JP3685827B2 - 反応性染料、その製造方法及びその用途 - Google Patents
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- C09B62/4411—Azo dyes
- C09B62/4413—Non-metallized monoazo dyes
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、繊維材料を染色又は捺染するための新規反応性染料、その製造方法及びその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、反応性染料による染色の実務において、染色の品質および染色方法の経済性に対するより厳しい要求が出てきている。このために、改良された特性、特に適用面での特性を有する新規反応性染料が、依然として要望されている。
【0003】
現時点では、十分な直染性を有すると同時に、非固着染料に関しては良好な洗い落とし特性を有する反応性染料を提供することが求められている。このような染料は、良好な着色性と高い反応性を有していなければならず、更に染色に際しては高い固着性を示さなければならない。該反応性染料により得られた染色物も、また、良好な繊維均染性を有していなければならない。従来の染料は、あらゆる観点からこれらの要件を満たしていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、上記の特定の品質を高度に有する、繊維材料の染色及び捺染のための改良された新規反応性染料を提供することである。この新規染料は、その優れた固着性及び優れた繊維−染料結合の安定性において傑出していなければならず、また、非固着染料を除くために容易に洗い落とされる特性を有していなければならない。この染料は、更にまた、良好な全般的堅牢性、例えば耐光堅牢性及び湿潤堅牢性を有していなければならない。
【0005】
この目的が、以下に定義する新規反応性染料により十分に達成されることが認められた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
従って、本発明は、式(1):
【0007】
【化13】
【0008】
〔式中、R1 及びR2 は、それぞれ他方とは独立して、水素又はC1 −C4 アルキルであり、R3 、R4 、R5 及びR6 は、それぞれ互いに独立して、水素、C1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ、C2 −C4 アルカノイルアミノ、ウレイド又はハロゲンであり、Xは、塩素又はフッ素であり、Zは、式:−CH=CH2 又は−CH2 −CH2 −Yの基であり、Yは、脱離基であり、そしてAは、式(2):
【0009】
【化14】
【0010】
(式中、R7 は、アミノ又はヒドロキシルであり、R8 は、メチル又はカルボキシルであり、そしてR9 及びR10は、それぞれ他方とは独立して、水素、C1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ、C2 −C4 アルカノイルアミノ又はハロゲンである)で示される基、又は式(3):
【0011】
【化15】
【0012】
(式中、R11は、水素、C1 −C8 アルキル、又は非置換若しくはC1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ、C2 −C4 アルカノイルアミノ若しくはハロゲンによって置換されているフェニルであり、R12は、水素又はC1 −C8 アルキルであり、R13は、水素、C1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ、C2 −C4 アルカノイルアミノ又はハロゲンである)で示される基、又は式(4):
【0013】
【化16】
【0014】
(式中、R14及びR15は、それぞれ他方とは独立して、水素又は非置換若しくはシアノ、ヒドロキシル、フェニル若しくはC5 −C7 シクロアルキルによって置換されているC1 −C4 アルキル(ここで、フェニルは、非置換又はC1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ、C2 −C4 アルカノイルアミノ若しくはハロゲンによって置換されており、そしてC5 −C7 シクロアルキルは、非置換又はC1 −C4 アルキルによって置換されている)であり、そしてR16は、水素、C1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ、C2 −C4 アルカノイルアミノ又はハロゲンである)で示される基、又は式(5):
【0015】
【化17】
【0016】
(式中、R17は、水素又はC1 −C4 アルキルであり、そしてR18は、水素、C1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ、C2 −C4 アルカノイルアミノ又はハロゲンである)で示される基、又は式(6)若しくは(7):
【0017】
【化18】
【0018】
(式中、R19は、水素、C1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ、C2 −C4 アルカノイルアミノ又はハロゲンである)で示される基である〕で示される反応性染料に関する。
