JP3681359B2 - ひずみ測定方法及び多点ひずみ測定システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ひずみ測定方法および多点ひずみ測定システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ひずみ測定方法においては、ひずみに応じて抵抗値が変化するひずみゲージが物体に貼着される。ひずみを測定する方法には主に、1ゲージ法と2ゲージ法がある。そして、ひずみゲージの抵抗値変化を検出してひずみ測定を行う測定装置には、ひずみゲージと併せてホイートストンブリッジ回路(ブリッジ回路)を構成する抵抗回路が備えられている。
【0003】
図8は、1ゲージ2線法による測定方法を説明するための回路図である。この方法では、ひずみゲージ1の両端に一対のリード線2,3が結線されている。ひずみゲージ1は、抵抗体R2〜R4を接続してなる抵抗回路にリード線2,3を介して接続され、これにより、ブリッジ回路が構成される。ただし抵抗体R2〜R4の抵抗値はひずみゲージの基準抵抗値と同一である。このブリッジ回路を用いてひずみ測定する際には、電源入力部A,C間にブリッジ回路の電源電圧Vが付与される。また、ブリッジ回路の電源入力部A,C間に電源電圧Vを付与した状態で、ブリッジ回路の出力部B,D間に生じる出力電圧eが図示を省略する増幅回路やA/D変換回路等を介して検出される。そして、ブリッジ回路の出力電圧eから物体のひずみεを測定することができる。
【0004】
しかし、図8に示す回路では、リード線2,3の両者とひずみゲージ1とがブリッジ回路の同じ辺に組み込まれるため、環境温度の変化によりリード線2,3の抵抗が変化すると、ひずみゲージ1のひずみが変化しなくても出力電圧eが変化してしまう。そこで、図9に示すように、ひずみゲージ1に結線するリード線を1本追加し、温度変化に伴うブリッジ回路の不平衡を是正することが広く用いられている(1ゲージ3線法)。この方法では、ひずみゲージ1の両端に一対のリード線2,3が結線されると共に、ひずみゲージ1の一端にもう一つのリード線4が結線されている。そして、ひずみ測定する際には、ブリッジ回路の電源入力部A,C間に電源電圧Vを付与した状態で、ひずみゲージ1のリード線4を結線した一端と、抵抗体R3、R4の接続点Dとの間に生じる出力電圧eが検出される。この方法では、リード線2,3がブリッジ回路の隣り合う辺に組み込まれることとなるので、リード線2,3の抵抗値が環境温度により同じように変化する限り、ブリッジ回路の平衡が保たれる。
【0005】
図10は、2ゲージ法のひずみ測定を説明するための回路図である。この方法では、2つのひずみゲージ1、1′の両端に各一対のリード線2,3および4,5が結線されている。ひずみゲージ1、1′は、リード線3,4により直列に接続され、抵抗体R3、R4を接続してなる抵抗回路にリード線2,5を介して接続され、これにより、ブリッジ回路が構成される。ひずみゲージ1、1′は、物体のひずみ量の比があらかじめ判っている2つの部位(例えば、梁の表裏面部)に貼着される。このブリッジ回路を用いてひずみ測定する際には、電源入力部A,C間にブリッジ回路の電源電圧Vが付与される。また、ブリッジ回路の電源入力部A,C間に電源電圧Vを付与した状態で、ブリッジ回路の出力部B,D間に生じる出力電圧eが図示を省略する増幅回路やA/D変換回路等を介して検出される。そして、ブリッジ回路の出力電圧eから物体のひずみεを測定することができる。この2ゲージ法では、リード線2,3,4,5の抵抗値が環境温度により同じように変化する限り、ブリッジ回路の平衡が保たれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した1ゲージ法および2ゲージ法では、1ゲージ2線法はもちろん、1ゲージ3線法及び2ゲージ法であっても、リード線同士の温度差によって、各リード線の抵抗値に偏りが生じた場合には、見かけひずみが発生してしまう。例えば、屋外でひずみ計測する際に、雲の動きにより日照が動的に変化すると、上記の温度差が生じて見かけひずみが発生し、ひずみ測定の不安定要因になる場合がある。
【0007】
また、ひずみ測定の基準とする初期状態の値を測定した後に、例えば、リード線を延長した場合には、リード線の抵抗値が初期状態よりも増加するため、見かけひずみが発生する。そのため、リード線の長さや接続を変更した場合には、初期値の測定からやり直す必要がある。
【0008】
また、物体の多数部位あるいは多数の物体についての多点ひずみ測定を行う場合に、各測定点に対応するリード線の抵抗値が、測定点同士で互いに異なる場合も多々あり、このような場合には、測定点毎にひずみ測定値の補正を行わなければならず、リード線の抵抗値の影響を排除するための補正作業に多大な労力を要するものとなっていた。
【0009】
また、多点ひずみ測定を行う場合に、測定点を切り換えるスイッチの接点抵抗も測定誤差の要因となるので、その接点抵抗ができるだけ小さなスイッチ素子を選択したり、その接点抵抗の影響を補償する方策を採る必要がある。その結果、コストアップを招くという不都合があった。
【0010】
本発明はかかる背景に鑑み、個々の測定点のひずみ測定を1つのひずみゲージを使用して行う場合に、該ひずみゲージに結線されたリード線の抵抗が測定値に影響を与えないようにしてひずみを測定できるひずみ測定方法および多点ひずみ測定システムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明を説明する前に、本発明の基本的な考え方を図1および図2を参照して説明しておく。
【0012】
まず説明の便宜上、2ゲージ法でひずみを算出する方法を図1を参照して説明する。図1に示すように、第1のひずみゲージ1の一端にはリード線2,3が結線され、他端にはリード線4、8が結線されている。また、第2のひずみゲージ1′の一端にはリード線5,8が結線され、他端にはリード線6,7が結線されている。2つのひずみゲージ1、1′はリード線8を介して直列に接続されている。ひずみゲージ1、1′にはリード線2,7,8を介して電流が流れる。リード線3,4はひずみゲージ1に生じる電圧を抽出し、リード線5,6はひずみゲージ1′に生じる電圧を抽出する。尚、回路10、20については後述する。
