JP3687780B2 - コネクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、相手側コネクタハウジングに備えた筒状フードの内側に嵌合され、かつ、相手側に設けたロックアームにて抜け止めされるコネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
図7には、この種のコネクタの一例として、実開平6−36245号公報に掲載されたコネクタが示されている。このコネクタは、車両のエンジンルーム内に配置されたリレー1をリレー回路に接続するものであって、雄コネクタ2は、リレー1から突出した雄タブ(図示せず)の周りをフード3で覆ってなり、雌コネクタ4は、前記フード3の内側に挿入される雌側ハウジング5を備える。また、雌側ハウジング5には、雄コネクタ2に係止するロックアーム6が備えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のようなコネクタは、車両の走行時のエンジンルーム内でがたつかないようにする為に、車体本体の所定の場所に固定して用いられる場合がある。そして、従来では、リレー1を備えた雄コネクタ2側に、車両本体に固定するための固定手段(図示せず)が配されていた。ところが、リレー1を備えた雄コネクタ2が車体本体に固定されていると、リレー1を交換する場合には、先ずは、雄コネクタ2を車体本体から取り外し、その後、雌雄のコネクタ2,4を離脱し、さらに、新しいリレー1を備えた雄コネクタ2を雌コネクタ4に装着した上で、雄コネクタ2を車体本体に取り付けるという面倒な作業を強いられることになる。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、相手側のコネクタを容易に交換することが可能なコネクタの提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
上記目的を達成するために、請求項1の発明に係るコネクタは、相手側コネクタハウジングに設けた筒状フードの内側に嵌合されて、その筒状フードの奥部に設けた雄タブが挿入される雌側コネクタハウジングを備え、かつ、一側面を被コネクタ固定部に宛った状態にして固定されるコネクタであって、前記雌側コネクタハウジングの側面のうち前記被コネクタ固定部との対向側を覆いかつそれとは反対側を開放した片側フードを備えると共に、前記片側フードの外面に、前記被コネクタ固定部に係合可能な固定手段を設け、さらに、前記雌側コネクタハウジングの側面のうち前記片側フードが開放した部分に、前記相手側コネクタハウジングに設けたロックアームが係合する被係合部を形成し、さらに前記片側フードのうち前側角部の近傍には、こじり防止リブが上壁から側壁にかけて幅方向に沿いつつ外方に向けて突出形成され、前記こじり防止リブは、不正規に前記前側角部が前記筒状フード内の向けて押し付けられたときに、前記筒状フードの先端に当接して、前記筒状フード内の前記雄タブと前記前側角部との当接を規制するところに特徴を有する。
【0006】
本発明のコネクタは、固定手段にて雌側のコネクタハウジングを被コネクタ固定部に固定したまま、相手側コネクタハウジングのみを離脱可能としたから、相手側を容易に交換することができる。しかも、本発明のコネクタは、固定手段の基礎部分となる片側フードが、片側に開放して、その開放部分に、相手側のロックアームが係合する被係合部が配されているから、ロックアームとの係合の確認及び解除操作を容易に行うことができる。
また、片側フードのうち前側角部の近傍に、こじり防止リブを突出形成したから、不正規に前側角部が筒状フード内の向けて押し付けられたときに、こじり防止リブが筒状フードの先端に当接して、筒状フード内の雄タブと前側角部との当接を規制することができる。これにより、コネクタ同士が不正規の姿勢で押し付けられて雄タブを変形させてしまうような事態を防ぐことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を車両用リレーのコネクタに適用した一実施形態について図1〜図6を参照して説明する。図1において、符号10は、雄コネクタであって、直方体状をなすリレー11の一端面に、一端有底の筒状ハウジング12の底壁13(図5参照)を接合してなり、これらリレー11の外側ケースと筒状ハウジング12とにより、本発明に係る相手側コネクタハウジングが構成されている。また、筒状ハウジング12の周壁は、雄コネクタ10の前方に開放した筒状フード14を構成しており、この筒状フード14は、図1の水平方向に幅広の断面概矩形状をなし、かつ、その水平方向の一端部に、上下方向に広くなった膨出部15を備える。
【0009】
筒状フード14の奥部には、リレー接点に電気的に連なる例えば4本の雄タブ16(図5参照。同図においては、3本が雄タブ16のみが示されている)が設けられている。より詳細には、これら雄タブ16は、前記筒状ハウジング12の底壁13を貫通して、筒状フード14の途中部分まで延びると共に、4つのうち2つの雄タブ16が、上記膨出部15内に配され、残りの2つが、非膨出部分内に配されている。
【0010】
筒状フード14の両側壁には、図1に示すように、一対のスリット17,17が嵌合方向に延びて前端に開放しており、これらスリット17,17の間が片持ち梁状のロックアーム18となっている。また、ロックアーム18の幅方向の中央部分には、その基端部から先端寄り位置に亘って、係止窓18Aが貫通形成されてる。
【0011】
一方、雌コネクタ20は、雌側コネクタハウジング21(以下、「雌側ハウジング21」という)を備え、その形状は以下のようになっている。即ち、雌側ハウジング21は、上記筒状フード14の内側に嵌合される端子収容部22を備え、この端子収容部22は、筒状フード14に対応して、図1において、水平方向に長い断面矩形状をなしかつ、その水平方向の一端が上下方向への膨出部22Cとなっている。また、端子収容部22には、前記雄タブ16に対応した位置に、キャビティ23が貫通形成されており、そこには、ハーネスHの端末に装着された図示しない雌端子金具が収容されている。さらに、図2に示すように、端子収容部22のうち膨出部22Cと反対側の側面には、側方に向けて本発明の被係合部としての係止突起24が形成されている。この係止突起24は、前側が端子収容部22の側面から徐々に立ち上がったテーパ面24A(図4参照)をなすと共に、後側が端子収容部22の側面から垂直に立ち上がった係止面24B(図4参照)となっている。
【0012】
雌側ハウジング21には、端子収容部22のうち図2における上面側を覆いかつそれとは反対側を開放した片側フード25が備えられている。具体的には、片側フード25は、端子収容部22の上面22A全体を覆いかつ図4に示すように端子収容部22より若干前方に突出した上壁26と、その上壁26の両側縁部に丸みを帯びつつ連続して(図2参照)、端子収容部22の両側面22Bに平行するように配された両側壁27,27とを備えて成る。また、側壁27は、図4に示すように、嵌合方向の後側(図4の右側)においては、端子収容部22の側面22Bの上面側から下面側まで覆っているが、嵌合方向の前側(図4の左側)においては、端子収容部22の側面22Bの上面側のみを覆って下面側を開放しており、これにより、端子収容部22の一方の側面に設けた係止突起24が、同図に示すように、外方に臨んでいる。
なお、端子収容部22と片側フード25とは、嵌合方向の後端において端子収容部22の上面22A及び側面22Bから起立した支持壁28(図2参照)にて連続して一体になっている。
【0013】
雌側ハウジング21の片側フード25のうち上壁26の外面には、車両本体に固定されたブラケット50が係止するブラケット係止部29が設けられている。ここで、ブラケット50は、図1に示すように、例えば、板金をクランク状に折り曲げ、その一端が例えば車両本体の内壁に固定されると共に、他端が車両本体の内壁に平行して延びかつその途中部分に係止孔51を貫通形成した構造をなす。
【0014】
ブラケット係止部29は、図1に示すように、嵌合方向に沿って、片側フード25の後端から前端寄り位置まで平行して延びる一対の突条30,30を備え、それら突条30,30の上端から互いに接近する方向に張り出した係止壁31,31と、両突条30,30及び上壁26とに囲まれた空間に、後端から上記ブラケット50が挿入される。また、両突条30,30の途中部分には、天井壁32が差し渡されると共に、その天井壁32からロック片33が延設されており、このロック片33の先端に設けた突起33A(図2参照)が、前記ブラケット50の係止孔51に係止する。
【0015】
さて、片側フード25のうち前側の両角部の近傍には、こじり防止リブ34,34が外方に向けて突出形成されている。こじり防止リブ34は、図1に示すように、ブラケット係止部29のうちブラケット50の先端が突き合わされる奥壁35を延長するようにして、突条30から側壁27側に向けて延びると共に、こじり防止リブ34の終端部は、上壁26と側壁27との角部に位置してその外縁部が丸みを帯びた形状をなしている。
【0016】
次に、上記構成からなる本実施形態の作用・効果を説明する。
本実施形態の雌コネクタ20を備えたハーネスHが、車両本体に組み付けることで、雌コネクタ20が、車両本体の被コネクタ固定部の近傍に配される。そして、被コネクタ固定部に備えたブラケット50に、雌コネクタ20に備えたブラケット係止部29の後端開口を突き合わせて、雌コネクタ20をブラケット50に押し付ける。すると、ブラケット係止部29に備えたロック片33がブラケット50によって押し上げられる。そして、ブラケット50がブラケット係止部29の奥まで挿入されたところで、ロック片33が復元してそのロック片33に設けた突起33Aが、ブラケット50に形成した係止孔51に係合する。これにより、雌コネクタ20が車両本体の被コネクタ固定部に固定される。
【0017】
次いで、雄コネクタ10と雌コネクタ20とを嵌合させる。そのために、雄コネクタ10に備えた筒状フード14の開放口を、雌コネクタ20に備えた端子収容部22の先端面に突き合わせて、両コネクタ10,20を押し付ける。ここで、作業者が操作を誤り、図5に示すように、雌コネクタ20の向きを斜めにして片側フード25の前側角部(図5の20D参照)が、雄コネクタ10の筒状フード14内の向けて押し付けられる場合が生じうる。
【0018】
ところが、本実施形態では、雌コネクタ20のうち片側フード25の前側角部には、こじり防止リブ34が設けられているから、片側フード25の前側角部が、筒状フード14内の向けて強く押し付けられても、図5に示すように、こじり防止リブ34が筒状フード14の先端に当接したところで、それ以上は押し付けることができなくなる。これにより、筒状フード14内の雄タブ16と前側角部との当接を規制して、雄タブ16の変形を防止することができる。また、作業者は、コネクタ10,20同士が嵌合されないので、両コネクタ10,20が不正規の向きで押し付けられたことに気づき、コネクタ10,20を正規の向きに直して嵌合作業をやり直すことができる。
【0019】
なお、図6には、図5との対比において、こじり防止リブ34がない場合に、片側フード25の前側角部(図6の20D参照)が、筒状フード14の奥部まで入り込んで、雄タブ16に当接した状態が示されている。
【0020】
両コネクタ10,20が正規の向きで押し付けられると、その嵌合動作の途中で、雄コネクタ10に備えたロックアーム18の先端部が、雌コネクタ20に形成した係止突起24のテーパ面24Aに乗り上がり、嵌合完了と共に、ロックアーム18の先端部が、係止突起24を乗り越える。これにより、ロックアーム18に形成した係止孔18Aに、係止突起24が係合して、両コネクタ10,20が抜け止め状態になる。ここで、本実施形態の雌コネクタ20は、片側フード25の開放した部分に係止突起24を配したから、この係止突起24とロックアーム18との係合を目視にて容易に確認することができる。
【0021】
両コネクタ10,20の嵌合が完了すると、雄コネクタ10のリレー11から延びた雄タブ16と雌コネクタ20に収容した図示しない雌端子金具とが嵌合接続されて、リレー11が車両本体の回路に接続される。
【0022】
さて、リレー11を交換する場合は、以下のようである。即ち、雌側ハウジング21を、車両本体(ブラケット50)に固定したまま、雄コネクタ10を雌コネクタ20から離脱する。このとき、ロックアーム18と係止突起24との係合を解除しなければならないが、ロックアーム18と係止突起24との係合部分は、片側フード25の開放部分に配されているから、工具等を雌コネクタ20の側方からロックアーム18と雌コネクタ20との隙間に差し込むことができ、容易にロックアーム18と係止突起24との係合を解除することができる。そして、雌コネクタ20から離脱した雄コネクタ10に代えて、新しい雄コネクタ10を雌コネクタ20に嵌合組み付けし、これにて、リレー11の交換作業が完了する。
【0023】
このように、本実施形態では、ブラケット係止部29にて雌コネクタ20を車両本体に固定したまま、リレー11を備えた雄コネクタ10を離脱することができるから、従来のものに比べてリレー(相手側コネクタ)の交換を容易に行うことができる。また、雌側ハウジング21は、ブラケット係止部29の基礎部分となる片側フード25が片方に開放していて、その開放部分に、雄コネクタ10のロックアーム18が係合する係止突起24が配されているから、ロックアーム18の係合の確認、及び、解除操作を容易に行うことができる。
【0024】
<他の実施形態>
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記実施形態の雄コネクタ10には、リレー11が備えられていたが、雄側コネクタに、例えば、ヒューズ、抵抗、コイル、センサ等の電気素子を備えたものであってもよい。
【0025】
(2)前記実施形態における片側フード25は、雌側ハウジング21のうち端子収容部22の側面22Bの一部を覆っていたが、片側フードは、端子収容部の側面全体を覆った形状または側面全体を開放した形状であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係るコネクタと相手側コネクタの斜視図
【図2】 その正面図
【図3】 その平面図
【図4】 その側面図
【図5】 両コネクタが不正規の向きで押し付けられた状態の平面図
【図6】 両コネクタが不正規の向きで押し付けられた状態の平面図
【図7】 従来のコネクタの斜視図
【符号の説明】
10…雄コネクタ
14…筒状フード
16…雄タブ
18…ロックアーム
20…雌コネクタ
21…雌側コネクタハウジング
24…係止突起(被係合部)
25…片側フード
29…ブラケット係止部(固定手段)
34…防止リブ
50…ブラケット(被コネクタ固定部)
Claims (1)
- 相手側コネクタハウジングに設けた筒状フードの内側に嵌合されて、その筒状フードの奥部に設けた雄タブが挿入される雌側コネクタハウジングを備え、かつ、一側面を被コネクタ固定部に宛った状態にして固定されるコネクタであって、
前記雌側コネクタハウジングの側面のうち前記被コネクタ固定部との対向側を覆いかつそれとは反対側を開放した片側フードを備えると共に、前記片側フードの外面に、前記被コネクタ固定部に係合可能な固定手段を設け、
さらに、前記雌側コネクタハウジングの側面のうち前記片側フードが開放した部分に、前記相手側コネクタハウジングに設けたロックアームが係合する被係合部を形成し、
さらに前記片側フードのうち前側角部の近傍には、こじり防止リブが上壁から側壁にかけて幅方向に沿いつつ外方に向けて突出形成され、
前記こじり防止リブは、不正規に前記前側角部が前記筒状フード内の向けて押し付けられたときに、前記筒状フードの先端に当接して、前記筒状フード内の前記雄タブと前記前側角部との当接を規制することを特徴とするコネクタ。
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