JP2003294405A - ひずみ測定方法及び多点ひずみ測定システム - Google Patents

ひずみ測定方法及び多点ひずみ測定システム

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JP2003294405A
JP2003294405A JP2002092749A JP2002092749A JP2003294405A JP 2003294405 A JP2003294405 A JP 2003294405A JP 2002092749 A JP2002092749 A JP 2002092749A JP 2002092749 A JP2002092749 A JP 2002092749A JP 2003294405 A JP2003294405 A JP 2003294405A
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strain gauge
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ひずみゲージに結線されたリード線の抵抗が測
定値に影響を与えないようにしてひずみを測定できるひ
ずみ測定方法を提供する。 【解決手段】ゲージ率Kのひずみゲージを物体に貼着
し、ひずみゲージに結線された電流供給用リード線を介
して、ひずみゲージに電流を流すステップと、ひずみ測
定の基準とする初期状態および物体のひずみ測定時にお
いて、ひずみゲージに生じた電圧をひずみゲージに結線
された電圧抽出用リード線を介して抽出するステップ
と、抽出された電圧に基づいて、次式(1)により表さ
れる値をひずみ測定値εとして求めるひずみ算出ステッ
プと、を有することを特徴とするひずみ測定方法。 ε=(1/K)・(Cε/C0−1)・・・・・・・・・・(1) ただし、Cε:ひずみ測定時の基準抵抗体に対するひず
みゲージの抵抗比、C0:初期状態における基準抵抗体
に対するひずみゲージの抵抗比

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ひずみ測定方法お
よび多点ひずみ測定システムに関する。
【0002】
【従来の技術】ひずみ測定方法においては、ひずみに応
じて抵抗値が変化するひずみゲージが物体に貼着され
る。ひずみを測定する方法には主に、1ゲージ法と2ゲ
ージ法がある。そして、ひずみゲージの抵抗値変化を検
出してひずみ測定を行う測定装置には、ひずみゲージと
併せてホイートストンブリッジ回路(ブリッジ回路)を
構成する抵抗回路が備えられている。
【0003】図13は、1ゲージ2線法による測定方法
を説明するための回路図である。この方法では、ひずみ
ゲージ1の両端に一対のリード線2,3が結線されてい
る。ひずみゲージ1は、抵抗体R2〜R4を接続してなる
抵抗回路にリード線2,3を介して接続され、これによ
り、ブリッジ回路が構成される。ただし抵抗体R2〜R4
の抵抗値はひずみゲージの基準抵抗値と同一である。こ
のブリッジ回路を用いてひずみ測定する際には、電源入
力部A,C間にブリッジ回路の電源電圧Vが付与され
る。また、ブリッジ回路の電源入力部A,C間に電源電
圧Vを付与した状態で、ブリッジ回路の出力部B,D間
に生じる出力電圧eが図示を省略する増幅回路やA/D
変換回路等を介して検出される。そして、ブリッジ回路
の出力電圧eから物体のひずみεを測定することができ
る。
【0004】しかし、図13に示す回路では、リード線
2,3の両者とひずみゲージ1とがブリッジ回路の同じ
辺に組み込まれるため、環境温度の変化によりリード線
2,3の抵抗が変化すると、ひずみゲージ1のひずみが
変化しなくても出力電圧eが変化してしまう。そこで、
図14に示すように、ひずみゲージ1に結線するリード
線を1本追加し、温度変化に伴うブリッジ回路の不平衡
を是正することが広く用いられている(1ゲージ3線
法)。この方法では、ひずみゲージ1の両端に一対のリ
ード線2,3が結線されると共に、ひずみゲージ1の一
端にもう一つのリード線4が結線されている。そして、
ひずみ測定する際には、ブリッジ回路の電源入力部A,
C間に電源電圧Vを付与した状態で、ひずみゲージ1の
リード線4を結線した一端と、抵抗体R3、R4の接続点
Dとの間に生じる出力電圧eが検出される。この方法で
は、リード線2,3がブリッジ回路の隣り合う辺に組み
込まれることとなるので、リード線2,3の抵抗値が環
境温度により同じように変化する限り、ブリッジ回路の
平衡が保たれる。
【0005】図15は、2ゲージ法のひずみ測定を説明
するための回路図である。この方法では、2つのひずみ
ゲージ1、1′の両端に各一対のリード線2,3および
4,5が結線されている。ひずみゲージ1、1′は、リ
ード線3,4により直列に接続され、抵抗体R3、R4
接続してなる抵抗回路にリード線2,5を介して接続さ
れ、これにより、ブリッジ回路が構成される。ひずみゲ
ージ1、1′は、物体のひずみ量の比があらかじめ判っ
ている2つの部位(例えば、梁の表裏面部)に貼着され
る。このブリッジ回路を用いてひずみ測定する際には、
電源入力部A,C間にブリッジ回路の電源電圧Vが付与
される。また、ブリッジ回路の電源入力部A,C間に電
源電圧Vを付与した状態で、ブリッジ回路の出力部B,
D間に生じる出力電圧eが図示を省略する増幅回路やA
/D変換回路等を介して検出される。そして、ブリッジ
回路の出力電圧eから物体のひずみεを測定することが
できる。この2ゲージ法では、リード線2,3,4,5
の抵抗値が環境温度により同じように変化する限り、ブ
リッジ回路の平衡が保たれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た1ゲージ法および2ゲージ法では、1ゲージ2線法は
もちろん、1ゲージ3線法及び2ゲージ法であっても、
リード線同士の温度差によって、各リード線の抵抗値に
偏りが生じた場合には、見かけひずみが発生してしま
う。例えば、屋外でひずみ計測する際に、雲の動きによ
り日照が動的に変化すると、上記の温度差が生じて見か
けひずみが発生し、ひずみ測定の不安定要因になる場合
がある。
【0007】また、ひずみ測定の基準とする初期状態の
値を測定した後に、例えば、リード線を延長した場合に
は、リード線の抵抗値が初期状態よりも増加するため、
見かけひずみが発生する。そのため、リード線の長さや
接続を変更した場合には、初期値の測定からやり直す必
要がある。
【0008】また、物体の多数部位あるいは多数の物体
についての多点ひずみ測定を行う場合に、各測定点に対
応するリード線の抵抗値が、測定点同士で互いに異なる
場合も多々あり、このような場合には、測定点毎にひず
み測定値の補正を行わなければならず、リード線の抵抗
値の影響を排除するための補正作業に多大な労力を要す
るものとなっていた。
【0009】また、多点ひずみ測定を行う場合に、測定
点を切り換えるスイッチの接点抵抗も測定誤差の要因と
なるので、その接点抵抗ができるだけ小さなスイッチ素
子を選択したり、その接点抵抗の影響を補償する方策を
採る必要がある。その結果、コストアップを招くという
不都合があった。
【0010】本発明はかかる背景に鑑み、ひずみゲージ
に結線されたリード線の抵抗が測定値に影響を与えない
ようにしてひずみを測定できるひずみ測定方法および多
点ひずみ測定システムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明を説明する前に、
本発明の基本的な考え方を図1〜図3を参照して説明し
ておく。
【0012】まず説明の便宜上、2ゲージ法でひずみを
算出する方法を図1を参照して説明する。図1に示すよ
うに、第1のひずみゲージ1の一端にはリード線2,3
が結線され、他端にはリード線4、8が結線されてい
る。また、第2のひずみゲージ1′の一端にはリード線
5,8が結線され、他端にはリード線6,7が結線され
ている。2つのひずみゲージ1、1′はリード線8を介
して直列に接続されている。ひずみゲージ1、1′には
リード線2,7,8を介して電流が流れる。リード線
3,4はひずみゲージ1に生じる電圧を抽出し、リード
線5,6はひずみゲージ1′に生じる電圧を抽出する。
尚、回路10、20については後述する。
【0013】なお、第1のひずみゲージ1と第2のひず
みゲージ1′は、それらのひずみ量の比が既知となるよ
うな物体の部位、例えば梁部材の表裏面部に貼着され
る。
【0014】ここで、例えば、第1のひずみゲージ1の
抵抗値R1と第2のひずみゲージ1′の抵抗値R2との抵
抗比Cに着目し、この抵抗比Cは、次式(3)により定
義する。
【0015】C=R1/R2・・・・・・・・・・(3)
【0016】式(3)より、ひずみ測定の基準とする初
期状態(添字0で示す)における第1のひずみゲージ1
と第2のひずみゲージ1′との抵抗比C0は、次式で表
される。
【0017】C0=R10/R20・・・・・・・・・・(4)
【0018】同様に、ひずみ測定時(添字εで示す)に
おける第1のひずみゲージ1と第2のひずみゲージ1′
との抵抗比Cεは、次式で表される。
【0019】Cε=R/R・・・・・・・・・・(5)
【0020】第1のひずみゲージ1のゲージ率をK1
して、第1のひずみゲージ1に発生するひずみε1を抵
抗変化で表すと次式で表される。
【0021】 ε1=(1/K1)・(R−R10)/R10・・・・・・・・・・(6)
【0022】式(6)からひずみ測定時の第1のひずみ
ゲージ1の抵抗値Rを求めると次式が得られる。
【0023】 R=R10・(K1・ε1+1)・・・・・・・・・・(7)
【0024】同様に、第2のひずみゲージ1′のゲージ
率をK2、第2のひずみゲージ1′に発生するひずみを
ε2としたときのひずみ測定時の第2のひずみゲージ
1′の抵抗値Rを求めると次式が得られる。
【0025】 R=R20・(K2・ε2+1)・・・・・・・・・・(8)
【0026】式(7)の両辺をそれぞれ式(8)の両辺
で除算し、式(4)、(5)を用いて変形すると、次式
(9)が得られる。
【0027】 Cε=C0(K1・ε1+1)/(K2・ε2+1)・・・・・・・・・・(9)
【0028】ここで、第1のひずみゲージ1に生じるひ
ずみε1と第2のひずみゲージ1′に生じるひずみε2
の比を次式(10)のとおりaとする。
【0029】ε2=a・ε1・・・・・・・・・・(10)
【0030】式(9)、(10)から、第1のひずみゲ
ージ1に発生するひずみε1を求めると次式が得られ
る。
【0031】 ε1=(Cε−C0)/(K1・C0−a・K2・Cε)・・・・・・・・・・(11)
【0032】次に、2つのひずみゲージ1、1′の直列
回路に電流供給電圧Eによって、リード線2,7,8を
介して電流iを流した場合を想定する。尚、電流供給電
圧Eを生成する電源としては、定電圧源を用いてもよい
し定電流源を用いてもよい。このとき、第1のひずみゲ
ージ1に電圧V1が生じ、第2のひずみゲージ1′に電
圧V2が生じるとすると、式(11)の右辺に示される
抵抗比Cε、C0は、次式(12)、(13)のように
ひずみゲージ1、1′に生じる電圧V1,V2で表され
る。
【0033】 C0=R10/R20=i・R10/(i・R20)=V10/V20・・・・・・・・・・(12)
【0034】 Cε=R/R=i・R/(i・R)=V/V・・・・・・・・・・( 13)
【0035】従って、ひずみゲージ1、1′に生じる電
圧V1,V2をひずみゲージ1、1′に流れる電流iに影
響を及ぼすことなく把握すれば、それらの電圧V1,V2
から、式(11)で表されるひずみεを把握することが
