JP3685916B2 - 無段変速車両の操舵制御装置 - Google Patents

無段変速車両の操舵制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、左右の駆動輪に接続された左右の無段変速機の出力回転数を変化させることにより車両の前後進および旋回を制御する無段変速車両の操舵制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかる無段変速車両の操舵制御装置は、特開平7−323864号公報および特開平7−323865号公報により既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の無段変速車両の操舵制御装置は、車両の前後進を制御する主変速レバーの操作および車両の旋回を制御するハンドルの操作をミキシングして左右の無段変速機に伝達するミキシング機構(増減速機構)が、構造が複雑で高い精度を必要とする摺動構造やカム構造を備えているため、砂粒や塵の付着による作動不良が発生する可能性があった。
【0004】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、無段変速車両の操舵制御装置から摺動構造やカム構造を廃止して砂粒や塵の付着による作動不良の発生を未然に回避することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、左右の駆動輪に接続された左右の無段変速機と、乗員によって操作されて左右の無段変速機の出力を同一速度で増減させる車速入力手段と、乗員によって操作されて左右の無段変速機の出力を相互に異なる速度に変化させる操舵入力手段と、車速入力手段の操作および操舵入力手段の操作をミキシングして左右の無段変速機に伝達するミキシング機構とを備えた無段変速車両の操舵制御装置において、前記ミキシング機構は、操舵入力手段の操作に連動して揺動する揺動プレートと、揺動プレートの揺動中心を通る前後方向中心線に対して左右対称の位置に一端が枢支されて前後方向に延びる左右のタイロッドと、車体に左右方向に支持されて車速入力手段の操作に連動して回動する第1固定支軸と、第1固定支軸に偏心して設けられて該第1固定支軸を中心とする円弧上を移動する移動支軸と、一端が移動支軸に枢支されて他端が左右のタイロッドの他端に枢支された左右の第1レバーと、一端が左右の第1レバーに枢支された左右の第2レバーと、車体に左右方向に支持された第2固定支軸と、中間部が第2固定支軸を介して車体に枢支され、一端が左右の第2レバーの他端に枢支されるとともに他端が左右の無段変速機に接続された左右の第3レバーとを備えてなり、操舵入力手段をフル転舵位置に操作したときに、揺動プレートに枢支された左右一方のタイロッドの一端は前記前後方向中心線を越えて反対側に移動することを特徴とする。
【0006】
上記構成によれば、乗員が操舵入力手段を中立位置にしたまま車速入力手段を操作すると、左右の第3レバーが同方向に同一角度だけ揺動し、それら左右の第3レバーに接続された左右の無段変速機の出力が同一速度で増減して車両が直進状態で前後進する。その作用は以下のa〜gのとおりである。
a.車速入力手段を操作する
b.第1固定支軸が回動する
c.第1固定支軸に偏心して設けられた移動支軸が該第1固定支軸を中心とする円弧上を移動する
d.移動支軸に一端を枢支された左右の第1レバーが移動する
e.第1レバーに一端を枢支された左右の第2レバーが移動する
f.第2レバーの他端に一端を接続された左右の第3レバーが第2固定支軸回りに揺動する
g.左右の第3レバーの他端に接続された左右の無段変速機の出力が同一速度 で増減する
乗員が操舵入力手段を操作すると、左右の第3レバーの角度が相互に異なる角度に揺動し、それら左右の第3レバーに接続された左右の無段変速機の出力が異なる速度に変化して車両が旋回する。その作用は以下のh〜nのとおりである。
h.操舵入力手段を操作する
i.揺動プレートが揺動する
j.揺動プレートに一端を枢支された左右のタイロッドが異なる距離だけ押し引きされる
k.移動支軸に一端を枢支された左右の第1レバーがタイロッドによって異なる角度に揺動する
l.第1レバーに一端を枢支された左右の第2レバーが異なる位置に移動する
m.第2レバーの他端に一端を枢支された左右の第3レバーが第2固定支軸回りに異なる角度に揺動する
n.左右の第3レバーの他端に接続された左右の無段変速機の出力が異なる速度に変化する
乗員が操舵入力手段をフル転舵位置に操作すると、揺動プレートに枢支された左右一方のタイロッドの一端は前後方向中心線を越えて反対側に移動するので、その左右一方のタイロッドは殆ど押し引きされないのに対して、左右他方のタイロッドは大きく押し引きされる。その結果、左右の第3レバーの角度に充分な差が発生して車両の旋回が効果的に行われる。
【0007】
また請求項2に記載された発明は、請求項1の構成に加えて、車速入力手段は車両を低速で前進走行させる低速前進位置と、車両を高速で前進走行させる高速前進位置と、車両を後進走行させる後進位置とを選択可能であり、低速前進位置および後進位置において操舵入力手段フル転舵位置に操作すると、左右の無段変速機の出力が逆方向の同一速度になって車両は超信地旋回することを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、低速前進走行時および後進走行時に操舵入力手段をフル転舵位置に操作すると超信地旋回を行わせることができるので、車両が作業を行う際の旋回半径を最小にして作業能率を高めることができ、また高速前進走行時には車両が超信地旋回を行わないようにして高速前進走行に見合った緩やな旋回を行わせることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0010】
図1〜図11は本発明の一実施例を示すもので、図1は無段変速車両の全体側面図、図2は図1の2方向矢視図、図3は操舵制御装置の全体構造を示す図、図4は作業速直進時の状態を示す、図2の4−4線拡大断面図、図5は図4の5方向矢視図、図6は作業速右フル転舵時の作用説明図、図7は図6の7方向矢視図、図8は移動速直進時の作用説明図、図9は移動速右フル転舵時の作用説明図、図10は後進直進時の作用説明図、図11は後進右フル転舵時の作用説明図である。
【0011】
図1および図2に示すように、無段変速車両としての不整地作業車両Vは、平面視で矩形状のメインフレームFと、このメインフレームFに結合されて車体左右方向に延びる3本のクロスメンバ1,2,3と、メインフレーム1から左右に突出するクロスメンバ1,2,3の先端に結合されて車体前後方向に延びる左右一対のサイドフレーム4L ,4R とを備える。メインフレームFの後部寄りの位置にはエンジンEおよび無段変速装置Tが搭載されており、それらの上方に乗員用のシート5が設けられる。メインフレームFの前部寄りの位置に立設したハンドルコラム6の上端に、前記シート5に座乗した乗員により操作されるステアリングハンドル7が設けられる。
【0012】
エンジンEの出力軸8に設けた駆動スプロケット9と無段変速装置Tの入力軸10に設けた従動スプロケット11とが無端チェーン12により接続されており、この無端チェーン12を介してエンジンEの駆動力が無段変速装置Tに伝達される。無段変速装置Tは左右一対の静油圧式無段変速機TL ,TR (図2参照)を備えるものであり、各静油圧式無段変速機TL ,TR から左右の駆動軸13L ,13R が延出する。左右のサイドフレーム4L ,4R の後部にはそれぞれ伝動ケース14L ,14R が後下がりの姿勢で設けられる。各々の伝動ケース14L ,14R の前部には前記駆動軸13L ,13R に接続された駆動スプロケット15L ,15R が支持されており、これら駆動スプロケット15L ,15R が各々の伝動ケース14L ,14R の後部に設けた従動スプロケット16L ,16R に無端チェーン17L ,17R を介して接続される。
【0013】
左右のサイドフレーム4L ,4R の後端には、それぞれ前記従動スプロケット16L ,16R に接続された駆動輪18L ,18R が支持されるとともに、左右のサイドフレーム4L ,4R の前端には左右の従動輪19L ,19R が支持され、更に左右のサイドフレーム4L ,4R の下方には各々6個の案内輪20L …,20R …が支持される。そして左側の駆動輪18L 、従動輪19L および案内輪20L …にクローラ21L が巻き掛けられ、右側の駆動輪18R 、従動輪19R および案内輪20R …にクローラ21R が巻き掛けられる。
【0014】
