JP4038193B2 - 多点ひずみ測定システム - Google Patents

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Description

本発明は、多点ひずみ測定システムに関する。
物体のひずみ測定を行なう場合、ひずみに応じて抵抗値が変化するひずみゲージが物体に貼着される。ひずみを測定する方法には、1ゲージ法が一般に知られており、この1ゲージ法によるひずみ測定を行う従来の測定装置には、ひずみゲージと併せてホイートストンブリッジ回路(ブリッジ回路)を構成する抵抗回路が備えられている(例えば特許文献1を参照)。
図7は、温度変化に伴うブリッジ回路の不平衡を是正する方法として広く用いられている1ゲージ3線法の測定手法を示している。この方法では、ひずみゲージ1の両端に一対のリード線2,3が結線されると共に、ひずみゲージ1の一端にもう一つのリード線4が結線されている。そして、ひずみ測定する際には、ブリッジ回路の電源入力部A,C間に電源電圧Vを付与した状態で、ひずみゲージ1のリード線4を結線した一端と、抵抗体R、Rの接続点Dとの間に生じる出力電圧eが検出される。この方法では、リード線2,3がブリッジ回路の隣り合う辺に組み込まれることとなるので、リード線2,3の抵抗値が環境温度により同じように変化する限り、ブリッジ回路の平衡が保たれる。
特開平2−122204号公報
しかしながら、前述した1ゲージ3線法では、リード線同士の温度差によって、各リード線の抵抗値に偏りが生じた場合には、見かけひずみが発生してしまう。例えば、屋外でひずみ測定する際に、雲の動きにより日照が変化すると、上記の温度差が生じて見かけひずみが発生し、ひずみ測定の不安定要因になる場合がある。さらに、物体の多数部位あるいは多数の物体についての多点ひずみ測定を行う場合に、各測定点に対応するリード線の抵抗値が、測定点同士で互いに異なる場合も多々あり、このような場合には、測定点毎に、リード線の抵抗値の影響を排除するための補正作業が必要になって、多大な労力を要する。また、多点ひずみ測定を行う場合に、測定点を切り換えるスイッチの接点抵抗も測定誤差の要因となるので、その接点抵抗ができるだけ小さなスイッチ素子を選択したり、その接点抵抗の影響を補償する方策を採る必要がある。その結果、コストアップを招くという不都合があった。
また、特に3軸方向のひずみを検出するロゼットゲージ(これは3個のひずみゲージから構成される)を使用して、1ゲージ3線法によりひずみ測定を行なう場合には、1つのロゼットゲージに対して9本の信号線が必要になる。このため、多数のロゼットゲージを使用して多点測定を行うと、信号線の数が膨大になる。
加えて、ロゼットゲージは、それを構成する3個のひずみゲージのそれぞれについて各別にひずみ測定を行う必要があることから、従来の多点ひずみ測定装置では、N個のロゼットゲージを使用する多点ひずみ測定は、N×3個の互いに独立したひずみゲージを使用する多点ひずみ測定と同じように行なわれていた。このため、異なるロゼットゲージのひずみ測定値を混同するなど不具合を生じることがあった。
本発明はかかる背景に鑑み、複数のロゼットゲージを使用する多点ひずみ測定システムにおいて、ロゼットゲージを構成するひずみゲージに結線された信号線の数を低減し、また、ひずみゲージに結線されたリード線の抵抗が測定値に影響を与えないようにして、ロゼットゲージに適した多点ひずみを測定を行なうことができる多点ひずみ測定システムを提供すること目的とする。
本発明を説明する前に、本発明に係る基本的事項を図1を参照して説明しておく。
図1に示すように、n個のひずみゲージG、G、・・・、Gは、この順番に直列に接続されて直列回路を形成している。ひずみゲージの直列回路の一端には、あらかじめ2本の信号線r、rが結線されて、他端には2本の信号線rn+2、rn+3が結線されている。ひずみゲージGk−1、G(k=2〜n)の接続点には、信号線rk+1が結線されている。
このn個のひずみゲージの中から1個のひずみゲージを測定用ひずみゲージとして選択してひずみ測定を行う方法を説明する
例えば、ひずみゲージGを選択し、このひずみゲージGに信号線r〜rn+3のうちの2つ、例えばひずみゲージGの両端に結線された信号線r、rを介して電流を流すものとする。そして、信号線r、r以外の2つの信号線、例えば信号線rとrを介してひずみゲージGに生じる電圧VG1を抽出する。
このとき、オペアンプ等の高入力インピーダンスの電圧抽出手段を用いることにより、信号線r、rや、これらの信号線r、rの間に存するひずみゲージG以外のひずみゲージGにほとんど電流を流すことなく、ひずみゲージGに生じた電圧VG1を信号線r、rを介して抽出できる。つまり、ひずみゲージGに生じた電圧VG1を電圧抽出用信号線r、rや他のひずみゲージGによる電圧降下を実質的に伴うことなく抽出できる。
