JP3684112B2 - 光電気混載配線基板、その駆動方法、およびそれを用いた電子回路装置 - Google Patents

光電気混載配線基板、その駆動方法、およびそれを用いた電子回路装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器を構成する電子集積素子に接続される光電気混載配線基板に関し、特には、電子集積素子を実装して信号のやり取りを光インターコネクションで行なうための光電気混載配線基板、その駆動方法等に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報処理、ディスプレイ、プリンタなどを含めたコンピュータ環境の高速化に伴い、高速LSI(large scale integration)の開発が進んでいる。それに連れて、LSIチップ内、IC(integrated circuit)ボード内、MCM(multi−chip−module)内、スーパーコンピュータにおけるバックプレインなどの高速接続から、ボード間、コンピュー夕間、周辺機器やAV(audio−visual)装置との間などの電子機器の接続において、電気配線による信号遅延、発熱、EMI(電磁放射ノイズ)の発生などの問題が表面化している。しかし、その対策は難しく、近い将来、電気配線の限界が見えてくるのは明らかである。
【0003】
電気配線で発生する問題を解決するために、ボード内においてランバス方式のマイクロストリップラインを用いた基板や、ボード間において振幅の小さい差動信号(LVDS:low voltage differential signaling)をシールド線で伝送する方法が開発されつつある。前者のランバス方式では400MHzオーバーの信号伝送が達成されており、次期PC(personal computer)に導入することになっている。しかし、配線の仕方、LSI側の実装やピン配置などに制約がある。よって、チップのコストアップ、長い配線には向かない、多ビット配線ではクロストークを避けるために高密度化に限度があり基板が大きくなるなどの問題がある。また、後者ではLVDSを用いた高速シリアル伝送(〜1Gbps)が実用化されているが、インタフェースICやケーブルが高価なことから使用範囲は限られている。
【0004】
一方、これら電気配線の限界をクリアする方法として、光インターコネクション技術が開発されつつある。光インターコネクションは、ICなどからの電気信号をE(電気)/O(光)変換し、変換された光信号をボード内に形成された光配線(光導波路など)を通じて他のICあるいはボードの受光器に伝送し、今度はO/E変換をして電気信号に戻して信号のやり取りをするものである。この方式は、電気配線の場合のような寄生容量による信号遅延、グランドの不安定性からくる信号劣化、配線から放射されるEMIの放射などがないため、次世代配線技術として期待されている。この光インターコネクションにおいては、O/E及びE/O変換の部分、光導波路の部分が重要であり、如何に効率良くまたコストを低減して電気配線の一部を光配線で代替できるかが課題になっている。
【0005】
光配線の例としては、特開平5−67770号公報に開示されたもののように、ICチップのピンの代わりに発光素子が実装された光電子ICチップを光導波路と反射ミラーを備えた光配線基板に実装するものがある。これを図12に示す。光電子ICチップ1004の裏側に発光素子1011が備えられ、光配線基板1001には傾斜部1005があって反射ミラーとし、発光素子1011からの光信号が光導波路(コア)1008に結合されて他のチップ1004の受光素子1012で受光されることを通して信号のやり取りを行なう。しかし、この例では、光素子1011、1012と光導波路(コア)1008間の光結合の仕方についての記述はあるが、電子回路部1010と光素子1011、1012との具体的な集積方法あるいは駆動方法は記載されていない。尚、1002は反射膜、1006は凸部、1007はシリコン酸化膜である。
【0006】
一方、光配線のための光素子の駆動方法についての例としては、特開平9−96746号公報に記載があるように、レーザからの出力を平面光導波路で形成したカップラで信号線の数だけ分けて、電界吸収型の光変調器やマッハツェンダ型の光スイッチなどでE/O変換する方法が公知である。この例を図13に示す。この場合では、図13(b)の説明のように電気配線部と光配線部を独立に設計するので基板が複雑化せず、光素子の駆動用の特別なICを用意する必要がない。よって、従来の電気プリント基板などに光配線部を付加するだけでよいので、電子機器に導入しやすい方式になっている。
【0007】
【発明が解決しようとしている課題】
しかしながら、図13の方式では、光配線部を電気回路とは別個に設ければよい反面、厚みが増すために、図12の光電子混載基板に比べると、大型化してしまう。また、多チャネルの場合には、光変調器や光スイッチという高機能素子を複数用意するために、コスト高になり、電気信号から変調器への電極コンタクトの信頼性、実装上の制約、変調器間のクロストークの問題などが生ずる。また、カップラで光を分岐してさらに光変調器等に結合するので、光損失が大きく、レーザの出力パワーを確保するために消費電力が問題になってくる。
【0008】
他方、図12の方式では構成は不明であるが、光素子と電気素子が同一パッケージ化されており、高集積化により小型化でき、配線などの信頼性も向上すると思われる。しかし、同一パッケージ化された光電子集積回路は、従来の電子集積回路の実装方法などを根本から設計変更する必要がある。そのため、これを電子機器に導入するには、設計、製造装置の変更など製造技術を整備することに時間を要し、初期コストが上昇することが考えられる。
