JP3681076B2 - バックリット用シートの製造方法 - Google Patents

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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,屋内広告看板として従来から使用されているアクリル,塩化ビニールー板に代わる内照式フレキシブルフェイス看板として,近年,特にガソリンスタンド,自動車ディーラー,レンタカーチェーン,大手スーパー等の内照式広告看板に利用されるバックリット用シートの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
照明広告看板の素材としてアクリル,塩化ビニール板等が使用されているが,これらの板を用いたものは,重くて,また,耐久性に問題があり,直射日光による脆化,変色,歪み,ヒビ割れまたは破損に至る欠点がある。
【0003】
最近では,アクリル板等に代わる素材として,合成繊維を使用した編物や織物に塩化ビニル樹脂等の合成樹脂を被覆したシートからなる内照式看板が,ヒビ割れもなく,耐久性も優れていることから,注目を浴びだしてきている。しかしながら,この場合被覆した合成樹脂の剥離強力をあるレベル以上に保持し,クリープ特性も満足できるものになるように密度の粗い編物や織物を使用する必要があるので,合成樹脂の被覆加工等の加工処理中に目ずれを起こして製品の品位を悪くしたり,内照式看板として使用中に繊維間に毛細管現象により雨水等が浸透してこれが汚れの原因となってしまうといった問題がある。
【0004】
これらの問題を解決のために生地の加工前に,樹脂処理による目止めや撥水処理を行うことが検討されているが,密度の粗い生地を目ずれの発生なく加工することは非常に困難な状態にある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の現状に鑑みてなされたもので,目ずれがなく,汚れの少ない,樹脂剥離強力が高く,耐クリープ性に優れたバックリット用シートの製造方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は,上記の課題を解決するものであり,経糸はポリエステル長繊維の無撚サイジングまたは有撚サイジングで,緯糸はポリエステル長繊維の有撚糸を用いて製織するに際し,織機上にて糊剤100部に対し2〜15部の範囲内の撥水剤を含む糊液を付与して乾燥し,次いで塩化ビニール樹脂にて被覆することを特徴とするバックリット用シートの製造方法を要旨とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明においては,経糸及び緯糸にポリエステル長繊維糸を用い,経糸は,製織性を向上させるために無撚の状態でまたは撚糸後サイジングを行い,緯糸については,樹脂剥離強力と耐クリープ性を考慮し,有撚で平織で製織する。
【0008】
本発明に用いるポリエステル長繊維糸は,ポリエチレンテレフタレート又はポリエチレンテレフタレート単位を主体とするポリエステルよりなる繊維であり,強度が7g/デニール以上,伸度が20%以上のものを用いることが好ましい。強度が7g/デニール以下であると,バックリット用シートとして要求される引張強力,タフネス等の特性を満足できるものを得にくくなる。またその繊度は,250〜2000デニールであるのが好ましい。
【0009】
経糸は,原糸が供給されたままの加撚なしの状態か,撚糸後,整経しサイジングして準備する。この場合の撚数は50〜150回/mが好ましい。緯糸は,撚糸して用いる。緯糸を撚糸しておくと,織上がりの生地において,無撚の場合に比較して経緯糸間にできる空隙が大きくなり,樹脂被覆加工したときの表裏の樹脂の接着面積が大きくなり,樹脂の剥離強力が大きくなり,クリープ特性も大きくすることができる。
【0010】
本発明では,織機上で織物が組織された後に,糊剤100部に対して2〜15部の範囲内の撥水剤を含む糊液を付与し,機上乾燥する。これにより密度の粗い織物の経緯糸の交差点を接着し,後工程における目ずれの発生を防止するとともに,糸条に撥水性能をもたせ,樹脂被覆後において特にバックリットとして使用中に雨水等が繊維間を毛細管現象で浸透し,樹脂被膜を損傷させたり,汚れとなってしまうことを防止することができる。
【0011】
糊剤100部に対し撥水剤が2部未満の糊液を付与したのでは,糸条に充分な撥水性を与えることができず,また,15部を越える糊液を付与すると,糸条の撥水性は充分であるが,繊維と樹脂のなじみがわるくなって樹脂の剥離強力が低くなって,耐クリープ性も悪くなっしてしまう。撥水剤の糊剤100部に対する好ましい添加量は,5〜10部である。
【0012】
ここで用いる糊剤としては,アクリル系樹脂,アクリル酸エステル系樹脂,水溶性ポリエステル樹脂,水溶性ウレタン樹脂が挙げられ,例えば,アクリル酸エステル共重合樹脂として互応化学株式会社の商品名プラスサイズJ−95,J−97,水溶性ポリエステル樹脂として互応化学株式会社の商品名プラスサイズJ−89,水溶性ウレタン樹脂としてセイコー化成株式会社の商品名ラックコート6303,大日本インキ株式会社の商品名ハイドランAP−20,AP−40等がある。
【0013】
撥水剤としては,一般的によく知られているフッ素系のものでよい。例えば,旭硝子株式会社の商品名アサヒガードAG−710である。なお,浸透性をよくするために,浸透剤を添加しても差し支えない。
【0014】
この目ずれ防止対策のために機上で糊付け付与する方法は,織物,編物,ラッセル等のバックリット用布帛の目ずれ防止対策として有効な方法である。
【0015】
本発明では,製織と共に機上で糊付けした織物の両面に塩化ビニル樹脂の被覆加工をしてバックリット用シートを得る。塩化ビニル樹脂の被覆加工方法は,トッピング加工でも,塩化ビニル樹脂フィルムを貼るラミネート加工でもよい。
【0016】
【作用】
本発明においては,ポリエステル長繊維を用い,バックリット用布帛として要求される粗くて目ずれの少ない基布を製織する際,製織時に糊剤100部に対して撥水剤を2〜15部添加した糊剤を付与することにより,織物間に糊剤を浸透させることで織物の目を止めることができるとともに,撥水性もある基布を得ることができ,従来,後加工で行ってきた撥水処理加工工程を省略することができる。
【0017】
【実施例】
次に,本発明を実施例によって具体的に説明する。なお,実施例における物性評価は,下記の方法により行った。
▲1▼ 引張強力,伸度
JIS L−1096に準じて測定。
▲2▼ 引裂強力
JIS L−1096(シングルタング法)に準じて測定
【0018】
▲3▼ 吸水性(撥水性)
JIS L−1096(バイレック法)に準じて,幅25cm×長さ20cmの試験片を,20±2℃の蒸留水を入れた水槽上の一定の高さに支えた水平棒上にピンでとめて吊るす。試験片の下端の1cmがちょうど水につかるようにし,10分間放置後の水の上昇した高さを測定する。
▲4▼ 樹脂剥離強力
JIS L−1096に準じて,幅3cm×長さ15cmの試料を経,緯各3枚作成し,オートグラフを用い,引張速度200mm/min で測定を行い,チャートに記録し,極大値の大きいものから5個の平均値を算出する。
【0019】
▲5▼ 耐クリープ性
株式会社安田精機製のNo.145−LCTクリープテスターを使用し,裏面からテープ(特殊編物からなるバックリット)4cm(2cm+2cm)をウェルダー接合し,幅3cm×長さ30cmに調整した後,中央部に融着部が位置するように取りつけ,8.7kgの荷重をかけて50℃の雰囲気温度のオーブン中に入れ,融着部が引き抜けるまでの時間を測定した。
【0020】
▲6▼ 目ずれ
目視による判定(○印:目ずれなし良好,×印:目ずれあり不良)
▲7▼ 目曲がり
JIS L−1096に準じて測定。
目曲がり(%)=(b/a)×100
〔a:試料幅,b:最大斜行距離〕
【0021】
実施例1
