JP3686794B2 - 信号除去装置、信号除去方法及び記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、信号除去装置及び信号除去方法に関し、特に、特定の周波数帯域を占有する信号を除去する信号除去装置及び信号除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
信号伝送においては、一般に、伝送する対象の信号の占有周波数帯幅内に混入する妨害波の影響を除去ないし軽減する必要がある。
妨害波の影響が軽減される通信手法としては、例えば、スペクトラム拡散通信がある。スペクトラム拡散通信においては、受信する対象の帯域内に、その帯域に比べ占有周波数帯幅が狭い狭帯域の妨害波が混入したとき、受信した信号が逆拡散される過程で妨害波も拡散される。この結果、復調により得られる信号に含まれる、妨害波に起因する電力が低減される。
【0003】
しかし、スペクトラム拡散通信による妨害波軽減の効果をもってしてもなお安定した通信品質を保てない程度まで、スペクトラム拡散通信を行う装置に混入する妨害波の電力が大きくなると、通信は安定して行われない。このような問題は、例えば、スペクトラム拡散された信号を受信する装置を、狭帯域の妨害波の発生源となる他の通信装置と、同一周波数帯において併用したときに生じる。
【0004】
上述の問題を解決するためには、スペクトラム拡散された信号の帯域内に点在する狭帯域の妨害波を、逆拡散する前に除去しておくことが有効である。
受信する対象の信号の帯域内に存在する狭帯域の妨害波を除去する手法としては、従来、特開平5−327658号公報に開示されている技術や、特開平6−315018号公報に開示されている技術があった。
【0005】
特開平5−327658号公報に開示されている技術では、通過帯域が固定されたBPFにより狭帯域の妨害波を受信する対象の信号より抽出し、抽出された妨害波を、受信する対象の信号から減算することによって、当該妨害波が除去される。
【0006】
また、特開平6−315018号公報に開示されている技術では、スペクトラム拡散された信号の帯域を複数に分割して得られる各区間に属する信号を互いに別個のBPFにより濾波し、各BPFを通過した成分を検出することによって、狭帯域の妨害波が存在している区間が特定される。そして、帯域除去回路により、当該妨害波が検出された区間に属する信号を除去する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平5−327658号公報の技術では、BPFの通過帯域が固定されているため、予め設定された特定の帯域を占有する妨害波しか除去できない。つまり、この技術は、除去する対象の狭帯域の妨害波が占有する帯域が予め特定されている場合にのみ有効に用いることができるに過ぎない。
従って、受信する対象であるスペクトラム拡散された信号の帯域内において狭帯域の妨害波が混入する周波数が不明あるいは不定である場合には、この技術を用いることができない。
【0008】
一方、特開平6−315018号公報の技術では、狭帯域の妨害波がスペクトラム拡散された信号の帯域内の不特定の周波数に発生する場合であっても、これを除去することができる。
しかし、この技術では、妨害波と同一の区間に属する信号も共に除去されるため、BPFの通過帯域が広いほど通信品質が劣化する。一方、BPFの通過帯域を狭くするほど、スペクトラム拡散された信号の帯域に含まれる信号全体を濾波するのに必要なBPF及び検出回路の数も増大し、装置の構成が複雑かつ大型になる。
【0009】
この発明は上記実状に鑑みてなされたもので、通信品質を劣化させることなく周波数が不特定の妨害波を除去するための信号除去装置及び信号除去方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の第1の観点にかかる信号除去装置は、
自己に供給された信号のうち、周波数が所定のフィルタ通過帯域に属する成分を通過させる帯域通過フィルタと、
処理対象の信号に周波数変換を施し、該処理対象の信号に含まれる除去対象成分の周波数が前記フィルタ通過帯域に属するようにして、周波数変換を施した前記処理対象の信号を前記帯域通過フィルタに供給する第1の周波数シフト器と、
前記帯域通過フィルタを通過した成分に周波数変換を施し、該成分の周波数が、前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる除去対象成分の周波数と実質的に等しくなるようにする第2の周波数シフト器と、
前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる除去対象成分と、前記第2の周波数シフト器により周波数変換を施された被変換成分とが互いに実質的に逆相になるように当該被変換成分の位相を調整して、当該処理対象の信号と当該被変換成分とを加算し、又は、当該除去対象成分と当該被変換成分とが互いに実質的に同相になるように当該被変換成分の位相を調整して、当該処理対象の信号より当該被変換成分を減算することにより、当該処理対象の信号より前記除去対象成分を除去する成分除去器と、を備える、
ことを特徴とする。
【0011】
このような信号除去装置によれば、任意の周波数の除去対象成分が所定のフィルタ通過帯域に属する周波数を有する信号へと周波数変換された状態で抽出され、抽出されたこの信号に基づいて、処理対象の信号から除去対象成分が除去される。従って、周波数が不特定の除去対象成分も、通信品質を劣化させることなく除去される。
【0012】
また、この発明の第2の観点にかかる信号除去装置は、
自己に供給された信号のうち、周波数が所定のフィルタ通過帯域に属する成分を通過させる帯域通過フィルタと、
処理対象の信号に周波数変換を施し、該処理対象の信号に含まれる除去対象成分の周波数が前記フィルタ通過帯域に属するようにして、周波数変換を施した前記処理対象の信号を前記帯域通過フィルタに供給する第1の周波数シフト器と、
前記帯域通過フィルタを通過した成分に周波数変換を施し、該成分の周波数が、前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる除去対象成分の周波数と実質的に等しくなるようにする第2の周波数シフト器と、
前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる除去対象成分と、前記第2の周波数シフト器により周波数変換を施された成分とに基づいて、前記第1の周波数シフト器による周波数変換を施されていない処理対象の信号より前記除去対象成分を除去する成分除去器と、を備え、
前記成分除去器は、例えば、前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号の瞬時値と、前記第2の周波数シフト器により周波数変換を施された成分の瞬時値との和に相当する値を瞬時値とする信号を、前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号より前記除去対象成分を除去したものとして発生させる加算器を備え、
前記第2の周波数シフト器により周波数変換を施された成分の位相が、前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる前記除去対象成分の位相に対して実質的に逆相となるように、前記第2の周波数シフト器による周波数変換の結果を調整する位相調整器を備える、
ことを特徴とする。
【0013】
また、この発明の第3の観点にかかる信号除去装置は、
自己に供給された信号のうち、周波数が所定のフィルタ通過帯域に属する成分を通過させる帯域通過フィルタと、
処理対象の信号に周波数変換を施し、該処理対象の信号に含まれる除去対象成分の周波数が前記フィルタ通過帯域に属するようにして、周波数変換を施した前記処理対象の信号を前記帯域通過フィルタに供給する第1の周波数シフト器と、
前記帯域通過フィルタを通過した成分に周波数変換を施し、該成分の周波数が、前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる除去対象成分の周波数と実質的に等しくなるようにする第2の周波数シフト器と、
