JP3685181B2 - 保温保冷配膳車の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、病院や学校等の給食に使用される保温保冷配膳車の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば病院において各病室の看者に給食する場合、主食や副食、デザート等をそれぞれ盛り付けた食器をトレーの上に並べると共にこのトレーを配膳車内に上下複数段に積んで多数収容し、配膳車を走行させて各病室を回りながら、配膳車からトレーを取り出して看者に配達することによっておこなわれている。
【0003】
このような配膳車として従来から各種のものが提供されており、例えば特公平2−14055号公報や、実開平3−77190号公報、実公平5−17943号公報、実開平5−60426号公報、実公平6−12653号公報等にみられるように、最近では配膳車内に保温室と保冷室とを形成して、トレーの上に並べた食品を保温したり保冷したりすることができる機能を有する配膳車が提供されている。
【0004】
このような配膳車では、トレーの上に並べた食品は保温を必要とするものと保冷を必要とするものとがあるので、保温室と保冷室を隣接して設け、保温を必要とする食品を並べたトレーの一方の端部が保温室内に、保冷を必要とする食品を並べたトレーの他方の端部が保冷室内に配置されるようにトレーを保温室と保冷室の間に収容するようにしてある。
【0005】
図8は本出願人が従前に提供した配膳車の一例を示すものであり、この配膳車では保温室57と保冷室58とを間仕切り装置55で仕切るようにしてある。すなわち、保温室57と保冷室58の間において図10のように配膳車内に柱41を立設し、この柱41に間仕切り桟43を上下間に間隔を介して上下複数枚配設すると共に各間仕切り桟43の下部に上下動自在にシャッター板116を設けて上下の間仕切り桟43の隙間をシャッター板116で閉じるように形成した図5のような間仕切り装置55で保温室57と保冷室58の間を仕切るようにしてある。ここで、シャッター板116はバネによって下方へ弾発付勢されており、図5のように上の間仕切り桟43に設けたシャッター板116の下端を下の間仕切り桟43の上端に弾接させることによって、保温室57と保冷室58の間を間仕切り装置55で閉じて保温室57と保冷室58の間の気密が確保されるようにし、暖かい空気と冷たい空気が保温室57と保冷室58の間で流通しないようにしてある。
【0006】
そしてこのものにあって、トレー31としては保温を必要とする食品を並べる温食用凹部31aと保冷を必要とする食品を並べる冷食用凹部31bを設けたものを用いるようにしてあり、温食用凹部31aと冷食用凹部31bの間のブリッジ片31cを上下の間仕切り桟43の間に図6のように差し込んで温食用凹部31aが保温室57内に配置されると共に冷食用凹部31bが保冷室58内に配置されるようにして、トレー31を配膳車内に収容するようにしてある。このようにトレー31を配膳車内に収容した状態では、トレー31のブリッジ片31cの上面に上の間仕切り桟43に設けたシャッター板116が弾接し、保温室57と保冷室58の間の気密が確保されるようにしてある。
【0007】
図17及び図18は保温室57と保冷室58との間に形成される従来の間仕切り装置55の構造を示すものであり、間仕切り装置55を組み立てるにあたっては、まず柱41の上端と下端を配膳車内の天井面と床面に固定して保温室57と保冷室58の間に柱41を立設する。柱41の前後の両面にはそれぞれ上下複数箇所において横杆42が突設してある。間仕切り桟43は後端が開口する挿入用中空部46を設けて形成してあり、この挿入用中空部46に横杆42を差し込むようにして横杆42に間仕切り桟43を被挿し、間仕切り桟43の両側にそれぞれ縦片47aと受け片47bとから断面L字形に形成されるトレー受け板47を配設すると共に、ビス51を縦片47aから間仕切り桟43を通して横杆42にねじ込むことによって、図18のように横杆42に間仕切り桟43を固定すると共に間仕切り桟43の両側面にトレー受け板47を取り付ける。次に各トレー受け板47の縦片47aの外面に側面カバー48を重ね、さらにキャップ111を間仕切り桟43の先端にはめ込んでキャップ111の鍔片111aで側面カバー48の外面を押さえることによって、側面カバー48を固定する。キャップ111をこのようにはめ込む際に間仕切り桟43の下部のスリット状凹部45にシャッター板116を挿着するようにする。