【0009】
そこで、本発明の目的は、光インターコネクションに対応した電気・光混載の接続を、実装する電子集積素子は従来のICパッケージ等のままで、しかも低消費電力、低コストで行なえる様に構成された光電気混載配線基板、その駆動方法などを提供することにある。
【0010】
【課題を解決する為の手段】
上記目的を達成する電子集積素子を実装するための本発明の光電気混載配線基板は、電気配線および光導波路が該同一配線基板上に形成してあり、電子集積素子の信号の入出力を光信号で行なうために光電変換させる面型光素子、該光素子への配線、および電子集積素子を実装する為の電気端子の露出した実装部が該配線基板に備えられており、電子集積素子を電気端子同士を結合させて該実装部に電気実装するだけで該電子集積素子と該配線基板間の信号の授受の少なくとも一部を光信号で行なえる様に構成され、該光素子は光導波路の光入出射端に面同士を当接させて面実装され、該配線基板に平行に走る光導波路が垂直面で切断されて光入出射端が露出し、その垂直面上に該光素子が光導波路に光結合できるようにアライメントされて設けられ、該電気端子の露出した実装部は該垂直面に囲まれて形成されていることを特徴とする。これにより、光インターコネクションを小型、低消費電力、低コストで行なうために、電子集積素子のパッケージは通常のものと変更することなく、実装基板側にO/E、E/O変換部が同一基板上に集積された光電気混載配線基板を実現できる。この構成では、O/E、E/O変換を行なうための光素子のみを光配線層と集積化させて、さらにこれを電気配線基板と一体化させ、電子集積素子を電気実装する電極と光素子との配線を短距離で行なうことで、光配線と電気配線を混合して行なう上で小型、低消費電力、低コストを同時に達成できる様になっている。
【0011】
また、光素子は面型光素子であり、該光素子は光導波路の光入出射端に面同士を当接させて面実装されていることにより、光素子の配置やこれへの配線が容易にできる。光素子のアレイ化も容易である。また、電気配線基板と光導波路を形成した層を積層した光電気混載配線基板に光素子を実装するときに、光素子の光入出射端面部と該光導波路の光入出射端面が容易に正確にアラインできる。特に、E/O変換を行なうための発光素子を低しきい値の面発光レーザにすることで、低消費電力駆動が可能で光素子と光導波路との光結合や光素子のアレイ化が容易な光電気混載配線基板を実現できる。
【0013】
また、配線基板に垂直に走る光導波路が水平面で切断されて光入出射端が露出し、その水平面上に光素子が光導波路に光結合できるようにアライメントされて設けられている。この場合、前記入出射端の下部には反射ミラーが備えられて、前記配線基板に平行に走る光導波路の導波と光素子が光結合され得る。また、光素子が設けられた水平面に隣接して電気端子の露出した部分が形成され得る。そして、この場合、前記電気端子の露出した部分では、前記光素子への配線が該電気端子に電気的に接続されていたり、前記光素子への配線が該電気端子に電気的に接続されると共に前記実装部が形成されていたりする。また、光素子は配線基板の両面に設けられていたり、前記実装部は配線基板の両面に設けられていたり、配線基板は電気配線基板の両面に光導波路を形成した層を積層したものになっており、該電気配線基板の一部に光が透過できるスルーホールが設けられて該両面の光導波路間での光信号の接続を行なえる様に構成されていたりする。
【0014】
更により具体的には、光素子は、アレイ状に並べられて、各素子の独立電極がフリップチップ実装で前記配線基板とは異なる第2の配線基板に貼り付けられ、光透過用の窓が該第2の配線基板に設けられて光導波路に光結合できるようにアライメントされて該光導波路の入出射端面に接着されるとともに、該第2の配線基板を介して電子集積素子の電気端子または前記実装部の露出した電気端子と光素子が電気的に接続され得る様に構成されている。光素子を独立駆動するための配線基板にフリップチップ実装することで、低消費電力駆動が可能で光導波路との光結合やアレイ化が容易で安価な光電気混載配線基板を実現できる。
【0015】
また、光素子は面発光レーザであり、該面発光レーザは、板状の構造体と前記第2の配線基板との間にサンドイッチされる形で実装されており、多層膜反射ミラーと活性層を含む共振器層のみ残して半導体基板が除去されている構造を有する構成も採り得る。面発光レーザを形成した化合物半導体基板を除去して、より小型で、環境安全性の高い光電気混載基板を実現できる。面発光レーザで、板状の構造体に接着した後に、面発光レーザを構成したGaAs、InPなどの化合物半導体基板を除去して、現れた表面に電極形成、素子分離などを行い、フリップチップ実装等で配線基板に接着してから導波路にアライメントするように接着することで、より小型で、環境安全性の高い光電気混載配線基板を実現できる。
【0016】
また、光素子は面発光レーザであり、該面発光レーザは、板状の構造体の上に前記第2の配線基板を接着しさらにその上にフリップチップ実装されており、多層膜反射ミラーと活性層を含む共振器層のみ残して半導体基板が除去されている構造を有し、該フリップチップ実装された面とは反対側の面には面発光レーザの共通電極が形成されていて該電極には光取り出し用の窓が設けられて上記光導波路に光結合できるようにアライメントされて該光導波路の入射端面に接着されるとともに、該第2の配線基板を介して電子集積素子の電気端子または前記実装部の露出した電気端子と面発光レーザが電気的に接続される様に構成されている構成も採り得る。この構成でも、面発光レーザを形成した化合物半導体基板を除去して、より小型で、環境安全性の高い光電気混載基板を実現できる。面発光レーザで、板状の構造体上の配線基板にフリップチップ実装した後に、面発光レーザを構成したGaAs、InPなどの化合物半導体基板を除去して、現れた表面に共通電極形成を行い、導波路にアライメントするように接着することで、より小型で、環境安全性の高い光電気混載配線基板を実現できる。