前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる除去対象成分と、前記第2の周波数シフト器により周波数変換を施された成分とに基づいて、前記第1の周波数シフト器による周波数変換を施されていない処理対象の信号より前記除去対象成分を除去する成分除去器と、を備え、
前記成分除去器は、例えば、前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号の瞬時値と、前記第2の周波数シフト器により周波数変換を施された成分の瞬時値との差に相当する値を瞬時値とする信号を、前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号より前記除去対象成分を除去したものとして発生させる減算器を備えることにより、除去対象成分を除去する。
前記第2の周波数シフト器により周波数変換を施された成分の位相が、前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる前記除去対象成分の位相に対して実質的に同相となるように、前記第2の周波数シフト器による周波数変換の結果を調整する位相調整器を備える、
ことを特徴とする。
【0014】
この信号除去装置は、前記除去対象成分の周波数を特定し、特定された該周波数と前記所定のフィルタ通過帯域に属する周波数との和又は差に相当する周波数の局部発振信号を生成する除去対象成分検出手段を備えるものとすれば、除去対象成分を自ら検出してその周波数を特定する。
そして、前記第1の周波数シフト器は、例えば、処理対象の信号と前記局部発振信号とをヘテロダイン混合した結果のうち周波数が前記フィルタ通過帯域に属する成分を、周波数変換を施した前記処理対象の信号として前記帯域通過フィルタに供給する第1の混合器を備え、
前記第2の周波数シフト器は、例えば、前記帯域通過フィルタを通過した成分と前記局部発振信号とをヘテロダイン混合した結果のうち前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる除去対象成分の周波数と実質的に等しい周波数を有する成分を、前記帯域通過フィルタを通過した成分に周波数変換を施した結果として生成する第2の混合器を備えることにより、周波数変換を行う。
【0015】
前記除去対象成分検出手段は、例えば、
前記処理対象の信号を含む帯域と前記フィルタ通過帯域に属する周波数との和又は差に相当する帯域を掃引する走査用局部発振信号を前記第1の周波数シフト器へと供給する走査手段と、
前記帯域通過フィルタを通過した成分の強度に基づいて、前記除去対象成分の周波数を特定する周波数特定手段と、を備えることにより、除去対象成分の周波数を特定する。
【0016】
また、この発明の第4の観点にかかる信号除去方法は、
処理対象の信号に周波数変換を施し、該処理対象の信号に含まれる除去対象成分の周波数が所定のフィルタ通過帯域に属するようにする第1の周波数シフトステップと、
前記第1の周波数シフトステップで周波数変換を施された信号のうち、周波数が所定のフィルタ通過帯域に属する成分を抽出する帯域フィルタステップと、
前記帯域フィルタステップで抽出された成分に周波数変換を施し、該成分の周波数が、前記第1の周波数シフトステップで周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる除去対象成分の周波数と実質的に等しくなるようにする第2の周波数シフトステップと、
前記第1の周波数シフトステップで周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる除去対象成分と、前記第2の周波数シフトステップで周波数変換を施された被変換成分とが互いに実質的に逆相になるように当該被変換成分の位相を調整して、当該処理対象の信号と当該被変換成分とを加算し、又は、当該除去対象成分と当該被変換成分とが互いに実質的に同相になるように当該被変換成分の位相を調整して、当該処理対象の信号より当該被変換成分を減算することにより、当該処理対象の信号より前記除去対象成分を除去する成分除去ステップと、を備える、
ことを特徴とする。
【0017】
このような信号除去方法によれば、任意の周波数の除去対象成分が所定のフィルタ通過帯域に属する周波数を有する信号へと周波数変換された状態で抽出され、抽出されたこの信号に基づいて、処理対象の信号から除去対象成分が除去される。従って、周波数が不特定の除去対象成分も、通信品質を劣化させることなく除去される。
また、この発明の第5の観点にかかる信号除去方法は、
処理対象の信号に周波数変換を施し、該処理対象の信号に含まれる除去対象成分の周波数が所定のフィルタ通過帯域に属するようにする第1の周波数シフトステップと、
前記第1の周波数シフトステップで周波数変換を施された信号のうち、周波数が所定のフィルタ通過帯域に属する成分を抽出する帯域フィルタステップと、
前記帯域フィルタステップで抽出された成分に周波数変換を施し、該成分の周波数が、前記第1の周波数シフトステップで周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる除去対象成分の周波数と実質的に等しくなるようにする第2の周波数シフトステップと、
前記第1の周波数シフトステップで周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる除去対象成分と、前記第2の周波数シフトステップで周波数変換を施された成分とに基づいて、前記第1の周波数シフトステップにおける周波数変換を施されていない処理対象の信号より前記除去対象成分を除去する成分除去ステップと、を備え、
前記成分除去ステップは、前記第1の周波数シフトステップで周波数変換を施される前の処理対象の信号の瞬時値と、前記第2の周波数シフトステップで周波数変換を施された成分の瞬時値との和に相当する値を瞬時値とする信号を、前記第1の周波数シフトステップで周波数変換を施される前の処理対象の信号より前記除去対象成分を除去したものとして発生させる加算ステップを含み、
前記第2の周波数シフトステップで周波数変換を施された成分の位相が、前記第1の周波数シフトステップで周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる前記除去対象成分の位相に対して実質的に逆相となるように、前記第2の周波数シフトステップでの周波数変換の結果を調整する位相調整ステップを備える、
ことを特徴とする。
また、この発明の第6の観点にかかる信号除去方法は、
処理対象の信号に周波数変換を施し、該処理対象の信号に含まれる除去対象成分の周波数が所定のフィルタ通過帯域に属するようにする第1の周波数シフトステップと、
前記第1の周波数シフトステップで周波数変換を施された信号のうち、周波数が所定のフィルタ通過帯域に属する成分を抽出する帯域フィルタステップと、
前記帯域フィルタステップで抽出された成分に周波数変換を施し、該成分の周波数が、前記第1の周波数シフトステップで周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる除去対象成分の周波数と実質的に等しくなるようにする第2の周波数シフトステップと、
前記第1の周波数シフトステップで周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる除去対象成分と、前記第2の周波数シフトステップで周波数変換を施された成分とに基づいて、前記第1の周波数シフトステップにおける周波数変換を施されていない処理対象の信号より前記除去対象成分を除去する成分除去ステップと、を備え、
前記成分除去ステップは、前記第1の周波数シフトステップで周波数変換を施される前の処理対象の信号の瞬時値と、前記第2の周波数シフトステップで周波数変換を施された成分の瞬時値との差に相当する値を瞬時値とする信号を、前記第1の周波数シフトステップで周波数変換を施される前の処理対象の信号より前記除去対象成分を除去したものとして発生させる減算ステップを含み、
前記第2の周波数シフトステップで周波数変換を施された成分の位相が、前記第1の周波数シフトステップで周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる前記除去対象成分の位相に対して実質的に同相となるように、前記第2の周波数シフトステップでの周波数変換の結果を調整する位相調整ステップを備える、
