JP3686124B2 - 電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法 - Google Patents

電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、電子ビームテストシステムを使用する半導体集積回路の故障解析方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図12は、従来の半導体集積回路チップの故障解析装置の構成を示す概念図である。図12において、1は回路動作の解析の対象となる半導体集積回路チップ、6は半導体集積回路の内部診断のため真空中で被測定半導体集積回路チップ1の配線等に電子ビームを走査しつつ照射し、その部分から発生する二次電子のエネルギー変化から回路の電圧を測定する電子ビーム装置、7は外部からテストパターンを入力するとともに半導体集積回路チップ1にテストパターンに応じた信号を発生するテスター、8は電子ビーム装置6とテスター7を接続する信号ケーブル、9は電子ビーム装置6に設けられたテスト結果を表示するためのモニターである。
【0003】
テスター7からテストパターンをケーブル8を通して電子ビーム装置6に入力することにより、半導体集積回路チップ1内部の論理回路を動作させてから解析を行う。電子ビーム装置6は、被測定半導体集積回路チップ1の信号状態を、走査型電子顕微鏡(以下SEMという。)の像としてモニター9に表示する。この時、半導体集積回路チップ1の論理回路の信号レベル及び信号周波数に応じて、像の明暗や干渉縞が現れる。この明暗や干渉縞によってチップ上に形成された半導体集積回路の動作を非接触で解析することができる。また、モニター9には、テスター7を通じて入力されたマスクデータ、論理シミュレーション結果及び回路接続情報等に基づいて、レイアウト図、論理回路図及びシミュレーション波形等が表示できる。モニター9の表示画面を切り換えながら、あるいはレイアウト図等及び観測された像をあわせて表示して、電子ビーム装置6のモニター9上で測定個所の移動の指示など全ての操作が行える。
【0004】
図13は、従来の電子ビームテストシステムの構成の概念を示すブロック図である。図13において、20は観測された像のデータやマスクデータなどのデータを処理してモニターに表示する表示手段、21は電子ビームを走査しながら照射して半導体集積回路チップからの二次電子を受けて半導体集積回路チップの内部信号を観測するための観測手段、22は表示手段20から与えられる観測位置のデータやテストパターンに基づいた信号を観測手段21に与えるなど観測を制御するための制御手段、23は制御手段22から与えられる命令に基づいて観測手段21が被測定半導体集積回路チップ上において電子ビームを走査する範囲を指示する観測位置指示手段、24は半導体集積回路の回路パターンに応じたマスクを作成するためのマスクデータ、25は半導体集積回路がテストパターンに対応して出力する波形データを格納した論理シミュレーション結果、26は半導体集積回路を構成している素子あるいは機能ブロックの接続関係を格納した回路接続情報、27は表示手段20のモニターにマスクデータ24を表示するための表示データを生成するマスクデータ表示画像表示データ生成手段、28は表示手段20のモニターに論理シミュレーション結果25を表示するための表示データを生成する論理シミュレーション結果の波形表示データ生成手段、29は回路接続情報26に基づいて表示手段20のモニターに論理回路図表示画像を表示するための表示データを生成する論理回路図表示画像表示データ生成手段である。
【0005】
マスクデータ24や論理シミュレーション結果25や回路接続情報26などの設計データをマスクデータ表示画像表示データ生成手段27や論理シミュレーション結果の波形表示データ生成手段28や論理回路図表示画像表示データ生成手段29において表示可能なデータに加工される。電子ビーム装置6のモニター9に表示されるレイアウト図や論理回路図等は、その加工されたデータが表示手段20に出力されて表示されたものである。なお、表示手段20において、例えば、モニターのレイアウト図上で指示した位置に連動するように制御手段22及び観測位置指示手段23によってSEM像の観測位置が観測手段21へ指示される。例えば、論理回路図上で観測位置を指示することによって、観測位置が指示された場所に移動するので、オペレータは、SEM像上の位置と論理回路図上の位置との対応関係を容易に認識することができる。
【0006】
図14は、モニター9の表示の一例を示す絵画図である。図14において、9Aはモニター9の画面、11は画面9Aに表示された被測定半導体集積回路11のSEM像、12は画面9Aに表示された被測定半導体集積回路チップ1の設計データに基づいたレイアウト図、13は画面9Aに表示された被測定半導体集積回路チップ1の設計データに基づいた論理回路図、14は画面9Aに表示された被測定半導体集積回路チップ1におけるSEM像11中の指定された配線の信号波形、15は論理シミュレーション結果を示す波形図である。SEM像11,レイアウト図12及び論理回路図13は、連動して操作を行うことができる。つまり、レイアウト図12または論理回路図13の指定された位置に被測定半導体回路チップ1の測定個所を移動させることができる。
【0007】
次に、電子ビーム装置を用いた故障解析方法について説明する。まず、不良を起こしている信号を駆動している回路に注目する。注目した回路の入力波形を電子ビーム装置6で測定し、その入力の論理シミュレーション波形と比較する。波形が一致した場合は、注目している回路の故障と考えられる。波形が一致しない場合は、一致しない信号を駆動している回路に注目し、同様に注目した回路の入力波形を電子ビーム装置で測定し、その入力の論理シミュレーション波形と比較する。
【0008】
例えば、図15は半導体集積回路チップに形成された簡単な内部論理回路の一例を示す論理回路図である。31は不良を起こしている信号の外部パッド端子、32は外部パッド端子31に出力を接続した出力バッファ回路、33は出力バッファ回路32の入力に配線35を介して出力を接続した3入力NAND回路、34は配線37を介して出力を3入力NAND回路33の第2の入力に接続した2入力NAND回路、36および38は3入力NAND回路33の第1及び第3の入力にそれぞれ接続された配線、39および40は2入力NAND回路34の第1及び第2の入力にそれぞれ接続された配線である。
【0009】
図15に示した外部パッド端子31から出力されている信号が不良であるので、外部パッド端子31を駆動する出力バッファ回路32の入力信号である配線35の信号波形を電子ビーム装置で測定する。測定波形と出力バッファ回路32の入力の論理シミュレーション波形とを比較し、一致すれば出力バッファ回路32内の故障と考える。この例では、出力バッファ回路32の入力と論理回路シミュレーション結果とが一致しなかったとすると、配線35の信号を駆動する3入力NAND回路33に注目し、3入力NAND回路33の入力信号である配線36,37,38の信号波形を測定する。測定波形と3入力NAND回路33の入力の論理シミュレーション波形を比較して、一致すれば注目している3入力NAND回路33内の故障と考える。ここで、配線36,38の信号と論理シミュレーション波形との比較は一致して、配線37の信号と論理シミュレーション波形との比較が一致しない場合、配線37を駆動する2入力NAND回路34に注目し、同様に信号波形の取得、論理シミュレーションとの比較を行う。以上のような走査を故障箇所が発見できるまで、すなわち論理回路のシミュレーション波形と対応する入力とが一致するまで繰り返し行う。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法は以上のように構成されているので、故障箇所を同定するまで繰り返して観測された信号波形とシミュレーション波形とを比較しなければならず、その際の波形取得および波形比較に多大の時間が必要になるという問題点がある。
【0011】
この発明は上記の問題点を解消するためになされたもので、モニターに表示されるレイアウト図や論理回路図等の設計図上にシミュレーション結果を模様あるいは文字で示すことにより、これらとSEM像とを視覚的に比較できるようにして波形取得時間の削減を図ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法は、与えられた所定のテストパターンに従って時間的に内部信号が変化する半導体集積回路チップの動作を電子ビームを走査しながら照射して被照射部分で発生する二次電子のエネルギー変化によって観測するとともに観測された像と該像に対応する設計図の画像とを合わせて表示する電子ビームテストシステムを用いて故障個所を特定する電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法であって、所定のシミュレーション結果に基づいて与えられる前記内部信号の状態を表す記号を前記設計図の画像上に表示することを特徴とする。
【0014】
の発明に係る電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法は、半導体集積回路チップの動作を電子ビームを走査しながら照射して被照射部分で発生する二次電子のエネルギー変化によって観測するとともに観測された像と該像に対応する設計図の画像とを合わせて表示する電子ビームテストシステムを用いて故障個所を特定する故障解析方法であって、観測中に前記半導体集積回路チップの内部信号が時間的に変化しないような所定のテストパターンを前記半導体集積回路チップに与えるとともに、所定のシミュレーション結果に基づいて与えられる前記内部信号の電圧レベルを示す模様と色彩のうちの少なくとも一方を前記設計図の画像に表示することを特徴とする。
【0015】
の発明に係る電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法は、半導体集積回路チップの動作を電子ビームを走査しながら照射して被照射部分で発生する二次電子のエネルギー変化によって観測するとともに観測された像と該像に対応する設計図の画像とを合わせて表示する電子ビームテストシステムを用いて故障個所を特定する故障解析方法であって、観測中に前記半導体集積回路チップの内部信号が時間的に変化しないような所定のテストパターンを前記半導体集積回路チップに与えるとともに、所定のシミュレーション結果に基づいて与えられる前記内部信号の電圧レベルを示す記号を前記設計図の画像に表示することを特徴とする。
【0016】