【0017】
また、より具体的には、電子集積素子を実装する前記実装部において光配線するための光導波路を形成した層がくり貫かれており、該くり貫かれた部分の側面に該光導波路の入出射端面が形成されていて、光電変換させる光素子は該光導波路への光結合が可能なようにアライメントされて該入出射端面に接着されている。これにより、O/E、E/O変換部と光導波路との光結合を簡単かつ低コストで達成して安価な光電気混載配線基板を実現できる。
【0018】
また、電子集積素子を実装する前記実装部とは反対側の面の一部において、光配線するための光導波路を形成した層がくり貫かれており、該くり貫かれた部分の近傍に沿う形で該光導波路の入出射端がアレイ状に該光導波路を形成した層の面上に形成されていて、該入出射端の下部には反射ミラーを備えて該光導波路に光を導波させるようになっており、光電変換させる光素子は該面上に形成された入出射端に光結合が可能なようにアライメントされて接着されている。これによっても、O/E、E/O変換部と光導波路との光結合を簡単かつ低コストで達成して安価な光電気混載配線基板を実現できる。
【0019】
また、配線基板は電気配線基板の両面に光導波路を形成した層を積層したものになっており、光電変換させる光素子を両面に複数実装し、該電気配線基板の一部に光が透過できるスルーホールを設けて該両面の光導波路間での光信号の接続をも行い、前記電気集積素子間での信号の授受を電気と光混在で行なえる様に構成されている。これにより、電気配線用の基板の両面に光導波路を積層して一体化させ、上記の方法で光電変換部を集積化させて電気・光の接続・配線を行い、該両面に形成した光導波路間においても基板にスルーホールを形成することで信号の授受を行ない、低コストで高密度な実装を行なうことができ、高速信号を低EMIで伝達できる電子機器用のMCM(マルチチップモジュール)等を提供できる。
【0020】
上記目的を達成する光素子に面発光レーザを含む上記の光電気混載配線基板の駆動方法は、面発光レーザの駆動は電子集積素子の出力段のCMOSバッファのオン・オフで直接行ない、レーザの駆動電流の調整は直列に挿入した抵抗で行なうことを特徴とする。ここでは、面発光レーザのオン・オフ駆動をLSIなどの出力段のトランジスタでスイッチングすることで行なって、また、電源電圧に抵抗と面発光レーザが直列に接続されて、その抵抗値で面発光レーザの電流量を決定するので特別な回路上の変更がなく、低コスト、低消費電力の光素子の駆動方法を実現できる。
【0021】
上記目的を達成する電子回路装置は、光素子に面発光レーザを含む上記の光電気混載配線基板に大規模中央演算装置(MPU)、ランダムアクセスメモリなどの電気集積素子を複数実装し、上記の駆動方法で面発光レーザを駆動する様に構成されたことを特徴とする。
【0022】
上記のような光電気混載配線基板、駆動方法を用いれば高速、低EMIの電子機器用のMCM(マルチチップモジュール)などを提供できる。
【0023】
ここで、本発明の特徴を一具体例に沿って説明する。低消費電力で簡単な駆動系で発光できる面発光レーザアレイを、電気配線基板と光配線層を一体化した図1のような光電気混載基板に集積化させ、通常の電子集積素子を電気実装するだけで電気の接続と光の接続を同時に実現する例を用いて説明する。
【0024】
電子集積素子6の実装はBGA(Ball Grid Array)型パッケージではんだボール10で行い、光配線層2の端面に貼り付けられたO/E、E/O変換部8、9とは該はんだボールで実装された電極と配線されており、電気信号の一部を光信号に変換して光配線させる。O/E、E/Oの変換部と光導波路との光結合は光配線層2の側面に接着するときに導波路4にアライメントして固定されているために、結合損が変動することはない。面発光レーザは動作電流3mAで100μW程度の出力が得られ、図5(a)、(b)に示したようなCMOSバッファによりオン/オフするという簡単な回路構成で十分駆動できる。従って、今までのLSIの出力段のMOSトランジスタに光電気混載基板に集積化された抵抗と面発光レーザを直列に接続することで構成できるので、LSIの回路構成の変更などは殆どなく、非常に低コストで光電気混載の配線が実現できる。ここで、レーザが100μWの出力で受光器の最低受信感度が−25dBmとすれば、15dBの光損失まで許されることになり、ボード内の近距離の接続においては十分なマージンであると考えられる。その他に、図8のように光の入出射を基板に対して垂直に行なう方法や、図10のように両面に実装する方法もある。
【0025】
【発明の実施の態様】
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0026】
[第1実施例]
本発明は、典型的には、ICチップの形態は従来と変えることなく、チップを実装する電気配線基板上に光導波路から成る光配線層を一体化させ、その光配線層に近接してO/E、E/O変換部(光−電気変換部)を設けている。このことで、チップ間の信号伝送の一部を光配線で行ない、信号伝達の高速化、低EMI化、低消費電力化を図るものである。その実施例を図1に第1実施例として示す。
【0027】
