JP3685919B2 - クラッチ自動制御車両 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、摩擦型のクラッチを具え、該クラッチの断接がコントローラからの指令で自動的に制御されるクラッチ自動制御車両に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両には、クラッチ自体として摩擦クラッチを使用するが、その制御を手動ではなく、コントローラからの信号により自動で行うようにしたものとか、手動でも自動でも制御できるようにしたものがある。ここでは、少なくとも自動で制御できるようにしてある車両のことを、クラッチ自動制御車両と言うことにする。
【0003】
図4は、従来のクラッチ自動制御車両の要部ブロック図である。図4において、1はエンジン、2はクラッチ、3はトランスミッション、4はトランスミッション回転センサ、5はギヤ位置センサ、6はコントローラ、6−1は半クラッチ位置メモリ、6−2は無負荷停車時半クラッチ位置メモリ、7はクラッチ油圧アクチュエータ、8は油圧パイプ、9はスレーブシリンダ、10はロッド、11はレリーズフォーク、12はクラッチ位置センサである。
【0004】
トランスミッション回転センサ4は、トランスミッション3のカウンタシャフトの回転数を検出する。この回転数を、ギヤ比等を考慮して換算処理することにより、車速を求めることが出来る(その場合、トランスミッション回転センサ4は、車速センサとして用いられている。)。
ギヤ位置センサ5はトランスミッション3での現在のギヤ位置を検出し、クラッチ位置センサ12は、クラッチ断とクラッチ接間でのクラッチ位置(クラッチストローク)を検出する。
これらのセンサの検出信号は、コントローラ6へ送られる。コントローラ6は、コンピュータ的に構成されている。
【0005】
クラッチ油圧アクチュエータ7は、コントローラ6からの制御信号に基づき、クラッチの断,接を制御するアクチュエータである。クラッチ油圧アクチュエータ7の油圧は、クラッチ2に付設されているスレーブシリンダ9に伝えられ、スレーブシリンダ9は、ロッド10,レリーズフォーク11を介してクラッチ2を駆動し、断,接をする。
【0006】
コントローラ6には、半クラッチ位置メモリ6−1,無負荷停車時半クラッチ位置メモリ6−2が設けられている。
半クラッチ位置メモリ6−1は、半クラッチ位置基準ストロークを記憶しておくメモリである。半クラッチ位置基準ストロークは、クラッチ油圧アクチュエータ7を制御してクラッチ2を接方向に駆動する際、半クラッチになったかどうかをコントローラ6が判断するために設定されている。コントローラ6がクラッチ油圧アクチュエータ7に指令して半クラッチにしようとする時、クラッチ位置センサ12で検出されて来るクラッチストロークと比較しつつ、そのストロークに制御し、半クラッチにする。
【0007】
半クラッチ位置基準ストロークは、車両の工場出荷時あるいはクラッチを新品に交換した時に、ギヤイン学習により求め、半クラッチ位置メモリ6−1に記憶させておく。半クラッチ位置のギヤイン学習は、例えば、次のように行われる。停車してブレーキをかけた状態で、エンジンをアイドル回転程度にしておき、クラッチを断にしてギヤを発進段である第2速段に入れ、クラッチを接方向に進める。そして、エンジン回転数が急に低下した時(この時、クラッチディスクが接触して半クラッチとなった)のクラッチストロークを検出して、これを半クラッチ位置基準ストロークとしている。
【0008】
無負荷停車時半クラッチ位置メモリ6−2は、無負荷停車時半クラッチ位置を記憶しておくメモリである。無負荷停車時半クラッチ位置とは、停車時に無負荷(つまり、ギヤをニュートラルにした状態)で、半クラッチにした時のクラッチストロークである。
このストロークは、無負荷停車時にクラッチを徐々に接方向に駆動してゆき、トランスミッション回転センサ4で検出される回転数がゼロではなくなった時に、クラッチ位置センサ12から検出されて来るクラッチストロークである。トランスミッション回転センサ4の回転数がゼロではなくなったということは、トランスミッション3のカウンタシャフトが回転を始めたということであるが、これは、クラッチが僅かに接となり、回転力がトランスミッション3に伝えられ始めたということである。この時、半クラッチ位置になったと判断し、その時のクラッチストロークを、無負荷停車時半クラッチ位置メモリ6−2に記憶する。
