JP3682639B2 - 歯車式変速機の変速段位置検知制御方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、エンジンの動力を歯車式変速機に伝達するクラッチを断続するクラッチ用アクチュエータと、歯車式変速機をギヤシフトするギヤシフト用アクチュエータと、エンジンのスロットル開度を開閉するスロットル用アクチュエータとを、電子制御装置の電気信号によって自動制御して変速運転する自動車用歯車式変速機の変速段位置検知制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
従来、例えば前進5段、後退1段の歯車式変速機は、図5に概略図で示すように、第1速と第2速、第3速と第4速、第5速と後退の3列のセレクトラインと、図6に概略図で示すように、前記組み合わせの中間にニュートラルN(中立)を有するシフトラインがあり、図7において要部分解斜視図で、また図8において図7のB−B線断面図で示すように、歯車式変速機71内に設けられるセレクトシフトロッド72にはスイッチ用カム73a,73b,73cが形成されており、セレクトシフトレバー74がセレクトシフトロッド72から垂設されて、このセレクトシフトレバー74が嵌まり込む、シフトフォーク76を有する3列のフォークロッド75a,75b,75cが配設されており、図8に示すように、前記セレクトシフトロッド72が回動してセレクトシフトレバー74が何れかのフォークロッド75a,75b,75cに係合されてセレクト動作が実行され、その後、セレクトシフトロッド72が軸方向へ移動して、シフト動作が行われるように構成されており、図7には軸方向へのシフトラインCと、回転方向のセレクトラインSを示しており、前記3列のセレクトラインをそれぞれ検知するために3個のポジションスイッチSW1,SW2,SW3が図8に示すように配置されており、SW1は1速,2速用のセレクトライン検知用ギヤポジションスイッチであり、SW2は3速,4速用のセレクトライン検知用ギヤポジションスイッチであり、SW3は5速,R用のセレクトライン検知用ギヤポジションスイッチである。
【0003】
また、シフトラインの両端をそれぞれ検知する2個のギヤポジションスイッチSW4,SW5が図7に示すように、前記セレクトシフトロッド72のスイッチ用カム73c,73aの位置に配置されており、中間を検知するニュートラルスイッチNSWも配置されて、これらは歯車式変速機71の本体内に内蔵され、セレクトシフトロッド72のスイッチ用カム73a,73b,73cの位置で加圧接触し、セレクトシフトロッド72の作動に連動してON,OFF作動するように設けられており、歯車式変速機71の変速段の位置と動作をこれらの各ギヤポジションスイッチにより検知し、各ギヤポジションスイッチからの信号が電子制御装置にフィードバックされて、その後、電子制御装置から、現行変速段の位置と現行変速段のインジケータ表示と、目標変速段への変速終了時期とを指令する各電気信号を出力していた。
【0004】
しかし、このような変速段位置検知制御方法では、加圧式接点を有するギヤポジションスイッチ(SW1〜SW5)5個とニュートラルスイッチ(NSW)1個とを必要とするため、歯車式変速機71の本体が比較的大型で複雑となり、高価なものとなっていた。また、各ギヤポジションスイッチを設置するため、既存の歯車式変速機を変更する必要があり、著しく汎用性を損ねていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記従来の問題点に鑑み案出したものであって、歯車式変速機本体内にギヤポジションスイッチを設置する必要がなく、歯車式変速機本体は既存のものを使用できる歯車式変速機の変速段位置検知制御方法を提供せんことを目的とし、その要旨は、歯車式変速機から差し出されたセレクトシフトロッドを軸方向に移動させてセレクト動作を実行するセレクト機構と、該セレクトシフトロッドを軸回転させてシフト動作を実行するシフト機構と、を備えるギヤシフト用アクチュエータにおいて、前記セレクト機構は、正逆回転可能で段階的に所定の回転角度に制御可能なセレクト用ステッピングモータと、該セレクト用ステッピングモータのモータ軸に固定された第1アクチュエータギヤと、該第1アクチュエータギヤと噛み合う扇形に形成されたセレクトギヤと、該セレクトギヤが固定され回動可能に支持されたセレクト軸と、該セレクト軸の一端に固設されたセレクトレバーと、一端に該セレクトレバーが係合されるとともに他端に前記セレクトシフトロッドが連結されたセレクトシフトスリーブと、前記セレクト軸の他端に設けられて該セレクト軸の回転角度を検出するセレクトセンサと、から構成され、前記シフト機構は、シフト用モータと、該シフト用モータのモータ軸に固設された第2アクチュエータギヤと、該第2アクチュエータギヤと噛み合う第3アクチュエータギヤと軸方向に長く形成したロングアクチュエータギヤとが固設され回転可能に支持された中間軸と、該ロングアクチュエータギヤに噛み合うとともにハウジングに固定された第1シフト軸に外嵌固定された雄ネジと螺合する雌ネジが内側に形成されたシフトギヤと、該シフトギヤに一体状に固定された軸方向へ延出するスライダと、一端がスライダベアリングを介して該スライダと連結されて前記第1シフト軸に回転不能かつ軸方向へのみ移動可能に外嵌されたスリーブと、回動可能に支持されるとともに前記セレクトシフトスリーブとスプライン嵌合される第2シフト軸と、該第2シフト軸の外周に固定されたシフトレバーと、前記スリーブの他端に固定されて該シフトレバーの先端部に連結される連結子と、前記第2シフト軸の回転角度を検出するシ フトセンサと、から構成され、前記ギヤシフト用アクチュエータを全変速段位置にテスト作動させて、前記セレクトセンサと前記シフトセンサとから前記歯車式変速機に対応する電気信号を発信させ、予め、電子制御装置に記憶させた変速パターンに、前記歯車式変速機固有の全変速段位置を描写・記憶させることによって、該描写・記憶させた変速パターンに基づき、前記電子制御装置から、現行変速段の位置と、現行変速段のインジケータ表示と、目標変速段への変速終了時期とを指令する各電気信号を出力できるようにしたことである。
【0006】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、既存の歯車式変速機に接続されるギヤシフト用アクチュエータの断面構成図であり、また図2は、図1におけるA−A線断面図である。
ギヤシフト用アクチュエータ1は、図示しない既存の歯車式変速機を変速操作するために既存の歯車式変速機から外方向へ延出されたセレクトシフトロッド2に連結されて、このセレクトシフトロッド2を軸方向に移動させて歯車式変速機をセレクトし、セレクトシフトロッド2を軸回転方向に回動させて、歯車式変速機内のギヤのシフトを自動的に行うように構成したものである。
【0007】
なお、発明者らは、既存の歯車式変速機のセレクトシフトロッドに連結して、歯車式変速機をセレクト及びシフト動作させるギヤシフト用アクチュエータとして、既に特願平9−235413号及び特願平9−235414号のような構造のものを出願しており、この既出願のギヤシフト用アクチュエータでは、セレクト位置を検知するセレクトセンサが、回転角センサで構成され、シフト位置を検知するシフトセンサが、軸方向のストロークを検知するストロークセンサで構成されたものであり、セレクトセンサ及びシフトセンサからの検知信号が電子制御装置に入力されるように構成されているが、本願では、新たにセレクトセンサとシフトセンサとが共に回転角センサで構成されるギヤシフト用アクチュエータ1の構造を図1及び図2に例示している。
【0008】
図1のギヤシフト用アクチュエータ1はハウジング1aで外周が包囲されており、図示上方にはセレクト用ステッピングモータ3が配設されており、このセレクト用ステッピングモータ3は正逆回転可能で段階的に所定の回転角度に制御可能なものであり、このセレクト用ステッピングモータ3のモータ軸にはアクチュエータギヤ4が固定されており、このアクチュエータギヤ4には扇形に形成したセレクトギヤ5が噛み合わされ、セレクトギヤ5は固定ピン6によりセレクト軸7に固定されたものとなっており、セレクト軸7の上端には、セレクト軸7の回動角度を検出する回転角センサで構成されるセレクトセンサ8が設けられている。また、セレクト軸7の図示下端には固定ピン9を介しセレクトレバー10が固設されており、セレクト軸7はボールベアリング11により回動可能に支持されている。
【0009】
前記セレクトレバー10はその先端が延出されて、先端部10aは、図2の図1におけるA−A線断面図で示すように、ハウジング1aに嵌め込まれて固定された平軸受45に、回転可能で、かつ軸方向への移動可能に内挿されたセレクトシフトスリーブ42の外周に形成された係合溝42a内に係合されており、セレクトシフトスリーブ42の他端はハウジング1aから外方向へ突出されて、固定ピン44を介して図示しない既存の歯車式変速機から外方向へ差し出されたセレクトシフトロッド2に連結されるものであり、このセレクトシフトロッド2と同軸状に、セレクトシフトスリーブ42内にはシフト軸B41が内装され、このシフト軸B41の外周に形成されたスプライン41aがセレクトシフトスリーブ42の内周に形成されたスプラインと係合されて、シフト軸B41に対しセレクトシフトスリーブ42が軸方向へ移動可能となっており、シフト軸B41はベアリング46に支持されて回動可能にハウジング1a内に取り付けられており、このシフト軸B41の外周に、固定ピン12を介してシフトレバー13が固定されており、このシフトレバー13の先端部13aに連結子28が連結されたものとなっており、この連結子28は後述するシフト機構Cを構成するスリーブ26に連結されたものとなっている。なお、ハウジング1aの外側から前記シフト軸B41の回転角を検知する回転角センサで構成されるシフトセンサ43が設けられている。
前記セレクト用ステッピングモータ3,アクチュエータギヤ4,セレクトギヤ5,セレクト軸7,セレクトレバー10,シフト軸B41,セレクトシフトスリーブ42,セレクトセンサ8によりセレクト機構Sが構成されている。
【0010】
また、ハウジング1aにはシフト用モータ14が設けられており、このシフト用モータ14のモータ軸にはアクチュエータギヤ15が固設され、このアクチュエータギヤ15にはアクチュエータギヤ16が噛み合わされており、アクチュエータギヤ16は、ボールベアリングにより回転可能に支持された中間軸17に固設されたものであり、中間軸17の外周には、軸方向に長く形成したロングアクチュエータギヤ18がピンにより固設されている。このロングアクチュエータギヤ18にはシフトギヤ19が噛み合わされており、シフトギヤ19の内側には雌ネジ20が形成されており、また、シフトギヤ19から軸方向へ延出してスライダ21が一体状に固定されており、前記内側の雌ネジ20は雄ネジ23に螺合されたものとなっている。この雄ネジ23は、ハウジング1aに固定状に設けられたシフト軸A22にキーにより外嵌固定されており、前記シフトギヤ19がこの雄ネジ23に沿って軸方向へ移動できるように構成されている。
【0011】
また、前記シフト軸A22にはスライドキー27を介し回転不能でかつ軸方向へのみ移動可能にスリーブ26が外嵌されており、このスリーブ26は、前記スライダ21の端部とスライダベアリング25を介して連結されたものとなっている。このスリーブ26の他端部には前述した連結子28が設けられており、連結子28が前記シフトレバー13の先端部13aに連結されている。
前記シフト用モータ14,アクチュエータギヤ15,16,中間軸17,ロングアクチュエータギヤ18,シフトギヤ19,スライダ21,シフト軸A22,スリーブ26,連結子28,シフトレバー13,シフト軸B41,セレクトシフトスリーブ42,シフトセンサ43によりシフト機構Cが構成されている。
【0012】
図1のギャシフト用アクチュエータ1において、セレクト動作を行う時には、前記セレクト用ステッピングモータ3が作動されて、これによりアクチュエータギヤ4が回転し、扇形のセレクトギヤ5を介してセレクト軸7が回転方向に変位するが、これによりセレクト軸7に固定されたセレクトレバー10が揺動されて、セレクトレバー10の揺動によりセレクトシフトスリーブ42を介して前記セレクトシフトロッド2が軸方向に移動されることとなり、この時に前記セレクトセンサ8の検知信号が電子制御装置を介してセレクト用ステッピングモータ3にフィードバックされて、セレクト用ステッピングモータ3が適正に制御されて前記セレクトシフトロッド2が所定のセレクトラインに移動到達されることとなる。
【0013】
次に、シフト動作においては、シフト用モータ14が作動するとアクチュエータギヤ15,16が回転して中間軸17が回転され、これによりロングアクチュエータギヤ18が回転されるため、ロングアクチュエータギヤ18と噛み合うシフトギヤ19が回転することとなり、シフトギヤ19の内側の雌ネジ20は、シフト軸A22に固定された雄ネジ23に螺合されているため、シフトギヤ19が回転することにより雄ネジ23に沿ってシフトギヤ19は軸方向へ移動することとなり、シフトギヤ19の軸方向移動により一体化されたスライダ21が回転しながら軸方向へ移動することとなる。このスライダ21の回転はスライダベアリング25により吸収されるため、スライダ21の軸方向移動力のみがスリーブ26に伝達されてスリーブ26は軸方向へ移動し、これにより連結子28が軸方向に移動されて、シフトレバー13の先端部13aを揺動させることとなり、これによりシフト軸B41及びセレクトシフトスリーブ42を介しセレクトシフトロッド2が回転方向に変位されることとなり、この時にシフトセンサ43がシフト軸B41の回転角を検知し、検知信号が電子制御装置を介してシフト用モータ14にフィードバックさせて、シフト用モータ14を制御してセレクトシフトロッド2を所定の変位位置とさせ、これによりシフトが完了されることとなる。
【0014】
このように本例のギヤシフト用アクチュエータ1では、セレクト用ステッピングモータ3を制御し、かつシフト用モータ14を制御することにより、自動的に既存の歯車式変速機のセレクト及びシフト動作を実行させることができ、コンパクトな構造により歯車式変速機を良好に自動変速させることができるものとなる。
【0015】
なお、本例では、セレクトセンサ8とシフトセンサ43を共に回転角センサで構成し、センサの共通化が可能となり、ストロークセンサに比較して優れた信頼性が得られるものとなっている。
このように、ギヤシフト用アクチュエータ1にセレクトセンサ8とシフトセンサ43を設けて、両センサ8,43から出力される信号を電子制御装置に入力して処理することができるので、既存の歯車式変速機は何ら変更せずに、歯車式変速機は既存の小型で簡単な構造の低価格のものを使用することができ、歯車式変速機本体のセレクトシフト機構に差異があっても構造上の変更がないため、汎用性があるものとなる。
【0016】
なお、電子制御装置内には予め図3に示すような変速パターン座標が配置,記憶されており、このセレクトセンサ8のAD値とシフトセンサ43のAD値の変速パターン座標にて変速段を指示するように構成されており、セレクトセンサ43からの出力信号によるX軸のセレクトラインのAD値と、シフトセンサ43からの出力信号によるY軸のシフトラインAD値から、図3において、第1速は、X軸AD値20,Y軸AD値110であり、第5速は、X軸AD値140,Y軸AD値110となり、ニュートラル位置は各シフトラインのAD値のストロークの1/2で決められる。
【0017】
従って、この図3のような、予め電子制御装置内に配置,記憶された変速パターン座標に基づいて、セレクトセンサ8及びシフトセンサ43からのフィードバック信号により歯車式変速機の変速段の位置と動作等を検知して、電子制御装置から、現行変速段の位置と現行変速段のインジケータ表示と、目標変速段への変速終了時期の指令信号を出力して、セレクト用ステッピングモータ3及びシフト用モータ14を制御する構成となっているが、本例では、ギヤシフト用アクチュエータ1を全変速段位置にテスト作動させて、セレクトセンサ8とシフトセンサ43から歯車式変速機に対応する電気信号を発信させ、予め記憶された図3の変速パターンに歯車式変速機固有の全変速段位置を、図4のように描写・記憶させるものであり、図4において、ギザギサの波線は描写軌跡を示し、◎印は歯車式変速機固有の変速段の中央値を示す。
【0018】
即ち、図4では、◎印の中央値が、図3の予め記憶された変速パターン座標の中央値からズレて、歯車式変速機固有の値を示すものとなっており、歯車式変速機固有の全変速段位置が図4のように描写・記憶されて、その後は、この図4に描写・記憶された歯車式変速機固有の変速段中央値を基準に、図3のハッチングで示す許容範囲を加味して、固有の変速パターンを決定し、この固有の変速パターンに基づいて電子制御装置から、現行変速段の位置と現行変速段のインジケータ表示と、目標変速段への変速終了時期の指令信号が出力されるようになり、歯車式変速機固有の変速パターンに基づく制御が行われることとなるため、既存の歯車式変速機を何ら変更せずに済み、また歯車式変速機本体のセレクトシフト機構に差異があっても、構造上、変更を行うことなく良好なギヤシフト制御を行うことができるものとなる。
【0019】
なお、図3の変速パターン座標は、ギヤシフト用アクチュエータ1の実作動毎に最新状態に補正され続けるものであり、歯車式変速機とかギヤシフト用アクチュエータ1の機構の摩耗などによって変速パターンに変化が生じれば、その都度、学習制御して変速パターンを最新状態に補正して、摩耗などに対応できるように構成されており、常に最適な変速パターンで制御が行われるものである。
【0020】
【発明の効果】
本発明は、歯車式変速機から差し出されたセレクトシフトロッドを軸方向に移動させてセレクト動作を実行するセレクト機構と、該セレクトシフトロッドを軸回転させてシフト動作を実行するシフト機構と、を備えるギヤシフト用アクチュエータにおいて、前記セレクト機構は、正逆回転可能で段階的に所定の回転角度に制御可能なセレクト用ステッピングモータと、該セレクト用ステッピングモータのモータ軸に固定された第1アクチュエータギヤと、該第1アクチュエータギヤと噛み合う扇形に形成されたセレクトギヤと、該セレクトギヤが固定され回動可能に支持されたセレクト軸と、該セレクト軸の一端に固設されたセレクトレバーと、一端に該セレクトレバーが係合されるとともに他端に前記セレクトシフトロッドが連結されたセレクトシフトスリーブと、前記セレクト軸の他端に設けられて該セレクト軸の回転角度を検出するセレクトセンサと、から構成され、前記シフト機構は、シフト用モータと、該シフト用モータのモータ軸に固設された第2アクチュエータギヤと、該第2アクチュエータギヤと噛み合う第3アクチュエータギヤと軸方向に長く形成したロングアクチュエータギヤとが固設され回転可能に支持された中間軸と、該ロングアクチュエータギヤに噛み合うとともにハウジングに固定された第1シフト軸に外嵌固定された雄ネジと螺合する雌ネジが内側に形成されたシフトギヤと、該シフトギヤに一体状に固定された軸方向へ延出するスライダと、一端がスライダベアリングを介して該スライダと連結されて前記第1シフト軸に回転不能かつ軸方向へのみ移動可能に外嵌されたスリーブと、回動可能に支持されるとともに前記セレクトシフトスリーブとスプライン嵌合される第2シフト軸と、該第2シフト軸の外周に固定されたシフトレバーと、前記スリーブの他端に固定されて該シフトレバーの先端部に連結される連結子と、前記第2シフト軸の回転角度を検出するシフトセンサと、から構成され、前記ギヤシフト用アクチュエータを全変速段位置にテスト作動させて、前記セレクトセンサと前記シフトセンサとから前記歯車式変速機に対応する電気信号を発信させ、予め、電子制御装置に記憶させた変速パターンに、前記歯車式変速機固有の全変速段位置を描写・記憶させることによって、該描写・記憶させた変速パターンに基づき、前記電子制御装置から、現行変速段の位置と、現行変速段のインジケータ表示と、目標変速段への変速終了時期とを指令する各電気信号を出力できるようにしたため、コンパクトな構造により歯車式変速機を良好に自動変速させることができるとともに、センサの共通化が可能となり、さらにはセンサの信頼性向上を図ることができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 既存の歯車式変速機を自動変速するためのギヤシフト用アクチュエータの断面構成図である。
【図2】 図1のA−A線断面構成図である。
【図3】 予め、電子制御装置に記憶させた変速パターン座標図である。
【図4】 テスト作動によって電子制御装置内に描写・記憶された歯車式変速機固有の変速パターン座標図である。
【図5】 セレクトラインの概略図である。
【図6】 シフトラインの概略図である。
【図7】 従来の歯車式変速機内にポジションスイッチを複数設けた要部分解斜視図である。
【図8】 図7のB−B線断面構成図である。
【符号の説明】
1 ギヤシフト用アクチュエータ
1a ハウジング
2 セレクトシフトロッド
3 セレクト用ステッピングモータ
4 アクチュエータギヤ
5 セレクトギヤ
7 セレクト軸
8 セレクトセンサ
10 セレクトレバー
10a 先端部
11 ボールベアリング
13 シフトレバー
13a 先端部
14 シフトモータ
15,16 アクチュエータギヤ
17 中間軸
18 ロングアクチュエータギヤ
19 シフトギヤ
20 雌ネジ
21 スライダ
22 シフト軸A
23 雄ネジ
24 平軸受
25 スライダベアリング
26 スリーブ
27 スライドキー
28 連結子
41 シフト軸B
42 セレクトシフトスリーブ
42a 係合溝
43 シフトセンサ
45 平軸受
【産業上の利用分野】
この発明は、エンジンの動力を歯車式変速機に伝達するクラッチを断続するクラッチ用アクチュエータと、歯車式変速機をギヤシフトするギヤシフト用アクチュエータと、エンジンのスロットル開度を開閉するスロットル用アクチュエータとを、電子制御装置の電気信号によって自動制御して変速運転する自動車用歯車式変速機の変速段位置検知制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