図1の構成は、多層配線プリント基板上1に多層光配線層2が積層されており、BGA(Ball Grid Array)型のパッケージから成る電子集積素子6を該基板上で光配線層2を一部除いて形成された凹部に装着して用いるものである。従って、この素子6は電気的接触を凹部下側で垂直方向に取り、光学的結合を凹部側面で水平方向に取るようになっている。図1において、11ははんだボール10を取り付けるための台座であり、7はICチップを載せるためのベースとなる熱伝導性の良いプレートであって、例えば、AlやCuが用いられ、必要であればその上部にフィン(不図示)などの放熱手段を設ける。
【0028】
この電子集積素子6を基板1に装着するには、素子6の下方の電極部にアレイ状に並べたハンダボール10と基板1の対応する電極5をアライメントして、フリップチップ実装を行なう。この際、ハンダボール10のリフロー時のセルフアライン効果で、歩留まり良く位置決めできる。より位置決め精度を上げたい場合には、電子集積素子6の下方にピンを設けて光電気混載配線基板13側に設けたガイド(不図示)に差し込む様にしてもよいし、BGAの代わりにPGA(Pin Grid Array)型のパッケージにして、基板1側にソケットを設けて差し込む様にしてもよい。
【0029】
この様にして電気的接触を得ながら電子集積素子6をプリント基板1上に装着すると、該電気接続した電極5から配線3等で接続されたO/E変換部8およびE/O変換部9で、信号の一部が光信号となって他のチップと信号のやり取りを行なう。
【0030】
光配線は、図1において、電気配線基板1上に貼り付けられた光導波路層2によって行われ、該光導波層2の電子集積素子6が実装される部分は上記した如くくり貫かれており、くり貫かれた端面に光導波路4の入出射端(不図示)が設けられていて、該入出射端にアライメントされてO/E、E/O変換部8、9が貼り付けられている。一方、電気信号は通常通り多層配線基板1に設けられた電気配線3を通して、他の素子や電源と接続されるようになっている。このように電気と光を混合した配線では、例えば、素子への給電ライン比較的遅いロジック信号やアナログ信号を電気配線3で行い、高速のクロックパルスやロジック信号を光配線4で行なうなどの割り振りにすればよい。
【0031】
次に、本実施例による光−電気変換部を、E/O変換部9すなわち電気信号を光信号に変換する部分を例にとって図2を元に説明する。台座プレート15、アレイ型面型発光素子16、配線用フレキシブルテープ(TABテープなど)19が図2のような順番でスタックされている。TABテープ19の電極22および台座プレート15表面の共通電極が、はんだ等で電気配線基板1の電気配線3と電気的に結合されている。TABテープ19の面型光素子にあたる部分には窓21が設けられており、光の入出射ができるようになっている。この窓21は単なる穴でもよいし、光の集光作用を持つレンズあるいは光素子保護用の透明プレートが嵌め込まれた形でもよい。
【0032】
上記で述べたようにチップ実装のためにくり貫かれた光配線層2の端面に、光入出射端12が面型発光素子と同じピッチで形成されており、この一体化されたE/O変換部を、光結合を行なえるように光入出射端12とアライメントして接着剤等で貼り付ける。アライメントは、台座プレート15に設けたピン24を光導波層2のエッジに設けた溝25に嵌め込む形でパッシブアライメントを行なう。
【0033】
光素子16への電流注入は、発光部18側のリング状電極17とTABテープ19のリング状電極20を貼り合わせ、配線26を介して各発光部に独立に行なうことができる。ここで、プレート15およびTABテープ19の素材は、光素子の熱放散のために熱伝導性が高いものが望ましく、プレート15は金属かAlセラミック薄膜、TABテープ19はAl粉末入りのポリイミドフィルムなどを用いる。また、TABテープ19の電気配線は、高速の電気信号を劣化なく伝送することができるようにマイクロストリップラインで形成されていてもよい。また、TABテープ19にスルーホールを形成することによって電極22を配線26の裏面に形成する様にして、電気配線基板1との電気結合を行なってもよい。また、TABテープ等を用いずに、光導波路層2に直接配線パターンを蒸着等で形成しても勿論よい。
【0034】
ここでは、面型発光素子としては発光効率の良い面発光レーザを用いた。面発光レーザでは光の放射角が10°以下と小さいので、レンズなしでも低損失で光導波路4との光結合が可能である。
【0035】
通常、面発光レーザは、n基板上に、活性層を含む共振器をDBR(Distributed Bragg Reflector)ミラーでサンドイッチした構造をエピタキシャル成長し、発光部だけに電流が流せるような狭窄構造を形成したもので、簡単に図2の符号16のように2次元アレイ化できる。ここでは、GaAs基板上にAlAs/AlGaAs多層膜エピミラーを成長し、GaAs/AlGaAsの多重量子井戸活性層を持つ830nm帯の面発光レーザを使用した。この場合、共通電極はカソードになり、独立駆動するための電極17はアノードになっている。
【0036】
この面発光レーザを駆動するため回路の概念図を図5(b)に示す。LSIの最終段の電極に繋がる部分には、通常、ピンからの電流駆動ができるようにCMOSバッファインバータ53を構成して集積化させているので、ここではこれをそのまま用いてLSIからの出力電流によって面発光レーザを駆動して光出力にしてしまうものである。すなわち、面発光レーザを駆動するためのレーザドライバとなる電気回路は一切使用せず、特別なE/O変換のための回路設計は不要である。CMOSバッファの駆動電流能力は通常10mA程度であるが、ここで使用した面発光レーザはしきい値が約1mA、100μW出力時の動作電流は3mAと非常に低いので、充分駆動することができる。面発光レーザ54に3mAの電流を流すときの動作電圧は約2.5Vであるため、3.3V−CMOSの場合には直列抵抗Rとして、(3.3−2.5)/3×10−3=267Ωの抵抗55を挿入すればよい。この抵抗は図2におけるTABテープ19の配線26中に挿入(符号23で示す)すればよい。