の発明に係る電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法は、第1ないし第の発明の電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法のいずれかにおいて、前記所定のシミュレーション結果は、論理シミュレーション結果を含むことを特徴とする。
【0017】
の発明に係る電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法は、第1ないし第の発明の電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法のいずれかにおいて、前記所定のシミュレーション結果は、回路シミュレーション結果を含むことを特徴とする。
【0018】
の発明に係る電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法は、第1ないし第の発明の電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法のいずれかにおいて、前記所定のシミュレーション結果は、故障シミュレーション結果を含むことを特徴とする。
【0019】
の発明に係る電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法は、第1の発明の電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法において、所定の2つの配線間での内部信号の遅延時間を前記設計図の画像上に表示させることを特徴とする。
【0020】
の発明に係る電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法は、第の発明の電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法において、前記遅延時間は、セルの遅延情報を記述した遅延ライブラリのデータを基に回路シミュレーション結果を用いて計算された遅延時間であることを特徴とする。
【0021】
の発明に係る電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法は、所定のテストパターンが与えられている半導体集積回路チップの動作を電子ビームを走査しながら照射して被照射部分で発生する二次電子のエネルギー変化によって観測するとともに観測された像と該像に対応する設計図の画像とを合わせて表示する電子ビームテストシステムを用いて故障個所を特定する電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法であって、前記設計図の画像に回路を構成している論理素子の名称もしくは論理素子で構成された回路の名称を示す記号、または前記設計図の画像に回路を構成している論理素子の構成要素の名称もしくは論理素子で構成された回路の構成要素の名称を示す記号のうちの少なくとも一方の記号を付加することを特徴とする。
【0023】
【作用】
第1の発明における電子ビームテストシステムに表示される設計図の画像には、所定のシミュレーション結果に応じて内部信号の状態を表す記号が表示される。従って、像と設計図の画像を視覚的に見比べて、信号の状態が一致しない箇所を所定のシミュレーションの結果を示す波形を参照することなく特定できる。
【0025】
の発明における電子ビームテストシステムに表示される設計図の画像には、所定のシミュレーション結果が示す内部信号の電圧レベルに応じた色彩およびまたは模様が施される。従って、像と設計図の画像を視覚的に見比べて、信号のレベルが一致しない箇所を、所定のシミュレーションの結果を示す波形と観測波形とを参照することなく特定できる。
【0026】
の発明における電子ビームテストシステムに表示される設計図の画像には、所定のシミュレーション結果によって与えられる内部信号の電圧レベルを示す記号が表示される。従って、像と設計図の画像を視覚的に見比べて、信号のレベルが一致しない箇所を、論理シミュレーション波形と観測波形を参照することなく特定できる。
【0027】
の発明における電子ビームテストシステムに表示される設計図の画像には、論理シミュレーション結果によって与えられる内部信号の周波数や電圧レベルに対応する模様や色彩または記号が示され、論理シミュレーション結果と観測された像との比較を視覚的に行える。
【0028】
の発明における電子ビームテストシステムに表示される設計図の画像には、回路シミュレーション結果によって与えられる内部信号の周波数や電圧レベルに対応する模様や色彩または記号が示され、回路シミュレーション結果と観測された像との比較を視覚的に行える。
【0029】
の発明における電子ビームテストシステムに表示される設計図の画像には、故障シミュレーション結果によって与えられる内部信号の周波数や電圧レベルに対応する模様や色彩または記号が示され、故障シミュレーション結果と観測された像との比較を視覚的に行える。
【0030】
の発明における設計図の画像は、所定の2つの配線間での内部信号の遅延時間が表示されているので、内部信号の電位の移り変わりの異常を遅延時間の情報を基に視覚的に判断することが可能になる。
【0031】
の発明における設計図の画像に表示される遅延時間は、遅延ライブラリのデータを基に回路シミュレーション結果を用いて計算されているため、実際の観測された像により近いものとなり、判断の確度を向上できる。
【0032】
の発明における設計図の画像は、その設計図によって表される回路を構成している論理素子または論理素子で構成された回路の名称またはその構成要素の名称のうちの少なくとも一方が付されているため、視覚的に比較したときに所定のシミュレーション結果と観測された像との違いがある箇所の性質を特定しやすくなる。
【0034】
【実施例】
実施例1.
以下、この発明の第1実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法について図1乃至図3を用いて説明する。図1は、故障解析を実施しているときの電子ビームテストシステムのモニターの画面を示す絵画図である。図1において、11は画面9Aに表示された被測定半導体集積回路チップを観測したときのSEM像、12aは画面9Aに表示された被測定半導体集積回路チップのマスクデータに基づくレイアウト図の画像、13は論理回路図の画像、41,42はSEM像11内の配線、43,44はレイアウト図の画像12a内の配線、45は論理回路図の画像に示された論理素子、46は論理回路図の画像13に示された論理素子45の出力、47は論理回路図の画像13に示された論理素子45の入力である。
【0035】
次に、故障解析方法の基本的な動作について説明する。半導体集積回路チップにテスターからテストパターンを入力することにより、SEM像11の配線41等には、信号の周波数あるいは信号の高電位、低電位の割合によって干渉縞や明度の違いが観測される。そのため、異なる周波数の信号や、高電位、低電位の割合の違う信号はSEM像11上で区別して認識することができる。例えば、配線41と配線42とに異なる干渉縞が生じていることによって、配線41と配線42の信号は、それぞれ周波数が異なっていることが分かる。
【0036】
一方、同じモニター画面9Aに表示されるレイアウト図の画像12aは、論理シミュレーション波形をもとにSEM像11と同じような干渉縞や明度を付けて表示される。例えば、レイアウト図の画像12aの配線44には、SEM像11の配線42と同じ模様が与えられているので、配線42の信号は論理シミュレーション結果に一致していることが分かる。レイアウト図の画像12aの配線43には、SEM像の配線41と異なる模様が与えられているので、配線41の信号は論理シミュレーション結果に一致していないことが分かる。ここで、配線41及び配線43が論理素子45の出力46に対応し、配線42及び配線44が論理素子45の入力47に対応しているとすると、論理素子45の入力47が正しいのに、論理素子45の出力46に誤りが生じていることから論理素子45で故障が発生していることが視覚的にオペレータに認識される。
【0037】
第1実施例の故障解析方法によれば、観測される信号波形と論理シミュレーション波形の比較を行うことなく、SEM像11とレイアウト図の画像12aとを視覚的な比較を実現することができ、信号波形を取り込む時間が省け故障解析を効率的に行える。
【0038】
図2は、上記の実施例を実現するための装置の構成の概要を示すブロック図である。図2において、30は表示手段20とマスクデータ表示画像表示データ生成手段27と論理シミュレーション結果の波形表示データ生成手段28と論理回路図表示画像表示データ生成手段29とに接続され論理シミュレーション結果25、回路接続情報26及びマスクデータ24を用いてレイアウト図の画像にテストパターンによって発生する内部信号に対応する模様を付けるためのデータを生成する模様データ生成手段であり、その他図13と同一符号のものは図13の同一符号の部分に相当する部分である。模様データ生成手段30は、論理シミュレーション結果のデータに基づいて、レイアウト図の画像に模様を付すためのデータを生成する。そして、模様のデータが付加された画像表示データを表示手段20に出力してモニターに模様のついたレイアウト図の画像等を表示させる。その他の構成は従来と同様である。
【0039】
模様データ生成手段30の動作について図3のフローチャートを用いて説明する。まず、ステップST1で、回路接続情報26または論理回路図表示画像表示データをもとにネットの抽出を行う。ステップST2で、各ネットに対応するシミュレーション結果を抽出する。半導体集積回路チップの内部信号が変化しているときの動作時の故障検出を行う場合には、各ネットの信号周波数を論理シミュレーション結果から検出する(ステップST3)。予め対応づけがなされている信号周波数に応じた模様データを割り当てる(ステップST4)。そして、ステップST5で、指定された箇所のネットについて、表示データと模様データの結合を行い、ステップST6で結合されたデータを表示手段20へ出力する。以上、内部信号が変化している場合について説明したが、内部信号が固定されているときには、その信号レベルに対応した模様およびまたは色彩、例えば明度の値を割り付けることにより同様に処理される。
【0040】
なお、干渉縞と信号周波数との関係のデータを格納したファイルを準備しておいて、SEM像と同じ干渉縞の模様をレイアウト図の画像に表示することも可能である。また、レイアウト図の画像に表示するのは、単色のものであってもよく、干渉縞との対応が明確になっていれば上記実施例と同様の効果を奏する。
【0041】
実施例2.