【0019】
Yは、好ましくは、−Cl、−OSO3 H、−SSO3 H、−OCO−CH3 、−OCO−C6 H5 又は−OPO3 H2 で示される基、より特には−Cl又は−OSO3 Hで示される基であり、そして最も好ましくは−OSO3 Hで示される基である。
【0020】
Zは、好ましくは式:−CH2 −CH2 −OSO3 Hで示される基である。
【0021】
式(1)の反応性染料は、1個のみのスルホ基を、基:Aに含有する。
【0022】
Xは、好ましくは塩素である。
【0023】
R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R9 、R10、R13、R14、R15、R16、R17、R18及びR19中のC1 −C4 アルキルは、好適にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル又はtert−ブチルであり、好ましくはメチル又はエチルである。同じ意味及び好ましいとした意味は、上述した他のC1 −C4 アルキル置換基にも当てはまる。R14及びR15も好適には、上述したように置換された対応アルキル基であってよい。
【0024】
C1 −C8 アルキル基と定義されるR11及びR12は、代表的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル及び直鎖又は分岐ペンチル、ヘキシル、ヘプチル若しくはオクチルである。
【0025】
C1 −C4 アルコキシと定義されるR3 、R4 、R5 、R6 、R9 、R10、R13、R16、R18及びR19は、好適にはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、sec−ブトキシ、イソブトキシ又はtert−ブトキシであり、好ましくはメトキシ又はエトキシである。同一の意味及び好ましいとした意味は、上述した他のC1 −C4 アルコキシ置換基にも当てはまる。
【0026】
C2 −C4 アルカノイルアミノと定義されるR3 、R4 、R5 、R6 、R9 、R10、R13、R16、R18及びR19は、好適にはアセチルアミノ、プロピオニルアミノ又はブチリルアミノであり、そして好ましくはアセチルアミノである。同一の意味及び好ましいとした意味は、上述した他のC2 −C4 アルカノイルアミノ置換基にも当てはまる。
【0027】
ハロゲン置換基であるR3 、R4 、R5 、R6 、R9 、R10、R13、R16、R18及びR19は、好都合には、フッ素又は臭素であり、好ましくは塩素である。同一の定義及び好ましいとした定義は、上述した他のハロゲン置換基にも当てはまる。
【0028】
R1 及びR2 は、それぞれ他方とは独立して、水素、メチル又はエチルであり、最も好ましくは水素である。
【0029】
R3 、R4 、R5 及びR6 は、それぞれ互いに独立して、水素、C1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ又はハロゲンであり、特に水素、メチル又はエチルである。水素が最も好ましい。
【0030】
R8 は、好ましくはメチルである。
【0031】
R9 、R10、R13、R18及びR19は、それぞれ互いに独立して、好ましくは水素、C1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ又はハロゲンであり、最も好ましくは水素である。
【0032】
R11は、好ましくはC1 −C4 アルキル、或はより特には非置換フェニル又はC1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ、C2 −C4 アルカノイルアミノ若しくはハロゲンによって置換されたフェニルである。R11は、最も好ましくは非置換フェニルである。
【0033】
R12は、好ましくは水素である。
【0034】
R14は、好ましくは水素又はC1 −C4 アルキルであり、より特にはC1 −C4 アルキルであり、そして最も好ましくはエチルである。
【0035】
R15は、好ましくはフェニル環がスルホによって置換されており、そしてC1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ、C2 −C4 アルカノイルアミノ又はハロゲンをさらに置換基として有していてもよいベンジルである。フェニル環は、スルホのみによって置換されているのが好ましい。
【0036】
R16は、好ましくは水素又はC1 −C4 アルキルであり、最も好ましくは水素又はメチルである。
【0037】
R17は、好ましくは水素である。
【0038】
式(2)で示される特に好ましい基:Aは、R8 がメチルであり、そしてR9 及びR10が、それぞれ他方とは独立して、水素、C1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ又はハロゲンであり、好ましくは水素であるそれらである。
【0039】
式(4)で示される特に好ましい基:Aは、式(8):
【0040】
【化19】
【0041】
(式中、R14は、水素又はC1 −C4 アルキルであり、そしてR16は、水素、C1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ、C2 −C4 アルカノイルアミノ又はハロゲンである)で示されるそれらである。R14の最も好ましい意味は、エチルである。R16の特に好ましい意味は、水素及びC1 −C4 アルキルである。最も好ましくは、R16は、水素又はメチルである。
【0042】
式(3)で示される特に好ましい基:Aは、式(9):
【0043】
【化20】
【0044】
(式中、R12は、水素又はC1 −C8 アルキルであり、そしてR20は、水素、C1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ、C2 −C4 アルカノイルアミノ又はハロゲンである)で示されるそれらである。最も好ましくは、R12及びR20は水素である。
【0045】
式(5)で示される特に好ましい基:Aは、R17及びR18が水素であるそれらである。
【0046】
式(7)で示される特に好ましい基:Aは、R19が水素であるそれらである。
【0047】
好ましい基:Aは、式(2)、(3)、(4)、(5)及び(6)で示されるそれらであり、特に式(3)及び(6)で示される基であり、最も好ましくは式(6)で示される基である。該基:Aは、上述した意味及び好ましいとした定義を有する。
【0048】
式(1)で示される反応性染料としては、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 及びR6 が、水素であり、Yが、式:−OSO3 Hの基であり、Xが、塩素であるものが好ましい。Zは、好ましくは式:−CH2 −CH2 −OSO3 Hで示される基である。基:Aは、上記で定義された意味及び好ましいとした意味を有する。
【0049】
特に好ましい反応性染料は、式(10):
【0050】
【化21】
【0051】
(式中、R12は、水素又はC1 −C8 アルキルであり、R20は、水素、C1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ、C2 −C4 アルカノイルアミノ又はハロゲンであり、そしてZは、式:−CH=CH2 又は好ましくは−CH2 −CH2 −OSO3 Hで示される基である)で示されるそれらである。R12及びR20は、好ましくは水素である。
【0052】
非常に特に好ましい反応性染料は、式(11):
【0053】
【化22】
【0054】
(式中、Zは、式:−CH=CH2 又は好ましくは−CH2 −CH2 −OSO3 Hの基である)で示されるそれらである。
【0055】
本発明は、また、式(1)の反応性染料を製造する方法であって、式(12):
【0056】
【化23】
【0057】
(式中、A、R1 、R3 及びR4 は、式(1)と同義である)で示されるアミンを、式(13):
【0058】
【化24】
【0059】
(式中、Z、X、R2 、R5 及びR6 は、式(1)と同義である)で示される化合物と縮合させ、所望であれば基:Zを、式:−CH=CH2 の基に変換することからなる方法に関する。
【0060】
この縮合は、通常水溶液中、代表的には0〜50℃の温度範囲で、代表的にはpH4〜9で行われる。
【0061】
基:Zから基:−CH=CH2 への変換は、通常、水性媒質中、アルカリ条件下で、代表的にはpH8〜12で行われる。pH値は、好都合には、水酸化ナトリウム溶液により調整される。例えば、スルファトエチルスルホニル基を含有する式(1)の反応性染料を、スルファトエチルスルホニル基がビニルスルホニル基に変換されるように、水酸化ナトリウムなどの塩基により処理することが可能である。
【0062】
式(1)の反応性染料を製造する新規方法においては、式(12)及び(13)の化合物の置換基は、上記で定義した意味及び好ましいとした意味を有する。
【0063】
式(12)及び(13)の化合物は、公知であるか又は公知の方法に類似した方法によって製造することができる。
【0064】
従って式(12)のアミンは、式(14):
【0065】
【化25】
【0066】
で示されるアミンをジアゾ化し、ニトロ基をアミノ基へと還元し、場合により、基:R1 を導入し、得られた中間体を、式(15):A−H(ここで、A、R1 、R3 及びR4 は、式(1)と同義である)で示されるカップリング成分とカップリングさせることによって得ることができる。
【0067】
式(14)のアミンのジアゾ化は、通常、鉱酸水溶液中0〜15℃などの低い温度で、亜硝酸で処理することによって行われ、式(15)のカップリング成分とのカップリングは、酸性から中性のpHの範囲、好ましくはpH2〜6で行われる。
【0068】
ニトロ基の還元は、公知の方法に従って好都合な方法により、例えば硫化ナトリウムの存在下、水性媒質中で行うことができる。
【0069】
基:R1 は、公知のアルキル化反応を用いた通常の方法により導入することができる。
【0070】
式(13)の化合物は、式(16):
【0071】
【化26】
【0072】
(式中、Z、R2 、R5 及びR6 は、式(1)と同義である)で示される化合物を、シアヌル酸フッ化物又はシアヌル酸塩化物と縮合させることによって得てもよい。この縮合は公知の方法に従って行う。
【0073】
式(1)の反応性染料は、遊離酸の形態、又は好ましくは塩の形態のいずれかである。好適な塩は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩若しくはアンモニウム塩、又は有機アミンの塩である。代表的な例は、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩若しくはアンモニウム塩、又はモノ−、ジ−若しくはトリエタノールアミンの塩である。
【0074】
式(1)の反応性染料は、窒素含有若しくはヒドロキシル基含有繊維材料を染色又は捺染するのに好適である。このような材料の代表的な例は、天然ポリアミド繊維材料、特に羊毛、及びポリアミド6又はポリアミド6.6などの合成ポリアミド繊維材料である。式(1)の反応性染料は、合成及び羊毛ポリアミド配合物若しくは糸を染色又は捺染するのに好適である。このような織物材料は、繊維、糸及び織物又は編物など非常に広範囲な形態であってよい。
【0075】
式(1)の反応性染料は、標準的な染色又は捺染の方法に従って染色又は捺染に使用することができる。染液又は捺染糊料は、水及び染料に加えて界面活性剤、消泡剤、均染剤、又は織物材料の特性を改質する添加剤、例えば柔軟剤、難燃剤若しくは防汚、撥水及び撥油剤、並びに水軟化剤及び天然若しくは合成増粘剤、代表的にはアルギン酸塩及びセルロースエーテルを含んでいてもよい。
【0076】
良好な全般的堅牢性、特に摩擦、湿潤、水とぎ及び光に対する良好な堅牢性を有する均一な染色物が、式(1)の反応性染料によって得られる。これらは、また、その均一性、良好な繊維親和性、高い反応性、良好な固着性、優れた付着性、及び他の染料との良好な相容性において傑出している。通常は、固着のために、例えばアルカリの存在下で行うアルカリ処理は、大部分省略することができる。
【0077】
【実施例】
以下の実施例は、本発明を説明するためのものである。特に記載しない限り、部及びパーセントは、重量で表示している。容積部に対する重量部の比率は、リットルに対するキログラムのそれと同じである。
【0078】
合成例1
シアヌル酸塩化物70部を氷950部及び水200部中、リン酸水素二ナトリウム・12H2 Oの3.6部を添加して、30分間撹拌した。この混合物に、4−(β−スルファトエチルスルホニル)アニリン(92%)116.4部を水900部に溶解し、pH5.5に調整した溶液を10分間かけて加えた。2N水酸化ナトリウム溶液を加えて、pHを4.5〜5に保持した。その後、アセトン500部を加え、混合物を、水酸化ナトリウムの取り込みが完了するまで0〜5℃の温度範囲で撹拌した。沈殿物を吸引ろ過により集め、ろ過物をまず水で、次にアセトンで洗浄した。得られたろ過物を室温で真空下に乾燥し、式(101):
【0079】
【化27】
【0080】
で示される化合物を、遊離酸の形で得た。
【0081】
実施例1
式(101)の化合物20部を水150部に懸濁し、次いで、水150部に式(102):
【0082】
【化28】
【0083】
で示され、遊離酸の形の化合物24.8部を含む懸濁液に徐々に加えた。その後、pHを6に調整し、反応混合物を35℃にまで暖めた。2N水酸化ナトリウム溶液を加えて、pHを6に保持した。2時間後、水酸化ナトリウムの取り込みが終了した。生成物を塩化ナトリウム(反応混合物に対し約20%容量)で塩析し、吸引ろ過により集めた。ろ過物を少量の塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、真空下35℃で乾燥して、式(103):
【0084】
【化29】
【0085】
の化合物に相当する遊離酸の形の染料を得た。
【0086】
式(103)の染料は、羊毛および合成ポリアミドを良好な耐光堅牢性および湿潤堅牢性を有する鮮やかな赤色の色調に染色した。
【0087】
実施例2〜9
以下の表に示す染料を、一般的な実施例1の操作に従って得ることができた。
これらの染料は、羊毛および合成ポリアミドを、表の欄3に記載した色調に染色した。以下の表の染料は、式:
【0088】
【化30】
【0089】
(式中、Aは表の欄2に記載の定義を有する)の構造式を有する。
【0090】
【0091】
【0092】
実施例10〜15
一般的な実施例1の操作に従って、式(104)、(105)、(106)、(107)、(108)及び(109):
【0093】
【化31】
【0094】
に対応する染料を、遊離酸の形で得た。
【0095】
式(104)、(105)及び(106)の染料は、羊毛及び合成ポリアミドを、橙色から赤色の色調に染色した。
【0096】
式(107)、(108)及び(109)の染料は、羊毛及び合成ポリアミドを、黄色から黄金色の色調に染色した。
【0097】
実施例1〜15の染料に対応するビニル型の染料は、該染料を、pH約9の水酸化ナトリウム水溶液で処理することによって得られた。
【0098】
実施例1〜9及び式(104)〜(109)の染料の吸収極大値を第2表に示した。
【0099】
【表3】
【0100】
染色操作
実施例1で得られた染料0.1部を脱塩した水200部に溶解し、得られた溶液に硫酸ナトリウム0.5部、均染剤0.1部(高級脂肪族アミン及びエチレンオキシドの縮合物に基づく)及び酢酸ナトリウム0.5部を加えた。溶液のpHを酢酸(80%)により5.5に調整した。染浴を10分間かけて加熱して50℃とし、毛織物10部を染浴に入れた。染浴を約50分間かけて加熱して100℃とし、この温度で60分間染色を行った。ついで温度が90℃になるまで染浴を放置し、染色された布地を除去した。毛織物を温水及び冷水で洗浄し、回転させ、乾燥して、良好な繊維均染性のほか、良好な耐光堅牢性及び湿潤堅牢性を有する赤色の染色物を得た。
【産業上の利用分野】
本発明は、繊維材料を染色又は捺染するための新規反応性染料、その製造方法及びその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、反応性染料による染色の実務において、染色の品質および染色方法の経済性に対するより厳しい要求が出てきている。このために、改良された特性、特に適用面での特性を有する新規反応性染料が、依然として要望されている。
【0003】
現時点では、十分な直染性を有すると同時に、非固着染料に関しては良好な洗い落とし特性を有する反応性染料を提供することが求められている。このような染料は、良好な着色性と高い反応性を有していなければならず、更に染色に際しては高い固着性を示さなければならない。該反応性染料により得られた染色物も、また、良好な繊維均染性を有していなければならない。従来の染料は、あらゆる観点からこれらの要件を満たしていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、上記の特定の品質を高度に有する、繊維材料の染色及び捺染のための改良された新規反応性染料を提供することである。この新規染料は、その優れた固着性及び優れた繊維−染料結合の安定性において傑出していなければならず、また、非固着染料を除くために容易に洗い落とされる特性を有していなければならない。この染料は、更にまた、良好な全般的堅牢性、例えば耐光堅牢性及び湿潤堅牢性を有していなければならない。
【0005】
この目的が、以下に定義する新規反応性染料により十分に達成されることが認められた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
従って、本発明は、式(1):
【0007】
【化13】
【0008】
〔式中、R1 及びR2 は、それぞれ他方とは独立して、水素又はC1 −C4 アルキルであり、R3 、R4 、R5 及びR6 は、それぞれ互いに独立して、水素、C1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ、C2 −C4 アルカノイルアミノ、ウレイド又はハロゲンであり、Xは、塩素又はフッ素であり、Zは、式:−CH=CH2 又は−CH2 −CH2 −Yの基であり、Yは、脱離基であり、そしてAは、式(2):
【0009】
【化14】
【0010】
(式中、R7 は、アミノ又はヒドロキシルであり、R8 は、メチル又はカルボキシルであり、そしてR9 及びR10は、それぞれ他方とは独立して、水素、C1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ、C2 −C4 アルカノイルアミノ又はハロゲンである)で示される基、又は式(3):
【0011】
【化15】
【0012】
(式中、R11は、水素、C1 −C8 アルキル、又は非置換若しくはC1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ、C2 −C4 アルカノイルアミノ若しくはハロゲンによって置換されているフェニルであり、R12は、水素又はC1 −C8 アルキルであり、R13は、水素、C1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ、C2 −C4 アルカノイルアミノ又はハロゲンである)で示される基、又は式(4):
【0013】
【化16】
【0014】
(式中、R14及びR15は、それぞれ他方とは独立して、水素又は非置換若しくはシアノ、ヒドロキシル、フェニル若しくはC5 −C7 シクロアルキルによって置換されているC1 −C4 アルキル(ここで、フェニルは、非置換又はC1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ、C2 −C4 アルカノイルアミノ若しくはハロゲンによって置換されており、そしてC5 −C7 シクロアルキルは、非置換又はC1 −C4 アルキルによって置換されている)であり、そしてR16は、水素、C1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ、C2 −C4 アルカノイルアミノ又はハロゲンである)で示される基、又は式(5):
【0015】
【化17】
【0016】
(式中、R17は、水素又はC1 −C4 アルキルであり、そしてR18は、水素、C1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ、C2 −C4 アルカノイルアミノ又はハロゲンである)で示される基、又は式(6)若しくは(7):
【0017】
【化18】
【0018】
(式中、R19は、水素、C1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ、C2 −C4 アルカノイルアミノ又はハロゲンである)で示される基である〕で示される反応性染料に関する。
【0019】
Yは、好ましくは、−Cl、−OSO3 H、−SSO3 H、−OCO−CH3 、−OCO−C6 H5 又は−OPO3 H2 で示される基、より特には−Cl又は−OSO3 Hで示される基であり、そして最も好ましくは−OSO3 Hで示される基である。
【0020】
Zは、好ましくは式:−CH2 −CH2 −OSO3 Hで示される基である。
【0021】
式(1)の反応性染料は、1個のみのスルホ基を、基:Aに含有する。
【0022】
Xは、好ましくは塩素である。
【0023】