【0037】
しかし、この系ではカソードコモンで動作させるためにCMOSのpチャネルで電流駆動させることになりそのスイッチング時間が遅く、高速化には限界がある。一方、図5(a)のようにアノードコモンタイプにすればnチャネルMOSで電流駆動するCMOSを選べるので、更なる高速化が図れるメリットがある。そのため、本発明では、面発光レーザのn基板を除去してn側を電極分離することでアノードコモン化する技術も開発している。その作製方法を図3に示す。
【0038】
図3は、簡略化のため、2個のみの面発光レーザのアレイの断面を示している。図3(a)において、n−GaAs基板40上に、エッチストップ層となるn−AlAs層(不図示)、コンタクト層となるn−GaAs(不図示)を成長してから、n−AlAs/AlGaAs多層膜ミラー41、アンドープのGaAs/AlGaAs多重量子井戸活性層とAlGaAs層からなる1波長共振器層42、p−AlAs/AlGaAs多層膜ミラー43を有機金属気相成長法などでエピタキシャル成長する。その後、電流狭窄層46を形成するためにリング状にエッチングを行なって凹部47を形成してから、SiNなどの絶縁膜44を発光領域部を除いて成膜して電極45を形成する。
【0039】
次に、図3(b)において、台座プレート15の全面電極(不図示)に、p側の電極45全体をAuSnハンダによって接着してから、GaAs基板40を研磨および化学的エッチングにより除去する。このとき、エッチャントはHとNHの混合液を用いており、GaAs基板40上に成長してあるAlAs層でエッチングを止めることができる。その後、すぐにHClによってAlAs層を除去してミラー41最下面に成長しているGaAs層を露出させる。続いて、図3(c)において、表面に露出しているミラー層41の素子間部分を硫酸系のエッチャント等でウエットエッチングして分離溝48を形成し、n側の電極17を窓部18を形成しながら成膜する。
【0040】
次に、台座プレート15に貼り付けられたTABテープ19の穴21の周りの電極20と面発光レーザの電極17同志をやはりAuSnはんだなどで接着する。さらに、これを、すでに述べたようにパッシブアライメントで光配線層2の導波路4の入出射端12にレーザ光が結合するように接着する。このようにして、窓部21からの光を導波路4に結合できるアノードコモン型面発光レーザが作製できる。
【0041】
また、作製方法の若干の違いで、図4のような方法もある。この場合、図3と若干構成が異なって、配線用のTABテープ19が台座プレート15から出る構造になっている。図4(a)において、図3(a)の場合と同様に面発光レーザ構造を作製するが、光をpミラー層43側から取り出すために、電極45には光取り出し用の窓50を開けておく。このときレーザからの放熱性を上げるために、電極45となる金属膜を10μm以上に厚くしておく。また、p側を石英ガラス板49にエレクトロンワックスなどで貼り付ける。
【0042】
図4(b)において、図3(b)の場合と同様にGaAs基板40を除去して電極17を形成する。このとき、共通電極となるp電極45も同一面から取り出せるように、レーザ層の一部にスルーホール51を設けてアノード電極52をカソード電極17と同じ側に作製する。そして、台座プレート15にTABテープ19を貼り付けてTABテープ上の電極20とレーザのカソード電極17および共通アノード電極52を接着する。このとき、こちら側から光は取り出さないために窓を開ける必要はない。これらの作業をやり易くする為に、p側を上記石英ガラス板49に貼り付けるのである。
【0043】
図4(c)において、石英ガラス板49を取り外し、この側の電極45を、導波路4に光が結合するように入出射端12に接着する。
【0044】
このように、GaAs基板40を除去した構成では、レーザ光を発振させる機能層が薄くなっており、E/O変換部が非常にコンパクトになるとともに、As含有率を大幅に下げられるので環境安全性も高くなる。
【0045】
ところで、面型発光素子として発光ダイオードを使用することもできるが、動作電流は30mA程度と1桁大きくなり、消費電力が高くなるとともにドライバ部分の工夫が必要になる。また、O/E変換部については詳しく触れなかつたが、構成や作製方法は類似しており、GaAsのpin構造をエピタキシャル成長および拡散して作製している。材料はSiやInGaAsでもよい。
【0046】
また、ここでは830nm帯の例を示したが、他の波長帯、すなわち、InGaAsによる0.98μm帯やInGaAsPによる1.3μm帯などでも勿論よい。
【0047】
ここで、光電気混載基板13の説明に戻る。電気配線用の多層配線基板1は、汎用的なPCB基板以外に、ポリイミド基板、AlNなどのセラミック基板でもよい。一方、光配線用の光導波路層2は、フッ素化PMMAやエポキシ樹脂、ポリイミドなどの樹脂で形成するのが簡便でよい。その作製方法を図6を元に簡単に説明する。
【0048】
図6(a)に示す様に、電気配線用基板1上にまずクラッドとなる樹脂61をスピナーなどで塗布後に硬化させる。その後、図6(b)に示す様に、コアとなる屈折率の若干高い層62を塗布して、ホトリソグラフィとエッチングを用いて導波路の形状(例えば、30μm×30μm)にして配線パターンを形成し、さらにクラッド63で埋め込む。多層にする場合には、CMP(chemicalmechanical polishing)による平坦化工程を経て、図6(c)に示す様に、さらに同様に光導波路64を形成してクラッド65で埋め込む。このとき、2列のアレイ状にする場合には、図6(c)のように互い違いの位置にすることによりクラッド63が薄くできてスペース効率が上がる。2層の場合、全体の光導波路層61〜65の厚さは約200μmとなった。