尚、信号線r、rはひずみゲージGの同一端に接続されているので、信号線r、rに電流を流し、信号線rとrを介してひずみゲージGに生じる電圧VG1を抽出してもよい。
また、より一般的には上記のように、ひずみゲージGに結線された信号線r(又はr)とrとを電流供給用信号線として使用した場合には、信号線r(又はr)とr〜rn+3のいずれかとを電圧抽出用の信号線として使用することで、ひずみゲージGに生じた電圧VG1を抽出できる。
また、逆に、信号線r(又はr)とrを電圧抽出用の信号線として用いると共に、信号線r(又はr)とr〜rn+3のいずれかとを電流供給用信号線として用いてもよい。
このようにひずみゲージGに、信号線r〜rn+3のうちの2つを電流供給用信号線として用いて電流を流しつつ、その電流供給用信号線と異なる2つの信号線を電圧抽出用信号線として用いて、ひずみゲージGに生じた電圧VG1を抽出できる。そして、この場合、2つの電圧抽出用信号線や、これらの間に存するひずみゲージG以外のひずみゲージにほとんど電流を流すことなく、ひずみゲージGに生じた電圧VG1を抽出できる。このことは、ひずみゲージGの代わりにひずみゲージG〜Gのいずれかを選択した場合も同様である。
そして、このように、選択した1つのひずみゲージに電流を流しつつ、そのひずみゲージに生じた電圧を抽出したとき、その抽出した電圧に基づいて該ひずみゲージに生じたひずみを測定することが可能である。
例えば、選択したひずみゲージG(k=1,2,・・・,n)に流す電流を定電流にすれば、このひずみゲージGに生じる電圧はひずみゲージGの抵抗値に比例するものとなる。従って、その電圧(抽出した電圧)の変化を観測することで、ひずみゲージGのひずみを測定できることとなる。また、具体的な内容は後述するが、本願出願人が先に出願した特願2002−92749号にて提案した方法によって、ひずみゲージGに生じた電圧(抽出した電圧)に基づいてひずみ測定を行うこともできる。
以上説明した内容を基礎として本発明を以下に説明する。
前記の目的を達成するために、本発明の多点ひずみ測定システムは、ロゼットゲージを構成する3個のひずみゲージを直列に接続して、ひずみゲージどうしの接合点にそれぞれ各1本の信号線を結線しておくと共に、該3個のひずみゲージの直列回路の両端部にはそれぞれ各2本の信号線を結線しておき、
前記3個のひずみゲージを直列に接続することと前記信号線の結線とがそれぞれなされた複数のロゼットゲージと、
各ロゼットゲージに対して、該ロゼットゲージを構成する各ひずみゲージを測定用ひずみゲージとして選択する手段と、その選択した測定用ひずみゲージに前記信号線のうちの2つの信号線を介して電流を流す手段と、該電流を流した測定用ひずみゲージに生じる電圧をそれぞれ前記2つの信号線とは異なる2つの信号線を介して抽出する手段と、その抽出した電圧に基づいて、該測定用ひずみゲージに生じたひずみを求める手段とを含む測定手段と、
各ロゼットゲージの信号線が接続され、前記測定手段に接続するロゼットゲージを選択的に切り換えるスイッチ手段と、
前記スイッチ手段を制御するスイッチ制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
かかる本発明によれば、各ロゼットゲージを構成する3個のひずみゲージの直列回路には、前記の通り、信号線(各ロゼットゲージを構成するひずみゲージの個数+3本)があらかじめ結線される。測定手段は、各ロゼットゲージに対して、該ロゼットゲージを構成する各ひずみゲージを測定用ひずみゲージとして選択する手段と、その選択した測定用ひずみゲージに前記信号線のうちの2つの信号線を介して電流を流す手段と、該電流を流した測定用ひずみゲージに生じる電圧をそれぞれ前記2つの信号線とは異なる2つの信号線を介して抽出する手段と、その抽出した電圧に基づいて、該測定用ひずみゲージに生じたひずみを求める手段とを含む。スイッチ手段は、例えば複数のスイッチ素子からなる。スイッチ手段は、各ロゼットゲージの信号線に接続されるとともに、測定手段に結線され、測定手段に接続するロゼットゲージを選択的に切り換えることができる。
つまり、各ロゼットゲージ毎に、測定手段に接続して、ひずみ測定を行うことができる。このため、例えば、ロゼットゲージを多数使用して多点測定を行う場合に、それぞれのロゼットゲージを区別しながら、各ロゼットゲージ毎に、各ロゼットゲージを構成するひずみゲージによるひずみ測定を行うことが容易になる。そして、この場合、各ロゼットゲージを構成する各ひずみゲージによるひずみ測定は、前記測定手段により次のように行なわれる。
すなわち、各ロゼットゲージを構成する各ひずみゲージを測定用ひずみゲージとして選択する。その選択した測定用ひずみゲージに前記信号線のうちの2つの信号線を介して電流を流し、各測定用ひずみゲージに生じる電圧をそれぞれ電流を供給した信号線とは異なる2つの信号線を介して抽出する。このとき、高入力インピーダンスの電圧抽出手段で抽出することで電圧抽出用の信号線やこれらの信号線の間に存する各測定用ひずみゲージ以外のひずみゲージにほとんど電流を流さずに測定用ひずみゲージに生じた電圧を抽出できる。そしてこのように測定用ひずみゲージに生じる電圧を抽出することで、その抽出した電圧に基づいて、測定用ひずみゲージに生じたひずみを求めることができる。