【0013】
なお、第1のひずみゲージ1と第2のひずみゲージ1′は、それらのひずみ量の比が既知となるような物体の部位、例えば梁部材の表裏面部に貼着される。
【0014】
ここで、例えば、第1のひずみゲージ1の抵抗値R1と第2のひずみゲージ1′の抵抗値R2との抵抗比Cに着目し、この抵抗比Cは、次式(3)により定義する。
【0015】
C=R1/R2・・・・・・・・・・(3)
【0016】
式(3)より、ひずみ測定の基準とする初期状態(添字0で示す)における第1のひずみゲージ1と第2のひずみゲージ1′との抵抗比C0は、次式で表される。
【0017】
C0=R10/R20・・・・・・・・・・(4)
【0018】
同様に、ひずみ測定時(添字εで示す)における第1のひずみゲージ1と第2のひずみゲージ1′との抵抗比Cεは、次式で表される。
【0019】
Cε=R1 ε/R2 ε・・・・・・・・・・(5)
【0020】
第1のひずみゲージ1のゲージ率をK1として、第1のひずみゲージ1に発生するひずみε1を抵抗変化で表すと次式で表される。
【0021】
ε1=(1/K1)・(R1 ε−R10)/R10・・・・・・・・・・(6)
【0022】
式(6)からひずみ測定時の第1のひずみゲージ1の抵抗値R1 εを求めると次式が得られる。
【0023】
R1 ε=R10・(K1・ε1+1)・・・・・・・・・・(7)
【0024】
同様に、第2のひずみゲージ1′のゲージ率をK2、第2のひずみゲージ1′に発生するひずみをε2としたときのひずみ測定時の第2のひずみゲージ1′の抵抗値R2 εを求めると次式が得られる。
【0025】
R2 ε=R20・(K2・ε2+1)・・・・・・・・・・(8)
【0026】
式(7)の両辺をそれぞれ式(8)の両辺で除算し、式(4)、(5)を用いて変形すると、次式(9)が得られる。
【0027】
Cε=C0(K1・ε1+1)/(K2・ε2+1)・・・・・・・・・・(9)
【0028】
ここで、第1のひずみゲージ1に生じるひずみε1と第2のひずみゲージ1′に生じるひずみε2との比を次式(10)のとおりaとする。
【0029】
ε2=a・ε1・・・・・・・・・・(10)
【0030】
式(9)、(10)から、第1のひずみゲージ1に発生するひずみε1を求めると次式が得られる。
【0031】
ε1=(Cε−C0)/(K1・C0−a・K2・Cε)・・・・・・・・・・(11)
【0032】
次に、2つのひずみゲージ1、1′の直列回路に電流供給電圧Eによって、リード線2,7,8を介して電流iを流した場合を想定する。尚、電流供給電圧Eを生成する電源としては、定電圧源を用いてもよいし定電流源を用いてもよい。このとき、第1のひずみゲージ1に電圧V1が生じ、第2のひずみゲージ1′に電圧V2が生じるとすると、式(11)の右辺に示される抵抗比Cε、C0は、次式(12)、(13)のようにひずみゲージ1、1′に生じる電圧V1,V2で表される。
【0033】
C0=R10/R20=i・R10/(i・R20)=V10/V20・・・・・・・・・・(12)
【0034】
Cε=R1 ε/R2 ε=i・R1 ε/(i・R2 ε)=V1 ε/V2 ε・・・・・・・・・・(13)
【0035】
従って、ひずみゲージ1、1′に生じる電圧V1,V2をひずみゲージ1、1′に流れる電流iに影響を及ぼすことなく把握すれば、それらの電圧V1,V2から、式(11)で表されるひずみεを把握することができる。そして、この電圧V1、V2は、リード線2,7,8の抵抗とは無関係であると共に、それぞれ、リード線3,4、リード線5,6を介して抽出でき、さらに、高入力インピーダンスのアンプやバッファを使用することで、リード線3,4,5,6に電流をほとんど流すことなく検出できる。つまり、ひずみゲージ1、1′に生じる電圧V1,V2は電圧抽出用リード線3,4,5,6を用いることで式(12)、(13)の関係式を満たすように把握できる。
【0036】
尚、第1のひずみゲージ1に生じるひずみ量と第2のひずみゲージ1′に生じるひずみ量との比aの値は、例えば、板状の試験材料の表裏にそれぞれひずみゲージを貼って曲げひずみを計測する場合には、a=−1となる。また、材料のポアッソン比を利用するために、同一面で直交軸方向にひずみゲージを貼ってひずみ測定する場合には、ポアッソン比がνならば、a=−νとなる。
【0038】
次に1ゲージ法での測定に関して説明する。図2に示すように、ひずみゲージ1の一端にはリード線2,3が結線され、他端にはリード線4、5が結線されている。ひずみゲージ1はリード線5を介して基準抵抗体RSに直列に接続されている。ひずみゲージ1と基準抵抗体RSにはリード線2,5を介して電流が流れる。リード線3,4はひずみゲージ1に生じる電圧を抽出する。尚、回路11、12については後述する。
【0039】
この場合のひずみゲージ1と基準抵抗体RSとの直列回路は、図1のひずみゲージ1′を一定抵抗値の基準抵抗体RSで置き換えた回路と等価である。そして、基準抵抗体RSはひずみを生じないので式(11)でa=0となる。従って、このようなひずみゲージ1と基準抵抗体RSとの直列回路においてひずみεを求める場合には、式(11)において、a=0とすれば、次式が得られる。
【0040】
ε=(1/K)・(Cε/C0−1)・・・・・・・・・・(14)
【0041】
ただしKはひずみゲージ1のゲージ率である。また、抵抗比Cε、C0は、Cε=R1 ε/RS、C0=R10/RSである。
【0042】
次に、ひずみゲージ1と基準抵抗体RSとの直列回路に電流供給電圧Eによって、リード線2,5を介して電流iを流した場合を想定する。尚、電流供給電圧Eを生成する電源としては、定電圧源を用いてもよいし定電流源を用いてもよい。このとき、ひずみゲージ1に電圧V1が生じ、基準抵抗体RSに電圧V2が生じるとすると、式(14)の右辺に示される抵抗比Cε、C0は、前記の式(12)、(13)のように電圧V1,V2で表される。従って、ひずみゲージ1および基準抵抗体RSに生じる電圧V1,V2をひずみゲージ1および基準抵抗体RSに流れる電流iに影響を及ぼすことなく把握すれば、それらの電圧V1,V2から、式(14)で表されるひずみεを把握することができる。そして、電圧V1は、リード線2,5の抵抗とは無関係であると共に、リード線3,4を介して抽出でき、さらに、高入力インピーダンスのアンプやバッファを使用することで、リード線3,4に電流をほとんど流すことなく検出できる。