R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R9 、R10、R13、R14、R15、R16、R17、R18及びR19中のC1 −C4 アルキルは、好適にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル又はtert−ブチルであり、好ましくはメチル又はエチルである。同じ意味及び好ましいとした意味は、上述した他のC1 −C4 アルキル置換基にも当てはまる。R14及びR15も好適には、上述したように置換された対応アルキル基であってよい。
【0024】
C1 −C8 アルキル基と定義されるR11及びR12は、代表的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル及び直鎖又は分岐ペンチル、ヘキシル、ヘプチル若しくはオクチルである。
【0025】
C1 −C4 アルコキシと定義されるR3 、R4 、R5 、R6 、R9 、R10、R13、R16、R18及びR19は、好適にはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、sec−ブトキシ、イソブトキシ又はtert−ブトキシであり、好ましくはメトキシ又はエトキシである。同一の意味及び好ましいとした意味は、上述した他のC1 −C4 アルコキシ置換基にも当てはまる。
【0026】
C2 −C4 アルカノイルアミノと定義されるR3 、R4 、R5 、R6 、R9 、R10、R13、R16、R18及びR19は、好適にはアセチルアミノ、プロピオニルアミノ又はブチリルアミノであり、そして好ましくはアセチルアミノである。同一の意味及び好ましいとした意味は、上述した他のC2 −C4 アルカノイルアミノ置換基にも当てはまる。
【0027】
ハロゲン置換基であるR3 、R4 、R5 、R6 、R9 、R10、R13、R16、R18及びR19は、好都合には、フッ素又は臭素であり、好ましくは塩素である。同一の定義及び好ましいとした定義は、上述した他のハロゲン置換基にも当てはまる。
【0028】
R1 及びR2 は、それぞれ他方とは独立して、水素、メチル又はエチルであり、最も好ましくは水素である。
【0029】
R3 、R4 、R5 及びR6 は、それぞれ互いに独立して、水素、C1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ又はハロゲンであり、特に水素、メチル又はエチルである。水素が最も好ましい。
【0030】
R8 は、好ましくはメチルである。
【0031】
R9 、R10、R13、R18及びR19は、それぞれ互いに独立して、好ましくは水素、C1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ又はハロゲンであり、最も好ましくは水素である。
【0032】
R11は、好ましくはC1 −C4 アルキル、或はより特には非置換フェニル又はC1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ、C2 −C4 アルカノイルアミノ若しくはハロゲンによって置換されたフェニルである。R11は、最も好ましくは非置換フェニルである。
【0033】
R12は、好ましくは水素である。
【0034】
R14は、好ましくは水素又はC1 −C4 アルキルであり、より特にはC1 −C4 アルキルであり、そして最も好ましくはエチルである。
【0035】
R15は、好ましくはフェニル環がスルホによって置換されており、そしてC1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ、C2 −C4 アルカノイルアミノ又はハロゲンをさらに置換基として有していてもよいベンジルである。フェニル環は、スルホのみによって置換されているのが好ましい。
【0036】
R16は、好ましくは水素又はC1 −C4 アルキルであり、最も好ましくは水素又はメチルである。
【0037】
R17は、好ましくは水素である。
【0038】
式(2)で示される特に好ましい基:Aは、R8 がメチルであり、そしてR9 及びR10が、それぞれ他方とは独立して、水素、C1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ又はハロゲンであり、好ましくは水素であるそれらである。
【0039】
式(4)で示される特に好ましい基:Aは、式(8):
【0040】
【化19】
【0041】
(式中、R14は、水素又はC1 −C4 アルキルであり、そしてR16は、水素、C1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ、C2 −C4 アルカノイルアミノ又はハロゲンである)で示されるそれらである。R14の最も好ましい意味は、エチルである。R16の特に好ましい意味は、水素及びC1 −C4 アルキルである。最も好ましくは、R16は、水素又はメチルである。
【0042】
式(3)で示される特に好ましい基:Aは、式(9):
【0043】
【化20】
【0044】
(式中、R12は、水素又はC1 −C8 アルキルであり、そしてR20は、水素、C1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ、C2 −C4 アルカノイルアミノ又はハロゲンである)で示されるそれらである。最も好ましくは、R12及びR20は水素である。