次に、この発明の第2実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法について図4及び図5を用いて説明する。図4及び図5は第2実施例による電子ビームテストシステムを用いて故障解析を行う際のモニター画面を示す示す絵画図である。図4及び図5において、12bはレイアウト図の画像、50はレイアウト図の画像12bに表示された信号レベルを示す記号、53,54はレイアウト図の画像に示された配線であり、その他図1と同一符号は図1の同一符号の部分に相当する部分である。
【0042】
第2実施例による故障解析について、第1実施例の故障解析方法と異なる点についてのみ説明する。図1に示す故障解析方法では論理シミュレーション波形に基づく模様をレイアウト図の画面上に表示し、SEM像の干渉縞や明度の違いと比較することによって、内部信号の動作の相違を特定して故障個所を検出している。図4及び図5に示す第2実施例による故障解析方法では、論理シミュレーション波形を、高電位を例えば記号「H」で表示し、低電位を例えば記号「L」で表示する。そして、論理シミュレーション結果に従って、時間の経過とともに記号の表示を書き換える。例えば、図5は図4から所定の時間が経過した後のモニター画面を示しているとすると、配線53,54の記号が変化していることが分かり、この配線53,54の信号は変化していることをオペレータに認識させることができる。そして、この変化の時間の間隔の違いで、周波数をオペレータに認識させることができる。従って、第1実施例の場合と同様に、実際の波形と論理シミュレーション波形の比較が、SEM像11とレイアウト図の画像12bとを視覚的に比較することにより実現することができる。なお、この方法を実現するための電子ビームテストシステムの構成は、第1実施例における模様データ生成手段の部分を記号データの生成手段に代えて記号データを生成して第1実施例と同様に表示手段20に出力すればよい。
【0043】
実施例3.
次に、この発明の第3実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法について図6を用いて説明する。図6は、この発明の第3実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析を行う際のモニター画像の一例を示す絵画図である。図6において、13aは論理回路図の画像、55は論理回路図の画像13aに表示された論理素子、56は論理回路図の画像13aに表示された論理素子55の出力、57は論理回路図の画像13aに表示された論理素子55の入力である。
【0044】
次に、故障解析の方法について、第1実施例の故障解析方法と異なる点についてのみ説明する。図1に示す故障解析方法では論理シミュレーション波形に基づく模様および/または色彩をレイアウト図の画面上に表示し、SEM像の干渉縞や明度の違いと比較することによって、内部信号の動作の相違を特定して故障個所を検出している。図6に示す故障解析方法では、故障の検出を論理シミュレーション結果が組み込まれた論理回路図の表示画面をSEM像11と比較することによって実現している。この場合、論理シミュレーション波形を、SEM像11で観測するような干渉縞や明度の違いに応じた模様や色彩として、論理回路図の画像の配線56,57に表示し、信号の状態を視覚的に比較できるようにする。この第3実施例の故障解析方法によれば、実際の波形と論理シミュレーション波形の比較が、SEM像11と論理回路図の画像13aとを比較することにより実現することができる。なお、この方法を実現するための電子ビームテストシステムの構成は、第1実施例における模様データ生成手段において生成した模様データを論理回路図の表示データと組み合わせて第1実施例と同様に表示手段20に出力すればよい。
【0045】
実施例4.
次に、この発明の第4実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法について図7を用いて説明する。図7は、この発明の第4実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析を行う際のモニター画像の一例を示す絵画図である。
【0046】
図7において、13bは論理回路図の画像、65は論理回路図の画像13bに表示された論理素子、66は論理回路図の画像13bに表示された論理素子65の出力、67は論理回路図の画像13bに表示された論理素子65の入力である。
【0047】
次に、故障解析の方法について、第3実施例の故障解析方法と異なる点についてのみ説明する。図3に示す故障解析方法では論理シミュレーション波形に基づく模様を論理回路図の画面13a上に表示し、SEM像11の干渉縞や明度の違いと比較することによって、内部信号の動作の相違を特定して故障個所を検出している。図3に示す故障解析方法では、故障の検出を論理シミュレーション結果が組み込まれた論理回路図の表示画面とSEM像11を比較することによって実現している。この場合、論理シミュレーション波形を、SEM像11で観測するような干渉縞や明度の違いに応じた記号、例えば第2実施例と同様に高電位を示す記号「H」や低電位を示す記号「L」として、論理回路図の画像の配線66,67に表示し、信号の状態を視覚的に比較できるようにする。この第4実施例の故障解析方法によれば、実際の波形と論理シミュレーション波形の比較が、SEM像11と論理回路図の画像13aとを比較することにより実現することができる。なお、この方法を実現するための電子ビームテストシステムの構成は、第1実施例における模様データ生成手段の部分を記号データの生成手段に代えて記号データを生成して論理回路図の表示データと組み合わせて第1実施例と同様に表示手段20に出力すればよい。
【0048】
実施例5.
次に、この発明の第5実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法について図8を用いて説明する。図8は、この発明の第5実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析を行う際のモニター画像の一例を示す絵画図である。図8において、11aは画面9Aに表示された被測定半導体集積回路チップのSEM像、12cは画面9Aに表示された被測定半導体集積回路チップのマスクデータに基づくレイアウト図の画像、41,42はSEM像11a内の配線、71,72はレイアウト図の画像12c内の配線であり、その他図1と同一符号のものは図1の同一符号の部分に相当する部分である。
【0049】
次に、故障解析方法の動作について、第1実施例の故障解析方法と異なる点についてのみ説明する。図1に示す故障解析方法では、テスターからテストパターンを入力し続けて内部信号が変化している状態で、SEM像11には干渉縞及びあるいは明度の違いが表示され模様が付与されたレイアウト図の画像との比較が行われる。これに対して図8に示す故障解析方法では、テストパターンを、ある任意の周期で停止させた状態で比較を行うため、SEM像11aには干渉縞は発生せず明度だけが観られる。そこで、それに対応するレイアウト図の画像12c上にも信号レベルに対応した色彩を施す。例えば、SEM像11aの配線41は、信号のレベルが高く明度の値が小さくなっているのに対して、レイアウト図の画像12cの配線71の色彩は明るく信号のレベルが低いことを示しており、配線41の信号がシミュレーション結果と異なっていることが視覚的に認識できる。レイアウト図の画像上には、停止させたテスト周期での論理シミュレーション結果における電圧レベルを、SEM像11aと同じように明度の違いで表示させることにより、SEM像11aとレイアウト図の画像12cとを視覚的に比較することができる。この実施例の故障解析方法では、実際の波形と論理シミュレーション波形の比較を、SEM像11aとレイアウト図の画像12cとを視覚的に比較することにより実現することができ、故障個所の特定が容易になる。テストパターンの任意の時刻の動作を測定するためには、その時刻までのテストパターンは従来と同様の構成として、その後テストパターンのその時刻の信号の波形を保持するような書き換えられたテストパターンを図12に示したテスター9から入力すればよい。レイアウト図の画像上に模様およびまたは色彩を施すための構成は、第1実施例と同様に構成できる。
【0050】
実施例6.