ことを特徴とする。
【0018】
また、この発明の第7の観点にかかるコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、
コンピュータを、
自己に供給された信号のうち、周波数が所定のフィルタ通過帯域に属する成分を通過させる帯域通過フィルタと、
処理対象の信号に周波数変換を施し、該処理対象の信号に含まれる除去対象成分の周波数が前記フィルタ通過帯域に属するようにして、周波数変換を施した前記処理対象の信号を前記帯域通過フィルタに供給する第1の周波数シフト器と、
前記帯域通過フィルタを通過した成分に周波数変換を施し、該成分の周波数が、前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる除去対象成分の周波数と実質的に等しくなるようにする第2の周波数シフト器と、
前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる除去対象成分と、前記第2の周波数シフト器により周波数変換を施された被変換成分とが互いに実質的に逆相になるように当該被変換成分の位相を調整して、当該処理対象の信号と当該被変換成分とを加算し、又は、当該除去対象成分と当該被変換成分とが互いに実質的に同相になるように当該被変換成分の位相を調整して、当該処理対象の信号より当該被変換成分を減算することにより、当該処理対象の信号より前記除去対象成分を除去する成分除去器と、
して機能させるためのプログラムを記録したことを特徴とする。
【0019】
このような記録媒体に記録されたプログラムを実行するコンピュータは、任意の周波数の除去対象成分を、所定のフィルタ通過帯域に属する周波数を有する信号へと周波数変換された状態で抽出し、抽出したこの信号に基づいて、処理対象の信号から除去対象成分を除去する。従って、周波数が不特定の除去対象成分も、通信品質を劣化させることなく除去される。
また、この発明の第8の観点にかかる記録媒体は、
コンピュータを、
自己に供給された信号のうち、周波数が所定のフィルタ通過帯域に属する成分を通過させる帯域通過フィルタと、
処理対象の信号に周波数変換を施し、該処理対象の信号に含まれる除去対象成分の周波数が前記フィルタ通過帯域に属するようにして、周波数変換を施した前記処理対象の信号を前記帯域通過フィルタに供給する第1の周波数シフト器と、
前記帯域通過フィルタを通過した成分に周波数変換を施し、該成分の周波数が、前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる除去対象成分の周波数と実質的に等しくなるようにする第2の周波数シフト器と、
前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる除去対象成分と、前記第2の周波数シフト器により周波数変換を施された成分とに基づいて、前記第1の周波数シフト器による周波数変換を施されていない処理対象の信号より前記除去対象成分を除去する成分除去器と、して機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記成分除去器は、前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号の瞬時値と、前記第2の周波数シフト器により周波数変換を施された成分の瞬時値との和に相当する値を瞬時値とする信号を、前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号より前記除去対象成分を除去したものとして発生させる加算器を備え、
前記プログラムは、前記コンピュータを、前記第2の周波数シフト器により周波数変換を施された成分の位相が、前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる前記除去対象成分の位相に対して実質的に逆相となるように、前記第2の周波数シフト器による周波数変換の結果を調整する位相調整器として更に機能させる、
ことを特徴とする。
また、この発明の第9の観点にかかる記録媒体は、
コンピュータを、
自己に供給された信号のうち、周波数が所定のフィルタ通過帯域に属する成分を通過させる帯域通過フィルタと、
処理対象の信号に周波数変換を施し、該処理対象の信号に含まれる除去対象成分の周波数が前記フィルタ通過帯域に属するようにして、周波数変換を施した前記処理対象の信号を前記帯域通過フィルタに供給する第1の周波数シフト器と、
前記帯域通過フィルタを通過した成分に周波数変換を施し、該成分の周波数が、前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる除去対象成分の周波数と実質的に等しくなるようにする第2の周波数シフト器と、
前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる除去対象成分と、前記第2の周波数シフト器により周波数変換を施された成分とに基づいて、前記第1の周波数シフト器による周波数変換を施されていない処理対象の信号より前記除去対象成分を除去する成分除去器と、して機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記成分除去器は、前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号の瞬時値と、前記第2の周波数シフト器により周波数変換を施された成分の瞬時値との差に相当する値を瞬時値とする信号を、前記第1の周波数シフト器により周波数変 換を施される前の処理対象の信号より前記除去対象成分を除去したものとして発生させる減算器を備え、
前記プログラムは、前記コンピュータを、前記第2の周波数シフト器により周波数変換を施された成分の位相が、前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる前記除去対象成分の位相に対して実質的に同相となるように、前記第2の周波数シフト器による周波数変換の結果を調整する位相調整器として更に機能させる、
ことを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態にかかる信号除去装置を、CDMA(Code Division Multiple Access)信号に含まれる妨害波を除去するための妨害波除去装置を例として説明する。
【0021】
図1は、この発明の実施の形態にかかる妨害波除去装置の構成の一例を示す。図示するように、この妨害波除去装置は、個数n(ただし、nは、除去する対象の妨害波の個数)の分配器1−1〜1−nと、個数nの混合器2−1〜2−n及び個数nの混合器5−1〜5−nと、個数nのBPF(Band Pass Filter)3−1〜3−nと、個数nの位相調整器4−1〜4−nと、個数nの発振器6−1〜6−nと、個数nの加算器7−1〜7−nと、個数nの検出部8−1〜8−nと、制御部9とより構成されている。
【0022】
分配器1−1〜1−nは互いに実質的に同一の構成を有しており、それぞれ入力端と、第1及び第2の出力端とを備える。分配器1−1〜1−nは、各自の入力端に供給された信号を、各自の第1及び第2の出力端より出力する。
【0023】
分配器1−1の第1の出力端は混合器2−1の後述の第1の入力端に接続されており、分配器1−2の第1の出力端は混合器2−2の第1の入力端に接続されており、以下同様に、分配器1−k(ただし、kはn以下の自然数)の第1の出力端は混合器2−kの第1の入力端に接続されている。
【0024】
分配器1−1の入力端は、この妨害波除去装置の入力端を形成している。
分配器1−1の第2の出力端は分配器1−2の入力端に接続されており、以下同様に、分配器1−j(jはnより小さい自然数)の第2の出力端は分配器1−(j+1)の入力端に接続されている。
分配器1−nの第2の出力端は、加算器7−1の後述する第1の入力端に接続されている。
【0025】
混合器2−1〜2−nは互いに実質的に同一の構成を有しており、それぞれ第1及び第2の入力端と、出力端とを備える。混合器2−1〜2−nは、各自の第1及び第2の入力端に供給された各信号をヘテロダイン混合し、混合されたこれら各信号の差の成分(すなわち、第1及び第2の各入力端に供給された信号の周波数の差に実質的に等しい周波数を有する信号)を、周波数変換の結果として各自の出力端より出力する。