強度8.4g/デニール,伸度25%,180℃乾熱収縮率4%の高強力ポリエステル長繊維500デニール/48フィラメントを用い,経糸は,スラッシャサイジングM/Cにて無撚でポリエステル系糊剤(イーストマンコダック社,商品名WD,4%液)でサイジングを行い,付着量1.5%の経糸を準備した。次いで,広幅のウォータージェットルームを使用して緯糸を有撚(S90T/M)で打ち込み,経・緯の密度20.5×19本/吋で製織した。撥水剤を含む糊剤の調合割合は,アクリル系エステル共重合よりなる糊剤(互応化学株式会社,商品名J−95,4%液)100部に対して撥水剤(旭硝子株式会社,商品名アサヒガードAG−710)5部,浸透剤としてイソプロピルアルコールを0.1部とし,織機捲取り前に設置した糊剤付与槽に先の調合した糊剤を入れ,ローラー接触法にて付与を行い,次いで,熱シリンダーロール2本を用いて乾燥を行い,捲き取ってバックリット用布帛を製織した。続いて,厚さ0.25mmの塩化ビニールフィルムを両面ラミネートして,バックリット用布帛を塩化ビニール樹脂で被覆した本発明のバックリット用シートを得た。
【0022】
実施例2
実施例1の高強力ポリエステル長繊維を用い,経糸を有撚(S90T/M)でサイジングした以外は,実施例1と同様にして本発明のバックリット用シートを得た。
【0023】
比較例1
実施例1において,緯糸を有撚に替えて無撚のままで打ち込み,製織した以外は,実施例1と同様にして比較例1のバックリット用シートを得た。
【0024】
比較例2
実施例1において,撥水剤の添加量を糊剤100部に対して5部に替えて1.5部とした以外は,実施例1と同様にして比較例2のバックリット用シートを得た。
【0025】
比較例3
実施例1において,撥水剤の添加量を糊剤100部に対して5部に替えて20部とした以外は,実施例1と同様にして,比較例3のバックリット用シートを得た。
【0026】
比較例4
実施例1において,織機上での撥水剤および糊剤付与なしで製織した以外は,実施例1と同様にして比較例4のバックリット用シートを得た。
【0027】
実施例1〜2及び比較例1〜4の物性評価結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
Figure 0003681076
【0029】
表1より明らかなごとく,本発明による実施例1〜2のバックリット用シートは,繊維間への水の吸い上げがなく撥水性良好で,目ずれもなく,また,樹脂剥離強力も高く,耐クリープ性も良好で,実用に耐え得る性能を有している。これに対し,経・緯糸共に無撚で製織した比較例1のバックリット用シートは,撥水性および目ずれについては問題ないが,樹脂剥離強力が低いために耐クリープ性に問題があり,実用に耐えないものである。撥水剤が1.5部と少ない比較例2のバックリット用シートは,目ずれもなく,樹脂剥離強力も高く,耐クリープ性もよいが,撥水性が悪く繊維間への水の吸い上げが大きく,汚れの発生の懸念されるものであった。撥水剤が20部と多い比較例3のバックリット用シートは,目ずれはなく,撥水性も良好であるが,樹脂剥離強力が低いために耐クリープ性も悪く,実用には耐えないものである。織機上での糊剤および撥水剤付与なしで製織した布帛からなる比較例4のバックリット用シートは,目ずれがあり,撥水性も悪く,実用に耐えないものである。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば,製織時に糊剤100部に対し2〜15部の範囲内の撥水剤を含む糊剤を付与することで,従来実施されていた撥水加工工程を省略することができると共に,糊剤が織物間に浸透し,織物の目を止めることができ,汚れの発生の少ない,樹脂剥離強力が高く,耐クリープ性に優れたバックリット用シートを得ることができる。

Claims (1)

  1. 経糸はポリエステル長繊維の無撚サイジングまたは有撚サイジングで整経し,緯糸はポリエステル長繊維の有撚糸を用いて製織するに際し,織機上にて糊剤100部に対し2〜15部の範囲内の撥水剤を含む糊液を付与して乾燥し,次いで塩化ビニール樹脂にて被覆することを特徴とするバックリット用シートの製造方法。
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