JP3684335B2 - 含油スラッジを用いた溶銑予備処理方法 - Google Patents
含油スラッジを用いた溶銑予備処理方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3684335B2 JP3684335B2 JP2001025822A JP2001025822A JP3684335B2 JP 3684335 B2 JP3684335 B2 JP 3684335B2 JP 2001025822 A JP2001025822 A JP 2001025822A JP 2001025822 A JP2001025822 A JP 2001025822A JP 3684335 B2 JP3684335 B2 JP 3684335B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oil
- hot metal
- containing sludge
- mass
- sludge
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W10/00—Technologies for wastewater treatment
- Y02W10/40—Valorisation of by-products of wastewater, sewage or sludge processing
Landscapes
- Treatment Of Sludge (AREA)
- Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は含油スラッジを有効に利用できる溶銑の予備処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
製鉄プロセスのうち、連続鋳造工程、分塊工程、圧延工程(熱間圧延工程など)などでは鉄を冷却するために多量の冷却廃水が発生している。この冷却廃水には多量の鉄分が含まれており、粒径の大きな鉄分は沈降処理によってミルスケールとして分離され、粒径の小さな鉄分はフィルターなどによってスラッジとして捕集されている。スラッジ中の鉄分は、製銑・製鋼の副原料として有効利用することが望まれており、例えば、溶銑予備処理工程で鉄原料又は精錬剤(脱珪剤、脱燐剤など)として使用することが研究されている。しかしスラッジは水分を多く含有しているため、流動性が低く搬送が困難である。
【0003】
スラッジの搬送性を高めるため、特公昭55−11728号公報、特開平10−192894号公報、特公昭55−51492号公報、特開平9−316513号公報などには、スラッジと他の成分(ベントナイト、転炉ダスト、生石灰、バインダなど)とを混合する方法が開示されている。しかし、スラッジは水分の他、圧延機等の潤滑油に由来する油も含有している。前記方法ではスラッジ中の油が低減されておらず、溶銑予備処理操作で油が不完全燃焼し、煤や煙が発生して作業環境が悪化する虞がある。また煤によって集塵装置のバグフィルターが目詰まりを起す。
【0004】
一方、特開平3−79711号公報には、水分量が1%以下になるまで含油スラッジを乾燥した後、溶銑に添加する方法が開示されている。しかし、含油スラッジは水と油とを含んでいるため、乾燥そのものが容易ではなく、水分を1%以下になるまで乾燥しても油は5%程度残存する。そのため油の不完全燃焼が生じる虞がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は油の不完全燃焼を確実に防止できる溶銑予備処理方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成し得た本発明の溶銑予備処理方法とは、溶銑に含油スラッジを加えて溶銑予備処理する方法であって、下記式(1a)を満たす条件で操業して含油スラッジ中の油の不完全燃焼を防止する点に要旨を有するものである。
【0007】
H≧6500−5×T+400×Qs×N+10000×Qg …(1a)
[式中、Hは溶銑湯面から含油スラッジ供給口までの距離(mm)を示し、Tは溶銑の温度(℃)を示し、Qsは含油スラッジの供給速度(kg/分・溶銑トン)を示し、Nは含油スラッジ中の油の含有量(質量%)を示し、Qgは含油スラッジを輸送するためのキャリアガスの流量(Nm3/分・溶銑トン)を示す]
前記操業において、湯面から含油スラッジ供給口までの距離Hは300〜2000mm程度、溶銑温度Tは1250〜1500℃程度、含油スラッジの供給速度Qsは0.02〜3kg/分・溶銑トン程度、含油スラッジ中の油の含有量Nは0〜30質量%程度、キャリアガス流量Qgは0.01〜0.3Nm3/分・溶銑トン程度である。前記含油スラッジは、吸水性を有しかつ含油スラッジと混合したときに発熱する物質(CaO含有化合物など)と予め混合した後、溶銑に加えるのが望ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、不完全燃焼に大きな影響を与える因子として、湯面から含油スラッジ供給口までの距離H、溶銑温度T、含油スラッジの供給速度Qs、含油スラッジ中の油の含有量N、及び含油スラッジを輸送するためのキャリアガスの流量Qgに着目した。
【0009】
含油スラッジの供給口までの距離Hに着目した理由は、前記距離Hが高い程、供給口から放出された含油スラッジが溶銑に到達するまでの時間(滞留時間)を長くできるためである。すなわち、滞留時間内に含油スラッジを十分に加熱でき、含油スラッジの油の燃焼を助けることができる。溶銑温度Tに着目した理由は、溶銑温度Tが高い程、油の燃焼反応を加速でき、不完全燃焼を防止できるためである。含油スラッジの供給速度Qs及び油含有量Nに着目したのは、供給速度が遅い程、また油の含有量が少ない程、溶銑に供給される油の量を低減でき、不完全燃焼を防止できるからである。キャリアガスの流量Qgに着目したのは、Qgが遅い程含油スラッジの滞留時間を長くでき、含油スラッジを十分に加熱できるからである。
【0010】
すなわち距離H及び溶銑温度Tについては、数値が大きいほど不完全燃焼を防止でき、含油スラッジの供給速度Qs、含油スラッジ中の油の含有量N、及びキャリアガスの流量Qgについては、反対に数値が小さいほど不完全燃焼を防止できると考えられる。そして種々検討を重ねた結果、下記式(1)[または、この式(1)を変形した下記式(1a)]を満たす条件で操業すると不完全燃焼を確実に防止できることを見出し、本発明を完成した。すなわち従来は、H、T、Qs、N、Qgを関連付けていないため不完全燃焼を防止できなかったのに対し、本発明ではH、T、Qs、N、Qgを特定の関係で関連付けたため不完全燃焼を確実に防止できるのである。
【0011】
H+5×T−400×Qs×N−10000×Qg≧6500 …(1)
H≧6500−5×T+400×Qs×N+10000×Qg …(1a)
[式中、Hは溶銑湯面から含油スラッジ供給口までの距離(mm)を示し、Tは溶銑の温度(℃)を示し、Qsは含油スラッジの供給速度(kg/分・溶銑トン)を示し、Nは含油スラッジ中の油の含有量(質量%)を示し、Qgは含油スラッジを輸送するためのキャリアガスの流量(Nm3/分・溶銑トン)を示す]
上記式(1)又は(1a)を満たす条件で操業するためには、各パラメーターを適当な範囲で制御すればよい。例えば、制御が容易なパラメータ(湯面から含油スラッジ供給口までの距離H、キャリアガスの流量Qgなど)を適切な範囲に調整することにより、簡便に上記式(1)又は(1a)を満たす条件で操業できる。
【0012】
距離Hを調整する場合、上記式(1a)が利用できる。すなわち、供給する含油スラッジ中の油含有量Nと溶銑の温度Tを測定し、含油スラッジの供給速度Qs及びキャリアガスの流量Qgを設定すれば、含油スラッジの供給口の距離は上記式(1)によって簡単に設定できる。
【0013】
湯面から含油スラッジ供給口までの距離Hは、例えば、100mm以上、好ましくは200mm以上、さらに好ましくは300mm以上である。なお距離Hが大きすぎると、溶銑予備処理効果(脱リン効果など)が低下する虞がある。そのため供給口の距離Hは、例えば、3000mm以下程度、好ましくは2500mm以下程度、さらに好ましくは2000mm以下程度である。
【0014】
キャリアガスの流量Qgを調整する場合、前記式(1)を変形した下記式(1b)が利用できる。すなわち、供給する含油スラッジ中の油含有量Nと溶銑の温度Tを測定し、湯面から含油スラッジ供給口までの距離H及び含油スラッジの供給速度Qsを設定すれば、キャリアガスの流量Qgは下記式(1b)によって簡単に設定できる。
【0015】
Qg≦−0.65+0.0001×H+0.0005×T−0.04×Qs×N …(1b)
[式中、Qg、H、T、Qs及びNは前記に同じ]
キャリアガスの流量Qgは、例えば、0.5Nm3/分・溶銑トン以下、好ましくは0.4Nm3/分・溶銑トン以下、さらに好ましくは0.3Nm3/分・溶銑トン以下である。なおキャリアガスの流量Qgが小さ過ぎると、溶銑予備処理(脱リン処理など)に要する時間が長くなる虞がある。またスラッジの供給速度Qsが低下してしまう虞もある。そのためキャリアガスの流量Qgは、例えば、0.001Nm3/分・溶銑トン以上、好ましくは0.005Nm3/分・溶銑トン以上、さらに好ましくは0.01Nm3/分・溶銑トン以上である。
【0016】
距離H、及びキャリアガスの流量Qs以外のパラメーター(溶銑温度T、含油スラッジの供給速度Qs、含油スラッジ中の油の含有量Nなど)は、通常、下記の範囲内である。
【0017】
(1)溶銑温度T
溶銑温度Tは、例えば、1200〜1550℃程度、好ましくは1230〜1520℃程度、さらに好ましくは1250〜1500℃程度である。
【0018】
(2)含油スラッジの供給速度Qs
含油スラッジの供給速度Qsは、例えば、0.005〜4kg/分・溶銑トン程度、好ましくは0.01〜3.5kg/分・溶銑トン程度、さらに好ましくは0.02〜3kg/分・溶銑トン程度である。なお、本発明では特定の条件下で操業するため、含油スラッジの供給速度が大きくても不完全燃焼を防止できる。そのため含油スラッジの供給速度は、例えば、1kg/分・溶銑トン程度以上、好ましくは3kg/分・溶銑トン以上、さらに好ましくは5kg/分・溶銑トン以上であってもよい。
【0019】
(3)含油スラッジ中の油の含有量N
油の含有量Nは、例えば、0.1〜30質量%程度、好ましくは0.1〜20質量%程度、さらに好ましくは0.1〜10質量%程度である。なお、本発明では、特定の条件下で操業するため、油の含有量が高くても不完全燃焼を防止できる。そのため油の含有量は、例えば、1質量%以上、好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上であってもよい。