このようにして柱41の各横杆42に間仕切り桟43やトレー受け板47、シャッター板116等を取り付けることによって、配膳車内に間仕切り装置55を組み立てることができるものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記のようにして間仕切り装置55を組み立てるにあたって、柱41は配膳車内に取り付けてあり、間仕切り装置55の組み立ての作業は、配膳車内において柱41の各横杆42に間仕切り桟43、トレー受け板47、シャッター板116等を組み付けることによって行なう必要がある。従って作業を狭い配膳車内で行なう必要があり、組み立ての作業性が極めて悪くなるという問題があった。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、間仕切り装置の組み立ての作業性を高めることができ、加えて部品点数を削減することができる保温保冷配膳車の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る保温保冷配膳車の製造方法は、配膳車Aに保温室57と保冷室58を隣接して設け、柱41と、柱41に突出して設けられる上下複数段の間仕切り桟43と、間仕切り桟43の両側面に配設されるトレー受け板47と、間仕切り桟43の下部に上下動自在に取り付けられ下側に位置する間仕切り桟43の上面に下端が弾接するシャッター板116とを具えて形成される間仕切り装置55を保温室57と保冷室58の間に設けて両室57,58を間仕切り、上下に隣接する間仕切り桟43の間にトレー31を差し込んでその一方の端部が保温室57内に他方の端部が保冷室58内に配置されるようにトレー受け板47の上に載置したトレー31の上面に上側のシャッター板116を弾接させるようにした保温保冷配膳車の製造方法において、柱41の一方の側面と他方の側面に固定してそれぞれ上下複数段ずつトレー受け板47を取り付けると共に柱41を介して対向する各一対のトレー受け板47間に間仕切り桟43を取り付け、各間仕切り桟43の下部にシャッター板116を上下動自在に取り付けて間仕切り装置55を形成し、間仕切り装置55を配膳車A内に配設してその柱41の上端と下端を配膳車A内の天井面と床面に固定することを特徴とするものである。
【0011】
また請求項2に係る発明は、横長の縦片47aの一方の端部と他方の端部の上端にそれぞれ受け片47bを水平方向に延設してトレー受け板47を形成し、縦片47aの中央部を柱41の側面に固定して柱41にトレー受け板47を取り付けることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
図7乃至図9は配膳車Aの全体の構造を示すものであり、配膳車Aは車両本体1の下部にモータ81によって駆動される車輪2を設けて形成してある。車両本体1は車輪2を取り付け周囲をバンパー7で囲った台車82と、両側の側面が開口部4となった箱状にステンレス等の金属材で作成される温冷庫3と、この温冷庫3に両側の開口部4を除いて外装されるプラスチック成形品の外装パネル5とで形成してあり、温冷庫3は台車82の上に固定してある。図7乃至図9において10は車輪2を駆動するモータ81を操作するスイッチや、温冷庫3の保温室57内の加熱温度や保冷室58内の冷却温度をコントロールするスイッチなど各種のスイッチ13を設けた操作パネル、15は配膳車Aの走行方向をコントロールするためのハンドル、16は作業台である。
【0014】
車両本体1の温冷庫3の両側面の開口部4の前後方向の中央部にそれぞれ支柱19が図9のように設けてあり、この両支柱19,19の間の位置において温冷庫3内の中央部を図10や図11のように横切るように熱風吹き出しダクト20が取り付けてある。熱風吹き出しダクト20は図1に示すような二枚の板材20a,20aを接合することによって、図13や図14に示すように内部が中空の板状に形成してある。この熱風吹き出しダクト20を温冷庫3内に取り付けることによって、図9乃至図12のように温冷庫3内は前半分の前部室21と後半分の後部室22に仕切られるようになっている。図1に示すように配膳車Aの温冷庫3の床面と天井面にそれぞれ受け金物130(天井面は図示省略)が固定してあり、熱風吹き出しダクト20の下端と上端をこの受け金物130に結合することによって、熱風吹き出しダクト20を温冷庫3内に取り付けるようにしてある。
【0015】