【0026】
混合器2−kの第1の入力端は、上述の通り、分配器1−kの第1の出力端に接続されている。
混合器2−1の第2の入力端は発振器6−1の後述の出力端に接続されており、混合器2−2の第2の入力端は発振器6−2の出力端に接続されており、以下同様に、混合器2−kの第2の入力端は発振器6−kの出力端に接続されている。
混合器2−kの出力端は、BPF3−kの後述する入力端に接続されている。
【0027】
BPF3−1〜3−nは、各々、入力端及び出力端を備える。BPF3−1〜3−nは、各自の入力端に供給された信号のうち、所定の通過帯域に属する周波数成分を通過させて各自の出力端より出力し、その他の周波数成分を実質的に遮断する。BPF3−1〜3−nの通過帯域は、例えば、BPF3−1〜3−nが互いに実質的に同一の周波数成分を通過させるように選ばれている。
【0028】
BPF3−kの入力端は、上述の通り、混合器2−kの出力端に接続されており、BPF3−kの出力端は、位相調整器4−kの後述する入力端に接続されている。
【0029】
位相調整器4−1〜4−nは、各々、全域通過フィルタ等より構成されており、入力端及び出力端を備える。位相調整器4−1〜4−nは、各自の入力端に供給された信号を、各自に固有の移相量に相当する分だけ移相し、移相により得られた信号を各自の出力端より出力する。位相調整器4−1〜4−nの各々に固有のこの移相量は、例えば、後述する条件に合致するように予め設定されている。
【0030】
位相調整器4−kの入力端は、上述の通り、BPF3−kの出力端に接続されており、位相調整器4−kの出力端は、混合器5−kの後述する第1の入力端に接続されている。
【0031】
混合器5−1〜5−nは互いに実質的に同一の構成を有しており、それぞれ第1及び第2の入力端と、出力端とを備える。混合器5−1〜5−nは、各自の第1及び第2の入力端に供給された各信号をヘテロダイン混合し、混合されたこれら各信号の和の成分(すなわち、第1及び第2の各入力端に供給された信号の周波数の和に実質的に等しい周波数を有する信号)を、周波数変換の結果として各自の出力端より出力する。
【0032】
混合器5−kの第1の入力端は、上述の通り、位相調整器4−kの出力端に接続されている。混合器5−kの第2の入力端は、発振器6−kの出力端に接続されている。混合器5−kの出力端は、加算器7−kの後述する第2の入力端に接続されている。
【0033】
発振器6−1〜6−nは互いに実質的に同一の構成を有しており、各々、制御入力端及び出力端を備える。発振器6−1〜6−nは、各自の制御入力端に制御信号が供給されると、当該制御信号が示す周波数の交流信号(例えば、正弦波)を各自の出力端より出力する。
発振器6−kの制御入力端は、制御部9に接続されている。発振器6−kの出力端は、上述の通り、混合器2−kの第2の入力端及び混合器5−kの第2の入力端に接続されている。
【0034】
加算器7−1〜7−nは互いに実質的に同一の構成を有しており、それぞれ第1及び第2の入力端と、出力端とを備える。加算器7−1〜7−nは、各自の第1及び第2の入力端に供給された信号の瞬時値の和に相当する瞬時値を有する信号を、各自の出力端より出力する。
【0035】
加算器7−kの第2の入力端は、混合器5−kの出力端に接続されている。
加算器7−1の第1の入力端は、前述の通り、分配器1−nの出力端に接続されている。加算器7−1の出力端は加算器7−2の第1の入力端に接続されており、以下同様に、加算器7−j(jはnより小さい自然数)の第1の出力端は加算器7−(j+1)の第1の入力端に接続されている。加算器7−nの出力端は、この妨害波除去装置の出力端を形成している。
【0036】
検出部8−1〜8−nは、検波器等から構成されており、それぞれ検出端と出力端とを備える。検出部8−1〜8−nは、各自の検出端に印加された交流電圧の強度(例えば、当該交流電圧の実効値や尖頭値など)を検出して、検出した値を表す信号を、各自の出力端から出力する。
検出部8−kの検出端は、BPF3−kの出力端に接続されており、検出部8−1〜8−nの出力端は、制御部9に接続されている。
【0037】
制御部9は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などから構成されている。
制御部9は、検出部8−1〜8−nの出力端から出力される信号を取得して、検出部8−1〜8−nが検出した交流電圧の強度をモニタしつつ、発振器6−1〜6−nの各々に発生させるべき交流信号の周波数を走査させることによって、この妨害波除去装置が取得した信号に含まれる妨害波を最大n個検出する。そして、BPF3−1〜3−nが互いに異なった妨害波を通過させるように、発振器6−1〜6−nの各々に発生させる交流信号の周波数を決定する。
【0038】
具体的な周波数の決定の手法としては、制御部9は、例えばまず、検出部8−1の出力端から出力される信号を取得して、検出部8−1が検出した交流電圧の強度が実質的に極大に達したか否かを繰り返し判別しつつ、発振器6−1の制御入力端に、希望波の帯域の下限を起点として周波数を連続的に上昇させるような制御信号を供給する。
【0039】
そして、検出部8−1が検出した交流電圧の強度が、BPF3−1を通過した妨害波により実質的に極大に達したと判別すると、当該判別を行った時点で発振器6−1に供給していた制御信号が示す値と実質的に同一の値を示す制御信号を、その時点以降引き続き発振器6−1に供給するようにする。すなわち、発振器6−1に発生させる交流信号の周波数を決定する(換言すれば、BPF3−1を通過した当該妨害波の周波数変換前の周波数も特定されることとなる)。
【0040】
続いて、制御部9は、検出部8−2が検出した値が実質的に極大に達したか否かを繰り返し判別しつつ、発振器6−2の制御入力端に、発振器6−1が生成する交流信号の周波数を起点として周波数を連続的に上昇させるような制御信号を供給する。そして、検出部8−2が検出した値が、BPF3−2を通過した妨害波によって実質的に極大に達したと判別すると、発振器6−2が発する交流信号の周波数を、当該判別を行った時点における周波数にするよう決定する(また、BPF3−2を通過した当該妨害波の周波数変換前の周波数が特定される)。
【0041】
そして、(n>2)であれば、制御部9は、以下、発振器6−2が発する交流信号の周波数を固定する手順と実質的に同一の手順で、発振器6−3〜6−nにつき、順次、当該発振器に発生させる交流信号の周波数を決定する(また、BPF3−hを通過する妨害波の周波数変換前の周波数が特定される)。ただし、制御部9は、検出部8−h(ただし、hは3以上n以下の自然数)が検出した値が実質的に極大に達したか否かを繰り返し判別する間は、発振器6−hの制御入力端に、発振器6−(h−1)が生成する交流信号の周波数を起点として周波数を連続的に上昇させるような制御信号を供給するものとする。
【0042】
(動作)
次に、除去する対象の妨害波が3個である場合(すなわち、n=3である場合)を例として、この妨害波除去装置が希望波に重畳されたこれらの妨害波を除去する動作を説明する。
【0043】
この妨害波除去装置に、3個の妨害波(以下、それぞれ「第1の妨害波」「第2の妨害波」「第3の妨害波」と呼ぶ)が重畳された希望波が供給されると、第1〜第3の妨害波及び希望波は、分配器1−1の第1の入力端−出力端間、分配器1−2の第1の入力端−出力端間及び分配器1−3の第1の入力端−出力端間を順次通過し、更に、加算器7−1の第1の入力端−出力端間、加算器7−2の第1の入力端−出力端間及び加算器7−3の第1の入力端−出力端間を順次通過して、この妨害波除去装置の出力端へと出力される。
【0044】
一方、希望波及び第1から第3の妨害波は、混合器2−1〜2−3の各第1の入力端にも供給される。
この結果、混合器2−1の出力端からは、第1、第2及び第3の妨害波と発振器6−1が発生する交流信号との差の成分が、BPF3−1の入力端へと出力される。また、混合器2−2の出力端からは、第1、第2及び第3の妨害波と発振器6−2が発生する交流信号との差の成分が、BPF3−2の入力端へと出力される。また、混合器2−3の出力端からは、第1、第2及び第3の妨害波と発振器6−3が発生する交流信号との差の成分が、BPF3−3の入力端へと出力される。