次に、この発明の第6実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法について図9を用いて説明する。図9は第6実施例による電子ビームテストシステムを用いて故障解析を行う際のモニター画面を示す絵画図である。図9において、12dはレイアウト図の画像、70はレイアウト図の画像12dに表示された信号レベルを示す記号、71,72はレイアウト図の画像に示された配線であり、その他図8と同一符号は図8の同一符号の部分に相当する部分である。
【0051】
第6実施例による故障解析方法について、第5実施例の故障解析方法と異なる点についてのみ説明する。図8に示す故障解析方法では論理シミュレーション波形に基づく色彩をレイアウト図の画面上に表示し、SEM像の明度の違いと比較することによって、内部信号のレベルの相違を特定して故障個所を検出している。図9に示す第6実施例による故障解析方法では、論理シミュレーション波形を、高電位を例えば記号「H」で表示し、低電位を例えば記号「L」で表示する。例えば、レイアウト図の画像12dの配線71は信号レベルがローレベルであることが記号によって認識できる。一方、SEM像11aの配線41は明度の値が小さく信号レベルが高いことがわかり、論理シミュレーション結果と電子ビームテストシステムによる測定結果とが相違していることが分かる。第5実施例の場合と同様に、実際の波形と論理シミュレーション波形の比較が、SEM像11aとレイアウト図の画像12dとを視覚的に比較することにより実現することができる。なお、記号データをレイアウト図の画像上に付与するための構成は、第2実施例と同様に構成できる。
【0052】
実施例7.
次に、この発明の第7実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法について図10を用いて説明する。図10は、この発明の第7実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析を行う際のモニター画像の一例を示す絵画図である。図10において、13cは論理回路図の画像、85は論理回路図の画像13cに表示された論理素子、86は論理回路図の画像13cに表示された論理素子85の出力、87は論理回路図の画像13cに表示された論理素子85の入力である。
【0053】
次に、故障解析の方法について、第1実施例の故障解析方法と異なる点についてのみ説明する。図8に示す故障解析方法では論理シミュレーション波形に基づく明度をレイアウト図の画面12c上に表示し、SEM像11aの明度の違いと比較することによって、内部信号の動作の相違を特定して故障個所を検出している。図10に示す故障解析方法では、故障の検出を論理シミュレーション結果が組み込まれた論理回路図の画像13cをSEM像11と比較することによって実現している。この場合、論理シミュレーション波形の電圧レベルを、SEM像11aで観測されるような明度の違いに対応するような明度として、論理回路図の画像13cの配線86,87に表示し、信号の状態を視覚的に比較できるようにする。例えば、論理素子85の出力86が論理シミュレーションではローレベルであるため明度の値が大きいのに比べてSEM像11aでは配線41の明度の値が小さくてハイレベルになっており、内部信号に違いが生じていることを認識できる。この第3実施例の故障解析方法によれば、実際の波形と論理シミュレーション波形の比較が、SEM像11aと論理回路図の画像13cとを視覚的に比較することにより実現することができる。なお、論理回路図上に模様およびまたは色彩を付与するための電子ビームテストシステムの構成は、第3実施例と同様に構成できる。
【0054】
実施例8.
次に、この発明の第8実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法について図11を用いて説明する。図11は、この発明の第8実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析を行う際のモニター画像の一例を示す絵画図である。図11において、13dは論理回路図の画像、95は論理回路図の画像13dに表示された論理素子、96は論理回路図の画像13dに表示された論理素子95の出力、97は論理回路図の画像13dに表示された論理素子95の入力である。
【0055】
次に、故障解析の方法について、第7実施例の故障解析方法と異なる点についてのみ説明する。図10に示す故障解析方法では論理シミュレーション波形に基づく明度を論理回路図の画面13c上に表示し、SEM像11aの明度の違いと比較することによって、テストパターンの任意の周期における内部信号のレベルの相違を特定して故障個所を検出している。図11に示す故障解析方法では、故障の検出を論理シミュレーション結果が記号で組み込まれた論理回路図の画像13d上をSEM像11と比較することによって実現している。この場合、論理シミュレーション波形を、SEM像11aで観測するような明度の違いに応じた記号、例えば高電位を示す記号「H」や低電位を示す記号「L」として、論理回路図の画像の配線96,97に表示し、信号の状態を視覚的に比較できるようにする。この第8実施例の故障解析方法によれば、実際の波形と論理シミュレーション波形の比較が、SEM像11aと論理回路図の画像13dとを比較することにより実現することができる。なお、論理回路図上に記号を付与するための電子ビームテストシステムの構成は、第4実施例と同様に構成できる。
【0056】
なお、上記各実施例では、設計データとして論理シミュレーション結果、回路接続情報及びマスクデータを用いて説明したが、他の設計データを用いても良く上記実施例と同様の効果を奏する。
【0057】
また、SEM像と比較するための設計図の画像としてレイアウト図や論理回路図を用いたが、例えば、回路図など他の種類の設計図を用いても良く上記実施例と同様の効果を奏する。
【0058】
また、上記第2、第4、第6及び第8実施例では、表示する記号として文字を用いたが、○や×等他の記号を用いても良く上記実施例と同様の効果を奏する。
【0059】
実施例9.
次に、この発明の第9実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法について図16を用いて説明する。図16は、この発明の第9実施例による故障解析を実施しているときの電子ビームテストシステムのモニターの画面を示す絵画図である。図16において、100はテストパターンが印加された被測定半導体集積回路チップを観測した際に画面9Aに表示されたSEM像、101は被測定半導体集積回路チップのマスクデータに基づき画面9Aに表示されたレイアウト図の画像、111〜113はSEM像100内の配線、114〜116はレイアウト図の画像101内の配線である。観測位置の情報を基にSEM像100としてモニター画面9Aに表示されている観測中の箇所に対応するレイアウト図の画像101は、マスクデータあるいはレイアウトデータから得られる。
【0060】
第9実施例による故障解析について、第1実施例と異なる点についてのみ説明する。図1に示す故障解析方法では、論理シミュレーション波形に基づく模様をレイアウト図の画像上に表示し、SEM像の干渉縞や明度の違いと比較することによって、内部信号の動作の相違を特定して故障個所を検出している。図16に示す第9実施例による故障解析方法では、論理シミュレーション波形に基づいて、レイアウト図の画像101上の、高電位になっている配線116に例えば「5」等の配線の電圧を表す数字を付与し、低電位になっている配線に例えば「0」等の配線の電圧を表す数字を付与する。また、論理シミュレーションの結果、0Vと5Vの間で振幅している配線114,115には5/0という2つの数字を付与する。SEM像100とレイアウト図の画像101とを見比べて、例えば配線116に付された数字とSEM像100の配線113とを対比することによって、論理シミュレーション結果に基づくSEM像100の違いが分かり、検出を短時間で行うことができる。なお、この方法を実現するための電子ビームテストシステムの構成は、第2実施例と同様の構成で記号として論理シミュレーション結果から電圧に関するデータを抽出して表示すればよい。時間の経過とともに被測定半導体集積回路チップに入力されるテストパターンの変化に応じて論理シミュレーションの結果に従って表示が書き換えられる。
【0061】
SEM像100とレイアウト図の画像101とを視覚的に比較するため、SEM像と信号波形とを比較するのに比べて比較対象を特定しやすくなり、時間が省け故障解析を効率的に行える。
【0062】
なお、レイアウト図の画像101上には模様や色彩を表示する必要が無くなるため、模様や色彩は他の情報をオペレータに与えるために用いることができる。
【0063】
実施例10.
次に、この発明の第10実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析法について図17を用いて説明する。図17は、この発明の第10実施例による電子ビームテストシステムを用いて故障解析を行う際のモニター画面を示す絵画図である。図17において、102はSEM像100に対応する論理回路図の画像、117,118は論理回路図の画像102内の配線、119は論理回路図の画像102内のセル(または論理素子)であり、その他図16と同一符号の部分は図16の同一符号部分に相当する部分である。SEM像100としてモニター画面9Aに表示されている観測中の箇所に対応する論理回路図の画像102は、観測位置の情報を基に回路接続情報から得られる。
【0064】
第10実施例による故障解析について、第1実施例の故障解析方法と異なる点についてのみ説明する。図1に示す故障解析方法では論理シミュレーション波形に基づく模様をレイアウト図の画像上に表示し、SEM像の干渉縞や明度の違いと比較することによって内部信号の動作の相違を特定して故障箇所を検出している。それに対して、第10実施例による故障解析では、論理回路図の画像102上の、高電位になっている配線に例えば「5」等の配線の電圧を表す数字を付与し、低電位になっている配線に例えば「0」等の配線の電圧を表す数字を付与する。また、論理シミュレーションの結果、0Vと5Vの間で振幅している配線117,118には5/0という2つの数字を付与する。例えば、SEM像100の配線の干渉縞と論理回路図の画像102の配線117,118の数字とを見比べて配線に付された数字とSEM像100との違いを見つけることによって、論理シミュレーション結果に基づいてSEM像100との比較から故障を検出することができる。配線の電圧が違っている箇所が特定できれば、それを出力しているセルをSEMのモニター画面9A上ですぐに認識できる。例えば、配線112に配線118が対応し、配線113に配線117が対応しているとすると、セル119の出力が論理シミュレーション結果と一致せず、セル119の動作が正しくないことを認識できる。なお、この方法を実現するための電子ビームテストシステムの構成は、第2実施例における記号データを生成する手段において生成した記号データを論理回路図の表示データと組み合わせて表示すればよい。
【0065】
図17に示す第10実施例による故障解析方法では、SEM像に対応するレイアウト画像を干渉縞や明度の違いによって比較するのではなく、論理回路図の画像102に電圧値を表示することで、回路の論理動作を追いやすくすることにより故障箇所を検出するための手がかりとするため、故障しているセル(論理素子)の検出が容易になる。
【0066】
実施例11.
次に、この発明の第11実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法について図18及び図21を用いて説明する。図18はこの発明の第11実施例による電子ビームテストシステムを用いて故障解析を行う際のモニター画面とそれに使用するライブラリについて示す絵画図である。図18において、103はSEM像、104はSEM像103に対応する論理回路図の画像、120〜122はSEM像103内の配線、123〜125は論理回路図の画像104内の配線、126は論理回路図の画像104に表示されたセル(論理素子)である。
【0067】
第11実施例による故障解析について、第1実施例の故障解析方法と異なる点についてのみ説明する。第1実施例による故障解析方法で表示されるSEM像は、例えば、内部信号が実際の動作と同じように変化するようなテストパターンを与えたときの像であり、被測定半導体集積回路チップに与えられるテストパターンの各入力信号の周波数は、例えば、チップが実際に使用される時の周波数である。しかし、第11実施例による故障解析方法で被測定半導体チップに与えられるテストパターンは、実際に動作する時にチップに与えられる周波数に比べて非常に低い周波数を持っており、また、信号値の変化も緩やかに行われる。つまり、オペレータが信号の変化を認識できる程度の周波数、例えば数分の一Hz〜数百分の一Hz等であり、その信号の立ち上がり時間と立ち下がり時間は、実際の動作時にチップに与えられる信号の立ち上がり時間及び立ち下がり時間に、実際の動作時に入力される信号の周波数を掛け、第11実施例で用いられる周波数で割った程度の非常に長い時間を用いる。そのような、低い周波数を与えることによって、オペレータは、SEM像103において信号の変化を、コントラストの移り変わりから知ることができる。
【0068】
モニター画面9Aには、遅延時間が付与された論理回路図の画像104がSEM像103と同時に表示されている。例えば、SEM像103の配線120に論理回路図の画像104の配線123が対応し、配線121に配線124が対応し、配線122に配線125が対応するものとする。実際の動作周波数と同程度の周波数を有するテストパターンを入力した場合には、配線125の電位が変化してから配線124の電位が変化するまで0.12nSを要し、配線124の電位が変化してから配線123の電位が変化するまで、0.456nSを要することが、論理回路図の画像104を見れば分かる。このことから、SEM像103に表示される配線120〜122の電位は、配線122、配線121、配線120の順に移り変わることが予想できる。また、配線122に続いて配線121の電位が決定するよりも、配線121の電位が決定してから配線120の電位が決定するまでの時間が長く掛かることが予想できる。この予想と、実際のSEM像103に表示されるコントラストの変化とが一致しない場合には、不具合が発生していることが検出できる。
【0069】
このように、図18に示す故障解析方法では論理シミュレーション波形に基づく波形を元にあらかじめ準備しておいた遅延ライブラリを使用し、SEM像103に対応する各セルに遅延時間を論理回路図の画像102上に表示することによりSEM像における故障箇所を検出するための手がかりとすることができる。そのため、オペレータは、故障検出に要する時間を短縮することができるとともに故障検出の確度を高めることができる。
【0070】
図21は、第11実施例による故障解析方法を実現するための装置の構成を示すブロック図である。図21において、130はセル(論理素子)の遅延情報を記述した遅延ライブラリ、131は表示手段20のモニターに論理シミュレーション結果25に応じた遅延時間等の遅延データを表示するために表示データを生成する遅延データ表示画像表示データ生成手段、30Aは表示手段20のモニターに観測されている近傍のマスクデータ表示画像を表示するとともにそのマスクデータの画像に付与するための遅延時間等を示す記号データを生成する記号データ生成手段であり、その他図2と同一符号のものは図2の同一符号部分に相当する部分である。
【0071】
遅延データ表示画像表示データ生成手段131は、論理シミュレーション結果25を論理シミュレーション結果の波形表示データ生成手段28および記号データ生成手段30Aを通して取り込み、回路接続情報26に従って論理回路図表示画像表示データ生成手段29が表示する論理回路図の画像に付与する、信号遅延を表すための遅延データを生成する。
【0072】
実施例12.
次に、この発明の第12実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法について図19を用いて説明する。図19は第12実施例による電子ビームテストシステムを用いて故障解析を行う際のモニター画面とそれに使用するライブラリについて示す絵画図である。図19において、105Aは遅延ライブラリを用いて得られた結果を示す模様または色彩を付したレイアウト図の画像、127〜129はレイアウト図の画像内の配線であり、その他図18と同一符号の部分は図18の同一符号部分に相当する部分である。
【0073】
第12実施例による故障解析について、第11の実施例の故障解析方法と異なる点についてのみ説明する。図19に示す故障解析方法では論理シミュレーション波形に基づく波形を元にあらかじめ準備しておいた遅延ライブラリ130を使用し、第11実施例における記号データ生成手段30Aに代えて図2に示したような模様データ生成手段30において生成した模様データを組み合わせて表示することにより、同時にモニター9Aに表示されているレイアウト図の画像105AとSEM像103とにおいて信号遅延の相違がないかどうかを直接視覚的に比較して故障箇所を検出するものである。例えば、配線120〜122は、図18に示した配線123〜125に対応するものとする。また、配線127〜129は、図18に示した配線123〜125に対応するものとする。配線127〜129の順に電位が変化する。そのため、実際のSEM像103においても、配線121が中間色になる。電位の低い配線129と電位の高い配線127の間の配線128は、中間の電位を示す期間が存在する。その時は、配線121と同じような灰色を付与するなど、他の配線127,128と異なる電位であることを示す模様または色彩を施す。信号の遅延時間を考慮しつつ、SEM像103が論理シミュレーション結果と同じようになっているか否かをみることで視覚的に故障を検出でき、故障検出に要する時間を短縮することができるとともに故障検出の確度を高めることができる。
【0074】
実施例13.
