JP3686365B2 - 回転速度検出システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転速度検出システムに関し、特に、高速回転体の回転速度を高精度で検出する回転速度検出システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般の加工機械には工具やワークを動作させるためのサーボモータ等の回転部分が存在し、高精度の加工を行うためには、これらの回転部分の回転速度や回転位置(角度)を高精度に検出する必要がある。回転速度や回転位置を検出するためにパルスエンコーダが広範に用いられている。
【0003】
近時、生産性と品質の向上を目的として、より高速、高精度でワークを加工することが加工機械に要求されている。これにともない、高速回転する工具軸の回転速度をリアルタイムに、かつ、高精度に検出することが必要となっているが、この高度な要求に対して現状のパルスエンコーダをそのまま適用しても分解能には限界があり、前記パルスエンコーダの出力パルスにおける回転速度の検出結果では、量子化誤差等の影響があり、十分な検出精度が得られない。
【0004】
この不都合に対処するために、例えば、パルスエンコーダのパルスの読み込み方法を変更した装置が提案されている(例えば、特開平5−188067号公報参照)。
【0005】
この装置によれば、パルスエンコーダの出力パルスをパルスカウンタでカウントし、そのカウント値をサンプリング信号に基づいて読み込み、読み込んだカウント値のうちサンプリング直前のn個のパルスを抽出する。
【0006】
また、別途、一定周期で高速のクロックをカウントしておき、前記n個のパルスが発生した時間内のクロック数を求める。このクロック数からn個のパルスが発生した時間を求めることができるので、1個のパルスあたりの平均周期と、その逆数である回転速度とが算出される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の従来例においては、サンプリング直前のn個のパルスだけを抽出して回転速度を算出しているので、サンプリング周期毎の回転速度を正確に表すものではない。また、前記n個のパルス以外は利用されないので誤差が大きくなる。このことは、回転位置を算出するために回転速度を積分したときには、累積誤差となり不都合である。
【0008】
サンプリング周期毎の回転速度を正確に検出することができないということは、回転体の速度制御を行う上で極めて不都合である。なぜなら、速度制御に限らず一般の制御は、一定の制御周期毎に実行されるものであり、これに対応した所定サンプリング周期毎に各種の計測を正確に行うことが前提となっているからである。
【0009】
例えば、歯車研削機のように砥石を備えた工具軸と被研削歯車を回転させるワーク軸とは、砥石の突出部間隔と被研削歯車の歯のピッチに応じた同期速度を正確に維持しながら回転することが必要である。この場合、工具軸は高速回転するが、この回転速度を高精度に検出することができないと、同期を保つことができなくなり加工誤差を生じる。
【0010】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、回転体の回転速度が高速であっても、その回転速度を所定のサンプリング周期毎に高精度に検出することを可能にする回転速度検出システムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る回転速度検出システムは、回転体の回転にともなってパルスを発生する回転センサと、前記パルスの発生周波数より高い周波数のクロックを発生するクロック発生部と、サンプリングの時間内に前記パルスをカウントするパルスカウンタと、サンプリング開始時から最初のパルスまでの時間内の前記クロックの数、または、サンプリング終了時直前のパルスからサンプリング終了時までの時間内の前記クロックの数をカウントする補正カウンタと、前記パルスカウンタでカウントしたパルスカウント値と、前記補正カウンタでカウントした補正カウント値とを用いて、補正パルスカウント値を演算するパルス演算部と、前記パルスカウント値を積算した積算パルスカウント値と前記補正パルスカウント値を積算した積算補正パルスカウント値との大小関係に基づき、前記積算補正パルスカウント値に定数を加算または減算する積算データ補正部とを有することを特徴とする。
【0013】
さらに、前記パルスは、90°の位相差をもつ2相の信号からなり、前記位相差に基づき、前記パルスを4逓倍して用いてもよい。
【0014】
前記パルス演算部は、前記パルスカウント値から1を減算し、前記補正カウント値と前記パルスの周期との比を加算して前記補正パルスカウント値を演算してもよい。
【0015】
このようにすることにより、パルスカウント値だけで検出した量子化誤差を含む回転速度の値を、補正カウント値によってパルスの分解能を補間補正することにより、回転体の回転速度が高速であっても、その回転速度を所定の周期毎に高精度に検出することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る回転速度検出システムについて好適な実施の形態を挙げ、図1〜図4を参照しながら説明する。
【0017】
本実施の形態における回転速度検出システムは、基本的には、パルスエンコーダの出力するパルスを所定のサンプリング周期の間でカウントするとともに、パルスカウントの端数部に相当する区間で、端数部を高速クロックのカウントにより補うものである。
【0018】
図1に示すように、回転速度検出システム10は、工具軸108(図3参照)の回転速度をA相信号12a(パルス)およびB相信号12b(パルス)によって出力するパルスエンコーダ(回転センサ)14と、A相信号12aおよびB相信号12bを処理する処理回路16と、処理回路16の出力する信号に基づき工具軸108の回転速度を演算するマイコン18とを備える。
【0019】
処理回路16は、A相信号12aおよびB相信号12bを4逓倍した逓倍パルス20を出力する4逓倍回路22と、サンプリングパルス24を発振回路によって生成して出力するサンプリング信号発生回路26と、高速クロック28を発振回路によって生成して出力する高速クロック発振回路(クロック発生部)30とを備える。
【0020】
処理回路16は、サンプリングパルス24の周期T(図2参照)の間で逓倍パルス20の数をパルスカウント値pとしてカウントするパルスカウント部32と、パルスカウント値pを補正するための第1および第2補正カウント値fおよびbを生成する第1および第2補正カウント部34、36と、逓倍パルス20の周期で高速クロック28の数をカウントしパルス周期dとして出力するクロックカウント部38を備える。
【0021】
なお、この処理回路16の一部は、ソフトウェアにより構成してもよく、専用IC化することや、マイコン18の有する機能で置き換えることも可能である。
【0022】
パルスエンコーダ14は、90°位相のずれた2つのパルス状信号であるA相信号12aおよびB相信号12bを出力するものであり、この出力は工具軸108の回転速度に応じて刻々変化する。図2に示す例では、A相信号12a、B相信号12bがともにパルス幅が微少幅変動している状態を示す。
【0023】
A相信号12aおよびB相信号12bは4逓倍回路22に供給されており、4逓倍回路22はA相信号12a、B相信号12bの立ち上がりおよび立ち下がりを検出して4逓倍し、瞬時的な逓倍パルス20として出力する(図2参照)。A相信号12aおよびB相信号12bの出力周波数をFとすると、逓倍パルス20の周波数はその4倍である4Fとなる。
【0024】
サンプリング信号発生回路26は、内部に発振回路を有し、この発振回路により一定の周期Tのサンプリングパルス24を出力する。周期Tは、逓倍パルス20より遅い周期に設定される。従って、この周期Tの間に複数の逓倍パルス20が発生することとなる。
【0025】
サンプリングパルス24は、パルスカウント部32、第1および第2補正カウント部34、36に供給されるとともに、マイコン18にも供給されている。
【0026】
高速クロック発振回路30は、内部に発振回路を有し、この発振回路により一定の周期の高速クロック28を出力する。この高速クロック28は、逓倍パルス20より速い周期に設定される。従って、逓倍パルス20の周期の間に複数の高速クロック28が発生することとなる。
【0027】
具体的には、通常使用する回転数領域において、高速クロック28は、逓倍パルス20の周波数の10倍以上に設定されると好適である。
【0028】
パルスカウント部32は、逓倍パルス20をカウントするパルスカウンタ32aと、パルスカウンタ32aのカウント値をラッチしてパルスカウント値pを出力するパルスラッチ回路32bとから構成されている。パルスラッチ回路32bは、パルスカウンタ32aがカウントする逓倍パルス20のカウント値を読み込むとともに、サンプリングパルス24の立ち上がりによってそのカウント値をラッチしパルスカウント値pとする。このとき、パルスカウンタ32aのカウント値も0にクリアされ、その直後から、逓倍パルス20のカウントを継続する。
【0029】
また、カウント値を0にクリアしなくても、ソフトウェアにより前サンプリング時のパルスカウント値pとの差を求め、その差によりパルスカウント値pを更新して求めるようにしてもよい。
【0030】
図2に示す例では、サンプリングパルス24の立ち上がりによって区分される3つの区間T1、T2およびT3において、逓倍パルス20の数であるパルスカウント値pが、それぞれp=6、p=5およびp=7としてカウントされた例を示す。
【0031】
なお、パルスカウント値pは、周期Tにおける工具軸108の回転速度を表すものであるが、逓倍パルス20の数を単位とした整数、つまりデジタル値として表されており、所謂、量子化誤差の影響により精密加工に要求される精度には不十分である。例えば、図2の区間T1では、p=6であるが、逓倍パルス20の個数を単位としてタイムチャートから読みとると、5.6程度がより正確な数値である。
【0032】
第1補正カウント部34および第2補正カウント部36は、上記量子化誤差の影響を補うものであり、まず、第1補正カウント部34は、高速クロック28をカウントする第1補正カウンタ34aと、第1補正カウンタ34aのカウント値を逓倍パルス20によってラッチして第1補正カウント値fを出力する第1補正ラッチ回路34bとを有する。第1補正ラッチ回路34bは、第1補正カウンタ34aがカウントする高速クロック28のカウント値を読み込むとともに、逓倍パルス20の立ち上がりによってそのカウント値をラッチし第1補正カウント値fとする。また、第1補正カウンタ34aはサンプリングパルス24の立ち上がりによってカウント値が0にクリアされる。
【0033】
このようにカウントすることにより、図2に示す例では、区間T1、T2およびT3において、第1補正カウント値fは、それぞれf=2、f=6およびf=1としてカウントされる。
【0034】
第2補正カウント部36は、高速クロック28をカウントする第2補正カウンタ36aと、第2補正カウンタ36aのカウント値をサンプリングパルス24によってラッチして第2補正カウント値bを出力する第2補正ラッチ回路36bとを有する。第2補正ラッチ回路36bは、第2補正カウンタ36aがカウントする高速クロック28のカウント値を読み込むとともに、第2サンプリングパルス24の立ち上がりによってそのカウント値をラッチし第2補正カウント値bとする。また、第2補正カウンタ36aは逓倍パルス20の立ち上がりによってカウント値が0にクリアされる。
【0035】
このようにカウントすることにより、図2に示す例では、区間T1、T2およびT3において、第2補正カウント値bは、それぞれb=4、b=9およびb=1としてカウントされる。
【0036】
クロックカウント部38は、高速クロック28をカウントするクロックカウンタ38aと、クロックカウンタ38aのカウント値をラッチしてパルス周期dを出力するクロックラッチ回路38bとから構成されている。クロックラッチ回路38bは、クロックカウンタ38aがカウントする高速クロック28のカウント値を読み込むとともに、逓倍パルス20の立ち上がりによってそのカウント値をラッチしパルス周期dとする。このとき、クロックカウンタ38aのカウント値も0にクリアされ、その直後から、高速クロック28のカウントを継続する。
【0037】
図2に示す例では、サンプリングパルス24の立ち上がり箇所直前の2つの逓倍パルス20によって区分される区間d1、d2およびd3において、パルス周期dは、それぞれd=10、d=10およびd=11としてカウントされる。なお、クロックカウント部38は、これ以外の任意の区間においてもパルス周期dをカウントすることが可能である。
【0038】
マイコン18は、所謂、ワンチップマイコンであり、信号の入出力を行うインターフェース(IF)40と、制御および演算手段としてのCPU42と、記憶部としてのROM44、RAM46とを備えている。
【0039】
ROM44には、回転速度検出システム10の処理を行うプログラム48が記録されており、CPU42はこのプログラム48に従って処理を行う。また、処理過程において使用する数値および変数はRAM46に記憶可能である。
【0040】
プログラム48には、パルス演算部50および積算データ補正部52が組み込まれている。
【0041】
パルス演算部50は、パルスカウンタでカウントしたパルスカウント値pを、第1および第2補正カウント部34、36でカウントした第1および第2補正カウント値f、bを用いて補正し、補正パルスカウント値Wを演算する機能をもつ。
【0042】
積算データ補正部52は、パルスカウント値pを積算した積算パルスカウント値Psと補正パルスカウント値Wを積算した積算補正パルスカウント値Wsとの大小関係に基づいて、積算補正パルスカウント値Wsを補正する機能をもつ。
【0043】
回転速度検出システム10が適用される歯車研削機100の基本構成について図3を参照しながら説明する。
【0044】
歯車研削機100は、ワークとしての被研削歯車102の歯面を研削する加工機械であり、被研削歯車102が配設される切込テーブル104と、被研削歯車102を研削する螺旋状の突起106aをもつ砥石106を有する。砥石106は工具軸108を介してスピンドルモータ110に接続されている。工具軸108の上端部には、回転速度を検出するためのパルスエンコーダ14がカップリング112を介して接続されている。
【0045】
被研削歯車102は、予め基礎となる歯102aが形成されているワークであり、切込テーブル104の上面に設けられた軸受ブラケット114に着脱自在に配設される。歯102aは、砥石106の突起106aに対向する向きに設定されている。また、被研削歯車102は、図示しないモータによって回転可能である。
【0046】
切込テーブル104は、矢印X方向に進退可能であり、砥石106の方向へ移動することで砥石106の突起106aと被研削歯車102の歯102aが噛合して当接する。この状態で歯102aと突起106aのそれぞれのピッチに応じた同期速度で被研削歯車102および砥石106を回転させることにより被研削歯車102の歯面を研削する。
【0047】
なお、砥石106が1条砥石の場合、被研削歯車102が1ピッチ分だけ回転する間に砥石106は1回転することから、被研削歯車102に比較して、砥石106および工具軸108は高速で回転することとなる。
【0048】
次に、このように構成される回転速度検出システム10の動作について図4を参照しながら説明する。
【0049】
以下の処理は、CPU42がROM44に格納されたプログラム48に従って処理するものである。また、この処理はサンプリングパルス24に同期して周期T毎に実行される割り込み処理とする。
【0050】
図4のステップS1において、サンプリングパルス24の立ち上がり信号(例えば、図2の時刻t1の立ち上がり信号)によりCPU42に割り込み指令が伝わり、割り込み処理を開始する。
【0051】
次に、ステップS2において、CPU42はインターフェース40を介して、パルスラッチ回路32bにラッチされたパルスカウント値pを読み込む。また、第1および第2補正ラッチ回路34b、36bにラッチされた第1および第2補正補正カウント値fおよびbを読み込む。
【0052】
図2の時刻t1においては、p=6、d=10、f=2およびb=4として読み込まれる。
【0053】
パルス周期dについては、割り込み処理が実行される時間の近傍において適当な平均化処理を行ってもよいことはもちろんであり、さらに、回転速度がほぼ一定である工具軸108に対して適用する場合には、パルス周期dは前回サンプリング時の補正パルスカウント値Wとサンプリング周期Tから算出してもよい。また、第1補正カウント値fについても前回サンプリング時のパルス周期dおよび第2補正カウント値bから算出してもよい。この場合、パルス周期dはd=T/Wとして求められ、第1補正カウント値fは、f=d−bとして求められる。
【0054】
次に、ステップS3において、積算パルスカウント値Psに対してパルスカウント値pを積算する。この処理は、回転速度を表すパルスカウント値pを積分することと等価の処理であることから、積算パルスカウント値Psは工具軸108の総回転角位置を表す。
【0055】
積算パルスカウント値Psが、時刻t0において0に初期化されたものと仮定すれば、時刻t1から実行される処理においてはPs=6となる。この積算パルスカウント値PsはRAM46に記憶しておく。
【0056】
次に、ステップS4において、パルス演算部50の機能により、補正パルスカウント値Wを次の(1)式により演算する。
【0057】
【数1】
Figure 0003686365
【0058】
この(1)式のうち「(f+b)/d」は、パルス周期dに対する第1および第2補正カウント値f、bの和であり、パルスカウント値pで計測不能である端数部を表す。より具体的には、±1の範囲の分数値を表す。
【0059】
そして、「(f+b)/d」と「p−1」とを加算することにより、パルスカウント値pを基準にして、±1の範囲で端数部を補った値として補正パルスカウント値Wが求まる。
【0060】
図2の区間T1における例では、W=((2+4)/10)+6−1=5.6となり、タイムチャートから目視により読みとった値とほぼ一致する。
【0061】
次に、ステップS5において、積算補正パルスカウント値としての積算補正パルスカウント値Wsに対して補正パルスカウント値Wを積算する。この積算補正パルスカウント値Wsは、積算パルスカウント値Psと同様に工具軸108の総回転角位置を表す。
【0062】
ただし、積算パルスカウント値Psは量子化誤差を含むものであるが、パルスカウント値pを積算したものなので演算による累積誤差はない。一方、積算補正パルスカウント値Wsは補正パルスカウント値Wを積算したものなので量子化誤差による影響は小さくなるものの、補正にともなう演算誤差が累積される。
【0063】
図2に示す例では、積算補正パルスカウント値Wsが時刻t0において0に初期化されたものとすれば、時刻t1から実行される処理において、Ws=5.6となる。この積算補正パルスカウント値WsはRAM46に記憶しておく。
【0064】
ステップS6において、RAM46に記憶されている積算補正パルスカウント値Wsと積算パルスカウント値Psとの偏差ε(ε=Ws−Ps)を求める。
【0065】
図2の例について説明すると、時刻t3においては、積算パルスカウント値Psは、Ps=6+5+7=18である。
【0066】
また、区間T2における補正パルスカウント値Wは、p=5、b=6、f=9、d=10(区間d2)であるから、W=((6+9)/10)+5−1=5.5である。同様に、区間T3における補正パルスカウント値Wは、W=((1+1)/11)+7−1=6.2である。従って、時刻t3における積算補正パルスカウント値WsはWs=5.6+5.5+6.2=17.3である。
【0067】
結果、偏差εはε=Ws−Ps=17.3−18=−0.7となる。
【0068】
次に、偏差εの値により、ε<0であればステップS7へ移り、ε>0であればステップS8へ移る。またε=0であれば処理を終了する。上記の例では、偏差εはマイナス値であることからステップS7へ移る。
【0069】
ステップS7においては、積算補正パルスカウント値Wsに定数αを加算し、またステップS8においては、積算補正パルスカウント値Wsから定数αを減算する。
【0070】
定数αは1より小さい定数であり、システムに応じて適宜設定しておけばよい。すなわち、積算補正パルスカウント値Wsはパルスカウント値pより高精度である補正パルスカウント値Wから算出された数値であるので、パルスカウント値pから算出された積算パルスカウント値Psよりも高い精度を持つ一方、演算誤差等の誤差を含んでいる可能性もある。そこで、偏差εの符号が誤差の符号と一致すると推定し、定数αだけ加減算することで誤差を排除するものである。このように、定数αを適切に設定することにより、積算補正パルスカウント値Wsの誤差が累積されることを防ぐことができる。
【0071】
例えば、偏差εがε=−0.7で、定数αを0.1と設定したときは、Ws=17.3+0.1=17.4とすることができる。
【0072】
このようにして求めた補正パルスカウント値Wおよび積算補正パルスカウント値Wsは、インターフェース40を介して図示しない外部機器へ供給したり、またはROM44に格納される他のプログラム(例えば、工具軸108の回転数制御のプログラム)で利用する。
【0073】
なお、ステップS6〜S8の処理は、積算データ補正部52の機能によって実行される。
【0074】
ステップS7またはS8が終了した後、割り込み処理を一度終了し、その後周期T毎に再度実行する。
【0075】
このように、本実施の形態に係る回転速度検出システム10によれば、パルスエンコーダ14が発生するA相信号12aおよびB相信号12bの周波数より高い周波数の高速クロック28を利用することにより精度の高い回転数検出が可能である。すなわち、A相信号12aおよびB相信号12bを4逓倍した逓倍パルス20をカウントするパルスカウント部32によりパルスカウント値pをカウントするとともに、周期Tの開始時および周期Tの終了時に、逓倍パルス20までの間に高速クロック28の数をカウントして第1および第2補正カウント値fおよびbを得ることができる。第1および第2補正カウント値fおよびbによってパルスカウント値pを補正して、補正パルスカウント値Wを求めることができる。
