JP3686756B2 - 制汗剤 - Google Patents
制汗剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3686756B2 JP3686756B2 JP10330598A JP10330598A JP3686756B2 JP 3686756 B2 JP3686756 B2 JP 3686756B2 JP 10330598 A JP10330598 A JP 10330598A JP 10330598 A JP10330598 A JP 10330598A JP 3686756 B2 JP3686756 B2 JP 3686756B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- antiperspirant
- pullulan
- present
- siliconeized
- sweat
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Medicinal Preparation (AREA)
- Cosmetics (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、防臭化粧料に関する技術分野の発明であり、より具体的には、制汗剤に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】
不快な体臭を防止することを目的として皮膚外用剤である防臭化粧品の主要な態様の一つとして、その汗を抑制する制汗機能により、過度の発汗による不快感を抑制すると共に、主に汗を原因として発生する不快な体臭を抑制する「制汗剤」が用いられている。
【0003】
従来、このような制汗剤には、アルミニウムハイドロキシクロライド(AHC)や塩化アルミニウム、塩化アルミニウム・ジルコニウム複合体等が、その制汗成分として用いられていた。これらの制汗成分は、皮膚の収れん作用や、汗腺の中で水酸化物のゲルを作るゲル化作用によって、制汗作用を発揮するといわれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これらの従来から用いられている制汗剤においては、通常の発汗量の3割程度は抑えられるが、皮膚上に流れる汗までを止めることは困難であった。また、上記の積極的な薬効を有する制汗成分を大量に使用することは、余り好ましいことではない。
【0005】
そこで、本発明が解決すべき課題は、皮膚上に流れる汗を止めるほど、制汗効果に優れ、かつ安全性にも優れる制汗剤を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、この課題の解決に向けて鋭意検討を重ねた。その結果、高分子皮膜剤であるシリコーン化プルランを、揮発性シリコーンを溶剤として、特定量を、その制汗成分として含む制汗剤は、皮膚上に流れる汗を抑制し得る位、制汗効果に優れ、かつ従来のように、少なくとも薬剤成分を主体して用いない故に、安全性にも優れる制汗剤であることを見出した。すなわち、本発明は、シリコーン化プルランが制汗成分として20.0〜50.0重量%配合され、かつ、当該シリコーン化プルランの溶剤が揮発性シリコーンである、制汗剤(以下、本発明制汗剤という)を提供する発明である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明制汗剤は、その有効成分、すなわち汗を抑えるための成分として、揮発性シリコーン溶解性高分子皮膜剤であるシリコーン化プルランが配合された制汗剤である。なお、シリコーン化プルランは、通常はこれを溶解し得る溶剤である揮発性シリコーンに溶解して、本発明制汗剤の有効成分として用いられる。
【0009】
そして、この揮発性シリコーンは、皮膚刺激性が殆ど認められず、溶剤として用いるのに好適である。
【0010】
このシリコーン化プルランについて簡単に説明する。
シリコーン化プルランは、下記式(I)で表される高分子皮膜剤である。
【化1】
(I)
(式中、Rは水素原子又は
[(CH3)3 SiO]3Si(CH2)3 NHCO基
を意味し、その際、置換度は、0.1〜2.0であり、そして
nは:100〜20000の数である。
ここで、置換度とは、基本単位
【0011】
【化2】
についた置換基[(CH3)3 SiO]3Si(CH2)3 NHCO基の平均数を意味する。
【0012】
この式(I)で表されるシリコーン化プルラン〔以下、シリコーン化プルラン(I)ともいう〕は、水溶性多糖の一種であるプルランを原料として製造される。
このプルランは、Aureobasidium pullulans によって生合成される水溶性の菌体外多糖であり、D−グルコピラノース残基からなる水溶性であり、中性の線状グルカンである。プルラン分子の分子量は、上記の菌体の培養条件やその菌の系統により異なるが、本発明制汗剤に配合されるシリコーン化プルランの原料として用いられ得るプルランの分子量は、50000〜10000000である。
【0013】
シリコーン化プルラン(I)は、プルランから、例えば、特開平8−134103号公報に記載された方法:
プルランの水酸基と、一般式
【0014】
【化3】
〔式中、R1 は炭素数1〜8の1価有機基、R2 ,R3 ,R4 は、各々炭素数1〜8の1価有機基又は−OSiR5 R6 R7 で示されるシロキシ基(R5 ,R6 ,R7 は、各々炭素数1〜8の1価有機基である)、pは1〜10の整数、aは0,1若しくは2、である〕で示されるイソシアナート基を含有するオルガノポリシロキサンとを反応させることにより、シリコーン化プルラン(I)を製造する方法;
【0015】
を用いて製造することが可能である。その際、シリコーン化プルラン(I)の置換度は、0.1〜2.0、好ましくは1.5〜1.9である。
【0016】
このシリコーン化プルラン(I)等の揮発性シリコーン溶解性高分子皮膜剤を溶解する揮発性シリコーンは、公知のものを広く用いることが可能であり、特に限定されず、例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサン,ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等を用いることができる。
【0017】
シリコーン化プルランは、本発明制汗剤の有効成分として、1種を選択することも可能であり、2種以上組み合わせて用いることも可能である。
【0018】
そして、シリコーン化プルランの本発明制汗剤における配合量は、制汗剤全体の20.0〜50.0重量%である。この配合量が制汗剤の20.0重量%未満であると、制汗効果が十分に発揮され難く好ましくなく、50.0重量%を超えると、制汗剤がべたついた使用感を伴う傾向が強くなり好ましくない。
【0019】
このようにして、制汗剤の有効成分として、シリコーン化プルランを配合することにより、皮膚上に流れる汗をも抑制するほどに制汗力に優れ、かつ安全性にも非常に優れる制汗剤が提供される。