【0043】
また、基準抵抗体RSは物体に貼着する必要のないものであるので、任意の箇所(例えば測定器内)に配置することができ、基準抵抗体RSに生じる電圧V2はその近傍で配線パターンなど適宜の導体線を介して抽出できる。
【0044】
さらに、高入力インピーダンスのアンプ等を使用することで、ひずみゲージ1および基準抵抗体RSに流れる電流に影響を及ぼすことなく電圧V2を検出できる。従って、ひずみゲージ1の抵抗値と基準抵抗体RSとの抵抗比C=R1/RSと、それらに生じる電圧V1,V2の比V1/V2とが等しくなるように電圧V1,V2を検出できる。
【0045】
以上説明した内容を基礎として本発明を以下に説明する。尚、以下の説明では本発明の理解の便宜上前述の参照符号を必要に応じて用いる。前記の目的を達成するために、本発明のひずみ測定方法は、ひずみに応じた抵抗値変化を生じるひずみゲージ1を物体に貼着して、該物体のひずみを測定する方法(1ゲージ法)であって、一定抵抗値の基準抵抗体Rsと前記ひずみゲージ1とを直列に接続し、前記ひずみゲージ1あらかじめ結線された電流供給用リード線2,5を介して、前記基準抵抗体Rsとひずみゲージ1との直列回路に電流を流す電流供給ステップと、ひずみ測定の基準とする初期状態であって前記ひずみゲージを前記物体に貼着した状態において、前記電流供給ステップによりひずみゲージ1に生じた電圧を、前記ひずみゲージ1の各端部に前記電流供給用リード線2,5は別にあらかじめ結線された電圧抽出用リード線3,4を介して抽出すると共に、前記基準抵抗体Rsに生じた電圧を該基準抵抗体Rsの近傍で抽出する初期電圧抽出ステップと、前記物体のひずみ測定時において、前記電流供給ステップによりひずみゲージ1に生じた電圧を前記電圧抽出用リード線3,4を介して抽出すると共に、前記基準抵抗体Rsに生じた電圧を該基準抵抗体Rsの近傍で抽出するひずみ電圧抽出ステップと、前記初期電圧抽出ステップおよびひずみ電圧抽出ステップで抽出された電圧に基づいて、前記ひずみゲージの抵抗値およびその変化量並びに前記基準抵抗体の抵抗値を未知数としたまま、前記の式(14)により表される値εをひずみ測定値として求めるひずみ算出ステップと、を有する。さらに、本発明のひずみ測定方法では、前記初期電圧抽出ステップおよびひずみ電圧抽出ステップは、それぞれ、ひずみゲージに生じる電圧と基準抵抗体に生じる電圧との差を検出する電圧差検出ステップと、前記基準抵抗体に生じた電圧とあらかじめ定められた一定値の基準入力電圧とを入力する回路によって、該基準抵抗体に生じる電圧に応じて該電圧が前記基準入力電圧の値に等しくなるように前記電流供給ステップで前記ひずみゲージと基準抵抗体との直列回路に流す電流を制御するステップとを有する。そして前記ひずみ算出ステップは、前記初期電圧抽出ステップおよびひずみ電圧抽出ステップがそれぞれ、前記電圧差検出ステップにて検出した電圧差と、前記あらかじめ定められた基準入力電圧の値とから、前記式(14)により表される値εを求める。
【0046】
かかる本発明によれば、ひずみゲージ1にあらかじめ結線された電流供給用リード線2,5を介して、基準抵抗体RSとひずみゲージ1との直列回路に電流を流す。ひずみ測定の基準とする初期状態および物体のひずみ測定時において、ひずみゲージ1に生じた電圧を、ひずみゲージ1にあらかじめ結線された電圧抽出用リード線3,4を介して抽出すると共に、基準抵抗体RSに生じた電圧を基準抵抗体RSの近傍で抽出する。電圧の抽出には、例えば、高入力インピーダンスのアンプを用いる。これにより、前述したように、前記電流供給用リード線2,5はもちろん電圧抽出用リード線3,4の抵抗値によらずにひずみゲージ1及び基準抵抗体RSに生じる電圧V1,V2を抽出できる。そして、初期状態およびひずみ測定時に抽出された電圧V1,V2に基づいて、前記の式(14)により表される値εをひずみ測定値として決定することができる。
【0047】
従って、ひずみゲージ1に結線された電流供給用リード線2,5や電圧抽出用リード線3,4の抵抗が測定値に影響を与えないようにしてひずみを測定することができる。つまり、各リード線の抵抗が異なった抵抗値に変化したとしても測定誤差が生じることがなくなる。例えば、日照により温度変化があるような屋外で長いリード線を使用した場合でも、正確で安定なひずみ測定ができる。
【0050】
ところで本発明において、ひずみに応じたひずみゲージ1の抵抗値変化は微小であるので、ひずみゲージ1と基準抵抗体RSに生じた電圧V1,V2を各々測定するためには高分解能の電圧測定手段が必要となる。すなわち、電圧V1,V2を測定する際に、電圧V1,V2の中心的な大きさに比べてひずみによる電圧変化は極めて小さいので、電圧V1、V2をその中心的な値よりも十分に小さな桁の電圧まで測定しなければならない。一方、電圧V1とV2の差はその中心的な値がV1とV2の大きさに比べて小さいので、アンプ等により増幅することで、V1とV2の電圧変化を単独で測定するよりも精度よく測定することができる。また、V1とV2の電圧差を次式(15)のとおりe′とする。
【0051】
V1−V2=e′・・・・・・・・・・(15)
【0052】
式(15)により、ひずみゲージ1と基準抵抗体RSとの抵抗比Cは次式(16)または(17)で表される。
【0053】
C=V1/V2=(V2+e′)/V2=1+e′/V2・・・・・・・・・・(16)
【0054】
C=V1/V2=1/(1−e′/V1)・・・・・・・・・・(17)
【0055】
すなわち、抵抗比Cは、ひずみゲージ1に生じた電圧V1または基準抵抗体RSに生じた電圧V2と、V1とV2の電圧差e′とにより表すことができる。従って、V1とV2の電圧差e′を検出するようにした場合には、電圧V1またはV2と、その電圧差e′により、ひずみを算出することができる。また、電圧差e′を検出すると共にV 2 をあらかじめ定めた一定の電圧値に保てば、それらの値から、前記式(16)により抵抗比が判り、ひいては式(14)によりひずみを算出できる。
