane
microfiltration membrane
cartridge filter
nonwoven fabric
hydrophilic
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Application number
JP22419996A
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English (en)
Inventor
Sumio Otani
純生 大谷
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フィルターを容易に水に濡らし、その結果フィ
ルターの完全性を容易に且つ高精度に測定でき、従って
より信頼性の高いろ過を行なうことができる、ポリスル
ホン精密ろ過膜カートリッジフィルターを提供する。 【解決手段】平均孔径0.05〜10μm の精密ろ過膜
シートを少なくとも1枚が親水性である複数の不織布の
間に挟んでひだ折り加工し、円筒状に丸めたそのシート
の合わせ目を液密にシールし、さらにその円筒の両端を
もエンドプレートで液密にシールしてできるプリーツ型
カートリッジフィルターにおいて、精密ろ過膜が(1) 親
水性ポリスルホン膜であり、(2) 空隙率が55〜87%
であり、(3) 比表面積が8〜80m2/gであり、かつ
(4) 該精密ろ過膜シートを少なくとも一枚が、複数の親
水性不織布の間に挟まれている精密ろ過膜カートリッジ
フィルター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液体の精密ろ過に使
用される精密ろ過フィルターの製造方法に関する。更に
詳しくは、本発明は特に信頼性の高いカートリッジ型ポ
リスルホン精密ろ過フィルターを製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリスルホン膜は特公平4−68966
号、特公平5−85576号、特公平6−862号、特
公平6−76510号等に記されているような膜内部に
最小孔径層を有する構造の膜が知られている。特開平6
−277466号には、プリーツカートリッジフィルタ
ー膜のシール部のみにポリビニルアルコールを付着塗布
する方法が開示されている。特表昭59−501251
号にはエンドプレートとのシール部のみ、膜孔を消失さ
せる方法が提案されている。孔を消失させる方法はいく
つか提案されている。特表昭59−501251号は更
に両端だけが無孔性で中央部は微孔性の一体型シートを
製膜する方法を提案している。
【0003】精密ろ過膜によるろ過に際してろ過流量を
大きくすると同時に取扱を容易にするために、様々なろ
過モジュールやろ過要素が製造販売されている。代表的
なろ過要素の一つは、ろ過膜をひだ折りするいわゆるプ
リーツ加工して一定の容量のカートリッジ中に収めたカ
ートリッジ型フィルターであり、特開昭64−3440
3号公報に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】精密ろ過カートリッジ
フィルターでは、ろ過の信頼性を増すために「完全性試
験」を行い、フィルターにピンホールや破れ等の欠陥が
ないことを確認する。従来精密ろ過膜フィルターカート
リッジの完全性試験の方法の一つとしては「バブルポイ
ント法」がある。水に濡れた精密ろ過膜に気体圧力を負
荷する時低圧から徐々に高圧へ圧力を上げていくと、あ
る圧力で急に気体が膜孔を透過しはじめる、その時の圧
力をバブルポイントと言う。精密ろ過膜の最大孔径とバ
ブルポイント圧力とは逆比例の関係にあり、もしも膜に
ピンホールの如き異常に大きな孔が存在すると、期待よ
りもはるかに低い圧力のバブルポイントが観察され、従
って「完全性不良」が発見できる。
【0005】大きなろ過面積を有するカートリッジタイ
プの精密ろ過膜に対する完全性試験には「拡散流量法」
や「圧力保持法」と呼ばれる検査方法が一般的に用いら
れる。いずれの方法も水によく濡れた精密ろ過膜に膜の
バブルポイントよりも低い気体圧力を負荷し、膜の二次
側への気体の漏れを測定する方法である。膜にピンホー
ルの如き欠陥が存在すると、気体の流れが発生したり一
次側の圧力が変動したりするので、膜の完全性を評価す
ることができる。
【0006】上述した如く、フィルターカートリッジの