できる。そして、この電圧V 1、V2は、リード線2,
7,8の抵抗とは無関係であると共に、それぞれ、リー
ド線3,4、リード線5,6を介して抽出でき、さら
に、高入力インピーダンスのアンプやバッファを使用す
ることで、リード線3,4,5,6に電流をほとんど流
すことなく検出できる。つまり、ひずみゲージ1、1′
に生じる電圧V1,V2は電圧抽出用リード線3,4,
5,6を用いることで式(12)、(13)の関係式を
満たすように把握できる。
【0036】尚、第1のひずみゲージ1に生じるひずみ
量と第2のひずみゲージ1′に生じるひずみ量との比a
の値は、例えば、板状の試験材料の表裏にそれぞれひず
みゲージを貼って曲げひずみを計測する場合には、a=
−1となる。また、材料のポアッソン比を利用するため
に、同一面で直交軸方向にひずみゲージを貼ってひずみ
測定する場合には、ポアッソン比がνならば、a=−ν
となる。
【0037】また、ひずみゲージ1、1′が近接部位に
貼着され、これらを接続するリード線8の長さが十分に
短い場合には、図3に示すように、電圧抽出用のリード
線4をひずみゲージ1、1′で共用してもよい。この場
合には、リード線3,4でひずみゲージ1に生じる電圧
1を、リード線4,5でひずみゲージ1′に生じる電
圧V2を抽出するようにする。
【0038】次に1ゲージ法での測定に関して説明す
る。図2に示すように、ひずみゲージ1の一端にはリー
ド線2,3が結線され、他端にはリード線4、5が結線
されている。ひずみゲージ1はリード線5を介して基準
抵抗体RSに直列に接続されている。ひずみゲージ1と
基準抵抗体RSにはリード線2,5を介して電流が流れ
る。リード線3,4はひずみゲージ1に生じる電圧を抽
出する。尚、回路11、12については後述する。
【0039】この場合のひずみゲージ1と基準抵抗体R
Sとの直列回路は、図1のひずみゲージ1′を一定抵抗
値の基準抵抗体RSで置き換えた回路と等価である。そ
して、基準抵抗体RSはひずみを生じないので式(1
1)でa=0となる。従って、このようなひずみゲージ
1と基準抵抗体RSとの直列回路においてひずみεを求
める場合には、式(11)において、a=0とすれば、
次式が得られる。
【0040】 ε=(1/K)・(Cε/C0−1)・・・・・・・・・・(14)
【0041】ただしKはひずみゲージ1のゲージ率であ
る。また、抵抗比Cε、C0は、C ε=R/RS、C0
=R10/RSである。
【0042】次に、ひずみゲージ1と基準抵抗体RS
の直列回路に電流供給電圧Eによって、リード線2,5
を介して電流iを流した場合を想定する。尚、電流供給
電圧Eを生成する電源としては、定電圧源を用いてもよ
いし定電流源を用いてもよい。このとき、ひずみゲージ
1に電圧V1が生じ、基準抵抗体RSに電圧V2が生じる
とすると、式(14)の右辺に示される抵抗比Cε、C
0は、前記の式(12)、(13)のように電圧V1,V
2で表される。従って、ひずみゲージ1および基準抵抗
体RSに生じる電圧V1,V2をひずみゲージ1および基
準抵抗体RSに流れる電流iに影響を及ぼすことなく把
握すれば、それらの電圧V1,V2から、式(14)で表
されるひずみεを把握することができる。そして、電圧
1は、リード線2,5の抵抗とは無関係であると共
に、リード線3,4を介して抽出でき、さらに、高入力
インピーダンスのアンプやバッファを使用することで、
リード線3,4に電流をほとんど流すことなく検出でき
る。
【0043】また、基準抵抗体RSは物体に貼着する必
要のないものであるので、任意の箇所(例えば測定器
内)に配置することができ、基準抵抗体RSに生じる電
圧V2はその近傍で配線パターンなど適宜の導体線を介
して抽出できる。
【0044】さらに、高入力インピーダンスのアンプ等
を使用することで、ひずみゲージ1および基準抵抗体R
Sに流れる電流に影響を及ぼすことなく電圧V2を検出で
きる。従って、ひずみゲージ1の抵抗値と基準抵抗体R
Sとの抵抗比C=R1/RSと、それらに生じる電圧V1
2の比V1/V2とが等しくなるように電圧V1,V2
検出できる。
【0045】以上説明した内容を基礎として本発明を以
下に説明する。尚、以下の説明では本発明の理解の便宜
上前述の参照符号を必要に応じて用いる。前記の目的を
達成するために、本発明の第1の態様に係るひずみ測定
方法は、ひずみに応じた抵抗値変化を生じるひずみゲー
ジ1を物体に貼着して、該物体のひずみを測定する方法
(1ゲージ法)であって、一定抵抗値の基準抵抗体RS
と前記ひずみゲージ1とを直列に接続し、前記ひずみゲ
ージ1にあらかじめ結線された電流供給用リード線2,
5を介して、前記基準抵抗体RSとひずみゲージ1との
直列回路に電流を流す電流供給ステップと、ひずみ測定
の基準とする初期状態において、前記電流供給ステップ
によりひずみゲージ1に生じた電圧を、前記ひずみゲー
ジ1の各端部に前記電流供給用リード線2,5とは別に
あらかじめ結線された電圧抽出用リード線3,4を介し
て抽出すると共に、前記基準抵抗体RSに生じた電圧を
該基準抵抗体RSの近傍で抽出する初期電圧抽出ステッ
プと、前記物体のひずみ測定時において、前記電流供給
ステップによりひずみゲージ1に生じた電圧を前記電圧
抽出用リード線3,4を介して抽出すると共に、前記基
準抵抗体RSに生じた電圧を該基準抵抗体RSの近傍で抽
出するひずみ電圧抽出ステップと、前記初期電圧抽出ス
テップおよびひずみ電圧抽出ステップで抽出された電圧
に基づいて、前記の式(14)により表される値εをひ
ずみ測定値として求めるひずみ算出ステップと、を有す
ることを特徴とする。
【0046】かかる本発明によれば、ひずみゲージ1に
あらかじめ結線された電流供給用リード線2,5を介し
て、基準抵抗体RSとひずみゲージ1との直列回路に電
流を流す。ひずみ測定の基準とする初期状態および物体
のひずみ測定時において、ひずみゲージ1に生じた電圧
を、ひずみゲージ1にあらかじめ結線された電圧抽出用
リード線3,4を介して抽出すると共に、基準抵抗体R
Sに生じた電圧を基準抵抗体RSの近傍で抽出する。電圧
の抽出には、例えば、高入力インピーダンスのアンプを
用いる。これにより、前述したように、前記電流供給用
リード線2,5はもちろん電圧抽出用リード線3,4の
抵抗値によらずにひずみゲージ1及び基準抵抗体RS
生じる電圧V1,V2を抽出できる。そして、初期状態お
よびひずみ測定時に抽出された電圧V1,V2に基づい
て、前記の式(14)により表される値εをひずみ測定
値として決定することができる。
【0047】従って、ひずみゲージ1に結線された電流
供給用リード線2,5や電圧抽出用リード線3,4の抵
抗が測定値に影響を与えないようにしてひずみを測定す
ることができる。つまり、各リード線の抵抗が異なった
抵抗値に変化したとしても測定誤差が生じることがなく
なる。例えば、日照により温度変化があるような屋外で
長いリード線を使用した場合でも、正確で安定なひずみ
測定ができる。
【0048】また、前記の目的を達成するために、本発
明の第2の態様に係るひずみ測定方法は、ひずみに応じ
た抵抗値変化を生じる第1および第2のひずみゲージ
1、1′を直列に接続し、該第1および第2のひずみゲ
ージ1、1′をそれらのひずみ量の比が既知となるよう
な物体の2つの部位に貼着して該物体のひずみを測定す
る方法(2ゲージ法)であって、前記第1および第2の
ひずみゲージ1、1′にあらかじめ結線された電流供給
用リード線2,7,8を介して、第1および第2のひず
みゲージ1、1′の直列回路に電流を流す電流供給ステ
ップと、ひずみ測定の基準とする初期状態において、前
記電流供給ステップにより第1および第2のひずみゲー
ジ1、1′に生じた電圧を、第1および第2のひずみゲ
ージ1、1′の各端部に前記電流供給用リード線2,
7,8とは別にあらかじめ結線された電圧抽出用リード
線3,4,5,6を介して抽出する初期電圧抽出ステッ
プと、前記物体のひずみ測定時において、前記電流供給
ステップにより第1および第2のひずみゲージ1、1′
に生じた電圧を前記電圧抽出用リード線3,4,5,6
を介して抽出するひずみ電圧抽出ステップと、前記初期
電圧抽出ステップおよびひずみ電圧抽出ステップで抽出
された電圧に基づいて、前記の式(11)により表され
る値εを第1のひずみゲージ1のひずみ測定値として求
めるひずみ算出ステップと、を有することを特徴とす
る。
【0049】かかる発明によれば、第1および第2のひ
ずみゲージ1,1′にあらかじめ結線された電流供給用
リード線2,7,8を介して、第1および第2のひずみ
ゲージ1、1′の直列回路に電流を流す。そして、ひず
み測定の基準とする初期状態において、第1および第2
のひずみゲージ1、1′に生じた電圧を、第1および第
2のひずみゲージ1、1′の各端部にあらかじめ結線さ
れた電圧抽出用リード線3,4,5,6を介して抽出す
る。そして、物体のひずみ測定時において、第1および
第2のひずみゲージ1、1′に生じた電圧を電圧抽出用
リード線3,4,5,6を介して抽出する。これらの電
圧抽出手段として、例えば、高入力インピーダンスのア
ンプを使用する。初期状態およびひずみ測定時に抽出さ
れた電圧に基づいて、前記の式(11)により表される
値εを第1のひずみゲージ1のひずみ測定値として決定
することができる。ひずみゲージ1、1′に結線された
リード線は、電流供給用リード線2,7,8とそれとは
別の電圧抽出用リード線3,4,5,6に分けられてい
る。従って、リード線の抵抗がたとえ異なった抵抗値に
変化したとしてもリード線抵抗がひずみ測定値に影響を
与えないようにしてひずみを測定することができる。
【0050】ところで本発明の第1の態様において、ひ
ずみに応じたひずみゲージ1の抵抗値変化は微小である
ので、ひずみゲージ1と基準抵抗体RSに生じた電圧
1,V 2を各々測定するためには高分解能の電圧測定手
段が必要となる。すなわち、電圧V1,V2を測定する際
に、電圧V1,V2の中心的な大きさに比べてひずみによ
る電圧変化は極めて小さいので、電圧V1、V2をその中
心的な値よりも十分に小さな桁の電圧まで測定しなけれ
ばならない。一方、電圧V1とV2の差はその中心的な値
がV1とV2の大きさに比べて小さいので、アンプ等によ
り増幅することで、V1とV2の電圧変化を単独で測定す
るよりも精度よく測定することができる。また、V1
2の電圧差を次式(15)のとおりe′とする。
【0051】V1−V2=e′・・・・・・・・・・(15)
【0052】式(15)により、ひずみゲージ1と基準
抵抗体RSとの抵抗比Cは次式(16)または(17)
で表される。
【0053】 C=V1/V2=(V2+e′)/V2=1+e′/V2・・・・・・・・・・(16)
【0054】 C=V1/V2=1/(1−e′/V1)・・・・・・・・・・(17)
【0055】すなわち、抵抗比Cは、ひずみゲージ1に
生じた電圧V1または基準抵抗体RSに生じた電圧V
2と、V1とV2の電圧差e′とにより表すことができ
る。従って、V1とV2の電圧差e′を検出するようにし
た場合には、電圧V1またはV2と、その電圧差e′によ
り、ひずみを算出することができる。
【0056】そこで、本発明の第1の態様のひずみ測定
方法では、さらに前記初期電圧抽出ステップとひずみ電
圧抽出ステップとは、それぞれ、ひずみゲージ1に生じ
る電圧と基準抵抗体RSに生じる電圧との差を検出する
電圧差検出ステップを有し、前記ひずみ算出ステップ
は、前記初期電圧抽出ステップおよびひずみ電圧抽出ス
テップがそれぞれ、前記電圧差検出ステップにて検出し
た電圧差と、基準抵抗体RSに生じた電圧またはひずみ
ゲージ1に生じた電圧とから、前記の式(14)により