従って、各ロゼットゲージを構成するひずみゲージに結線された電流供給用信号線や電圧抽出用信号線の抵抗が測定値に影響を与えないようにしてひずみを測定することができる。つまり、各信号線の抵抗が異なった抵抗値に変化したとしても測定誤差が生じることがなくなる。
また、本発明では上述のようにひずみ測定を行うために必要な各ロゼットゲージの信号線は、該ロゼットゲージを構成するひずみゲージの個数+3本の信号線でよいため、従来のようにブリッジ回路を用いる1ゲージ3線法を使用して多点測定を行う場合に比して、信号線の本数を削減できる。このように、本発明によれば、測定器に接続する信号線の本数を少ないものとしつつ、多点ひずみ測定を行うことができる。
また、前記スイッチ手段を構成するスイッチ素子の接点抵抗はリード線の抵抗の一部とみなされるので、リード線抵抗と同様に接点抵抗のひずみ測定への影響をなくすことができる。
また、本発明の多点ひずみ測定システムは、前記スイッチ手段は、各ロゼットゲージにそれぞれ対応する複数のチャンネルを有すると共に、該チャンネルを選択的に指定する信号を識別するチャンネル識別手段をそれぞれ備える複数の測定用モジュールを備え、
前記複数の測定用モジュールは、それぞれ前記各ロゼットゲージの信号線に接続されると共に、前記測定手段に接続された共通の信号線に結線されており、
前記スイッチ制御手段は、各ロゼットゲージに対応したチャンネルを指定する信号を前記測定用モジュールに供給することが好ましい。
上記構成によれば、スイッチ手段は、測定手段に接続された共通の信号線に結線された複数の測定用モジュールから構成される。スイッチ制御手段は、チャンネルを指定する信号を測定用モジュールに供給する。測定用モジュールは、チャンネル識別手段により、チャンネルを指定する信号を識別し、識別した信号に基づいてスイッチを切り換える。
従って、測定用モジュールを切り換えることができるので、各測定点においてひずみゲージに生じる電圧を抽出することにより各測定点におけるひずみを算出することができる。また、従来のように各測定点でブリッジ回路を形成する必要もないので、各測定点へのダミー抵抗の配置が不要になり、経済的なだけでなく、ダミー抵抗の安定性が測定に影響することもないので測定精度が向上する。
(参考例)
まず、本発明の多点ひずみ測定システムに関連する参考例のひずみ測定システムを図2を参照して説明する。このひずみ測定システムは、3枚のひずみゲージG、G、Gとひずみ測定装置10とを備える。尚、ひずみゲージG〜Gは一体構成の3軸ゲージであってもよい。ひずみゲージG〜Gは測定対象の物体(図示せず)に貼着され、ひずみに応じた抵抗値変化を生じる。ひずみゲージG、G、Gは、この順番に直列に接続されて直列回路を形成している。この直列回路の一端には、あらかじめ信号線r、rが結線されており、他端には信号線r、rが結線されている。ひずみゲージG、Gの接続点には、信号線rが結線され、ひずみゲージG、Gの接続点には、信号線rが結線されている。ひずみゲージG〜Gは信号線r〜rを介してひずみ測定装置10に結線されている。
ひずみ測定装置10は、ゲージ素子選択部11と測定部12を備えている。ゲージ素子選択部11は、ひずみ測定に用いる1つのひずみゲージをひずみゲージG〜Gの中から選択するためのものであり、各ひずみゲージG〜Gにそれぞれ対応するスイッチ回路S,S,Sを備えている。スイッチ回路Sは、4つのスイッチ素子からなり、それらのスイッチ素子は一端が信号線r〜rに各々結線されており、他端が測定部12に接続されている。スイッチ回路Sは、4つのスイッチ素子からなり、それらのスイッチ素子は一端が信号線r〜rに各々結線されており、他端が測定部12に接続されている。スイッチ回路Sは、4つのスイッチ素子からなり、それらのスイッチ素子は一端が信号線r〜rに各々結線されており、他端が測定部12に接続されている。
この場合、スイッチ回路Sの4つのスイッチ素子をオン状態にしたとき、ひずみゲージGが測定用ひずみゲージとして測定部12に対して接続されるようになっている。同様に、各スイッチ回路S、Sの4つのスイッチ素子をオン状態にしたとき、それぞれひずみゲージG、Gが測定用ひずみゲージとして測定部12に対して接続されるようになっている。
測定部12は、本願出願人が特願2002−92749号にて提案した手法によりひずみ測定を行うものであり、図3に示すように、検出部13と、制御部14とを備えている。測定部12には接続端子15〜18が設けられており、ゲージ素子選択部11により選択された測定用ひずみゲージの一端が接続端子15,16に接続され、その測定用ひずみゲージの他端が接続端子17,18に接続される。
