JP3685133B2 - 電子鍵盤装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術の分野】
本発明は、複数の各鍵盤操作子の操作信号出力部をスキャン部で走査して鍵操作を検出する電子鍵盤装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、鍵盤操作子の操作状態を検出するために、各鍵盤操作子に対応する操作信号を出力する押鍵スイッチ等の操作信号出力部を走査するスキャン部を設けた電子鍵盤装置が知られている。この装置では、例えば、マトリックス回路を用い、数万回/秒というような高速ですべての操作信号出力部を走査して、全鍵の操作状態を把握するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の電子鍵盤装置では、正確にリアルタイムで鍵操作を検出するためには、より高速で走査することが好ましいが、そのためにはクロック周波数を高くしなければならず、スキャン部の負担が重くなるという問題があった。
【0004】
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、クロック周波数を高くすることなく鍵操作のスキャン速度を高くすることができる電子鍵盤装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の請求項1の電子鍵盤装置は、複数の鍵盤操作子と、前記複数の各鍵盤操作子に対応して設けられ、対応する鍵盤操作子の操作状態を示す信号を出力する複数の操作信号出力部と、前記複数の操作信号出力部を走査するスキャン部とを備え、前記スキャン部は、全鍵域を複数に分割した各鍵域毎に独立して設けられた回路基板の各々に設けられ、前記各回路基板は、形態を変更可能な識別用回路部を有する共通の原回路基板から製作され、前記各回路基板を、各原回路基板の前記識別用回路部の形態を互いに異ならせることで互いに異なる回路基板として構成し、それにより、前記各回路基板のスキャン部が、自己が設けられている回路基板の配設位置に対応する鍵域を認識可能に構成されたことを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、クロック周波数を従来通りとすると、全鍵域が略均等に3分割された場合は、各鍵盤操作子の単位時間当たりの走査回数は略3倍に増加する。よって、クロック周波数を高くすることなく鍵操作のスキャン速度を高くすることができる。
また、回路基板の基本的部分を共通化することができ、構成及び取り付け作業が簡単になる。なお、例えば、各回路基板用に共通の原回路基板を製作し、担当する鍵域に応じて原回路基板上のパターンや部品の状態(有無を含む状態)を異ならせて入力ポートの電圧値を決定することで、予め定められた定義に基づき、対応するスキャン部に自己が担当する鍵域を認識させ、用いるべき適切な処理プログラムが呼び出されるようにしてもよい。
【0008】
なお、請求項1において、次のように構成してもよい。
【0009】
例えば、前記スキャン部は、前記回路基板の鍵並び方向における略中央に配置される。これにより、回路パターンが限られたスペースに収まる。
【0010】
また、例えば、各回路基板の鍵並び方向における端部近傍には、隣接する回路基板と接続するためのコネクタ部が配設される。これにより、中継束線を短くすることができる。
【0011】
また、例えば、鍵操作子が88個である場合は、低音域から順に、28鍵目と29鍵目の間、58鍵目と59鍵目の間を境に鍵域が3つに分割されるのが望ましい。このように分割数を適当に抑えることで、回路基板サイズが汎用設備で扱える最大サイズとなり、スキャン速度、回路パターン数、中継束線長、各鍵域毎のスキャン能力、製造コストのすべての要素においてバランスがとれ、実用性が高まるので、新たに特別な設備を要することなく基板製作から部品実装までを低コストで実現することが容易である。
【0012】
また、例えば、特定の回路基板が、該特定の回路基板に接続された他の回路基板からの入力信号を受け、それらの入力信号を元に新たな演算処理を施すようにするのが望ましい。その場合、上記特定の回路基板には、上記演算処理を施す単一の中央処理部を設けてもよい。これにより、例えば、各鍵域での鍵操作状態に依存する信号処理が鍵盤ユニット単体で統一的に行える。この場合、中央処理部は、他の回路基板からの入力信号と、当該特定の回路基板での信号とを合わせて処理し、その処理結果を他の信号処理回路(例えば、音源回路等)に出力するように構成してもよい。また、中央処理部は、他の出力信号(例えば、押鍵圧力センサの出力信号)をも受けて、これも上記他の信号処理回路に出力するようにしてもよい。