【0020】
本発明制汗剤の採り得る形態は、制汗成分としてのシリコーン化プルランを肌上に付着させることができる限り特に限定されず、例えばローション状,エアゾール状,軟膏状,散剤状,固形粉末状,スティック状等、適宜選択することができる。
【0021】
そして、これらの形態に応じて、本発明の所期の効果を損なわない限り、公知の基剤成分等を本発明制汗剤中に配合することが可能であり、例えば、油分,界面活性剤,保湿剤,低級アルコール,防腐剤,香料,キレート剤,酸化防止剤,紫外線吸収剤,ゲル化剤,増粘剤,各種粉末成分等を配合することができる。
【0022】
なお、本発明制汗剤は、上述のように、シリコーン化プルランを配合することで、非常に高い制汗性を発揮し、かつ非常に優れた安全性を有するものであるが、従来から制汗剤中に配合されてきた制汗や防臭に関連する成分の配合を、本発明の所期の効果を損なわない限り妨げるものではない。
【0023】
例えば、パラフェノールスルホン酸亜鉛,クエン酸,各種のアルミニウム塩(例えば,アルミニウムクロロハイドレート等)等の収斂剤;トリクロサン,塩化ベンザルコニウム,塩化ベンゼトニウム,塩酸クロルヘキシジン,グルコン酸クロルヘキシジン,グルコン酸クロルヘキシジン,ハロカルバン等の抗菌剤;亜鉛華,フラボノイド,クロロフィル等の消臭剤;各種のマスキング剤等を、各々の機能に着目して、本発明制汗剤中に配合することができる。
【0024】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、この実施例により、本発明の技術的範囲は限定されない。
なお、配合量は、特に断らない限り、その配合成分を配合する対象に対する重量%で表す。
【0025】
本実施例においては、先ず本発明の効果である制汗効果を検討する試験方法について説明し、次いで、本発明制汗剤の代表的な形態であるローション状制汗剤及びスティック状制汗剤について、その処方を示すと同時に、これらの制汗剤の制汗効果についての検討を、比較例を交えて行った。
【0026】
制汗試験
パネルに石鹸で2回洗顔させた後、15分間安静にする。その後、試験品をそれぞれ、2mg/cm2の割合で額の片側に塗布した。その後、15〜30分間、常温で放置して、試験品中の揮発性溶媒を蒸発させた。
そして、直径約4cmのプラスチック製のシャーレの縁に、無孔性の皮膜で覆われた5mm角のシリコーン発泡体のひもを切れ込みを入れてシャーレの周囲に接着させ(内径が3.6mm)、ここに脱脂綿を均一に詰めたものを測定アタッチメントとして、この総重量を測定した後に、額に接触させ、ヘアバンドで固定した。対照としては、試験品を塗布していない額の反対側に、同様にアタッチメントを装着した。
【0027】
その後、温度30℃・湿度50%の恒温室で、エアロバイク(コンビ社製)を15分こいだ後に、額に装着したアタッチメントの重量を測定し、測定前後の重量差により、エアロバイク運動による発汗量を求め、以下の式により制汗率を計算した。
【0028】
【数1】
(式中、T0 は試験品塗布部の未塗布状態での発汗量を表し、C0 はT0 測定時の未塗布部の発汗量を表す。また、Tはサンプル塗布部の発汗量を表し、CはT測定時の未塗布部の発汗量を表す。)
【0029】
なお、パネルは、各試験について5名として、各々の制汗率の平均を求めて、その結果を、ローション状制汗剤とステイック状制汗剤について検討した。第1表にローション状制汗剤とその制汗試験結果を、第2表にステイック状制汗剤とその制汗試験結果を表す。なお、これらの制汗剤は、公知の手段により、それぞれ製造した。なお、これらの表に記載された実施例1、3〜5(第1表)と、実施例6〜7(第2表)は、本発明の範囲外である。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
これらの結果より、本発明制汗剤は、優れた制汗効果を有することが明らかになった。
また、上記実施例の本発明制汗剤に、公知の方法で、皮膚刺激性に関する試験を行ったところ、いずれの実施例の本発明制汗剤においても、良好な結果、すなわち、「皮膚刺激性が弱い」という結果が得られた。
【0033】
【発明の効果】
本発明により、皮膚上に流れる汗を止めるほど、制汗効果に優れ、かつ安全性にも優れる制汗剤が提供される。
Claims (1)
- シリコーン化プルランが制汗成分として20.0〜50.0重量%配合され、かつ、当該シリコーン化プルランの溶剤が揮発性シリコーンである、制汗剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10330598A JP3686756B2 (ja) | 1998-03-31 | 1998-03-31 | 制汗剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10330598A JP3686756B2 (ja) | 1998-03-31 | 1998-03-31 | 制汗剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11286426A JPH11286426A (ja) | 1999-10-19 |
JP3686756B2 true JP3686756B2 (ja) | 2005-08-24 |
Family
ID=14350527
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10330598A Expired - Fee Related JP3686756B2 (ja) | 1998-03-31 | 1998-03-31 | 制汗剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3686756B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20120201770A1 (en) * | 2011-02-04 | 2012-08-09 | Frentzko Michael J | Treatment of sweating |
MY165096A (en) * | 2011-11-29 | 2018-02-28 | Lion Corp | Deodorant composition |
Family Cites Families (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59152318A (ja) * | 1983-02-16 | 1984-08-31 | Kao Corp | 液状制汗剤組成物 |
JPS608218A (ja) * | 1983-06-28 | 1985-01-17 | Kao Corp | 液状制汗剤組成物 |
JPH0688897B2 (ja) * | 1989-04-28 | 1994-11-09 | 久光製薬株式会社 | エアゾール製剤 |