【0045】
式(5)で示される特に好ましい基:Aは、R17及びR18が水素であるそれらである。
【0046】
式(7)で示される特に好ましい基:Aは、R19が水素であるそれらである。
【0047】
好ましい基:Aは、式(2)、(3)、(4)、(5)及び(6)で示されるそれらであり、特に式(3)及び(6)で示される基であり、最も好ましくは式(6)で示される基である。該基:Aは、上述した意味及び好ましいとした定義を有する。
【0048】
式(1)で示される反応性染料としては、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 及びR6 が、水素であり、Yが、式:−OSO3 Hの基であり、Xが、塩素であるものが好ましい。Zは、好ましくは式:−CH2 −CH2 −OSO3 Hで示される基である。基:Aは、上記で定義された意味及び好ましいとした意味を有する。
【0049】
特に好ましい反応性染料は、式(10):
【0050】
【化21】
【0051】
(式中、R12は、水素又はC1 −C8 アルキルであり、R20は、水素、C1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ、C2 −C4 アルカノイルアミノ又はハロゲンであり、そしてZは、式:−CH=CH2 又は好ましくは−CH2 −CH2 −OSO3 Hで示される基である)で示されるそれらである。R12及びR20は、好ましくは水素である。
【0052】
非常に特に好ましい反応性染料は、式(11):
【0053】
【化22】
【0054】
(式中、Zは、式:−CH=CH2 又は好ましくは−CH2 −CH2 −OSO3 Hの基である)で示されるそれらである。
【0055】
本発明は、また、式(1)の反応性染料を製造する方法であって、式(12):
【0056】
【化23】
【0057】
(式中、A、R1 、R3 及びR4 は、式(1)と同義である)で示されるアミンを、式(13):
【0058】
【化24】
【0059】
(式中、Z、X、R2 、R5 及びR6 は、式(1)と同義である)で示される化合物と縮合させ、所望であれば基:Zを、式:−CH=CH2 の基に変換することからなる方法に関する。
【0060】
この縮合は、通常水溶液中、代表的には0〜50℃の温度範囲で、代表的にはpH4〜9で行われる。
【0061】
基:Zから基:−CH=CH2 への変換は、通常、水性媒質中、アルカリ条件下で、代表的にはpH8〜12で行われる。pH値は、好都合には、水酸化ナトリウム溶液により調整される。例えば、スルファトエチルスルホニル基を含有する式(1)の反応性染料を、スルファトエチルスルホニル基がビニルスルホニル基に変換されるように、水酸化ナトリウムなどの塩基により処理することが可能である。
【0062】
式(1)の反応性染料を製造する新規方法においては、式(12)及び(13)の化合物の置換基は、上記で定義した意味及び好ましいとした意味を有する。
【0063】
式(12)及び(13)の化合物は、公知であるか又は公知の方法に類似した方法によって製造することができる。
【0064】
従って式(12)のアミンは、式(14):
【0065】
【化25】
【0066】
で示されるアミンをジアゾ化し、ニトロ基をアミノ基へと還元し、場合により、基:R1 を導入し、得られた中間体を、式(15):A−H(ここで、A、R1 、R3 及びR4 は、式(1)と同義である)で示されるカップリング成分とカップリングさせることによって得ることができる。
【0067】
式(14)のアミンのジアゾ化は、通常、鉱酸水溶液中0〜15℃などの低い温度で、亜硝酸で処理することによって行われ、式(15)のカップリング成分とのカップリングは、酸性から中性のpHの範囲、好ましくはpH2〜6で行われる。
【0068】
ニトロ基の還元は、公知の方法に従って好都合な方法により、例えば硫化ナトリウムの存在下、水性媒質中で行うことができる。
【0069】
基:R1 は、公知のアルキル化反応を用いた通常の方法により導入することができる。
【0070】
式(13)の化合物は、式(16):
【0071】
【化26】
【0072】
(式中、Z、R2 、R5 及びR6 は、式(1)と同義である)で示される化合物を、シアヌル酸フッ化物又はシアヌル酸塩化物と縮合させることによって得てもよい。この縮合は公知の方法に従って行う。
【0073】
式(1)の反応性染料は、遊離酸の形態、又は好ましくは塩の形態のいずれかである。好適な塩は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩若しくはアンモニウム塩、又は有機アミンの塩である。代表的な例は、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩若しくはアンモニウム塩、又はモノ−、ジ−若しくはトリエタノールアミンの塩である。
【0074】
式(1)の反応性染料は、窒素含有若しくはヒドロキシル基含有繊維材料を染色又は捺染するのに好適である。このような材料の代表的な例は、天然ポリアミド繊維材料、特に羊毛、及びポリアミド6又はポリアミド6.6などの合成ポリアミド繊維材料である。式(1)の反応性染料は、合成及び羊毛ポリアミド配合物若しくは糸を染色又は捺染するのに好適である。このような織物材料は、繊維、糸及び織物又は編物など非常に広範囲な形態であってよい。