【0049】
導波路の材料としては他にもいろいろあり、低損失材料としてシリカガラスを用いたものでもよい。この場合、Pをドープしたシリカガラス(PSG)を用いると、加熱することでマストランスポートが起きて表面平坦化できるので、多層光配線層2として作製しやすい。この場合、コア層としてGeをさらにドープしたGPSGで屈折率制御を行なえば光導波路62、64を構成できる。加熱平坦化(リフロー)の温度は通常800℃程度と高いので、Siなどの基板に加熱平坦化過程等を経て導波路を形成した後に、導波路層61〜65を電気配線基板1に貼り合わせてSi基板を除去することで、問題なく光電気混載基板13が作製できる。図1では、光配線層2は2層になっているが、それ以上の多層にしてもよいし、1層でもよい。
【0050】
この様にして構成した光電気混載ボードの全体イメージの例を図7に示す。図7において、30は上記で説明した光電気混載基板としてのマザーボード、32は大規模中央演算処理装置(MPU)、31は1次キャシュメモリ、33はDRAMが搭載されたMCMモジュールがドーターボードとしてマザーボードに装着されているものである。
【0051】
高速ロジックおよびクロック信号は、マザーボード30およびドーターボード33に形成された光導波路34を介して信号伝送されている。電源ラインや低速の信号は、同一ボード内に構成された電気配線で接続される。光コネクタ35および光導波路シート36を用いて他のボードと光信号の状態で接続することもできる。光導波路シート36はバスラインとしてパラレルに信号転送するために用いている。
【0052】
また、マザーボード30とドーターボード33の光接続は、マザーボード30のドーターボード用差込口に45°ミラー(不図示)を形成することで行なっている。光配線をバスとして使用する場合には、光減衰を補うために接続部に光アンプを挿入するか、ボードにリピータとして機能する発光素子を設置してもよい。
【0053】
ハードディスクドライブのような外部記憶装置との信号のやり取りは、コネクタ38およびケーブル37を用いてシリアル高速転送することがケーブルの低コスト化につながってよい。そこで、コネクタ部38には、パラレル−シリアル変換して10Gbps程度のレートが可能な光ファイバ通信に用いるような送信部を装着している。図7にはボードの主要な部分しか書かれていないが必要な回路構成にすることで、クロックレートが1GHzオーバーの次世代コンピュータを構成することがきる。
【0054】
このとき、ランバス方式を用いることに比べて配線やピンの制約が少なく、さらに高速で小型化、低消費電力化が可能で、EMI対策が容易なボードを提供することができる。また、コンピュータに限らず、最近の電子機器、例えば携帯電話、デジタルカメラなどではより高速化、小型化が要求されており、同時に低EMI化が必須となっているために、本発明による光電気混載方式がこれらの機器には非常に有効になる。
【0055】
[第2実施例]
本発明による第2の実施例は、図8のように、電子集積素子81を実装する面とは逆の面に光導波層80を設けて、E/O、O/E変換部83、84の光入出力を光電気混載基板に対して垂直方向に行なうものである。そのため、光導波路4には図9のように45度ミラー90を設けて、E/O変換部83から光電気混載基板に入出射端91から結合した光は水平方向に光導波路4を伝播し、水平方向に光導波路4を伝播して入出射端91からO/E変換部84に結合する光は垂直方向に出るようになっている。導波路4の構成は第1実施例と同様でよいが、本実施例では1層の光配線層80としている。
【0056】
一方、電子集積素子81とE/O、O/E変換部83、84の電気接続は、電気配線基板1のスルーホールを介して、光導波層80が形成された側の面の電気配線86に繋がる電極85から第1実施例と同様のフレキシブル配線基板82を用いて行なっている。そのため、光導波層80の一部には、くり貫いて電気配線基板1の表面を出している部分がある。ここで用いた光電子集積素子81は、図8のように中央部に電気接触のためのボールアレイ10があるμ−BGA(またはCSP:Chip Size Package)型になっており、小型のパッケージになっている。
【0057】
本実施例で用いるE/O、O/E変換部83、84は、第1実施例と同じ構造のものを、光入出射端91(図9)に光結合するように、アライメントして接着している。アライメントは、第1実施例と同様にガイド用のピン(不図示)などを用意しておいて、パッシブアライメントができるようになっている。E/O、O/E変換部83、84は動作中に温度が上昇して動作が不安定になることがある。そこで、該変換部の表面のプレートに放熱フィン(不図示)などを設けて高温にならないようにしてもよい。放熱フィンを取り付ける場合には、本実施例の実装方法が適している。
【0058】
また、発熱源である電子集積素子81とE/O、O/E変換部83、84を光電気混載基板の表と裏で離すことで、熱的クロストークを避けることができる。
【0059】
[第3実施例]
本発明による第3の実施例は、図10のように多層配線基板1の両面に光導波路配線層93、94を設けて電子集積素子6、81を両面実装するものであり、これによって基板上への実装密度を上げることができる。光電気混載基板1、93、94や電子集積素子6、81の構成は第1や第2の実施例と同様であり、同じ機能を持つ部分には同じ記号を付してある。E/O、O/E変換部の導波路4への結合の仕方も、基板面と平行な方向、基板面と垂直な方向を混在させている。
【0060】
