JP3681986B2 - 測角装置及び測角方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、低仰角目標に対し、地面または海面からの反射波があるマルチパス環境下で、レーダ等、特にモノパルスアンテナで低仰角目標を測角する測角装置及び測角方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
仰角など電波の入射角を高精度に計測する従来技術として、例えば、公知文献『G.W.Stimson,'Introduction To Airborn RADAR (Second edition),'pp102-104, Scitech Inc.』などに開示されているモノパルス法がある。
【0003】
まず、従来のモノパルス法を用いた測角装置(モノパルスレーダ)について図面を参照しながら説明する。図9は、従来のモノパルス法を用いた測角装置(モノパルスレーダ)の基本構成を示す図である。
【0004】
図9において、1はモノパルスアンテナ、2a及び2bはモノパルスアンテナ1を構成する一対の素子アンテナ(実際には放射器)、10は素子アンテナ2a、2bのアナログ受信信号を入力し、それらの和信号Σと差信号Δを出力するハイブリッド、4a及び4bは受信機、5a及び5bは各素子アンテナ2a、2bの受信信号をディジタル信号に変換するA/D変換器、11は差信号Δを和信号Σで規格化した偏差信号Δ/Σから入射角を求める角度偏差検出手段、9は推定入射角の表示手段である。
【0005】
モノパルス法の動作には、振幅比較によるものと、位相比較によるものがあるが、ここでは原理を簡単に説明するため後者の位相比較によるものである図10の構成について説明する。
【0006】
図10において、20は素子アンテナ2a、2bのディジタル受信信号x1、x2を入力する位相比較手段である。
【0007】
目標からの反射エコーで角度θ1から入射する電波(直接波S1)は、素子アンテナ2a、2bで受信され、受信機4a、4bで増幅、ダウンコンバート、位相検波され、それぞれ複素ディジタル受信信号x1、x2が得られる。ノイズを無視し素子アンテナ2aの受信信号を基準に考えると、各受信信号は、次の式(1)及び(2)と表すことができる。
【0008】
【数1】
【0009】
ここで、g1(θ)、g2(θ)は、それぞれ素子アンテナ2a、2bの振幅/位相についての指向性を表す複素ゲイン関数で、g1(θ)=g2(θ)もしくは既知のものである。また、d12は素子アンテナ2a、2bの間の(位相中心の)距離、λは電波の波長、iはディジタル信号の時間を意味するサンプル番号である。
【0010】
位相比較手段20は、受信信号x1、x2の位相を比較することにより電波の入射角θ1を推定する。例えば、上記の式(1)、(2)より、次の式(3)なる演算を行えば、入射角θ1が算出される。
【0011】
【数2】
【0012】
推定入射角(^)θ1は、表示手段9で表示される。なお、(^)はθの上部に^が付くことを表す。
【0013】
より一般的な図9の構成では、受信信号の差信号Δを和信号Σで規格化した偏差信号Δ/Σからモノパルスアンテナ1の正面を基準とした入射波の角度を推定するが、図10の原理と同様である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来のモノパルスレーダで海面もしくは地表面近くを飛翔する低高度目標の仰角を測定する際には、海面もしくは地表面からのマルチパス反射波s2がアンテナに入射するために仰角の推定精度が劣悪になってしまうという問題点があった。
【0015】
すなわち、マルチパス反射波s2が存在する場合、上記の式(3)に基づいて仰角を推定すると、複素ディジタル受信信号x1、x2を表した上記の式(1)、(2)に反射波s2の成分が加わるために大きな誤差を生じてしまう。
【0016】
また、素子アンテナ2a(または2b)の位相中心において、目標エコーの直接波成分と反射波成分が等振幅かつ逆相(位相差180deg)になり、受信信号x1(またはx2)の電力レベルがノイズレベル以下になり仰角推定が不能になり、目標捕捉がはずれてしまう場合もある。
【0017】
モノパルスアンテナ1自体のビームを目標仰角よりさらに上方に向けることによりマルチパス反射波方向の振幅ゲインを下げて、反射波の干渉を小さくする方法もあるが、直接波の受信電力も同時に低下するため、遠方目標やレーダ反射能率(反射断面積)の小さな目標に対する仰角推定精度が低下するという根本的な問題点がある。加えて、この方法でも、反射波の干渉を完全に抑圧することにはならないので、仰角推定精度の低下は避けられない。
【0018】
上記問題点は、偏差信号Δ/Σからアンテナ1の正面を基準とした入射波の角度を推定する図9の従来のモノパルスレーダの基本構成でも、偏差信号がマルチパス反射波の干渉により誤差を受けるので、同様に起こる。
【0019】
この発明は、前述した問題点を解決するためになされたもので、海面もしくは地表面からのマルチパス反射波の干渉がある場合に、仰角推定結果をより正確にすることができる測角装置及び測角方法を得ることを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係る測角装置は、第1及び第2の素子アンテナを有し、目標からの直接波及びマルチパス反射波を受信するモノパルスアンテナと、前記第1の素子アンテナにより受信された直接波及びマルチパス反射波を増幅、ダウンコンバート、位相検波して第1の受信信号を得る第1の受信機と、前記第2の素子アンテナにより受信された直接波及びマルチパス反射波を増幅、ダウンコンバート、位相検波して第2の受信信号を得る第2の受信機と、前記モノパルスアンテナとは別の場所に設置され、前記目標からの直接波及びマルチパス反射波を受信する補助アンテナと、前記補助アンテナにより受信された直接波及びマルチパス反射波を増幅、ダウンコンバート、位相検波して第3の受信信号を得る第3の受信機と、前記第1の受信信号をディジタル信号に変換する第1のA/D変換器と、前記第2の受信信号をディジタル信号に変換する第2のA/D変換器と、前記第3の受信信号をディジタル信号に変換する第3のA/D変換器と、ディジタル信号にそれぞれ変換された前記第1、第2及び第3の受信信号に基いて受信信号共分散行列を算出する共分散行列算出手段と、前記受信信号共分散行列を用い最尤推定法に基いて前記直接波及びマルチパス反射波の第1及び第2の入射角を推定する入射角推定手段と、前記入射角推定手段が出力した過去の第1及び第2の入射角推定値に基いて追尾アルゴリズムに則って現在の第1及び第2の入射角予測値を予測する追尾フィルタと、前記追尾フィルタからの現在の第1及び第2の入射角予測値の内、大きい方の角度を目標仰角として表示する表示手段とを備え、前記入射角推定手段は、前記追尾フィルタが出力した現在の第1及び第2の入射角予測値の近傍の角度範囲において前記最尤推定法の評価関数を算出し、前記評価関数が最大となる角度から前記第1及び第2の入射角を推定するものである。
【0030】
この発明の請求項2に係る測角方法は、第1及び第2の素子アンテナを有するモノパルスアンテナにより目標からの直接波及びマルチパス反射波を受信するステップと、前記第1の素子アンテナにより受信された直接波及びマルチパス反射波を、第1の受信機により増幅、ダウンコンバート、位相検波して第1の受信信号を得るステップと、前記第2の素子アンテナにより受信された直接波及びマルチパス反射波を、第2の受信機により増幅、ダウンコンバート、位相検波して第2の受信信号を得るステップと、前記モノパルスアンテナとは別の場所に設置された補助アンテナにより前記目標からの直接波及びマルチパス反射波を受信するステップと、前記補助アンテナにより受信された直接波及びマルチパス反射波を、第3の受信機により増幅、ダウンコンバート、位相検波して第3の受信信号を得るステップと、前記第1の受信信号を、第1のA/D変換器によりディジタル信号に変換するステップと、前記第2の受信信号を、第2のA/D変換器によりディジタル信号に変換するステップと、前記第3の受信信号を、第3のA/D変換器によりディジタル信号に変換するステップと、ディジタル信号にそれぞれ変換された前記第1、第2及び第3の受信信号に基いて受信信号共分散行列を算出するステップと、前記受信信号共分散行列を用い最尤推定法に基いて前記直接波及びマルチパス反射波の第1及び第2の入射角を推定するステップと、前記入射角を推定するステップからの過去の第1及び第2の入射角推定値に基いて追尾フィルタの追尾アルゴリズムにより現在の第1及び第2の入射角予測値を予測するステップと、前記追尾フィルタからの現在の第1及び第2の入射角予測値の内、大きい方の角度を目標仰角として表示するステップとを含み、前記入射角を推定するステップは、前記追尾フィルタが出力した現在の第1及び第2の入射角予測値の近傍の角度範囲において前記最尤推定法の評価関数を算出し、前記評価関数が最大となる角度から前記第1及び第2の入射角を推定するものである。
【0040】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係る測角装置について図面を参照しながら説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係る測角装置の構成を示す図である。なお、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0041】
図1において、1はモノパルスアンテナ(第1のアンテナ)、2a及び2bはモノパルスアンテナ1を構成する一対の素子アンテナ(実際には放射器)、3は補助アンテナ(第2のアンテナ)、4a、4b及び4cは受信機、5a、5b及び5cは各アンテナ2a、2b、3の受信信号をディジタル信号に変換するA/D変換器、6は共分散行列算出手段、7は入射角推定手段、8は追尾フィルタ(フィルタ手段)、9は表示手段である。
【0042】
図2は、補助アンテナ3の設置例を示すアンテナ形状の正面図である。
【0043】
つぎに、この実施の形態1に係る測角装置の動作について図面を参照しながら説明する。
【0044】
角度θ2から入射するマルチパス反射波s2も存在する際の各素子アンテナ2a、2b、および素子アンテナ3の受信信号x1、x2、x3は、それぞれ次の式(4)、(5)、(6)で表わすことができる。
【0045】
【数3】
【0046】
ここで、n1、n2、n3はそれぞれ受信機4a、4b、4cで発生する受信機ノイズ、g3(θ)は素子アンテナ3の複素ゲイン関数、d13は素子アンテナ2aと素子アンテナ3の間距離である。なお、ここでは簡単のため素子アンテナ3の位置を素子アンテナ2a、2bを結ぶ線の延長においたが、一般に素子アンテナ3は既知であれば任意の位置に設置することができる。上記受信信号x1、x2、x3を要素とする受信信号ベクトルxを次の式(7)のように定義する。なお、例えば、ベクトルxは数式中ではxの太字で表し、また、文中でxをベクトルと言っていない例えばx1はスカラ量である。
【0047】
【数4】
【0048】
ここで、Tは転置を表す。受信信号ベクトルは、上記の式(4)、(5)、(6)より次の式(8)のように表わすことができる。
【0049】
【数5】
【0050】
特に、上記の式(10)に定義されたa(θ)をステアリングベクトル、上記の式(12)に定義されたn(i)をノイズベクトルと呼ぶ。
【0051】
受信信号x1、x2、x3は、共分散行列算出手段6に入力され、この共分散行列算出手段6は、その第(m,n)要素が受信信号xmとxnの相関関数である受信信号共分散行列Rを出力する。共分散行列Rは、受信信号ベクトルxを用いて次の式(13)のように定義することができる。
【0052】
【数6】
【0053】
ここに、Hは共役転置、<*>はサンプルiについての平均操作を意味する。
【0054】
入射角推定手段7は、公知文献『Ziskind, Wax, "Maximum Likelihood Localization of Multiple Sources by Alternating Projection," IEEE Trans. on Acoustics Speech and Signal Processing, Vol.36, No.10, pp.1553-1560, 1988』等に開示されているアレーアンテナを用いた最尤(さいゆう)推定測角法を適用することによって、直接波およびマルチパス反射波の入射角θ1、θ2を推定する。
【0055】
その原理を以下に概説する。上記の式(4)、(5)、(6)中の受信機ノイズn1、n2、n3は、平均0で分散がσ2の定常ガウス性白色雑音とみなすことができる。このとき、時刻iにノイズベクトルがn(i)となる確率密度関数p(n(i))は、次の式(14)で与えられる。
【0056】
【数7】
【0057】
一方、上記の式(14)に、上記の式(8)を用いて変形すると、時刻i=1,2,・・・,Nに受信信号ベクトルが、x(1)、x(2)、・・・、x(N)と観測される結合確率密度関数(尤度)は、次の式(15)で与えられる。
【0058】
【数8】
【0059】
入射角推定手段7は、基本的に、入射角(θ1,θ2)をパラメータ((^)θ1,(^)θ2)と考え、上記の式(15)で与えられる尤度を最大にするパラメータ((^)θ1,(^)θ2)から入射角を推定するものである。尤度pの最大化は、その導出が上記公知文献に示されているように、次の式(16)の評価関数PMLの最大化と等価となる。
【0060】
【数9】
【0061】
ここで、A+はAに対する疑似逆行列である。すなわち、上記の式(16)の評価関数PML((^)θ1,(^)θ2)が最大値となる角度変数の組み合わせ((^)θ1,(^)θ2)を求めれば、これが直接波と反射波の入射角として最も確からしい推定値になる。一般に、直接波とマルチパス反射波の間には強い相関があるが、上記入射角の推定は入射波の相関によらず成立することに注意する必要がある。
【0062】
入射角推定手段7は、角度変数((^)θ1,(^)θ2)のすべての組み合わせに対して評価関数PML((^)θ1,(^)θ2)を算出し、このPML((^)θ1,(^)θ2)が最大値となる((^)θ1,(^)θ2)を捜索してこれを入射角推定値として表示手段9に出力すればよいが、この方法では演算負荷が大きくリアルタイム処理が難しい。
【0063】