【0009】
ところで、摩擦型のクラッチは、使用しているうちにクラッチ面が徐々に摩耗して来るから、半クラッチとなるクラッチストロークも摩耗と共に変化する。そのため、半クラッチ位置メモリ6−1に設定してある半クラッチ位置基準ストロークも、摩耗と共に更新してやる必要がある。
しかし、一般のドライバに、半クラッチ位置基準ストロークを更新するためのギヤイン学習を、定期的に行わせることは酷であり、煩雑で面倒である。
【0010】
そこで、無負荷停車時半クラッチ位置の学習の方を行わせ、その場合の半クラッチ位置の変化を求め、半クラッチ位置基準ストロークも同程度変化させるという具合にして補正するようにしている。
即ち、クラッチ面の摩耗が進むと、無負荷停車時半クラッチ位置のストロークも変化するので、新たに無負荷停車時半クラッチ位置を求めてみて、現在無負荷停車時半クラッチ位置メモリ6−2に記憶されている値と相違していれば、その変化分を算出する。そして、半クラッチ位置メモリ6−1の半クラッチ位置基準ストロークを、前記変化分と同じだけ変化させるというやり方で補正していた。例えば、無負荷停車時半クラッチ位置がΔSだけ減少したとすれば、半クラッチ位置基準ストロークもΔSだけ減少させていた。
【0011】
なお、クラッチ自動制御車両に関する従来の文献としては、例えば、実開平6−8825号公報がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
(問題点)
しかしながら、前記した従来のクラッチ自動制御車両では、半クラッチ位置基準ストロークの補正が、クラッチの熱変形や残留圧縮歪み等の影響を受けて適切には行われないことがあり、フィーリングの良い半クラッチを安定的に実現することが出来ないという問題点があった。
【0013】
(問題点の説明)
周知のように、クラッチは、クラッチディスクの背後からプレッシャプレートで押し、エンジン側のフライホイールの面に押しつける構造となっている。停車時にギヤをニュートラルにした状態で、クラッチディスクをフライホイールに接近させてゆくと、接触前はクラッチ側は回転していない。しかし、ギヤがニュートラルである(無負荷である)ので、クラッチディスクの表面が軽くフライホイールに接触した段階で、クラッチディスクは回転し始め、エンジンの回転がトランスミッションのカウンタシャフトに伝えられる。そのため、トランスミッション回転センサ4より、ゼロではない信号が検出され始める。
【0014】
ところが、クラッチディスクやプレッシャプレートには、しばしば熱変形が生じたり、残留圧縮歪みが生じたりする。残留圧縮歪みは、クラッチディスクを長時間押圧したまま放置したりした場合に生ずる歪みである。熱変形は、温度が通常の温度に戻れば元に戻るし、残留圧縮歪みは時間が経過すると元に戻る。
しかし、そのような変形や歪みが生じた状態で、無負荷停車時半クラッチ位置の学習をすると、変形や歪みで突出した部分がフライホイールに接触した段階で、クラッチ側が回転し始め、この時のクラッチストロークが無負荷停車時半クラッチ位置メモリ6−2に記憶される。もし、クラッチに変形や歪みが無ければ、まだ接触せず回転しないわけであるから、上記のようにして学習した無負荷停車時半クラッチ位置は、正確なものとは言えない。
従って、それを元にして半クラッチ位置を補正したのでは、適切な補正をしたことにはならず、フィーリングの良い半クラッチが実現出来なかった。