完全性測定はいずれの方法も、精密ろ過膜の孔を水の如
き液体で満たし気体圧力をかけて、気体の透過する量や
透過を始める圧力を測定する。従って膜の孔の一部に液
体で満たされていない部分が存在すると、そこから低い
圧力で多くの気体が透過してしまい、正しい測定ができ
なくなる。フィルターカートリッジでは一定容積の中に
多くの膜を折り込んだり積層しているため、たとえ精密
ろ過膜自身が非常に親水性で水を吸いやすくとも、膜を
濡らす時にプリーツ束中の気泡が邪魔をして液体に濡れ
ない場所を生じることがある。特に液体として使用され
ることの多い水は表面張力が大きいため気泡が抜けにく
い。このためJIS K 3832「精密ろ過膜エレメ
ント及びモジュールのバブルポイント試験方法」では、
ハウジングの一次側のエアーを排出しながら約30から
100kPaのろ過差圧をかけて液体をろ過しながら濡
らす方法が提示されている。しかしながらこのような条
件で液体をろ過してもかならずしも完璧には濡らすこと
はできない。液体で濡れにくい場所は特定されないが、
特に濡れにくいところは膜を他の部材で液密にシールし
ているところである。プリーツ型フィルターカートリッ
ジにおいては、プリーツされた膜を円筒状に丸めたその
合わせめをシールし、更にその円筒の両端をエンドプレ
ートと呼ばれる板にシールする。このような膜のシール
際付近を完全に濡らすことは難しい。
【0007】このため拡散流量が本来の値よりも大きく
なったり、バブルポイント値が本来の値よりも小さくな
ったりして変動が大きい。このため濡れ不良とフィルタ
ーのピンホールや破れ等の欠陥との区別ができず、良品
を不良とみなしたり、不良品を良品と間違えたりしやす
い。内部に最小孔径層を有するポリスルホン精密ろ過膜
を使ったカートリッジフィルターの場合は特に膜とエン
ドプレートとのシール部が濡れにくい。一方、30から
100kPaのろ過差圧を膜の一次側と二次側の間にか
けるためには多量の水を透過させねばならない。このた
めに大容量のポンプを準備したり、製薬工業においては
高価な蒸留水を多量に消費しコスト高になったりすると
いう問題もあった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、平均孔径0.
05〜10μm の精密ろ過膜シートをひだ折り加工し、
円筒状に丸めたそのシートの合わせ目を液密にシール
し、さらにその円筒の両端をもエンドプレートで液密に
シールしてできるプリーツ型カートリッジフィルターに
おいて、精密ろ過膜が(1) 親水性ポリスルホン膜であ
り、(2) 空隙率が55〜87%であり、(3) 比表面積が
8〜80m2/gであり、かつ(4) 該精密ろ過膜シートを
少なくとも一枚が、複数の親水性不織布の間に挟まれて
いることを特徴とする精密ろ過膜カートリッジフィルタ
ーによって解決できた。以下に本発明の精密ろ過膜カー
トリッジフィルターの構成とその製法について詳細に説
明する。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は一般的なプリーツ型精密ろ
過膜カートリッジフィルターの全体構造を示す展開図の
1事例である。精密ろ過膜3は2枚の不織布2、4によ
ってサンドイッチされた状態でひだ折りされ、集液口を
多数有するコアー5の廻りに巻き付けられている。その
外側には外周ガード1があり、精密ろ過膜を保護してい
る。円筒の両端にはエンドプレート6a、6bにより、
精密ろ過膜がシールされている。エンドプレートはガス
ケット7を介してフィルターハウジング(図示なし)の
シール部と接する。ろ過された液体はコアーの集液口か
ら集められ、出口8から排出される。図2はエンドプレ
ートに膜がシールされているようすを模式的に表した図
である。図中12、14は不織布の断面を、13は精密
ろ過膜の断面を、17はエンドプレートの断面をそれぞ
れ示している。熱で膜とエンドプレートとをシールした
時は、不織布の一部は熱で溶融してエンドプレートと一
体化している。そして膜のエンドプレートの内部に挿入
された部分では空気の逃げ場がないため液体がなかなか
進入できない。
【0010】本発明で使用することのできる精密ろ過膜
は化学式1あるいは化学式2であらわされるポリスルホ
ン原料を用いたものが好ましい。ポリスルホンを使って
精密ろ過膜を製膜する一般的な製法を示す。ポリスルホ