従来、例えば前進5段、後退1段の歯車式変速機は、図5に概略図で示すように、第1速と第2速、第3速と第4速、第5速と後退の3列のセレクトラインと、図6に概略図で示すように、前記組み合わせの中間にニュートラルN(中立)を有するシフトラインがあり、図7において要部分解斜視図で、また図8において図7のB−B線断面図で示すように、歯車式変速機71内に設けられるセレクトシフトロッド72にはスイッチ用カム73a,73b,73cが形成されており、セレクトシフトレバー74がセレクトシフトロッド72から垂設されて、このセレクトシフトレバー74が嵌まり込む、シフトフォーク76を有する3列のフォークロッド75a,75b,75cが配設されており、図8に示すように、前記セレクトシフトロッド72が回動してセレクトシフトレバー74が何れかのフォークロッド75a,75b,75cに係合されてセレクト動作が実行され、その後、セレクトシフトロッド72が軸方向へ移動して、シフト動作が行われるように構成されており、図7には軸方向へのシフトラインCと、回転方向のセレクトラインSを示しており、前記3列のセレクトラインをそれぞれ検知するために3個のポジションスイッチSW1,SW2,SW3が図8に示すように配置されており、SW1は1速,2速用のセレクトライン検知用ギヤポジションスイッチであり、SW2は3速,4速用のセレクトライン検知用ギヤポジションスイッチであり、SW3は5速,R用のセレクトライン検知用ギヤポジションスイッチである。
【0003】
また、シフトラインの両端をそれぞれ検知する2個のギヤポジションスイッチSW4,SW5が図7に示すように、前記セレクトシフトロッド72のスイッチ用カム73c,73aの位置に配置されており、中間を検知するニュートラルスイッチNSWも配置されて、これらは歯車式変速機71の本体内に内蔵され、セレクトシフトロッド72のスイッチ用カム73a,73b,73cの位置で加圧接触し、セレクトシフトロッド72の作動に連動してON,OFF作動するように設けられており、歯車式変速機71の変速段の位置と動作をこれらの各ギヤポジションスイッチにより検知し、各ギヤポジションスイッチからの信号が電子制御装置にフィードバックされて、その後、電子制御装置から、現行変速段の位置と現行変速段のインジケータ表示と、目標変速段への変速終了時期とを指令する各電気信号を出力していた。
【0004】
しかし、このような変速段位置検知制御方法では、加圧式接点を有するギヤポジションスイッチ(SW1〜SW5)5個とニュートラルスイッチ(NSW)1個とを必要とするため、歯車式変速機71の本体が比較的大型で複雑となり、高価なものとなっていた。また、各ギヤポジションスイッチを設置するため、既存の歯車式変速機を変更する必要があり、著しく汎用性を損ねていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記従来の問題点に鑑み案出したものであって、歯車式変速機本体内にギヤポジションスイッチを設置する必要がなく、歯車式変速機本体は既存のものを使用できる歯車式変速機の変速段位置検知制御方法を提供せんことを目的とし、その要旨は、歯車式変速機から差し出されたセレクトシフトロッドを軸方向に移動させてセレクト動作を実行するセレクト機構と、該セレクトシフトロッドを軸回転させてシフト動作を実行するシフト機構と、を備えるギヤシフト用アクチュエータにおいて、前記セレクト機構は、正逆回転可能で段階的に所定の回転角度に制御可能なセレクト用ステッピングモータと、該セレクト用ステッピングモータのモータ軸に固定された第1アクチュエータギヤと、該第1アクチュエータギヤと噛み合う扇形に形成されたセレクトギヤと、該セレクトギヤが固定され回動可能に支持されたセレクト軸と、該セレクト軸の一端に固設されたセレクトレバーと、一端に該セレクトレバーが係合されるとともに他端に前記セレクトシフトロッドが連結されたセレクトシフトスリーブと、前記セレクト軸の他端に設けられて該セレクト軸の回転角度を検出するセレクトセンサと、から構成され、前記シフト機構は、シフト用モータと、該シフト用モータのモータ軸に固設された第2アクチュエータギヤと、該第2アクチュエータギヤと噛み合う第3アクチュエータギヤと軸方向に長く形成したロングアクチュエータギヤとが固設され回転可能に支持された中間軸と、該ロングアクチュエータギヤに噛み合うとともにハウジングに固定された第1シフト軸に外嵌固定された雄ネジと螺合する雌ネジが内側に形成されたシフトギヤと、該シフトギヤに一体状に固定された軸方向へ延出するスライダと、一端がスライダベアリングを介して該スライダと連結されて前記第1シフト軸に回転不能かつ軸方向へのみ移動可能に外嵌されたスリーブと、回動可能に支持されるとともに前記セレクトシフトスリーブとスプライン嵌合される第2シフト軸と、該第2シフト軸の外周に固定されたシフトレバーと、前記スリーブの他端に固定されて該シフトレバーの先端部に連結される連結子と、前記第2シフト軸の回転角度を検出するシ フトセンサと、から構成され、前記ギヤシフト用アクチュエータを全変速段位置にテスト作動させて、前記セレクトセンサと前記シフトセンサとから前記歯車式変速機に対応する電気信号を発信させ、予め、電子制御装置に記憶させた変速パターンに、前記歯車式変速機固有の全変速段位置を描写・記憶させることによって、該描写・記憶させた変速パターンに基づき、前記電子制御装置から、現行変速段の位置と、現行変速段のインジケータ表示と、目標変速段への変速終了時期とを指令する各電気信号を出力できるようにしたことである。
【0006】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、既存の歯車式変速機に接続されるギヤシフト用アクチュエータの断面構成図であり、また図2は、図1におけるA−A線断面図である。
ギヤシフト用アクチュエータ1は、図示しない既存の歯車式変速機を変速操作するために既存の歯車式変速機から外方向へ延出されたセレクトシフトロッド2に連結されて、このセレクトシフトロッド2を軸方向に移動させて歯車式変速機をセレクトし、セレクトシフトロッド2を軸回転方向に回動させて、歯車式変速機内のギヤのシフトを自動的に行うように構成したものである。
【0007】