次に、この発明の第13実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法について図20を用いて説明する。図20は第13実施例による電子ビームテストシステムを用いて故障解析を行う際のモニター画面について示す絵画図である。図20において、106Aは遅延ライブラリを用いて得られた遅延データを示す記号を付した論理回路図の画像、123〜125は論理回路図の画像内の配線であり、その他図18と同一符号の部分は図18の同一符号部分に相当する部分である。
【0075】
第13実施例による故障解析について、第11実施例の故障解析方法と異なる点についてのみ説明する。図20に示す故障解析方法ではあらかじめ準備しておいた遅延ライブラリを使用し、SEM像103に対応する論理回路図を表示しある程度の範囲のブロックパスに対してその遅延時間を表示することにより、同時にモニター9Aに表示されているレイアウト図の画像106AとSEM像103とにおいて信号の遅延の仕方が相違していないかどうかを比較して故障箇所を検出するものである。例えば、オペレータが、論理回路図の画像106Aにおいて、配線125と配線123を指示すると、電子ビームテストシステムは、ピンAからピンYまで(配線125から配線123まで)の遅延時間を計算し、論理回路図の画像106Aに表示する。オペレータは、その遅延時間を考慮してSEM像103を観察することができ、比較対象が短時間で明確に特定されるため故障検出に要する時間を短縮するとともに、故障検出の確度を高めることができる。
【0076】
実施例14.
次に、この発明の第14実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法について図22を用いて説明する。図22はこの発明の第14実施例による電子ビームテストシステムを用いて故障解析を行う際のモニター画面とそれに使用するライブラリについて示す絵画図である。図22において、107はSEM像に対応する論理回路図の画像であり、その他図17と同一符号のものは図17の同一符号部分に相当する部分である。図22に示した論路回路図の画像上には、各セル(論理素子)のセル名及び端子名(構成要素の名称)が表示されている。例えば、A〜D,Y,Q等はセルの端子名であり、V01S,N03S,FEGS等がセル名である。
【0077】
第14実施例による故障解析について、第1実施例の故障解析方法と異なる点についてのみ説明する。第1実施例では、論理回路図の画像13を併せて表示しているが、図22に示す故障解析方法では、セルの故障箇所を検出するためのてがかりとするため、SEM像に対応するある程度の範囲の論理回路図を表示し少なくとも各セルの名称または端子名のいずれか一方を表示したものである。また、一つのセルではなく複数のセルを一組として名称が付されていればその名称でもよい。また、SEM像で観測されている部分が、セルの一部であって、セルを構成する部分的な回路、例えばANDゲート等の論理ゲートやフリップフロップ回路等の名称があればその名称を表示してもよい。
【0078】
なお、図23に示すように、論理回路図の画像上にセルまたは端子の名称のいずれかを付するとともにレイアウト図の画像108上に端子名を表示してもよい。
【0079】
実施例15.
次に、この発明の第15実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法について図24を用いて説明する。図24はこの発明の第15実施例による電子ビームテストシステムを用いて故障解析を行う際のモニター画面を示す絵画図である。図24において、109はSEM像100に対応する論理回路図の画像、139は論理回路図の画像109内に示しされたセル(論理素子)であり、その他図17と同一符号の部分は図17の同一符号部分に相当する部分である。論理回路図の画像109に示されたセル139等を示すブロック内には、各セルのマスクデータがそれぞれ表示される。
【0080】
第15実施例による故障解析について、第1実施例の故障解析方法と異なる点についてのみ説明する。第1実施例の故障解析方法では、論理回路図のみをモニター画面9Aに表示したが、図12に示す故障解析方法では、SEM像に対応するある程度の範囲の論理回路図の画像に各セルのマスクデータを組み合わせて表示することにより、論理回路図とSEM像との対応付けを容易にして、セルの故障箇所を検出するためのてがかりとする。マスクデータとSEM像との対応は分かり易く、そのマスクデータが各セルに付されていることから、SEM像から比較対象とする論理回路図のセル等を短時間で従来より確実に特定でき、故障検出時間を短縮できるとともに故障検出の確度を向上することができる。
【0081】
実施例16.
次に、この発明の第16実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法について図25及び図26を用いて説明する。図25はこの発明の第16実施例による電子ビームテストシステムを用いて故障解析を行う際のモニター画面を示す絵画図である。図25において、14はSEM像100に対応する回路シミュレーションの結果を示す信号波形、110AはSEM像100に対応するレイアウト図の画像であり、その他図16と同一符号のものは図16の同一符号部分に相当する部分である。図26において、132は回路シミュレーション結果、133は回路シミュレーション結果132に基づいてSEM像100に対応する配線(セルの端子)の波形表示データを生成する回路シミュレーション結果の波形表示データ生成手段であり、その他図2と同一符号のものは図2の同一符号部分に相当する部分である。
【0082】
レイアウト図の画像110Aは、レイアウトデータあるいはマスクデータ24から観測しているSEM像100に対応する部分を抽出して表示するとともに、回路シミュレーション結果132に基づいて模様または色彩が付加されたものである。
【0083】
第16実施例による故障解析について、第1実施例の故障解析方法と異なる点についてのみ説明する。第1実施例による故障解析方法では、SEM像に対応するある程度の範囲の論理回路図の領域で論理シミュレーション結果に基づいて周波数を特定し、その周波数に応じてレイアウト図の画像上に模様や色彩を施した。それに対して、図25に示す故障解析方法では、SEM像100に対応するある程度の範囲の論理回路図の領域で回路シミュレーション結果に基づいた実際の波形を用いてレイアウト図の画像に模様または色彩を施す。回路シミュレーション結果に応じて色彩や模様を付与するため、回路シミュレーション結果とSEM像に示される被測定半導体集積回路チップの動作とを比較することができる。第16実施例による回路シミュレーション結果を使って行われる電子ビームテストシステムを用いる故障解析方法では、論理シミュレーション結果を用いるよりも現実に近いデータを用いて視覚的に故障箇所の検出をすることができる。
【0084】
実施例17.
次に、この発明の第17実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法について図27および図29を用いて説明する。図27はこの発明の第17実施例による電子ビームテストシステムを用いて故障解析を行う際のモニター画面を示す絵画図である。図27において、14はSEM像103に対応する回路シミュレーションの結果を示す信号波形、106BはSEM像103に対応する論理回路図の画像であり、その他図18と同一符号のものは図18の同一符号部分に相当する部分である。
【0085】
図29は、この発明の第17実施例による故障解析方法を実現するための装置の構成を示すブロック図である。図29において、130は遅延ライブラリ、134は遅延ライブラリ130に記述されているセルの遅延情報を用いて回路シミュレーション結果132に基づいて各セルの出力の遅延時間を計算する計算手段、133Aは計算手段134が計算した遅延時間を用いて回路シミュレーション結果に対応する波形と所定のセルの入力端子からそのセルの後段のセルの出力端子までの信号の遅延時間とを表示するためのデータを生成する回路シミュレーション結果の波形表示データ生成手段であり、その他図2と同一符号のものは図2の同一符号部分に相当する部分である。
【0086】
第17実施例による故障解析について、第1実施例の故障解析方法と異なる点についてのみ説明する。図18に示す第11実施例による故障解析方法では論理シミュレーション波形に基づく波形を元にあらかじめ準備しておいた遅延ライブラリ130を使用し、SEM像103に対応する論理回路図の各セルに遅延時間を表示することにより、SEM像103の明度の違いを遅延データを考慮して観測することで故障箇所を検出するための手がかりとする。それに対して、この実施例による図27に示す故障解析方法では、あらかじめ準備しておいた遅延ライブラリ130を使用し、回路シミュレーション結果の波形に基づいた情報からある程度の範囲にある複数の論理素子を通過する信号の遅延時間を規格化した計算式を用いて計算して論理回路図の画像106B上に表示することにより比較し故障箇所を検出するてがかりとする。回路シミュレーション結果132に基づいて遅延時間を計算しているため、遅延ライブラリを用いるより実際に近い遅延時間に基づいて故障個所の検出を行うことができる。
【0087】
実施例18.