【0015】
また、請求項2の電子鍵盤装置は、上記請求項1記載の構成において、前記分割した複数の鍵域のうち少なくとも2つの鍵域間で、対応する鍵盤操作子の数が同一であることを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、回路基板等の構成の共通化が容易である。
【0017】
また、請求項3の電子鍵盤装置は、上記請求項1または2記載の構成において、前記スキャン部は、マトリックス回路を各々有し、対応するマトリックス回路を介して前記複数の操作信号出力部を走査するものであり、前記マトリックス回路の行列数は、前記分割した各鍵域間で同一であることを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、各スキャン部の負担を同じにして鍵盤全域でスキャンのパフォーマンスのバランスをとることができる。
【0019】
また、請求項4の電子鍵盤装置は、上記請求項3記載の構成において、少なくとも対応する鍵盤操作子数が最多でない鍵域に対応するマトリックス回路については操作信号出力部の数に対して交点が余剰となるように、前記各スキャン部のマトリックス回路の行列数が設定されていることを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、各鍵域毎にほぼ共通のマトリックス回路を設計することが容易である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施の形態に係る電子鍵盤装置の全体構成を示すブロック図である。
【0023】
本装置は、中央処理部30、スイッチ検出回路4、ROM6、RAM7、タイマ8、表示制御回路9、記憶装置11、MIDIインターフェイス(MIDII/F)13、音源回路15及び効果回路16が、バス18を介してCPU5にそれぞれ接続されて構成される。
【0024】
さらに、スイッチ検出回路4にはパネルスイッチ2が接続されている。表示制御回路9には例えばLCD等で構成される表示装置19が接続されている。CPU5にはタイマ8が接続され、MIDII/F13には他のMIDI機器100が接続されている。音源回路15には効果回路16を介してサウンドシステム17が接続されている。
【0025】
鍵盤操作子1は、白鍵及び黒鍵であり、本装置では88鍵モデルが採用されている。詳細は後述するが、鍵盤操作子1の操作状態は、3つに分割された鍵域毎に、第1スキャン部21A、第2スキャン部21B、第3スキャン部21Cを介して走査(スキャン)され、その信号が中央処理部30を介してCPU5に送られる。また、各鍵盤操作子1の押鍵による圧力状態は、圧力センサ14で検出されて、その出力信号PCSが中央処理部30を介してCPU5に送られる。その際、中央処理部30では、入力された信号を単にCPU5に送るのではなく、それらの信号をまとめて処理する。例えば、走査によるスキャン信号から鍵盤操作子1の操作状態の変化を検出し、その状態を示す信号を送信すると共に、後述するように、各スキャン部21から受けた信号を積算したものと圧力センサ14の出力信号とから、アフタータッチ信号ATを算出し、その算出した信号ATを送信する。
【0026】
パネルスイッチ2は、各種情報を入力するための複数のスイッチを備える。スイッチ検出回路4は、パネルスイッチ2の各スイッチの押下状態を検出する。CPU5は、本装置全体の制御を司る。ROM6は、CPU5が実行する制御プログラムや各種テーブルデータ等を記憶する。RAM7は、演奏データ、テキストデータ等の各種入力情報、、各種フラグやバッファデータ及び演算結果等を一時的に記憶する。タイマ8は、タイマ割り込み処理における割り込み時間や各種時間を計時する。表示制御回路9は、表示装置19に楽譜等の各種情報を表示させる。
【0027】
MIDII/F13は、他のMIDI機器100等の外部装置からのMIDI(Musical Instrument Digital Interface)信号を入力したり、MIDI信号を外部装置に出力したりする。音源回路15は、押鍵操作による発音、消音等の指示信号や、自動演奏データ等の楽曲データを楽音信号に変換する。効果回路16は、音源回路15から入力される楽音信号に各種効果を付与し、DAC(Digital-to-Analog Converter)やアンプ、スピーカ等のサウンドシステム17は、効果回路16から入力される楽音信号等を音響に変換する。
【0028】
図2は、本電子鍵盤装置の平面図である。なお、同図では、鍵盤操作子1の並び方向(以下、「鍵並び方向」と称する)においては一部の図示が省略されている。また、以下、本装置の奏者側を「前方」と称する。
【0029】
本実施の形態では、後述する回路基板20の構成に着目すれば、88鍵の全鍵域が第1〜第3鍵域10A〜10Cというように3つに分割されている。第1、第2、第3鍵域10A、10B、10Cは、低音側から第1〜28鍵、第29〜58鍵、第59〜88鍵にそれぞれ対応している。従って、第1、第2、第3鍵域10A、10B、10Cに対応する鍵盤操作子1の数はそれぞれ、「28」、「30」、「30」である。
【0030】
図3は、回路基板の構成を模式的に示す図である。第1〜第3回路基板20A〜20Cは、第1〜第3鍵域10A〜10Cに対応して3つの独立した回路基板として構成される。
【0031】
第1回路基板20Aの鍵並び方向における略中央には、第1スキャン部21Aが設けられる。第1回路基板20Aにはまた、鍵盤操作子1の押鍵操作を検出し、その操作状態を示す信号を出力する操作信号出力部29Aが、各鍵盤操作子1に対応して1個ずつ、合計で28個設けられる。なお、押鍵操作や離鍵操作及びこれらのベロシティを検出するために、異なる押鍵ストローク位置でそれぞれ反応するスイッチを、1鍵あたりに複数、例えば2個または3個設けることがある。この場合は、操作信号出力部29Aは、合計で56個、84個という非常に多数となる。
【0032】
操作信号出力部29Aは、各鍵盤操作子1毎に設けられた不図示の押鍵スイッチに対応するものである。各操作信号出力部29Aは、配線パターン28Aで第1スキャン部21Aに接続され、第1スキャン部21Aは各操作信号出力部29Aを走査することで第1鍵域10Aにおける押鍵操作状態を検出する。
【0033】
第2、第3回路基板20B、20Cにはそれぞれ、第2、第3スキャン部21B、21Cが設けられる。第2、第3スキャン部21B、21Cの配置位置及び構成は、第1スキャン部21Aと同様である。また、第2、第3回路基板20B、20Cにはそれぞれ、操作信号出力部29B、29Cが各鍵盤操作子1に対応して合計30個ずつ設けられる。各操作信号出力部29B、29Cはそれぞれ、配線パターン28B、28Cで第2、第3スキャン部21B、21Cに接続される。
【0034】
また、第1、第3回路基板20A、20Cにはそれぞれ、コネクタ部22、25が設けられている。コネクタ部22は、第1回路基板20Aの右端部後部に、コネクタ部25は、第3回路基板20Cの左端部後部に、それぞれ配置される。一方、第2回路基板20Bの左右両端部後部には、コネクタ部23、24が配設されている。
【0035】
中央処理部30は、第2回路基板20Bに設けられ、コネクタ部23、24間に配設される。中央処理部30は専用回路として構成される。なお、中央処理部30は、第2回路基板20Bでなく、第1回路基板20Aまたは第3回路基板20Cのいずれかに設けるようにしてもよい。なお、中央処理部30を専用回路として構成する代わりに、その機能を、前述したCPU5、ROM6、RAM7、タイマ8及び記憶装置11等によって実現されるように構成してもよい。
【0036】
第1回路基板20Aと第2回路基板20Bとは、コネクタ部22、23を接続する中継束線26で電気的に接続される。また、第2回路基板20Bと第3回路基板20Cとは、コネクタ部24、25を接続する中継束線27で電気的に接続される。
【0037】
第1スキャン部21Aによるスキャンの結果出力される出力信号は、コネクタ部22、中継束線26、コネクタ部23を介して中央処理部30に入力される。第2スキャン部21Bによるスキャンの結果出力される出力信号は、中央処理部30に直接入力される。第3スキャン部21Cによるスキャンの結果出力される出力信号は、コネクタ部25、中継束線27、コネクタ部24を介して中央処理部30に入力される。これにより、中央処理部30は、3つの鍵域10A〜10Cにおける鍵盤操作子1の操作状態を把握することができる。そして、中央処理部30では圧力センサ14の出力をも考慮して演算処理を行い、その結果に基づき指示信号を発音処理部に送る。なお、この発音処理部の機能は、前述した音源回路15、効果回路16及びサウンドシステム17によって実現される(図1参照)。
【0038】