ンペレットを、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、2−ピ
ロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、スルホラン等
の極性有機溶媒に溶解する。溶媒は単独あるいは複数の
種類の溶媒の混合であってもよい。溶媒の溶解力を調整
するために非溶媒あるいは貧溶媒と呼ばれる、メタノー
ル、エタノール、プロパノールあるいはブタノール等の
アルコール類や、水の如き溶媒を少量添加することが多
い。添加量は溶媒の種類にもよるが、よく使用される水
の場合は、製膜原液に対して0.05重量%から6%ま
でである。
【0011】
【化1】
【0012】上記ポリスルホン溶液に通常多孔構造を制
御するものとして膨潤剤あるいは発泡剤と称される無機
電解質、有機電解質、高分子等を、少なくとも1種類加
える。本発明で使用できる膨潤剤としては、ポリエチレ
ングリコールやポリビニルピロリドンの如き親水性高分
子、食塩、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硫酸ナトリ
ウム、塩化亜鉛、臭化マグネシウム等の無機酸の金属
塩、酢酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、酪酸カリウム等
の有機酸塩類、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポ
リビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド等
の高分子電解質、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウ
ム、アルキルメチルタウリン酸ナトリウム等のイオン系
界面活性剤等が用いられる。これらの膨潤剤は単独でポ
リマー溶液に加えてもある程度の効果を示すものもある
が、これら膨潤剤を水溶液として添加する場合には、特
に顕著な効果を示すことがある。膨潤剤の添加量は添加
によって溶液の均一性が失われることがない限り特に制
限はないが、通常製膜原液量の0.5重量%から35重
量%である。製膜原液としてのポリスルホン濃度は5か
ら35重量%、好ましくは10から30重量%である。
35重量%を越える時は得られる微孔性膜の透水性が実
用的な意味を持たない程小さくなり、5重量%よりも小
さい時は充分な分離能力を持った精密ろ過膜は得られな
い。
【0013】上記のようにして調整した製膜原液を支持
体の上に流延し、流延直後あるいは一定時間をおいて凝
固液中に支持体ごとポリマー溶液膜を浸漬する。凝固液
としては水が最も一般的に用いられるが、ポリマーを溶
解しない有機溶媒を用いても良く、またこれら非溶媒を
2種以上混合して用いてもよい。支持体としては、通常
銅板やステンレス板の如き金属板、ポリエステルやポリ
エチレンの如きプラスチックシート及び硝子板が使用で
きる。凝固液中でポリマーが析出して孔を形成した流延
膜は必要に応じて支持体から膜を剥離し、この後水洗、
温水洗浄、溶剤洗浄等を行い、乾燥する。支持体として
不織布・織布あるいは紙を用いた時は、膜は支持体から
剥離せずに一体のまま洗浄・乾燥する。
【0014】目詰まりしにくく長時間のろ過性能を有し
しかもろ過層が膜内部に隠れていて傷がつきにくいとい
う特徴を有する内部最小孔径層のポリスルホン膜の製膜
方法について簡単に記す。製膜原液を支持体上に流延し
た液膜の表面に温度15〜60℃、相対湿度10〜80
%、風速0.2〜4m/秒の範囲で調節した空気を2〜
40秒間あてることによって、溶媒蒸気の蒸発量と雰囲
気からの非溶媒蒸気吸収量(湿分の吸収)を適宜調節す
ることに重要な技術がある。このような調製は、例えば
製膜原液を流延支持体上に流延し、25℃、絶対湿度2
gH2 O/kgAir以上の空気を0.2m/秒以上の
風速で流延面に当てることによって、液膜の最表面層か
ら1μm以上、好ましくは1〜30μmの深さにコアセ
ルベーション相を形成させることができる。その後直ち
に凝固液中に浸漬し多孔性膜を形成させる。このように
して得られた膜は、コアセルベーションを起こさせた部
分の最深部が最小孔径層となる。このような内部最小孔
径層膜の表面の孔径に対して裏面の孔径は10〜100
0倍程度、またBET方で測定したその比表面積は8〜
80m2/gが得られる。膜の機械的強度とろ過能力の両
方を兼ね備える好ましい比表面積の範囲は20〜60m2
/gである。膜の空隙率を大きくすると水(液体)の透
過性がよくなるが、あまり空隙率が大きくなりすぎる
と、膜は脆くなって使用に耐えなくなる。従って好まし
い空隙率は55〜87%であり、特に好ましくは70〜
84%である。膜の空隙率は製膜原液中のポリスルホン
濃度と膨潤剤濃度との影響を大きく受ける。ポリスルホ
ン濃度が少なく膨潤剤濃度が多いと空隙率は大きくな
る。製膜直後の空気中から吸収する水分量や凝固液温度
にも若干は影響を受ける。
【0015】本来は疎水性であるポリスルホンの表面を
親水化する方法には、製膜原液中に親水化剤を添加して
おく方法及び多孔質膜製膜後に化学処理によりポリスル
ホン骨格表面を親水化する方法がある。前者の方法で
は、製膜原液にポリエチレングリコール、ポリビニルピ
ロリドン、スルホン化ポリスルホン(特公平5−705
4記載)及び親水性ポリウレタンプレポリマー(米国特
許第4,137,200号、米国特許願第130,82
6号(1987年12月9日付け)等に記載)の如き親
水性ポリマーをポリスルホン量に対して5〜65重量%
添加する。添加された親水性ポリマーはその一部あるい
は大半が凝固液に溶解して失われたり、その後の洗浄工
程で消失するが、そうした製膜過程で親水性ポリマーが
ポリスルホン骨格の表面に多く分布して、結果として親
水性のポリスルホン精密ろ過膜を生成する。製膜後の化
学処理は特開平7−51550号に開示されているよう
に、ヒドロキシアルキルアクリレート又はメタクリレー
ト、アクリルアミドあるいはメタクリルアミド、極性の
置換アクリレート又はメタクリレート等からなるモノマ
ーを疎水性精密ろ過膜に塗布して遊離基重合させる方法
がある。
【0016】この様にして製膜された精密ろ過膜13は
通常公知の方法でひだ折り加工される。ひだ折り加工さ
れたろ材は両端部を揃えるためにカッターナイフ等で両
端部の不揃い部分を切り落とし、円筒状に丸めてその合
わせ目のひだ部を、超音波融着やヒートシール等で熱可
塑的に液密にシールしたり、あるいは接着剤を用いて液
密にシールする。本発明で使用する不織布は親水性であ
る。特にろ過膜の一次側に使用する不織布は親水性であ
ることが必須である。不織布の親水性とは、不織布が空
気に対してよりも水に対する親和性が強く、不織布が水
に接触するとよけいな力をかけずとも自然に水を吸って
空気を放出することを言う。親水性の目安は例えば、机
上に置いた不織布の上に0.2ml の水滴をそっと載せる
と、2分以内に水滴が不織布に濡れて水滴の丸い形状を
失うことである。20秒以内に水滴が不織布に吸収され
るほどの親水性があれば非常に好ましい。不織布の一般
的な役割は、第一にろ過する液体を膜ひだの内部に導い
てカートリッジに折り込まれた膜全体を有効にろ過に使
用できるようにすることである。不織布の第二の役割は
精密ろ過膜の保護である。従って不織布は空隙を多く有
して通液抵抗の少ない性質と、適度の強度を要求され
る。更に本発明においては第三の役割として、ろ過に際
して気泡を容易に放出して精密ろ過膜と液体との接触面
積を多くする役割が必要である。
【0017】従来のプリーツ型精密ろ過膜カートリッジ
フィルターで用いられている不織布は、ほとんどのもの
が疎水性のポリエステルやポリプロピレンの不織布であ
る。しかしこのような疎水性不織布はろ過に際して気泡
を保持して放出しにくく、従って膜がろ過液体と接触し
にくく、膜が液体に濡れにくい。特にエンドプレートの
シール部では気泡が抜けにくく、またシール部に挿入さ
れた膜の孔は空気の逃げ道がないため特に液体に濡れに
くい。しかし水に対する接触角が小さく水が浸透しやす
い親水性の不織布を使用したときは、不織布空隙から気
泡が容易に放出されて膜と液体(水)とが直接接触する
ので、膜は液体に非常に濡れやすくなる。
【0018】親水性不織布に使用される好ましい親水性
繊維としては、レーヨン、ポリアクリロニトリル、ビニ
ロン及びエチレンビニルアルコール共重合体とポリオレ
フィン重合体から構成される分割型複合繊維などがあ
る。また親水性発現の理由は不明であるが米国デラウエ
ア、ウイルミントンのハーキュレス社製のポリプロピレ
ン繊維T−196 も親水性繊維として知られている。親水
