JP3681607B2 - ディスクドライブ装置 - Google Patents

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  • Indexing, Searching, Synchronizing, And The Amount Of Synchronization Travel Of Record Carriers (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばCD−R等の情報記録再生媒体から情報再生する機能を有するディスクドライブ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、CDDA(コンパクトディスクディジタルオーディオ)方式を基本とするCDファミリーのバリエーションが増え、そのうちCD−Rが注目されている。
【0003】
このCD−Rは、有機色素により形成された記録層を備え、情報を1回に限り追記録(ライトワンス)することができるという特徴を有している。このため、ユーザーが所望の画像データや音楽データ、コンピュータプログラム等のデータを記録し、長期間保存するのに適した情報記録再生媒体であるとして注目されている。
【0004】
また、CD−RはCDファミリーとしてのコンパチビリティが考慮されており、CD−R記録装置でデータを書き込んだ後、ファイナライズ処理が行われると、CDプレーヤを用いてCDDAと同様に情報再生をすることができる。
【0005】
ところが、上記したように、CD−Rは情報を記録できるという利点があるものの、1回に限るという制限があるため、例えばユーザーがCD−R記録装置によって複数の音楽データを記録した後、そのうちの特定の音楽データを再生する必要が無いと思っても、その特定の音楽データを消去して他の音楽データを上書き記録することはできない。
【0006】
そこで、こうしたユーザーの要求に対応し得るCD−R記録装置として、上記のファイナライズ処理の際に、再生する必要の無い音楽データが記録されているアドレス情報をTOC(Table of Contents)に記録するものが開発されている。これによると、ファイナライズ処理されたCD−RをCDプレーヤで再生した場合に、上記指定した音楽データを再生禁止の対象データとすることで再生を行わず、ユーザーが所望する音楽データだけを再生するため、操作性の向上等が図られている。
【0007】
例えば、図5に模式的に示すように、ユーザーが3つの音楽データTNO(n)〜TNO(n+2)を記録した後、第2番目の音楽データTNO(n+1)を再生しない旨の指定をして上記のファイナライズ処理を行った場合、そのファイナライズ処理後のCD−RをCDプレーヤに掛けて第1番目の音楽データTNO(n)の再生途中に、次の音楽を再生したい旨の指示(「トラックサーチ」と呼ばれる)をすると、再生途中のアドレスP1から第3番目の音楽データTNO(n+2)の先頭アドレスADRn+2へジャンプして再生が継続される。
【0008】
つまり、TOCによって管理されている先頭アドレスADRn+2(図中の曲間(無音)部の開始アドレスではなく、実際に音楽データが記録されている開始アドレス)にジャンプすることで、再生する必要のない第2番目の音楽データTNO(n+1)がスキップされ、切れ目の無い再生が行われることになることから、操作性の向上等が図られている。
【0009】
また、CD−R記録装置には、情報記録の最中に書込みエラーが発生すると、その書込みエラーに該当するデータが記録されているアドレス情報をTOCに記録することで、CDプレーヤが再生する際に書き込みエラーに該当するデータを再生禁止データとする機能を備えたものも知られている。
【0010】
例えば、図5に示した第2番目の音楽データTNO(n+1)が書込みエラーに該当している場合、CDプレーヤは第1番目の音楽データTNO(n)を全て再生し終えると、第3番目の音楽データTNO(n+2)の先頭アドレスADRn+2から再生を継続する。つまり、第2番目の音楽データTNO(n+1)を自動的にスキップし、第3番目の音楽データTNO(n+1)が実際に記録されている先頭アドレスADRn+2から引き続いて再生が行われることになるため、切れ目の無い再生が行われて、操作性の向上等が図られている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のようにユーザーに対する操作性の向上等を図るため、CDプレーヤには、上記のトラックサーチの他、マニュアルサーチと呼ばれる機能が備えられている。