而して、無段変速装置Tにより左右の駆動軸13L ,13R が回転すると、その回転は駆動スプロケット15L ,15R 、無端チェーン17L ,17R および従動スプロケット16L ,16R を介して駆動輪18L ,18R に伝達され、左右のクローラ21L ,21R を駆動して不整地作業車両Vを走行させる。このとき、無段変速装置Tの左右の静油圧式無段変速機TL ,TR を制御して駆動軸13L ,13R の回転方向および回転数を変化させることにより、不整地作業車両Vを任意の速度で前後進させるとともに、任意の旋回半径で旋回させることができる。
【0015】
即ち、左右の駆動軸13L ,13R を同速度で前進回転させれば、その回転数に応じた速度で不整地作業車両Vを前進走行させることができ、左右の駆動軸13L ,13R を同速度で後進回転させれば、その回転数に応じた速度で不整地作業車両Vを後進走行させることができる。また不整地作業車両Vの前進時および後進時に関わらず、左右の駆動軸13L ,13R の回転数に差を持たせれば、回転数の少ない側を内側にして不整地作業車両Vを旋回させることができる。更に左右の駆動軸13L ,13R の一方を停止させれば不整地作業車両Vを信地旋回させることができ、左右の駆動軸13L ,13R を逆方向に回転させれば不整地作業車両Vを超信地旋回させることができる。
【0016】
次に、図3〜図5を参照して操舵制御装置の構造を説明する。
不整地作業車両Vの前後進の制御はシート5(図1参照)の右側面に設けられたチェンジレバー31により行われ、不整地作業車両Vの旋回の制御は前記ステアリングハンドル7により行われる。チェンジレバー31の操作およびステアリングハンドル7の操作はミキシング機構32に伝達され、そこから2本のプッシュプルケーブル33L ,33R を介して静油圧式無段変速機TL ,TR に伝達される。ミキシング機構32の左側から後方に延びるプッシュプルケーブル33L は左側の静油圧式無段変速機TL に接続され、ミキシング機構32の右側から後方に延びるプッシュプルケーブル33R は右側の静油圧式無段変速機TR に接続される。図5に示すように、両プッシュプルケーブル33L ,33R は、それらが後方に押されると静油圧式無段変速機TL ,TR が前進方向に増速し、逆にそれらが前方に引かれると静油圧式無段変速機TL ,TR が後進方向に増速する。
【0017】
次に、図4および図5を参照してミキシング機構32の構造を説明する。
【0018】
ミキシング機構32は、車体に対して位置が固定された第1固定支軸34,34および第2固定支軸35,35を備えており、第1固定支軸34,34は左右に2分割されてフレーム36に回転自在に支持され、第2固定支軸35,35は左右に2分割されてフレーム37に固設される。
【0019】
フレーム38に支点30を介して前後揺動自在に枢支したチェンジレバー31に固定された駆動アーム39と、第1固定支軸34,34の右端に固定された従動アーム40とが、ロッド41によって接続される。従って、チェンジレバー31を車体前方に倒すと、駆動アーム39、ロッド41および従動アーム40を介して第1固定支軸34,34が車体前方に回転し、逆にチェンジレバー31を車体後方に倒すと第1固定支軸34,34が車体後方に回転する。2分割された第1固定支軸34,34の対向端に同位相で2本の揺動アーム42,42の基端が固定されており、それら2本の揺動アーム42,42の先端どうしが移動支軸43の左右両端に固定される。従って、チェンジレバー31の操作に伴って、即ち第1固定支軸34,34の回転に伴って、移動支軸43は第1固定支軸34,34の軸線を中心とする円弧上を移動することになる。
【0020】
左右一対の第1レバー44,44の一端が、各々独立に前後揺動し得るように移動支軸43に枢支される。クロスメンバ1から車体前方に延びるフレーム45に、ステアリングハンドル7から下方に延びるステアリングシャフト46が回転自在に支持されており、このステアリングシャフト46の下端に設けたピニオン47が、フレーム45に回転自在に支持した中間軸48の下端に設けたセクタギヤ49に噛合する。中間軸48の上端に設けた矩形状の揺動プレート50の左右後端部と前記左右一対の第1レバー44,44の他端とが、それぞれ左右のタイロッド51,51を介して連結される。揺動プレート50はフレーム52との間に張設した引張スプリング53でニュートラル位置に向けて付勢される。
【0021】