本実施の形態では、第1〜第3回路基板20A〜20Cは、共通の原基板を用いて構成されている。例えば、原基板において、ジャンパ線の状態(切断等)、抵抗等の部品の実装状態(実装の有無)、ディップスイッチの状態、割り基板の割り状態等を、第1〜第3鍵域10A〜10Cのどれに実装するかによって個々に異なる状態に設定し、入力ポートの電圧値を制御(決定)することで、予め定められた定義に基づき、対応するスキャン部21に、自己が担当する鍵域がどれなのかを認識させるようにしている。これによって、各スキャン部21は、個々が実行すべき適切な処理プログラムを呼び出し、固有の役割を果たすことができる。その結果、回路基板の基本的部分を共通化することができ、構成及び取り付け作業が簡単になる。
【0039】
図4は、各スキャン部に対応するマトリックス回路の構成を示す概念図である。各スキャン部21A、21B、21Cはそれぞれマトリックス回路matA、matB、matCを有し、各マトリックス回路matを介して担当鍵域内の操作信号出力部29を走査する。同図(a)、(b)、(c)は、それぞれ第1、第2、第3スキャン部21A、21B、21Cに対応するマトリックス回路matを示している。
【0040】
各マトリックス回路matはいずれも、行列数がm=5行、n=6列に設定されている。マトリックス回路matA、matB、matCにおける各交点を交点29A(m、n)、29B(m、n)、29C(m、n)で表す。各交点が操作信号出力部29の個々に対応している。
【0041】
前述のように、第2、第3鍵域10B、10Cでは、操作信号出力部29B、29Cが30個ずつ存在するので、同図(b)、(c)に示すように、マトリックス回路matB、matCにおける余剰交点は発生しない。しかし、第1鍵域10Aでは、操作信号出力部29Aが28個しか存在しないので、同図(a)に示すように、マトリックス回路matAにおいては、交点29A(5、5)及び交点29A(5、6)が余剰となっている。これら2交点の入力はなきものとして扱われる。このように、鍵盤操作子1数が他より少ない鍵域10Aに対応するマトリックス回路matAについては、操作信号出力部29Aの数に対して交点が余剰となるように、行列数を設定することで、各鍵域毎にほぼ共通のマトリックス回路を設計することが可能となっている。
【0042】
図5は、本実施の形態における鍵盤走査処理のフローチャートを示す図である。本処理は、演奏モードにおいて常に実行されている。
【0043】
まず、ステップS501では、スキャン処理を実行する。この処理は、3つに分割された第1〜第3鍵域10A〜10Cについて、操作信号出力部29の走査を並行して行うものである。すなわち、第1、第2、第3スキャン部21A、21B、21Cは、それぞれ操作信号出力部29A、29B、29Cを同時に走査する(ステップS501A、S501B、S501C)。上述したように、スキャンによる出力信号は中央処理部30に入力され、圧力センサ14の出力信号PCSも中央処理部30に入力される。このような並行処理により、スキャン速度が実質的に向上する。
【0044】
次に、ステップS502では、スキャンによる出力信号に基づいて、全鍵域における総同時押鍵数TNをカウントする。すなわち、第1鍵域10Aにおけるキーオン情報(操作信号出力部29Aの走査結果)から第1鍵域10Aにおける押鍵数を把握し、同様に、第2、第3鍵域10B、10Cについても操作信号出力部29A、29Cの走査結果からそれらの押鍵数を把握し、これら押鍵数を合算することで総同時押鍵数TNを得る。
【0045】
なお、総同時押鍵数TNのカウントは、全鍵域を対象としたが、より細かな制御が必要な場合は、鍵域毎あるいはオクターブ毎等の特定の範囲を中心にカウントしたり、走査結果を押鍵の分散を表せる情報に変換したりしてもよい。
【0046】
次に、ステップS503では、アフタータッチ信号ATを算出する。本実施の形態では、押鍵されている鍵盤操作子1に対応する楽音に対して、アフタータッチの効果が付与される。しかし、圧力センサ14は、押鍵された鍵盤操作子1による圧力の総計を検出するものであり、個々の鍵盤操作子1について押圧力を検出するものではない。そのため、付与する効果を規定するためのアフタータッチ信号ATを、例えば下記数式1により演算する。
【0047】
【数1】
AT=PCS/TN
次に、ステップS504では、スキャン情報(スキャンの結果出力された出力信号)と、上記演算したアフタータッチ信号ATとを、上記発音処理部(音源回路15等)に送信する。発音処理部では、これらの情報及び信号を受けて、音高、音量及び音色を、設定値に基づき決定し、楽音信号を生成して発音処理を行う。これにより、アフタータッチ付きでリアルタイム演奏が行える。その後、前記ステップS501に戻る。
【0048】
本実施の形態によれば、全鍵域を3つに分割し、各鍵域10毎にスキャン部21を設け、スキャン部21で並行して走査を行うようにしたので、クロック周波数を従来通りとすると、各鍵盤操作子1の単位時間当たりの走査回数は略3倍に増加する。その結果、1つの鍵盤操作子1に着目すれば、実質的なスキャン速度が上がる。よって、クロック周波数を高くすることなく鍵操作のスキャン速度を高くすることができる。