本発明は、以上のような問題点を解決することを課題とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明では、摩擦型のクラッチと、該クラッチに付設されているスレーブシリンダと、該クラッチを駆動するクラッチ油圧アクチュエータと、該クラッチ油圧アクチュエータから該スレーブシリンダに油圧を伝える油圧パイプと、クラッチストロークを検出するクラッチ位置センサと、前記クラッチ油圧アクチュエータに指令して前記クラッチの断,接を制御するコントローラとを具えたクラッチ自動制御車両において、前記油圧パイプに取り付けられ、作動点がクラッチ接時油圧と断時油圧との間の油圧に定められた油圧スイッチと、前記コントローラに、半クラッチ位置が設定される半クラッチ位置メモリと、クラッチを接する時の速度として過大および過小の範囲を除いた速度範囲が設定されるクラッチ接速度設定範囲メモリと、油圧スイッチ作動時のクラッチストロークとして基準とされる油圧スイッチ作動ストローク基準値が設定される油圧スイッチ作動ストローク基準値メモリと、前記クラッチ接速度設定範囲内の速度で接された時の油圧スイッチ作動ストロークが、前記油圧スイッチ作動ストローク基準値より小であった時にカウント値が増加され、大であった時に減少される摩耗度カウンタとを設け、該摩耗度カウンタの値が設定限界値より大となった時に油圧スイッチ作動ストローク基準値を変えうる最小単位だけ小とすると共に、半クラッチ位置の設定値を同じだけ小とすることとした。
【0016】
(解決する動作の概要)
摩擦型のクラッチをコントローラにより制御するクラッチ自動制御車両において、クラッチに付設されるスレーブシリンダに油圧を伝える油圧パイプに油圧スイッチを取り付ける。油圧スイッチの作動点(作動油圧)は、クラッチ断時の油圧と接時の油圧との中間(まだ、接とはならない付近)に定めておく。そして、クラッチを接にする時のクラッチストローク速度が、予め設定してある範囲の速度(早すぎもしない遅すぎもしない速度)の時の油圧スイッチ作動ストロークSを検出する。
【0017】
検出した油圧スイッチ作動ストロークSが、油圧スイッチ作動ストロークの基準値として設定されているストロークSH より小であることが何回か発生すると、油圧スイッチ作動ストローク基準値SH を設定変更し得る最小単位だけ小とすると共に、半クラッチ位置基準ストロークも同じだけ補正する。
即ち、クラッチの摩耗が進行すると、油圧スイッチ作動ストローク基準値SH が設定変更されるようにし、その設定変更分を利用して半クラッチ位置の設定値を補正する。
【0018】
このようにすることにより、半クラッチ位置を補正するに際し、ストロークがずれるところのクラッチ接速度大あるいは小の場合を除き、適正な接速度の場合のクラッチストロークのみを監視し、それが従来の基準値に比べて何回か異なった時に、補正するようにしたので、正確な補正が出来る。
また、監視するクラッチストロークとしては、クラッチ接時油圧と断時油圧の中間の油圧(つまり、接時油圧よりはだいぶ離れた油圧)で作動する油圧スイッチの作動時のクラッチストロークを選定しているので、クラッチディスクやプレッシャプレートの熱変形,残留圧縮歪みがあっても、それらに影響されることなく補正時点を決めることが出来る(もし、接する付近でのクラッチストロークを監視したならば、熱変形や残留圧縮歪みによる突出部分がフライホイールに接触することもあるので、それらの影響を受ける。)。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明のクラッチ自動制御車両の要部ブロック図である。符号は図4のものに対応しており、6−3はクラッチ接速度設定範囲メモリ、6−4は油圧スイッチ作動ストローク基準値メモリ、6−5は摩耗度カウンタ、13は油圧スイッチ、14はアクセルペダル、15はアクセル開度センサである。図4と同じ符号のものは、図4と同じものであるので、それらの説明は省略する。
【0020】
油圧スイッチ13は、クラッチ油圧アクチュエータ7とスレーブシリンダ9とを連結する油圧パイプ8に取り付けられ、油圧パイプ8の油圧を検出する。油圧パイプ8の油圧は、クラッチ接の時は低く、断にされる時は上昇させられるが、油圧スイッチ13がスイッチ動作する油圧(=油圧スイッチ作動点)は、接時の油圧と断時の油圧の中間の値に、適宜設定することが出来る。
油圧の検出は、例えば、油圧が油圧スイッチ作動点より大になる時(油圧スイッチ13はオフからオンとなる)を利用して、あるいは、逆に油圧スイッチ作動点より小になる時(油圧スイッチ13がオンからオフとなる)を利用して行われる。なお、油圧スイッチ13の検出信号は、コントローラ6へ入力される。
【0021】