熱風吹き出しダクト20内は図13や図14のように一対の仕切り板23で仕切ってあって、中央の加熱路24と両側の送り出し路25,25が形成されるようにしてある。仕切り板23は吹き出しダクト20の下端部には至らないようにしてあり、図14(a)のように加熱路24と両側の送り出し路25とは仕切り板23の下側の連通部26によって連通させてある。そして熱風吹き出しダクト20の加熱路24内にヒーター(図示省略)を取り付けて、加熱路24を通過する空気を加熱するようにしてある。また各送り出し路25の両面にはそれぞれ上下一定間隔で熱風吹き出し口30が設けてある。
【0016】
また熱風吹き出しダクト20の両側において温冷庫3内には図13のような熱風吸い込みダクト28が立設してある。熱風吸い込みダクト28は図1に示すような二枚の板材28a,28aを接合することによって形成されるものであり、温冷庫3の天井面に設けた取付口131から差し込むと共に温冷庫3の床面に固定した受け金物132に下端を結合させることによって、温冷庫3内に熱風吸い込みダクト28を取り付けるようにしてある。この各熱風吸い込みダクト28の上端にはそれぞれ熱風循環用ファン27が接続してある。熱風循環用ファン27は図9のように温冷庫3の上面に取り付けられているものであり、熱風吹き出しダクト20の上端部において加熱路24の両側にそれぞれ接続してある。熱風吹き出しダクト20の加熱路24に熱風循環用ファン27を図13のように直接接続することもできるが、熱風吹き出しダクト20の加熱路24の上端に接続してファン接続ダクト133を図1のように温冷庫3の上面に取り付け、このファン接続ダクト133に熱風循環用ファン27を接続するようにしてもよい。そして熱風吸い込みダクト28は図11乃至図14に示すように熱風吹き出しダクト20の中央部に直交させて配置して温冷庫3の幅方向の中央部内に配設するようにしてあり、その両面にはそれぞれ上下一定間隔で熱風吸い込み口32が設けてある。
【0017】
間仕切り装置55は柱41に上下複数箇所において間仕切り桟43やトレー受け板47やシャッター板116などを取り付けることによって組み立てられるものであるが、本発明では配膳車Aの外部で間仕切り装置55を組み立てた後、この組み立てた間仕切り装置55を配膳車A内に取り付けるようにしてある。すなわち図2は間仕切り装置55を構成する各部材を示すものであり、間仕切り桟43は上端が断面台形状の受け突部44となった上部芯材43aと下部芯材43bと断熱材43cとで形成するようにしてある。またトレー受け板47は縦片47aと受け片47bとで断面L字形に形成されるものであるが、縦片47aの水平方向の長さを間仕切り桟43の水平方向の寸法の2倍と柱41の幅方向の寸法とを合計した寸法にして長矩形状に形成してあり、縦片47aの一方の端部側と他方の端部側にそれぞれ受け片47b,47bを設けるようにしてある。このようにトレー受け板47は従来の二枚のトレー受け板47を一体化したものとして形成してある。
【0018】
間仕切り装置55を組み立てるにあたっては、まず柱41の一方の側面にトレー受け板47の中央部を当接してネジ止めすることによって、受け片47b,47bがそれぞれ柱41の両側に突出するように、柱41の片面にトレー受け板47を取り付ける(図2においてネジ止め箇所を「+」印で図示する)。次にこのトレー受け板47の柱41から突出する縦片47aの内側面の上部と下部に上部芯材43aと下部芯材43bとをネジ止めした後、この上部芯材43aと下部芯材43bの間に断熱材43cをはめ込む。そしてこの後、柱41の他方の側面に他のトレー受け板47の中央部をネジ止めして受け片47b,47bがそれぞれ柱41の両側に突出するように、柱41の他方の片面にトレー受け板47を取り付け、このトレー受け板47の縦片47aと上記の上部芯材43aや下部芯材43bをネジ止めする。このようにして二枚のトレー受け板47,47の間に挟み込んだ状態で、上部芯材43aと下部芯材43bと断熱材43cとからなる間仕切り桟43を取り付けることができる。間仕切り桟43はこのようにトレー受け板47によって柱41に取り付けることができるものであり、図17に示す従来のように柱41に横杆42を設けるような必要がなくなり、部品点数を削減することができると共に組み立て工数を削減することができるものである。またトレー受け板47は柱41の両側に突出して取り付けられるように形成してあるために、柱41の両側に取り付けられる二本の間仕切り桟43に共通して使用できるものであり、この点においても部品点数を削減することができると共に組み立て工数を削減することができるものである。そして以下、同様にしてトレー受け板47と間仕切り桟43を柱41に上下複数段取り付けるものである。
【0019】