【0049】
また、各スキャン部21A〜21Cはいずれも、対応する回路基板20A〜20Cの鍵並び方向における略中央に設けられたので、各スキャン部21からの配線パターン28が一極集通することなく均等配分され、回路パターンを限られたスペースに収めることができ、基板の小型化にも寄与する。これに加えて、隣接する回路基板20と接続するための各コネクタ部22〜25は、各回路基板20の鍵並び方向における端部近傍に設けられたので、各スキャン部21からの配線を基板内パターンに置換できる部分を長くとることができることから、中継束線26、27を短くすることができる。なお、鍵域を分割したことと、スキャン部及びコネクタ部を上記のように配置したこととにより、電磁妨害雑音対策上も有利になっている。
【0050】
本実施の形態によればまた、マトリックス回路matA、matB、matCの行列数はいずれも5行×6列であり、同一としたので、特定のスキャン部に負荷が集中することを回避して、鍵盤全域でスキャンのパフォーマンスのバランスをとることができる。さらには、スキャン部間でスキャニングのアルゴリズムを共通化できるだけでなく、部品の共通化により回路基板の共通化にも寄与する。
【0051】
また、本実施の形態では特に、88鍵モデルを例にとり、低音域から順に、28鍵目と29鍵目の間、58鍵目と59鍵目の間を境に鍵域を3つに分割して分割数を適当に抑えたので、回路基板サイズが汎用設備で扱える最大サイズとなり、スキャン速度、回路パターン数、中継束線長、各鍵域毎のスキャン能力、製造コストのすべての要素においてバランスがとれ、実用性が高まる。新たに特別な設備を要することなく基板製作から部品実装までを低コストで実現することが容易である。さらに、各鍵域10A〜10Cに対応する鍵盤操作子1の数は「28」、「30」、「30」としたので、少なくとも第2、第3回路基板20B、20C間では、鍵盤操作子1の数が同一であり、回路基板20をはじめとする構成要素の共通化が容易である。
【0052】
また、スキャン部21とは別に中央処理部30を設け、中央処理部30で、各スキャン部21からの処理信号を受け、それらを元にアフタータッチ信号ATの演算等、新たな演算処理を施すようにしたので、演算処理に必要な情報を一括して把握でき、各鍵域での鍵操作状態に依存する信号処理が鍵盤ユニット単体で統一的に行える。
【0053】
また、特に、鍵スイッチの3M(メイク)化がめずらしくなくなってきた今日、1鍵あたりの鍵スイッチ数の増加に伴い、配線パターンや基板同士を接続中継する束線も増大している。しかし、従来のように、電子鍵盤装置全体の制御を行うCPUで鍵スキャンの処理を行うとすれば、配線パターン、中継束線が多くなり、基板面積も拡大するだけでなく、CPUの性能も高いものが必要とされ、コストが上昇する。このような背景に鑑みれば、本実施の形態では、スキャンの処理をCPU5で行うのではなく、各回路基板で行ってしまうようにしたことで、結果としてコスト的にも有利となっている。さらに、例えば、製造段階において、アフタータッチセンサの検査を鍵盤楽器の組み付け完了前に行うことが可能となる。
【0054】
なお、第1〜第3回路基板20A〜20Cを製作する上で、各回路基板20に、形態を変更可能な識別用回路部を設け、各回路基板20の識別用回路部の形態を互いに異ならせることで、自回路基板がどの鍵域に配設されたのかを認識可能に構成してもよい。
【0055】
その場合、例えば、図6に示すように、各回路基板用に共通の原回路基板を製作し、担当する鍵域に応じて原回路基板上のパターンや部品の状態(有無を含む状態)を異ならせる。例えば、原回路基板を回路基板20Aに適用するために、ジャンパ線31、32のうちジャンパ線32のみをニッパ等で切断する。この場合、ジャンパ線32が識別用回路部となり、ジャンパ線32の状態によって、回路基板20A自身は第1鍵域10Aに配設されたことを認識することができる。この他、同図に示すように、識別用回路部の形態設定として、「パターンの一部33をカッタ等で切断する」、「抵抗部品34を任意に実装する」、「ディップスイッチ35の設定を変える」、「可変抵抗36の状態を異ならせる」、「割り基板37を任意に切断する」等によって、各鍵域に適した回路基板20を簡単に得ることができる。
【0056】