US5456906B1 (en) * | 1993-11-17 | 2000-12-05 | Gen Electric | Antiperspirant compositions |
EP0754029B1 (en) * | 1994-04-07 | 2002-12-11 | The Gillette Company | Compositions containing film forming antiperspirant polymers |
JP3212492B2 (ja) * | 1994-12-01 | 2001-09-25 | 信越化学工業株式会社 | シリコーンオイル組成物 |
JP3515874B2 (ja) * | 1996-05-16 | 2004-04-05 | 株式会社資生堂 | 口紅組成物 |
JP3515873B2 (ja) * | 1996-05-16 | 2004-04-05 | 株式会社資生堂 | 日焼け止め化粧料 |
JP3515872B2 (ja) * | 1996-05-16 | 2004-04-05 | 株式会社資生堂 | 化粧料 |
US5811487A (en) * | 1996-12-16 | 1998-09-22 | Dow Corning Corporation | Thickening silicones with elastomeric silicone polyethers |
-
1998
- 1998-03-31 JP JP10330598A patent/JP3686756B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11286426A (ja) | 1999-10-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6720006B2 (en) | Anti-microbial body care product | |
US6248339B1 (en) | Fragrant body lotion and cream | |
US4851214A (en) | Deodorants containing N-soya-N-ethyl morpholinium ethosulfate | |
JP2000511184A (ja) | シリコンゲル材料を含有する化粧用クリーム組成物 | |
CZ300198A3 (cs) | Kompozice pro antiperspirační tyčinky a způsob regulace vlhkosti vzniklé pocením | |
KR101642515B1 (ko) | 엘라스토머 물품용 비수성 코팅 조성물 및 이를 함유하는 물품 | |
JPH0227321B2 (ja) | ||
NZ209909A (en) | Sebum-spreading-reducing compositions containing dimethyl silicone polymers | |
WO2018099931A1 (en) | Anti-perspirant composition comprising chitosan | |
ZA200603426B (en) | Underarm products with superabsorbent component | |
CZ147499A3 (cs) | Přípravek absorbující zápach, přípravek absorbující zápach a vlhkost a jejich použití | |
BRPI1009190B1 (pt) | Solar filter composition | |
JP5825053B2 (ja) | 液体制汗デオドラント組成物 | |
WO2013081055A1 (ja) | デオドラント組成物 | |
US4263274A (en) | Antiperspirant compositions and methods | |
EP3313533B1 (en) | Deodorant composition comprising a mixture of alpha, beta and gamma cyclodextrin | |
JP3686756B2 (ja) | 制汗剤 | |
CN1350447A (zh) | 含有环六硅氧烷的防汗、除臭的组合物 | |
JP3886890B2 (ja) | 腋臭防止用化粧料 | |
JPH06509112A (ja) | 液体デオドラント組成物 | |
JP2003081801A (ja) | 防臭化粧料 | |
JP2017122059A (ja) | 体臭抑制剤 | |
WO2012131363A2 (en) | Deodorant formulations | |
JP2005350357A (ja) | 体臭防臭化粧料 | |
JP2005263660A (ja) | 尿素含有皮膚外用剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040526 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040608 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040806 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050517 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050606 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080610 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090610 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090610 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100610 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100610 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110610 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110610 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120610 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130610 Year of fee payment: 8 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |