JP3686351B2 - ラベル帳票 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラミネートラベルを容易に作成し得るラベル帳票に関する。
【0002】
【従来の技術】
透明ラベル片の表面に所要情報を裏向き表示し、その情報表示面に不透明ラベル片を積層してなり、透明ラベル片の裏面に形成した粘着剤層を介して透明なウインドウガラス等の内側に貼着することにより、該ウインドウガラス等の外側から所要情報を視認し得るようにしたラミネートラベルが知られている。ここで、透明ラベル片に積層される不透明ラベル片は、透明ラベル片の情報表示面を保護し、かつ、その表示情報の改ざんを防止するとともに、ウインドウガラス等の外側から所要情報を目視した場合において、裏面側への光の透過を遮断して、該所要情報の視認性を高める作用を生じるものであり、また、該不透明ラベル片の表面には、必要に応じて透明ラベル片に表示される情報と同一内容の情報や注意文等の異なる情報が表示される。
【0003】
かかるラミネートラベルは、例えば、監督官庁が許可制の業務を行う企業に対して発行する営業許可証や、大学或いは企業等が構内への乗り入れを許可した車両の使用者に対して発行する入校許可証,駐車許可証,入場許可証等として使用されている。
【0004】
従来、このようなラミネートラベルの作成には、透明ラベル片及び不透明ラベル片に表示される所要情報を印刷するための専用のラベル印刷機と、該ラベル印刷機による印刷済みの両ラベル片の積層加工,及びその他の所要加工を行う専用のラミネート加工機とが使用されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のラミネートラベルの作成には、上述したように専用機としてのラベル印刷機及びラミネート加工機を必要とするが、このような専用機は高価であるため、作成するラミネートラベルが少量である場合にはコスト面で導入が困難であり、また、ラベル印刷機及びラミネート加工機の設置には比較的広いスペースが必要であるため、その設置スペースがない場所では導入することができないという問題点があった。
【0006】
また、貼着した状態でウインドウガラス等の外側から視認されることとなる所要情報は、不透明ラベル片が積層される透明ラベル片の表面側に印刷されるため、店名,許可番号,車両ナンバー等の個別的な可変情報が簡単に表示できないという問題点があった。
【0007】
本発明は、高価な専用機を必要とせず、個別的な可変情報の表示が簡単で、ラミネートラベルを容易に作成し得るラベル帳票を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、剥離剤層を備えた第一担持面と、剥離剤層を備えた第二担持面とを、台紙を横断するように形成した谷折り可能な第一折り線を介して連成するとともに、第二担持面の所定位置に前記第一折り線と平行する山折り可能な第二折り線を形成して、該第二折り線と第一折り線間に位置する部分を折込み片部とし、第一担持面に、裏面に粘着剤層を備えた透明ラベル片を剥離可能に仮着する一方、第二担持面に、前記透明ラベル片と中心位置が幅方向で一致し、かつ第二折り線を跨ぐようにして、裏面に粘着剤層を備えた不透明ラベル片を剥離可能に仮着してなり、該不透明ラベル片は、台紙を第一折り線で谷折りにし、第二折り線で山折りにしてZ状に折り畳むことにより前記透明ラベル片上に積層されるものであることを特徴とするラベル帳票である。
【0009】
かかる構成にあって、透明ラベル片の表面に、コンピュータで出力制御されるプリンタによって所要情報を裏向きに印字し、かつ必要に応じて、不透明ラベル片の表面にも所要情報を印字した後、折込み片部から不透明ラベル片の前端部分を剥離するとともに、台紙を第一折り線で谷折りにし、第二折り線で山折りにしてZ状に折り畳むことにより、折込み片部から剥離した不透明ラベル片の前端部分が前方に延出することとなる。そして、この状態で、不透明ラベル片の前端部分を透明ラベル片の前端部分に積層し、次いで不透明ラベル片の残りの部分を第二担持面から剥離して透明ラベル片に積層することにより、ラミネートラベルを手作業で簡単に作成することができる。
【0010】
また、上記構成にあって、第一折り線から、透明ラベル片上に積層された状態における不透明ラベル片の前端までの距離をL1とし、第一折り線から第二折り線までの距離をL2とし、第二折り線から、第二担持面に仮着された不透明ラベル片の前端までの距離をL3とすると、L1≒L2+L3の関係を満たすようにする構成が提案される。これにより、台紙をZ状に折り畳んだ状態において、不透明ラベル片の前端部分と、透明ラベル片の前端部分との位置合わせを簡単に行うことができ、位置ずれや皺を生じることなく、不透明ラベル片を積層することが可能となる。
【0011】
また、第一担持面に仮着される透明ラベル片に予め地紋を印刷形成するようにしてもよい。ここで、該地紋は、透明ラベル片に印字される所要情報の視認性を阻害しない程度の色及び濃度とすることが望ましい。このように、透明ラベル片に予め地紋を印刷形成しておくことにより、ラミネートラベルの偽造を困難とし、その美観を向上させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかるラベル帳票1の一実施例を、図1,図2について説明する。