【0056】
そこで、本発明のひずみ測定方法では、さらに前記初期電圧抽出ステップとひずみ電圧抽出ステップとは、それぞれ、ひずみゲージ1に生じる電圧と基準抵抗体RSに生じる電圧との差を検出する電圧差検出ステップと、前記基準抵抗体に生じた電圧とあらかじめ定められた一定値の基準入力電圧とを入力する回路によって、該基準抵抗体に生じる電圧が前記基準入力電圧の値に等しくなるように前記電流供給ステップで前記ひずみゲージと基準抵抗体との直列回路に流す電流を制御するステップとを有し、前記ひずみ算出ステップは、前記初期電圧抽出ステップおよびひずみ電圧抽出ステップがそれぞれ、前記電圧差検出ステップにて検出した電圧差と、前記あらかじめ定められた基準入力電圧の値とから、前記の式(14)により表される値εを求める。
【0057】
かかる発明によれば、ひずみ測定の基準とする初期状態およびひずみ測定時において、ひずみゲージ1に生じる電圧と基準抵抗体RSに生じる電圧との電圧差を検出し、基準抵抗体R s に生じた電圧V 2 とあらかじめ定められた一定値の基準入力電圧Vとを入力する回路によって、該基準抵抗体R s に生じる電圧が前記基準入力電圧Vの値に等しくなるように前記電流供給ステップで前記ひずみゲージ1と基準抵抗体R s との直列回路に流す電流を制御する。そして、検出した電圧差とあらかじめ定められた基準入力電圧Vの値とから、式(14)によりひずみを算出する。ひずみゲージ1に生じる電圧と基準抵抗体RSに生じる電圧との電圧差を測定する際には、ひずみゲージ1に生じる電圧または基準抵抗体RSに生じる電圧を単独で測定する場合に比べて、測定する電圧の中心的な値が小さくなるので、前述のように高精度で測定できる。また、ひずみゲージ1に生じた電圧V 1 および基準抵抗体R S に生じた電圧V 2 をそれぞれ測定するための高分解能電圧測定手段を必要としないで測定回路を構成することができ、コストを低減できる。
【0075】
尚、前述の本発明の説明では、式(14)の右辺におけるひずみゲージと基準抵抗体の抵抗比Cが、ひずみゲージと基準抵抗体にそれぞれ生じる電圧V1,V2で表せることを示し、それに基づいて本発明を説明したが、本発明は抵抗比C自体を電圧V1,V2から求めることを必須とするものではない。つまり、前記ひずみゲージ1の抵抗値およびその変化量並びに前記基準抵抗体R s の抵抗値を未知数としたまま、V1,V2あるいはその差を用いて式(14)と同じ演算結果が得られる限りどのような形式の演算式を用いてもよい。
【0077】
次に、本発明の多点ひずみ測定システムは、前述した本発明のひずみ測定方法を用いて多点ひずみ測定を行うシステムであって、前記電流供給用リード線2,5及び電圧抽出用リード線3,4がそれぞれあらかじめ結線された複数のひずみゲージ1と、前記基準抵抗と、前記電流供給ステップ、初期電圧抽出ステップ、ひずみ電圧抽出ステップ及びひずみ算出ステップの処理を実行するための回路と、を含む測定手段と、各ひずみゲージ1の電流供給用リード線2,5および電圧抽出用リード線3,4が接続され、前記測定手段に接続するひずみゲージ1を選択的に切り換えるスイッチ手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0078】
上記構成によれば、複数のひずみゲージ1には、電流供給用リード線2,5及び電圧抽出用リード線3,4があらかじめ結線される。測定手段は、例えば、ひずみゲージへの電流を供給するための回路、初期状態およびひずみ測定時の電圧を抽出するための回路、及びひずみ算出処理を実行するための回路と、基準抵抗とを備える。スイッチ手段は、例えば複数のスイッチ素子からなる。スイッチ素子は、各ひずみゲージ1の電流供給用リード線2,5および電圧抽出用リード線3,4が接続されるとともに、測定手段に結線され、測定手段に接続するひずみゲージ1を選択的に切り換えることができる。また、スイッチ素子の接点抵抗はリード線の抵抗の一部とみなされるので、リード線抵抗と同様に接点抵抗のひずみ測定への影響をなくすことができる。
【0081】
また、本発明の多点ひずみ測定システムでは、前記スイッチ手段は、各ひずみゲージに対応したチャンネルを有して、該チャンネルを指定する信号を識別して該信号に基づいてスイッチを切り換えるチャンネル識別手段を備えた複数の測定用モジュールから構成され、前記複数の測定用モジュールは、前記測定手段に接続された共通の信号線に結線され、前記測定手段は、前記チャンネルを指定する信号を前記測定用モジュールに供給するチャンネル制御手段を備えることが好ましい。
【0082】
上記構成によれば、スイッチ手段は、測定手段に接続された共通の信号線に結線された複数の測定用モジュールから構成される。測定用モジュールは、各ひずみゲージに対応したチャンネルを有し、チャンネル識別手段を備える。測定手段は、チャンネル制御手段により、チャンネルを指定する信号を測定用モジュールに供給する。測定用モジュールは、チャンネル識別手段により、チャンネルを指定する信号を識別し、識別した信号に基づいてスイッチを切り換える。従って、測定用モジュールを切り換えることができるので、各測定点においてひずみゲージに生じる電圧を抽出することにより各測定点におけるひずみを算出することができる。また、従来のように各測定点でブリッジ回路を形成する必要もないので、各測定点へのダミー抵抗の配置が不要になり、経済的なだけでなく、配置したダミー抵抗の安定性が測定に影響することもないので測定精度が向上する。
【0085】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)本発明のひずみ測定方法を用いたひずみ測定装置を図3を参照して説明する。
【0086】
このひずみ測定装置30は、測定回路31と、コントロールユニット40とを備えている。なお、測定回路31とコントロールユニット40とは、必ずしも一体に構成する必要はなく、別体に構成してもよい。
【0087】