【0012】
このマニュアルサーチは、トラックサーチのような音楽データ毎に再生対象を順繰りに切り替える機能ではなく、音楽データを早送りで再生しながらユーザーの所望する再生開始位置をサーチすることができるようにした機能である。
【0013】
例えば図6に模式的に示すように、音楽データTNO(n+2)の再生途中に、ユーザーがマニュアルサーチを指示して、いわゆる巻き戻しを行いながら所望の再生開始位置をサーチしようとすると、CDプレーヤのピックアップが再生途中のアドレスPaから矢印で示す方向(リードインエリア側の方向)へ反転動作すると共に、マニュアルサーチの指示がなされている期間中、音楽データを部分的に再生しながら若い番号の音楽データTNO(n+1),TNO(n)側へと移動していく。
【0014】
このため、マニュアルサーチによると、ユーザーはアナログカセットテープのような操作感覚で所望の位置まで早送りで巻き戻しを行い、巻き戻した位置から再生を開始させることができるようになっている。
【0015】
ところが従来のマニュアルサーチでは、ユーザーが再生しないように指定したデータや書込みエラーに該当する再生禁止データ(例えば、図6中の第2番目の音楽データTNO(n+1)など)をも、サーチの対象として再生してしまうという問題があった。
【0016】
このため、ユーザーが所望する再生開始位置をサーチするのに時間がかかったり、実際には音楽データが記録されていない曲間(無音)部をもマニュアルサーチの対象としてしまうために、ユーザーに対して無用の操作を強いる等の問題があった。
【0017】
本発明は上記従来の問題点を克服するためになされたものであり、より操作性の向上等を図ることができるサーチ機能を備えたディスクドライブ装置を提供することを目的とする。
【0018】
上記目的を達成するため請求項1に係る発明は、マニュアルサーチ機能を有するディスクドライブ装置であって、情報記録再生媒体に記録されている情報を外周側の情報から内周側の情報に向かって部分的に再生しながら所望の再生開始位置をサーチするマニュアルサーチ指示手段と、前記マニュアルサーチ指示手段の指令によって、前記情報に含まれている曲間部の終端位置に続く情報の前端位置をピックアップの読取情報に基づいて検出する検出手段と、前記曲間部を挟んで前記内周側に記録されている情報の終端位置を探索する探索手段と、前記検出手段が前記前端位置を検出すると、前記探索手段に前記終端位置を探索させ、前記終端位置から前記マニュアルサーチを継続させる制御手段とを備え、前記探索手段は、前記ピックアップが行う前記情報記録再生媒体に存在するトラックのジャンプを、該ジャンプした位置が前記内周側に記録されている情報の存在領域内であった場合には外周側へジャンプし、前記ジャンプした位置が前記曲間部であった場合には内周側へジャンプするように、ジャンプするトラック数を減らしながら繰り返し行い、前記ジャンプするトラック数が最小でかつ前記曲間部から前記内周側に記録されている情報の存在領域内へジャンプしたときに、当該ジャンプした位置を前記終端位置とすることを特徴とする。
【0019】
かかる構成によると、情報記録再生媒体の外周側に記録されている情報から内周側に記録されている情報へとマニュアルサーチが行われる際に、上記外周側と内周側との情報の間に曲間部が存在する場合、外周側の情報の前端位置までサーチが行われると、その前端位置から内周側の情報の終端位置までの間のサーチをスキップすることで、曲間部のサーチを行わない。これにより、マニュアルサーチの際にユーザーにとって不必要な曲間部はサーチの対象とせず、必要な情報だけを連続してサーチし、ユーザーに対して優れた操作性等を提供する。
【0020】