従って、ステアリングハンドル7を回転させると、ステアリングシャフト46、ピニオン47、セクタギヤ49、中間軸48を介して揺動プレート50が揺動し、その揺動プレート50に左右のタイロッド51,51を介して接続された左右の第1レバー44,44が移動支軸43回りに各々逆方向に揺動する。
【0022】
側面視でL字状に屈曲する左右の第3レバー54,54の屈曲部に固定したカラー55,55が、前記左右の第2固定支軸35,35に回転自在に支持される。左右の第3レバー54,54の一端と左右の第1レバー44,44の他端近傍とが、それぞれ第2レバー56,56の両端に連結されるとともに、左右の第3レバー54,54の他端に左右のプッシュプルケーブル33L ,33R がそれぞれ接続される。
【0023】
次に、前述の構成を備えた本発明の実施例の作用を説明する。
【0024】
図4および図5は作業速直進時、即ち不整地作業車両Vが作業を行いながら比較的に低速で前方に直進走行する場合を示している。このとき、ステアリングハンドル7はニュートラル位置にあり、チェンジレバー31は停止位置から前方に所定角度揺動した作業速位置にある。
【0025】
このとき、図5に示すようにミキシング機構32は前後方向中心線Lに対して左右対称になっており、左右のプッシュプルケーブル33L ,33R が同量だけ後方にに押し出されることにより、左右の静油圧式無段変速機TL ,TR に接続された左右の駆動軸13L ,13R (図2参照)が同速で前進方向に駆動され、その結果、不整地作業車両Vは作業速で前進直進走行する。
【0026】
この状態から、図8に示すようにチェンジレバー31を更に前方に倒して移動速位置に操作すると、駆動アーム39、ロッド41および従動アーム40を介して、第1固定支軸34,34が揺動アーム42および移動支軸43と共に図8の反時計方向に回転する。図4および図8を比較すると明らかなように、移動支軸43が上方に移動することにより第1レバー44,44も上方に移動する結果、一端が第2レバー56,56を介して第1レバー44,44に接続された第3レバー54,54が第2固定支軸35,35回りに反時計方向に揺動し、その第3レバー54,54の他端に接続された左右のプッシュプルケーブル33L ,33R が同量ずつ更に後方に押し出されることにより、不整地作業車両Vは作業速よりも高速の移動速で直進前進走行する。
【0027】
また図10に示すようにチェンジレバー31を後方に倒して後進位置に操作すると、駆動アーム39、ロッド41および従動アーム40を介して、第1固定支軸34,34が揺動アーム42および移動支軸43と共に図10の時計方向に回転する。図4および図10を比較すると明らかなように、移動支軸43が大きく前方に移動することにより第1レバー44,44の下端も前方に移動する。その結果、一端が第2レバー56,56を介して第1レバー44,44に接続された第3レバー54,54が第2固定支軸35,35回りに時計方向に揺動し、その第3レバー54,54の他端に接続された左右のプッシュプルケーブル33L ,33R が同量ずつ前方に引き出されることにより、不整地作業車両Vは直進後進走行する。
【0028】
尚、チェンジレバー31が作業速位置および後進位置間に設けられた停止位置にあるとき、左右のプッシュプルケーブル33L ,33R は押し引き方向の中立位置にあって左右の静油圧式無段変速機TL ,TR は駆動力の伝達を行わないため、不整地作業車両Vは停止する。
【0029】
次に、図4および図5に示す作業速直進状態からステアリングハンドル7を右にフル転舵した場合(作業速フル転舵状態)の作用を、図6および図7を参照して説明する。
【0030】
図5および図7を比較すると明らかなように、ステアリングハンドル7を右に回転させると、ピニオン47およびセクタギヤ49の噛合により、中間軸48が揺動プレート50と共に反時計方向に回転する。このとき、前後方向中心線Lの右側のタイロッド51は大きく前方に移動するのに対して、前記中心線Lの左側のタイロッド51は、その揺動プレート50との枢支部が前後方向中心線Lを越えて車体右側の対称位置に移動するために、前後方向には殆ど移動しない。
【0031】