次に、この発明の第18実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法について図28を用いて説明する。図28は第18実施例による電子ビームテストシステムを用いて故障解析を行う際のモニター画面を示す絵画図である。図28において、105BはSEM像103に対応するレイアウト図の画像でありその他図27と同一符号のものは図27の同一符号部分に相当する部分である。SEM像103に対応するレイアウト図の画像105Bには、回路シミュレーション結果に基づいて、その配線の電位に応じた模様あるいは色彩が付される。
【0088】
第18実施例による故障解析について、第17実施例の故障解析方法と異なる点についてのみ説明する。第17実施例による故障解析方法では、論理シミュレーション結果に基づいて配線の電位を予測したが、図28に示す故障解析方法ではあらかじめ準備しておいた遅延ライブラリを使用し、論理シミュレーション波形に基づいた情報を元にその遅延時間を計算してその結果に対応する模様または色彩が付加された各セルのマスクデータを表示することによって視覚的に故障箇所の検出をするものである。
【0089】
実施例19.
次に、この発明の第19実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法について図30および図32を用いて説明する。図30はこの発明の第19実施例による電子ビームテストシステムを用いて故障解析を行う際のモニター画面について示す絵画図である。図30において、140はSEM像110の近傍の論理回路の構成を示す回路図の画像、141は回路図の画像140内の故障を起こしていると仮定したNANDゲート、150は故障シミュレーションの結果が付与された論理回路図の画像であり、その他図17と同一符号のものは図17との同一符号の部分に相当する部分である。
【0090】
図32は第19実施例による故障解析方法を実現するための装置の構成を示すブロック図である。図32において、134は回路接続情報26に基づいてモニターに表示された回路図上で指示されたゲートが単一縮退故障をしたと仮定して故障シミュレーションを実行するための故障シミュレーション実行手段、135は故障シミュレーション実行手段134が実行した故障シミュレーションの結果に応じて決定される配線の電位をモニターに表示するため故障シミュレーション結果の波形表示データを生成する故障シミュレーション結果の波形表示データ生成手段であり、その他図29と同一符号の部分は図29の同一符号部分に相当する部分である。
【0091】
モニター画面9A上に表示された回路図の画像140の中のいずれかのゲートを、単一縮退故障が発生しているゲートとして指定する。すると、表示手段20が指定されたゲートを故障シミュレーション実行手段134に伝え、故障シミュレーション実行手段134で故障シミュレーションが実行される。故障シミュレーション実行手段134は、故障シミュレーションの実行結果を記号データ生成手段30Aに出力する。記号データ生成手段30Aは、その故障が起きている場合の故障シミュレーション結果が「H」や「L」等の文字の形で論理回路図の画像150上に表示するようにデータを生成する。
【0092】
第19実施例による故障解析について、第4実施例の故障解析方法と異なる点についてのみ説明する。第4実施例では、論理シミュレーション結果に基づいて、配線の電位の高低を文字を用いて表示した。図16に示す故障解析方法では、単一縮退故障を想定した故障シミュレーションを実施して論理回路図の画像上に「H/L」や「5/0」等の記号や文字を表示することにより、SEM像100と論理回路図の画像150とを比較し、それらが一致しているか否かによって故障箇所を検出する。つまり、故障シミュレーションの結果と、SEM像100とが一致するか否かを比較することによって故障個所を特定する。なお、この時被測定半導体集積回路チップに与えられるテストパターンは、内部信号が時間的に変化するような波形であっても、内部信号が一定の値に固定されるような波形であってもよい。
【0093】
実施例20.
次に、この発明の第20実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法について図31を用いて説明する。図31はこの発明の第20実施例による電子ビームテストシステムを用いて故障解析を行う際のモニター画面について示す絵画図である。図31において、110Bは故障シミュレーション結果に基づいた模様あるいは色彩が付されたレイアウト図の画像であり、その他の図30と同一符号の部分は図30と同一符号部分に相当する部分である。
【0094】
第20実施例による故障解析について、第19実施例の故障解析方法と異なる点についてのみ説明する。図30に示す故障解析方法では、故障シミュレーション波形に基づいた情報を論理回路図の画像に文字や記号を用いて示したが、図31ではレイアウト図の画像110B上に模様や色彩を付加する点が異なっている。レイアウト図の画像110BとSEM像100とを視覚的に比較し、一致した場合には回路図上で指定したゲートが単一縮退故障を起こしているとして故障箇所を特定できる。
【0095】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明の電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法によれば、所定のシミュレーション結果に基づいて与えられる内部信号の状態を表す記号を前記設計図の画像上に表示するので、設計図の画像の記号と観測された像の干渉縞等とを視覚的に比較して内部信号の相違する箇所を検出することができ、観測された像から信号波形を生成して所定のシミュレーション結果を示す波形と比較しなくてもよく、故障個所検出に要する時間を短縮して故障解析の効率化が図れるという効果がある。
【0097】
請求項記載の発明の電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法によれば、観測中に半導体集積回路チップの内部信号が時間的に変化しないような所定のテストパターンを半導体集積回路チップに与えることにより、観測された像には干渉縞は発生せず明度の違いによって被測定半導体集積回路チップの信号レベルを識別することができ、設計図の画像上に所定のシミュレーション結果に基づいて与えられる内部信号の電圧レベルを示す色彩及び模様のうちの少なくとも一方と観測された像との違いを視覚的に比較でき、観測された像から信号波形を生成して所定のシミュレーション結果を示す波形と比較しなくてもよく、故障個所検出に要する時間を短縮して故障解析の効率化が図れるという効果がある。
【0098】
請求項記載の発明の電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法によれば、観測中に半導体集積回路チップの内部信号が時間的に変化しないような所定のテストパターンを半導体集積回路チップに与えるとともに、観測される像には干渉縞は発生せず明度の違いによって被測定半導体集積回路チップの信号レベルを識別することができ、設計図の画像上に表示された所定のシミュレーション結果によって与えられる内部信号の電圧レベルを示す記号と観測された像との違いを視覚的に比較でき、観測された像から信号波形を生成して所定のシミュレーション結果を示す波形と比較しなくてもよく、故障個所検出に要する時間を短縮して故障解析の効率化が図れるという効果がある。
【0099】
請求項記載の発明の電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法によれば、設計図の画像に論理シミュレーション結果によって与えられる内部信号の周波数や電圧レベルに対応する模様や色彩または記号が示され、論理シミュレーション結果と観測された像との比較を視覚的に行えるので、観測された像と論理シミュレーション結果との不一致を視覚的に検知でき故障解析が容易になるという効果がある。
【0100】
請求項記載の発明の電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法によれば、設計図の画像に回路シミュレーション結果によって与えられる内部信号の周波数や電圧レベルに対応する模様や色彩または記号が示され、回路シミュレーション結果と観測された像との比較を視覚的に行えるので、観測された像と回路シミュレーション結果との不一致を視覚的に検知でき故障解析が容易になるという効果がある。
【0101】
請求項記載の発明の電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法によれば、設計図の画像に故障シミュレーション結果によって与えられる内部信号の周波数や電圧レベルに対応する模様や色彩または記号が示され、故障シミュレーション結果と観測された像との比較を視覚的に行えるので、観測された像と故障シミュレーション結果との不一致を視覚的に検知でき故障解析が容易になるという効果がある。
【0102】
請求項記載の発明の電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法によれば、所定の2つの配線間での内部信号の遅延時間を設計図の画像上に表示させるように構成されているので、内部信号の電圧レベルの移り変わりの異常を視覚的に認識して故障解析を行うための情報を容易に得ることができるという効果がある。
【0103】
請求項記載の発明の電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法によれば、遅延ライブラリのデータを基に回路シミュレーション結果を用いて計算された遅延時間を用いているので、実際に観測された像の電圧レベルの移り変わりに近い比較対象を提供でき、判断の確度を向上できるという効果がある。
【0104】
請求項記載の発明の電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法によれば、設計図の画像に回路を構成している論理素子の名称もしくは論理素子で構成された回路の名称を示す記号、または設計図の画像に回路を構成している論理素子の構成要素の名称もしくは論理素子で構成された回路の構成要素の名称を示す記号のうちの少なくとも一方の記号によって、視覚的に比較したときに所定のシミュレーション結果と観測された像との違いがある箇所の性質を特定しやすくなり、故障解析の効率化が図れるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法を実施した際のモニターの表示の一例を示す絵画図である。
【図2】 この発明の第1実施例による電子ビームテストシステムの構成の概要を示すブロック図である。
【図3】 第1実施例における模様を付与するためのデータ生成の手順を示すフローチャートである。