そして、例えば、図7に入力ポートと回路基板との定義例を示したように、各スキャン部21A〜21Cの入力ポートの電圧値を決定(制御)することで、予め定められた定義に基づき、対応するスキャン部21に自己が担当する鍵域を認識させることができ、そうすれば、例えば、用いるべき適切な処理プログラムを呼び出すこともできる。このようにすることで、回路基板の基本的部分を共通化することができ、構成及び取り付け作業が簡単になる。
【0057】
なお、鍵盤数の多い製品を製造する際、鍵盤数の少ない製品を基準として回路基板を製作するようにした場合でも、鍵盤数の少ない製品の回路基板を複数流用した上で、必要に応じて別の基板を追加することで、多機種間で基板の一部共通可を図ることができる。この場合においても、基準の基板と追加の基板とで、並行走査を行うことで、本発明の効果が得られることはいうまでもない。
【0058】
なお、本実施の形態では、88鍵モデルについて鍵域を3つに分割する例を示したが、鍵盤操作子1の数や鍵域の分割数は、例示したものに限られない。ただし、回路基板やマトリックス回路の共通化を容易にする観点からは、鍵盤操作子1の数は、分割した各鍵域毎になるべく等しくなるようにし、且つ1鍵域だけが突出しないようにするのが望ましい。
【0059】
なお、本実施の形態では、鍵盤操作子1に対応して操作信号出力部29が1つ設けられる場合を例示したが、これに限るものではない。例えば、上述したように、各鍵盤操作子1毎に、ベロシティの検出や離鍵操作の検出用に複数(2個または3個等)の鍵スイッチを設け、より高度の楽音制御を行う場合がある。この場合、通常、鍵スイッチの数だけ操作信号出力部29が設けられるため、各鍵盤操作子1に対応する操作信号出力部29が複数となる。そして、これら複数の操作信号出力部29の走査について本発明を適用してもよい。特に、操作信号出力部29が56個や84個というように、非常に多数となって全鍵域での走査対象が多くなるほど、鍵域分割及び並行走査の効果は大きい。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、クロック周波数を高くすることなく鍵操作のスキャン速度を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態に係る電子鍵盤装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】 本電子鍵盤装置の平面図である。
【図3】 回路基板の構成を模式的に示す図である。
【図4】 各スキャン部に対応するマトリックス回路の構成を示す概念図である。
【図5】 鍵盤走査処理のフローチャートを示す図である。
【図6】 回路基板のパターン及び各種部品等の状態の一例を示す図である。
【図7】 スキャン部における入力ポートと回路基板との定義例を示す図である。
【符号の説明】
1 鍵盤操作子、 10A〜10C 第1〜第3鍵域、 20A〜20C 第1〜第3回路基板、 21A〜21C 第1〜第3スキャン部、 22〜25 コネクタ部、 26、27 中継束線、 28A〜28C 配線パターン、 29A〜29C 操作信号出力部、 matA〜matC マトリックス回路
Claims (4)
- 複数の鍵盤操作子と、
前記複数の各鍵盤操作子に対応して設けられ、対応する鍵盤操作子の操作状態を示す信号を出力する複数の操作信号出力部と、
前記複数の操作信号出力部を走査するスキャン部とを備え、
前記スキャン部は、全鍵域を複数に分割した各鍵域毎に独立して設けられた回路基板の各々に設けられ、
前記各回路基板は、形態を変更可能な識別用回路部を有する共通の原回路基板から製作され、
前記各回路基板を、各原回路基板の前記識別用回路部の形態を互いに異ならせることで互いに異なる回路基板として構成し、それにより、前記各回路基板のスキャン部が、自己が設けられている回路基板の配設位置に対応する鍵域を認識可能に構成されたことを特徴とする電子鍵盤装置。 - 前記分割した複数の鍵域のうち少なくとも2つの鍵域間で、対応する鍵盤操作子の数が同一であることを特徴とする請求項1記載の電子鍵盤装置。
- 前記スキャン部は、マトリックス回路を各々有し、対応するマトリックス回路を介して前記複数の操作信号出力部を走査するものであり、前記マトリックス回路の行列数は、前記分割した各鍵域間で同一であることを特徴とする請求項1または2記載の電子鍵盤装置。
- 少なくとも対応する鍵盤操作子数が最多でない鍵域に対応するマトリックス回路については操作信号出力部の数に対して交点が余剰となるように、前記各スキャン部のマトリックス回路の行列数が設定されていることを特徴とする請求項3記載の電子鍵盤装置。
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