JP3798177B2 - 基板用コネクタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子回路基板に組付けられる基板用コネクタに関し、詳しくは、基板用コネクタの取り付け構造の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のボトムタイプの基板用コネクタA1は、図6に示すように、ハウジング1と、このハウジング1内に設けられた端子4とを有し、配線基板5に形成された角形の開口部14に合わせて基板3の下面に取り付けられている。端子4は、ハウジング1の底部を通って上向きに折曲され、配線基板5の表面に突出し、配線基板5に半田付け16されると共に、固定ピン17を半田付け18することにより、ハウジング1を保持している。そして、雄コネクタ9を開口部4からハウジング1内に嵌合させて端子4と接続するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の基板用コネクタは、ハウジング1の斜め付け等により半田付け16、18が不完全な状態であっても、雄コネクタ9が嵌合可能であればそのまま出荷され、市場で流通することがある。このような製品の場合、何らかの外力が加わわると、図7に示すように基板用コネクタA1が動き、最悪の場合配線基板5から脱落することがある。
【0004】
本発明は、上述の点に着目してなされたもので、配線基板に対して不完全装着のとき雄コネクタの嵌合を不能にする手段を設けることにより、不完全装着を判別できるようにした基板用コネクタを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、ハウジングの両側壁に結合溝を形成し、配線基板には嵌合凹部を形成し、前記結合溝に前記嵌合凹部の両側の前記配線基板を差し込んだ構造の基板用コネクタであって、前記結合溝の内壁には前記ハウジングの差し込み方向に下り傾斜のテーパ面を有する係合突起を形成し、前記嵌合凹部の両側の配線基板には前記係合突起と逆方向のテーパ面を有する係止爪を形成し、前記ハウジングの差し込み時前記係合突起が前記係止爪に干渉し前記内壁の撓みにより前記係止爪を乗り越えて該係止爪に係合し該ハウジングを正規の位置に保持することを特徴とするものである。
【0006】
このため、請求項1記載の発明では、係合突起と係止爪が干渉しあっているような不完全な装着状態の場合は、ハウジングが変形して雄コネクタが嵌合不能の状態になり、これにより、不完全装着であることが分かり、不良品が市場に流出することを未然に防止できる。
【0007】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の基板用コネクタであって、前記結合溝の内壁にはスリットを形成したことを特徴とするものである。
【0008】
このため、請求項2記載の発明では、係合突起が配線基板の係止爪で押されたとき結合溝の内壁が変形しやすくなり、コネクタの差し込み結合操作が容易になる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の基板用コネクタの実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図6及び図7と同一部材または同一機能のものは同一符号で示している。
【0010】
図1、図2及び図3の第1実施の形態において、基板用コネクタAは、ボトム形のハウジング1と、該ハウジング1内に設けられた端子4とを有し、上部の開口部aから雄コネクタ9を嵌め込んで接合するものである。この基板用コネクタAは、配線基板5に形成された角形の嵌合凹部10に後述のように嵌合固定される。
【0011】
ハウジング1の長手方向の両側壁1aには上下に突出部2、3が形成され、この突出部2、3の間に結合溝6が形成されている。突出部2、3の入口部分には結合溝6に向けて傾斜するテーパ面2a、3aが形成されている。また、短手方向の両側壁1bにはホルダ部7が形成され、このホルダ部7の孔7aに端子4が挿通されている。このホルダ部7と下部の突出部3とは上面が同一面となっている。
【0012】
結合溝6の内壁6a(側壁1aの一部)には結合溝6内に突出する係合突起8が形成されている。この係合突起8の形状は、図3に示すように、入口(ホルダ7の方向)に向けて下り傾斜のテーパ面8aを有する三角形状のものである。
【0013】