【0013】
ラベル帳票1の台紙2は矩形状に形成されており、該台紙2はその表面にシリコンを塗布してなる剥離剤層3を備えている。ここで、該剥離剤層3は、図2に示すように、台紙2の全面に形成してもよいし、或いは後述する透明ラベル片10及び不透明ラベル片13の仮着部分にのみ形成するようにしてもよい。また、台紙2の素材には、適宜の耐屈撓性を有する上質紙,合成紙等が用いられる。
【0014】
台紙2には、長手方向を略二等分する位置に、該台紙2を横断するようにして谷折り可能な第一折り線4が形成されており、該第一折り線4を介して第一担持面5と、第二担持面6が連成されている。また、第二担持面6の所定位置には、前記第一折り線4と平行する山折り可能な第二折り線7が形成されており、該第二折り線7と前記第一折り線4間に位置する部分を折込み片部8としている。前記第一折り線4及び第二折り線7は、ミシン目や、加圧加工により形成した線状の凹溝、或いは紙厚を切断しないハーフカット線等からなり、後述するように両折り線4,7で台紙2をZ状に折り畳む時に、その折り畳み作業を容易に行い得るようになっている。
【0015】
前記第一担持面5の略中央位置には、裏面に粘着剤層9を備えた矩形状の透明ラベル片10が剥離可能に仮着されている。該透明ラベル片10の素材には、PET等の透明な合成樹脂フィルムが好適に用いられ得る。尚、該透明ラベル片10は、無色透明なもの以外に、材質を通して裏面側が透視可能であれば半透明であってもよい。また、該透明ラベル片10に予め地紋11を印刷形成しておいてもよい。該地紋11は、後述するように透明ラベル片10にプリンタで印字される所要情報15(図3参照)の視認性を阻害しない程度の色及び濃度とすることが望ましく、また、その印刷態様として網点印刷が好ましい。このように、透明ラベル片10に予め地紋11を印刷形成しておくことにより、ラミネートラベルの偽造を困難とし、その美観を向上させることができる。
【0016】
一方、前記第二担持面6には、裏面に粘着剤層12を備えた矩形状の不透明ラベル片13が剥離可能に仮着されている。該不透明ラベル片13は、前記透明ラベル片10と略同じ大きさに形成されており、該透明ラベル片10と幅方向で一致する位置に、第二折り線7を跨ぐ状態で仮着される。ここで、図1に示すように、第一折り線4から、透明ラベル片10上に積層された状態における不透明ラベル片13(同図に想像線で示す)の前端までの距離をL1とし、第一折り線4から第二折り線7までの距離をL2とし、第二折り線7から、第二担持面6に仮着された不透明ラベル片13の前端までの距離をL3とすると、
L1≒L2+L3
の関係を満たすようにすることが望ましい。
【0017】
また、第一折り線4から、透明ラベル片10上に積層された状態における不透明ラベル片13の前端までの距離をL1とし、第一折り線4から、第二担持面6に仮着された不透明ラベル片13の前端までの距離をL4とすると、第二担持面6に形成される第二折り線7の第一折り線4からの距離L2は、
L2≒(L1+L4)/2
の関係となるようにすることが望ましい。
【0018】
前記不透明ラベル片13には、上質紙系の不透明なラベルが用いられ、これには、熱転写ラベル,合成紙ラベル,コート紙ラベル等が挙げられる。該不透明ラベル片13の色は、透明ラベル片10にプリンタで印字される所要情報15の視認性を高めるためになるべく白色系とすることが望ましい。該不透明ラベル片13の表面には、図1に示すように、ラミネートラベルの使用上の注意事項等の情報14を予め印刷形成しておいてもよい。また、該情報14の印刷に代えて、透明ラベル片10への所要情報15の印字時に該情報14を同時に印字してもよく、さらに、該情報14の事前印刷時に空白の印字領域を設定し、該印字領域に対して透明ラベル片10への所要情報15の印字時に情報14以外の情報を印字するようにしてもよい。この場合には、情報14に加えて個別的な可変情報の表示が可能となる。また、不透明ラベル片13の表面の全域を空白の印字領域とし、該印字領域に対して透明ラベル片10に印字される所要情報15と同一内容の情報を印字するようにしてもよい。
【0019】
次に、かかる構成からなるラベル帳票1を用いたラミネートラベルの作成方法について説明する。ラベル帳票1は、上述した形態で公官庁,大学或いは企業等に納品される。そして、該ラベル帳票1の透明ラベル片10に、パソコン等のコンピュータで出力制御されるプリンタを用いて、図3に示すように、営業許可証,入校許可証,駐車許可証,入場許可証等としての所要情報15を裏向きに印字する。また、必要に応じて不透明ラベル片13の表面にも印字を表向きで施してもよい。ここで、印字に使用するプリンタは、現在普及しているレーザープリンタ,インクジェットプリンタ等のノンインパクトプリンタや、熱転写プリンタ或いはワイヤドットプリンタ等のプリンタが使用可能である。
【0020】