性繊維ばかりを使用した不織布も本発明の目的に使用す
ることは可能であるが、むしろこれらの親水性繊維とポ
リプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリエチ
レン、ナイロンの如き疎水性繊維とを混合して不織布を
作製し、適当な厚さ、強度、耐熱性、寸法安定性及びヒ
ートシール適性等の精密ろ過膜カートリッジフィルター
加工適性を付与することが好ましい。不織布中に占める
親水性繊維の好ましい割合は15重量%以上であり、よ
り好ましい割合は35重量%以上である。
【0019】親水性繊維と疎水性繊維とを混合して不織
布を形成する方法は特に限定されない。第二版繊維便覧
(繊維学会編集 丸善(株)発行 1994年)に記載され
ているような一般的な方法が適用可能である。不織布ウ
エブ形成方法としては、例えば湿式工程による方法、乾
式工程による方法及び直接法がある。乾式工程にはエア
レイ法とカード法があり、直接法にはスパンボンド法と
メルトブロー法がある。直接法は使用する繊維素材種に
よっては使えない場合もある。ウエブの接着方法として
は、ケミカルボンド法、ニードルパンチ法、スパンレー
ス法、水流交絡法及びサーマルボンド法等がある。接着
剤として最も頻繁に使用される熱溶融型の接着剤は通常
繊維状の形状で他の繊維と混合してウエブの中に混ぜら
れる。接着剤繊維は熱溶融温度が低いので、接着剤繊維
の比率を多くするとできる不織布の耐熱性が低下し、接
着剤繊維比率が少ないと不織布強度の低下や繊維脱落の
原因となる。そこで例えば繊維の芯部は融点の高いポリ
マーを使用しその回りの鞘部のみ低融点の接着剤ポリマ
ーで覆われた構造の如き複合構造の繊維や、特開平7−
216713号に開示される如き断面方向に溶融粘度分
布を持つ複合繊維等もしばしば接着剤繊維として使用さ
れる。特開平7−254399号にはエチレンビニルア
ルコール共重合体とポリオレフィン重合体から構成され
る分割型複合繊維を使って湿式工程で不織布を形成する
方法が開示されている。特開平7−216713にはメ
ルトブロー法による複合構造の不織布を形成する方法が
開示されている。
【0020】プリーツひだの幅は通常5mmから25mmにな
るようにプリーツする。本発明では気泡を放出しやすく
するために、5mmから12mmにするのが好ましい。特に7
mmから10.5mmにすることが好ましい。エンドシール工程
はエンドプレート材質によって方法がいくつかあるが、
いずれも従来知られた公知技術によって行われる。エン
ドプレートに熱硬化性のエポキシ樹脂を使用する時は、
ポッティング型中に調合したエポキシ樹脂接着剤の液体
を流し込み、予備硬化させて接着剤の粘度が適度に高く
なってから、円筒状ろ材の片端面をこのエポキシ接着剤
中に挿入する。その後加熱して完全に硬化させる。エン
ドプレートの材質がポリプロピレンやポリエステルの如
き熱可塑性樹脂の時は、熱溶融した樹脂を型に流し込ん
だ直後に円筒状ろ材の片端面を樹脂の中に挿入する方法
が行われる。一方、既に成型されたエンドプレートのシ
ール面のみを熱板に接触させたり赤外線ヒーターを照射
したりしてプレート表面だけを溶融し、円筒状ろ材の片
端面をプレートの溶融面に押しつけて溶着する方法も行
われる。使用する外周ガード1の構造によっても空気抜
けの状態が変わる。好ましくは図3に示すように、外周
ガードのエンドプレートとのシール際に空気を逃がすた
めの小窓を設けるとよい。
【0021】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳しく説明す
るが、本発明はこの実施例の内容に限定されるものでは
ない。 実施例1 ポリスルホンを素材とする精密ろ過膜の製膜実例を示
す。ポリスルホン(アモコ社製 P−3500)15
部、N−メチル−2−ピロリドン70部、ポリビニルピ
ロリドン15部、塩化リチウム2部、水1.3部を均一
に溶解して製膜原液を作成する。これを製品厚さが18
0μmになるように流延し、温度25℃、相対湿度50
%、風速1.0m/秒の空気を8秒間流延した液膜表面
に当て、直ちに25℃の水を満たした凝固浴中へ浸漬し
微孔性膜を得た。この膜の水によるバブルポイントは1
50kPaであった。
【0022】実施例2 繊度2.0dのポリアクリロニトリル繊維35重量% と、繊度
1.5dのポリエステル繊維65重量% とを混合して目付け45