次に、各間仕切り桟43にシャッター板116を取り付ける。間仕切り桟43の下部芯材43bには下面に開口するスリット状凹部45が凹設してあり、このスリット状凹部45に前端から差し込んでシャッター板116を上下動自在に取り付けることができる。合成樹脂成形品で形成されるシャッター板116の上面にはバネ121が一体に設けてあり、このバネ121の弾性力でシャッター板116を下方へ付勢し、シャッター板116の下端を下側に位置する間仕切り桟43の上面に弾接させるようにしてある。シャッター板116はこのように下側に位置する間仕切り桟43の上面に当接するために下方へ抜け落ちることはない。このようにシャッター板116をスリット状凹部45に差し込んだ後、上端部に円弧状舌片110を突設したキャップ111を間仕切り桟43の先端面に配設すると共にキャップ111の外面に一対のマグネットキャッチ板134を配設し、マグネットキャッチ板134からキャップ111を通してビスを上部芯材43aと下部芯材43bの前端面にねじ込むことによって、キャップ111とマグネットキャッチ板134を間仕切り桟43の先端面に取り付ける。キャップ板111の下端には切欠部122が、シャッター板116の前端部には係止切欠117がそれぞれ設けてあり、係止切欠117に切欠部122を係止させるようにしてキャップ111を間仕切り桟43の先端面に取り付けることによって、シャッター板116が前方へ抜けることを防止するようにしてある。
【0020】
上記のようにして、図3に示すような間仕切り装置55を組み立てることができるものである。そしてこのように配膳車Aの外で間仕切り装置55を組み立てた後、間仕切り装置55を配膳車Aの温冷庫3の前部室21と後部室22のそれぞれのほぼ中央部に立設して取り付ける。温冷庫3の天井面と床面にはそれぞれ図1のように受け金物135が固設してあり、柱41の上端と下端を受け金物135にビス止め等して結合することによって、間仕切り装置55を温冷庫3内に取り付けるようにしてある。間仕切り装置55を取り付けることによって図10や図12のように、前部室21や後部室22を、熱風吹き出しダクト20側の保温室57と、温冷庫3の前後の壁面59a,59b側の保冷室58とに仕切ることができるものである。そして上下に隣合う間仕切り桟43間は、上の間仕切り桟43のシャッター板116が下の間仕切り桟43の上端面に弾接することによって密閉されるものであり、間仕切り装置55によって保温室57と保冷室58とを空気の流通を遮断した状態で仕切ることができるものである。
【0021】
一方、温冷庫3の前後の壁面59a,59bの室内面には図10や図11のように凹所125が上下略全長に亘って設けてあり、この凹所125に壁プレート126を被せて取り付けることによって、壁面59a,59bに冷風ダクト61を形成してある。この冷風ダクト61内には車両本体1の下面に取り付けた冷却機ユニット62と接続された冷却用熱交換器(図示省略)が取り付けてあり、壁プレート126の下部に図15のように設けた冷風吸引口63によって冷風ダクト61内と保冷室58とを連通させてある。また各壁プレート126の上端部には冷風ダクト61内と保冷室58とを連通させる開口64が設けてあり、この各開口64に冷風循環用ファン65が取り付けてある。
【0022】
また、車両本体1の両側の開口部4にはそれぞれ4枚ずつ扉101が取り付けてある。4枚の扉101のうち最も前の扉101aは前部室21の保冷室58を開閉するものであって、車両本体1の開口部4の前の側縁部にヒンジで枢支してあり、図7の矢印のように開くことができるようにしてある。次の扉101bは前部室21の保温室57を開閉するものであって、車両本体1の支柱19にヒンジで枢支してあり、図7の矢印のように開くことができるようにしてある。次の扉101cは後部室22の保温室57を開閉するものであって、車両本体1の支柱19にヒンジで枢支してあり、図7の矢印のように開くことができるようにしてある。次の扉101dは後部室22の保冷室58を開閉するものであって、車両本体1の開口部4の後の側縁部にヒンジで枢支してあり、図7の矢印のように開くことができるようにしてある。また扉101a,101bの先端や扉101c,101dの先端は、図16に想像線で示すように、円弧状舌片110を先端間に挟んで、先端部がマグネットキャッチ板134に磁着されるようにして、閉じられるようにしてある。
【0023】