【0020】
前記溶銑予備処理方法において、気体酸素、固体酸素(鉄鉱石、鉄くずなどの酸化鉄を含む固体成分など)などの酸素の供給方法は特に限定されず、気体酸素及び固体酸素の両方を供給してもよく、片方だけを供給してもよい。本発明は固体酸素だけを供給する方法に有利に適用できる。固体酸素だけを供給する場合、気体酸素を供給する場合に比べて不完全燃焼の防止が困難であるにも拘わらず、本発明によれば特定の条件下で操業するため、固体酸素だけを供給しても不完全燃焼を防止できる。
【0021】
本発明で使用する含油スラッジの由来は特に制限されず、鉄鋼製品の製造工程[連続鋳造工程、分塊工程、圧延工程(熱間圧延工程など)]で発生する種々の含油スラッジが使用できる。
【0022】
含油スラッジの水の含有量は、例えば、1〜60質量%程度、好ましくは3〜50質量%程度、さらに好ましくは5〜40質量%程度である。
【0023】
含油スラッジにおいて、水及び油以外の残部は実質的に鉄分(鉄、酸化鉄など)である。鉄分の含有量(T.Fe)は、通常、10〜99質量%程度、好ましくは20〜90質量%程度、さらに好ましくは25〜80質量%程度である。また、水及び油以外の残部(鉄分など)のうち酸化鉄の割合は、通常、10質量%以上、好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上である。
【0024】
なお、前記含油スラッジは乾燥が困難であるため、水や油の含有量が高い場合が多く、気流などによる粉体輸送性が必ずしも高くなく、溶銑への供給がスムーズに行えない場合がある。そのため、吸水性及び/又は吸油性の物質と含油スラッジとを混合して、輸送性を高めてもよい(以下、この混合物を含油スラッジ混合物と称する場合がある)。好ましくは、吸水性を有しかつ含油スラッジと混合した場合に発熱する物質が使用できる。吸水性発熱物質を使用すると、発熱により水分の一部を蒸発脱水でき有利である。
【0025】
吸水性発熱物質には、焼石灰、生石灰、軽焼ドロマイトなどのCaO含有化合物が含まれる。CaO含有化合物を用いると、水和反応によって水分を吸収できるだけでなく、水和によって生成した微細なCa(OH)2に油も吸着できる。
【0026】
前記吸水性物質の使用量は、含油スラッジ中の水100質量部に対して、例えば、10〜300質量部程度、好ましくは30〜200質量部程度、さらに好ましくは50〜150質量部程度である。
【0027】
また、前記含油スラッジ(又は含油スラッジ混合物)は、溶銑副原料と共に、脱リン剤や脱珪剤として溶銑に供給してもよい。前記溶銑副原料には、固体酸素(鉄鉱石、ダスト、焼結鉱、ミルスケール、転炉滓など)、カルシウム成分(生石灰、消石灰、炭酸石灰、ドロマイトなど)、造滓剤(ほたる石など)などが含まれる。脱リン剤として使用する場合、カルシウム成分の割合を比較的多くし(例えば、含油スラッジ100重量部に対して、カルシウム成分30〜200重量部程度)、脱珪剤として使用する場合、カルシウム成分の割合を比較的少なくする(例えば、含油スラッジ100重量部に対して、カルシウム成分0〜100重量部程度)。
【0028】
前記含油スラッジ(又は含油スラッジ混合物)や副原料などを溶銑に供給するキャリアガスの種類は、溶銑予備処理に悪影響を与えないガスである限り特に限定されず、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスが使用できる。
【0029】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0030】
実施例1(脱リン処理)
含油スラッジと生石灰とを表1に示す割合で混合し、スラッジ混合物を調製した。結果を組成と共に表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
270t混銑車中の溶銑(リン含有量=0.100質量%、珪素含有量=0.20質量%)に対して、前記スラッジ混合物1〜4を副原料(鉄鉱石、生石灰、蛍石、転炉滓)と共に脱リン剤として供給した。前記脱リン剤は、キャリアガス(N2ガス)を用いて気流によって輸送し、インジェクションランスから混銑車内の溶銑へ供給した。表2に示す範囲で、スラッジ混合物及び副原料の供給速度(及び供給量)、キャリアガスの供給速度、気体酸素の供給速度(及び供給量)、溶銑温度、溶銑の湯面からインジェクションランス出口までの距離を変化させた(実験例1〜10)。
【0033】
【表2】
【0034】
表2に示す操作において、含油スラッジ供給口の距離H、溶銑温度T、含油スラッジの供給速度Qs、含油スラッジ中の油の含有量N、及びキャリアガスの流量Qgを前記式(1a)に従って整理すると共に、発煙の大小を目視にて観察した。さらに溶銑予備処理後の溶銑中のリン含有量及び珪素含有量を測定した。
【0035】
なお含油スラッジの供給速度Qsを求めるに当たり、本実施例ではスラッジではなくスラッジ混合物を供給しているため、スラッジの供給速度Qsは、下記式に従って求めた。
【0036】
Qs=Qsmix×R/100
(式中、Qsmixはスラッジ混合物の供給速度(kg/分・溶銑トン)を示す。Rはスラッジ混合物100質量部を得るために用いたスラッジの質量を示す)
結果を表3及び図1に示す。なお、図1には前記実験例1〜10と同様にして条件を変化させた他の実験結果も合わせて示した。
【0037】
【表3】
【0038】