表される値εを求めることが好ましい。
【0057】かかる発明によれば、ひずみ測定の基準と
する初期状態およびひずみ測定時において、ひずみゲー
ジ1に生じる電圧と基準抵抗体RSに生じる電圧との電
圧差と、基準抵抗体RSに生じた電圧またはひずみゲー
ジ1に生じた電圧の一方とを検出し、それらに基づいて
ひずみを算出する。ひずみゲージ1に生じる電圧と基準
抵抗体RSに生じる電圧との電圧差を測定する際には、
ひずみゲージ1に生じる電圧または基準抵抗体RSに生
じる電圧を単独で測定する場合に比べて、測定する電圧
の中心的な値が小さくなるので、前述のように高精度で
測定できる。また、この電圧差を精度よく測定できるこ
とから、基準抵抗体RSに生じた電圧またはひずみゲー
ジ1に生じた電圧の測定精度は、その両者を測定する場
合よりも劣っても良い。この結果、電圧測定手段のコス
トを下げることができる。
【0058】上記と同様に、本発明の第2の態様におい
て、ひずみに応じた2つのひずみゲージ1,1′の抵抗
値変化は微小であるので、2つのひずみゲージ1、1′
に生じた電圧V1,V2を各々測定するためには高分解能
の電圧測定手段が必要となる。そこで、V1とV2の電圧
差を直接的に検出するようにすれば、前記第1の態様の
場合と同様に前記の式(15)により、第1のひずみゲ
ージ1と第2のひずみゲージ1′との抵抗比Cは前記の
式(16)または(17)で表される。従って、抵抗比
Cは、第1のひずみゲージ1に生じた電圧V1または第
2のひずみゲージ1′に生じた電圧V2と、V1とV2
電圧差e′とにより表すことができる。従って、V1
2の電圧差を得る回路を設けた場合には、電圧V1また
はV2と、その電圧差e′により、ひずみを算出するこ
とができる。
【0059】そこで、本発明の第2の態様のひずみ測定
方法では、さらに前記初期電圧抽出ステップとひずみ電
圧抽出ステップとは、それぞれ、第1のひずみゲージ1
に生じる電圧と第2のひずみゲージ1′に生じる電圧と
の差を検出する電圧差検出ステップを有し、前記ひずみ
算出ステップは、前記初期電圧抽出ステップおよびひず
み電圧抽出ステップがそれぞれ、前記電圧差検出ステッ
プにて検出した電圧差と、第1または第2のひずみゲー
ジに生じた電圧とから、前記式(11)により表される
値εを求めることが好ましい。
【0060】かかる発明によれば、ひずみ測定の基準と
する初期状態およびひずみ測定時において、第1のひず
みゲージ1に生じる電圧と第2のひずみゲージ1′に生
じる電圧との電圧差を検出する。電圧差のほかに、第1
または第2のひずみゲージに生じた電圧の一方を検出す
ればよいので、第1または第2のひずみゲージに生じた
電圧をそれぞれ測定するための高分解能電圧測定手段を
必要とせずに測定回路を構成することができる。
【0061】尚、このV1とV2の電圧差を得る回路を実
現するために例えば、2ゲージ法では図1に示すような
電圧差検出回路10を設ければ良い。この例では、電圧
差検出回路10は、2つのひずみゲージ1、1′に生じ
る電圧の差を検出する。この回路10では、オペアンプ
op1,op2,op3,op4はボルテージフォロア
回路を形成し、2つのひずみゲージ1、1′の直列回路
に流れる電流iに影響を与えずに、2つのひずみゲージ
1、1′に生じた電圧V1,V2およびリード線8に生じ
た電圧V8の和V1+V2+V8を固定抵抗Ra、Rbの直列
回路に与え、リード線8に生じた電圧V8を固定抵抗
c、Rdの直列回路に与える。尚、固定抵抗Ra〜Rd
抵抗値は同一である(Ra=Rb=Rc=Rd)。この電圧
差検出回路10の出力電圧eすなわち、固定抵抗Ra
bの直列回路の中点と、固定抵抗R c、Rdの直列回路
の中点との間の電圧であるが、それは、次式(18)の
ように表される。
【0062】 e=(V1+V2+V8)・Rb/(Ra+Rb)−V2 −V8・Rd/(Rc+Rd) =(V1−V2)/2・・・・・・・・・・(18)
【0063】従って、出力電圧eはV1−V2に比例した
ものになり、V1−V2を検出できることとなる。尚、図
1の回路でV1を検出するためにはop1,op2の出
力差を検出すればよく、V2を検出するためにはop
3,op4の出力差を検出すればよい。また、詳細は後
述するが図2の1ゲージ法や図3の2ゲージ法でも同様
にV1、V2の電圧差を検出できる。
【0064】また、本発明の第1の態様のひずみ測定方
法は、基準抵抗体RSに生じる電圧、または、ひずみゲ
ージ1に生じる電圧、または、基準抵抗体RSに生じる
電圧とひずみゲージ1に生じる電圧との和を所定の一定
値に保つステップをさらに有することが好ましい。
【0065】このようにひずみゲージ1に生じる電圧V
1または基準抵抗体RSに生じる電圧V2またはその両者
に生じる電圧の和V1+V2を所定の一定値に保つこと
で、基準抵抗体RSに生じる電圧、または、ひずみゲー
ジ1に生じる電圧の一方を測定すればひずみを算出する
ことができる。
【0066】すなわち、V1、V2の一方を所定の一定値
Vに保てばその値は既知となるので、その既知の値と他
方の電圧V1、V2の検出値とを用いて、式(14)のε
の値を求めることができる。また、V1+V2を一定値V
に保てば、V1、V2の一方を検出すれば他方の値V1
2は既知の一定値Vから減算することで求めることが
できるので、それらの検出値と算出値とを用いて式(1
4)のεの値を求めることができる。
【0067】上記と同様に、本発明の第2の態様のひず
み測定方法は、第1または第2のひずみゲージに生じる
電圧、または、第1および第2のひずみゲージに生じる
電圧の和を所定の一定値に保つステップをさらに有する
ことが好ましい。
【0068】従って、第1のひずみゲージ1に生じる電
圧V1、第2のひずみゲージ1′に生じる電圧V2の一方
を所定の一定値Vに保てばその値は既知となるので、そ
の既知の値と他方の電圧V1、V2の検出値とを用いて、
式(11)のεの値を求めることができる。また、V1
+V2を一定値Vに保てば、V1、V2の一方を検出すれ
ば他方の値V1、V2は既知の一定値Vから減算すること
で求めることができるので、それらの検出値と算出値と
を用いて式(11)のεの値を求めることができる。
【0069】また、本発明の第1の態様では、前記初期
電圧抽出ステップおよびひずみ電圧抽出ステップとは、
それぞれ、ひずみゲージ1に生じる電圧と基準抵抗体R
Sに生じる電圧との差を検出する電圧差検出ステップ
と、基準抵抗体RSに生じる電圧、または、ひずみゲー
ジ1に生じる電圧、または、基準抵抗体RSに生じる電
圧とひずみゲージ1に生じる電圧との和を所定の一定値
に保つステップと、を併せて有し、前記ひずみ算出ステ
ップは、前記初期電圧抽出ステップおよびひずみ電圧抽
出ステップがそれぞれ、前記電圧差検出ステップにて検
出した電圧差と、前記所定の一定値とから、前記式(1
4)により表される値εを求めることが特に好ましい。
【0070】かかる発明によれば、ひずみ測定の基準と
する初期状態およびひずみ測定時において、ひずみゲー
ジ1に生じる電圧V1と基準抵抗体RSに生じる電圧V2
との電圧差を検出し、ひずみゲージ1に生じる電圧V1
または基準抵抗体RSに生じる電圧V2、またはその両者
に生じる電圧の和V1+V2を所定の一定値Vに保つ。そ
して、検出した電圧差と所定の一定値Vにより、式(1
4)によりひずみを算出することができる。例えば、
e′=V1−V2を検出すると共にV1またはV2を一定値
Vに保てば、それらの値から、前記式(16)又は(1
7)により抵抗比が判り、ひいては式(14)によりひ
ずみを算出できる。または、e′=V1−V2を検出する
と共にV1+V2を一定値Vに保てば抵抗比Cは次式で表
される。
【0071】 C=R1/RS=(V+e′)/(V−e′)・・・・・・・・・・(19)
【0072】この抵抗比から、式(14)によりひずみ
を算出できる。従って、ひずみゲージ1に生じた電圧V
1および基準抵抗体RSに生じた電圧V2をそれぞれ測定
するための高分解能電圧測定手段を必要としないで測定
回路を構成することができ、コストを低減できる。
【0073】上記と同様に、本発明の第2の態様では、
前記初期電圧抽出ステップとひずみ電圧抽出ステップと
は、それぞれ、第1のひずみゲージ1に生じる電圧と第
2のひずみゲージ1′に生じる電圧との差を検出する電
圧差検出ステップと、第1または第2のひずみゲージに
生じる電圧、または、第1のひずみゲージ1に生じる電
圧と第2のひずみゲージ1′に生じる電圧との和を所定
の一定値に保つステップと、を併せて有し、前記ひずみ
算出ステップは、前記初期電圧抽出ステップおよびひず
み電圧抽出ステップがそれぞれ、前記電圧差検出ステッ
プにて検出した電圧差と、前記所定の一定値とから、前
記式(11)により表される値εを求めることが特に好
ましい。
【0074】かかる発明によれば、ひずみ測定の基準と
する初期状態およびひずみ測定時において、第1のひず
みゲージ1に生じる電圧V1と第2のひずみゲージ1′
に生じる電圧V2との電圧差を検出し、第1または第2
のひずみゲージに生じる電圧V1またはV2、またはその
両者に生じる電圧の和V1+V2を所定の一定値Vに保
つ。そして、前記第1の態様の場合と同様に、検出した
電圧差と所定の一定値Vにより、式(11)によりひず
みを算出することができる。従って、第1のひずみゲー
ジ1に生じた電圧V1および第2のひずみゲージ1′に
生じた電圧V2をそれぞれ測定するための高分解能電圧
測定手段を必要としないで測定回路を構成することがで
きる。
【0075】尚、前述の本発明の第1の態様の説明で
は、式(14)の右辺におけるひずみゲージと基準抵抗
体の抵抗比Cが、ひずみゲージと基準抵抗体にそれぞれ
生じる電圧V1,V2で表せることを示し、それに基づい
て本発明の第1の態様を説明したが、本発明の第1の態
様は抵抗比C自体を電圧V1,V2から求めることを必須
とするものではない。つまり、V1,V2あるいはその差
を用いて式(14)と同じ演算結果が得られる限りどの
ような形式の演算式を用いてもよい。
【0076】このことは本発明の第2の態様でも同様で
あり、式(11)における2つのひずみゲージの抵抗比
C自体を、各ひずみゲージに生じる電圧V1,V2から求
めることを必須とするものではない。つまり、V1,V2
あるいはその差を用いて式(11)と同じ演算結果が得
られる限りどのような形式の演算式を用いてもよい。
【0077】次に、本発明の多点ひずみ測定システムの
第1の態様は、前述した本発明のひずみ測定方法の第1
の態様(1ゲージ法)を用いて多点ひずみ測定を行うシ
ステムであって、前記電流供給用リード線2,5及び電
圧抽出用リード線3,4がそれぞれあらかじめ結線され
た複数のひずみゲージ1と、前記基準抵抗と、前記電流
供給ステップ、初期電圧抽出ステップ、ひずみ電圧抽出
ステップ及びひずみ算出ステップの処理を実行するため
の回路と、を含む測定手段と、各ひずみゲージ1の電流
供給用リード線2,5および電圧抽出用リード線3,4
が接続され、前記測定手段に接続するひずみゲージ1を
選択的に切り換えるスイッチ手段と、を備えることを特
徴とするものである。
【0078】上記構成によれば、複数のひずみゲージ1
には、電流供給用リード線2,5及び電圧抽出用リード
線3,4があらかじめ結線される。測定手段は、例え
ば、ひずみゲージへの電流を供給するための回路、初期
状態およびひずみ測定時の電圧を抽出するための回路、
及びひずみ算出処理を実行するための回路と、基準抵抗
とを備える。スイッチ手段は、例えば複数のスイッチ素
子からなる。スイッチ素子は、各ひずみゲージ1の電流
供給用リード線2,5および電圧抽出用リード線3,4
が接続されるとともに、測定手段に結線され、測定手段
に接続するひずみゲージ1を選択的に切り換えることが
できる。また、スイッチ素子の接点抵抗はリード線の抵
抗の一部とみなされるので、リード線抵抗と同様に接点
抵抗のひずみ測定への影響をなくすことができる。
【0079】また、本発明の多点ひずみ測定システムの
第2の態様は、前述した本発明のひずみ測定方法の第2
の態様(2ゲージ法)を用いて多点ひずみ測定を行うシ
ステムであって、2つのひずみゲージ1、1′を直列に
接続し、接続された直列回路を1組として構成され、前
記電流供給用リード線及び電圧抽出用リード線がそれぞ
れあらかじめ結線された複数組のひずみゲージ1、1′
と、前記基準抵抗と、前記電流供給ステップ、初期電圧
抽出ステップ、ひずみ電圧抽出ステップ及びひずみ算出
ステップの処理を実行するための回路と、を含む測定手
段と、各組のひずみゲージ1、1′の電流供給用リード
線および電圧抽出用リード線が接続され、前記測定手段
に接続するひずみゲージ1、1′を選択的に切り換える
スイッチ手段と、を備えることを特徴とするものであ
る。
【0080】上記構成によれば、2つのひずみゲージ
1、1′を1組として構成された複数組のひずみゲージ
1、1′には、電流供給用リード線及び電圧抽出用リー
ド線があらかじめ結線される。測定手段は、ひずみゲー
ジ1、1′への電流供給、初期状態およびひずみ測定時
の電圧抽出、並びにひずみ算出処理を実行するための回
路と、基準抵抗とを含む。スイッチ手段には、各組のひ
ずみゲージ1、1′の電流供給用リード線および電圧抽
出用リード線が接続される。また、スイッチ手段は、測
定手段に接続するひずみゲージ1、1′の組を選択的に
切り換えることができる。従って、スイッチ手段でひず
みゲージの組を選択的に切り換えることにより、各測定
点において、測定手段により2つのひずみゲージに生じ
る電圧を抽出し、ひずみを算出することができる。
【0081】また、本発明の多点ひずみ測定システムの
第1の態様は、前記スイッチ手段は、各ひずみゲージに
対応したチャンネルを有して、該チャンネルを指定する
信号を識別して該信号に基づいてスイッチを切り換える
チャンネル識別手段を備えた複数の測定用モジュールか
ら構成され、前記複数の測定用モジュールは、前記測定
手段に接続された共通の信号線に結線され、前記測定手
段は、前記チャンネルを指定する信号を前記測定用モジ
ュールに供給するチャンネル制御手段を備えることが好
ましい。
【0082】上記構成によれば、スイッチ手段は、測定
手段に接続された共通の信号線に結線された複数の測定
用モジュールから構成される。測定用モジュールは、各
ひずみゲージに対応したチャンネルを有し、チャンネル
識別手段を備える。測定手段は、チャンネル制御手段に
より、チャンネルを指定する信号を測定用モジュールに
供給する。測定用モジュールは、チャンネル識別手段に
より、チャンネルを指定する信号を識別し、識別した信
号に基づいてスイッチを切り換える。従って、測定用モ
ジュールを切り換えることができるので、各測定点にお
いてひずみゲージに生じる電圧を抽出することにより各
測定点におけるひずみを算出することができる。また、
従来のように各測定点でブリッジ回路を形成する必要も
ないので、各測定点へのダミー抵抗の配置が不要にな
り、経済的なだけでなく、配置したダミー抵抗の安定性
が測定に影響することもないので測定精度が向上する。
【0083】また、本発明の多点ひずみ測定システムの
第2の態様は、前記スイッチ手段は、2つのひずみゲー
ジよりなる各組に対応したチャンネルを有して、該チャ
ンネルを指定する信号を識別して該信号に基づいてスイ
ッチを切り換えるチャンネル識別手段を備えた複数の測
定用モジュールから構成され、前記複数の測定用モジュ
ールは、前記測定手段に接続された共通の信号線に結線
され、前記測定手段は、前記チャンネルを指定する信号
を前記測定用モジュールに供給するチャンネル制御手段
を備えることが好ましい。
【0084】上記構成によれば、測定手段に接続された
信号線はひずみゲージのリード線の一部とみなされる。
この場合に各リード線抵抗が異なった抵抗値に変化した
としても測定誤差が生じることがなくなるので、ひずみ
測定の基準とする初期値設定後にケーブルの長さや接続
を変更したとしても再度初期値測定を行う作業が不要に
なり、多点ひずみ測定を行いやすくすることができる。
【0085】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)本発明の第1
の態様に係るひずみ測定方法を用いたひずみ測定装置を
図4を参照して説明する。
【0086】このひずみ測定装置30は、測定回路31
と、コントロールユニット40とを備えている。なお、
測定回路31とコントロールユニット40とは、必ずし
も一体に構成する必要はなく、別体に構成してもよい。
【0087】測定回路31にはリード線2〜5を介して
ひずみゲージ1が接続されている。ひずみゲージ1は測
定対象の物体(図示せず)に貼着され、ひずみに応じた
抵抗値変化を生じる。ひずみゲージ1の両端には、あら
かじめ2本ずつのリード線2〜5が結線されている。ひ
ずみゲージ1の両端に結線された一対のリード線2、5
が電流供給用のリード線として使用され、さらにひずみ
ゲージ1の両端に結線されたもう一対のリード線3、4
が電圧抽出用のリード線として用いられる。
【0088】測定回路31は、前記図2に示したものと
等価であり、基準抵抗体RSと、電圧差検出回路11
と、電圧安定化回路21とを備えている。
【0089】基準抵抗体RSは、リード線5を介してひ
ずみゲージ1と直列に接続されている。基準抵抗体RS
は、基本的には、抵抗値が測定対象の物体に生じるひず
みとは無関係に一定となるような抵抗素子(例えば固定
抵抗値の抵抗素子)により構成される。
【0090】電圧差検出回路11は、高入力インピーダ
ンスのオペアンプop1,op2,op3と抵抗体Ra
〜Rdとを備えている。オペアンプop1,op2の正
入力にはそれぞれリード線3,4が接続され、オペアン
プop3の正入力にはリード線5と基準抵抗体RSとの
間の中点が接続されている。また、オペアンプop1の
出力は抵抗体Ra、Rbの直列回路を介して基準抵抗体R
Sの一端(ひずみゲージ1と反対側の一端)に接続さ
れ、オペアンプop2、op3の出力は抵抗体Rc、Rd
の直列回路を介して相互に接続されている。
【0091】電圧差検出回路11は、ひずみゲージ1に
生じた電圧V1と基準抵抗体RSに生じた電圧V2との差
分eを検出する。この回路11では、オペアンプop
1,op2,op3はボルテージフォロア回路を形成
し、ひずみゲージ1に生じた電圧V1と基準抵抗体RS
生じた電圧V2とリード線5に生じた電圧V5の和V1
2+V5を固定抵抗Ra、Rbの直列回路に与え、リード
線5に生じた電圧V5を固定抵抗Rc、Rdの直列回路に
与える。尚、固定抵抗Ra〜Rdの抵抗値は同一である
(Ra=Rb=Rc=Rd)。この電圧差検出回路11の出
力電圧eすなわち、固定抵抗Ra、Rbの直列回路の中点
と、固定抵抗Rc、Rdの直列回路の中点との間の電圧
は、次式(20)で与えられる。
【0092】 e=(V1+V2+V5)・Rb/(Ra+Rb)−V2 −V5・Rd/(Rc+Rd) =(V1−V2)/2・・・・・・・・・・(20)
【0093】従って、出力電圧eはV1−V2に比例した
ものになり、V1−V2を検出できることとなる。尚、こ
の場合、オペアンプop1,op2,op3は高入力イ
ンピーダンスのものであるので、リード線3,4には電
流がほとんど流れないと共に、基準抵抗体RSとリード
線5の間からオペアンプop3に流れる電流もほぼ0で
ある。
【0094】電圧安定化回路21は高入力インピーダン
スのオペアンプop4から構成される。オペアンプop
4の負入力は、リード線5と基準抵抗体RSとの間の中
点に接続され、オペアンプop4の出力はリード線2に
接続されている。また、測定回路31には、あらかじめ
定められたレベルの基準入力電圧Vを外部から入力する
ための一対の電源入力端子32,33が設けられてお
り、オペアンプop4の正入力は電源入力端子32に接
続されている。さらに、電源入力端子33は、基準抵抗
体RSの一端(ひずみゲージ1と反対側の一端)に接続
されている。従って、オペアンプop4は、基準抵抗体
Sに生じる電圧V2が電源入力端子32,33に付与さ
れる基準入力電圧Vと等しくなるように、ひずみゲージ
1及び基準抵抗体RSに流れる電流を制御する。また、
測定回路31には、電圧差検出回路11の出力電圧eを
外部に出力するための一対の出力端子34,35が備え
られている。
【0095】コントロールユニット40は、基準電源回
路41と、増幅回路42と、A/D変換回路43と、制
御回路44と、記憶回路45と、インターフェース回路
46と、主電源回路47と、表示器48と、表示回路4
9とを備えている。
【0096】基準電源回路41は、測定回路31の一対
の電源入力端子32,33に接続されて、測定回路31
に基準入力電圧V(定電圧)を供給する。増幅回路42
は、測定回路31の一対の出力端子34,35に接続さ
れて、該出力端子34,35間に発生する電圧差検出回
路11の出力電圧eを増幅する。A/D変換回路43
は、増幅回路42の出力をA/D変換する。制御回路4
4は、後述の各種データ処理や制御処理を行う。記憶回
路45は、後述の各種データや制御回路44が行う処理
に必要なプログラム等を記憶保持する。インターフェー
ス回路46は、制御回路44がコントロールユニット4
0の外部の図示しない操作器やパーソナルコンピュータ
等との間で各種データの授受を行うための回路である。
主電源回路47は、コントロールユニット40全体の電
源電圧を商用電源等から生成する。表示器48は、制御
回路44により表示回路49を介して駆動され、ひずみ
測定値等を表示する。なお、制御回路44はマイクロプ
ロセッサ等により構成され、また記憶回路45はRO
M、RAM、EEPROM等により構成されたものであ
る。コントロールユニット40の電源としては商用電源
の他、電池を使用するようにしてもよい。
【0097】上記構成のひずみ測定装置の作動を説明す
る。本実施形態のひずみ測定装置30では、ひずみ測定
に先立って、あらかじめ、前記基準入力電圧Vの値およ
びひずみゲージのゲージ率Kの値が、ひずみ測定装置3
0の外部の適宜の操作器等からインターフェース回路4
6及び制御回路44を介して記憶回路45に入力され
て、記憶回路45に記憶保持される。尚、これらの値
V,Kはひずみ測定装置30の製造段階で記憶回路45
に記憶保持しておくようにしてもよい。
【0098】そして、ひずみ測定の基準とする初期状態
において、以下のように測定が行われる。まず、ひずみ
ゲージ1が測定対象の物体(図示せず)に貼着される。
ひずみ測定装置30の所定の操作等により、コントロー
ルユニット40を動作させる。このとき、コントロール
ユニット40の制御回路44は、まず、基準電源回路4
1を起動して、基準電源回路41から電源入力端子3
2,33に基準入力電圧Vを付与させる。基準電源回路
41が、測定回路31に基準入力電圧Vを供給すると、
電流供給用リード線2,5を介してひずみゲージ1と基
準抵抗体RSにop4によってV2=Vとするように電流
iが流れる。ひずみゲージ1の両端に生じた電圧V1
基準抵抗体RSに生じた電圧V2(=V)との差に比例し
た電圧差検出回路11の出力電圧e(初期状態での出力
電圧e0)は、出力端子34,35から出力され、増幅
回路42に入力される。制御回路44は、この増幅回路
42に入力される電圧e0の値を、増幅回路42及びA
/D変換回路43を介して与えられるデータによって認
識する。その認識した電圧e0と前記基準入力電圧Vの
値とに基づいて、制御回路44は次式(21)により、
基準抵抗体RSに対するひずみゲージ1の抵抗の比(抵
抗比)C(初期状態での抵抗比C0)を求め、求めた抵
抗比C0を記憶回路45に記憶保持させる。
【0099】 C=V1/V2=1+2・e/V・・・・・・・・・・(21)
【0100】尚、式(21)は式(20)とV2=Vと
いう関係式に基づいて得られる。
【0101】次に、制御回路44は、操作者の所定の操
作等により指示されたタイミングや、あらかじめ設定さ
れたタイムスケジュールに従って、次のようにひずみ測
定を行う。制御回路44は、ひずみ測定を行うタイミン
グにおいて、基準電源回路41から電源入力端子32,
33に基準入力電圧Vを付与させる。そして、ひずみゲ
ージ1の両端に生じた電圧V1と基準抵抗体RSに生じた
電圧V2との差に比例した電圧差検出回路11の出力電
圧e(ひずみ測定時の出力電圧eε)は増幅回路42に
入力される。制御回路44は、この増幅回路42に入力
される電圧eεの値を、増幅回路42及びA/D変換回
路43を介して与えられるデータによって認識する。そ
の認識した電圧eεに基づいて、制御回路44は前記の
式(21)により抵抗比C(ひずみ測定時の抵抗比
ε)を求め、求めた抵抗比Cεを記憶回路45に記憶
保持させる。
【0102】そして、制御回路44は、記憶回路45に
あらかじめプログラムされた図5のフローチャートの処
理を行うことで、物体のひずみεを求める。すなわち、
制御回路44は、記憶回路45に記憶保持されたゲージ
率K、初期状態における抵抗比C0、およびひずみ測定
時の抵抗比Cεのデータを記憶回路45から読み込む。
そして、読み込んだ上記の各データの値を用いて、前記
の式(14)の演算を行うことで、ひずみεを求める。
なお、制御回路44は、求めたひずみεの値を表示回路
49を介して表示器48に表示させる。
【0103】上述のように、本実施形態によれば、ひず
みゲージに結線されたリード線2〜5の抵抗が測定値に
影響を及ぼすことなくひずみを測定することができ、各
リード線2〜5の抵抗が異なった抵抗値に変化したとし
ても測定誤差が生じることがなくなるという効果を奏す
る。
【0104】本実施形態では基準抵抗体は1つとした
が、基準抵抗体を複数用いて、ひずみゲージの抵抗値に
合わせて、切換手段により適切な抵抗値を選択するよう
にしてもよい。あるいは、電子可変抵抗などによって任
意の値を設定するようにしてもよい。
【0105】また、電圧安定化回路は、ひずみゲージ1
に生じる電圧V1、あるいは、ひずみゲージ1と基準抵
抗体RSに生じる電圧の和V1+V2が一定レベルの値に
保持されるように構成してもよい。
【0106】また、本実施形態では、制御回路44は、
初期状態のときに抵抗比C0を算出するものとしたが、
初期値の測定時には抵抗比C0は求めずに電圧差検出回
路の出力値e0を記憶しておき、ひずみ測定時に、初期
状態の抵抗比C0とひずみ測定時の抵抗比Cεをまとめ
て算出するようにしてもよい。
【0107】(第2の実施形態)次に、本発明の第2の
実施形態を図6を参照して説明する。この実施形態は、
本発明のひずみ測定方法の第2の態様に係る実施形態で
あり、ひずみゲージを2枚用いてひずみ測定を行う。こ
のひずみ測定装置50は、測定回路51と、コントロー
ルユニット40とを備えている。この装置50では、コ
ントロールユニット40は第1の実施形態と同一であ
り、この構成については第1の実施形態のひずみ測定装
置30と同一の参照番号を付与し、説明を省略する。
【0108】測定回路51にはリード線2〜7を介して
2つのひずみゲージ1、1′が接続されている。第1の
ひずみゲージ1の一端にはリード線2,3が結線され、
他端にはリード線4、8が結線されている。また、第2
のひずみゲージ1′の一端にはリード線5,8が結線さ
れ、他端にはリード線6,7が結線されている。2つの
ひずみゲージ1、1′はリード線8を介して直列に接続
されている。リード線2,7,8は電流供給用として使
用される。リード線3,4はひずみゲージ1に生じる電
圧V1を抽出し、リード線5,6はひずみゲージ1′に
生じる電圧V2を抽出するためのものである。
【0109】測定回路51は、前記図1に示したものと
等価であり、電圧差検出回路10と、電圧安定化回路2
0とを備えている。電圧差検出回路10は、高入力イン
ピーダンスのオペアンプop1,op2,op3,op
4と抵抗体Ra〜Rdを具備している。オペアンプop
1,op2,op3,op4の正入力にはそれぞれリー
ド線3,4,5,6が接続されている。また、オペアン
プop1,op2,op3,op4の出力にはそれぞれ
抵抗体Ra、Rb、Rc、Rdが接続され、抵抗体R a、Rd
が直列に接続されると共に抵抗体Rb、Rcが直列に接続
されている。電圧差検出回路10は、2つのひずみゲー
ジ1、1′に生じる電圧の差を検出する。この回路10
では、オペアンプop1,op2,op3,op4はボ
ルテージフォロア回路を形成し、2つのひずみゲージ
1、1′に生じた電圧V1,V2およびリード線8に生じ
た電圧V8の和V1+V2+V8を固定抵抗Ra、Rbの直列
回路に与え、リード線8に生じた電圧V8を固定抵抗
c、Rdの直列回路に与える。尚、固定抵抗Ra〜Rd
抵抗値は同一である(Ra=Rb=Rc=Rd)。この電圧
差検出回路10の出力電圧eすなわち、固定抵抗Ra
bの直列回路の中点と、固定抵抗Rc、Rdの直列回路
の中点との間の電圧は、前記の式(20)で表される。
従って、出力電圧eはV1−V2に比例したものになり、
1−V2を検出できることとなる。尚、この場合、オペ
アンプop1,op2,op3,op4は高入力インピ
ーダンスのものであるので、リード線3,4,5,6に
は電流がほとんど流れない。
【0110】電圧安定化回路20は高入力インピーダン
スのオペアンプop5,op6から構成される。オペア
ンプop5,op6の負入力にはそれぞれリード線5,
6が接続され、オペアンプop5,op6の出力にはそ
れぞれリード線2,7が接続されている。また、測定回
路51には、あらかじめ定められたレベルの基準入力電
圧Vを外部から入力するための一対の電源入力端子5
2,53が設けられており、オペアンプop5の正入力
は電源入力端子52に接続されている。さらに、オペア
ンプop6の正入力は電源入力端子53に接続されてい
る。従って、オペアンプop5,op6は、ひずみゲー
ジ1′に生じる電圧V2が電源入力端子52,53に付
与される基準入力電圧Vと等しくなるようにひずみゲー
ジ1、1′に流れる電流を制御する。また、電圧差検出
回路11の出力電圧eを外部に出力するための一対の出
力端子54,55が備えられている。
【0111】上記構成のひずみ測定装置50の作動は、
以下のように、第1の実施形態のひずみ測定装置30と
同様な作動を行う。
【0112】まず、ひずみゲージ1、1′が測定対象の
物体に貼着される。このとき、第1のひずみゲージ1に
生じるひずみと第2のひずみゲージ1′に生じるひずみ
との比が既知となるような物体の2つの部位に貼着され
る。本実施形態では、例えば、板状の試験材料の表裏面
にそれぞれひずみゲージ1、1′を貼ってひずみ(曲げ
ひずみ)を計測する。この場合には、第1のひずみゲー
ジ1に生じるひずみと第2のひずみゲージ1′に生じる
ひずみとの比aはa=−1とする。
【0113】本実施形態のひずみ測定装置50では、ひ
ずみ測定に先立って、あらかじめ、2つのひずみゲージ
1、1′の直列回路に付与する基準入力電圧Vの値と、
第1のひずみゲージのゲージ率K1の値と、第2のひず
みゲージのゲージ率K2の値と、2つのひずみの比a
(a=−1)とが、適宜の操作器等からインターフェー
ス回路46及び制御回路44を介して記憶回路45に入
力されて、記憶回路45に記憶保持される。尚、これら
の値V、K1、K2、aは、ひずみ測定装置50の製造段
階で記憶回路45に記憶保持しておくようにしてもよ
い。
【0114】ひずみ測定の基準とする初期状態におい
て、ひずみ測定装置50の所定の操作等により、コント
ロールユニット40を動作させる。このとき、コントロ
ールユニット40の制御回路44は、まず、基準電源回
路41を起動して、基準電源回路41から電源入力端子
52,53に基準入力電圧Vを付与させる。基準電源回
路41が、測定回路51に基準入力電圧Vを供給する
と、電流供給用リード線2,7,8を介してひずみゲー
ジ1、1′にop5,op6によってV2=Vとするよ
うに電流が流れる。ひずみゲージ1、1′の両端に生じ
た電圧V1、V2の差に比例した電圧差検出回路10の出
力電圧e0は、出力端子54,55から出力され、増幅
回路42に入力される。制御回路44は、この増幅回路
42に入力される電圧e0の値を、増幅回路42及びA
/D変換回路43を介して与えられるデータによって認
識する。その認識した電圧e0と前記基準入力電圧Vの
値とに基づいて、制御回路44は前記の式(21)によ
り、ひずみゲージ1′に対するひずみゲージ1の抵抗の
比(抵抗比)C0を求め、求めた抵抗比C0を記憶回路4
5に記憶保持させる。
【0115】次に、制御回路44は、操作者の所定の操
作等により指示されたタイミング等に従って、次のよう
にひずみ測定を行う。制御回路44は、ひずみ測定を行
うタイミングにおいて、基準電源回路41から電源入力
端子52,53に基準入力電圧Vを付与させる。そし
て、ひずみゲージ1、1′の両端に生じた電圧V1、V2
の差に比例した電圧差検出回路10の出力電圧eεは増
幅回路42に入力される。制御回路44は、増幅回路4
2に入力される電圧eεの値を、増幅回路42及びA/
D変換回路43を介して与えられるデータによって認識
する。その認識した電圧eεに基づいて、制御回路44
は前記の式(21)により抵抗比Cεを求め、求めた抵
抗比Cεを記憶回路45に記憶保持させる。
【0116】そして、制御回路44は、記憶回路45に
あらかじめプログラムされた図7のフローチャートの処
理を行うことで、物体のひずみεを求める。すなわち、
制御回路44は、記憶回路45に記憶保持されたゲージ
率K1,K2と、2つのひずみゲージに生じるひずみの比
aと、初期状態における抵抗比C0およびひずみ測定時
の抵抗比Cεの各データを記憶回路45から読み込む。
そして、読み込んだ上記の各データの値を用いて、前記
の式(11)の演算を行うことで、ひずみゲージ1に関
するひずみε1を求める。また、これを基にひずみゲー
ジ1′に関するひずみε2=−ε1を求める。
【0117】本実施形態のひずみ測定装置によれば、第
1のひずみゲージ1に生じるひずみと第2のひずみゲー
ジ1′に生じるひずみとの比aが既知となるような物体
の2つの部位にひずみゲージ1,1′を貼着した場合の
それぞれのひずみを求めることができる。そして、それ
らのひずみは、ひずみゲージ1、1′に結線されたリー
ド線2〜8の抵抗が測定値に影響を及ぼすことなく測定
することができ、ひずみ測定装置50に接続する各リー
ド線2〜7の抵抗が異なった抵抗値に変化したとしても
測定誤差が生じることがなくなる。
【0118】本実施形態では、電圧安定化回路は、ひず
みゲージ1′に生じる電圧V2が一定値Vに保持される
ように構成したが、ひずみゲージ1に生じる電圧V1
あるいは、ひずみゲージ1、1′に生じる電圧の和V1
+V2が一定レベルの値に保持されるように構成しても
よい。
【0119】また、2つのひずみゲージ1、1′が近接
部位に貼着され、これらを接続するリード線8の長さが
十分に短く、前記図3に示したようにひずみゲージ1、
1′にリード線2〜6が結線されている場合には、ひず
み測定装置50の測定回路は例えば図3に示す回路で構
成してもよい。この場合には、測定回路は図示するよう
に、電圧差検出回路12と、電圧安定化回路22とを備
える。
【0120】電圧差検出回路12は、高入力インピーダ
ンスのオペアンプop1,op2と抵抗体Ra、Rbを具
備している。オペアンプop1,op2の正入力にはそ
れぞれリード線3,5が接続され、オペアンプop1,
op2の出力は抵抗体Ra、Rbの直列回路を介して相互
に接続されている。電圧差検出回路12は、2つのひず
みゲージ1、1′に生じる電圧の差を検出する。この回
路12では、オペアンプop1,op2はボルテージフ
ォロア回路を形成し、2つのひずみゲージ1、1′に生
じた電圧V1,V2の和V1+V2を固定抵抗Ra、Rbの直
列回路に与える。尚、固定抵抗Ra、Rbの抵抗値は同一
である(Ra=Rb)。この電圧差検出回路12の出力電
圧eすなわち、固定抵抗Ra、Rbの直列回路の中点と、
リード線4との間の電圧は、前記の式(20)で表され
る。従って、出力電圧eはV1−V2に比例したものにな
り、V1−V2を検出できることとなる。尚、この場合、
オペアンプop1,op2は高入力インピーダンスのも
のであるので、リード線3,4には電流がほとんど流れ
ない。
【0121】電圧安定化回路22は高入力インピーダン
スのオペアンプop3,op4から構成される。オペア
ンプop3,op4の負入力はそれぞれリード線3,5
に接続され、op3,op4の出力はそれぞれリード線
2,6に接続されている。それで、オペアンプop3,
op4の正入力間には一定レベルの基準入力電圧Vが付
与される。このとき、オペアンプop3,op4は、ひ
ずみゲージ1、1′に生じる電圧の和V1+V2が基準入
力電圧Vと等しくなるようにひずみゲージ1、1′に流
れる電流を制御する。
【0122】上記測定回路を用いる場合には、2つのひ
ずみゲージ1、1′の抵抗比には前記の式(21)に代
えて次式(22)を用いる。この式(22)は、前記の
式(20)と電圧の和V1+V2が基準入力電圧Vと同一
であるという条件から求められる。
【0123】 C=V1/V2=(V+2・e)/(V−2・e)・・・・・・・・・・(22)
【0124】尚、図3の例ではV1+V2を一定にしたが
1またはV2を一定になるようにしてもよい。
【0125】(第3の実施形態)次に、本発明の第3の
実施形態に係る多点ひずみ測定装置60を図8を参照し
て説明する。この実施形態は本発明の第1の態様の多点
ひずみ測定装置の実施形態である。
【0126】多点ひずみ測定装置60は、n個のチャン
ネルCh1〜Chn分のスイッチ回路61と、測定回路
31と、コントロールユニット40とを備えている。こ
の装置60では、測定回路31とコントロールユニット
40は第1の実施形態と同一であり、これらの構成につ
いては第1の実施形態のひずみ測定装置30と同一の参
照番号を付与し、説明を省略する。
【0127】各ひずみゲージ1の両端には、あらかじめ
2本ずつのリード線2〜5が結線されている。ひずみゲ
ージ1の両端に結線された一対のリード線2、5が電流
供給用のリード線として使用され、ひずみゲージ1の両
端に結線されたもう一対のリード線3、4が電圧抽出用
のリード線として用いられる。スイッチ回路61は、4
つのスイッチ素子からなり、それらのスイッチ素子は一
端が各ひずみゲージのリード線2〜5に各々結線されて
おり、他端が測定回路31に結線されている。この場
合、各スイッチ回路61の4つのスイッチ素子をオン状
態にしたとき、そのスイッチ回路61に対応するひずみ
ゲージ1が測定回路31に対して図4のものと同様に接
続されるようになっている。また、コントロールユニッ
ト40の制御回路44は、チャンネルを選択する制御信
号をスイッチ回路61に供給する。
【0128】上記構成の多点ひずみ測定装置60は、次
のように動作する。まず、ひずみ測定の基準とする初期
状態において、以下のように測定が行われる。n個のひ
ずみゲージ1は測定対象の物体のn個の部位に貼着され
る。多点ひずみ測定装置60の所定の操作等により、コ
ントロールユニット40を動作させる。まず、コントロ
ールユニット40の制御回路44は、選択すべきチャン
ネルのスイッチ回路61に制御信号を供給する。選択さ
れたスイッチ回路61は、4つのスイッチ素子をオンさ
せ、選択されなかった残りのスイッチ回路61は、それ
ぞれ4つのスイッチ素子をオフ状態に維持する。制御回
路44は、基準電源回路41を起動して、基準電源回路
41から、測定回路31に基準入力電圧Vを付与させ
る。選択したスイッチ回路61により測定回路31に接
続されるひずみゲージ1には、測定回路31により前記
第1実施形態のものと同様に電流が供給される。そし
て、制御回路44は、測定回路31の電圧差検出回路1
1の出力電圧e0に基づいて抵抗比C0を前記の式(2
1)により求め、求めた抵抗比C0を記憶回路45に記
憶保持させる。以下、同様にして、制御回路44は、各
スイッチ回路61に順次制御信号を供給し、選択したス
イッチ回路61に接続されるひずみゲージ1に関して抵
抗比C0を求め、記憶回路45に記憶保持させる。この
ようにして、n個のチャンネル分のスイッチ回路をすべ
て選択することにより、n個の抵抗比データC01〜C0n
を記憶回路45に記憶保持させる。
【0129】次に、制御回路44は、操作者の所定の操
作等により指示されたタイミング等に従って、初期状態
における測定と同様にしてひずみ測定を行い、各チャン
ネルにそれぞれ対応するn個の抵抗比データCε1〜C
εnを記憶回路45に記憶保持させる。そして、制御回
路44は、記憶回路45にあらかじめプログラムされた
図5のフローチャートの処理を行う。すなわち、制御回
路44は、記憶回路45に保持されたゲージ率K、各チ
ャンネル毎の初期状態における抵抗比C0kおよびひずみ
測定時の抵抗比Cεk(k=1〜n)のデータを記憶回
路45から読み込む。そして、読み込んだ上記の各デー
タの値を用いて、前記の式(14)の演算を行うこと
で、物体のn個の測定点におけるひずみε1〜εnを求め
る。
【0130】なお、n個のひずみゲージ1は測定対象の
物体のn個の部位に貼着されるものとして説明したが、
n個のひずみゲージがn個の物体に貼着されるものとし
てもよい。上記実施形態によれば、ひずみゲージを選択
的に切り換えることにより、各測定点において、ひずみ
ゲージに生じる電圧を抽出し、ひずみを算出することが
できる。また、各測定点に対応するリード線の抵抗値
が、測定点同士で互いに異なる場合も測定に悪影響を及
ぼさなくなる。また、測定点を切り換えるスイッチの接
点抵抗が測定誤差の要因とならないので、接点抵抗がで
きるだけ小さなスイッチ素子を選択したり、接点抵抗の
影響を補償する方策を採る必要がなく、その結果、コス
トを低減することができる。
【0131】(第4の実施形態)上記第3の実施形態
は、第1の実施形態を多点ひずみ測定に応用したもので
あるが、これに限定されるものではなく、第2実施形態
に示した2ゲージの測定方法を用いて多点ひずみ測定を
行うようにしてもよい。この場合の多点ひずみ測定装置
を第4の実施形態(本発明の第2の態様の多点ひずみ測
定装置の実施形態)として図9を参照して説明する。
【0132】この多点ひずみ測定装置70は、n個のチ
ャンネルCh1〜Chn分のスイッチ回路71と、測定
回路51と、コントロールユニット40とを備えてい
る。この装置70では、測定回路51とコントロールユ
ニット40は第2の実施形態と同一であり、これらの構
成については第2の実施形態のひずみ測定装置50と同
一の参照番号を付与し、説明を省略する。
【0133】本実施形態では、2つのひずみゲージ1、
1′を1組として、n組のひずみゲージが例えば板状の
物体のn個の部位の表裏面に貼着されるものとする(2
つのひずみゲージのひずみの比a=−1)。各組のひず
みゲージ1、1′には、合計7本のリード線2〜8が結
線されている。このうち、ひずみゲージ1、1′双方に
結線されたリード線8は電流供給用のリード線として使
用され、他の6本のリード線2〜7は、スイッチ回路7
1に結線されている。スイッチ回路71は、6つのスイ
ッチ素子からなり、それら6つのスイッチ素子は一端が
各ひずみゲージのリード線2〜7に結線されており、他
端が測定回路51に結線されている。この場合、各スイ
ッチ回路71の6つのスイッチ素子をオン状態にしたと
き、そのスイッチ回路71に対応するひずみゲージ1、
1′が測定回路51に対して図6のものと同様に接続さ
れるようになっている。
【0134】上記構成の多点ひずみ測定装置70は、以
下のように、第3の実施形態の装置60と同様な動作を
する。すなわち、制御回路44は、測定基準とする初期
状態と測定時において、スイッチ回路71を切り換えて
n個の測定点について2つのひずみゲージの抵抗比を算
出し、記憶回路45に記憶保持させる。そして、制御回
路44は、記憶回路45にあらかじめプログラムされた
図7のフローチャートの処理をチャンネルごとに行う。
すなわち、制御回路44は、記憶回路45に記憶保持さ
れたゲージ率K1,K2、2つのひずみゲージのひずみの
比a、初期状態における抵抗比C0kおよびひずみ測定時
の抵抗比Cεk(k=1〜n)のデータを記憶回路45
から読み込む。そして、読み込んだ上記の各データの値
を用いて、前記の式(11)の演算を行うことで、物体
のn点におけるひずみゲージ1に関するひずみε11〜ε
1nを求める。
【0135】なお、n組のひずみゲージ1、1′は測定
対象の物体のn個の部位に貼着されるものとして説明し
たが、n組のひずみゲージ1、1′がn個の物体に貼着
されるものとしてもよい。上記実施形態によれば、2つ
のひずみゲージからなる組を選択的に切り換えることに
より、各測定点において、2つのひずみゲージに生じる
電圧を抽出し、ひずみを算出することができる。また、
ひずみゲージに結線されたリード線の抵抗値が、測定点
同士で互いに異なる場合も測定に影響を及ぼさなくなる
という効果がある。また、測定点を切り換えるスイッチ
の接点抵抗が測定誤差の要因とならないので、接点抵抗
ができるだけ小さなスイッチ素子を選択したり、接点抵
抗の影響を補償する方策を採る必要がなく、その結果、
コストを低減することができる。
【0136】(第5の実施形態)次に、本発明の第5の
実施形態に係る多点ひずみ測定システムを図10を参照
して説明する。この実施形態は本発明の第1の態様の多
点ひずみ測定システムの実施形態である。
【0137】多点ひずみ測定システムは、多点ひずみ測
定装置80と、n個の測定モジュール90と、測定モジ
ュール90に接続されたn個のひずみゲージ1とを備え
る。多点ひずみ測定装置80は、測定回路31と、コン
トロールユニット40と、チャンネル制御部81とを備
えている。この装置80では、測定回路31とコントロ
ールユニット40は第1の実施形態と同一であり、これ
らの構成については第1の実施形態のひずみ測定装置3
0と同一の参照番号を付与し、説明を省略する。
【0138】チャンネル制御部81は、コントロールユ
ニット40の制御回路44の制御の下、測定モジュール
90を選択するための制御信号を測定モジュール90に
供給する。各測定モジュール90は、4つのスイッチ素
子からなるスイッチ回路61と、チャンネル識別回路9
1とを備える。各測定モジュール90は、一端が共通の
信号線L1〜L4およびLcで多点ひずみ測定装置80に
結線され、他端がひずみゲージ1に前記第1の実施形態
のものと同様に結線されたリード線2〜5に接続されて