測定回路31にはリード線2〜5を介してひずみゲージ1が接続されている。ひずみゲージ1は測定対象の物体(図示せず)に貼着され、ひずみに応じた抵抗値変化を生じる。ひずみゲージ1の両端には、あらかじめ2本ずつのリード線2〜5が結線されている。ひずみゲージ1の両端に結線された一対のリード線2、5が電流供給用のリード線として使用され、さらにひずみゲージ1の両端に結線されたもう一対のリード線3、4が電圧抽出用のリード線として用いられる。
【0088】
測定回路31は、前記図2に示したものと等価であり、基準抵抗体RSと、電圧差検出回路11と、電圧安定化回路21とを備えている。
【0089】
基準抵抗体RSは、リード線5を介してひずみゲージ1と直列に接続されている。基準抵抗体RSは、基本的には、抵抗値が測定対象の物体に生じるひずみとは無関係に一定となるような抵抗素子(例えば固定抵抗値の抵抗素子)により構成される。
【0090】
電圧差検出回路11は、高入力インピーダンスのオペアンプop1,op2,op3と抵抗体Ra〜Rdとを備えている。オペアンプop1,op2の正入力にはそれぞれリード線3,4が接続され、オペアンプop3の正入力にはリード線5と基準抵抗体RSとの間の中点が接続されている。また、オペアンプop1の出力は抵抗体Ra、Rbの直列回路を介して基準抵抗体RSの一端(ひずみゲージ1と反対側の一端)に接続され、オペアンプop2、op3の出力は抵抗体Rc、Rdの直列回路を介して相互に接続されている。
【0091】
電圧差検出回路11は、ひずみゲージ1に生じた電圧V1と基準抵抗体RSに生じた電圧V2との差分eを検出する。この回路11では、オペアンプop1,op2,op3はボルテージフォロア回路を形成し、ひずみゲージ1に生じた電圧V1と基準抵抗体RSに生じた電圧V2とリード線5に生じた電圧V5の和V1+V2+V5を固定抵抗Ra、Rbの直列回路に与え、リード線5に生じた電圧V5を固定抵抗Rc、Rdの直列回路に与える。尚、固定抵抗Ra〜Rdの抵抗値は同一である(Ra=Rb=Rc=Rd)。この電圧差検出回路11の出力電圧eすなわち、固定抵抗Ra、Rbの直列回路の中点と、固定抵抗Rc、Rdの直列回路の中点との間の電圧は、次式(20)で与えられる。
【0092】
e=(V1+V2+V5)・Rb/(Ra+Rb)−V2
−V5・Rd/(Rc+Rd)
=(V1−V2)/2・・・・・・・・・・(20)
【0093】
従って、出力電圧eはV1−V2に比例したものになり、V1−V2を検出できることとなる。尚、この場合、オペアンプop1,op2,op3は高入力インピーダンスのものであるので、リード線3,4には電流がほとんど流れないと共に、基準抵抗体RSとリード線5の間からオペアンプop3に流れる電流もほぼ0である。
【0094】
電圧安定化回路21は高入力インピーダンスのオペアンプop4から構成される。オペアンプop4の負入力は、リード線5と基準抵抗体RSとの間の中点に接続され、オペアンプop4の出力はリード線2に接続されている。また、測定回路31には、あらかじめ定められたレベルの基準入力電圧Vを外部から入力するための一対の電源入力端子32,33が設けられており、オペアンプop4の正入力は電源入力端子32に接続されている。さらに、電源入力端子33は、基準抵抗体RSの一端(ひずみゲージ1と反対側の一端)に接続されている。従って、オペアンプop4は、基準抵抗体RSに生じる電圧V2が電源入力端子32,33に付与される基準入力電圧Vと等しくなるように、ひずみゲージ1及び基準抵抗体RSに流れる電流を制御する。また、測定回路31には、電圧差検出回路11の出力電圧eを外部に出力するための一対の出力端子34,35が備えられている。
【0095】
コントロールユニット40は、基準電源回路41と、増幅回路42と、A/D変換回路43と、制御回路44と、記憶回路45と、インターフェース回路46と、主電源回路47と、表示器48と、表示回路49とを備えている。
【0096】
基準電源回路41は、測定回路31の一対の電源入力端子32,33に接続されて、測定回路31に基準入力電圧V(定電圧)を供給する。増幅回路42は、測定回路31の一対の出力端子34,35に接続されて、該出力端子34,35間に発生する電圧差検出回路11の出力電圧eを増幅する。A/D変換回路43は、増幅回路42の出力をA/D変換する。制御回路44は、後述の各種データ処理や制御処理を行う。記憶回路45は、後述の各種データや制御回路44が行う処理に必要なプログラム等を記憶保持する。インターフェース回路46は、制御回路44がコントロールユニット40の外部の図示しない操作器やパーソナルコンピュータ等との間で各種データの授受を行うための回路である。主電源回路47は、コントロールユニット40全体の電源電圧を商用電源等から生成する。表示器48は、制御回路44により表示回路49を介して駆動され、ひずみ測定値等を表示する。なお、制御回路44はマイクロプロセッサ等により構成され、また記憶回路45はROM、RAM、EEPROM等により構成されたものである。コントロールユニット40の電源としては商用電源の他、電池を使用するようにしてもよい。
【0097】
上記構成のひずみ測定装置の作動を説明する。本実施形態のひずみ測定装置30では、ひずみ測定に先立って、あらかじめ、前記基準入力電圧Vの値およびひずみゲージのゲージ率Kの値が、ひずみ測定装置30の外部の適宜の操作器等からインターフェース回路46及び制御回路44を介して記憶回路45に入力されて、記憶回路45に記憶保持される。尚、これらの値V,Kはひずみ測定装置30の製造段階で記憶回路45に記憶保持しておくようにしてもよい。
【0098】
そして、ひずみ測定の基準とする初期状態において、以下のように測定が行われる。まず、ひずみゲージ1が測定対象の物体(図示せず)に貼着される。ひずみ測定装置30の所定の操作等により、コントロールユニット40を動作させる。このとき、コントロールユニット40の制御回路44は、まず、基準電源回路41を起動して、基準電源回路41から電源入力端子32,33に基準入力電圧Vを付与させる。基準電源回路41が、測定回路31に基準入力電圧Vを供給すると、電流供給用リード線2,5を介してひずみゲージ1と基準抵抗体RSにop4によってV2=Vとするように電流iが流れる。ひずみゲージ1の両端に生じた電圧V1と基準抵抗体RSに生じた電圧V2(=V)との差に比例した電圧差検出回路11の出力電圧e(初期状態での出力電圧e0)は、出力端子34,35から出力され、増幅回路42に入力される。制御回路44は、この増幅回路42に入力される電圧e0の値を、増幅回路42及びA/D変換回路43を介して与えられるデータによって認識する。その認識した電圧e0と前記基準入力電圧Vの値とに基づいて、制御回路44は次式(21)により、基準抵抗体RSに対するひずみゲージ1の抵抗の比(抵抗比)C(初期状態での抵抗比C0)を求め、求めた抵抗比C0を記憶回路45に記憶保持させる。