そこで、入射角推定手段7が出力する推定角度((^)θ1,(^)θ2)を追尾フィルタ8に入力し、この追尾フィルタ8は過去のタイムフレームで推定した((^)θ1,(^)θ2)のデータを基に追尾アルゴリズムに則って現在の入射角予測値(( ̄)θ1,( ̄)θ2)を予測し、この(( ̄)θ1,( ̄)θ2)を入射角推定手段7にフィードバックする。入射角推定手段7は、追尾フィルタ8が出力する入射角予測値(( ̄)θ1,( ̄)θ2)の近傍の入射角変数空間において評価関数PML((^)θ1,(^)θ2)の最大値を捜索し、そのピークから((^)θ1,(^)θ2)を推定する。なお、( ̄)はθの上部に ̄が付くことを表す。
【0064】
次に、評価関数PML((^)θ1,(^)θ2)の演算範囲について図3を参照しながら説明する。図3は、この実施の形態1に係る測角装置における評価関数の演算範囲を示す図である。
【0065】
図3において、横軸が(^)θ1を、縦軸が(^)θ2を、等高線の高さが評価関数PMLの大きさを表す。
【0066】
((^)θ1,(^)θ2)の全パラメータ空間は、(^)θ2=(^)θ1の直線より下の領域になる。本実施の形態の捜索範囲は、追尾フィルタ8の予測値(( ̄)θ1,( ̄)θ2)を中心とした図中にハッチングした部分である。
【0067】
例えば、直接波の入射しうる角度範囲が0deg<(^)θ1<+20deg、マルチパス反射波の角度範囲が−30deg<(^)θ2<0deg、捜索の角度ステップを0.01degとすると、全捜索ポイント数は3000000(3百万)となる。1捜索ポイント毎に上記の式(16)右辺の行列演算を実行する必要があるから、演算負荷は膨大である。本実施の形態の捜索では、追尾フィルタ8の予測値(( ̄)θ1,( ̄)θ2)が例えば(+5deg,−3deg)で角度変動幅の最大値が0.5degだとすると、捜索範囲は+4.5deg<(^)θ1<+5.5deg、−3.5deg<(^)θ2<−2.5degとなり、捜索ポイント数は10000(1万)ポイントとなり、演算負荷が300分の1で済むことになる。
【0068】
表示手段9は、追尾フィルタ8の出力角度(( ̄)θ1,( ̄)θ2)の内、大きい方の角度を目標仰角として表示する。また、表示手段9は、入射角推定手段7の出力角度((^)θ1,(^)θ2)の大きい方の角度を目標仰角として表示してもよい。
【0069】
この実施の形態1に係る測角装置では、モノパルスアンテナ1の出力する2チャネルの受信信号に加え、補助アンテナ3の受信信号を用い、最尤推定測角を適用するため、直接波の入射角とマルチパス反射波の入射角をそれぞれ高精度に推定することができる。特に、追尾フィルタ8が予測する入射角の近傍に最尤推定法の評価関数の捜索範囲を限定する手法を導入したため、最尤推定測角法の適用が可能になった点に注意する必要がある。従って、この実施の形態1に係る測角装置では、海面もしくは地表面からのマルチパス反射波の干渉がある場合にも、低高度目標の仰角を正確に推定できる。
【0070】
なお、本実施の形態1では、評価関数PMLの演算範囲を追尾フィルタ8の予測する角度の近傍に限定した範囲としたが、信号処理プロセッサの処理能力が十分にある、または直接波や入射波の入射しうる角度範囲が狭い場合には、直接波や入射波の入射しうる角度範囲全体にわたって評価関数PMLを演算し、その範囲でPMLが最大となる((^)θ1,(^)θ2)を捜索し、この((^)θ1,(^)θ2)の大きい方の角度を目標仰角として表示するように構成してもよい。その際、追尾フィルタ8を用いなくてもよい。
【0071】
また、この本実施の形態1では、入射角推定手段7の評価関数PMLの演算範囲を追尾フィルタ8の予測する角度の近傍に限定した範囲としたが、追尾フィルタ8の代わりにより単純な平滑化フィルタを用いたり、追尾フィルタ8を短絡して(( ̄)θ1,( ̄)θ2)=((^)θ1,(^)θ2)として、(( ̄)θ1,( ̄)θ2)の近傍に限定した範囲で評価関数PMLの演算を行うようにしても同様な効果を奏する。
【0072】
また、補助アンテナ3は、図2に示すように、モノパルスアンテナ1の上方に取り付けたが、別の場所に設置する場合でもよく、図4に例示するように、モノパルスアンテナ1と反射鏡面を共有する構造を採用してもよい。さらに、上記説明では補助アンテナ3の個数が1つの場合を説明したが、複数の補助アンテナ3を用いて、さらに測角精度を向上させることもできる。
【0073】
また、本実施の形態1では、入射角推定手段7は、評価関数PMLが最大値となる((^)θ1,(^)θ2)を探すために捜索範囲のすべての角度ポイントにおいて評価関数PMLを求めたが、いわゆる山登り法による探索を実施し、さらに演算量を低減することもできる。図5は、山登り法による最大値探索を例示したもので、追尾フィルタ8が出力する入射角予測値(( ̄)θ1,( ̄)θ2)から出発して、(^)θ2を(^)θ2=( ̄)θ2と固定したまま(^)θ1を変えてPMLが最大になる(^)θ1を求め、これを(^)θ1(1)とする。
【0074】