前方に移動する右側のタイロッド51により前方に引かれた右側の第1レバー44が移動支軸43回りに反時計方向に揺動すると、この第1レバー44に第2レバー56を介して接続された第3レバー54が第2固定支軸35回りに時計方向に揺動し、図4の状態から図6の状態に変化する。その結果、ミキシング機構32の右側から延びるプッシュプルケーブル33R が前方に引き出されて右側の静油圧式無段変速機TR の出力は前進方向から後進方向に切り換わる。一方、ミキシング機構32の左側から延びるプッシュプルケーブル33L は押し引きされず、左側の静油圧式無段変速機TL の出力は変化せずにステアリングハンドル7を操作する前と同様に前進方向に維持される。このとき、左側の静油圧式無段変速機TL の前進方向の駆動速度と、右側の静油圧式無段変速機TR の後進方向の駆動速度速度とが等しくなるように設定されているため、車両Vは右方向に超信地旋回する。
【0032】
次に、図8および図9に示す移動速直進状態からステアリングハンドル7を右にフル転舵した場合(移動速フル転舵状態)の作用を説明する。尚、図8は移動速直進状態におけるミキシング機構32の右半部(右側の静油圧式無段変速機TR 側)の状態を示しており、図9は前記移動速直進状態からステアリングハンドル7を右側にフル転舵したときのミキシング機構32の右半部の状態を示している。
【0033】
上述したように、ステアリングハンドル7を右側にフル転舵して揺動プレート50が反時計方向に揺動したとき、左側のタイロッド51は前後方向に殆ど移動しないため、左側の静油圧式無段変速機TL の出力は変化しない。一方、図8および図9を比較すると明らかなように、揺動プレート50の反時計方向に揺動に伴って、図示した右側のタイロッド51は大きく前方に引き出されるため、第1レバー44が移動支軸43回りに反時計方向に揺動して第2レバー56を押し下げる。その結果、第2レバー56に接続された第3レバー54が第2固定支軸35,35回りに時計方向に僅かに揺動し、右側のプッシュプルケーブル33R が前方に引き出される。この右側のプッシュプルケーブル33R を前方への牽引量は比較的に小さいため、右側の静油圧式無段変速機TR は前進方向の出力が僅かに減少し、車両Vは緩やかに右旋回する。
【0034】
このように、車両Vが移動速直進状態にあるときにステアリングハンドル7を操作しても、左右の静油圧式無段変速機TL ,TR の何れか一方の前進方向の出力が減少するに止まるため、車両Vは信地旋回や超信地旋回を行うことなく緩やかに旋回し、比較的に高速の移動速に見合った旋回特性を得ることができる。
【0035】
次に、図10および図11に基づいて、後進直進状態および後進フル転舵状態の作用を説明する。
【0036】
ステアリングハンドル7を中立位置に保ったままチェンジレバー31を図10に示す後進位置に操作すると、第1固定支軸34,34回りに左右の第1レバー44,44が時計方向に揺動し、移動支軸43の位置が前下方に移動する。その結果、第2レバー56,56を介して第3レバー54,54が第2固定支軸35,35回りに時計方向に揺動し、左右のプッシュプルケーブル33L ,33R が大きく前方に引き出されるため、左右の静油圧式無段変速機TL ,TR の出力が後進方向に切り換わって車両Vは後進直進走行する。
【0037】
この状態から、ステアリングハンドル7を右側にフル転舵して揺動プレート50が反時計方向に揺動したとき、左側のタイロッド51は前後方向に殆ど移動せずに、右側のタイロッド51だけが前方に引かれるため、図11に示すように右側の第1レバー44が反時計方向に揺動して第2レバー56を引き上げるため、この第2レバー56に接続された第3レバー54が第2固定支軸35,35回りに反時計方向に揺動して右側のプッシュプルケーブル33R が後方に押し出され、右側の静油圧式無段変速機TL の出力は後進方向から前進方向に変化する。このとき、左側の静油圧式無段変速機TL の後進方向の駆動速度と、右側の静油圧式無段変速機TR の前進方向の駆動速度とが等しくなるように設定されているため、車両Vは右方向に超信地旋回する。
【0038】
以上のように、ミキシング機構32に摺動構造やカム構造を用いていないので、砂粒や塵の付着による作動不良が発生する可能性を減少させて信頼性の向上に寄与することができる。
【0039】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0040】
例えば、実施例では無段変速車両として不整地作業車両Vを例示したが、本発明は他の任意の用途の無段変速車両に対しても適用することができる。また実施例では無段変速機として静油圧式無段変速機TL ,TR を例示したが、本発明の他の任意の形式の無段変速機に対しても適用することができる。
【0041】
【発明の効果】
以上のように請求項1に記載された発明によれば、ミキシング機構をタイロッドおよびレバーで構成したので、構造が複雑で高い精度を必要とする摺動構造やカム構造を用いる必要がなくなり、砂粒や塵の付着による作動不良が発生する可能性を減少させることができる。
【0042】
また請求項2に記載された発明によれば、低速前進走行時および後進走行時に操舵入力手段をフル転舵位置に操作すると超信地旋回を行わせることができるので、車両が作業を行う際の旋回半径を最小にして作業能率を高めることができ、また高速前進走行時には車両が超信地旋回を行わないようにして高速前進走行に見合った緩やな旋回を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】無段変速車両の全体側面図
【図2】図1の2方向矢視図
【図3】操舵制御装置の全体構造を示す図
【図4】作業速直進時の状態を示す、図2の4−4線拡大断面図
【図5】図4の5方向矢視図
【図6】作業速右フル転舵時の作用説明図
【図7】図6の7方向矢視図
【図8】移動速直進時の作用説明図
【図9】移動速右フル転舵時の作用説明図
【図10】後進直進時の作用説明図
【図11】後進右フル転舵時の作用説明図
【符号の説明】
7 ステアリングハンドル(操舵入力手段)
18L ,18R 駆動輪
31 チェンジレバー(車速入力手段)
32 ミキシング機構
34 第1固定支軸
35 第2固定支軸
36 フレーム(車体)
37 フレーム(車体)
43 移動支軸
44 第1レバー
50 揺動プレート
51 タイロッド
54 第3レバー
56 第2レバー
L 前後方向中心線
L ,TR 無段変速機

Claims (2)

  1. 左右の駆動輪(18L ,18R )に接続された左右の無段変速機(TL ,TR )と、
    乗員によって操作されて左右の無段変速機(TL ,TR )の出力を同一速度で増減させる車速入力手段(31)と、
    乗員によって操作されて左右の無段変速機(TL ,TR )の出力を相互に異なる速度に変化させる操舵入力手段(7)と、
    車速入力手段(31)の操作および操舵入力手段(7)の操作をミキシングして左右の無段変速機(TL ,TR )に伝達するミキシング機構(32)と、
    を備えた無段変速車両の操舵制御装置において、
    前記ミキシング機構(32)は、
    操舵入力手段(7)の操作に連動して揺動する揺動プレート(50)と、
    揺動プレート(50)の揺動中心を通る前後方向中心線(L)に対して左右対称の位置に一端が枢支されて前後方向に延びる左右のタイロッド(51)と、
    車体(36)に左右方向に支持されて車速入力手段(31)の操作に連動して回動する第1固定支軸(34)と、
    第1固定支軸(34)に偏心して設けられて該第1固定支軸(34)を中心とする円弧上を移動する移動支軸(43)と、
    一端が移動支軸(43)に枢支されて他端が左右のタイロッド(51)の他端に枢支された左右の第1レバー(44)と、
    一端が左右の第1レバー(44)に枢支された左右の第2レバー(56)と、
    車体(37)に左右方向に支持された第2固定支軸(35)と、
    中間部が第2固定支軸(35)を介して車体(37)に枢支され、一端が左右の第2レバー(56)の他端に枢支されるとともに他端が左右の無段変速機(TL ,TR )に接続された左右の第3レバー(54)と、
    を備えてなり、
    操舵入力手段(7)をフル転舵位置に操作したときに、揺動プレート(50)に枢支された左右一方のタイロッド(51)の一端は前記前後方向中心線(L)を越えて反対側に移動することを特徴とする無段変速車両の操舵制御装置。
  2. 車速入力手段(31)は車両を低速で前進走行させる低速前進位置と、車両を高速で前進走行させる高速前進位置と、車両を後進走行させる後進位置とを選択可能であり、低速前進位置および後進位置において操舵入力手段(7)をフル転舵位置に操作すると、左右の無段変速機(TL ,TR )の出力が逆方向の同一速度になって車両は超信地旋回することを特徴とする、請求項1に記載の無段変速車両の操舵制御装置。
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