上記のように透明ラベル片10及び不透明ラベル片13にプリンタで印字を施した後、図4に示すように、折込み片部8から不透明ラベル片13の前端部分を剥離するとともに、台紙2を第一折り線4で谷折りにし、第二折り線7で山折りにしてZ状に折り畳むことにより、折込み片部8から剥離した不透明ラベル片13の前端部分が前方に延出することとなる。そして、この状態で、不透明ラベル片13の前端部分を透明ラベル片10の前端部分に裏面の粘着剤層12の接着力を介して積層し、次いで不透明ラベル片13の残りの部分を第二担持面6から剥離して、粘着剤層12の接着力を介して透明ラベル片10に積層することにより、図5に示すラミネートラベルAが作成される。
【0021】
ここで、上述したL1≒L2+L3の関係を満たすようにラベル帳票1を構成しておくことにより、台紙2をZ状に折り畳んだ状態において、不透明ラベル片13の前端部分と、透明ラベル片10の前端部分との位置合わせを簡単に行うことができ、位置ずれや皺を生じることなく、不透明ラベル片13を積層することができる。
【0022】
上記のように作成されたラミネートラベルAは、第一担持面5の剥離剤層3上に粘着剤層9を介して剥離可能に仮着された状態であるため、該第一担持面5から簡単に剥離することができる。そして、該ラミネートラベルAを第一担持面5から剥離して粘着剤層9を介して透明なウインドウガラス等の内側に貼着することにより、図6に示すように、ウインドウガラス等の外側から所要情報15を視認し得るものとなる。
【0023】
尚、上記実施例では、透明ラベル片10及び不透明ラベル片13を矩形状としたが、該透明ラベル片10及び不透明ラベル片13は、円形,楕円形,多角形その他の任意の形状とすることができる。
【0024】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、コンピュータで出力制御されるプリンタによって所要情報を印字することができ、台紙をZ状に折り畳むことによって、不透明ラベル片の透明ラベル片に対する積層操作を簡単に行い得るので、従来のように、高価な専用機を必要とせず、個別的な可変情報の表示が簡単で、ラミネートラベルを手作業で容易に作成し得る優れた効果がある。
【0025】
また、第一折り線から、透明ラベル片上に積層された状態における不透明ラベル片の前端までの距離をL1とし、第一折り線から第二折り線までの距離をL2とし、第二折り線から、第二担持面に仮着された不透明ラベル片の前端までの距離をL3とすると、L1≒L2+L3の関係を満たすように構成することにより、台紙をZ状に折り畳んだ状態において、不透明ラベル片の前端部分と、透明ラベル片の前端部分との位置合わせを簡単に行うことができ、位置ずれや皺を生じることなく、不透明ラベル片を積層することが可能となる。
【0026】
さらに、第一担持面に仮着される透明ラベル片に予め地紋を印刷形成しておくことにより、ラミネートラベルの偽造を困難とし、その美観を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるラベル帳票の平面図である。
【図2】同上のラベル帳票の縦断側面図である。
【図3】透明ラベル片に印字を施した状態を示すラベル帳票の平面図である。
【図4】積層操作状態を示すラベル帳票の概略側面図である。
【図5】完成したラミネートラベルの縦断側面図である。
【図6】ウインドウガラス等の内側に貼着されたラミネートラベルを外側から目視した状態を示す参考図である。
【符号の説明】
1 ラベル帳票
2 台紙
3 剥離剤層
4 第一折り線
5 第一担持面
6 第二担持面
7 第二折り線
8 折込み片部
9 粘着剤層
10 透明ラベル片
11 地紋
12 粘着剤層
13 不透明ラベル片
A ラミネートラベル

Claims (3)

  1. 剥離剤層を備えた第一担持面と、剥離剤層を備えた第二担持面とを、台紙を横断するように形成した谷折り可能な第一折り線を介して連成するとともに、第二担持面の所定位置に前記第一折り線と平行する山折り可能な第二折り線を形成して、該第二折り線と第一折り線間に位置する部分を折込み片部とし、第一担持面に、裏面に粘着剤層を備えた透明ラベル片を剥離可能に仮着する一方、第二担持面に、前記透明ラベル片と中心位置が幅方向で一致し、かつ第二折り線を跨ぐようにして、裏面に粘着剤層を備えた不透明ラベル片を剥離可能に仮着してなり、該不透明ラベル片は、台紙を第一折り線で谷折りにし、第二折り線で山折りにしてZ状に折り畳むことにより前記透明ラベル片上に積層されるものであることを特徴とするラベル帳票。
  2. 第一折り線から、透明ラベル片上に積層された状態における不透明ラベル片の前端までの距離をL1とし、第一折り線から第二折り線までの距離をL2とし、第二折り線から、第二担持面に仮着された不透明ラベル片の前端までの距離をL3とすると、
    L1≒L2+L3
    の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載したラベル帳票。
  3. 第一担持面に仮着される透明ラベル片に予め地紋を印刷形成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載したラベル帳票。
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