g/m2の不織布シートを製造した。この不織布2枚の間に
実施例1の膜を挟んで、ひだ幅10mmにプリーツし、その
145 山分のひだをとって円筒状に丸め、その合わせ目を
インパルスシーラーで溶着する。円筒の両端5mm づつを
切り落とし、その切断面をポリプロピレン製のエンドプ
レートに溶着し、カートリッジフィルターを完成する。
このカートリッジフィルターに 160リットル/hの流量で15分
間水を透過させ、その後このカートリッジフィルターに
100kPaの空気圧を負荷した状態で空気の透過量を測定し
たところ、空気の透過量は8ml/分以下で良好であっ
た。
【0023】実施例3 繊度2.0dのレーヨン繊維45重量% と、繊度1.5dのポリプ
ロピレン繊維55重量%とを混合して目付け35g/m2の不織
布シートを製造した。この不織布2枚の間に実施例1の
膜を挟んで、ひだ幅10mmにプリーツし、その145 山分の
ひだをとって円筒状に丸め、その合わせ目をエポキシ接
着剤でシールする。円筒の両端5mm づつを切り落とし、
その切断面をエポキシ接着剤でシールして、カートリッ
ジフィルターに仕上げた。このカートリッジフィルター
に 160リットル/hの流量で15分間水を透過させ、その後この
カートリッジフィルターに100kPaの空気圧を負荷した状
態で空気の透過量を測定したところ、透過量は8ml/分
以下で、このカートリッジフィルターの水濡れ性は良好
であった。
【0024】
【発明の効果】本発明の実施により、ポリスルホン精密
ろ過膜カートリッジフィルターを極めて容易に水に濡ら
すことができる。その結果フィルターの完全性を容易に
且つ高精度に測定でき、従ってより信頼性の高いろ過を
行なうことができる。特に膜の両表面の孔径が膜内部の
最小孔径層の孔径の2倍以上である異方性構造膜カート
リッジフィルターにおいて効果が著しい。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的なプリーツ型カートリッジフィルターの
構造を表す図面である。
【図2】本発明の実施態様におけるエンドシール部付近
の構造を表す図である。
【図3】外周ガードに空気抜き小窓を設置した図
【符号の説明】
1 外周ガード 2 不織布 3 ろ過膜 4 不織布 5 コア 6a エンドプレート 6b エンドプレート 7 ガスケット 8 出口 9a 空気抜き小窓 9b 空気抜き小窓 9c 空気抜き小窓 12 不織布 13 ろ過膜 14 不織布 17 エンドプレート

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均孔径0.05〜10μm の精密ろ過
    膜シートをひだ折り加工し円筒状に丸めたそのシートの
    合わせ目を液密にシールし、さらにその円筒の両端をも
    エンドプレートで液密にシールしてできるプリーツ型カ
    ートリッジフィルターにおいて、精密ろ過膜が (1) 親水性ポリスルホン膜であり、 (2) 空隙率が55〜87%であり、 (3) 比表面積が8〜80m2/gであり、かつ (4) 該精密ろ過膜シートを少なくとも一枚が、複数の親
    水性不織布の間に挟まれている ことを特徴とする精密ろ過膜カートリッジフィルター。
  2. 【請求項2】 親水性不織布が15%以上のレーヨン繊
    維を有することを特徴とする請求項1の精密ろ過膜カー
    トリッジフィルター。
  3. 【請求項3】 親水性不織布が15%以上のポリアクリ
    ロニトリル繊維を有することを特徴とする請求項1の精
    密ろ過膜カートリッジフィルター。
  4. 【請求項4】 親水性不織布が15%以上のエチレンビ
    ニルアルコール共重合体とポリオレフィン重合体から構
    成される分割型複合繊維を有することを特徴とする請求
    項1の精密ろ過膜カートリッジフィルター。
  5. 【請求項5】 親水性不織布が15%以上のビニロン繊
    維を有することを特徴とする請求項1の精密ろ過膜カー
    トリッジフィルター。
  6. 【請求項6】 精密ろ過膜が、膜厚さ方向内部に最小孔
    径層を有する異方性構造を有する事を特徴とする、請求
    項1の精密ろ過膜カートリッジフィルター。
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