また、請求項2に係る発明は、マニュアルサーチ機能を有するディスクドライブ装置であって、情報記録再生媒体に記録されている情報を外周側の情報から内周側の情報に向かって部分的に再生しながら所望の再生開始位置をサーチするマニュアルサーチ指示手段と、前記マニュアルサーチ指示手段の指令によって、前記情報に含まれている再生禁止の指定がなされた情報の終端位置に続く情報の前端位置をピックアップの読取情報に基づいて検出する検出手段と、前記再生禁止の指定がなされた情報を挟んで前記内周側に記録されている情報の終端位置を探索する探索手段と、前記検出手段が前記前端位置を検出すると、前記探索手段に前記終端位置を探索させ、前記終端位置からマニュアルサーチを継続させる制御手段とを備え、前記探索手段は、前記ピックアップが行う前記情報記録再生媒体に存在するトラックのジャンプを、該ジャンプした位置が前記内周側に記録されている情報の存在領域内であった場合には外周側へジャンプし、前記ジャンプした位置が前記再生禁止の指定がなされた情報であった場合には内周側へジャンプするように、ジャンプするトラック数を減らしながら繰り返し行い、前記ジャンプするトラック数が最小でかつ前記再生禁止の指定がなされた情報から前記内周側に記録されている情報の存在領域内へジャンプしたときに、当該ジャンプした位置を前記終端位置とすることを特徴とする。
【0021】
かかる構成によると、情報記録再生媒体の外周側に記録されている情報から内周側に記録されている情報へとマニュアルサーチが行われる際に、上記外周側と内周側との情報の間に再生禁止の指定がなされた情報が存在する場合、外周側の情報の前端位置までサーチが行われると、その前端位置から内周側の情報の終端位置までの間のサーチをスキップすることで、再生禁止の指定がなされた情報のサーチを行わない。これにより、マニュアルサーチの際にユーザーにとって不必要な再生禁止の指定がなされた情報はサーチの対象とせず、必要な情報だけを連続してサーチし、ユーザーに対して優れた操作性等を提供する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のディスクドライブ装置の実施の形態を図面を参照して説明する。尚、図1は、本実施形態のディスクドライブ装置の構成を示すブロック図、図2及び図3は、本実施形態のディスクドライブ装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【0023】
図1において、本ディスクドライブ装置は、情報記憶再生媒体であるCDファミリーのディスク1を再生する機能を有しており、ディスク1をクランプ位置で回転させるスピンドルモータ2と、光学的に情報読取りを行うピックアップ3が設けられている。
【0024】
更に、ピックアップ3が読み取った信号を増幅してマトリックス処理を行うRFアンプ4、RFアンプ4の出力信号に基づいてピックアップ3をフォーカスサーボとトラッキングサーボとスレッドサーボするサーボ回路5と、EFM復調器7で復調される復調データに基づいてスピンドルモータ3の回転速度を所定の線速度に制御する速度制御回路6が備えられている。
【0025】
上記のEFM復調器7は、RFアンプ4からの出力信号(RF信号)をEFM(Eight to Fourteen Modulation)復調し、その復調データをCIRC復調器8がCIRC(Cross Interleaved Reed Solomon Code)符号誤り訂正を行って出力回路9へ出力する。
【0026】
出力回路9は、内蔵されているD/A変換器によってCIRC復調器8からの出力データをアナログ信号Soutに変換して出力したり、CIRC復調器8からの出力データをデジタルデータDoutのまま出力する。
【0027】
更に、上記EFM復調器7より出力される復調データからサブコーディングデータを復調してシステムコントローラ11に供給するサブコード復調器10が設けられている。
【0028】
システムコントローラ11は、マイクロプロセッサ(MPU)を有しており、本ディスクドライブ装置全体の動作を制御すると共に、サブコード復調器10からのサブコーディングデータに基づいて、後述のマニュアルサーチの制御を行う。
【0029】
また、本ディスクドライブ装置には、システムコントローラ11に対してユーザーが所望の指令を入力するための操作部12が備えられている。
【0030】
尚、本ディスクドライブ装置では、ユーザーが操作部12を操作することで、所望の指令を入力する構成となっているが、マイクロコンピュータに本ディスク再生装置を取り付け、SCSI(Small Computer System Interface)や、EIDE(Enhanced IDE)又はATAPI(AT Attachment Packet Interface)等のインタフェースを介して上記マイクロコンピュータから供給される指令にしたがって、システムコントローラ11が本ディスクドライブ装置全体の動作を制御するようにしてもよい。
【0031】
次に、かかる構成を有するディスクドライブ装置の動作を図2及び図3のフローチャートに基づいて説明する。
【0032】
尚、動作を理解し易くするため、具体例として図4に示すように、ユーザーが複数の音楽データをプログラム領域に記録してファイナライズ処理したCD−Rをディスク1として本ディスクドライブ装置に装填し、第n+1番目の音楽データTNO(n+1)を再生している途中で、操作部12からマニュアルサーチ開始の指令を入力することで、第n番目の音楽データTNO(n)側へ早送りの巻き戻しを行う場合について説明することとする。
【0033】
また、図4に示すように、第n+1番目の音楽データTNO(n+1)の先頭のエリアは曲間(無音)部NONとなっており、実際の音楽データはこの曲間(無音)部NONに続けて記録されているものとする。更に、各音楽データは、目標曲番号(Track Number:TNO)と呼ぶこととする。
【0034】
上記した図4中の例えば目標曲番号TNO(n+1)を再生している途中の或るアドレスPaにピックアップ3が移動した時点でユーザーがマニュアルサーチ開始の指令をすると、トラッキングサーボを解除してピックアップ3を所定トラック数分だけディスク1の半径方向へ移動させ、次に移動したトラック上でピックアップ3をオントラックサーボして、記録されているデータを1セクタ(98フレーム)分または比較的少ない所定数のセクタ分再生し、更に再びトラッキングサーボを解除してピックアップ3をディスク1の半径方向へ移動させるという処理を繰り返すことで、マニュアルサーチが行われる。つまり、図4中の複数の矢印Xで示すように、ピックアップ3を半径方向へ順次に移動させることでマニュアルサーチが行われる。
【0035】
こうしてユーザーがマニュアルサーチを継続し続けて、図4中の目標曲番号TNO(n+1)中の実際に音楽データが記録されている開始アドレスPbの位置にピックアップ3が移動すると、図2に示す曲末サーチ中の処理を開始する。
【0036】
尚、サブコード復調器10から出力されるPチャンネルサブコードに含まれているインデックスデータが“1”となった場合に、システムコントローラ11はピックアップ3が上記開始アドレスPbに到達したことを検出して、図2に示す「曲末サーチ中」の処理を開始する。
【0037】
つまり、CD−R記録装置によってCD−Rにデータを記録してファイナライズ処理を行うと、各目標曲番号TNO中の曲間(無音)部NON分の無音データには、1セクタ毎に“0”のインデックスデータがPチャンネルのサブコードとして記録されたり又はインデックスデータが記録されないようになっている。また、実際の音楽データの先頭のセクタには、曲の先頭を示す“1”のインデックスデータがPチャンネルのサブコードとして記録され、それに続く音楽データの各セクタには、“2”のインデックスデータがPチャンネルのサブコードとして記録されるようになっている。
【0038】
したがって、上記したように、サブコード復調器10から出力されるPチャンネルサブコードに含まれているインデックスデータが“1”となった場合に、システムコントローラ11はピックアップ3が上記開始アドレスPbに到達したことを検出して、図2に示す曲末サーチ中の処理を開始するようになっている。
【0039】
ステップS100では、ディスク1のリードアウトエリアLTNOのラスト(終端)アドレスにピックアップ3が位置しているか判断する。
【0040】
すなわち、システムコントローラ11が、サブコード復調器10から出力されるQチャンネルのサブコードに基づいて、ピックアップ3の再生したデータの絶対アドレス(絶対時間)を調べ、その絶対時間がリードアウトエリアLTNOのラストアドレスであるか否かの判断をする。
【0041】
ここで、絶対時間がラストアドレスであれば(「Yes」の場合)、ステップS102に移行し、リードアウトの上記絶対時間をサーチしてマニュアルサーチの処理を終了する(ステップS104)。
【0042】
つまり、図4には、目標曲番号TNO(n+1)中のアドレスPaから目標曲番号TNO(n)側へ早送りの巻き戻しを行うためにユーザーがマニュアルサーチを行う場合を示しているが、仮にユーザーが目標曲番号TNO(n+1)中のアドレスPaからリードアウト側へ順方向の早送りのためにマニュアルサーチを行い、ピックアップ3がリードアウトエリアLTNOのラストアドレスに到達した場合には、それ以上のサーチ処理を行わないようになっている。
【0043】
次に、上記のステップS100において絶対時間がリードアウトエリアLTNOのラストアドレスでなかった場合(「No」の場合)には、ステップS106に移行し、ピックアップ3がディスク1のプログラムエリア内に位置しているか判断する。すなわち、システムコントローラ11がサブコード復調器10から出力されるQチャンネルのサブコードを調べ、絶対時間がプログラムエリアに該当していればステップS108に移行する。
【0044】
また、Qチャンネルのサブコードがプログラムエリアを示す絶対時間でない場合(「No」の場合)には、ステップS112に移行し、ピックアップ3をプログラムエリア内に移動させる。すなわち、Qチャンネルのサブコードがプログラムエリアの絶対時間でない場合には、ピックアップ3がリードインエリア又はリードアウトエリアに位置しているので、ピックアップ3をリードインエリア又はリードアウトエリアから脱出させてプログラムエリア内に移動させ、ステップS106からの処理を繰り返す。
【0045】
次に、ステップS108では、ジャンプ先の目標曲番号TNO(n)にピックアップ3が位置しているか否か判断する。すなわち、システムコントローラ11は、サブコード復調器10から出力されるPチャンネルサブコードに含まれているインデックスデータが“2”となった場合に、ピックアップ3がジャンプ先の目標曲番号TNO(n)に位置していると判断してステップS110に移行し、そうでない場合(「No」の場合)にはステップS114に移行する。
【0046】
次に、ステップS110において、システムコントローラ11は、後述する「曲末ロック中」を示すフラグデータFGが設定されているか調べ、「曲末ロック中」でない場合(「No」の場合)には、ステップS122に移行し、「曲末ロック中」の場合(「Yes」の場合)には、ピックアップ3がジャンプ先の目標曲番号TNO(n)の終端、すなわち図4に示す目標曲番号TNO(n)の実際の音楽データが終了する終端アドレス(曲末アドレスという)に位置していると判断して「曲末サーチ」の処理を終了する。
【0047】
そして、「曲末サーチ」の処理を終了した後でも、更にユーザーがマニュアルサーチを継続させると、目標曲番号TNO(n)の上記曲末アドレスから引き続いて、ピックアップ3をディスク1の半径方向へ移動させることで、早送りの巻き戻しが継続して行われる。
【0048】
このように、ステップS106,S108,S110における判断結果が全て「Yes」となった場合には、図4中に示す目標曲番号TNO(n+1)のアドレスPaからマニュアルサーチが開始され、実際の音楽データの記録開始アドレス(つまり、音楽データの前端アドレス)Pbから目標曲番号TNO(n)の曲末アドレスにピックアップ3がジャンプした後、その曲末アドレスから引き続いて目標曲番号TNO(n)がマニュアルサーチされる。つまり、曲間(無音)部NONをスキップすることで、目標曲番号TNO(n+1)と目標曲番号TNO(n)の実際の音楽データだけをマニュアルサーチの対象とするようになっている。
【0049】
次に、ステップS108,S110において判断結果が「No」となった場合の処理、すなわち、ピックアップ3をジャンプ先の目標曲番号TNO(n)の「曲末アドレス」に正確に移動させるための処理について説明する。
【0050】
上記のステップS108において、アドレスPbからジャンプ先の目標曲番号TNO(n)にピックアップ3が移動していないと判断した場合には、ステップS114に移行する。例えば、図4中に示す曲間(無音)部NONが長く、そのためピックアップ3を目標曲番号TNO(n)側へジャンプさせたが、そのジャンプした位置が上記曲間(無音)部NONのエリア内であった場合に、ステップS108において「No」と判断してステップS114に移行する。
【0051】
ステップS114では、ピックアップ3が実際にジャンプした先の位置の目標曲番号(現在TNO)と、本来ジャンプさせるべき位置の目標曲番号(目標TNO)の大小関係を調べる。更に、ピックアップ3をジャンプさせたときのジャンプ数(トラック数)が1トラックに設定されているかを調べる。
【0052】
ここで、目標TNO<現在TNOの関係にあり、または、ジャンプ数(トラック数)が1トラックに設定されていた場合(「Yes」の場合)には、ステップS116に移行して、「曲末ロック中」を示すフラグデータFGを「1」に設定してステップS120の目標曲番号サーチ処理に移行する。
【0053】
一方、目標TNO≧現在TNOの関係にあり、且つジャンプ数(トラック数)が1トラックより大きな数に設定されていた場合(「No」の場合)には、ステップS118に移行して、「曲末ロック中」を示すフラグデータFGを「0」に設定することにより、曲末ロック解除の設定を行った後、ステップS120の「目標曲番号サーチ処理」に移行する。
【0054】
例えば、図4に示す目標曲番号TNO(n+1)のアドレスPbからピックアップ3をジャンプした先の位置が目標曲番号TNO(n+1)の曲間(無音)部NONのエリア内であった場合には、目標TNO<現在TNOとなり、目標曲番号TNO(n+1)のアドレスPbからピックアップ3をジャンプした先の位置が目標曲番号TNO(n)のエリア内であった場合には、目標TNO≧現在TNOとなる。
【0055】
更に、第1回目のジャンプの際には、図4中の▲1▼で示すように比較的多いトラック数(本実施形態では、300トラック)をジャンプするようになっており、2回目以降のジャンプでは、図中の▲2▼〜▲6▼にて示すように次第にジャンプ数を減らしていき、目標曲番号TNO(n)の曲末アドレスの直近にジャンプすると、最後のジャンプ数を1トラック(1TRK)に設定するようになっている。
【0056】
また、これらのジャンプ数(トラック数)は、予めシステムコントローラ11に設定されており、予め設定された最多のジャンプ数がレベル1、次に多いジャンプ数がレベル2、以下同様にして、ジャンプ数が少なくなるほど小さいレベルのデータとして決められている。
【0057】
したがって、上記ステップS114において、ジャンプ数が1TRKに設定されており且つ目標TNO<現在TNOの関係にあればステップS116、ジャンプ数が1TRKより多く設定されており且つ目標TNO≧現在TNOの関係にあればステップS118に移行する。
【0058】
次に、ステップS120では、図3に示す「目標曲番号サーチ処理」が行われる。
まず、ステップS200において、1つレベルの小さいジャンプ数を選択する。但し、既に1TRKに設定されている場合には、そのまま1TRKを選択する例えば、図4中の▲1▼で示すように、ピックアップ3が大きなジャンプ数で移動した場合には、次のレベルに該当する▲2▼のジャンプ数を設定する。
【0059】
次に、ステップS202において、上記ステップS114の処理と同様に、ピックアップ3が実際にジャンプした先の位置の目標曲番号(現在TNO)と、本来ジャンプさせるべき位置の目標曲番号(目標TNO)の大小関係を調べる。
【0060】
そして、目標TNO<現在TNOの関係にあればステップS204に移行して、ピックアップ3を上記選択したジャンプ数でディスク1の内周方向(リードイン側の方向)へジャンプさせる。
【0061】
一方、目標TNO≧現在TNOの関係にあればステップS206に移行して、ピックアップ3を上記選択したジャンプ数でディスク1の外周方向(リードアウト側の方向)へジャンプさせる。
【0062】
したがって、図4に示した▲1▼のジャンプが行われ、Pチャンネルのサブコードに含まれているインデックスデータが“1”であった場合には、ステップS206によって、▲2▼に示す外周方向へのジャンプが行われることになる。また、仮に目標曲番号TNO(n+1)中の曲間(無音)部NONが長いような場合に、▲1▼に示すジャンプ先が目標曲番号TNO(n+1)中の曲間(無音)部NON(つまり、現在TNOの曲間(無音)部NON)のアリア内であった場合には、Pチャンネルのサブコードに含まれているインデックスデータが“1”でないことを判定して、ステップS204の処理によって、内周方向へのジャンプが行われ、ピックアップ3を目標曲番号TNO(n)側へより近付けるように移動させる。
【0063】
かかる「目標曲番号サーチ処理」が終了すると、再び図2に示すステップS106からの処理を行う。
【0064】
次に、ステップS110において「曲末ロック中」のフラグデータFGが「1」に設定されておらずステップS122に移行する場合の処理を説明する。
【0065】
まず、ステップS122では、ピックアップ3がディスク1の内周側へ移動中であるか否かをPチャンネルのサブコードに含まれているインデックスデータの値に基づいて判断し、そうであれば(「Yes」の場合)、ステップS124において1レベル小さいジャンプ数を選択した後、ステップS126においてその選択したジャンプ数でピックアップ3を外周方向へジャンプさせる。そして、再びステップS106からの処理を繰り返す。
【0066】
一方、ステップS122において、ピックアップ3がディスク1の内周側へ移動中であった場合(「No」の場合)には、ステップS126に直接移行して、選択中のジャンプ数でピックアップ3を外周方向へジャンプさせる。そして、再びステップS106からの処理を繰り返す。
【0067】
こうして上記ステップS106,S108,S114〜S120とS110,S122〜S126の処理が繰り返されると、図4中に符号▲1▼〜▲6▼で示すように、ジャンプ元の目標曲番号TNO(n+1)とジャンプ先の目標曲番号TNO(n)との間の曲末アドレスを挟んでピックアップ3が往復移動し、更にその往復移動の際のジャンプ数が少なくなって行くことで、ピックアップ3は曲末アドレスに次第に近付いていく。そして、最後にピックアップ3のジャンプ数が1TRKに選択されることで、例えば符号▲7▼で示すようにピックアップ3が1TRKジャンプして曲末アドレスに近接した位置Pcに到達する。
【0068】
このように、ピックアップ3を往復移動させつつピックアップ3のジャンプ先の位置を調べることによって曲末アドレスに到達したか否かの探索を行うと、最終的に図4中の曲末アドレスに対する位置Pcの誤差は1TRK以内となり、ピックアップ3がこの位置Pcに到達した時点でサーボ回路5がトラッキングサーボを開始することにより、ピックアップ3を曲末アドレスのトラックにオントラックさせて、「曲末サーチ」の処理を終了する。
【0069】
そして、「曲末サーチ」の処理を終了した後でも、更にユーザーがマニュアルサーチを継続させると、目標曲番号TNO(n)の上記曲末アドレスから引き続いて、図4中の複数の矢印Yにて示すように、ピックアップ3をディスク1の半径方向へ順次に移動させることで、早送りの巻き戻しが継続して行われる。
【0070】
このように本実施の形態によれば、複数の目標曲番号TNOが記録されているディスク1をマニュアルサーチする際に、ジャンプ元の目標曲番号中に記録されている実際の音楽データの開始アドレス(前端アドレス)からジャンプ先の目標曲番号の曲末アドレス(終端アドレス)にスキップしてサーチ処理を継続するようにしたので、ユーザーは実際の音楽データだけをサーチすることができる。このため、ユーザーが所望する再生開始位置を探索するのに時間がかかったり、実際には音楽データが記録されていない曲間(無音)部をもマニュアルサーチの対象としてしまうという従来の問題を解消し、優れた操作性を提供することができる。
【0071】
また、CD−R記録装置によってCD−Rに音楽データを記録した際に書込みエラーが発生し、その記録エラーに該当する目標曲番号が再生禁止データとして含まれているディスク1をマニュアルサーチする場合にも、記録エラーに該当する目標曲番号は図4に示した曲間(無音)部NONと同様にサーチの対象から外される。このため、曲間(無音)部に限らず再生禁止データが記録されているディスク1であっても、ユーザーに対して無用の操作を強いることなく、操作性の良いディスクドライブ装置を提供することができる。
【0072】
尚、主として再生装置としてのディスクドライブ装置について説明したが、本発明は、CD−Rに情報を記録する記録回路を備えたディスクドライブ装置にも適用できるものである。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、曲間部又は再生禁止の指定がなされた情報が記録され、それら曲間部又は再生禁止の指定がなされた情報を挟んで情報記録再生媒体の内周側と外周側に記録されている情報を外周側の情報からマニュアルサーチする際に、曲間部又は再生禁止の指定がなされた情報をサーチの対象とせずにスキップするようにしたので、ユーザーに対して無用の操作を強いることの無い操作性の優れたディスクドライブ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のディスクドライブ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態のディスクドライブ装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】本実施形態のディスクドライブ装置の動作を更に説明するためのフローチャートである。
【図4】本実施形態のディスクドライブ装置のマルニュルサーチ機能を説明するため、ディスクに記録されているデータとピックアップの位置関係を示した模式図である。
【図5】従来の再生プレーヤの問題点を説明するための説明図である。
【図6】従来の再生プレーヤの問題点を更に説明するための説明図である。
【符号の説明】
1…ディスク
2…スピンドルモータ
3…ピックアップ
4…RFアンプ
5…サーボ回路
6…速度制御回路
7…EFM復調器
8…CIRC復調器
9…出力回路
10…サブコード復調器
11…システムコントローラ
12…操作部
Pb…前端アドレス
Pc…終端アドレス
NON…曲間(無音)部

Claims (2)

  1. マニュアルサーチ機能を有するディスクドライブ装置であって、
    情報記録再生媒体に記録されている情報を外周側の情報から内周側の情報に向かって部分的に再生しながら所望の再生開始位置をサーチするマニュアルサーチ指示手段と、
    前記マニュアルサーチ指示手段の指令によって、前記情報に含まれている曲間部の終端位置に続く情報の前端位置をピックアップの読取情報に基づいて検出する検出手段と、
    前記曲間部を挟んで前記内周側に記録されている情報の終端位置を探索する探索手段と、
    前記検出手段が前記前端位置を検出すると、前記探索手段に前記終端位置を探索させ、前記終端位置から前記マニュアルサーチを継続させる制御手段とを備え、
    前記探索手段は、前記ピックアップが行う前記情報記録再生媒体に存在するトラックのジャンプを、該ジャンプした位置が前記内周側に記録されている情報の存在領域内であった場合には外周側へジャンプし、前記ジャンプした位置が前記曲間部であった場合には内周側へジャンプするように、ジャンプするトラック数を減らしながら繰り返し行い、前記ジャンプするトラック数が最小でかつ前記曲間部から前記内周側に記録されている情報の存在領域内へジャンプしたときに、当該ジャンプした位置を前記終端位置とすることを特徴とするディスクドライブ装置。
  2. マニュアルサーチ機能を有するディスクドライブ装置であって、
    情報記録再生媒体に記録されている情報を外周側の情報から内周側の情報に向かって部分的に再生しながら所望の再生開始位置をサーチするマニュアルサーチ指示手段と、
    前記マニュアルサーチ指示手段の指令によって、前記情報に含まれている再生禁止の指定がなされた情報の終端位置に続く情報の前端位置をピックアップの読取情報に基づいて検出する検出手段と、
    前記再生禁止の指定がなされた情報を挟んで前記内周側に記録されている情報の終端位置を探索する探索手段と、
    前記検出手段が前記前端位置を検出すると、前記探索手段に前記終端位置を探索させ、前記終端位置からマニュアルサーチを継続させる制御手段とを備え、
    前記探索手段は、前記ピックアップが行う前記情報記録再生媒体に存在するトラックのジャンプを、該ジャンプした位置が前記内周側に記録されている情報の存在領域内であった場合には外周側へジャンプし、前記ジャンプした位置が前記再生禁止の指定がなされた情報であった場合には内周側へジャンプするように、ジャンプするトラック数を減らしながら繰り返し行い、前記ジャンプするトラック数が最小でかつ前記再生禁止の指定がなされた情報から前記内周側に記録されている情報の存在領域内へジャンプしたときに、当該ジャンプした位置を前記終端位置とすることを特徴とするディスクドライブ装置。
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