そして、BPF3−1〜3−3は、各自の入力端に供給された成分のうち、周波数がfcである成分を、各自の出力端から出力する。
【0045】
すると、検出部8−1〜8−3は、BPF3−1〜3−3の出力端から出力される成分の強度を検出して、検出した値を示す信号を制御部9に供給する。
制御部9は、上述の通り、検出部8−1〜8−3が検出した成分の強度をモニタしつつ、発振器6−1〜6−3の各々に発生させるべき交流信号の周波数を走査させることによって、3個の妨害波を検出する。そして、上述した手順により、BPF3−1〜3−3が互いに異なった妨害波を通過させるよう、発振器6−1〜6−3の各々に発生させる交流信号の周波数を決定する。
【0046】
第1の妨害波の周波数をfx、第2の妨害波の周波数をfy、第3の妨害波の周波数をfz(ただし、fx<fy<fz)とすると、制御部9は、上述の処理の結果、制御部9は、発振器6−1の制御入力端に、周波数(fx−fc)を示す制御信号を供給し、発振器6−2の制御入力端に周波数(fy−fc)を示す制御信号を供給し、発振器6−3の制御入力端に周波数(fz−fc)を示す制御信号を供給することを決定する。
この場合、発振器6−1の出力端から混合器2−1の第2の入力端へと周波数(fx−fc)の交流信号が供給され、発振器6−2の出力端から混合器2−2の第2の入力端へと周波数(fy−fc)の交流信号が供給され、発振器6−3の出力端から混合器2−3の第2の入力端へと周波数(fz−fc)の交流信号が供給される。
【0047】
この結果、混合器2−1の出力端からは、第1、第2及び第3の妨害波と発振器6−1が発生する交流信号との差の成分として、周波数が、順に、fc、(fy−fx+fc)及び(fz−fx+fc)である3個の成分を含む信号が出力される。すなわち、周波数が順にfx、fy及びfzである第1〜第3の妨害波が、周波数が順にfc、(fy−fx+fc)及び(fz−fx+fc)となるように周波数変換される。
そして、BPF3−1は、これら3個の成分のうち、周波数がfcである成分(すなわち、第1の妨害波と発振器6−1が発生する交流信号との差の成分)を通過させ、位相調整器4−1の入力端に供給する。
【0048】
また、混合器2−2の出力端からは、第1、第2及び第3の妨害波と発振器6−2が発生する交流信号との差の成分として、周波数が、順に、(fx−fy+fc)、fc及び(fz−fy+fc)である3個の成分を含む信号が出力される。すなわち、第1〜第3の妨害波が、周波数が順に(fx−fy+fc)、fc及び(fz−fy+fc)となるように周波数変換される。
BPF3−2は、これら3個の成分のうち、周波数がfcである成分(すなわち、第2の妨害波と発振器6−2が発生する交流信号との差の成分)を通過させ、位相調整器4−2の入力端に供給する。
【0049】
また、混合器2−3の出力端からは、第1、第2及び第3の妨害波と発振器6−3が発生する交流信号との差の成分として、周波数が、順に、(fx−fz+fc)、(fy−fz+fc)及びfcである3個の成分を含む信号が出力される。すなわち、第1〜第3の妨害波が、周波数が順に(fx−fz+fc)、(fy−fz+fc)及びfcとなるように周波数変換される。
BPF3−3は、これら3個の成分のうち、周波数がfcである成分(すなわち、第3の妨害波と発振器6−3が発生する交流信号との差の成分)を通過させ、位相調整器4−3の入力端に供給する。
【0050】
位相調整器4−1は、BPF3−1から自己の入力端に供給された信号を移相して、移相により得られた信号を自己の出力端より混合器5−1の第1の入力端へと出力する。
ただし、位相調整器4−1は、混合器5−1の出力端から加算器7−1の第2の入力端に供給される信号と、加算器7−1の第1の入力端に供給される信号のうち周波数がfxである成分とが、互いに実質的に逆相となるように、自己に供給された信号を移相する。
【0051】
また、位相調整器4−1と同様にして、位相調整器4−2は、BPF3−2から自己に供給された信号を移相して混合器5−2の第1の入力端へと出力する。また、位相調整器4−1と同様にして、位相調整器4−3は、BPF3−3から自己に供給された信号を移相して混合器5−3の第1の入力端へと出力する。
ただし、位相調整器4−2は、混合器5−2の出力端から加算器7−2の第2の入力端に供給される信号と、加算器7−2の第1の入力端に供給される信号のうち周波数がfyである成分とが、互いに実質的に逆相となるように、自己に供給された信号を移相する。また、位相調整器4−3は、混合器5−3の出力端から加算器7−3の第2の入力端に供給される信号と、加算器7−3の第1の入力端に供給される信号のうち周波数がfzである成分とが、互いに実質的に逆相となるように、自己に供給された信号を移相する。
【0052】
一方、混合器5−1の第2の入力端には、発振器6−1の出力端から周波数(fx−fc)の交流信号が供給され、混合器5−2の第2の入力端には、発振器6−2の出力端から周波数(fy−fc)の交流信号が供給され、混合器5−3の第2の入力端には、発振器6−3の出力端から周波数(fz−fc)の交流信号が供給される。
【0053】
この結果、混合器5−1の出力端からは、位相調整器4−1が出力する信号と発振器6−1が発生する交流信号との和の成分として、周波数がfxである信号が、加算器7−1の第2の入力端へと出力される。また、混合器5−2の出力端からは、位相調整器4−2が出力する信号と発振器6−2が発生する交流信号との和の成分として、周波数がfyである信号が、加算器7−2の第2の入力端へと出力される。また、混合器5−3の出力端からは、位相調整器4−3が出力する信号と発振器6−3が発生する交流信号との和の成分として、周波数がfzである信号が、加算器7−3の第2の入力端へと出力される。
【0054】
一方、加算器7−1の第1の入力端には、分配器1−3の出力端から、希望波及び3個の妨害波が供給されている。従って、加算器7−1は、自己の第1及び第2の入力端に供給された信号の加算結果として、加算器7−1の第1の入力端に供給された信号のうち周波数がfxである第1の妨害波が実質的に除去されたもの(すなわち、希望波と、第2及び第3の妨害波)を、自己の出力端から加算器7−2の第1の入力端へと出力する。
【0055】
すると、加算器7−2は、加算器7−1から供給された信号(すなわち、希望波、第2及び第3の妨害波)と混合器5−2から供給された信号とを加算した結果に相当する信号を、加算器7−3の第1の入力端へと出力する。加算器7−2が出力する信号は、加算器7−1が出力した信号から、更に第2の妨害波を実質的に除去したものとなる。
更に、加算器7−3は、加算器7−2から供給された信号(すなわち、希望波及び第3の妨害波)と混合器5−3から供給された信号とを加算した結果に相当する信号を、自己の出力端から出力する。
【0056】
加算器7−3の出力端から出力された信号は、加算器7−2から出力された信号から更に第3の妨害波を実質的に除去したもの、すなわち、この妨害波除去装置の入力端に供給された信号から第1、第2及び第3の妨害波を実質的に除去したものに相当する。
以上説明した動作により、この妨害波除去装置は、自己の入力端に供給された信号から、最大3個の妨害波を実質的に除去したものにあたる信号を出力する。
【0057】
なお、この妨害波除去装置の構成は、上述のものに限られない。
例えば、上述のnの値は任意であり、3である必要はない。また、希望波はCDMA信号である必要はない。また、希望波及び妨害波はディジタル信号の形式をとっていてもよく、この場合、分配器1−1〜1−n、混合器2−1〜2−n及び混合器5−1〜5−n、BPF3−1〜3−nと、位相調整器4−1〜4−n、発振器6−1〜6−n、加算器7−1〜7−n、検出部8−1〜8−n及び制御部9の機能の一部又は全部は、DSP(Digital Signal Processor)やCPU(Central Processing Unit)により行われていてもよい。
また、混合器2−1〜2−n及び5−1〜5−nや発振器6−1〜6−nの機能の一部又は全部が、A/D(Analog-to-Digital)変換器、DSP及びD/A(Digital-to-Analog)変換器により行われていてもよい。また、検出部8−1〜8−nは、各自の入力端に印加された交流信号を検波ないし整流する必要はなく、例えば、各自の入力端に印加された交流信号をA/D変換し、変換結果を制御部9に供給するようにしてもよい。