なお、発明者らは、既存の歯車式変速機のセレクトシフトロッドに連結して、歯車式変速機をセレクト及びシフト動作させるギヤシフト用アクチュエータとして、既に特願平9−235413号及び特願平9−235414号のような構造のものを出願しており、この既出願のギヤシフト用アクチュエータでは、セレクト位置を検知するセレクトセンサが、回転角センサで構成され、シフト位置を検知するシフトセンサが、軸方向のストロークを検知するストロークセンサで構成されたものであり、セレクトセンサ及びシフトセンサからの検知信号が電子制御装置に入力されるように構成されているが、本願では、新たにセレクトセンサとシフトセンサとが共に回転角センサで構成されるギヤシフト用アクチュエータ1の構造を図1及び図2に例示している。
【0008】
図1のギヤシフト用アクチュエータ1はハウジング1aで外周が包囲されており、図示上方にはセレクト用ステッピングモータ3が配設されており、このセレクト用ステッピングモータ3は正逆回転可能で段階的に所定の回転角度に制御可能なものであり、このセレクト用ステッピングモータ3のモータ軸にはアクチュエータギヤ4が固定されており、このアクチュエータギヤ4には扇形に形成したセレクトギヤ5が噛み合わされ、セレクトギヤ5は固定ピン6によりセレクト軸7に固定されたものとなっており、セレクト軸7の上端には、セレクト軸7の回動角度を検出する回転角センサで構成されるセレクトセンサ8が設けられている。また、セレクト軸7の図示下端には固定ピン9を介しセレクトレバー10が固設されており、セレクト軸7はボールベアリング11により回動可能に支持されている。
【0009】
前記セレクトレバー10はその先端が延出されて、先端部10aは、図2の図1におけるA−A線断面図で示すように、ハウジング1aに嵌め込まれて固定された平軸受45に、回転可能で、かつ軸方向への移動可能に内挿されたセレクトシフトスリーブ42の外周に形成された係合溝42a内に係合されており、セレクトシフトスリーブ42の他端はハウジング1aから外方向へ突出されて、固定ピン44を介して図示しない既存の歯車式変速機から外方向へ差し出されたセレクトシフトロッド2に連結されるものであり、このセレクトシフトロッド2と同軸状に、セレクトシフトスリーブ42内にはシフト軸B41が内装され、このシフト軸B41の外周に形成されたスプライン41aがセレクトシフトスリーブ42の内周に形成されたスプラインと係合されて、シフト軸B41に対しセレクトシフトスリーブ42が軸方向へ移動可能となっており、シフト軸B41はベアリング46に支持されて回動可能にハウジング1a内に取り付けられており、このシフト軸B41の外周に、固定ピン12を介してシフトレバー13が固定されており、このシフトレバー13の先端部13aに連結子28が連結されたものとなっており、この連結子28は後述するシフト機構Cを構成するスリーブ26に連結されたものとなっている。なお、ハウジング1aの外側から前記シフト軸B41の回転角を検知する回転角センサで構成されるシフトセンサ43が設けられている。
前記セレクト用ステッピングモータ3,アクチュエータギヤ4,セレクトギヤ5,セレクト軸7,セレクトレバー10,シフト軸B41,セレクトシフトスリーブ42,セレクトセンサ8によりセレクト機構Sが構成されている。
【0010】
また、ハウジング1aにはシフト用モータ14が設けられており、このシフト用モータ14のモータ軸にはアクチュエータギヤ15が固設され、このアクチュエータギヤ15にはアクチュエータギヤ16が噛み合わされており、アクチュエータギヤ16は、ボールベアリングにより回転可能に支持された中間軸17に固設されたものであり、中間軸17の外周には、軸方向に長く形成したロングアクチュエータギヤ18がピンにより固設されている。このロングアクチュエータギヤ18にはシフトギヤ19が噛み合わされており、シフトギヤ19の内側には雌ネジ20が形成されており、また、シフトギヤ19から軸方向へ延出してスライダ21が一体状に固定されており、前記内側の雌ネジ20は雄ネジ23に螺合されたものとなっている。この雄ネジ23は、ハウジング1aに固定状に設けられたシフト軸A22にキーにより外嵌固定されており、前記シフトギヤ19がこの雄ネジ23に沿って軸方向へ移動できるように構成されている。
【0011】
また、前記シフト軸A22にはスライドキー27を介し回転不能でかつ軸方向へのみ移動可能にスリーブ26が外嵌されており、このスリーブ26は、前記スライダ21の端部とスライダベアリング25を介して連結されたものとなっている。このスリーブ26の他端部には前述した連結子28が設けられており、連結子28が前記シフトレバー13の先端部13aに連結されている。
前記シフト用モータ14,アクチュエータギヤ15,16,中間軸17,ロングアクチュエータギヤ18,シフトギヤ19,スライダ21,シフト軸A22,スリーブ26,連結子28,シフトレバー13,シフト軸B41,セレクトシフトスリーブ42,シフトセンサ43によりシフト機構Cが構成されている。
【0012】
図1のギャシフト用アクチュエータ1において、セレクト動作を行う時には、前記セレクト用ステッピングモータ3が作動されて、これによりアクチュエータギヤ4が回転し、扇形のセレクトギヤ5を介してセレクト軸7が回転方向に変位するが、これによりセレクト軸7に固定されたセレクトレバー10が揺動されて、セレクトレバー10の揺動によりセレクトシフトスリーブ42を介して前記セレクトシフトロッド2が軸方向に移動されることとなり、この時に前記セレクトセンサ8の検知信号が電子制御装置を介してセレクト用ステッピングモータ3にフィードバックされて、セレクト用ステッピングモータ3が適正に制御されて前記セレクトシフトロッド2が所定のセレクトラインに移動到達されることとなる。
【0013】
次に、シフト動作においては、シフト用モータ14が作動するとアクチュエータギヤ15,16が回転して中間軸17が回転され、これによりロングアクチュエータギヤ18が回転されるため、ロングアクチュエータギヤ18と噛み合うシフトギヤ19が回転することとなり、シフトギヤ19の内側の雌ネジ20は、シフト軸A22に固定された雄ネジ23に螺合されているため、シフトギヤ19が回転することにより雄ネジ23に沿ってシフトギヤ19は軸方向へ移動することとなり、シフトギヤ19の軸方向移動により一体化されたスライダ21が回転しながら軸方向へ移動することとなる。このスライダ21の回転はスライダベアリング25により吸収されるため、スライダ21の軸方向移動力のみがスリーブ26に伝達されてスリーブ26は軸方向へ移動し、これにより連結子28が軸方向に移動されて、シフトレバー13の先端部13aを揺動させることとなり、これによりシフト軸B41及びセレクトシフトスリーブ42を介しセレクトシフトロッド2が回転方向に変位されることとなり、この時にシフトセンサ43がシフト軸B41の回転角を検知し、検知信号が電子制御装置を介してシフト用モータ14にフィードバックさせて、シフト用モータ14を制御してセレクトシフトロッド2を所定の変位位置とさせ、これによりシフトが完了されることとなる。
【0014】
このように本例のギヤシフト用アクチュエータ1では、セレクト用ステッピングモータ3を制御し、かつシフト用モータ14を制御することにより、自動的に既存の歯車式変速機のセレクト及びシフト動作を実行させることができ、コンパクトな構造により歯車式変速機を良好に自動変速させることができるものとなる。
【0015】
なお、本例では、セレクトセンサ8とシフトセンサ43を共に回転角センサで構成し、センサの共通化が可能となり、ストロークセンサに比較して優れた信頼性が得られるものとなっている。
このように、ギヤシフト用アクチュエータ1にセレクトセンサ8とシフトセンサ43を設けて、両センサ8,43から出力される信号を電子制御装置に入力して処理することができるので、既存の歯車式変速機は何ら変更せずに、歯車式変速機は既存の小型で簡単な構造の低価格のものを使用することができ、歯車式変速機本体のセレクトシフト機構に差異があっても構造上の変更がないため、汎用性があるものとなる。
【0016】
なお、電子制御装置内には予め図3に示すような変速パターン座標が配置,記憶されており、このセレクトセンサ8のAD値とシフトセンサ43のAD値の変速パターン座標にて変速段を指示するように構成されており、セレクトセンサ43からの出力信号によるX軸のセレクトラインのAD値と、シフトセンサ43からの出力信号によるY軸のシフトラインAD値から、図3において、第1速は、X軸AD値20,Y軸AD値110であり、第5速は、X軸AD値140,Y軸AD値110となり、ニュートラル位置は各シフトラインのAD値のストロークの1/2で決められる。
【0017】
従って、この図3のような、予め電子制御装置内に配置,記憶された変速パターン座標に基づいて、セレクトセンサ8及びシフトセンサ43からのフィードバック信号により歯車式変速機の変速段の位置と動作等を検知して、電子制御装置から、現行変速段の位置と現行変速段のインジケータ表示と、目標変速段への変速終了時期の指令信号を出力して、セレクト用ステッピングモータ3及びシフト用モータ14を制御する構成となっているが、本例では、ギヤシフト用アクチュエータ1を全変速段位置にテスト作動させて、セレクトセンサ8とシフトセンサ43から歯車式変速機に対応する電気信号を発信させ、予め記憶された図3の変速パターンに歯車式変速機固有の全変速段位置を、図4のように描写・記憶させるものであり、図4において、ギザギサの波線は描写軌跡を示し、◎印は歯車式変速機固有の変速段の中央値を示す。
【0018】
即ち、図4では、◎印の中央値が、図3の予め記憶された変速パターン座標の中央値からズレて、歯車式変速機固有の値を示すものとなっており、歯車式変速機固有の全変速段位置が図4のように描写・記憶されて、その後は、この図4に描写・記憶された歯車式変速機固有の変速段中央値を基準に、図3のハッチングで示す許容範囲を加味して、固有の変速パターンを決定し、この固有の変速パターンに基づいて電子制御装置から、現行変速段の位置と現行変速段のインジケータ表示と、目標変速段への変速終了時期の指令信号が出力されるようになり、歯車式変速機固有の変速パターンに基づく制御が行われることとなるため、既存の歯車式変速機を何ら変更せずに済み、また歯車式変速機本体のセレクトシフト機構に差異があっても、構造上、変更を行うことなく良好なギヤシフト制御を行うことができるものとなる。
【0019】
なお、図3の変速パターン座標は、ギヤシフト用アクチュエータ1の実作動毎に最新状態に補正され続けるものであり、歯車式変速機とかギヤシフト用アクチュエータ1の機構の摩耗などによって変速パターンに変化が生じれば、その都度、学習制御して変速パターンを最新状態に補正して、摩耗などに対応できるように構成されており、常に最適な変速パターンで制御が行われるものである。
【0020】
【発明の効果】
本発明は、歯車式変速機から差し出されたセレクトシフトロッドを軸方向に移動させてセレクト動作を実行するセレクト機構と、該セレクトシフトロッドを軸回転させてシフト動作を実行するシフト機構と、を備えるギヤシフト用アクチュエータにおいて、前記セレクト機構は、正逆回転可能で段階的に所定の回転角度に制御可能なセレクト用ステッピングモータと、該セレクト用ステッピングモータのモータ軸に固定された第1アクチュエータギヤと、該第1アクチュエータギヤと噛み合う扇形に形成されたセレクトギヤと、該セレクトギヤが固定され回動可能に支持されたセレクト軸と、該セレクト軸の一端に固設されたセレクトレバーと、一端に該セレクトレバーが係合されるとともに他端に前記セレクトシフトロッドが連結されたセレクトシフトスリーブと、前記セレクト軸の他端に設けられて該セレクト軸の回転角度を検出するセレクトセンサと、から構成され、前記シフト機構は、シフト用モータと、該シフト用モータのモータ軸に固設された第2アクチュエータギヤと、該第2アクチュエータギヤと噛み合う第3アクチュエータギヤと軸方向に長く形成したロングアクチュエータギヤとが固設され回転可能に支持された中間軸と、該ロングアクチュエータギヤに噛み合うとともにハウジングに固定された第1シフト軸に外嵌固定された雄ネジと螺合する雌ネジが内側に形成されたシフトギヤと、該シフトギヤに一体状に固定された軸方向へ延出するスライダと、一端がスライダベアリングを介して該スライダと連結されて前記第1シフト軸に回転不能かつ軸方向へのみ移動可能に外嵌されたスリーブと、回動可能に支持されるとともに前記セレクトシフトスリーブとスプライン嵌合される第2シフト軸と、該第2シフト軸の外周に固定されたシフトレバーと、前記スリーブの他端に固定されて該シフトレバーの先端部に連結される連結子と、前記第2シフト軸の回転角度を検出するシフトセンサと、から構成され、前記ギヤシフト用アクチュエータを全変速段位置にテスト作動させて、前記セレクトセンサと前記シフトセンサとから前記歯車式変速機に対応する電気信号を発信させ、予め、電子制御装置に記憶させた変速パターンに、前記歯車式変速機固有の全変速段位置を描写・記憶させることによって、該描写・記憶させた変速パターンに基づき、前記電子制御装置から、現行変速段の位置と、現行変速段のインジケータ表示と、目標変速段への変速終了時期とを指令する各電気信号を出力できるようにしたため、コンパクトな構造により歯車式変速機を良好に自動変速させることができるとともに、センサの共通化が可能となり、さらにはセンサの信頼性向上を図ることができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 既存の歯車式変速機を自動変速するためのギヤシフト用アクチュエータの断面構成図である。
【図2】 図1のA−A線断面構成図である。
【図3】 予め、電子制御装置に記憶させた変速パターン座標図である。
【図4】 テスト作動によって電子制御装置内に描写・記憶された歯車式変速機固有の変速パターン座標図である。
【図5】 セレクトラインの概略図である。
【図6】 シフトラインの概略図である。
【図7】 従来の歯車式変速機内にポジションスイッチを複数設けた要部分解斜視図である。
【図8】 図7のB−B線断面構成図である。
【符号の説明】
1 ギヤシフト用アクチュエータ
1a ハウジング
2 セレクトシフトロッド
3 セレクト用ステッピングモータ
4 アクチュエータギヤ
5 セレクトギヤ
7 セレクト軸
8 セレクトセンサ
10 セレクトレバー
10a 先端部
11 ボールベアリング
13 シフトレバー
13a 先端部
14 シフトモータ
15,16 アクチュエータギヤ
17 中間軸
18 ロングアクチュエータギヤ
19 シフトギヤ
20 雌ネジ
21 スライダ
22 シフト軸A
23 雄ネジ
24 平軸受
25 スライダベアリング
26 スリーブ
27 スライドキー
28 連結子
41 シフト軸B
42 セレクトシフトスリーブ
42a 係合溝
43 シフトセンサ
45 平軸受
Claims (1)
- 歯車式変速機から差し出されたセレクトシフトロッドを軸方向に移動させてセレクト動作を実行するセレクト機構と、該セレクトシフトロッドを軸回転させてシフト動作を実行するシフト機構と、を備えるギヤシフト用アクチュエータにおいて、
前記セレクト機構は、正逆回転可能で段階的に所定の回転角度に制御可能なセレクト用ステッピングモータと、該セレクト用ステッピングモータのモータ軸に固定された第1アクチュエータギヤと、該第1アクチュエータギヤと噛み合う扇形に形成されたセレクトギヤと、該セレクトギヤが固定され回動可能に支持されたセレクト軸と、該セレクト軸の一端に固設されたセレクトレバーと、一端に該セレクトレバーが係合されるとともに他端に前記セレクトシフトロッドが連結されたセレクトシフトスリーブと、前記セレクト軸の他端に設けられて該セレクト軸の回転角度を検出するセレクトセンサと、から構成され、
前記シフト機構は、シフト用モータと、該シフト用モータのモータ軸に固設された第2アクチュエータギヤと、該第2アクチュエータギヤと噛み合う第3アクチュエータギヤと軸方向に長く形成したロングアクチュエータギヤとが固設され回転可能に支持された中間軸と、該ロングアクチュエータギヤに噛み合うとともにハウジングに固定された第1シフト軸に外嵌固定された雄ネジと螺合する雌ネジが内側に形成されたシフトギヤと、該シフトギヤに一体状に固定された軸方向へ延出するスライダと、一端がスライダベアリングを介して該スライダと連結されて前記第1シフト軸に回転不能かつ軸方向へのみ移動可能に外嵌されたスリーブと、回動可能に支持されるとともに前記セレクトシフトスリーブとスプライン嵌合される第2シフト軸と、該第2シフト軸の外周に固定されたシフトレバーと、前記スリーブの他端に固定されて該シフトレバーの先端部に連結される連結子と、前記第2シフト軸の回転角度を検出するシフトセンサと、から構成され、
前記ギヤシフト用アクチュエータを全変速段位置にテスト作動させて、前記セレクトセンサと前記シフトセンサとから前記歯車式変速機に対応する電気信号を発信させ、予め、電子制御装置に記憶させた変速パターンに、前記歯車式変速機固有の全変速段位置を描写・記憶させることによって、該描写・記憶させた変速パターンに基づき、前記電子制御装置から、現行変速段の位置と、現行変速段のインジケータ表示と、目標変速段への変速終了時期とを指令する各電気信号を出力できるようにしたことを特徴とする歯車式変速機の変速段位置検知制御方法。
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