配線基板5の嵌合凹部10の前端面には端子4を嵌め込む半円溝11が形成され、嵌合凹部10の両側内面には係止爪12が形成されている。この係止爪12の形状は、図1及び図3に示すように、嵌合凹部10の開口部に向けて広がる方向、すなわち、前記係合突起8のテーパ面8aと反対向きの傾斜のテーパ面12aを有する三角形状のものである。
【0014】
ハウジング1を図1及び図2の矢印方向に移動させ、結合溝6を嵌合凹部10の両側部分に嵌めて押し込む。このとき係合突起8と係止爪12が干渉しはじめるが、テーパ面8aと12aとの接触により内壁6aが押されて弾性変形しつつ係合突起8がスライドし、係止爪12のテーパ面12aを通過しおわると係止爪12と係合突起8とが係合する(図3参照)。
【0015】
また、半円溝11は、各端子4に合致し、配線基板5の嵌合凹部10の前端縁は、ホルダ7に保持される。端子4は、配線基板5の回路部13に半田付けされる。
【0016】
図4(a)は、上述のようにして係合突起8と係止爪12が係合した正規の装着状態(図3の状態)を示しており、この状態では雄コネクタ9は、嵌合可能である。また、雄コネクタ9が嵌合した状態においては雄コネクタ9によりハウジング1が内側方向に撓むことが阻止されるので、正規の装着状態が維持され、外力が加わっても外れることがない。
【0017】
これに対して係合突起8と係止爪12が係合していない、例えば係合突起8と係止爪12が干渉しあっているような不完全な装着状態の場合は、図4(b)に示すようにハウジング1が内側に変形し、雄コネクタ9が嵌合不能の状態になり、これにより、不完全装着であることが分かり、不良品が市場に流出することを未然に防止できる。以上のように、係合突起8と係止爪12との機構は、係合による保持力強化の機能と共に不良品判別機能の両者を有しいることになる。
【0018】
図5は、本発明の第2実施の形態で、係合突起8の上下において、結合溝6の内壁6aにスリット15を形成している。これにより、係合突起8が配線基板5の係止爪12で押されたとき内壁6aが変形しやすくなり、基板用コネクタAの差し込み操作が容易かつ確実になる。
【0019】
【発明の効果】
以上、詳述したように、請求項1記載の発明によれば、結合溝の内壁に係合突起を形成し、配線基板の嵌合凹部の両側には係止爪を形成し、両者の係合により基板用コネクタを正規の位置に保持するようにしたので、基板用コネクタの確実な保持が可能になると共に、係合突起と係止爪が干渉しているような不完全な装着状態の場合は、ハウジングが変形して雄コネクタが嵌合不能の状態になり、これにより、不完全装着であることが分かり、不良品が市場に流出することを防止できる。
【0020】
また、請求項2記載の発明によれば、結合溝の内壁に、スリットを形成したので、請求項1記載の発明の効果に加えて、基板用コネクタの差し込み時にハウジングが変形しやすくなり、結合操作が容易かつ確実になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基板用コネクタの第1実施の形態を示す分解斜視図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】第1実施の形態の基板用コネクタの装着状態の横断平面図である。
【図4】(a)は正規の装着状態、(b)は不正常な装着状態の作動説明図である。
【図5】第2実施の形態の側面図である。
【図6】従来の基板用コネクタの断面図である。
【図7】従来の基板用コネクタの作用を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
1a 側壁
4 端子
5 配線基板
6 結合溝
6a 内壁
8 係合突起
8a テーパ面
10 嵌合凹部
12 係止爪
12a テーパ面
15 スリット
A 基板用コネクタ

Claims (2)

  1. ハウジングの両側壁に結合溝を形成し、配線基板には嵌合凹部を形成し、前記結合溝に前記嵌合凹部の両側の前記配線基板を差し込んだ構造の基板用コネクタであって、
    前記結合溝の内壁には前記ハウジングの差し込み方向に下り傾斜のテーパ面を有する係合突起を形成し、前記嵌合凹部の両側の配線基板には前記係合突起と逆方向のテーパ面を有する係止爪を形成し、前記ハウジングの差し込み時前記係合突起が係止爪に干渉し前記内壁の撓みにより前記係止爪を乗り越えて該係止爪に係合し該ハウジングを正規の位置に保持することを特徴とする基板用コネクタ。
  2. 前記結合溝の内壁には、スリットを形成したことを特徴とする請求項1記載の基板用コネクタ。
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