本実施例で特徴的なことは、表面と裏面の光配線が図11のようにスルーホールを介して行なえることである。図11において、95は電気配線基板1に開けられたスルーホールであり、E/O変換部83から出射された光が上部光配線層93の導波路96を介して該スルーホール95を抜けて下部光導波層94に設けられた45度ミラー90によって光導波路4に結合することができる。受光の場合も同様である。また、基板面と平行入射する第1実施例の方式の場合は、45度ミラーで光を反射させてスルーホールを通せばよい。
【0061】
ここでスルーホールは単なる空気層でもよいし、導波路層93のコア層と同じ材料を埋め込んだものでもよい。スルーホール95の径を100μm程度にしておけば、電気配線基板1の厚さが5mm程度であれば回折や反射による光損失はほとんどない。このような構造にすることにより、配線の自由度が増し、小型、高密度でEMI対策が容易な電子機器用のMCM(Multi−Chip―Module)ボードを提供することができる。
【0062】
上記の例では、電気配線基板1を光配線層93、94でサンドイッチした構造になっているが、光配線層の上にさらに多層電気配線層があるという電気配線層と光配線層が多層に積層された構造でもよい。
【0063】
以上の実施例では、光素子の光の入出射は下方あるいは側方であったが、上方や斜め方向にして、空間伝播あるいは光導波路チューブ、光導波路フィルム等で他の素子や他のボードとの接続を行なってもよい。
【0064】
また、電子集積素子のパッケージの形態については、上記実施例に限られたものではなく、QFP(Quad Flat Package)、DIP(Dual In−line Package)などあらゆる形態に適用可能である。また、パッケージ内には1つのLSI基板のみ搭載した例を示したが、CSP実装で3次元スタック化したLSIを用いたり、Si基板上の多層配線技術を用いて3次元LSIを構成したものであってもよい。
【0065】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明によって、光インターコネクションを小型、低消費電力、低コストで行なうための、電子集積素子のバッケージが通常のものから変更することなく実装され得る光素子を同一基板上に集積した光電気混載配線基板を実現できる。また、面発光レーザを上記配線基板上に一体実装してE/O変換部とすることで、低消費電力駆動、高速駆動および多ビット配線が容易な光電気混載基板を実現できる。
【0066】
また、面発光レーザのオン・オフ駆動をLSIの出力段のトランジスタで行なって、特別なLSIや電気回路上の変更がなく、低コスト、低消費電力の光電気混載配線基板の駆動方法も提供できる。更に、光インターコネクションを用いた高速、低EMIのマルチチップモジュールなども提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明による第1実施例の光電気混載配線基板と電子集積素子の分離した状態を示す斜視図である。
【図2】図2は本発明による光電気混載配線基板のE/O変換部の構成を説明する分解斜視図である。
【図3】図3は機能層のみを残した面発光レーザの作製プロセスを説明する断面図である。
【図4】図4は機能層のみを残した面発光レーザの他の作製プロセスを説明する断面図である。
【図5】図5は本発明による光電気混載配線基板の発光素子を駆動する方法を説明する図である。
【図6】図6は多層光導波路の作製方法を説明する断面図である。
【図7】図7は本発明による光電気混載配線基板と電子集積素子を用いて構成したMCMの例を示す斜視図である。
【図8】図8は本発明による第2実施例の光電気混載配線基板と電子集積素子の分離した状態を示す斜視図である。
【図9】図9は本発明による第2実施例の光結合を説明する断面図である。
【図10】図10は本発明による第3実施例の光電気混載配線基板と電子集積素子の分離した状態を示す斜視図である。
【図11】図11は本発明による光電気混載配線基板の光配線を説明するための断面図である。
【図12】図12は光配線基板の第1の従来例の図である。
【図13】図13は光配線基板の第2の従来例の図である。
【符号の説明】
1 電気配線基板
2、80、93、94 光配線層
3、26、86 電気配線
4、34、96、1003 光導波路
5、85 電気配線基板の電極パッド
6、31、32、39、81 電子集積素子
7 ベースプレート
8、84、1012 O/E変換部
9、83、1011 E/O変換部
10 はんだボール
11 台座
12、91 光導波路入出射端
13、30、33 光電気混載配線基板
15 台座プレート
16 面型発光素子
17 素子電極
18 発光部
19、82 フレキシブル配線基板
20 配線基板電極
21、50 光透過用窓
22 電極パッド
23、55 抵抗体
24 ガイドピン
25 ガイド溝
35、38 光コネクタ
36 光導波路シート
37 光導波路ケーブル
40 半導体基板
41、43 半導体多層膜反射ミラー
42 活性層
44 絶縁膜
45、52 共通電極
46 発光部
47 電流狭窄部
48 素子分離溝
49 石英板
51 スルーホール配線
53 CMOSバッファインバータ
54 レーザダイオード
61、63、65 クラッド
62、64 コア
90、1002 反射ミラー
95 スルーホール光導波路
1001 光配線基板
1004 光電子ICチップ
1005 傾斜面
1006 凸部
1007 シリコン酸化膜
1010 電子回路部

Claims (18)