より具体的には、例えば、ゲージ素子選択部11のスイッチ回路Sがオン状態になったときに、図4に示すように、ひずみゲージGの一端が信号線r、rを介して接続端子15,16に接続され、ひずみゲージGの他端が信号線rを介して接続端子17に接続されると共に、ひずみゲージGと信号線rを介して接続端子18に接続される。
尚、接続端子15〜18のうち、接続端子16,17は接続端子16,17間に接続された測定用ひずみゲージに電流を供給するためのものであり、接続端子15,18は接続端子16,17間に接続された測定用ひずみゲージに生じる電圧を抽出するためのものである。
検出部13は、基準抵抗体Rと、電圧差検出回路21と、電圧安定化回路22とを備えている。基準抵抗体Rは、選択した測定用ひずみゲージに接続端子16,17を通じて流す電流iと同じ電流iを通電するものであり、接続端子17に接続されている。基準抵抗体Rは例えば固定抵抗値の抵抗素子により構成される。
電圧差検出回路21は、選択された測定用ひずみゲージへの通電時に接続端子15、18間に生じた電圧V(これは後述するように測定用ひずみゲージに生じた電圧に等しい)と基準抵抗体Rに生じた電圧Vとの差分eを検出するものであり、高入力インピーダンスのオペアンプop1,op2,op3と抵抗体R〜Rとを備えている。オペアンプop1,op2の正入力にはそれぞれ接続端子15,18が接続され、オペアンプop3の正入力には接続端子17が接続されている。また、オペアンプop1の出力は抵抗体R、Rの直列回路を介して基準抵抗体Rの一端(接続端子17と反対側の一端)に接続され、オペアンプop2、op3の出力は抵抗体R、Rの直列回路を介して相互に接続されている。この回路21では、オペアンプop1,op2,op3はボルテージフォロア回路を形成し、固定抵抗R〜Rの抵抗値は同一である(R=R=R=R)。この電圧差検出回路21の出力電圧eすなわち、固定抵抗R、Rの直列回路の中点と、固定抵抗R、Rの直列回路の中点との間の電圧は、次式(1)で与えられる。
e=(V−V)/2・・・・・・・・・・(1)
従って、出力電圧eはV−Vに比例したものになり、V−Vを検出できることとなる。この場合、オペアンプop1,op2,op3は高入力インピーダンスのものであるので、接続端子15,18からオペアンプop1,op2には電流がほとんど流れないと共に、接続端子17からオペアンプop3に流れる電流もほぼ0である。このため、測定用ひずみゲージに生じる電圧は、接続端子15,18間に生じる電圧Vと等しくなる(図4参照)。
電圧安定化回路22は、選択された測定用ひずみゲージに電流を流すときに基準抵抗体Rに生じる電圧Vを一定値に保持するためのものであり、高入力インピーダンスのオペアンプop4から構成される。オペアンプop4の負入力は、基準抵抗体Rの一端(接続端子17側の一端)に接続され、オペアンプop4の出力は接続端子16に接続されている。また、検出部13には、あらかじめ定められたレベルの基準入力電圧Vを外部から入力するための一対の電源入力端子26,27が設けられており、オペアンプop4の正入力は電源入力端子26に接続されている。さらに、電源入力端子27は、基準抵抗体Rの一端(接続端子17と反対側の一端)に接続されている。従って、オペアンプop4は、基準抵抗体Rに生じる電圧Vが電源入力端子26,27に付与される基準入力電圧Vと等しくなるように、基準抵抗体Rに流れる電流を制御する。また、検出部13には、電圧差検出回路21の出力電圧eを外部に出力するための一対の出力端子28,29が備えられている。
ここで、本実施形態でのひずみ算出手法について述べておく。本願出願人が別出願(特願2002−92749号)で詳述しているので詳細は省略するが、例えば、図4に示すように、ひずみゲージGを測定用ひずみゲージとして選択した場合において、ひずみゲージG(抵抗値R)と基準抵抗体RS(抵抗値R)の抵抗比C(=R/R)と、ひずみゲージGのひずみεとの間には次式(2)の関係式が成立する。
ε=(1/K)・(Cε/C−1)・・・・・・・・・・(2)
ただしKはひずみゲージGのゲージ率である。また、抵抗比C、Cεは、それぞれ基準とする初期状態(添字0で示す)およびひずみ測定時(添字εで示す)のものである。ひずみゲージGに電流iを流した場合に、ひずみゲージGに電圧Vが生じ、基準抵抗体Rに電圧Vが生じるとすると、式(2)の右辺に示される抵抗比Cε、Cは、次式(3)、(4)のように電圧V,Vで表される。
=R10/R20=i・R10/(i・R20)=V10/V20・・・・・・・・・・(3)
ε=R1ε/R2ε=i・R1ε/(i・R2ε)=V1ε/V2ε・・・・・・・・・・(4)
従って、電圧V,VをひずみゲージGに流れる電流iに影響を及ぼすことなく把握することで、それらの電圧V,Vから、式(2)で表されるひずみεを把握することができる。この場合、本実施形態の回路によるときには、抵抗比Cは、電圧差検出回路21の出力電圧eと、基準抵抗体Rに生じた電圧V=V(一定値)を用いて次式(5)により求められる。
C=V/V=1+2・e/V・・・・・・・・・・(5)
次に、測定部12を構成する制御部14は、基準電源回路31と、増幅回路32と、A/D変換回路33と、制御回路34と、記憶回路35と、インターフェース回路36と、主電源回路37と、表示器38と、表示回路39を備えている。
基準電源回路31は、検出部13の一対の電源入力端子26,27に接続されて、検出部13に基準入力電圧V(定電圧)を供給する。増幅回路32は、検出部13の一対の出力端子28,29に接続されて、該出力端子28,29間に発生する電圧差検出回路21の出力電圧eを増幅する。A/D変換回路33は、増幅回路32の出力をA/D変換する。制御回路34は、各種データ処理や制御処理を行う。また、制御回路34は、ゲージ素子選択部11のスイッチ回路S〜Sを選択する制御信号をスイッチ回路S〜Sに供給する。記憶回路35は、各種データや制御回路34が行う処理に必要なプログラム等を記憶保持する。インターフェース回路36は、制御回路34が制御部14の外部の図示しない操作器やパーソナルコンピュータ等との間で各種データの授受を行うための回路である。主電源回路37は、制御部14全体の電源電圧を商用電源等から生成する。表示器38は、制御回路34により表示回路39を介して駆動され、ひずみ測定値等を表示する。なお、制御回路34はマイクロプロセッサ等により構成され、また記憶回路35はROM、RAM、EEPROM等により構成されたものである。制御部14の電源としては商用電源の他、電池を使用するようにしてもよい。
上記構成のひずみ測定装置10の作動を説明する。本実施形態のひずみ測定装置10では、ひずみ測定に先立って、あらかじめ、前記基準入力電圧Vの値およびひずみゲージG〜Gのゲージ率K〜Kの値が、ひずみ測定装置10の外部の適宜の操作器等からインターフェース回路36及び制御回路34を介して記憶回路35に入力されて、記憶回路35に記憶保持される。尚、これらの値V,K〜Kはひずみ測定装置10の製造段階で記憶回路35に記憶保持しておくようにしてもよい。また、ひずみゲージG〜Gのゲージ率K〜Kは同一でもよい。
そして、ひずみ測定の基準とする初期状態において、以下のように測定が行われる。まず、ひずみゲージG〜Gが測定対象の物体(図示せず)に貼着される。ひずみ測定装置10の所定の操作等により、制御部14を動作させる。このとき、制御部14の制御回路34は、まず、選択すべきスイッチ回路に制御信号を供給する。選択されたスイッチ回路は、4つのスイッチ素子をオンさせる。例えばスイッチ回路Sがオンしたとする。制御回路34は基準電源回路31を起動して、基準電源回路31から電源入力端子26,27に基準入力電圧Vを付与させる。基準電源回路31が、検出部13に基準入力電圧Vを供給すると、信号線r,rを介してひずみゲージGと基準抵抗体Rにop4によってV=Vとするように電流iが流れる。このとき接続端子15,18間に生じた電圧(ひずみゲージGの両端に生じた電圧)Vと基準抵抗体Rに生じた電圧V(=V)との差に比例した電圧差検出回路21の出力電圧e(初期状態での出力電圧e)は、出力端子28,29から出力され、増幅回路32に入力される。制御回路34は、この増幅回路32に入力される電圧eの値を、増幅回路32及びA/D変換回路33を介して与えられるデータによって認識する。その認識した電圧eと前記基準入力電圧Vの値とに基づいて、制御回路34は前記の式(5)により、基準抵抗体Rに対するひずみゲージGの抵抗の比(抵抗比)C(初期状態での抵抗比C)を求め、求めた抵抗比Cを記憶回路35に記憶保持させる。同様に、制御部14の制御回路34は各スイッチ回路S、Sを順次選択し、各ひずみゲージG、Gに関して抵抗比Cを求めて、記憶回路35に記憶保持する。
次に、制御回路34は、操作者の所定の操作等により指示されたタイミングや、あらかじめ設定されたタイムスケジュールに従って、次のようにひずみ測定を行う。制御回路34は、ひずみ測定を行うタイミングにおいて、選択すべきスイッチ回路に制御信号を供給する。選択されたスイッチ回路は、4つのスイッチ素子をオンさせる。例えばスイッチ回路Sがオンする。制御回路34は、基準電源回路31から電源入力端子26,27に基準入力電圧Vを付与させる。そして、接続端子15、18間に生じた電圧(ひずみゲージGの両端に生じた電圧)Vと基準抵抗体Rに生じた電圧Vとの差に比例した電圧差検出回路21の出力電圧e(ひずみ測定時の出力電圧eε)は増幅回路32に入力される。制御回路34は、この増幅回路32に入力される電圧eεの値を、増幅回路32及びA/D変換回路33を介して与えられるデータによって認識する。その認識した電圧eεに基づいて、制御回路34は前記の式(5)により抵抗比C(ひずみ測定時の抵抗比Cε)を求め、求めた抵抗比Cεを記憶回路35に記憶保持させる。同様にスイッチ回路S,Sを順次オンさせて、それぞれ抵抗比を求めて記憶回路35に記憶保持する。
そして、制御回路34は、記憶回路35に記憶保持されたゲージ率K〜K、初期状態における抵抗比C、およびひずみ測定時の抵抗比Cεのデータを記憶回路35からスイッチ回路S〜Sごとに読み込む。そして、読み込んだ上記の各データの値を用いて、前記の式(2)の演算を行うことで、ひずみゲージG〜Gに関してひずみε〜εを求める。なお、制御回路34は、求めたひずみε〜εの値を表示回路39を介して表示器38に表示させる。
上述のように、参考例によれば、ひずみゲージG〜Gに結線された信号線r〜rの抵抗が測定値に影響を及ぼすことなくひずみを測定することができ、各信号線r〜rの抵抗が異なった抵抗値に変化したとしても測定誤差が生じることがなくなる。また、従来の1ゲージ3線法では、3ゲージの場合に測定に9本の信号線が必要になるが本実施形態によれば信号線は6本で足り、信号線を低減できるという効果を奏する。
(第1の実施形態)
次に、前記参考例を参考にしつつ、本発明の第1の実施形態に係る多点ひずみ測定システムを図5を参照して説明する。
多点ひずみ測定システムは、n個のロゼットゲージG(k=1〜n)と多点ひずみ測定装置60を備えている。各ロゼットゲージGは、例えば、3軸方向のひずみゲージGk1、Gk2、Gk3を一体的に構成してなる3軸のひずみゲージである。各ロゼットゲージGのひずみゲージGk1、Gk2、Gk3は直列に接続されており、この直列回路の一端にはリード線rk1、rk2が結線されており、他端にはリード線rk5、rk6が結線されている。ゲージGk1、Gk2の接続点およびGk2、Gk3の接続点には、それぞれリード線rk3、rk4が結線されている。
多点ひずみ測定装置60は、チャンネル切換部61と、ゲージ素子選択部11と、測定部12とを備えている。この装置60では、ゲージ素子選択部11と、測定部12とは前記参考例と同一であり、これらの構成については前記参考例のひずみ測定装置10と同一の参照番号を付与し、説明を省略する。
チャンネル切換部61は、各ロゼットゲージG〜Gにそれぞれ対応するn個のチャンネルCh1〜Chn分のスイッチ回路S′〜S′を備えている。スイッチ回路S′(k=1〜n)は、6つのスイッチ素子からなり、それらのスイッチ素子は一端が信号線rk1〜rk6に各々結線されており、他端がゲージ素子選択部11に接続されている。この場合、あるスイッチ回路S′の6つのスイッチ素子をオン状態にしたとき、各ロゼットゲージGを構成するひずみゲージGk1、k2、k3がゲージ素子選択部11に対して図2のものと同様に接続されるようになっている。また、制御部14の制御回路34(図3参照)は、チャンネルを選択する制御信号をチャンネル切換部61のスイッチ回路S′(k=1〜n)に供給する。
上記構成の多点ひずみ測定装置60は、次のように動作する。まず、ひずみ測定の基準とする初期状態において、以下のように測定が行われる。n個のロゼットゲージG(k=1〜n)は測定対象の物体のn個の部位に貼着される。多点ひずみ測定装置60の所定の操作等により、測定部12の制御部14を動作させる(図3参照)。まず、制御部14の制御回路34は、チャンネル切換部61のスイッチ回路S′に制御信号を供給する。選択されたスイッチ回路S′は、6つのスイッチ素子をオンさせる。
例えば、スイッチ回路S′がオンするとロゼットゲージGのひずみゲージG11、G12,G13が多点ひずみ測定装置60に導通する。このとき、このひずみゲージG11、G12,G13は図2のものと同様に測定装置60のゲージ素子選択部11に接続する。この装置で制御回路34は前記参考例のものと同様に各ひずみゲージG11、G12、G13にそれぞれ対応する抵抗比C01、C02、C03を順次求め、求めた抵抗比C01、C02、C03を記憶回路35に記憶保持させる。
さらに、制御回路34は、チャンネル切換部61のスイッチ回路に制御信号を順次供給しチャンネルを切り換える。そして、その切替えごとに、選択された各ロゼットゲージGに関して3軸方向のひずみゲージGk1、k2、k3にそれぞれ対応する抵抗比C01、C02、C03を求め、記憶する。このようにして、n個のチャンネル分のスイッチ回路S′をすべて選択することにより、n個の各ロゼットゲージG毎に3軸方向の抵抗比C01、C02、C03を記憶回路35に記憶保持させる。
次に、制御回路34は、操作者の所定の操作等により指示されたタイミング等に従って、初期状態における測定と同様にしてひずみ測定を行い、各ロゼットゲージG毎に3軸方向の抵抗比データCε1〜Cε3を求めて記憶回路35に記憶保持させる。そして、制御回路34は、各ロゼットゲージG毎に記憶回路35に保持されたゲージ率K、各軸方向の初期状態における抵抗比C01〜C03およびひずみ測定時の抵抗比Cε1〜Cε3のデータを記憶回路35から読み込む。そして、読み込んだ上記の各データの値を用いて、前記の式(2)の演算を行うことで、物体のn個の測定点のそれぞれにおける3軸方向のひずみε〜εを求める。以上の説明から明らかなように、多点ひずみ測定装置60のゲージ素子選択部11および測定部12は本発明における測定手段として機能する。また、チャンネル切換部61は本発明におけるスイッチ手段として機能し、測定部12の制御回路34は、スイッチ制御手段として機能することとなる。
上記実施形態によれば、チャンネルを選択的に切り換えることにより、各ロゼットゲージG毎に(各測定点毎に)、各ロゼットゲージGの各軸方向のひずみを算出することができる。つまり、各測定点における3軸方向のひずみを、それらの測定点を容易に区別しながら測定できる。
また、各測定点に対応する信号線の抵抗値が、測定点同士で互いに異なる場合も測定に悪影響を及ぼさなくなる。また、測定点を切り換えるスイッチの接点抵抗が測定誤差の要因とならないので、接点抵抗ができるだけ小さなスイッチ素子を選択したり、接点抵抗の影響を補償する方策を採る必要がなく、その結果、コストを低減することができる。また、ひずみ測定に際してロゼットゲージあたり、従来の1ゲージ3線法では9本の信号線が必要になるが本実施形態によれば信号線は6本で足り、n組の総数でも信号線が従来に比べて3分の2に低減できる。従って、信号線に必要な材料も低減し、かつ、信号線を配線しやすくなる。
なお、n個のロゼットゲージは測定対象の物体のn個の部位に貼着されるものとして説明したが、n個のロゼットゲージがn個の物体に貼着されるものとしてもよい。また、各ロゼットゲージを構成する3個のひずみゲージは必ずしも一体的でなくてもよい。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る多点ひずみ測定システムを図6を参照して説明する。多点ひずみ測定システムは、多点ひずみ測定装置70と、n個の測定モジュール80と、測定モジュール80に接続されたn個のロゼットゲージG(k=1〜n)とを備える。各ロゼットゲージGは、例えば、3軸方向のひずみゲージGk1、Gk2、Gk3を一体的に構成してなる3軸のひずみゲージである。各ロゼットゲージGのひずみゲージGk1、Gk2、Gk3は直列に接続されており、この直列回路の一端にはリード線rk1、rk2が結線されており、他端にはリード線rk5、rk6が結線されている。ゲージGk1、Gk2の接続点およびGk2、Gk3の接続点には、それぞれリード線rk3、rk4が結線されている。
多点ひずみ測定装置70は、ゲージ素子選択部11と、測定部12と、チャンネル制御部71とを備えている。この装置70では、ゲージ素子選択部11と測定部12は前記参考例と同一であり、これらの構成については前記参考例のひずみ測定装置10と同一の参照番号を付与し、説明を省略する。
チャンネル制御部71は、測定部12の制御回路34(図3参照)の制御の下、測定モジュール80を選択するための制御信号を測定モジュール80に供給する。各測定モジュール80は、6つのスイッチ素子からなるスイッチ回路81と、チャンネル識別回路82とを備える。各測定モジュール80は、一端が共通の信号線L〜LおよびLで多点ひずみ測定装置70に接続され、他端が各ロゼットゲージGを構成するひずみゲージGk1,Gk2,Gk3に結線されたリード線rk1〜rk6に接続されている。尚、信号線Lは図面上では1本の線で表現されているが実際には2線以上の線から構成されている。信号線L〜Lはそれぞれスイッチ回路81のスイッチ素子の一端に接続され、スイッチ素子の他端が、各ロゼットゲージGに結線されたリード線rk1〜rk6に接続されている。チャンネル識別回路82は、多点ひずみ測定装置70から信号線Lを経由する制御信号を識別し、制御信号に応じてスイッチ素子をオン/オフする。
上記構成の多点ひずみ測定装置70は、次のように動作する。まず、ひずみ測定の基準とする初期状態において、以下のように測定が行われる。n個のロゼットゲージG(k=1〜n)は測定対象の物体のn個の部位に貼着され、各測定モジュール80は適宜配置される。多点ひずみ測定装置70の所定の操作等により、測定部12の制御回路34(図3参照)を動作させる。このとき、チャンネル制御部71は、制御回路34の制御の下、測定モジュール80に制御信号を供給する。選択された測定モジュール80では、チャンネル識別回路82は、6つのスイッチ素子をオンさせる。この測定モジュール80に接続されたロゼットゲージGのひずみゲージGk1,Gk2,Gk3は多点ひずみ測定装置70に導通する。このとき、このひずみゲージGk1,Gk2,Gk3は図2のものと同様に測定装置70のゲージ素子選択部11に接続する。
この装置で制御回路34は前記参考例のものと同様に各ひずみゲージGk1、Gk2、Gk3にそれぞれ対応する抵抗比C01、C02、C03を順次求め、求めた抵抗比C01、C02、C03を記憶回路35に記憶保持させる。さらに、制御回路34は、測定モジュール80を順次切り換える。そして、その切替えごとに、選択された各ロゼットゲージGに関して3軸方向のひずみゲージGk1、k2、k3にそれぞれ対応する抵抗比C01、C02、C03を求め、記憶する。このようにして、n個のチャンネル分の測定モジュール80をすべて選択することにより、n個の各ロゼットゲージG毎に3軸方向の抵抗比C01、C02、C03を記憶回路35に記憶保持させる。
次に、制御回路34は、操作者の所定の操作等により指示されたタイミング等に従って、初期状態における測定と同様にしてひずみ測定を行い、各ロゼットゲージG毎に3軸方向の抵抗比データCε1〜Cε3を求めて記憶回路35に記憶保持させる。そして、制御回路34は、各ロゼットゲージG毎に記憶回路35に保持されたゲージ率K、各軸方向の初期状態における抵抗比C01〜C03およびひずみ測定時の抵抗比Cε1〜Cε3のデータを記憶回路35から読み込む。そして、上記の各データの値を用いて、前記の式(2)の演算を行うことで、物体のn個の測定点のそれぞれにおける3軸方向のひずみε〜εを求める。以上の説明から明らかなように、本実施形態では、測定モジュール80はそれぞれ本発明における測定用モジュールに相当し、それらの測定モジュール80の全体が本発明におけるスイッチ手段として機能する。そして、測定部12の制御回路34とチャンネル制御部71とが本発明におけるスイッチ制御手段として機能する。また、多点ひずみ測定装置70のゲージ素子選択部11および測定部12は本発明における測定手段として機能する。
この実施形態によれば、各モジュール80に結線された共通の信号線L〜Lが長くてもその抵抗値がひずみ測定値に影響を及ぼさずに多点ひずみ測定を行うことができる。また、測定点を切り換えるスイッチの接点抵抗が測定誤差の要因とならないので、接点抵抗ができるだけ小さなスイッチ素子を選択したり、接点抵抗の影響を補償する方策を採る必要がなく、その結果、コストを低減することができる。また、ひずみ測定に際してロゼットゲージあたり、従来の1ゲージ3線法では9本の信号線が必要になるが本実施形態によれば信号線は6本で足り、n組の総数でも信号線が従来に比べて3分の2に低減できる。従って、信号線に必要な材料も低減し、かつ、信号線を配線しやすくなる。
なお、上記実施形態ではn個のロゼットゲージGk1,Gk2,Gk3は物体のn個の部位に貼着されるものとしたが、n個の物体に貼着されるものとしてもよい。また、各ロゼットゲージを構成する3個のひずみゲージは必ずしも一体的でなくてもよい。
1つのひずみゲージGを選択する方法を説明するための図。 参考例のひずみ測定装置を示す図。 参考例のひずみ測定装置の測定部を示す図。 参考例におけるひずみゲージと検出部の接続を示す図。 本発明の第1の実施形態の多点ひずみ測定システムを示す図。 本発明の第2実施形態の多点ひずみ測定システムを示す図。 従来の1ゲージ3線法の測定回路を示す図。
符号の説明
11・・・ゲージ素子選択部、60,70・・・多点ひずみ測定装置、71・・・チャンネル制御部、80・・・測定モジュール、81・・・スイッチ回路、82・・・チャンネル識別回路、G,G・・・ロゼットゲージ、G1k,G2k,…,Gnk・・・ひずみゲージ、r1k,r2k,…,rnk・・・リード線。

Claims (2)

  1. ロゼットゲージを構成する3個のひずみゲージを直列に接続して、ひずみゲージどうしの接合点にそれぞれ各1本の信号線を結線しておくと共に、該3個のひずみゲージの直列回路の両端部にはそれぞれ各2本の信号線を結線しておき、
    前記3個のひずみゲージを直列に接続することと前記信号線の結線とがそれぞれなされた複数のロゼットゲージと、
    各ロゼットゲージに対して、該ロゼットゲージを構成する各ひずみゲージを測定用ひずみゲージとして選択する手段と、その選択した測定用ひずみゲージに前記信号線のうちの2つの信号線を介して電流を流す手段と、該電流を流した測定用ひずみゲージに生じる電圧をそれぞれ前記2つの信号線とは異なる2つの信号線を介して抽出する手段と、その抽出した電圧に基づいて、該測定用ひずみゲージに生じたひずみを求める手段とを含む測定手段と、
    各ロゼットゲージの信号線が接続され、前記測定手段に接続するロゼットゲージを選択的に切り換えるスイッチ手段と、
    前記スイッチ手段を制御するスイッチ制御手段と、
    を備えたことを特徴とする多点ひずみ測定システム。
  2. 前記スイッチ手段は、各ロゼットゲージにそれぞれ対応する複数のチャンネルを有すると共に、該チャンネルを選択的に指定する信号を識別するチャンネル識別手段をそれぞれ備える複数の測定用モジュールを備え、
    前記複数の測定用モジュールは、それぞれ前記各ロゼットゲージの信号線に接続されると共に、前記測定手段に接続された共通の信号線に結線されており、
    前記スイッチ制御手段は、各ロゼットゲージに対応したチャンネルを指定する信号を前記測定用モジュールに供給する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の多点ひずみ測定システム。
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