いる。尚、信号線Lcは図面上では1本の線で表現され
ているが実際には2線以上の線から構成されている。信
号線L1〜L4はそれぞれスイッチ回路61のスイッチ素
子の一端に接続され、スイッチ素子の他端が各々ひずみ
ゲージ1のリード線2〜5に接続されている。チャンネ
ル識別回路91は、多点ひずみ測定装置80から信号線
cを経由する制御信号を識別し、制御信号に応じてス
イッチ素子をオン/オフする。
【0139】上記構成の多点ひずみ測定システムは、次
のように動作する。まず、ひずみ測定の基準とする初期
状態において、以下のように測定が行われる。n個のひ
ずみゲージ1は測定対象の物体のn個の部位に貼着さ
れ、各測定モジュール90は適宜配置される。多点ひず
み測定装置80の所定の操作等により、コントロールユ
ニット40を動作させる。このとき、チャンネル制御部
81は、コントロールユニット40の制御回路44の制
御の下、測定モジュール90に制御信号を供給する。選
択された測定モジュール90では、チャンネル識別回路
91は、4つのスイッチ素子をオンさせる。この測定モ
ジュール90に接続されたひずみゲージ1は多点ひずみ
測定装置80に導通する。このとき、このひずみゲージ
1は図4のものと同様に測定装置80の測定回路31に
接続する。制御回路44は、基準電源回路41(図4参
照)を起動して、基準電源回路41から測定回路31に
基準入力電圧Vを付与させる。選択したモジュール90
には信号線L1、L4を介して電流が流れ、モジュール9
0に接続されたひずみゲージ1の両端に電圧が生じ、信
号線L2、L3により電圧が抽出される。制御回路44
は、電圧差検出回路11(図4参照)の出力電圧e0
基づいて抵抗比C0を前記の式(21)により求め記憶
回路45に記憶保持させる。以下、同様にして、制御回
路44は、各モジュール90に制御信号を順次供給し、
選択したモジュール90に接続されるひずみゲージ1に
関して抵抗比C0を求め、記憶回路45に記憶保持させ
る。このようにして、n個のチャンネル分のモジュール
90をすべて選択することにより、各チャンネルにそれ
ぞれ対応するn個の抵抗比データC01〜C0nを記憶回路
45に記憶保持させる。
【0140】次に、制御回路44は、操作者の所定の操
作等により指示されたタイミング等に従って、初期状態
における測定と同様にしてひずみ測定を行い、各チャン
ネルに対応するn個の抵抗比データCε1〜Cεnを記憶
回路45に記憶保持させる。そして、制御回路44は、
記憶回路45にあらかじめプログラムされた図5のフロ
ーチャートの処理を行う。すなわち、制御回路44は、
記憶回路45に記憶保持されたゲージ率K、各チャンネ
ル毎の初期状態およびひずみ測定時における抵抗比
0k、Cεk(k=1〜n)を記憶回路45から読み込
む。そして、上記の各データの値を用いて、前記の式
(14)の演算を行うことで、物体のひずみε 11〜ε1n
を求める。なお、n個のひずみゲージ1はn個の物体に
貼着されるものとしてもよい。
【0141】この実施形態によれば、各モジュールに結
線された共通の信号線が長くてもその抵抗値がひずみ測
定値に影響を及ぼさずに多点ひずみ測定を行うことがで
きる。また、測定点を切り換えるスイッチの接点抵抗が
測定誤差の要因とならないので、接点抵抗ができるだけ
小さなスイッチ素子を選択したり、接点抵抗の影響を補
償する方策を採る必要がなく、その結果、コストを低減
することができる。
【0142】(第6の実施形態)上記実施形態は1つの
ひずみゲージによる多点ひずみ測定システムを説明した
が、これに限定されるものではなく、2つのひずみゲー
ジを利用するようにしてもよい。この場合の多点ひずみ
測定システムを第6の実施形態として図11を参照して
説明する。
【0143】多点ひずみ測定システムは、多点ひずみ測
定装置82と、n個の測定モジュール92と、測定モジ
ュール92に接続されたn個のひずみゲージ1、1′の
組とを備える。多点ひずみ測定装置82は、測定回路5
1と、コントロールユニット40と、チャンネル制御部
81とを備えている。この装置82では、測定回路51
とコントロールユニット40は第2の実施形態と同一で
あり、これらの構成については第2の実施形態のひずみ
測定装置50と同一の参照番号を付与し、説明を省略す
る。チャンネル制御部81は、コントロールユニット4
0の制御回路44の制御の下、モジュール92を選択す
るための制御信号を測定モジュール92に供給する。
【0144】各測定モジュール92は、6つのスイッチ
素子からなるスイッチ回路71と、チャンネル識別回路
91とを備える。各測定モジュール92は、一端が共通
の信号線L1〜L6およびLcで多点ひずみ測定装置82
に結線され、他端がひずみゲージ1,1′に前記第2の
実施形態のものと同様に結線されたリード線2〜7に接
続されている。信号線L1〜L6はそれぞれスイッチ回路
71のスイッチ素子の一端に接続され、スイッチ素子の
他端が各々ひずみゲージ1,1′のリード線2〜7に接
続されている。チャンネル識別回路91は、多点ひずみ
測定装置82から信号線Lcを経由する制御信号を識別
し、制御信号に応じてスイッチ素子をオン/オフする。
【0145】上記構成の多点ひずみ測定システムは、次
のように動作する。まず、ひずみ測定の基準とする初期
状態において、以下のように測定が行われる。n個のひ
ずみゲージ1、1′の組は測定対象の物体のn個の部位
(例えば表裏面)に貼着され、各測定モジュール92は
適宜配置される。多点ひずみ測定装置82の所定の操作
等により、コントロールユニット40を動作させる。こ
のとき、チャンネル制御部81はコントロールユニット
40の制御回路44の制御の下、測定モジュール92に
制御信号を供給する。選択された測定モジュール92で
は、チャンネル識別回路91は、6つのスイッチ素子を
オンさせる。この測定モジュール92に接続されたひず
みゲージ1,1′は多点ひずみ測定装置82に導通す
る。このとき、このひずみゲージ1,1′は図6のもの
と同様に測定装置82の測定回路51に接続する。制御
回路44は、基準電源回路41(図6参照)を起動し
て、基準電源回路41から測定回路51に基準入力電圧
Vを付与させる。選択したモジュール92に測定回路5
1により信号線L1、L6を介して電流が流れ、モジュー
ル92に接続されたひずみゲージ1、1′の各両端に電
圧が生じ、生じた電圧はそれぞれ信号線L2、L3および
4、L5により抽出される。制御回路44は、電圧差検
出回路10(図6参照)の出力電圧e0に基づいて抵抗
比C0を前記の式(21)により求め記憶回路45に記
憶保持させる。以下、同様にして、制御回路44は、各
モジュール92に制御信号を順次供給し、選択したモジ
ュール92に接続されるひずみゲージ1,1′に関して
抵抗比C0を求め、記憶回路45に記憶保持させる。こ
のようにして、n個のチャンネル分のモジュール92を
すべて選択することにより、各チャンネルにそれぞれ対
応するn個の抵抗比データC01〜C0nを記憶回路45に
記憶保持させる。
【0146】次に、制御回路44は、操作者の所定の操
作等により指示されたタイミング等に従って、初期状態
における測定と同様にしてひずみ測定を行い、各チャン
ネルに対応するn個の抵抗比データCε1〜Cεnを記憶
回路45に記憶保持させる。そして、制御回路44は、
記憶回路45にあらかじめプログラムされた図7のフロ
ーチャートの処理を行う。すなわち、制御回路44は、
記憶回路45に記憶保持されたゲージ率K1、K2、第1
のひずみゲージ1と第2のひずみゲージ1′のひずみの
比a、各チャンネル毎の初期状態およびひずみ測定時に
おける抵抗比C 0k、Cεk(k=1〜n)を記憶回路4
5から読み込む。そして、上記の各データの値を用い
て、前記の式(11)の演算を行うことで、物体のひず
みε11〜ε 1nを求める。尚、n個のひずみゲージ1、
1′の組はn個の物体に貼着されるものとしてもよい。
【0147】上記実施形態によれば、各モジュールに結
線された共通の信号線やひずみゲージに結線されたリー
ド線が長い場合でもその抵抗値がひずみ測定値に影響を
及ぼさずに2ゲージ法による多点ひずみ測定を行うこと
ができる。また、測定点を切り換えるスイッチの接点抵
抗が測定誤差の要因とならないので、接点抵抗ができる
だけ小さなスイッチ素子を選択したり、接点抵抗の影響
を補償する方策を採る必要がなく、その結果、コストを
低減することができる。
【0148】以上説明した第1〜第6の実施形態におい
ては、コントロールユニット40の制御回路44は、抵
抗比Cを求めた上で、前記の式(11)または(14)
からひずみを求めている。しかし、本発明は、式(1
1)、(14)に示す抵抗比Cを必ず使用しなければな
らないわけではない。1ゲージ法では、ひずみゲージと
基準抵抗体に生じる電圧V1、V2あるいはそれらの差を
用いて求めることができ、且つ、式(14)と同じ演算
結果になるかぎり、どのような形式の演算式を用いても
よい。例えば、1ゲージ法では、抵抗比Cの代わりに、
基準抵抗体RSに対するひずみゲージの抵抗Rと基準抵
抗体RSの差の割合(R−RS)/RS(以下これを抵抗
差率Dとよぶ)を用いてひずみを表すようにしてもよ
い。この場合には、式(14)は、次式(23)のよう
に書き換えられる。
【0149】 ε=(1/K)・(Dε−D0 )/(1+D0)・・・・・・・・・・(23)
【0150】ただし、Dεはひずみ測定時の抵抗差率、
0は測定の基準とする初期状態における抵抗差率、K
はひずみゲージのゲージ率をそれぞれ表すものとする。
【0151】また、2ゲージ法では、2つのひずみゲー
ジに生じる電圧V1、V2あるいはそれらの差を用いて求
めることができ、且つ、式(11)と同じ演算結果にな
るかぎり、どのような形式の演算式を用いてもよい。例
えば、抵抗比Cの代わりに、一方のひずみゲージの抵抗
に対する両者の抵抗の差の割合(R1−R2)/R2(抵
抗差率D)を用いてひずみを表すようにしてもよい。こ
の場合には、式(11)は、次式(24)のように書き
換えられる。
【0152】 ε=(Dε−D0 )/(K1・(1+D0)−a・K2・(Dε+1))・・・・・( 24)
【0153】ただし、D0、Dεはそれぞれ初期状態、
ひずみ測定時における抵抗差率、K1、K2は2つのひず
みゲージのゲージ率、aは第1および第2のひずみゲー
ジのひずみの比を表すものとする。
【0154】ここで、上記1ゲージ法及び2ゲージ法の
いずれにおいても、抵抗差率Dと電圧V1、V2との間に
は次式(25)の関係がある。
【0155】 D=(V1−V2)/V2・・・・・・・・・・(25)
【0156】従って、この式(25)を式(23)、
(24)に適用することでV1,V2を用いてひずみεの
測定値を得ることができることとなる。
【0157】また、上記実施の形態においては、ひずみ
測定装置に1つのひずみゲージを接続する場合(1ゲー
ジ法)と2つのひずみゲージを接続する場合(2ゲージ
法)を説明したが、これに限定されるものではなく、1
ゲージ法と2ゲージ法を切換により両方とも実現可能な
ひずみ測定装置を構成してもよい。この場合の測定回路
を図12に示す。(第7実施形態)図12において、ス
イッチSW1がオフで、SW2がオンの場合には、1ゲ
ージ法の測定回路(第1の実施形態)になり、スイッチ
SW1がオンで、SW2がオフの場合には、2ゲージ法
の測定回路(第2の実施形態)になる。
【0158】また、上記実施の形態においては、ひずみ
測定装置の測定回路には、電圧差検出回路と電圧安定化
回路の両方を備えるものとして説明したが、必ずしもこ
のように構成する必要はなく、どちらか一方のみ備える
ようにしてもよい。また、測定回路から両方とも除去し