  1. 電子集積素子を実装するための配線基板において、電気配線および光導波路が該同一配線基板上に形成してあり、電子集積素子の信号の入出力を光信号で行なうために光電変換させる面型光素子、該光素子への配線、および電子集積素子を実装する為の電気端子の露出した実装部が該配線基板に備えられており、電子集積素子を電気端子同士を結合させて該実装部に電気実装するだけで該電子集積素子と該配線基板間の信号の授受の少なくとも一部を光信号で行なえる様に構成され、該光素子は光導波路の光入出射端に面同士を当接させて面実装され、該配線基板に平行に走る光導波路が垂直面で切断されて光入出射端が露出し、その垂直面上に該光素子が光導波路に光結合できるようにアライメントされて設けられ、該電気端子の露出した実装部は該垂直面に囲まれて形成されていることを特徴とする光電気混載配線基板。
  2. 光素子のうち発光素子は面発光レーザである請求項記載の光電気混載配線基板。
  3. 配線基板に垂直に走る光導波路が水平面で切断されて光入出射端が露出し、その水平面上に光素子が光導波路に光結合できるようにアライメントされて設けられている請求項1または2記載の光電気混載配線基板。
  4. 前記入出射端の下部には反射ミラーが備えられて、前記配線基板に平行に走る光導波路の導波と光素子が光結合されている請求項記載の光電気混載配線基板。
  5. 光素子が設けられた水平面に隣接して電気端子の露出した部分が形成されている請求項3または4記載の光電気混載配線基板。
  6. 前記電気端子の露出した部分では、前記光素子への配線が該電気端子に電気的に接続されている請求項記載の光電気混載配線基板。
  7. 前記電気端子の露出した部分では、前記光素子への配線が該電気端子に電気的に接続されると共に前記実装部が形成されている請求項記載の光電気混載配線基板。
  8. 光素子は配線基板の両面に設けられている請求項1乃至の何れかに記載の光電気混載配線基板。
  9. 前記実装部は配線基板の両面に設けられている請求項1乃至の何れかに記載の光電気混載配線基板。
  10. 配線基板は電気配線基板の両面に光導波路を形成した層を積層したものになっており、該電気配線基板の一部に光が透過できるスルーホールが設けられて該両面の光導波路間での光信号の接続を行なえる様に構成されている請求項1乃至の何れかに記載の光電気混載配線基板。
  11. 光素子は、アレイ状に並べられて、各素子の独立電極がフリップチップ実装で前記配線基板とは異なる第2の配線基板に貼り付けられ、光透過用の窓が該第2の配線基板に設けられて光導波路に光結合できるようにアライメントされて該光導波路の入出射端面に接着されるとともに、該第2の配線基板を介して電子集積素子の電気端子または前記実装部の露出した電気端子と光素子が電気的に接続され得る様に構成されている請求項1乃至10の何れかに記載の光電気混載配線基板。
  12. 光素子は面発光レーザであり、該面発光レーザは、板状の構造体と前記第2の配線基板との間にサンドイッチされる形で実装されており、多層膜反射ミラーと活性層を含む共振器層のみ残して半導体基板が除去されている構造を有する請求項11記載の光電気混載配線基板。
  13. 光素子は面発光レーザであり、該面発光レーザは、板状の構造体の上に前記第2の配線基板を接着しさらにその上にフリップチップ実装されており、多層膜反射ミラーと活性層を含む共振器層のみ残して半導体基板が除去されている構造を有し、該フリップチップ実装された面とは反対側の面には面発光レーザの共通電極が形成されていて該電極には光取り出し用の窓が設けられて上記光導波路に光結合できるようにアライメントされて該光導波路の入射端面に接着されるとともに、該第2の配線基板を介して電子集積素子の電気端子または前記実装部の露出した電気端子と面発光レーザが電気的に接続される様に構成されている請求項11記載の光電気混載配線基板。
  14. 電子集積素子を実装する前記実装部において光配線するための光導波路を形成した層がくり貫かれており、該くり貫かれた部分の側面に該光導波路の入出射端面が形成されていて、光電変換させる光素子は該光導波路への光結合が可能なようにアライメントされて該入出射端面に接着されている請求項1、2および8乃至13の何れかに記載の光電気混載配線基板。
  15. 電子集積素子を実装する前記実装部とは反対側の面の一部において、光配線するための光導波路を形成した層がくり貫かれており、該くり貫かれた部分の近傍に沿う形で該光導波路の入出射端がアレイ状に該光導波路を形成した層の面上に形成されていて、該入出射端の下部には反射ミラーを備えて該光導波路に光を導波させるようになっており、光電変換させる光素子は該面上に形成された入出射端に光結合が可能なようにアライメントされて接着されている請求項1乃至13の何れかに記載の光電気混載配線基板。
  16. 配線基板は電気配線基板の両面に光導波路を形成した層を積層したものになっており、光電変換させる光素子を両面に複数実装し、該電気配線基板の一部に光が透過できるスルーホールを設けて該両面の光導波路間での光信号の接続をも行い、前記電気集積素子間での信号の授受を電気と光混在で行なえる様に構成された請求項1乃至15の何れかに記載の光電気混載配線基板。
  17. 光素子に面発光レーザを含む請求項1乃至16の何れかに記載の光電気混載配線基板の駆動方法において、面発光レーザの駆動は電子集積素子の出力段のCMOSバッファのオン・オフで直接行ない、レーザの駆動電流の調整は直列に挿入した抵抗で行なうことを特徴とする駆動方法。
  18. 光素子に面発光レーザを含む請求項1乃至16の何れかに記載の光電気混載配線基板に大規模中央演算装置(MPU)、ランダムアクセスメモリなどの電気集積素子を複数実装し、請求項17記載の駆動方法で面発光レーザを駆動する様に構成されたことを特徴とする電子回路装置。
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