【0075】
式(1)の反応性染料は、標準的な染色又は捺染の方法に従って染色又は捺染に使用することができる。染液又は捺染糊料は、水及び染料に加えて界面活性剤、消泡剤、均染剤、又は織物材料の特性を改質する添加剤、例えば柔軟剤、難燃剤若しくは防汚、撥水及び撥油剤、並びに水軟化剤及び天然若しくは合成増粘剤、代表的にはアルギン酸塩及びセルロースエーテルを含んでいてもよい。
【0076】
良好な全般的堅牢性、特に摩擦、湿潤、水とぎ及び光に対する良好な堅牢性を有する均一な染色物が、式(1)の反応性染料によって得られる。これらは、また、その均一性、良好な繊維親和性、高い反応性、良好な固着性、優れた付着性、及び他の染料との良好な相容性において傑出している。通常は、固着のために、例えばアルカリの存在下で行うアルカリ処理は、大部分省略することができる。
【0077】
【実施例】
以下の実施例は、本発明を説明するためのものである。特に記載しない限り、部及びパーセントは、重量で表示している。容積部に対する重量部の比率は、リットルに対するキログラムのそれと同じである。
【0078】
合成例1
シアヌル酸塩化物70部を氷950部及び水200部中、リン酸水素二ナトリウム・12H2 Oの3.6部を添加して、30分間撹拌した。この混合物に、4−(β−スルファトエチルスルホニル)アニリン(92%)116.4部を水900部に溶解し、pH5.5に調整した溶液を10分間かけて加えた。2N水酸化ナトリウム溶液を加えて、pHを4.5〜5に保持した。その後、アセトン500部を加え、混合物を、水酸化ナトリウムの取り込みが完了するまで0〜5℃の温度範囲で撹拌した。沈殿物を吸引ろ過により集め、ろ過物をまず水で、次にアセトンで洗浄した。得られたろ過物を室温で真空下に乾燥し、式(101):
【0079】
【化27】
【0080】
で示される化合物を、遊離酸の形で得た。
【0081】
実施例1
式(101)の化合物20部を水150部に懸濁し、次いで、水150部に式(102):
【0082】
【化28】
【0083】
で示され、遊離酸の形の化合物24.8部を含む懸濁液に徐々に加えた。その後、pHを6に調整し、反応混合物を35℃にまで暖めた。2N水酸化ナトリウム溶液を加えて、pHを6に保持した。2時間後、水酸化ナトリウムの取り込みが終了した。生成物を塩化ナトリウム(反応混合物に対し約20%容量)で塩析し、吸引ろ過により集めた。ろ過物を少量の塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、真空下35℃で乾燥して、式(103):
【0084】
【化29】
【0085】
の化合物に相当する遊離酸の形の染料を得た。
【0086】
式(103)の染料は、羊毛および合成ポリアミドを良好な耐光堅牢性および湿潤堅牢性を有する鮮やかな赤色の色調に染色した。
【0087】
実施例2〜9
以下の表に示す染料を、一般的な実施例1の操作に従って得ることができた。
これらの染料は、羊毛および合成ポリアミドを、表の欄3に記載した色調に染色した。以下の表の染料は、式:
【0088】
【化30】
【0089】
(式中、Aは表の欄2に記載の定義を有する)の構造式を有する。
【0090】
【0091】
【0092】
実施例10〜15
一般的な実施例1の操作に従って、式(104)、(105)、(106)、(107)、(108)及び(109):
【0093】
【化31】
【0094】
に対応する染料を、遊離酸の形で得た。
【0095】
式(104)、(105)及び(106)の染料は、羊毛及び合成ポリアミドを、橙色から赤色の色調に染色した。
【0096】
式(107)、(108)及び(109)の染料は、羊毛及び合成ポリアミドを、黄色から黄金色の色調に染色した。
【0097】
実施例1〜15の染料に対応するビニル型の染料は、該染料を、pH約9の水酸化ナトリウム水溶液で処理することによって得られた。
【0098】
実施例1〜9及び式(104)〜(109)の染料の吸収極大値を第2表に示した。
【0099】
【表3】
【0100】
染色操作
実施例1で得られた染料0.1部を脱塩した水200部に溶解し、得られた溶液に硫酸ナトリウム0.5部、均染剤0.1部(高級脂肪族アミン及びエチレンオキシドの縮合物に基づく)及び酢酸ナトリウム0.5部を加えた。溶液のpHを酢酸(80%)により5.5に調整した。染浴を10分間かけて加熱して50℃とし、毛織物10部を染浴に入れた。染浴を約50分間かけて加熱して100℃とし、この温度で60分間染色を行った。ついで温度が90℃になるまで染浴を放置し、染色された布地を除去した。毛織物を温水及び冷水で洗浄し、回転させ、乾燥して、良好な繊維均染性のほか、良好な耐光堅牢性及び湿潤堅牢性を有する赤色の染色物を得た。
Claims (7)
- 式(1):
式(3):
あるいは式(8):
で示される反応性染料。 - R1 、R2 、R3 、R4 、R5 及びR6 が、水素であり、Yが、式:−OSO3 Hの基であり、そしてXが、塩素である、請求項1記載の反応性染料。
- ヒドロキシル基含有若しくは窒素含有繊維材料を染色又は捺染するための、請求項1〜4のいずれか1項記載の反応性染料、又は請求項5により得られた反応性染料。
- 前記窒素含有繊維材料が、天然又は合成ポリアミド繊維材料、特に羊毛である、請求項6記載の反応性染料。
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