しかして、上記のように形成される保温保冷配膳車にあって、主食や副食、デザートなどを盛った食器をトレー31の上に並べ、このトレー31を間仕切り装置55に保持させた状態で温冷庫3内に多数収容して運搬することができる。トレー31としては、図6や図11に示すような、御飯や味噌汁等の暖かい食品を並べる温食用凹部31aと、デザート等の冷たい食品を並べる冷食用凹部31bとを設けて形成されたものを用いるものであり、温食用凹部31aと冷食用凹部31bはブリッジ片31cで一体に接続してある。
【0024】
トレー31を間仕切り装置55に保持させるにあたっては、温食用凹部31aを保温室57に、冷食用凹部31bを保冷室58にそれぞれ対応させながら、ブリッジ片31cを間仕切り装置55の前方に位置させ、この状態でブリッジ片31cを間仕切り装置55の上下に隣合う間仕切り桟43のうち、上の間仕切り桟43のシャッター板116と下の間仕切り桟43の間に押し込む。すると、シャッター板116の先端の円弧状突部118と間仕切り桟43の円弧状舌片110の間に案内されてブリッジ片31cが上の間仕切り桟43のシャッター板116と下の間仕切り桟43の受け突部44の間に差し込まれる。トレー31のブリッジ片31cの下面の凹断面形状に受け突部44の上面の凸断面形状が嵌まるように形成してあるので、トレー31は受け突部44にガイドされて、温冷庫3の奥へ差し込むことができる。このときシャッター板116はバネ121による弾発力に抗してスリット状凹部45内を上方へ移動するが、バネ121による弾発力によってシャッター板116の下面はトレー31のブリッジ片31cの上面に弾接しており、上下の間仕切り桟43間の密閉を保持して保温室57と保冷室58の間の空気の流通の遮断を保持することができる。
【0025】
このようにして上下の間仕切り桟43間にトレー31を差し込むことによって、図6に示すように、トレー31の温食用凹部31aや冷食用凹部31bをトレー受け板47の受け片47bの上に載置して保持することができるものであり、同様にしてトレー31を間仕切り装置55の各上下の間仕切り桟43間に保持することによって、上下に多数枚のトレー31を配列して保持することができるものである。そして図11に示すように温食用凹部31aは保温室57内に、冷食用凹部31bは保冷室58内に位置するように、トレー31を配膳車内に収容することができるものである。
【0026】
ここで、トレー31の温食用凹部31aに並べた食物は保温室57内において次のようにして保温される。すなわち、熱風吹き出しダクト20の加熱路24内のヒーターに通電して発熱させると共に熱風循環用ファン27を作動させると、図13や図14(b)の矢印のように保温室57内の空気が各熱風吸い込み口32から熱風吸い込みダクト28内に吸い込まれ、この空気は熱風循環用ファン27によって熱風吹き出しダクト20の加熱路24に供給される。この空気は図14(a)の矢印のように加熱路24を下方へ流れる間に加熱路24内のヒーターで加熱される。加熱路24内で加熱された空気は図14(a)の矢印のように連通部26から送り出し路25へと送られ、送り出し路25の各熱風吹き出し口30から図13や図14(b)の矢印のように保温室57内に吹き出される。このように熱風吹き出しダクト20から熱風を吹き出すことによって保温室57内の温度を高め、また保温室57内の空気を熱風吸い込みダクト28で吸い込んでヒーターで加熱した後に再度熱風吹き出しダクト20から熱風を吹き出すようにして、保温室57内の空気を循環させることによって、保温室57内を所定の設定した温度にまで高めると共に保温室57内を所定の設定した温度に保持することができるものであり、このように保温室57内を所定温度に保つことによって、トレー31の温食用凹部31a上の食物を保温することができるものである。
【0027】
また、トレー31の冷食用凹部31bに並べた食物は保冷室58内において次のようにして保冷される。すなわち、冷却機ユニット62を作動させながら冷風循環用ファン65を作動させると、保冷室58内の下部の空気は冷風吸引口63から冷風ダクト61に吸引され、冷風ダクト61内において冷却用熱交換器で冷却され、この冷却された冷風は冷風循環用ファン65によって保冷室58内の上部に吹き出される。このように冷風ダクト61から冷風を吹き出すことによって保冷室58内の温度を低下させ、また保冷室58内の空気を冷風吸い込みダクト61内に吸い込んで冷却用熱交換器で冷却した後に再度冷風循環ファン65によって冷風を吹き出すようにして、保冷室58内の空気を循環させることによって、保冷室58内を所定の設定した温度にまで低下させると共に、保冷室58内を所定の設定した温度に保持することができるものであり、このように保冷室58内を所定の低い温度に保つことによって、トレー31の冷食用凹部31b上の食物を保冷することができるものである。
【0028】
【発明の効果】
上記のように本発明は、柱の一方の側面と他方の側面に固定してそれぞれ上下複数段ずつトレー受け板を取り付けると共に柱を介して対向する各一対のトレー受け板間に間仕切り桟を取り付け、各間仕切り桟の下部にシャッター板を上下動自在に取り付けて間仕切り装置を形成し、間仕切り装置を配膳車内に配設してその柱の上端と下端を配膳車内の天井面と床面に固定するようにしたので、配膳車の外で間仕切り装置を組み立てた後に配膳車内に間仕切り装置を組み込むことができ、狭い配膳車内で間仕切り装置を組み立てるような必要がなくなって、組み立ての作業性を高めることができるものであり、しかもトレー受け板を利用して柱に間仕切り桟を取り付けることができ、間仕切り桟を柱に取り付けるための部材を不要にして部品点数を削減することができるものである。
【0029】
また、横長の縦片の一方の端部と他方の端部の上端にそれぞれ受け片を水平方向に延設してトレー受け板を形成し、縦片の中央部を柱の側面に固定して柱にトレー受け板を取り付けるようにしたので、トレー受け板を柱の両側に取り付けられる二本の間仕切り桟に共通して使用することができ、部品点数を削減することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一例の分解斜視図である。
【図2】本発明の間仕切り装置の実施形態の一例の分解斜視図である。
【図3】本発明の間仕切り装置の実施形態の一例の斜視図である。
【図4】本発明の間仕切り装置の実施の形態の一例の一部の分解正面図である。
【図5】本発明の間仕切り装置の実施の形態の一例の正面図である。
【図6】本発明の間仕切り装置のトレーを保持した状態の実施の形態の一例の正面図である。
【図7】本発明の配膳車の実施の形態の一例の斜視図である。
【図8】本発明の配膳車の実施の形態の一例の正面図である。
【図9】本発明の配膳車の実施の形態の一例の概略断面図である。
【図10】本発明の配膳車の実施の形態の一例の一部の概略水平断面図である。
【図11】本発明の配膳車の実施の形態の一例の一部の概略水平断面図である。
【図12】本発明の配膳車の実施の形態の一例の一部の概略正面図である。
【図13】本発明の熱風吸い込みダクトと熱風吹き出しダクトの実施の形態の一例の斜視図である。
【図14】本発明の熱風吸い込みダクトと熱風吹き出しダクトの実施の形態の一例を示すものであり、(a)は一部を省略した概略正面図、(b)は概略平面図である。
【図15】本発明の配膳車の実施の形態の一例の内面の正面図である。
【図16】本発明の間仕切り装置の実施の形態の一例の一部の平面図である。
【図17】従来の間仕切り装置の一例の分解斜視図である。
【図18】従来の間仕切り装置の一例の一部の断面図である。
【符号の説明】
A 配膳車
31 トレー
41 柱
43 間仕切り桟
47 トレー受け板
47a 縦片
47b 受け片
55 間仕切り装置
57 保温室
58 保冷室
116 シャッター板
Claims (2)
- 配膳車に保温室と保冷室を隣接して設け、柱と、柱に突出して設けられる上下複数段の間仕切り桟と、間仕切り桟の両側面に配設されるトレー受け板と、間仕切り桟の下部に上下動自在に取り付けられ下側に位置する間仕切り桟の上面に下端が弾接するシャッター板とを具えて形成される間仕切り装置を保温室と保冷室の間に設けて両室を間仕切り、上下に隣接する間仕切り桟の間にトレーを差し込んでその一方の端部が保温室内に他方の端部が保冷室内に配置されるようにトレー受け板の上に載置したトレーの上面に上側のシャッター板を弾接させるようにした保温保冷配膳車の製造方法において、柱の一方の側面と他方の側面に固定してそれぞれ上下複数段ずつトレー受け板を取り付けると共に柱を介して対向する各一対のトレー受け板間に間仕切り桟を取り付け、各間仕切り桟の下部にシャッター板を上下動自在に取り付けて間仕切り装置を形成し、間仕切り装置を配膳車内に配設してその柱の上端と下端を配膳車内の天井面と床面に固定することを特徴とする保温保冷配膳車の製造方法。
- 横長の縦片の一方の端部と他方の端部の上端にそれぞれ受け片を水平方向に延設してトレー受け板を形成し、縦片の中央部を柱の側面に固定して柱にトレー受け板を取り付けることを特徴とする請求項1に記載の保温保冷配膳車の製造方法。
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