JP3685456B2 - 紙幣収納箱 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙幣収納箱に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、紙幣を収納する紙幣収納箱を備えるドロワ装置は、ECR(Electronic Cash Register:電子式キャッシュレジスタ)やPOS(Point of Sales:販売時点情報管理)端末等の商品販売データ処理装置による商品販売処理に連動して金銭を出し入れするための装置である。
【0003】
この種のドロワ装置は、例えば、ECRに接続されており、紙幣収納箱であるマネーケースが着脱自在に収納された上面開口のキャッシュボックスと、このキャッシュボックスを引出自在に収納するキャビネットとを備え、ECR側の商品販売処理に伴う締め処理に連動してキャッシュボックスを開放する構造になっている。
【0004】
マネーケース100には、図6に示すように、高額紙幣や商品券等の取引に関わる券を収納する券収納部101と高額紙幣以外の紙幣を金種別に収納する札ケース102とが仕切られた状態で設けられている。そして、券収納部101の上部には、硬貨を金種別に収納するコインケース(図示せず)が着脱自在に収納されている。
【0005】
ここで、札ケース102には、複数の紙幣収納部103が複数の仕切板104によって仕切られた状態で設けられており、これらの仕切板104は、札ケース102の内部に形成された複数の溝部105に各々嵌合し、札ケース102に対し着脱自在に設けられている。また、複数の紙幣収納部103には、上下方向に回動自在に軸支された複数の札押え106が札ケース102に固定されて各々設けられている。
【0006】
このような構成において、旧紙幣とサイズの異なる新紙幣が発行された場合や割引券等の収納用に紙幣収納部103を使用する場合等には、新紙幣や割引券等のサイズに応じて札ケース102に対する仕切板104の仕切位置(仕切板104を取り付けるために使用する溝部105)が変えられ、紙幣収納部103の収納スペースが変更される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、札ケース102に対する札押え106の取付位置は固定されており、固定された札押え106の回動動作に干渉する位置に仕切板104を設けることができないため、新紙幣や割引券等のサイズより大きく紙幣収納部103の収納スペースを確保する場合がある。このように新紙幣や割引券等のサイズに適した紙幣収納部103の収納スペースを確保することができないという問題がある。
【0008】
また、仕切板104の取付位置によっては、札押え106が操作者から見て左右どちらかに片寄ってしまい紙幣や割引券等の中央付近を押えられないことがあり、紙幣や割引券等が多く積層されると札押え106に押えられていないそれらの片側部分が浮いてきてしまい、操作者が紙幣や割引券等の取り出しをスムーズに行うことが難しくなるという問題もある。
【0009】
本発明の目的は、紙幣等のサイズに適した紙幣収納部の収納スペースを確保することができ、かつ、紙幣収納部に収納された紙幣等を確実に押えることができる紙幣収納箱を得ることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の紙幣収納箱は、上面開口の本体ケースと、前記本体ケースに着脱自在に設けられ、前記本体ケースを仕切ることで紙幣を収納する複数の紙幣収納部を形成し、前記本体ケースに対する仕切位置が変更可能な仕切板と、前記本体ケースに設けられた支持部材に取り付けられ、前記支持部材に対する取付位置が複数の前記紙幣収納部が並ぶ方向に変更可能であって、前記紙幣収納部に収納された紙幣を押える札押えと、を具備し、前記支持部材は、複数の前記紙幣収納部が並ぶ方向に並ぶ複数の嵌合部を有し、前記札押えは、前記嵌合部に嵌合する嵌合孔を有する上アーム部と、この上アーム部から前記支持部材を挟持可能な距離だけ離反した弾性のある下アーム部とにより前記支持部材に着脱自在に取り付けられ、前記上アーム部の先端の下部には、手前側から奥側に向うに従い高くなるように形成された傾斜面とを有する。
【0011】