図2は、本発明におけるクラッチの摩耗と油圧スイッチの作動との関係を説明する図である。横軸はクラッチストローク,縦軸は油圧パイプ8内の油圧を示している。PA は接時油圧、PB は断時油圧、PD は油圧スイッチ作動点である。また、イはクラッチ新品時の油圧曲線、ハはクラッチ全摩耗時の油圧曲線、ロは摩耗が中程度進んだ時の油圧曲線である。
曲線イの点A0 はクラッチを接から断にしようとしている点であり、点B0 は断にされた時の点である。断にした後、クラッチストロークはやや進めることが出来るが、その点がC0 である。断から接にする際は、点C0 →点D0 の経路を辿って接に戻る。接になった後、クラッチストロークは更にやや戻って点A0 に落ち着く。曲線ロ,ハにおいても、同様の経路を辿って変化する。
【0022】
図2では、油圧スイッチ13の作動点を接時油圧PA と断時油圧PB との途中の値(接時油圧からは十分離れている値)であるPD と定め、断→接に向かう時に油圧がPD になった時を監視している。曲線イの点D0 は、クラッチが新品の場合に油圧がPD になった点であるが、この時、クラッチ位置センサ11で検出されるクラッチストロークは、S0 である。曲線ロにおける同様の点D1 において検出されるクラッチストロークはS1 であり、曲線ハにおける同様の点DF において検出されるクラッチストロークはSF である。
【0023】
図示する如く、クラッチの摩耗が曲線ロの状態まで進行すると、油圧スイッチ13が作動した時のクラッチストロークはS1 となり、新品時のクラッチストロークS0 から見たストローク移動値はL01である。
曲線ロ,ハは、曲線イをほぼ平行移動した形となることが知られているから、クラッチストロークの相対的変化を監視する場合(本発明はまさにその場合であるが)、油圧スイッチ作動点PD は、接時油圧PA と断時油圧PB との間の他の任意の点に設定することも出来る。
【0024】
図1に戻るが、クラッチ接速度設定範囲メモリ6−3は、クラッチを接する時のクラッチ駆動速度の、望ましい範囲を設定しておくメモリである。クラッチを素早く接する場合とゆっくりと接する場合は、半クラッチ位置が通常の接速度の場合に比べて微妙にずれることが判明したので、この発明では、あまりずれることがない接速度の範囲を予め実験等により求めておき、クラッチ接速度設定範囲メモリ6−3に記憶させておく。そして、後で述べるように、半クラッチ位置を設定する際に、クラッチ接速度が適切な範囲であったかどうかをチェックするのに用いる。
なお、クラッチ接速度は、接する時のクラッチストローク(これは、クラッチ位置センサ12により検出される)の単位時間あたりの変化により算出される。
【0025】
油圧スイッチ作動ストローク基準値メモリ6−4は、油圧スイッチ13が作動する時(例えば、オン→オフとなる時)のクラッチストロークとして、基準となる値を記憶させておくメモリである。例えば、図2に従って説明すると、クラッチが新品(曲線イ)の時の油圧スイッチ作動ストローク基準値は、S0 である。
しかし、摩耗が進んで曲線ロの状態となった時の油圧スイッチ作動ストローク基準値は、S1 である。S0 に対するストローク移動値は、L01である。油圧スイッチ作動ストローク基準値は、後で説明するように、油圧スイッチ13作動時にクラッチ位置センサ12から検出されるクラッチストロークを監視して、変化が観測されれば設定変更してゆく。しかし、現在の値とは違った値が検出されたからといって、直ちに変更することはしない。何らかの原因で一時的に異なった値となったかも知れないからである。設定の変更は、次に述べる摩耗度カウンタ6−5の値が所定値になった時に行う。
【0026】
摩耗度カウンタ6−5は、検出された油圧スイッチ作動ストロークSが、油圧スイッチ作動ストローク基準値メモリ6−4の値SH より小であった場合は「+1」をカウントし、SH より大であった場合は「−1」をカウントし、SH と等しかった場合はカウントしないというように動作させるカウンタである。
このカウント値Mが、予め定めてある設定限界値Kより大となった時、油圧スイッチ作動ストローク基準値メモリ6−4に記憶させてある値を、変更し得る最小単位で1単位だけ小に設定変更する。設定限界値Kは、油圧スイッチ作動ストローク基準値メモリ6−4の設定値を維持する限界のカウンタ値という意味を持つ(図3のフローチャートで更に説明する。)。
【0027】
以上のようにして、油圧スイッチ作動ストローク基準値メモリ6−4の値は、クラッチの摩耗の進行に伴って徐々に補正されて行くが、半クラッチ位置も同じストロークだけ変化して行っているとの前提の基に(図2で曲線イ,ロ,ハはほぼ平行移動した形となっていること参照)、本発明では、油圧スイッチ作動ストローク基準値が補正された分だけ、半クラッチ位置も補正するという方法で、半クラッチ位置基準ストロークを補正する。
そこで、油圧スイッチ作動ストローク基準値の補正制御について、更に詳しく説明する。
【0028】
図3は、本発明の油圧スイッチ作動ストローク基準値の補正制御を説明するフローチャートである。
ステップ1…車両が発進可能状態にあるかどうかを判断する。この判断は、ギヤ位置センサ5,トランスミッション回転センサ4,クラッチ位置センサ12,アクセル開度センサ15からの検出信号を基に、ギヤが発進用の走行段に入れられているか、停車しているか(車速ゼロか)、クラッチ2が接とされたか、アクセルペダル14はまだ踏み込まれていないか等をチェックして行う。
【0029】
ステップ2…クラッチを接にした際のクラッチ接速度を求めると共に、油圧スイッチ13が作動した時のクラッチストローク(=油圧スイッチ作動ストロークS)を求める。これらは、接にする際に読み込まれたデータを基に求められる。ステップ3…求めたクラッチ接速度が、クラッチ接速度設定範囲メモリ6−3に設定してある範囲内の速度かどうか調べる。接速度が早すぎたり遅すぎたりした場合でのデータは信用がおけないので、その場合のデータは使わないようにするためである。
【0030】
ステップ4…油圧スイッチ作動ストロークSを、油圧スイッチ作動ストローク基準値メモリ6−4の油圧スイッチ作動ストローク基準値SH と等しいかどうか調べる。
ステップ5…両者が等しければ(S=SH )、摩耗度カウンタ6−5の値Mをそのまま維持(0加算)して、ステップ10へ進む。
ステップ6…油圧スイッチ作動ストロークSが、油圧スイッチ作動ストローク基準値SH より小であるかどうか調べる。
ステップ7…小であれば(S<SH )、摩耗度カウンタ6−5の値Mを1だけ増加させる(+1加算)して、ステップ10へ進む。
【0031】
ステップ8…油圧スイッチ作動ストロークSが、油圧スイッチ作動ストローク基準値SH より大であれば(S>SH )、摩耗度カウンタ6−5の値Mが、予め定めてある負の設定限界値K2 より大であるか調べる(例えば、K2 =−7と定められていれば、M=−5の時、M>K2 である)。通常、摩耗が進行すると、油圧スイッチ作動ストロークSは減少し、摩耗度カウンタ6−5の値Mは正の方向に増加する筈であるので、負の方向に増加するということは、何らかの歪みとか一時的な熱膨張等のためと考えられる。これらは、摩耗を反映したものではないので、予め負の設定限界値K2 を設けておき、カウント値Mをそれ以上負へは進めない処置をとる。
ステップ9…S>SH である場合は、摩耗度カウンタ6−5の値Mを1だけ減少させる(−1加算)して、ステップ10へ進む。
【0032】
ステップ10…カウンタ値Mが、予め定めてある正の設定限界値K1 より大となったかどうか調べる。図2に示すように、クラッチの摩耗が進むとクラッチストロークは移動して来る。従って、カウンタ値Mが増加して来るということは、油圧スイッチ13が作動するストロークが、その時に設定してある油圧スイッチ作動ストローク基準値SH より小さいという現象が、大きいという現象より、何回か多く発生するということを意味している。
そこで、その回数が何回位であったら、摩耗が進行していることはもはや間違いないと確信出来るという回数を、設定限界値K1 として設定しておく。
【0033】
ステップ11…Mが設定限界値Kより大となったら、油圧スイッチ作動ストローク基準値SH の値を、変え得る最小単位だけ小さい値に補正する(設定変更)。これで、クラッチの摩耗の程度に合わせて、油圧スイッチ13が作動するとされるクラッチストロークが補正される(なお、半クラッチ位置メモリ6−1の半クラッチ位置基準ストロークは、油圧スイッチ作動ストローク基準値SH が補正された分だけ、連動して補正することとする。)。
ステップ12…摩耗度カウンタ6−5のカウンタ値Mを、0に戻す。補正後の新しい油圧スイッチ作動ストローク基準値SH についてのカウントを、開始するための準備である。
【0034】
なお、図1では、クラッチがクラッチ油圧アクチュエータにより自動で制御される車両を示したが、切り替えにより手動(クラッチペダル)によるクラッチ制御も出来るようにしてあるクラッチ自動制御車両に対しても、摩擦クラッチを使用していさえすれば、同様に適用することが出来ることは言うまでもない。
【0035】
【発明の効果】
以上のように本発明のクラッチ自動制御車両によれば、半クラッチ位置を補正するに際し、ストロークがずれるところのクラッチ接速度大あるいは小の場合を除き、適正な接速度の場合のクラッチストロークのみを監視し、それが従来の基準値に比べて何回か異なった時に、補正するようにしたので、正確な補正が出来る。
【0036】
また、監視するクラッチストロークとしては、クラッチを駆動する油圧を伝える油圧パイプに油圧スイッチを取付け、その作動点をクラッチ接時油圧と断時油圧の中間(つまり、接時油圧よりはだいぶ離れた油圧)に設定しておき、その作動時のクラッチストロークを選定しているので、クラッチディスクやプレッシャプレートの熱変形,残留圧縮歪みがあっても、それらに影響されることなく補正時点を決めることが出来る。
その結果、クラッチが摩耗しても半クラッチ位置が適正に補正され、フィーリングの良い半クラッチを安定的に実現することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のクラッチ自動制御車両の要部ブロック図
【図2】 クラッチの摩耗と油圧スイッチの作動との関係を説明する図
【図3】 本発明の油圧スイッチ作動ストローク基準値の補正制御を説明するフローチャート
【図4】 従来のクラッチ自動制御車両の要部ブロック図
【符号の説明】
1…エンジン、2…クラッチ、3…トランスミッション、4…トランスミッション回転センサ、5…ギヤ位置センサ、6…コントローラ、6−1…半クラッチ位置メモリ、6−2…無負荷停車時半クラッチ位置メモリ、6−3…クラッチ接速度設定範囲メモリ、6−4…油圧スイッチ作動ストローク基準値メモリ、6−5…摩耗度カウンタ、7…クラッチ油圧アクチュエータ、8…油圧パイプ、9…スレーブシリンダ、10…ロッド、11…レリーズフォーク、12…クラッチ位置センサ、13…油圧スイッチ、14…アクセルペダル、15…アクセル開度センサ
Claims (1)
- 摩擦型のクラッチと、該クラッチに付設されているスレーブシリンダと、該クラッチを駆動するクラッチ油圧アクチュエータと、該クラッチ油圧アクチュエータから該スレーブシリンダに油圧を伝える油圧パイプと、クラッチストロークを検出するクラッチ位置センサと、前記クラッチ油圧アクチュエータに指令して前記クラッチの断,接を制御するコントローラとを具えたクラッチ自動制御車両において、
前記油圧パイプに取り付けられ、作動点がクラッチ接時油圧と断時油圧との間の油圧に定められた油圧スイッチと、
前記コントローラに、
半クラッチ位置が設定される半クラッチ位置メモリと、
クラッチを接する時の速度として過大および過小の範囲を除いた速度範囲が設定されるクラッチ接速度設定範囲メモリと、
油圧スイッチ作動時のクラッチストロークとして基準とされる油圧スイッチ作動ストローク基準値が設定される油圧スイッチ作動ストローク基準値メモリと、
前記クラッチ接速度設定範囲内の速度で接された時の油圧スイッチ作動ストロークが、前記油圧スイッチ作動ストローク基準値より小であった時にカウント値が増加され、大であった時に減少される摩耗度カウンタと
を設け、
該摩耗度カウンタの値が設定限界値より大となった時に油圧スイッチ作動ストローク基準値を変えうる最小単位だけ小とすると共に、半クラッチ位置の設定値を同じだけ小とする
ことを特徴とするクラッチ自動制御車両。
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