次に、(^)θ1=(^)θ1(1)と固定したまま(^)θ2を変えてPMLが最大になる(^)θ2を求め、これを(^)θ2(1)とする。このように、逐次(^)θ1、(^)θ2を更新してPMLの大域的な最大点に近づけていく。この方法によると、探索経路が1次元で済むため演算量が少なくて済む(上記の例では100ポイント程度の捜索で済む)。
【0075】
一般に、最尤推定測角法を用いる場合は、図3中に示すようなローカルピークが存在することがあるため、ローカルピークに誤収束する恐れがある山登り法による探索法は採用できなかった。しかしながら、本実施の形態1のように、追尾フィルタ8の出力予測値を中心に捜索範囲を限定することでローカルピークに誤収束するおそれがなくなり、上記山登り法による演算負荷低減が可能になる。
【0076】
すなわち、この実施の形態1に係る測角装置は、モノパルスアンテナ1と補助アンテナ3とを有し、モノパルスアンテナ1の出力する受信信号および補助アンテナ3の出力する受信信号を用い最尤推定法にもとづいて電波または音波の入射角を推定する入射角推定手段7を備えるものである。
【0077】
換言すると、3ch以上の素子アンテナ2a、2b、3と、それらの素子アンテナの受信信号を用い最尤推定法にもとづいて電波または音波の入射角を推定する入射角推定手段7と、この入射角推定手段7が推定する入射角を入力する追尾フィルタ8を備え、入射角推定手段7が上記追尾フィルタ8が予測する入射角の近傍の角度範囲で最尤推定法の評価関数を算出し、上記評価関数が最大となる角度から入射角を推定するものである。
【0078】
この実施の形態1に係る測角装置によれば、上記のように構成されているので、海面もしくは地表面からのマルチパス反射波の干渉がある場合にも、低高度目標の仰角を正確に推定できる。
【0079】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る測角装置について図面を参照しながら説明する。図6は、この発明の実施の形態2に係る測角装置の構成を示す図である。
【0080】
図6において、10は素子アンテナ2a、2bのアナログ受信信号を入力し、それらの和信号Σと差信号Δを出力するハイブリッドである。なお、他の構成は、上記実施の形態1と同様である。
【0081】
モノパルスアンテナ1では、図9に示したように、素子アンテナ2aと素子アンテナ2bの和信号(Σチャネル)と差信号(Δチャネル)がRF段で得られているものが一般的であり、この実施の形態2は、このようなモノパルスアンテナ1に適用するものである。
【0082】
つぎに、この実施の形態2に係る測角装置の動作について図面を参照しながら説明する。
【0083】
共分散行列算出手段6に入力されるΣチャネルの信号x1は、上記の式(4)と式(5)の加算から次の式(17)のように与えられる。
【0084】
【数10】
【0085】
また、Δチャネルの信号x2は、上記の式(4)と式(5)の減算から次の式(18)のように与えられる。
【0086】
【数11】
【0087】
上記の式(17)、(18)、(6)より、次の式(19)とすれば、上記の式(8)、(9)、(11)が成立することが分かる。
【0088】
【数12】
【0089】
従って、上記実施の形態1と同様な原理により、海面もしくは地表面からのマルチパス反射波の干渉がある場合にも、低高度目標の仰角を正確に推定できる。
【0090】
なお、Σチャネルに接続された2つの素子アンテナ2a、2bと、Δチャネルに接続された2つの素子アンテナ2a、2bが共通なため、ΣチャネルとΔチャネルの位相中心が一致することもあるが、上記の式(19)の第1要素と第2要素に見られるように、複素ゲインg1(θ)+g2(θ)、とg1(θ)−g2(θ)とが異なるため、直接波とマルチパス反射波の分離測角は可能であることに注意する必要がある。
【0091】
また、この実施の形態2では、ΣチャネルとΔチャネルをRF部のハイブリッド10で生成している構成になっているが、IF部、AD変換後のディジタル信号で生成される構成でもよい。
【0092】
すなわち、この実施の形態2に係る測角装置は、上記実施の形態1の測角装置において、モノパルスアンテナ1の出力するΣチャネル受信信号と、Δチャネル受信信号と、補助アンテナ3の出力する受信信号とを用いるものである。
【0093】
この実施の形態2に係る測角装置によれば、上記のように構成されているので、海面もしくは地表面からのマルチパス反射波の干渉がある場合にも、低高度目標の仰角を正確に推定できる。
【0094】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係る測角装置について図面を参照しながら説明する。図7は、この発明の実施の形態3に係る測角装置の構成を示す図である。
【0095】
上記実施の形態1及び2は、最尤推定法を適用して直接波入射角を分離して正確に推定するものであったが、本実施の形態3は、モノパルス測角法を基本にモノパルス反射波の干渉を緩和する、より簡便な測角装置(方法)である。
【0096】