【図4】 この発明の第2実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法を実施した際のモニターの表示の一例を示す絵画図である。
【図5】 この発明の第2実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法を実施した際のモニターの表示の一例を示す絵画図である。
【図6】 この発明の第3実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法を実施した際のモニターの表示の一例を示す絵画図である。
【図7】 この発明の第4実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法を実施した際のモニターの表示の一例を示す絵画図である。
【図8】 この発明の第5実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法を実施した際のモニターの表示の一例を示す絵画図である。
【図9】 この発明の第6実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法を実施した際のモニターの表示の一例を示す絵画図である。
【図10】 この発明の第7実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法を実施した際のモニターの表示の一例を示す絵画図である。
【図11】 この発明の第8実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法を実施した際のモニターの表示の一例を示す絵画図である。
【図12】 従来の電子ビームテストシステムの構成の概要を示す正面図である。
【図13】 従来の電子ビームテストシステムの構成の概要を示すブロック図である。
【図14】 従来の故障解析方法を実施している際のモニターの表示を示す絵画図である。
【図15】 被測定半導体集積回路チップの故障解析に関係する内部論理回路の一例を示す論理回路図である。
【図16】 この発明の第9実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法を実施した際のモニターの表示の一例を示す絵画図である。
【図17】 この発明の第10実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法を実施した際のモニターの表示の一例を示す絵画図である。
【図18】 この発明の第11実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法を実施した際のモニターの表示の一例を示す絵画図である。
【図19】 この発明の第12実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法を実施した際のモニターの表示の一例を示す絵画図である。
【図20】 この発明の第13実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法を実施した際のモニターの表示の一例を示す絵画図である。
【図21】 この発明の第11実施例で用いられる電子ビームテストシステムの構成の概要を示すブロック図である。
【図22】 この発明の第14実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法を実施した際のモニターの表示の一例を示す絵画図である。
【図23】 この発明の第14実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法を実施した際のモニターの表示の他の例を示す絵画図である。
【図24】 この発明の第15実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法を実施した際のモニターの表示の一例を示す絵画図である。
【図25】 この発明の第16実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法を実施した際のモニターの表示の一例を示す絵画図である。
【図26】 この発明の第16実施例で用いられる電子ビームテストシステムの構成の概要を示すブロック図である。
【図27】 この発明の第17実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法を実施した際のモニターの表示の一例を示す絵画図である。
【図28】 この発明の第18実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法を実施した際のモニターの表示の一例を示す絵画図である。
【図29】 この発明の第17実施例で用いられる電子ビームテストシステムの構成の概要を示すブロック図である。
【図30】 この発明の第19実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法を実施した際のモニターの表示の一例を示す絵画図である。
【図31】 この発明の第20実施例による電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法を実施した際のモニターの表示の一例を示す絵画図である。
【図32】 この発明の第19実施例で用いられる電子ビームテストシステムの構成の概要を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 半導体集積回路チップ、6 電子ビーム装置、7 テストシステム、8 信号ケーブル、9 モニター、10 半導体集積回路チップ、11,11a,100,103 SEM像、12,12a〜12d,101,105A,105B,108,110A,110B レイアウト図の画像、13,13a〜13d,102,104,106A,106B,107,109,150 論理回路図の画像、140 回路図の画像。

Claims (9)

  1. 与えられた所定のテストパターンに従って時間的に内部信号が変化する半導体集積回路チップの動作を電子ビームを走査しながら照射して被照射部分で発生する二次電子のエネルギー変化によって観測するとともに観測された像と該像に対応する設計図の画像とを合わせて表示する電子ビームテストシステムを用いて故障個所を特定する電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法において、
    所定のシミュレーション結果に基づいて与えられる前記内部信号の状態を表す記号を前記設計図の画像上に表示することを特徴とする、電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法。
  2. 半導体集積回路チップの動作を電子ビームを走査しながら照射して被照射部分で発生する二次電子のエネルギー変化によって観測するとともに観測された像と該像に対応する設計図の画像とを合わせて表示する電子ビームテストシステムを用いて故障個所を特定する故障解析方法において、
    観測中に前記半導体集積回路チップの内部信号が時間的に変化しないような所定のテストパターンを前記半導体集積回路チップに与えるとともに、
    所定のシミュレーション結果に基づいて与えられる前記内部信号の電圧レベルを示す模様と色彩のうちの少なくとも一方を前記設計図の画像に表示することを特徴とする、電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法。
  3. 半導体集積回路チップの動作を電子ビームを走査しながら照射して被照射部分で発生する二次電子のエネルギー変化によって観測するとともに観測された像と該像に対応する設計図の画像とを合わせて表示する電子ビームテストシステムを用いて故障個所を特定する故障解析方法において、
    観測中に前記半導体集積回路チップの内部信号が時間的に変化しないような所定のテストパターンを前記半導体集積回路チップに与えるとともに、
    所定のシミュレーション結果に基づいて与えられる前記内部信号の電圧レベルを示す記号を前記設計図の画像に表示することを特徴とする、電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法。
  4. 前記所定のシミュレーション結果は、論理シミュレーション結果を含むことを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法。
  5. 前記所定のシミュレーション結果は、回路シミュレーション結果を含むことを特徴とする、請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載の電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法。
  6. 前記所定のシミュレーション結果は、故障シミュレーション結果を含むことを特徴とする、請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載の電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法。
  7. 所定の2つの配線間での内部信号の遅延時間を前記設計図の画像上に表示させることを特徴とする、請求項1記載の電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法。
  8. 前記遅延時間は、セルの遅延情報を記述した遅延ライブラリのデータを基に回路シミュレーション結果を用いて計算された遅延時間であることを特徴とする、請求項7記載の電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法。
  9. 所定のテストパターンが与えられている半導体集積回路チップの動作を電子ビームを走査しながら照射して被照射部分で発生する二次電子のエネルギー変化によって観測するとともに観測された像と該像に対応する設計図の画像とを合わせて表示する電子ビームテストシステムを用いて故障個所を特定する電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法において、
    前記設計図の画像に回路を構成している論理素子の名称もしくは論理素子で構成された回路の名称を示す記号、または前記設計図の画像に回路を構成している論理素子の構成要素の名称もしくは論理素子で構成された回路の構成要素の名称を示す記号のうちの少なく とも一方の記号を付加することを特徴とする、電子ビームテストシステムを使用する故障解析方法。
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