【0076】
このとき、補正カウント値fおよびbは逓倍パルス20より十分に速い高速クロック28に基づいてカウントされたものであるため、パルスカウント値p間の検出不可能な端数部を補間補正することができる。また、補間補正は簡便な式である上記(1)式によって演算可能である。
【0077】
また、回転速度検出システム10によれば、A相信号12a、B相信号12bは、90°の位相差をもつ2相の信号であり、この位相差を利用して4逓倍して用いている。このことは、A相信号12a、B相信号12bの立ち上がりおよび立ち下がりの全ての情報を利用していることなので、パルスエンコーダ14の有する性能を十分に発揮することができる。
【0078】
さらに、パルスカウント値pを積算した積算パルスカウント値Psと補正パルスカウント値Wを積算した積算補正パルスカウント値Wsとの大小関係に基づいて、積算補正パルスカウント値Wsに定数αを加算または減算するので、積算補正パルスカウント値Wsの誤差を低減することができる。
【0079】
この回転速度検出システム10を歯車研削機100に適用すると、工具軸108の回転速度を高精度に検出することができ、回転同期速度を正確に保持することができる。その結果、被研削歯車102の加工誤差を小さくすることができる。
【0080】
なお、回転センサとしてはパルスエンコーダ14に限らず、パルスを出力する形式のものであればよい。
【0081】
この発明に係る回転速度検出システムは、上述の実施の形態例に限らず、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る回転速度検出システムによれば、回転体の回転速度が高速であっても、その回転速度を所定のサンプリング周期毎に高精度に検出することができるという効果が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る回転速度検出システムのブロック図である。
【図2】A相信号、B相信号、逓倍パルス、高速クロックおよびサンプリングパルスのタイムチャートである。
【図3】歯車研削機の基本構成を示す説明図である。
【図4】回転速度検出システムの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…回転速度検出システム 12a…A相信号
12b…B相信号 14…パルスエンコーダ
16…処理回路 18…マイコン
20…逓倍パルス 22…4逓倍回路
24…サンプリングパルス 26…サンプリング信号発生回路
28…高速クロック 30…高速クロック発振回路
32…パルスカウント部 34…第1補正カウント部
36…第2補正カウント部 38…クロックカウント部
42…CPU 44…ROM
46…RAM 50…パルス演算部
52…積算データ補正部 100…歯車研削機

Claims (3)

  1. 回転体の回転にともなってパルスを発生する回転センサと、
    前記パルスの発生周波数より高い周波数のクロックを発生するクロック発生部と、
    サンプリングの時間内に前記パルスをカウントするパルスカウンタと、
    サンプリング開始時から最初のパルスまでの時間内の前記クロックの数、または、サンプリング終了時直前のパルスからサンプリング終了時までの時間内の前記クロックの数をカウントする補正カウンタと、
    前記パルスカウンタでカウントしたパルスカウント値と、前記補正カウンタでカウントした補正カウント値とを用いて、補正パルスカウント値を演算するパルス演算部と
    前記パルスカウント値を積算した積算パルスカウント値と前記補正パルスカウント値を積算した積算補正パルスカウント値との大小関係に基づき、前記積算補正パルスカウント値に定数を加算または減算する積算データ補正部と、
    を有することを特徴とする回転速度検出システム。
  2. 請求項1記載の回転速度検出システムにおいて、
    前記パルスは、90°の位相差をもつ2相の信号からなり、
    前記位相差に基づき、前記パルスを4逓倍して用いることを特徴とする回転速度検出システム。
  3. 請求項1又は2記載の回転速度検出システムにおいて、
    前記パルス演算部は、前記パルスカウント値から1を減算し、前記補正カウント値と前記パルスの周期との比を加算して前記補正パルスカウント値を演算することを特徴とする回転速度検出システム。
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