したがって、仕切板で本体ケースを仕切って複数の紙幣収納部を形成し、複数の紙幣収納部が並ぶ方向に取付位置が変更可能な札押えを本体ケースの支持部材に取り付けることによって、紙幣等のサイズに応じて本体ケースに対する仕切板の仕切位置を変更する場合等、仕切板の仕切位置の変更に応じて札押えの取付位置を変更することが可能になり、また、支持部材13に対する札押え15の着脱を簡単に行うことができ、かつ、札押え15の取付位置を簡単に変更することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態を図1ないし図5に基づいて説明する。本実施の形態は、ドロワ装置が備える紙幣収納箱であるマネーケースに適用した一例である。なお、以下の説明において方向を述べる際には、操作者から見た方向を適用する。
【0013】
図1はドロワ装置1をECR3と共に概略的に示す外観斜視図である。ドロワ装置1は、薄型偏平な筐体であって前面に開口部2aを有するキャビネット2を備え、このキャビネット2の上面に載置されたECR3に接続されている。キャビネット2には、上面開口のキャッシュボックス4がキャビネット2の開口部2aから引出自在に収納されている。
【0014】
図2はキャッシュボックス4の構造を概略的に示す分解斜視図、図3はマネーケース5の構造を概略的に示す分解斜視図である。キャッシュボックス4には、筐体状に形成された上面開口のマネーケース5が着脱自在に収納されている。このマネーケース5には、高額紙幣や商品券等の取引に関わる券を収納する券収納部6と高額紙幣以外の紙幣を金種別に収納する本体ケースである上面開口の札ケース7とが仕切られた状態で設けられており、券収納部6が手前側に位置付けられ、札ケース7が奥側に位置付けられている。そして、券収納部6の上部には、硬貨を金種別に収納するコインケース8が着脱自在に収納されている。このコインケース8には、硬貨を金種別に収納するための複数の硬貨収納部9が仕切られた状態で設けられている。
【0015】
また、札ケース7には、紙幣を金種別に収納するための複数の紙幣収納部10が複数の仕切板11によって仕切られた状態で設けられている。これらの仕切板11は、札ケース7の内部に形成された複数の溝部12に各々嵌合し、札ケース7に対し着脱自在に設けられている。また、札ケース7の奥側端部には、複数の紙幣収納部10が並ぶ方向に伸びる板状の支持部材13が複数の紙幣収納部10の上方に位置付けられ、ネジ14で札ケース7に対し着脱自在に設けられている。支持部材13には、紙幣収納部10毎に紙幣を押える複数の札押え15が着脱自在に設けられている。ここで、支持部材13の上面には、複数の円柱状の嵌合部16が長手方向(複数の紙幣収納部10が並ぶ方向)へライン状に一定間隔で設けられている。なお、支持部材13や札押え15等は、樹脂(例えばプラスチック)等で形成されており、弾性を有している。
【0016】
図4は札押え15を拡大して示す外観斜視図、図5はその取付構造を拡大して示す縦断側面図である。札押え15には、支持部材13を挟持して支持部材13に取り付けられるフック部17が設けられており、このフック部17には、支持部材13の2つの嵌合部16に嵌合する2つの嵌合孔18が形成された上アーム部19とこの上アーム部19から支持部材13を挟持可能な距離だけ離反した下アーム部20とが設けられている。なお、札押え15は、フック部17の2つの嵌合孔18が支持部材13の2つ嵌合部16に嵌合することで支持部材13に取り付けられ、嵌合孔18が支持部材13の2つの嵌合部16から外されることで支持部材13から取り外される。これが、支持部材13に対して札押え15を着脱自在にするための着脱機構である。そして、支持部材13が複数の嵌合部16をライン状に備えているので、フック部17の2つの嵌合孔18を嵌合させる2つの嵌合部16を変えることで、札押え15の取付位置が自在に変更される。これが、支持部材13に対する札押え15の取付位置を紙幣収納部10が並ぶ方向に自在に変更するための取付位置変更機構である。
【0017】
フック部17には、紙幣を押えるために紙幣を上方から押圧する押圧部21が支持部22を支点として上下方向に回動自在に軸支され設けられている。フック部17と押圧部21との間には、引張バネ23が掛け渡されて設けられており、この引張バネ23が押圧部21に紙幣を押圧する押圧力及び跳ね上げ開放力を付与する構造になっている。これにより、押圧部21は紙幣を押える押圧位置及び押圧状態から紙幣を開放する開放位置に位置付けられる。
【0018】
また、上アーム部19の先端の下部には、手前側から奥側に向かうに従い高くなるように形成された傾斜面19aが設けられており、さらに、支持部材13の嵌合部16の先端には、札押え15の取付方向に手前側から奥側へ向かうに従い高くなるように形成された傾斜面16aが設けられている。
【0019】
なお、札押え15が支持部材13に取り付けられた状態で、下アーム部20と支持部材13との間には、あそび程度の狭い空間部24が設けられている。この空間部24は、支持部材13に対する札押え15の着脱を可能にするための空間である。
【0020】
このような構成において、操作者が紙幣収納部10の収納スペースを変更する場合における変更作業について説明する。
【0021】
まず、操作者は支持部材13から札押え15を取り外す。このとき、操作者によって札押え15のフック部17に対し力が下方に加えられると、フック部17の上アーム部19の根元部A(図5参照)が支点となって、上アーム部19の先端が上方に移動し、空間部24と下アーム部20の弾性とによって上アーム部19の嵌合孔18が支持部材13の嵌合部16から外れる。ここで、操作者によって支持部材13から手前側にフック部17が引き抜かれると、フック部17の上アーム部19先端の傾斜面19aが2つの嵌合部16の傾斜面16aに当接し、上アーム部19の先端が2つの嵌合部16の傾斜面16aによってスムーズに2つの嵌合部16の手前側に案内され、札押え15が支持部材13から取り外される。
【0022】
次に、操作者は、札ケース7からネジ14を外して支持部材13を取り外し、溝部12から仕切板11を取り外して、収納する紙幣のサイズに合わせて溝部12に仕切板11を取り付け、その後、札ケース7に支持部材13を取り付ける。このようにして、札ケース7に対する仕切板11の仕切位置は紙幣のサイズに合わせて変更される。
【0023】
最後に、操作者は紙幣収納部10の中央付近に札押え15を位置付けて支持部材13に取り付ける。このとき、札押え15のフック部17が上アーム部19と下アーム部20とで支持部材13を挟みながら奥側に移動すると、フック部17の上アーム部19先端の傾斜面19aが2つの嵌合部16の傾斜面16aに当接し、上アーム部19の先端が2つの嵌合部16の傾斜面16aによって2つの嵌合部16の奥側へ案内され、上アーム部19の2つの嵌合孔18が支持部材13の2つの嵌合部16に各々嵌合して、札押え15が支持部材13に取り付けられる。このようにして、支持部材13に対する札押え15の取付位置は札ケース7に対する仕切板11の仕切位置の変更に応じて変えられる。
【0024】
このように本実施の形態では、仕切板11で札ケース7を仕切って複数の紙幣収納部10を形成し、複数の紙幣収納部10が並ぶ方向に取付位置が変更可能な札押え15を札ケース7の支持部材13に取り付けることで、紙幣のサイズに応じて札ケース7に対する仕切板11の仕切位置を変更する場合等、仕切板11の仕切位置の変更に応じて支持部材13に対する札押え15の取付位置を変更することが可能になるので、紙幣のサイズに適した紙幣収納部10の収納スペースを確保することができ、かつ、紙幣収納部10に収納された紙幣を確実に押えることができる。
【0025】
また、本実施の形態では、支持部材13は、複数の紙幣収納部10が並ぶ方向に並ぶ複数の嵌合部16を有し、札押え15は、嵌合部16に嵌合する嵌合孔18を有し、支持部材13に着脱自在に取り付けられているため、支持部材13に対する札押え15の着脱を簡単に行うことができ、かつ、札押え15の取付位置を簡単に変更することができる。
【0026】
また、本実施の形態では、嵌合部16は、その先端に位置付けられ札押え15の取付方向に手前側から奥側に向うに従い高くなるように形成された傾斜面16aを有するため、支持部材13に対する札押え15の着脱をスムーズに行うことができる。
【0027】
なお、本実施の形態においては、支持部材13や札押え15等を樹脂(例えばプラスチック)で形成しているが、これに限るものではなく、例えば他の材料で形成しても良い。
【0028】
また、本実施の形態においては、札押え15の2つの嵌合孔18を支持部材13の2つの嵌合部16に嵌合させることで札押え15を支持部材13に着脱自在に設けているが、これに限るものではなく、他の着脱機構でも良く、例えばネジ等で札押え15を支持部材13に着脱自在に設けても良い。
【0029】
また、本実施の形態においては、札押え15の2つの嵌合孔18を嵌合させる2つの嵌合部16を変えることで支持部材13に対する札押え15の取付位置を変更しているが、これに限るものではなく、例えば、ネジ等で札押え15を支持部材13に着脱自在に設ける場合には、支持部材13に長手方向へライン状にネジ穴を設け、札押え15を取り付けるために使用する2つのネジ穴を変えることで支持部材13に対する札押え15の取付位置を変更しても良い。また、支持部材13に長手方向へライン状に溝を形成し、この溝に嵌合して摺動する摺動部に札押え15を取り付けることで、その取付位置を変更するようにしても良く、この場合には、支持部材13に対し着脱自在に札押え15を設けなくても良い。
【0030】
また、本実施の形態においては、手前側から奥側へ向かうに従い高くなるように形成された傾斜面16aを支持部材13の嵌合部16の先端に設けたり、手前側から奥側に向かうに従い高くなるように形成された傾斜面19aを上アーム部19の先端の下部に設けたりしているが、これに限るものではなく、例えば傾斜面16aや傾斜面19aを設けなくても良い。
【0031】
また、本実施の形態においては、支持部材13を札ケース7に対し着脱自在に設けているが、これに限るものではなく、例えば仕切板11の着脱を可能に固定して設けても良い。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、本体ケースに対する仕切板の仕切位置の変更に応じて支持部材に対する札押えの取付位置を変更することが可能になるので、紙幣等のサイズに適した紙幣収納部の収納スペースを確保することができ、かつ、紙幣収納部に収納された紙幣等を確実に押えることができ、また、支持部材13に対する札押え15の着脱を簡単に行うことができ、かつ、札押え15の取付位置を簡単に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ドロワ装置をECRと共に概略的に示す外観斜視図である。
【図2】キャッシュボックスの構造を概略的に示す分解斜視図である。
【図3】本発明の実施の一形態のマネーケースの構造を概略的に示す分解斜視図である。
【図4】札押えを拡大して示す外観斜視図である。
【図5】札押えの取付構造を拡大して示す縦断側面図である。
【図6】従来のマネーケースの構造を概略的に示す外観斜視図である。
【符号の説明】
5…紙幣収納箱(マネーケース)、7…本体ケース(札ケース)、10…紙幣収納部、11…仕切板、13…支持部材、15…札押え、16…嵌合部、16a…傾斜面、18…嵌合孔

Claims (2)

  1. 上面開口の本体ケースと、
    前記本体ケースに着脱自在に設けられ、前記本体ケースを仕切ることで紙幣を収納する複数の紙幣収納部を形成し、前記本体ケースに対する仕切位置が変更可能な仕切板と、
    前記本体ケースに設けられた支持部材に取り付けられ、前記支持部材に対する取付位置が複数の前記紙幣収納部が並ぶ方向に変更可能であって、前記紙幣収納部に収納された紙幣を押える札押えと、
    を具備し、
    前記支持部材は、複数の前記紙幣収納部が並ぶ方向に並ぶ複数の嵌合部を有し、
    前記札押えは、前記嵌合部に嵌合する嵌合孔を有する上アーム部と、この上アーム部から前記支持部材を挟持可能な距離だけ離反した弾性のある下アーム部とにより前記支持部材に着脱自在に取り付けられ、
    前記上アーム部の先端の下部には、手前側から奥側に向うに従い高くなるように形成された傾斜面とを有する紙幣収納箱。
  2. 前記嵌合部は、その先端に位置付けられ前記札押えの取付方向に手前側から奥側に向うに従い高くなるように形成された傾斜面を有する請求項記載の紙幣収納箱。
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