【0099】
C=V1/V2=1+2・e/V・・・・・・・・・・(21)
【0100】
尚、式(21)は式(20)とV2=Vという関係式に基づいて得られる。
【0101】
次に、制御回路44は、操作者の所定の操作等により指示されたタイミングや、あらかじめ設定されたタイムスケジュールに従って、次のようにひずみ測定を行う。制御回路44は、ひずみ測定を行うタイミングにおいて、基準電源回路41から電源入力端子32,33に基準入力電圧Vを付与させる。そして、ひずみゲージ1の両端に生じた電圧V1と基準抵抗体RSに生じた電圧V2との差に比例した電圧差検出回路11の出力電圧e(ひずみ測定時の出力電圧eε)は増幅回路42に入力される。制御回路44は、この増幅回路42に入力される電圧eεの値を、増幅回路42及びA/D変換回路43を介して与えられるデータによって認識する。その認識した電圧eεに基づいて、制御回路44は前記の式(21)により抵抗比C(ひずみ測定時の抵抗比Cε)を求め、求めた抵抗比Cεを記憶回路45に記憶保持させる。
【0102】
そして、制御回路44は、記憶回路45にあらかじめプログラムされた図4のフローチャートの処理を行うことで、物体のひずみεを求める。すなわち、制御回路44は、記憶回路45に記憶保持されたゲージ率K、初期状態における抵抗比C0、およびひずみ測定時の抵抗比Cεのデータを記憶回路45から読み込む。そして、読み込んだ上記の各データの値を用いて、前記の式(14)の演算を行うことで、ひずみεを求める。なお、制御回路44は、求めたひずみεの値を表示回路49を介して表示器48に表示させる。
【0103】
上述のように、本実施形態によれば、ひずみゲージに結線されたリード線2〜5の抵抗が測定値に影響を及ぼすことなくひずみを測定することができ、各リード線2〜5の抵抗が異なった抵抗値に変化したとしても測定誤差が生じることがなくなるという効果を奏する。
【0104】
本実施形態では基準抵抗体は1つとしたが、基準抵抗体を複数用いて、ひずみゲージの抵抗値に合わせて、切換手段により適切な抵抗値を選択するようにしてもよい。あるいは、電子可変抵抗などによって任意の値を設定するようにしてもよい。
【0106】
また、本実施形態では、制御回路44は、初期状態のときに抵抗比C0を算出するものとしたが、初期値の測定時には抵抗比C0は求めずに電圧差検出回路の出力値e0を記憶しておき、ひずみ測定時に、初期状態の抵抗比C0とひずみ測定時の抵抗比Cεをまとめて算出するようにしてもよい。
【0125】
(第2の実施形態)次に、本発明の第2の実施形態に係る多点ひずみ測定装置60を図5を参照して説明する。この実施形態は本発明の多点ひずみ測定装置の実施形態である。
【0126】
多点ひずみ測定装置60は、n個のチャンネルCh1〜Chn分のスイッチ回路61と、測定回路31と、コントロールユニット40とを備えている。この装置60では、測定回路31とコントロールユニット40は第1の実施形態と同一であり、これらの構成については第1の実施形態のひずみ測定装置30と同一の参照番号を付与し、説明を省略する。
【0127】
各ひずみゲージ1の両端には、あらかじめ2本ずつのリード線2〜5が結線されている。ひずみゲージ1の両端に結線された一対のリード線2、5が電流供給用のリード線として使用され、ひずみゲージ1の両端に結線されたもう一対のリード線3、4が電圧抽出用のリード線として用いられる。スイッチ回路61は、4つのスイッチ素子からなり、それらのスイッチ素子は一端が各ひずみゲージのリード線2〜5に各々結線されており、他端が測定回路31に結線されている。この場合、各スイッチ回路61の4つのスイッチ素子をオン状態にしたとき、そのスイッチ回路61に対応するひずみゲージ1が測定回路31に対して図3のものと同様に接続されるようになっている。また、コントロールユニット40の制御回路44は、チャンネルを選択する制御信号をスイッチ回路61に供給する。
【0128】
上記構成の多点ひずみ測定装置60は、次のように動作する。まず、ひずみ測定の基準とする初期状態において、以下のように測定が行われる。n個のひずみゲージ1は測定対象の物体のn個の部位に貼着される。多点ひずみ測定装置60の所定の操作等により、コントロールユニット40を動作させる。まず、コントロールユニット40の制御回路44は、選択すべきチャンネルのスイッチ回路61に制御信号を供給する。選択されたスイッチ回路61は、4つのスイッチ素子をオンさせ、選択されなかった残りのスイッチ回路61は、それぞれ4つのスイッチ素子をオフ状態に維持する。制御回路44は、基準電源回路41を起動して、基準電源回路41から、測定回路31に基準入力電圧Vを付与させる。選択したスイッチ回路61により測定回路31に接続されるひずみゲージ1には、測定回路31により前記第1実施形態のものと同様に電流が供給される。そして、制御回路44は、測定回路31の電圧差検出回路11の出力電圧e0に基づいて抵抗比C0を前記の式(21)により求め、求めた抵抗比C0を記憶回路45に記憶保持させる。以下、同様にして、制御回路44は、各スイッチ回路61に順次制御信号を供給し、選択したスイッチ回路61に接続されるひずみゲージ1に関して抵抗比C0を求め、記憶回路45に記憶保持させる。このようにして、n個のチャンネル分のスイッチ回路をすべて選択することにより、n個の抵抗比データC01〜C0nを記憶回路45に記憶保持させる。
【0129】