【0058】
また、BPF3−1〜3−nの通過帯域は互いに同一である必要はなく、除去する対象の妨害波が混合器2−1〜2−nにより周波数変換されたものがBPF3−1〜3−nのいずれかを通過した後、当該妨害波の周波数が、混合器5−1〜5−nのいずれかにより、混合器2−1〜2−nにより周波数変換される前の周波数に実質的に戻されるようになっている限り、BPF3−1〜3−nのうちに通過帯域が互いに異なっているものが含まれていてもよい。また、BPF3−1〜3−nの通過帯域の幅も互いに同一である必要はない。
【0059】
制御部9が、BPF3−1〜3−nが互いに異なった妨害波を通過させるように、発振器6−1〜6−nの各々に発生させるべき交流信号の周波数を決定する手法は任意である。
従って、制御部9は、例えば、発振器6−kの制御入力端に、希望波の帯域の下限から上限まで周波数を連続的に上昇させるような制御信号を供給しつつ、検出部8−kが検出した交流電圧の強度が実質的に極大に達したか否かを繰り返し判別し、達したと判別されたタイミング(当該タイミングの数は最大n個)における、発振器6−kが発した交流信号の周波数を記憶してもよい。この場合、制御部9は、記憶した最大n個の周波数を、発振器6−1〜6−nにそれぞれ発生させる交流信号の周波数とするものと決定すればよい。なお、この場合、この妨害波除去装置は、検出器を少なくとも1個備えていればよい。
【0060】
また、位相調整器4−1〜4−nは、上述の通りに配置されている必要はなく、加算器7−kの第2の入力端に供給される信号の位相と、加算器7−kの第1の入力端に供給される信号のうち加算器7−kの第2の入力端に供給される信号と実質的に同一の周波数の成分の位相とが互いに実質的に逆相の関係になる限り任意の位置に配置されていてよい。従って、例えば図2に示すように、混合器2−kの出力端に位相調整器4−kの入力端が接続され、位相調整器4−kの出力端がBPF3−kの入力端に接続され、BPF3−kの出力端が混合器5−kの第1の入力端に接続されていてもよい。
【0061】
更に、加算器7−kの第2の入力端に供給される信号の位相と、加算器7−kの第1の入力端に供給される信号のうち加算器7−kの第2の入力端に供給される信号と実質的に同一の周波数の成分の位相とが互いに実質的に逆相の関係になるならば、位相調整器4−kは必ずしも必要ではなく、この場合、位相調整器4−kの入力端が接続されるべき部分と、位相調整器4−kの出力端が接続されるべき部分とが短絡されていればよい。
【0062】
また、位相調整器4−kは、加算器7−kの第2の入力端に供給される信号の位相と、加算器7−kの第1の入力端に供給される信号のうち加算器7−kの第2の入力端に供給される信号と実質的に同一の周波数の成分の位相との位相差を検出し、両者が互いに実質的に逆相の関係になるように、自己を通過する信号の位相量を自動制御するようにしてもよい。
【0063】
また、この妨害波除去装置は、加算器7−kに代えて、第1及び第2の入力端と、出力端とを備える減算器を備え、加算器7−kの第1の入力端、第2の入力端及び出力端が接続されるべき箇所に、この減算器の第1の入力端、第2の入力端及び出力端が接続されるようにしてもよい。この減算器は、自己の第1及び第2の入力端に供給された信号の瞬時値の差に相当する瞬時値を有する信号を、自己の出力端より出力するものとする。
ただし、この場合、位相調整器4−kは、加算器7−kに代わる減算器の第2の入力端に供給される信号の位相と、当該減算器の第1の入力端に供給される信号のうち、当該減算器の第2の入力端に供給される信号と実質的に同一の周波数の成分の位相とが、互いに実質的に同相の関係になるように、自己を通過する信号を移相するものとする。
【0064】
また、除去する対象の妨害波の周波数が既知であれば、発振器6−1〜6−nが生成する交流信号の周波数は固定されていてもよい。また、発振器6−1〜6−nが生成する交流信号の周波数は手動で変化できるようにしてもよいし、また、発振器6−1〜6−nの制御入力端に供給する制御信号は、この妨害波除去装置の外部より供給されてもよい。
【0065】
また、この妨害波除去装置は、分配器1−kから、混合器2−k、BPF3−k、位相調整器4−k、混合器5−kを経て加算器7−kに至る信号経路の任意の位置に配置された、信号の減衰を補償するための増幅器を備えるようにしてもよい。具体的には、例えば図3に示すように、入力端及び出力端を備え、入力端がBPF3−kの出力端に接続され、出力端が位相調整器4−kの入力端に接続された増幅器を備えるようにすればよい。この場合、図示するように、検出部8−1〜8−nは、BPF3−1〜3−nの出力端に出力された信号の強度に代えて、これら各増幅器の出力端に出力された信号の強度を検出するようにしてもよい。
【0066】
また、混合器2−kは、自己の第1及び第2の入力端に供給された各信号の周波数の和に実質的に等しい周波数を有する信号を自己の出力端より出力するようにしてもよい。この場合、混合器5−kは、自己の第1及び第2の入力端に供給された各信号の周波数の差に実質的に等しい周波数を有する信号を自己の出力端より出力するようにすればよい。
【0067】
以上、この発明にかかる信号除去装置を説明したが、この発明の信号除去装置は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、パーソナルコンピュータに、上述の動作を実行するためのプログラムを格納した媒体(フロッピーディスク、CD−ROM等)から該プログラムをインストールすることにより、上述の処理を実行する妨害波除去装置を構成することができる。
【0068】
また、コンピュータにプログラムを供給するための媒体は、通信媒体(通信回線、通信ネットワーク、通信システムのように、一時的且つ流動的にプログラムを保持する媒体)でも良い。例えば、通信ネットワークの掲示板(BBS)に該プログラムを掲示し、これをネットワークを介して配信してもよい。ネットワークを介した配信は、該プログラムにより搬送波を変調して得られる変調波を伝送することにより行ってもよい。
そして、このプログラムを起動し、OSの制御下に、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上述の処理を実行することができる。
【0069】
なお、OSが処理の一部を分担する場合、あるいは、OSが本願発明の1つの構成要素の一部を構成するような場合には、記録媒体には、その部分を除いたプログラムを格納してもよい。この場合も、この発明では、その記録媒体には、コンピュータが実行する各機能又はステップを実行するためのプログラムが格納されているものとする。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、通信品質を劣化させることなく周波数が不特定の妨害波を除去するための信号除去装置及び信号除去方法が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態にかかる妨害波除去装置の基本構成を示すブロック図である。
【図2】図1の妨害波除去装置の変形例を示すブロック図である。
【図3】図1の妨害波除去装置の変形例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1−1〜1−n 分配器
2−1〜2−n 混合器
3−1〜3−n BPF
4−1〜4−n 位相調整器
5−1〜5−n 混合器
6−1〜6−n 発振器
7−1〜7−n 加算器
8−1〜8−n 検出部
9 制御部
Claims (11)
- 自己に供給された信号のうち、周波数が所定のフィルタ通過帯域に属する成分を通過させる帯域通過フィルタと、
処理対象の信号に周波数変換を施し、該処理対象の信号に含まれる除去対象成分の周波数が前記フィルタ通過帯域に属するようにして、周波数変換を施した前記処理対象の信号を前記帯域通過フィルタに供給する第1の周波数シフト器と、
前記帯域通過フィルタを通過した成分に周波数変換を施し、該成分の周波数が、前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる除去対象成分の周波数と実質的に等しくなるようにする第2の周波数シフト器と、
