JP3682893B2 - 検眼装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、近用距離を簡便に迅速に測定して検眼作業を円滑に行えるようにした近用距離測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、近方視力測定に、近用視力表装置が用いられているが、この測定の際には、被検眼者の眼と近用視力表装置との間の距離を求めることが必須である。このため、従来は、近用視力表装置を移動自在に支持する支持棒に距離を表す目盛りを設けて近用視力表装置が移動した目盛り数を読みとる方式が一般的であった。
【0003】
また、近用視力表装置として、視標を自動的に切り替える機構や装置全体が支持棒上を自動的に移動できるようにした移動機構を有する装置が提案されている(例えば、特開平5ー176890号公報参照)。この方式の装置では、移動距離を移動機構を利用して自動的に計測するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記目盛り数を読みとる方式にあっては、機構が単純であるという利点があるが、まず、この目盛りの読み取り作業が繁雑であるとともに、読み取りミスをおこすおそれがある。しかも、読み取った値を検眼器のメインコントロール装置等を通じて入力しなければならないので、その作業も繁雑であるとともに、入力ミスをおこすおそれもある等という欠点がある。
【0005】
また、上記自動装置方式のものは、上記目盛読取方式のような作業の繁雑性や読取ミスもしくは入力ミスの生ずるおそれはないが、機構が複雑で高価であるとともに、逆に操作が必ずしも容易でなく取り扱いにくいという側面のあることも否めないものであった。
【0006】
本発明は、上述した背景のもとでなされたものであり、近用距離を自動的に計測することができ、読取作業の繁雑さがなくかつ読取ミスもしくは入力ミスの生ずるおそれもなく、しかも極めて簡便で取扱易くかつ安価な近用距離測定装置を提供することを目的とする。
【0007】
上述の課題を解決するための手段として、第1の手段は、検眼テーブル100に取り付けられた支柱101の先端部である支柱アーム部14に結合軸15によって支持された自覚式検眼器1であって、前記結合軸15の下端に固定された支持機構部11に左眼用レンズユニット1aと右眼用レンズユニット1bとがそれぞれ位置調整可能に支持してなる自覚式検眼器1と、前記自覚式検眼器1の前面部に一端部が固定され、他端部が近用測定の際に近用視力表が配置される位置に向けて延長された支持棒3と、前記支持棒3に移動自在に支持されているとともに、近用視力表を有する近用視力表装置2と、前記自覚式検眼器1又は近用視力表装置2のいずれか一方に設けて近用距離を測定する近用距離測定装置としての超音波距離測定装置4と、前記超音波距離測定装置4に距離測定の指令を行って得られた近用距離や近点距離に基づいて加入度をリアルタイムで算出する処理を行うメインコントロール装置5とを有することを特徴とする検眼装置である。
【0008】
第2の手段は、前記超音波距離測定装置4は、前記支持機構部11の前面中心部に設けられ、送信素子41及び受信素子42の送受信面が近用視力装置2に向くように配置されたものであることを特徴とする請求項1に記載の検眼装置である。
【0009】
【実施の形態】
図1は本発明の実施例にかかる近用距離測定装置の構成を示す斜視図、図2は超音波距離測定装置の回路ブロック図、図3は検眼装置の全体構成を示す斜視図、図4は近用視力表装置を支持棒に取り付けた状態を示す部分拡大図、図5は近用視力表装置の正面図である。以下、これらの図面を参照にしながら、実施例にかかる検眼装置を説明する。
【0010】
図1及び図3に示されるように、この実施例の近用距離測定装置は、自覚式検眼器1の支持機構部11に超音波距離測定装置4を取り付け、近用視力表装置2を自覚式検眼器1の結合軸15に一端部を固定した支持棒3に移動自在に支持したものである。
【0011】
自覚式検眼器1は、検眼テーブル100に取り付けられた支柱101の先端部である支柱アーム部14に結合軸15によって支持されている。この結合軸15の下端には支持機構部11が固定され、この支持機構部11には、左眼用レンズユニット1a及び右眼用レンズユニット1bがそれぞれ位置調整可能に支持されている。支持機構部11は、左眼用レンズユニット1a及び右眼用レンズユニット1bの左右の距離(PD)を自動的に調整するとともに、上下調整ツマミ12及び輻そう調整(あおり調整)ツマミ13をそれぞれ回転調整することによって2つのレンズユニットの相対的上下位置及びあおり角度の調整を行う機構を有するものである。左眼用レンズユニット1a及び右眼用レンズユニット1bは、それぞれ多数の検眼用レンズを自在に選定して被検眼者の眼が配置される測定窓に配置するものである。
【0012】
上記超音波距離測定装置4は、上記支持機構部11の前面中心部に設けられ、送信素子41及び受信素子42の送受信面が近用視力表装置2に向くように配置されている。
【0013】
図2に示されるように、超音波距離測定装置4は、超音波を送信する送信素子41、超音波を受信する受信素子42、送信素子41に所定のパルス信号を駆動信号に変換して送るパルス送信回路43、受信素子42からの受信信号を所定のパルス信号に変換する受信回路44、これら送受信のパルスを授受してそのパルス間隔に対応する信号を送出するコントロール回路45、コントロール回路45からの信号を受けてその信号を時間もしくは距離に対応する信号に変換するカウンター回路46、並びに、このカウンター回路46の基準信号を発生する基準パルス発生回路47等で構成される。これにより、送信素子41から送信された超音波が反射体である近用視力表装置2によって反射されて受信素子42によって検知されるまでの時間が計測されて距離が求められる。なお、図示しないが、距離測定は、メインコントロール装置5の入力装置からの入力操作指令によって行われる。また、こうして計測された距離の信号はメインコントロール装置5等に送られて所定の処理がなされる。すなわち、例えば、これによって測定された近用目的距離や近点距離をメインコントロール装置に送って加入度等をリアルタイムで算出することなどができる。
【0014】
図4及び図5に示されるように、近用視力表装置2は、収納ケース22に種々の視標が掲載された近用視力表板21が回転自在に収納され、この収納ケース22が移動部材24に回転支持部26を介して支持されているものである。移動部材24は上述の支持棒3に嵌合して該支持棒3を摺動する摺動孔25を有している。回転支持部26は、収納ケース22を支持棒3にそって折り畳めるようにしたものである。
【0015】
上述の実施例によれば、メインコントロール装置5からの入力操作だけで近用距離を自動的に計測し、その結果を自動的に取り込んで加入度等の算出をリアルタイムで行うことができる。したがって、読取作業の繁雑さがなく読取ミスもしくは入力ミスの生ずるおそれも全くなく、しかも極めて簡便で取り扱い易くかつ安価に構成できるという優れた利点を得ることができる。
【0016】
なお、上述の実施例においては、超音波距離測定装置4を自覚式検眼装置1に設けた例を掲げたが、超音波距離測定装置4は近用視力表装置2のほうに設けてもよい。
【0017】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明は、自覚式検眼器の被検眼者の眼の位置と近用視力表装置との距離を測定する近用距離測定装置において、自覚式検眼器又は近用視力表装置のいずれかに両者の間の距離を計測する超音波距離測定装置を設けたもので、これにより、近用距離を自動的に計測することができ、読取作業の繁雑さがなく読取ミスもしくは入力ミスの生ずるおそれがなく、しかも極めて簡便で取扱易くかつ安価な近用距離測定装置を得ているものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例にかかる近用距離測定装置の構成を示す斜視図である。
【図2】超音波距離測定装置の回路ブロック図である。
【図3】検眼装置の全体構成を示す斜視図である。
【図4】近用視力表装置を支持棒に取り付けた状態を示す部分拡大図
【図5】近用視力表装置の正面図である。
【符号の説明】
1…自覚式検眼器
2…近用視力表装置
3…支持棒
4…超音波距離測定装置
5…メインコントロール装置
41…超音波送信素子
42…超音波受信素子

Claims (2)

  1. 検眼テーブル100に取り付けられた支柱101の先端部である支柱アーム部14に結合軸15によって支持された自覚式検眼器1であって、前記結合軸15の下端に固定された支持機構部11に左眼用レンズユニット1aと右眼用レンズユニット1bとがそれぞれ位置調整可能に支持してなる自覚式検眼器1と、
    前記自覚式検眼器1の前面部に一端部が固定され、他端部が近用測定の際に近用視力表が配置される位置に向けて延長された支持棒3と、
    前記支持棒3に移動自在に支持されているとともに、近用視力表を有する近用視力表装置2と、
    前記自覚式検眼器1又は近用視力表装置2のいずれか一方に設けて近用距離を測定する近用距離測定装置としての超音波距離測定装置4と、
    前記超音波距離測定装置4に距離測定の指令を行って得られた近用距離や近点距離に基づいて加入度をリアルタイムで算出する処理を行うメインコントロール装置5とを有することを特徴とする検眼装置。
  2. 前記超音波距離測定装置4は、前記支持機構部11の前面中心部に設けられ、送信素子41及び受信素子42の送受信面が近用視力装置2に向くように配置されたものであることを特徴とする請求項1に記載の検眼装置。
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