次に、制御回路44は、操作者の所定の操作等により指示されたタイミング等に従って、初期状態における測定と同様にしてひずみ測定を行い、各チャンネルにそれぞれ対応するn個の抵抗比データCε1〜Cεnを記憶回路45に記憶保持させる。そして、制御回路44は、記憶回路45にあらかじめプログラムされた図4のフローチャートの処理を行う。すなわち、制御回路44は、記憶回路45に保持されたゲージ率K、各チャンネル毎の初期状態における抵抗比C0kおよびひずみ測定時の抵抗比Cεk(k=1〜n)のデータを記憶回路45から読み込む。そして、読み込んだ上記の各データの値を用いて、前記の式(14)の演算を行うことで、物体のn個の測定点におけるひずみε1〜εnを求める。
【0130】
なお、n個のひずみゲージ1は測定対象の物体のn個の部位に貼着されるものとして説明したが、n個のひずみゲージがn個の物体に貼着されるものとしてもよい。上記実施形態によれば、ひずみゲージを選択的に切り換えることにより、各測定点において、ひずみゲージに生じる電圧を抽出し、ひずみを算出することができる。また、各測定点に対応するリード線の抵抗値が、測定点同士で互いに異なる場合も測定に悪影響を及ぼさなくなる。また、測定点を切り換えるスイッチの接点抵抗が測定誤差の要因とならないので、接点抵抗ができるだけ小さなスイッチ素子を選択したり、接点抵抗の影響を補償する方策を採る必要がなく、その結果、コストを低減することができる。
【0136】
(第3の実施形態)次に、本発明の第3の実施形態に係る多点ひずみ測定システムを図6を参照して説明する。この実施形態は本発明の多点ひずみ測定システムの実施形態である。
【0137】
多点ひずみ測定システムは、多点ひずみ測定装置80と、n個の測定モジュール90と、測定モジュール90に接続されたn個のひずみゲージ1とを備える。多点ひずみ測定装置80は、測定回路31と、コントロールユニット40と、チャンネル制御部81とを備えている。この装置80では、測定回路31とコントロールユニット40は第1の実施形態と同一であり、これらの構成については第1の実施形態のひずみ測定装置30と同一の参照番号を付与し、説明を省略する。
【0138】
チャンネル制御部81は、コントロールユニット40の制御回路44の制御の下、測定モジュール90を選択するための制御信号を測定モジュール90に供給する。各測定モジュール90は、4つのスイッチ素子からなるスイッチ回路61と、チャンネル識別回路91とを備える。各測定モジュール90は、一端が共通の信号線L1〜L4およびLcで多点ひずみ測定装置80に結線され、他端がひずみゲージ1に前記第1の実施形態のものと同様に結線されたリード線2〜5に接続されている。尚、信号線Lcは図面上では1本の線で表現されているが実際には2線以上の線から構成されている。信号線L1〜L4はそれぞれスイッチ回路61のスイッチ素子の一端に接続され、スイッチ素子の他端が各々ひずみゲージ1のリード線2〜5に接続されている。チャンネル識別回路91は、多点ひずみ測定装置80から信号線Lcを経由する制御信号を識別し、制御信号に応じてスイッチ素子をオン/オフする。
【0139】
上記構成の多点ひずみ測定システムは、次のように動作する。まず、ひずみ測定の基準とする初期状態において、以下のように測定が行われる。n個のひずみゲージ1は測定対象の物体のn個の部位に貼着され、各測定モジュール90は適宜配置される。多点ひずみ測定装置80の所定の操作等により、コントロールユニット40を動作させる。このとき、チャンネル制御部81は、コントロールユニット40の制御回路44の制御の下、測定モジュール90に制御信号を供給する。選択された測定モジュール90では、チャンネル識別回路91は、4つのスイッチ素子をオンさせる。この測定モジュール90に接続されたひずみゲージ1は多点ひずみ測定装置80に導通する。このとき、このひずみゲージ1は図4のものと同様に測定装置80の測定回路31に接続する。制御回路44は、基準電源回路41(図3参照)を起動して、基準電源回路41から測定回路31に基準入力電圧Vを付与させる。選択したモジュール90には信号線L1、L4を介して電流が流れ、モジュール90に接続されたひずみゲージ1の両端に電圧が生じ、信号線L2、L3により電圧が抽出される。制御回路44は、電圧差検出回路11(図3参照)の出力電圧e0に基づいて抵抗比C0を前記の式(21)により求め記憶回路45に記憶保持させる。以下、同様にして、制御回路44は、各モジュール90に制御信号を順次供給し、選択したモジュール90に接続されるひずみゲージ1に関して抵抗比C0を求め、記憶回路45に記憶保持させる。このようにして、n個のチャンネル分のモジュール90をすべて選択することにより、各チャンネルにそれぞれ対応するn個の抵抗比データC01〜C0nを記憶回路45に記憶保持させる。
【0140】
次に、制御回路44は、操作者の所定の操作等により指示されたタイミング等に従って、初期状態における測定と同様にしてひずみ測定を行い、各チャンネルに対応するn個の抵抗比データCε1〜Cεnを記憶回路45に記憶保持させる。そして、制御回路44は、記憶回路45にあらかじめプログラムされた図4のフローチャートの処理を行う。すなわち、制御回路44は、記憶回路45に記憶保持されたゲージ率K、各チャンネル毎の初期状態およびひずみ測定時における抵抗比C0k、Cεk(k=1〜n)を記憶回路45から読み込む。そして、上記の各データの値を用いて、前記の式(14)の演算を行うことで、物体のひずみε11〜ε1nを求める。なお、n個のひずみゲージ1はn個の物体に貼着されるものとしてもよい。
【0141】
この実施形態によれば、各モジュールに結線された共通の信号線が長くてもその抵抗値がひずみ測定値に影響を及ぼさずに多点ひずみ測定を行うことができる。また、測定点を切り換えるスイッチの接点抵抗が測定誤差の要因とならないので、接点抵抗ができるだけ小さなスイッチ素子を選択したり、接点抵抗の影響を補償する方策を採る必要がなく、その結果、コストを低減することができる。
【0148】
以上説明した第1〜第3の実施形態においては、コントロールユニット40の制御回路44は、抵抗比Cを求めた上で、前記の式(14)からひずみを求めている。しかし、本発明は、式(14)に示す抵抗比Cを必ず使用しなければならないわけではない。1ゲージ法では、ひずみゲージと基準抵抗体に生じる電圧V1、V2あるいはそれらの差を用いて求めることができ、且つ、式(14)と同じ演算結果になるかぎり、どのような形式の演算式を用いてもよい。例えば、1ゲージ法では、抵抗比Cの代わりに、基準抵抗体RSに対するひずみゲージの抵抗Rと基準抵抗体RSの差の割合(R−RS)/RS(以下これを抵抗差率Dとよぶ)を用いてひずみを表すようにしてもよい。この場合には、式(14)は、次式(23)のように書き換えられる。