図7において、14a及び14bは入力された2つの受信信号の和信号Σと差信号Δを算出する和差信号算出手段、13は角度偏差検出手段11aが推定した入射角(^)θaと、別の角度偏差検出手段11bが推定した入射角(^)θbとを切り替えるスイッチ(選択手段)、12は複数の和信号Σの電力を比較しスイッチ13の接続を切り替える電力判定手段である。なお、他の構成は図1に示す実施の形態1、及び図9に示す従来例と共通であるから説明を省略する。
【0097】
図7に示す本実施の形態3に係る測角装置を説明する前に、その基本原理を明確に表した測角装置の動作について図8を参照しながら説明する。
【0098】
図8は、この発明の実施の形態3に係る測角装置の基本原理を明確に表した構成を示す図である。
【0099】
図8に示す測角装置は、複数のモノパルスアンテナ1aと1bを備えている。モノパルスアンテナ1aに接続されたハイブリッド10aで得られた和信号Σaと差信号Δaは角度偏差検出手段11aに入力され、入射角(^)θaが推定される。
【0100】
これと並行して、モノパルスアンテナ1b側の和信号Σbと差信号Δbは角度偏差検出手段11bに入力され、入射角(^)θbが推定される。電力判定手段12は、両方の和信号Σa、Σbの電力を比較し、電力が大きい方の角度偏差検出手段の出力にスイッチ13を接続し、この角度偏差検出手段の推定入射角が表示される。
【0101】
マルチパス反射波が干渉し、いずれか一方のモノパルスアンテナで目標エコーの直接波成分と反射波成分が逆相になり、受信信号電力レベルが著しく低下して仰角推定が不能になり目標捕捉がはずれてしまう場合でも、空間的に離れたもう一方のモノパルスアンテナでは直接波成分と反射波成分の位相関係が異なるために受信信号電力レベルは確保されるため仰角測定は(誤差を含みつつも)可能になる。従って、図8に示すような構成により、電力が大きな側のモノパルスアンテナの測角結果を選んで用いるため、反射波が干渉しても目標仰角測定が可能となる。
【0102】
図7に示す本実施の形態3に係る測角装置では、受信信号x2を分岐することにより、図8のモノパルスアンテナ1aの変わりに、素子アンテナ2bと補助アンテナ3をハイブリッド10aに相当する和信号と差信号の和差信号算出手段14aに接続し和信号Σaと差信号Δaを得ている。モノパルスアンテナ1と、素子アンテナ2b及び補助アンテナ3の合成アンテナとの位置の違いから、図8と同様にマルチパス反射波が干渉する際にも仰角測定が可能となる。
【0103】
なお、この実施の形態3では、電力判定手段12が両方の和信号Σa、Σbの電力が大きい方の角度偏差検出手段の出力にスイッチ13を接続しているが、和信号Σa、Σbの平滑値電力からの偏差が小さい方にスイッチ13を接続する構成でもよい。目標エコーの直接波成分と反射波成分が同相になる際には入射角推定誤差が増大するが、この構成はそれを避けるためである。
【0104】
また、この実施の形態3では、2組のモノパルスアンテナの測角値を選択して用いているが、3組以上のモノパルスアンテナもしくはアンテナ対の測角値を選択して用いると、より一層効果が高まる。特に、図7の構成では、図8に示すモノパルスアンテナ1aの変わりに、素子アンテナ2bと補助アンテナ3のアンテナ対を用いているが、さらに素子アンテナ2aと補助アンテナ3のアンテナ対も用いることもできる。
【0105】
また、この実施の形態3では、電力判定手段12が和信号Σの電力から判定しているが、単に合成前の受信信号(図7ではx1とx3)の電力を用いて判定しても同様な効果を奏する。
【0106】
また、図7、図8の構成では、各アンテナ出力ないしハイブリッド出力それぞれ独立に受信機が接続されているが、アンテナ出力ないしハイブリッド出力と受信機の間に切り替えスイッチを設け、時分割で受信信号を切り替えて接続することにより、受信機、A/D変換器を共有する構成でも同様な効果を奏する。
【0107】
さらに、図7、図8の構成では、A/D変換器を有し、角度偏差検出手段の機能をディジタル信号処理で実現しているが、A/D変換器を廃しすべてアナログ処理で実現することもできる。
【0108】
すなわち、この実施の形態3に係る測角装置は、モノパルスアンテナ1と補助アンテナ3とを有し、モノパルスアンテナ1の受信信号と補助アンテナ3の受信信号の和信号、差信号を用いて測角する角度偏差検出手段11aと、この角度偏差検出手段11aの測角値とモノパルスアンテナ1から角度偏差検出手段11bを経て出力される測角値との中から測角値を選択するスイッチ13を備え、上記選択された測角値を電波または音波の入射角として推定するものである。
【0109】
換言すれば、複数のモノパルスアンテナ1a、1bを有し、それらの出力する複数の測角値の中から測角値を選択するスイッチ13を備え、上記選択された測角値を電波または音波の入射角として推定するものである。
【0110】
この実施の形態3に係る測角装置によれば、上記のように構成されているので、海面もしくは地表面からのマルチパス反射波の干渉がある場合にも、低高度目標の仰角を正確に推定できる。
【0111】
【発明の効果】
この発明の請求項1に係る測角装置は、以上説明したとおり、第1及び第2の素子アンテナを有し、目標からの直接波及びマルチパス反射波を受信するモノパルスアンテナと、前記第1の素子アンテナにより受信された直接波及びマルチパス反射波を増幅、ダウンコンバート、位相検波して第1の受信信号を得る第1の受信機と、前記第2の素子アンテナにより受信された直接波及びマルチパス反射波を増幅、ダウンコンバート、位相検波して第2の受信信号を得る第2の受信機と、前記モノパルスアンテナとは別の場所に設置され、前記目標からの直接波及びマルチパス反射波を受信する補助アンテナと、前記補助アンテナにより受信された直接波及びマルチパス反射波を増幅、ダウンコンバート、位相検波して第3の受信信号を得る第3の受信機と、前記第1の受信信号をディジタル信号に変換する第1のA/D変換器と、前記第2の受信信号をディジタル信号に変換する第2のA/D変換器と、前記第3の受信信号をディジタル信号に変換する第3のA/D変換器と、ディジタル信号にそれぞれ変換された前記第1、第2及び第3の受信信号に基いて受信信号共分散行列を算出する共分散行列算出手段と、前記受信信号共分散行列を用い最尤推定法に基いて前記直接波及びマルチパス反射波の第1及び第2の入射角を推定する入射角推定手段と、前記入射角推定手段が出力した過去の第1及び第2の入射角推定値に基いて追尾アルゴリズムに則って現在の第1及び第2の入射角予測値を予測する追尾フィルタと、前記追尾フィルタからの現在の第1及び第2の入射角予測値の内、大きい方の角度を目標仰角として表示する表示手段とを備え、前記入射角推定手段は、前記追尾フィルタが出力した現在の第1及び第2の入射角予測値の近傍の角度範囲において前記最尤推定法の評価関数を算出し、前記評価関数が最大となる角度から前記第1及び第2の入射角を推定するので、海面、若しくは地表面からのマルチパス反射波の干渉がある場合にも、低高度目標の仰角を正確に推定できるという効果を奏する。
【0121】
この発明の請求項2に係る測角方法は、以上説明したとおり、第1及び第2の素子アンテナを有するモノパルスアンテナにより目標からの直接波及びマルチパス反射波を受信するステップと、前記第1の素子アンテナにより受信された直接波及びマルチパス反射波を、第1の受信機により増幅、ダウンコンバート、位相検波して第1の受信信号を得るステップと、前記第2の素子アンテナにより受信された直接波及びマルチパス反射波を、第2の受信機により増幅、ダウンコンバート、位相検波して第2の受信信号を得るステップと、前記モノパルスアンテナとは別の場所に設置された補助アンテナにより前記目標からの直接波及びマルチパス反射波を受信するステップと、前記補助アンテナにより受信された直接波及びマルチパス反射波を、第3の受信機により増幅、ダウンコンバート、位相検波して第3の受信信号を得るステップと、前記第1の受信信号を、第1のA/D変換器によりディジタル信号に変換するステップと、前記第2の受信信号を、第2のA/D変換器によりディジタル信号に変換するステップと、前記第3の受信信号を、第3のA/D変換器によりディジタル信号に変換するステップと、ディジタル信号にそれぞれ変換された前記第1、第2及び第3の受信信号に基いて受信信号共分散行列を算出するステップと、前記受信信号共分散行列を用い最尤推定法に基いて前記直接波及びマルチパス反射波の第1及び第2の入射角を推定するステップと、前記入射角を推定するステップからの過去の第1及び第2の入射角推定値に基いて追尾フィルタの追尾アルゴリズムにより現在の第1及び第2の入射角予測値を予測するステップと、前記追尾フィルタからの現在の第1及び第2の入射角予測値の内、大きい方の角度を目標仰角として表示するステップとを含み、前記入射角を推定するステップは、前記追尾フィルタが出力した現在の第1及び第2の入射角予測値の近傍の角度範囲において前記最尤推定法の評価関数を算出し、前記評価関数が最大となる角度から前記第1及び第2の入射角を推定するので、海面、若しくは地表面からのマルチパス反射波の干渉がある場合にも、低高度目標の仰角を正確に推定できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る測角装置の構成を示す図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係る測角装置の補助アンテナの設置例を示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態1に係る測角装置における評価関数の演算範囲を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態1に係る測角装置の補助アンテナの別の設置例を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態1に係る測角装置における山登り法による最大値探索を例示した図である。