図1及び表3から明らかなように、式(1a)の条件を満たす場合、発煙が少なく不完全燃焼を防止できる。また前記条件で効率良く脱リンできる。なお実験例1及び2は従来の一般的な方法であるが、この方法では式(1a)の条件を満たさず、不完全燃焼を防止できない。
【0039】
実施例2(脱珪処理)
270t混銑車中の溶銑(リン含有量=0.100質量%、珪素含有量=0.40質量%)に対して、前記スラッジ混合物1〜4を副原料(鉄鉱石、生石灰、蛍石、転炉滓)と共に脱珪剤として供給した。前記脱珪剤は、キャリアガス(N2ガス)を用いて気流によって輸送し、インジェクションランスから混銑車内の溶銑へ供給した。表4に示す範囲で、スラッジ混合物及び副原料の供給速度(及び供給量)、キャリアガスの供給速度、気体酸素の供給速度(及び供給量)、溶銑温度、溶銑の湯面からインジェクションランス出口までの距離を変化させた(実験例11〜20)。
【0040】
【表4】
【0041】
表4に示す操作において、距離H、溶銑温度T、含油スラッジの供給速度Qs、含油スラッジ中の油の含有量N、及びキャリアガスの流量Qgを前記式(1a)に従って整理すると共に、発煙の大小を目視にて観察した。さらに溶銑予備処理後の溶銑中のリン含有量及び珪素含有量を測定した。
【0042】
結果を表5及び図2に示す。なお、図2には前記実験例11〜20と同様にして条件を変化させた他の実験結果も合わせて示した。
【0043】
【表5】
【0044】
図2及び表5から明らかなように、式(1a)の条件を満たす場合、発煙が少なく不完全燃焼を防止できる。また前記条件で効率良く脱珪できる。なお実験例11及び12は従来の一般的な方法であるが、この方法では式(1a)の条件を満たさず、不完全燃焼を防止できない。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、含油スラッジの供給口の距離H、溶銑温度T、含油スラッジの供給速度Qs、含油スラッジ中の油の含有量N及びキャリアガスの流量Qgが特定の条件を満たすように操業しているため、溶銑予備処理で含油スラッジを処理しても不完全燃焼を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は実施例1における式(1a)の関係を示すグラフである。
【図2】 図2は実施例2における式(1a)の関係を示すグラフである。
Claims (6)
- 溶銑に含油スラッジを加えて溶銑予備処理する方法であって、下記式(1a)を満たす条件で操業して含油スラッジ中の油の不完全燃焼を防止する溶銑予備処理方法。
H≧6500−5×T+400×Qs×N+10000×Qg …(1a)
[式中、Hは溶銑湯面から含油スラッジ供給口までの距離(mm)を示し、Tは溶銑の温度(℃)を示し、Qsは含油スラッジの供給速度(kg/分・溶銑トン)を示し、Nは含油スラッジ中の油の含有量(質量%)を示し、Qgは含油スラッジを輸送するためのキャリアガスの流量(Nm3/分・溶銑トン)を示す] - 湯面から含油スラッジ供給口までの距離Hが300〜2000mm、溶銑温度Tが1250〜1500℃、含油スラッジの供給速度Qsが0.02〜3kg/分・溶銑トン、含油スラッジ中の油の含有量Nが0.1〜30質量%、キャリアガス流量Qgが0.01〜0.3Nm3/分・溶銑トンである請求項1記載の溶銑予備処理方法。
- 吸水性を有しかつ含油スラッジと混合したときに発熱する物質と、含油スラッジとを予め混合した後、溶銑に加える請求項1又は2に記載の溶銑予備処理方法。
- 前記吸水性発熱物質がCaO含有化合物である請求項3記載の溶銑予備処理方法。
- 含油スラッジ中の水100質量部に対して、吸水性発熱物質を50〜150質量部混合する請求項3又は4記載の溶銑予備処理方法。
- 含油スラッジの水含有量が5〜40質量%、油含有量が0.5〜15質量%であって、残部のうち30質量%以上が酸化鉄である請求項1〜5のいずれかに記載の溶銑予備処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001025822A JP3684335B2 (ja) | 2001-02-01 | 2001-02-01 | 含油スラッジを用いた溶銑予備処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001025822A JP3684335B2 (ja) | 2001-02-01 | 2001-02-01 | 含油スラッジを用いた溶銑予備処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002226906A JP2002226906A (ja) | 2002-08-14 |
JP3684335B2 true JP3684335B2 (ja) | 2005-08-17 |
Family
ID=18890742
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001025822A Expired - Lifetime JP3684335B2 (ja) | 2001-02-01 | 2001-02-01 | 含油スラッジを用いた溶銑予備処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3684335B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101723566B (zh) * | 2008-10-21 | 2012-10-10 | 宝山钢铁股份有限公司 | 一种水厂污泥的处置方法 |