【0149】
ε=(1/K)・(Dε−D0 )/(1+D0)・・・・・・・・・・(23)
【0150】
ただし、Dεはひずみ測定時の抵抗差率、D0は測定の基準とする初期状態における抵抗差率、Kはひずみゲージのゲージ率をそれぞれ表すものとする。
【0154】
ここで、上記抵抗差率Dと電圧V1、V2との間には次式(25)の関係がある。
【0155】
D=(V1−V2)/V2・・・・・・・・・・(25)
【0156】
従って、この式(25)を式(23)に適用することでV1,V2を用いてひずみεの測定値を得ることができることとなる。
【0157】
また、上記実施の形態においては、ひずみ測定装置に1つのひずみゲージを接続する場合(1ゲージ法)を説明したが、これに限定されるものではなく、1ゲージ法と2ゲージ法を切換により両方とも実現可能なひずみ測定装置を構成してもよい。この場合の測定回路を図7に示す。(第4実施形態)図7において、スイッチSW1がオフで、SW2がオンの場合には、1ゲージ法の測定回路(第1の実施形態)になり、スイッチSW1がオンで、SW2がオフの場合には、2ゲージ法の測定回路になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】2つのひずみゲージを用いた測定方法の原理を説明するための測定回路を示す図。
【図2】1つのひずみゲージを用いた本発明の測定方法の原理を説明するための測定回路を示す図。
【図3】第1の実施形態のひずみ測定装置を示す図。
【図4】第1の実施形態におけるひずみ算出の処理を示すフローチャート。
【図5】第2の実施形態の多点ひずみ測定装置を示す図。
【図6】第3の実施形態に多点ひずみ測定装置を示す図。
【図7】第4の実施形態のひずみ測定装置を示す図。
【図8】従来の1ゲージ2線法の測定回路を示す図。
【図9】従来の1ゲージ3線法の測定回路を示す図。
【図10】従来の2ゲージ法の測定回路を示す図。
【符号の説明】
1,1′・・・ひずみゲージ、2〜8・・・リード線、10,11・・電圧差検出回路、20,21・・・電圧安定化回路、30・・・ひずみ測定装置、60,80・・・多点ひずみ測定装置、61・・・スイッチ回路、81・・・チャンネル制御部、90・・・測定モジュール、91・・・チャンネル識別回路。
Claims (3)
- ひずみに応じた抵抗値変化を生じるひずみゲージを物体に貼着して、該物体のひずみを測定する方法であって、
一定抵抗値の基準抵抗体と前記ひずみゲージとを直列に接続し、前記ひずみゲージにあらかじめ結線された電流供給用リード線を介して、前記基準抵抗体とひずみゲージとの直列回路に電流を流す電流供給ステップと、
ひずみ測定の基準とする初期状態であって前記ひずみゲージを前記物体に貼着した状態において、前記電流供給ステップによりひずみゲージに生じた電圧を、前記ひずみゲージの各端部に前記電流供給用リード線とは別にあらかじめ結線された電圧抽出用リード線を介して抽出すると共に、前記基準抵抗体に生じた電圧を該基準抵抗体の近傍で抽出する初期電圧抽出ステップと、
前記物体のひずみ測定時において、前記電流供給ステップによりひずみゲージに生じた電圧を前記電圧抽出用リード線を介して抽出すると共に、前記基準抵抗体に生じた電圧を該基準抵抗体の近傍で抽出するひずみ電圧抽出ステップと、
前記初期電圧抽出ステップおよびひずみ電圧抽出ステップで抽出された電圧に基づいて、前記ひずみゲージの抵抗値およびその変化量並びに前記基準抵抗体の抵抗値を未知数としたまま、次式(1)により表される値εをひずみ測定値として求めるひずみ算出ステップと、
ε=(1/K)・(C ε /C 0 −1)・・・・・・・・・・(1)
ただし、C ε :ひずみ測定時の基準抵抗体に対するひずみゲージの抵抗比、C 0 :初期状態における基準抵抗体に対するひずみゲージの抵抗比、K:ひずみゲージのゲージ率
を有すると共に、
前記初期電圧抽出ステップおよびひずみ電圧抽出ステップは、それぞれ、ひずみゲージに生じた電圧と基準抵抗体に生じる電圧との差を検出する電圧差検出ステップと、前記基準抵抗体に生じる電圧とあらかじめ定められた一定値の基準入力電圧とを入力する回路によって、該基準抵抗体に生じる電圧が前記基準入力電圧の値に等しくなるように前記電流供給ステップで前記ひずみゲージと基準抵抗体との直列回路に流す電流を制御するステップとを有し、
前記ひずみ算出ステップは、前記初期電圧抽出ステップおよびひずみ電圧抽出ステップがそれぞれ、前記電圧差検出ステップにて検出した電圧差と、前記あらかじめ定められた基準入力電圧の値とから、前記式(1)により表される値εを求めることを特徴とするひずみ測定方法。 - 請求項1に記載のひずみ測定方法を用いて多点ひずみ測定を行うシステムであって、
前記電流供給用リード線及び電圧抽出用リード線がそれぞれあらかじめ結線された複数のひずみゲージと、
前記基準抵抗と、前記電流供給ステップ、初期電圧抽出ステップ、ひずみ電圧抽出ステップ及びひずみ算出ステップの処理を実行するための回路と、を含む測定手段と、
各ひずみゲージの電流供給用リード線および電圧抽出用リード線が接続され、前記測定手段に接続するひずみゲージを選択的に切り換えるスイッチ手段と、
を備えたことを特徴とする多点ひずみ測定システム。 - 前記スイッチ手段は、
各ひずみゲージに対応したチャンネルを有して、該チャンネルを指定する信号を識別して該信号に基づいてスイッチを切り換えるチャンネル識別手段を備えた複数の測定用モジュールから構成され、前記複数の測定用モジュールは、前記測定手段に接続された共通の信号線に結線され、
前記測定手段は、前記チャンネルを指定する信号を前記測定用モジュールに供給するチャンネル制御手段を備える、
ことを特徴とする請求項2に記載の多点ひずみ測定システム。
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