【図6】 この発明の実施の形態2に係る測角装置の構成を示す図である。
【図7】 この発明の実施の形態3に係る測角装置の構成を示す図である。
【図8】 この発明の実施の形態3に係る測角装置の基本原理の構成を示す図である。
【図9】 従来の測角装置の構成を示す図である。
【図10】 従来の測角装置の位相比較による構成を示す図である。
【符号の説明】
1、1a、1b モノパルスアンテナ、2a、2b 素子アンテナ、3 補助アンテナ、4a、4b、4c 受信機、5a、5b、5c A/D変換器、6 共分散行列算出手段、7 入射角推定手段、8 追尾フィルタ、9 表示手段、10、10a、10b ハイブリッド、11a、11b 角度偏差検出手段、12 電力判定手段、13 スイッチ、14a、14b 和差信号算出手段。
Claims (2)
- 第1及び第2の素子アンテナを有し、目標からの直接波及びマルチパス反射波を受信するモノパルスアンテナと、
前記第1の素子アンテナにより受信された直接波及びマルチパス反射波を増幅、ダウンコンバート、位相検波して第1の受信信号を得る第1の受信機と、
前記第2の素子アンテナにより受信された直接波及びマルチパス反射波を増幅、ダウンコンバート、位相検波して第2の受信信号を得る第2の受信機と、
前記モノパルスアンテナとは別の場所に設置され、前記目標からの直接波及びマルチパス反射波を受信する補助アンテナと、
前記補助アンテナにより受信された直接波及びマルチパス反射波を増幅、ダウンコンバート、位相検波して第3の受信信号を得る第3の受信機と、
前記第1の受信信号をディジタル信号に変換する第1のA/D変換器と、
前記第2の受信信号をディジタル信号に変換する第2のA/D変換器と、
前記第3の受信信号をディジタル信号に変換する第3のA/D変換器と、
ディジタル信号にそれぞれ変換された前記第1、第2及び第3の受信信号に基いて受信信号共分散行列を算出する共分散行列算出手段と、
前記受信信号共分散行列を用い最尤推定法に基いて前記直接波及びマルチパス反射波の第1及び第2の入射角を推定する入射角推定手段と、
前記入射角推定手段が出力した過去の第1及び第2の入射角推定値に基いて追尾アルゴリズムに則って現在の第1及び第2の入射角予測値を予測する追尾フィルタと、
前記追尾フィルタからの現在の第1及び第2の入射角予測値の内、大きい方の角度を目標仰角として表示する表示手段とを備え、
前記入射角推定手段は、前記追尾フィルタが出力した現在の第1及び第2の入射角予測値の近傍の角度範囲において前記最尤推定法の評価関数を算出し、前記評価関数が最大となる角度から前記第1及び第2の入射角を推定する
ことを特徴とする測角装置。 - 第1及び第2の素子アンテナを有するモノパルスアンテナにより目標からの直接波及びマルチパス反射波を受信するステップと、
前記第1の素子アンテナにより受信された直接波及びマルチパス反射波を、第1の受信機により増幅、ダウンコンバート、位相検波して第1の受信信号を得るステップと、
前記第2の素子アンテナにより受信された直接波及びマルチパス反射波を、第2の受信機により増幅、ダウンコンバート、位相検波して第2の受信信号を得るステップと、
前記モノパルスアンテナとは別の場所に設置された補助アンテナにより前記目標からの直接波及びマルチパス反射波を受信するステップと、
前記補助アンテナにより受信された直接波及びマルチパス反射波を、第3の受信機により増幅、ダウンコンバート、位相検波して第3の受信信号を得るステップと、
前記第1の受信信号を、第1のA/D変換器によりディジタル信号に変換するステップと、
前記第2の受信信号を、第2のA/D変換器によりディジタル信号に変換するステップと、
前記第3の受信信号を、第3のA/D変換器によりディジタル信号に変換するステップと、
ディジタル信号にそれぞれ変換された前記第1、第2及び第3の受信信号に基いて受信信号共分散行列を算出するステップと、
前記受信信号共分散行列を用い最尤推定法に基いて前記直接波及びマルチパス反射波の第1及び第2の入射角を推定するステップと、
前記入射角を推定するステップからの過去の第1及び第2の入射角推定値に基いて追尾フィルタの追尾アルゴリズムにより現在の第1及び第2の入射角予測値を予測するステップと、
前記追尾フィルタからの現在の第1及び第2の入射角予測値の内、大きい方の角度を目 標仰角として表示するステップとを含み、
前記入射角を推定するステップは、前記追尾フィルタが出力した現在の第1及び第2の入射角予測値の近傍の角度範囲において前記最尤推定法の評価関数を算出し、前記評価関数が最大となる角度から前記第1及び第2の入射角を推定する
ことを特徴とする測角方法。
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