前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる除去対象成分と、前記第2の周波数シフト器により周波数変換を施された被変換成分とが互いに実質的に逆相になるように当該被変換成分の位相を調整して、当該処理対象の信号と当該被変換成分とを加算し、又は、当該除去対象成分と当該被変換成分とが互いに実質的に同相になるように当該被変換成分の位相を調整して、当該処理対象の信号より当該被変換成分を減算することにより、当該処理対象の信号より前記除去対象成分を除去する成分除去器と、を備える、
ことを特徴とする信号除去装置。 - 自己に供給された信号のうち、周波数が所定のフィルタ通過帯域に属する成分を通過させる帯域通過フィルタと、
処理対象の信号に周波数変換を施し、該処理対象の信号に含まれる除去対象成分の周波数が前記フィルタ通過帯域に属するようにして、周波数変換を施した前記処理対象の信号を前記帯域通過フィルタに供給する第1の周波数シフト器と、
前記帯域通過フィルタを通過した成分に周波数変換を施し、該成分の周波数が、前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる除去対象成分の周波数と実質的に等しくなるようにする第2の周波数シフト器と、
前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる除去対象成分と、前記第2の周波数シフト器により周波数変換を施された成分とに基づいて、前記第1の周波数シフト器による周波数変換を施されていない処理対象の信号より前記除去対象成分を除去する成分除去器と、を備え、
前記成分除去器は、前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号の瞬時値と、前記第2の周波数シフト器により周波数変換を施された成分の瞬時値との和に相当する値を瞬時値とする信号を、前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号より前記除去対象成分を除去したものとして発生させる加算器を備え、
前記第2の周波数シフト器により周波数変換を施された成分の位相が、前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる前記除去対象成分の位相に対して実質的に逆相となるように、前記第2の周波数シフト器による周波数変換の結果を調整する位相調整器を備える、
ことを特徴とする信号除去装置。 - 自己に供給された信号のうち、周波数が所定のフィルタ通過帯域に属する成分を通過させる帯域通過フィルタと、
処理対象の信号に周波数変換を施し、該処理対象の信号に含まれる除去対象成分の周波数が前記フィルタ通過帯域に属するようにして、周波数変換を施した前記処理対象の信号を前記帯域通過フィルタに供給する第1の周波数シフト器と、
前記帯域通過フィルタを通過した成分に周波数変換を施し、該成分の周波数が、前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる除去対象成分の周波数と実質的に等しくなるようにする第2の周波数シフト器と、
前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる除去対象成分と、前記第2の周波数シフト器により周波数変換を施された成分とに基づいて、前記第1の周波数シフト器による周波数変換を施されていない処理対象の信号より前記除去対象成分を除去する成分除去器と、を備え、
前記成分除去器は、前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号の瞬時値と、前記第2の周波数シフト器により周波数変換を施された成分の瞬時値との差に相当する値を瞬時値とする信号を、前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号より前記除去対象成分を除去したものとして発生させる減算器を備え、
前記第2の周波数シフト器により周波数変換を施された成分の位相が、前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる前記除去対象成分の位相に対して実質的に同相となるように、前記第2の周波数シフト器による周波数変換の結果を調整する位相調整器を備える、
ことを特徴とする信号除去装置。 - 前記除去対象成分の周波数を特定し、特定された該周波数と前記所定のフィルタ通過帯域に属する周波数との和又は差に相当する周波数の局部発振信号を生成する除去対象成分検出手段を備え、
前記第1の周波数シフト器は、処理対象の信号と前記局部発振信号とをヘテロダイン混合した結果のうち周波数が前記フィルタ通過帯域に属する成分を、周波数変換を施した前記処理対象の信号として前記帯域通過フィルタに供給する第1の混合器を備え、
前記第2の周波数シフト器は、前記帯域通過フィルタを通過した成分と前記局部発振信号とをヘテロダイン混合した結果のうち前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる除去対象成分の周波数と実質的に等しい周波数を有する成分を、前記帯域通過フィルタを通過した成分に周波数変換を施した結果として生成する第2の混合器を備える、
ことを特徴とする請求項1、2または3に記載の信号除去装置。 - 前記除去対象成分検出手段は、
前記処理対象の信号を含む帯域と前記フィルタ通過帯域に属する周波数との和又は差に相当する帯域を掃引する走査用局部発振信号を前記第1の周波数シフト器へと供給する走査手段と、
前記帯域通過フィルタを通過した成分の強度に基づいて、前記除去対象成分の周波数を特定する周波数特定手段と、を備える、
ことを特徴とする請求項4に記載の信号除去装置。 - 処理対象の信号に周波数変換を施し、該処理対象の信号に含まれる除去対象成分の周波数が所定のフィルタ通過帯域に属するようにする第1の周波数シフトステップと、
前記第1の周波数シフトステップで周波数変換を施された信号のうち、周波数が所定のフィルタ通過帯域に属する成分を抽出する帯域フィルタステップと、
前記帯域フィルタステップで抽出された成分に周波数変換を施し、該成分の周波数が、前記第1の周波数シフトステップで周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる除去対象成分の周波数と実質的に等しくなるようにする第2の周波数シフトステップと、
前記第1の周波数シフトステップで周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる除去対象成分と、前記第2の周波数シフトステップで周波数変換を施された被変換成分とが互いに実質的に逆相になるように当該被変換成分の位相を調整して、当該処理対象の信号と当該被変換成分とを加算し、又は、当該除去対象成分と当該被変換成分とが互いに実質的に同相になるように当該被変換成分の位相を調整して、当該処理対象の信号より当該被変換成分を減算することにより、当該処理対象の信号より前記除去対象成分を除去する成分除去ステップと、を備える、
ことを特徴とする信号除去方法。 - 処理対象の信号に周波数変換を施し、該処理対象の信号に含まれる除去対象成分の周波数が所定のフィルタ通過帯域に属するようにする第1の周波数シフトステップと、
前記第1の周波数シフトステップで周波数変換を施された信号のうち、周波数が所定のフィルタ通過帯域に属する成分を抽出する帯域フィルタステップと、
前記帯域フィルタステップで抽出された成分に周波数変換を施し、該成分の周波数が、前記第1の周波数シフトステップで周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる除去対象成分の周波数と実質的に等しくなるようにする第2の周波数シフトステップと、
前記第1の周波数シフトステップで周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる除去対象成分と、前記第2の周波数シフトステップで周波数変換を施された成分とに基づいて、前記第1の周波数シフトステップにおける周波数変換を施されていない処理対象の信号より前記除去対象成分を除去する成分除去ステップと、を備え、
前記成分除去ステップは、前記第1の周波数シフトステップで周波数変換を施される前の処理対象の信号の瞬時値と、前記第2の周波数シフトステップで周波数変換を施された成分の瞬時値との和に相当する値を瞬時値とする信号を、前記第1の周波数シフトステップで周波数変換を施される前の処理対象の信号より前記除去対象成分を除去したものとして発生させる加算ステップを含み、
前記第2の周波数シフトステップで周波数変換を施された成分の位相が、前記第1の周波数シフトステップで周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる前記除去対象成分の位相に対して実質的に逆相となるように、前記第2の周波数シフトステップでの周波数変換の結果を調整する位相調整ステップを備える、
ことを特徴とする信号除去方法。 - 処理対象の信号に周波数変換を施し、該処理対象の信号に含まれる除去対象成分の周波数が所定のフィルタ通過帯域に属するようにする第1の周波数シフトステップと、
前記第1の周波数シフトステップで周波数変換を施された信号のうち、周波数が所定のフィルタ通過帯域に属する成分を抽出する帯域フィルタステップと、
前記帯域フィルタステップで抽出された成分に周波数変換を施し、該成分の周波数が、前記第1の周波数シフトステップで周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる除去対象成分の周波数と実質的に等しくなるようにする第2の周波数シフトステップと、
前記第1の周波数シフトステップで周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる除去対象成分と、前記第2の周波数シフトステップで周波数変換を施された成分とに基づいて、前記第1の周波数シフトステップにおける周波数変換を施されていない処理対象の信号より前記除去対象成分を除去する成分除去ステップと、を備え、
前記成分除去ステップは、前記第1の周波数シフトステップで周波数変換を施される前の処理対象の信号の瞬時値と、前記第2の周波数シフトステップで周波数変換を施された成分の瞬時値との差に相当する値を瞬時値とする信号を、前記第1の周波数シフトステップで周波数変換を施される前の処理対象の信号より前記除去対象成分を除去したものとして発生させる減算ステップを含み、
前記第2の周波数シフトステップで周波数変換を施された成分の位相が、前記第1の周波数シフトステップで周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる前記除去対象成分の位相に対して実質的に同相となるように、前記第2の周波数シフトステップでの周波数変換の結果を調整する位相調整ステップを備える、
ことを特徴とする信号除去方法。 - コンピュータを、
自己に供給された信号のうち、周波数が所定のフィルタ通過帯域に属する成分を通過させる帯域通過フィルタと、
処理対象の信号に周波数変換を施し、該処理対象の信号に含まれる除去対象成分の周波数が前記フィルタ通過帯域に属するようにして、周波数変換を施した前記処理対象の信号を前記帯域通過フィルタに供給する第1の周波数シフト器と、
前記帯域通過フィルタを通過した成分に周波数変換を施し、該成分の周波数が、前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる除去対象成分の周波数と実質的に等しくなるようにする第2の周波数シフト器と、
前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる除去対象成分と、前記第2の周波数シフト器により周波数変換を施された被変換成分とが互いに実質的に逆相になるように当該被変換成分の位相を調整して、当該処理対象の信号と当該被変換成分とを加算し、又は、当該除去対象成分と当該被変換成分とが互いに実質的に同相になるように当該被変換成分の位相を調整して、当該処理対象の信号より当該被変換成分を減算することにより、当該処理対象の信号より前記除去対象成分を除去する成分除去器と、
して機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。 - コンピュータを、
自己に供給された信号のうち、周波数が所定のフィルタ通過帯域に属する成分を通過させる帯域通過フィルタと、
処理対象の信号に周波数変換を施し、該処理対象の信号に含まれる除去対象成分の周波数が前記フィルタ通過帯域に属するようにして、周波数変換を施した前記処理対象の信号を前記帯域通過フィルタに供給する第1の周波数シフト器と、
前記帯域通過フィルタを通過した成分に周波数変換を施し、該成分の周波数が、前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる除去対象成分の周波数と実質的に等しくなるようにする第2の周波数シフト器と、
前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる除去対象成分と、前記第2の周波数シフト器により周波数変換を施された成分とに基づいて、前記第1の周波数シフト器による周波数変換を施されていない処理対象の信号より前記除去対象成分を除去する成分除去器と、して機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記成分除去器は、前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号の瞬時値と、前記第2の周波数シフト器により周波数変換を施された成分の瞬時値との和に相当する値を瞬時値とする信号を、前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号より前記除去対象成分を除去したものとして発生させる加算器を備え、
前記プログラムは、前記コンピュータを、前記第2の周波数シフト器により周波数変換を施された成分の位相が、前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる前記除去対象成分の位相に対して実質的に逆相となるように、前記第2の周波数シフト器による周波数変換の結果を調整する位相調整器として更に機能させる、
ことを特徴とする記録媒体。 - コンピュータを、
自己に供給された信号のうち、周波数が所定のフィルタ通過帯域に属する成分を通過させる帯域通過フィルタと、
処理対象の信号に周波数変換を施し、該処理対象の信号に含まれる除去対象成分の周波数が前記フィルタ通過帯域に属するようにして、周波数変換を施した前記処理対象の信号を前記帯域通過フィルタに供給する第1の周波数シフト器と、
前記帯域通過フィルタを通過した成分に周波数変換を施し、該成分の周波数が、前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる除去対象成分の周波数と実質的に等しくなるようにする第2の周波数シフト器と、
前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる 除去対象成分と、前記第2の周波数シフト器により周波数変換を施された成分とに基づいて、前記第1の周波数シフト器による周波数変換を施されていない処理対象の信号より前記除去対象成分を除去する成分除去器と、して機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記成分除去器は、前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号の瞬時値と、前記第2の周波数シフト器により周波数変換を施された成分の瞬時値との差に相当する値を瞬時値とする信号を、前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号より前記除去対象成分を除去したものとして発生させる減算器を備え、
前記プログラムは、前記コンピュータを、前記第2の周波数シフト器により周波数変換を施された成分の位相が、前記第1の周波数シフト器により周波数変換を施される前の処理対象の信号に含まれる前記除去対象成分の位相に対して実質的に同相となるように、前記第2の周波数シフト器による周波数変換の結果を調整する位相調整器として更に機能させる、
ことを特徴とする記録媒体。
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