-
2001
- 2001-02-01 JP JP2001025822A patent/JP3684335B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002226906A (ja) | 2002-08-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4819187B2 (ja) | 精錬剤および精錬方法 | |
JP5408369B2 (ja) | 溶銑の予備処理方法 | |
TWI550092B (zh) | 轉爐煉鋼法 | |
KR20040002607A (ko) | 스테인레스 강의 제조 공정의 폐기물을 재사용하여스테인레스 강을 제조하는 방법 | |
JP5086500B2 (ja) | 鉄、亜鉛、鉛を含む二次原料の利用方法 | |
US11932914B2 (en) | Process for manufacturing a slag conditioning agent for steel desulfurization | |
JP5408379B2 (ja) | 溶銑の予備処理方法 | |
JP3684335B2 (ja) | 含油スラッジを用いた溶銑予備処理方法 | |
JP5720497B2 (ja) | 製鋼スラグからの鉄及び燐の回収方法 | |
JP2006009146A (ja) | 溶銑の精錬方法 | |
JP2005255485A (ja) | 珪酸リン肥料製造方法及び同装置 | |
JP2002522642A (ja) | 重金属及び鉄酸化物を含有する残滓物質の熱処理方法 | |
WO2020116643A1 (ja) | 加炭材およびそれを用いた加炭方法 | |
KR100226942B1 (ko) | 제강슬래그의 개질처리방법 | |
JP3746682B2 (ja) | 含油スラッジを用いた溶銑予備処理方法 | |
JP4639943B2 (ja) | 溶銑の脱硫方法 | |
EP3239108B1 (en) | Method for melting treatment of phosphorus-containing substance and melting furnace operation method | |
TW201402827A (zh) | 煉鋼用脫磷劑及降低磷含量的煉鋼方法 | |
JPH08104553A (ja) | ステンレス鋼スラグの改質方法 | |
JPH1171611A (ja) | 金属精錬用石灰系フラックス | |
FI130393B (fi) | Menetelmä metallioksideja sisältävien sivuvirtojen hyödyntämiseksi ferrokromin sulatusprosesseissa | |
JP3969102B2 (ja) | スラッジの処理方法及びそのスラッジの使用方法 | |
JP3316270B2 (ja) | 金属精錬用石灰系フラックスの製造法 | |
JP2006052428A (ja) | フッ素溶出抑制剤用組成物及び該組成物を使用した溶出フッ素の固定方法 | |
JP2003013126A (ja) | 溶銑の脱燐方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040401 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040805 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050421 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050517 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050530 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 3684335 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080603 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090603 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100603 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100603 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110603 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120603 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130603 Year of fee payment: 8 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |