JP3682653B2 - バッグ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、いわゆるピギーバッグ等の、旅行その他適宜の目的で使用されるバッグに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、縦置き及び横置きが可能で、本体を縦置きにした場合の後部側に引手とキャスターを設け、本体を縦置きにした状態で引手を持ち、キャスターの回転を利用することにより、楽に移動できるようにしたピギーバッグが普及している。
【0003】
従来のこの種のバッグは、縦置きにした場合に、バッグが転倒するのを防止するため、底部となる部分の長さが一定以上に確保されるように、前記底部となる部分を硬質な素材で形成しているものが多い。しかし、このような構成のバッグは、前記硬質な素材により確保された底部となる部分の長さのために、バッグをひしゃげさせて嵩低くすることができないため、取り扱いに不便を強いられていた。
【0004】
一方、前記底部となる部分を柔軟な素材で形成すると、縦置きにした場合に、前記底部となる部分が変形して転倒し易くなる。
【0005】
従って、縦置きにした場合に転倒しにくく、しかもバッグを嵩低くすることができるようにしたものは、従来存在しなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明は、転倒しにくく、しかも嵩低くすることが可能なバッグを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、この発明は次のような技術的手段を講じている。
【0008】
この発明のバッグは、本体1の内側に、補助部材2を角度変更可能に設けてなり、この補助部材2を開いたときに、底部4が補強され、転倒が防止されるようにしたバッグであって、補助部材2を、その一辺15を後部7の両側端縁に設けたものとし、補助部材2を開いたときに、補助部材2の一端部3が底部4の前端部付近に達するようにしている。
【0009】
補助部材2は、本体1の後部7側の面に重ねられるようにすることができる。
【0010】
また、本体1の後部7側に引手11とキャスター12を設け、開いた補助部材2の前記一端部3が、本体1の前部8側に位置するようにすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0012】
この発明のバッグは、本体1の内側に、補助部材2を角度変更可能に設けてなり、この補助部材2を開いたときに、補助部材2の一端部3が底部4付近に達することにより、前記底部4が補強され、転倒が防止されるようにしたものである。
【0013】
図1は、このバッグの第1の実施形態を横置きにした場合の斜視図である。図2は、このバッグを縦置きにし、ファスナーを開放した状態を示す図、図3は、補助部材2を開き、本体1の転倒が防止されるようにした状態を示す図、そして、図4は、その底部4を示す図である。
【0014】
このバッグは、縦置き及び横置きのいずれでも使用できるようにしている。この実施形態においては、「縦置き」とは、本体1のX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の長さのうち、最も長い方向が上下方向になるようにした場合の設置状態を言うものとし、「横置き」とは、前記「縦置き」以外のいずれかの設置状態を言うものとする。
【0015】
また、「底部の長さ」とは、本体1の上下方向に対して直角な方向の底部の長さを言うものとする。
【0016】
以下、「底部4」、「頂部5」、「側部6」、「後部7」、「前部8」は、それぞれ本体1を縦置きにした場合の底部、頂部、側部、後部、前部を言うものとする。また、この実施形態において、後部7は、本体1を横置きにした場合に底部となる部分(以下、「横置き底部」と言う)であり、前部8は、本体1を横置きにした場合に頂部となる部分(以下、「横置き頂部」と言う)である。
【0017】
このバッグは、本体1を略直方体状とし、横置き頂部(前部8)等をファスナー9により開閉自在にするとともに、手提げ用の持ち手10を設けている。また、このバッグの本体1には、縦置きにした場合の後部7側に引手11とキャスター12を設けている。引手11は、頂部5の後端部(横置き底部7の側)に設けられ、伸縮自在で、ファスナー13を開閉して本体1内部に出入自在となっている。キャスター12は、底部4の後端部の両側に1輪ずつ設けられている。さらに、底部4の前部寄りの位置の両側には、合成樹脂製の脚14が設けられており、本体1を縦置きにした場合に安定するようにしている。
【0018】
このバッグは、引手11とキャスター12を使用しない場合は、主に図1に示したように横置きにして使用することができる。
【0019】
また、本体1は、底部4、頂部5、側部6、前部8が合成繊維等の生地や比較的柔軟な合成樹脂材で形成され、全体として柔軟性を有している。なお、横置き底部(後部7)は、比較的剛性を有するものとし、縦置きにした場合に本体1の形状が崩れないようにするとよい。
【0020】
図2、図3に示したように、本体1の内側には、その両側のそれぞれに補助部材2が設けられている。この実施形態では、補助部材2の一端部3が、本体1を縦置きにした場合の前部8側、底部4の前端部付近に達することにより、底部4が補強され、その長さがこの一端部3とキャスター12間の距離の分確保されるようになっている。
【0021】
補助部材2は、ピアノ線を芯材として合成樹脂の押し出し成形により作製したフレームに、合成樹脂製のシートを取り付けてなり、その一辺15を、横置き底部(後部7)の生地の両側端縁に縫着する等の手段により設けられたもので、頂部5の付近から、底部4の付近にまで達する長さを有するものとしている。
【0022】
補助部材2は、少ない材料で低コストで作製できかつ軽量にすることができるように、引手11を使用する際に力の係る部分のみを補強する形状とすることが望ましい。この実施形態における補助部材2は、図示したように、前記一端部3が、本体1を縦置きにした場合の前部8側に位置するように、側部6の対角線に沿う辺を有する三角形に似た形状とすることにより、縦置きにした本体1を安定的に支えるようにしている。
【0023】
なお、補助部材2の形状は前記のものに限定されず、例えば、長方形の板状、フレーム状等、適宜の形状とすることができる。補助部材2は、金属、合成樹脂、木材等適宜の剛性を有する素材を用いて作製することができる。
【0024】
このように、本体1を縦置きにした場合でも、補助部材2により底部4が補強され、変形しにくくなり、その長さが一定以上に確保されるため、バッグの転倒が防止される。
【0025】
補助部材2は、本体1内において、横置き底部(後部7)と側部6との間で回転可能になっている。本体1を横置きにして使用する場合は、図2に示したように補助部材2を、本体1を縦置きにした場合の後部7側の面(横置き底部7の内側面)に重ねて畳んだ状態にしておくことができるので、物の収納の邪魔にならない。しかも、本体1は、前述のように全体として柔軟性を有しているため、本体1内に物を多く収納していない場合は、図5に示すように本体1を折り畳んだり、押しつぶしたりしてひしゃげさせ、嵩を低くすることができる。そのため、このバッグは大きなスペースをとらず、押し入れ等への収納や運送、在庫管理を容易に行うことができる。
【0026】
また、補助部材2の下端部(前記一端部3の付近)と底部4には、互いに係合させられるようにした係合具16が設けられている。この実施形態における係合具16は、ベルベットファスナーとしているが、ホック等でもよい。この係合具16により、補助部材2の角度変更が抑止され、補助部材2を開いた状態が確実に保持される。係合具16は、補助部材2の外側面と側部6の内側面や、頂部5付近(図示せず)、その他適宜箇所に設けることもできる。
【0027】
図6、図7、図8は、このバッグの第2の実施形態を示す図である。図6は、その本体1を縦置きにした場合の斜視図、図7は、そのファスナーを開放した状態を示す斜視図、図8は、その本体1を折り畳んで嵩を低くした場合の斜視図である。
【0028】
このバッグは、本体1、補助部材2、引手11、キャスター12等の基本的な構成については前述の第1の実施形態と同様であるが、やや偏平な形状で、本体1を横置きにする場合は、側部6の一方を頂部に、他方を底部として使用するようにしたものである。そのため、このバッグには、側部6の一方にも持ち手17が設けられている。また、本体1の両側の側部6の後部7側に一端が取り付けられたベルト18を、前部8側にまわして連結することにより、本体1を折り畳んで嵩を低くした状態を維持できるようにしている。
【0029】
このように、この発明のバッグは、様々な形状とすることができる。なお、この発明のバッグは、縦置き及び横置きの両方の使用を前提としたものには限定されず、実際にはもっぱら縦置きにして使用するものであってもよい。
【0030】
この発明のバッグは、以上のように構成されており、縦置きにした場合に補助部材2により転倒が防止される。しかも、補助部材2を畳んで本体1をひしゃげさせて嵩を低くすることが可能であるため、飛行機や車両等に積むときに便利である。さらに、補助部材2は本体1内に設けられており、外側に露出しないため、運搬の際に邪魔にならず、体裁が悪くなることもない。
【0031】
【発明の効果】
この発明のバッグは、上述のような構成を有しており、転倒しにくく、しかもバッグを嵩低くすることが可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態のバッグを横置きにした場合の斜視図。
【図2】この発明の実施形態のバッグを縦置きにしてファスナーを開放した場合の斜視図。
【図3】この発明の実施形態のバッグを縦置きにし、補助部材を開いた場合の斜視図。
【図4】この発明の実施形態のバッグを縦置きにした場合の底面図。
【図5】この発明の実施形態のバッグをひしゃげさせた場合の斜視図。
【図6】この発明の他の実施形態のバッグを縦置きにした場合の斜視図。
【図7】この発明の他の実施形態のバッグを縦置きにし、補助部材を開いた場合の斜視図。
【図8】この発明の他の実施形態のバッグを折り畳んで嵩を低くした場合の斜視図。
【符号の説明】
1 本体
2 補助部材
3 補助部材の一端部
4 底部
7 後部
8 前部
11 引手
12 キャスター

Claims (3)

  1. 本体(1)の内側に、補助部材(2)を角度変更可能に設けてなり、この補助部材(2)を開いたときに、底部(4)が補強され、転倒が防止されるようにしたバッグであって、補助部材(2)を、その一辺(15)を後部(7)の両側端縁に設けたものとし、補助部材(2)を開いたときに、補助部材(2)の一端部(3)が底部(4)の前端部付近に達するようにしたことを特徴とするバッグ。
  2. 補助部材(2)は、本体(1)の後部(7)側の面に重ねられるようにしている請求項1記載のバッグ。
  3. 本体(1)の後部(7)側に引手(11)とキャスター(12)を設け、開いた補助部材(2)の前記一端部(3)が、本体(1)の前部(8)側に位置するようにしている請求項1又は2記載のバッグ。
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