てもよい。この場合には、高分解能電圧測定手段を用い
るようにして、直接、基準抵抗体に生じた電圧やひずみ
ゲージに生じた電圧を測定するようにする。
【図面の簡単な説明】
【図1】2つのひずみゲージを用いた本発明の測定方法
の原理を説明するための測定回路を示す図。
【図2】1つのひずみゲージを用いた本発明の測定方法
の原理を説明するための測定回路を示す図。
【図3】近傍に配置された2つのひずみゲージを用いた
本発明の測定方法の原理を説明するための測定回路を示
す図。
【図4】第1の実施形態のひずみ測定装置を示す図。
【図5】第1の実施形態におけるひずみ算出の処理を示
すフローチャート。
【図6】第2の実施形態のひずみ測定装置を示す図。
【図7】第2の実施形態におけるひずみ算出の処理を示
すフローチャート。
【図8】第3の実施形態の多点ひずみ測定装置を示す
図。
【図9】第4の実施形態の多点ひずみ測定装置を示す
図。
【図10】第5の実施形態の多点ひずみ測定システムを
示す図。
【図11】第6の実施形態の多点ひずみ測定システムを
示す図。
【図12】第7の実施形態のひずみ測定装置を示す図。
【図13】従来の1ゲージ2線法の測定回路を示す図。
【図14】従来の1ゲージ3線法の測定回路を示す図。
【図15】従来の2ゲージ法の測定回路を示す図。
【符号の説明】
1,1′・・・ひずみゲージ、2〜8・・・リード線、10,
11,12・・・電圧差検出回路、20,21,22・・・電
圧安定化回路、30,50・・・ひずみ測定装置、60,
70,80,82・・・多点ひずみ測定装置、61,71・
・・スイッチ回路、81・・・チャンネル制御部、90,9
2・・・測定モジュール、91・・・チャンネル識別回路。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ひずみに応じた抵抗値変化を生じるひずみ
    ゲージを物体に貼着して、該物体のひずみを測定する方
    法であって、 一定抵抗値の基準抵抗体と前記ひずみゲージとを直列に
    接続し、前記ひずみゲージにあらかじめ結線された電流
    供給用リード線を介して、前記基準抵抗体とひずみゲー
    ジとの直列回路に電流を流す電流供給ステップと、 ひずみ測定の基準とする初期状態において、前記電流供
    給ステップによりひずみゲージに生じた電圧を、前記ひ
    ずみゲージの各端部に前記電流供給用リード線とは別に
    あらかじめ結線された電圧抽出用リード線を介して抽出
    すると共に、前記基準抵抗体に生じた電圧を該基準抵抗
    体の近傍で抽出する初期電圧抽出ステップと、 前記物体のひずみ測定時において、前記電流供給ステッ
    プによりひずみゲージに生じた電圧を前記電圧抽出用リ
    ード線を介して抽出すると共に、前記基準抵抗体に生じ
    た電圧を該基準抵抗体の近傍で抽出するひずみ電圧抽出
    ステップと、 前記初期電圧抽出ステップおよびひずみ電圧抽出ステッ
    プで抽出された電圧に基づいて、次式(1)により表さ
    れる値εをひずみ測定値として求めるひずみ算出ステッ
    プと、 を有することを特徴とするひずみ測定方法。 ε=(1/K)・(Cε/C0−1)・・・・・・・・・・(1) ただし、Cε:ひずみ測定時の基準抵抗体に対するひず
    みゲージの抵抗比、C 0:初期状態における基準抵抗体
    に対するひずみゲージの抵抗比、K:ひずみゲージのゲ
    ージ率
  2. 【請求項2】前記初期電圧抽出ステップとひずみ電圧抽
    出ステップとは、 それぞれ、ひずみゲージに生じる電圧と基準抵抗体に生
    じる電圧との差を検出する電圧差検出ステップを有し、 前記ひずみ算出ステップは、前記初期電圧抽出ステップ
    およびひずみ電圧抽出ステップがそれぞれ、前記電圧差
    検出ステップにて検出した電圧差と、基準抵抗体に生じ
    た電圧またはひずみゲージに生じた電圧とから、前記の
    式(1)により表される値εを求めることを特徴とする
    請求項1に記載のひずみ測定方法。
  3. 【請求項3】基準抵抗体に生じる電圧、または、ひずみ
    ゲージに生じる電圧、または、基準抵抗体に生じる電圧
    とひずみゲージに生じる電圧との和を所定の一定値に保
    つステップをさらに有することを特徴とする請求項1に
    記載のひずみ測定方法。
  4. 【請求項4】前記初期電圧抽出ステップおよびひずみ電
    圧抽出ステップとは、 それぞれ、ひずみゲージに生じる電圧と基準抵抗体に生
    じる電圧との差を検出する電圧差検出ステップと、 基準抵抗体に生じる電圧、または、ひずみゲージに生じ
    る電圧、または、基準抵抗体に生じる電圧とひずみゲー
    ジに生じる電圧との和を所定の一定値に保つステップ
    と、 を有し、 前記ひずみ算出ステップは、前記初期電圧抽出ステップ
    およびひずみ電圧抽出ステップがそれぞれ、前記電圧差
    検出ステップにて検出した電圧差と、前記所定の一定値
    とから、前記式(1)により表される値εを求めること
    を特徴とする請求項1に記載のひずみ測定方法。
  5. 【請求項5】ひずみに応じた抵抗値変化を生じる第1お
    よび第2のひずみゲージを直列に接続し、該第1および
    第2のひずみゲージをそれらのひずみ量の比が既知とな
    るような物体の2つの部位に貼着して該物体のひずみを
    測定する方法であって、 前記第1および第2のひずみゲージにあらかじめ結線さ
    れた電流供給用リード線を介して、第1および第2のひ
    ずみゲージの直列回路に電流を流す電流供給ステップ
    と、 ひずみ測定の基準とする初期状態において、前記電流供
    給ステップにより第1および第2のひずみゲージに生じ
    た電圧を、第1および第2のひずみゲージの各端部に前
    記電流供給用リード線とは別にあらかじめ結線された電
    圧抽出用リード線を介して抽出する初期電圧抽出ステッ
    プと、 前記物体のひずみ測定時において、前記電流供給ステッ
    プにより第1および第2のひずみゲージに生じた電圧を
    前記電圧抽出用リード線を介して抽出するひずみ電圧抽
    出ステップと、 前記初期電圧抽出ステップおよびひずみ電圧抽出ステッ
    プで抽出された電圧に基づいて、次式(2)により表さ
    れる値εを第1のひずみゲージのひずみ測定値として求
    めるひずみ算出ステップと、 を有することを特徴とするひずみ測定方法。 ε=(Cε−C0)/(K1・C0−a・K2・Cε)・・・・・・・・・・(2) ただし、Cε:ひずみ測定時の第2のひずみゲージに対
    する第1のひずみゲージの抵抗比、C0:初期状態にお
    ける第2のひずみゲージに対する第1のひずみゲージの
    抵抗比、K1:第1のひずみゲージのゲージ率、a:第
    1のひずみゲージに生じるひずみ量に対する第2のひず
    みゲージに生じるひずみ量の比、K2:第2のひずみゲ
    ージのゲージ率
  6. 【請求項6】前記初期電圧抽出ステップとひずみ電圧抽
    出ステップとは、 それぞれ、第1のひずみゲージに生じる電圧と第2のひ
    ずみゲージに生じる電圧との差を検出する電圧差検出ス
    テップを有し、 前記ひずみ算出ステップは、前記初期電圧抽出ステップ
    およびひずみ電圧抽出ステップがそれぞれ、前記電圧差
    検出ステップにて検出した電圧差と、第1または第2の
    ひずみゲージに生じた電圧とから、前記式(2)により
    表される値εを求めることを特徴とする請求項5に記載
    のひずみ測定方法。
  7. 【請求項7】第1または第2のひずみゲージに生じる電
    圧、または、第1および第2のひずみゲージに生じる電
    圧の和を所定の一定値に保つステップをさらに有するこ
    とを特徴とする請求項5に記載のひずみ測定方法。
  8. 【請求項8】前記初期電圧抽出ステップとひずみ電圧抽
    出ステップとは、それぞれ、 第1のひずみゲージに生じる電圧と第2のひずみゲージ
    に生じる電圧との差を検出する電圧差検出ステップと、 第1または第2のひずみゲージに生じる電圧、または、
    第1のひずみゲージに生じる電圧と第2のひずみゲージ
    に生じる電圧との和を所定の一定値に保つステップと、 を有し、 前記ひずみ算出ステップは、前記初期電圧抽出ステップ
    およびひずみ電圧抽出ステップがそれぞれ、前記電圧差
    検出ステップにて検出した電圧差と、前記所定の一定値
    とから、前記式(2)により表される値εを求めること
    を特徴とする請求項5に記載のひずみ測定方法。
  9. 【請求項9】請求項1乃至4のいずれか1項に記載のひ
    ずみ測定方法を用いて多点ひずみ測定を行うシステムで
    あって、 前記電流供給用リード線及び電圧抽出用リード線がそれ
    ぞれあらかじめ結線された複数のひずみゲージと、 前記基準抵抗と、前記電流供給ステップ、初期電圧抽出
    ステップ、ひずみ電圧抽出ステップ及びひずみ算出ステ
    ップの処理を実行するための回路と、を含む測定手段
    と、 各ひずみゲージの電流供給用リード線および電圧抽出用
    リード線が接続され、前記測定手段に接続するひずみゲ
    ージを選択的に切り換えるスイッチ手段と、 を備えたことを特徴とする多点ひずみ測定システム。
  10. 【請求項10】請求項5乃至8のいずれか1項に記載の
    ひずみ測定方法を用いて多点ひずみ測定を行うシステム
    であって、 2つのひずみゲージを直列に接続してなる直列回路を1
    組として構成され、前記電流供給用リード線及び電圧抽
    出用リード線がそれぞれあらかじめ結線された複数組の
    ひずみゲージと、 前記電流供給ステップ、初期電圧抽出ステップ、ひずみ
    電圧抽出ステップ及びひずみ算出ステップの処理を実行
    するための回路と、を含む測定手段と、 各組のひずみゲージの電流供給用リード線および電圧抽
    出用リード線が接続され、前記測定手段に接続するひず
    みゲージを選択的に切り換えるスイッチ手段と、 を備えたことを特徴とする多点ひずみ測定システム。
  11. 【請求項11】前記スイッチ手段は、 各ひずみゲージに対応したチャンネルを有して、該チャ
    ンネルを指定する信号を識別して該信号に基づいてスイ
    ッチを切り換えるチャンネル識別手段を備えた複数の測
    定用モジュールから構成され、前記複数の測定用モジュ
    ールは、前記測定手段に接続された共通の信号線に結線
    され、 前記測定手段は、前記チャンネルを指定する信号を前記
    測定用モジュールに供給するチャンネル制御手段を備え
    る、 ことを特徴とする請求項9に記載の多点ひずみ測定シス
    テム。
  12. 【請求項12】前記スイッチ手段は、 2つのひずみゲージよりなる各組に対応したチャンネル
    を有して、該チャンネルを指定する信号を識別して該信
    号に基づいてスイッチを切り換えるチャンネル識別手段
    を備えた複数の測定用モジュールから構成され、前記複
    数の測定用モジュールは、前記測定手段に接続された共
    通の信号線に結線され、 前記測定手段は、前記チャンネルを指定する信号を前記
    測定用モジュールに供給するチャンネル制御手段を備え
    る、 ことを特徴とする請求項10に記載の多点ひずみ測定シ
    ステム。
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